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問題設定 目的 PKパラメータ (AUC,Cmax,Tmaxなど) の推定 PKパラメータの群間比較 PKパラメータのバラツキの評価! データの特徴 非反復測定値 個体につき 個の測定値しか得られない plasma concentration 非反復測定値のイメージ図 測定時点間で個体の対応がない 着目する状況 plasma concentration 経時反復測定値のイメージ図 測定時点間で個体の対応あり time time n = 0 ( = 4 5) n = 4

3 非反復測定値に基づく解析 PK パラメータの評価方法平均法 : 各測定時点の血漿中濃度の平均値を線で結んだ平均血漿中濃度曲線に基づく方法 簡便であり, 一般的に用いられる方法 AUC に関しては, 推定値だけでなくそのバラツキも評価可能 群間比較が可能 AUC 以外の PK パラメータのバラツキの評価は困難 time Plasma concentration 例 : AUC の算出 Y i : 観測時点 t ( = 0,,,p) での個体 i ( i =,,,n) の血漿中濃度, = = + = + + = n i i p p p p Y n Y Y t t Y t t Y t t 0 0, ) ( ) ( ) ( AUC 0 0 ) ( ) ( ˆ, ˆ ) ( ˆ ) ( ˆ ) ( 4 AUC Var = = + = + + = n i i p p p p Y Y n t t t t t t n σ σ σ σ ), ( ~... d i i i N Y σ µ (AUC の標準誤差 )

非反復測定値に基づく解析 4 PK パラメータの評価方法 モデルに依る解析 コンパートメントモデルのあてはめ PKパラメータのバラツキまで評価可能 あてはめるモデルにより推定結果が異なる パラメータの推定自体が困難な場合がある モデルの事前規定は困難 NLMIXED プロシジャ, ESTIMATE ステートメント 例 : 経口投与の - コンパートメントモデル C( t) = ( V F ) C kad ( k a k ) e ket kat ( e e ) D : 投与量,k a : 吸収速度定数,k e : 排泄速度定数,V C /F : 見かけの分布容積を表すパラメータ

非反復測定値に基づく解析 5 AUCだけでなく,CmaxやTmaxなどの群間比較を行いたい PKパラメータのバラツキの評価が必要! 簡便な方法で リサンプリング法により評価 リサンプリング + ノンパラメトリック法

リサンプリング法 6 STEP 測定時点ごとに 個のデータをランダムに選択し, これらのデータを 個体から得られた経時反復測定値とみなす plasma concentration time

リサンプリング法 7 STEP Step で得られた経時反復測定値に基づいて PK パラメータを推定 plasma concentration Cmax AUC Tmax time

リサンプリング法 STEP 3 Step と Step の操作を 000 回繰り返し,PK パラメータごとに, 得られた 000 個の推定値の平均値と標準偏差を算出 この平均値と標準偏差を,PK パラメータの推定値とその標準偏差とみなす 例 : AUC の算出 Y i : 観測時点 t ( = 0,,,p) での個体 i ( i =,,,n) の血漿中濃度, Y (l) : l (l =,,,r) 回目のリサンプリングで選択された観測時点 t ( = 0,,,p) の血漿中濃度 Var r p AUC = AUC r), AUC( r) = ( t t0) Y( r)0 + ( t + t ) Y( r) + ( t p t p r l= = r [ AUC] = ( AUC ( l ) AUC) r l= ( ) (AUC の標準偏差 ) = S Y ( r) p 8

リサンプリング法 9 群間比較 Step 3で得られたPKパラメータとその標準偏差 (Step 4) 投与群 A: (M A, S A ) 投与群 B: (M B, S B ) 検定統計量 : Z = n( M S A A M + S B B ) 帰無仮説のもとで,Z~N(0,) n : 各測定時点に割付けられた個体数

