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Transcription:

140-0002 東京都品川区東品川 2-2-24 天王洲セントラルタワー 4F Tel: (03) 5796-7330 Fax: (03) 5796-7335 e-mail: sialjpts@sial.com FLAG Tagged Protein Immunoprecipitation Kit (FLAG 融合タンパクタンパク質免疫沈降免疫沈降キット ) 製品番号 FLAGIPT-1 TECHNICAL BULLETIN ( 使用説明書 ) 製品概要免疫沈降はタンパク質またはタンパク質複合体を分離するための強力な手法です 免疫沈降は 細胞溶解 特異的な抗原と抗体の結合 抗体抗原複合体の沈降 沈降物の洗浄 免疫複合体からの抗原解離という複数の手順で構成されます エピトープタグタンパク質は エピトープに対する特異性の高い抗体を用いることで アフィニティー精製および免疫沈降が可能です こうした抗体の使用により その後の生化学的および免疫学的分析が簡単になります FLAG エピトープシステムは 融合タンパク質が元々の構造と機能を維持できる低分子 FLAG オクタペプチド (N-Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys-C) を使用しています FLAG は親水性のため 抗体が接触できる融合タンパク質の表面に存在する可能性が高くなります FLAG Tagged Protein Immunoprrecipitation Kit は 活性 FLAG タグタンパク質の迅速かつ効率的な免疫沈降と溶出が可能です 免疫沈降は アガロースレジンに共有結合した特異性の高いモノクローナル抗体である ANTI- FLAG -M2 アフィニティーゲルで行います アフィニティーレジンの使用により 効率的な FLAG タグタンパク質の結合が可能で 準備作業やキャリブレーションの必要がありません 免疫沈降 FLAG タグタンパク質は 酸性条件または FLAG ペプチドとの競合により レジンから効率的に溶出できます 免疫沈降タンパク質は サイズ 翻訳後修飾 ゲル電気泳動での相互作用 活性アッセイによって検出できます 付属するする試薬免疫沈降反応 50 回分 Lysis Buffer ( 溶解バッファー ) 50 ml 製品番号 L3412 50 mm Tris HCl, ph 7.4, 150 mm NaCl, 1 mm EDTA, 1% TRITON X-100 含有 10X Wash Buffer( 洗浄バッファー ) 30 ml 製品番号 W0390 0.5 M Tris HCl, ph 7.4, 1.5 M NaCl 含有 Elution Buffer( 溶出バッファー ) 30