3 種の評価方法の適用例 ある実験データに基づいて,PK パラメータとそのバラツキを評価 PK パラメータの推定値 ( 標準誤差 ) -コンパートメント -コンパートメント PK パラメータリサンプリング法平均法モデルモデル AUC(0-4) 0.384(0.507) 0.36(0.586) 6.3(.068) 0.403(3.900) AUC(0- ) 0.405(0.507) 0.347( ) 6.3(.068) 0.473(4.54) Cmax 6.833(.080) 6.300( ) 5.537(0.385) 5.586(0.34) tmax 0.39(0.058) 0.50( ) 0.359(0.040) 0.350( ) t / 3.65(0.69) 3.05( ) 0.46(0.99) 3.665(6.8) バラツキの評価が困難 あてはめるモデルにより結果が異なる 平均法 - コンパートメントモデル - コンパートメントモデル 0

シミュレーション検討 PK パラメータの推定値の妥当性の検討 -コンパートメントモデルを利用して真の血漿中濃度曲線を仮定 平均二乗誤差 (MSE) の点から, リサンプリング法と平均法を比較 PK パラメータの群間比較におけるタイプ I エラーと検出力の評価 AUC について, リサンプリング法と平均法の結果を比較 PK パラメータのバラツキの評価 リサンプリング法を用いて評価したPKパラメータのバラツキの妥当性は? -コンパートメントモデルに個体間変動を考慮し, シミュレーションを実施 平均絶対偏差 (MAD) を求める

PK パラメータの推定値の妥当性の検討 - 評価方法 - STEP - コンパートメントモデル f(t) を利用して真の血漿中濃度曲線を仮定 この曲線に基づく PK パラメータを真値とする STEP 測定時点 t ごとに 4 個のデータ Y i を発生 : Y i ~ N ( f(t ), σ ) STEP 3 STEP で生成したデータに基づいてリサンプリング法と平均法をそれぞれ適用し,PK パラメータを推定 STEP 4 STEP と STEP 3 の操作を 000 回繰り返し MSE を算出 TYPE A TYPE B

3 PK パラメータの推定値の妥当性の検討 推定値の分布と MSE の比較 - AUC(0-4) - 平均法 TYPE A( 真値 :97.94) TYPE B( 真値 :59.5) MSE = 49.57 69.30 リサンプリング法 49.37 69.30

4 PK パラメータの推定値の妥当性の検討 推定値の分布と MSE の比較 - AUC(0- ) - 平均法 TYPE A( 真値 :00) TYPE B( 真値 :60) MSE = 65.57 69.90 リサンプリング法 74.98 70.4

5 PK パラメータの推定値の妥当性の検討 推定値の分布と MSE の比較 - Cmax - 平均法 TYPE A( 真値 :6.75) TYPE B( 真値 :7.95) MSE = 5.39.66 リサンプリング法 5.49 3.56

6 PK パラメータの推定値の妥当性の検討 推定値の分布と MSE の比較 - tmax - 平均法 TYPE A( 真値 :.0) TYPE B( 真値 :.43) MSE = 0.4 0.6 リサンプリング法 0. 0.05

7 PK パラメータの推定値の妥当性の検討 推定値の分布と MSE の比較 t / - 平均法 TYPE A( 真値 :3.47) TYPE B( 真値 :.77) MSE = 0.38 0.09 リサンプリング法 0.50 0.

8 PK パラメータの群間比較におけるタイプ I エラーと検出力の評価 - タイプ I エラーと検出力の評価方法 - STEP 測定時点 t での血漿中濃度 Y 投与群 A: Y ~ N(μ A, σ ), 投与群 B: Y ~ N(μ B, σ ) STEP 測定時点ごとに n 個のデータを発生 非反復測定値とみなす STEP 3 STEP で生成したデータに基づいてリサンプリング法と平均法をそれぞれ適用し,PK パラメータの群間比較を行う STEP 4 STEP と STEP 3 の操作を 000 回繰り返し, 有意差が認められた割合を算出

9 PK パラメータの群間比較におけるタイプ I エラーと検出力の評価 各想定のもとで有意差が得られた割合 ( 反復回数 000 回 ):AUC 想定 評価方法 各測定時点の個体数 n = 4 n = 6 n = 8 n = 0 想定 リサンプリング法 0.08 0.086 0.070 0.057 ( タイプ I エラー ) 平均法 0.065 0.05 0.05 0.04 想定 リサンプリング法 0.349 0.46 0.53 0.55 (AUC 差 での経験検出力 ) 平均法 0.60 0.363 0.470 0.5 想定 3 リサンプリング法 0.86 0.895 0.948 0.98 (AUC 差 での経験検出力 ) 平均法 0.74 0.86 0.939 0.98 * 有意水準 :0.05 特に個体数が少ない場合, リサンプリング法は, 平均法に比べて有意差が認められやすい! タイプ I エラーは増大傾向!

0 PK パラメータの群間比較におけるタイプ I エラーと検出力の評価 - 想定 ( タイプ I エラーの評価 ) に着目 - p 値の分布 一様分布の形状に近いほうが望ましい リサンプリング法 平均法

PK パラメータの群間比較におけるタイプ I エラーと検出力の評価 - 想定 ( タイプ I エラーの評価 ) に着目 - AUC とそのバラツキの箱ひげ図 ほとんど差はない! リサンプリング法は平均法に比べバラツキを小さく評価! AUC - 左側 : 平均法, 右側 : リサンプリング法 - AUC のバラツキ - 左側 : 平均法, 右側 : リサンプリング法 -

PK パラメータの群間比較におけるタイプ I エラーと検出力の評価 リサンプリング法では AUC 以外の PK パラメータの群間比較が可能! t / tmax Cmax p 値の分布 想定 のもとで有意差が認められた割合 ( 反復回数 000 回 ) PK パラメータ 各測定時点の個体数 n = 4 n = 6 n = 8 n = 0 Cmax 0.4 0.083 0.068 0.06 tmax 0.067 0.04 0.035 0.0 t / 0.070 0.050 0.03 0.03 * 群間比較を行った回数 : 996 回, 999 回 * 有意水準 :0.05 タイプ I エラーは個体数により変動

3 PK パラメータのバラツキの評価 - 評価方法 - STEP - コンパートメントモデルに個体間変動を考慮し,36 個体 (= 4 個体 9 測定時点 ) 分の血漿中濃度曲線を生成. 36 本の血漿中濃度曲線に基づき PK パラメータのバラツキを求め, 基準値とする STEP 個体の血漿中濃度曲線から, 所与の 測定時点でのデータを得, これらを非反復測定値とみなす 点ずつデータを得る

4 PK パラメータのバラツキの評価 STEP 3 STEP で得られたデータに基づいてリサンプリング法を適用し, PK パラメータのバラツキを評価 STEP 4 STEP ~STEP 3 の操作を 000 回繰り返す. PK パラメータごとに平均絶対偏差 (MAD) l ( 推定値 ) l ( 基準値 ) l / 000 を求め, 推定値の妥当性を検討する.

5 PK パラメータのバラツキの評価 ( 推定値 - 基準値 ) 対 基準値 のプロット AUC 過大推定 Cmax MAD = 5.45 0.87 過小推定 * AUC: ( リサンプリング法でのバラツキ ) < ( 平均法でのバラツキ )

6 PK パラメータのバラツキの評価 ( 推定値 - 基準値 ) 対 基準値 のプロット tmax 過大推定 t / MAD = 0.4 0. 過小推定

まとめ 7 非反復測定値に基づく PK パラメータの群間比較の方法 リサンプリング法 ( リサンプリング + ノンパラメトリック法 ) に着目 PK パラメータだけでなく, そのバラツキも評価可能 比較的簡便である PK パラメータの推定値の妥当性の検討 平均法と比べて大きな差はない PK パラメータの群間比較におけるタイプ I エラーと検出力の評価 個体数が少ない場合, リサンプリング法は平均法に比べてタイプ I エラーが増大する傾向にあった PK パラメータのバラツキの評価 AUC,t / は過大推定,Cmax は過小推定される傾向にあった バラツキの評価に関しては, さらに検討が必要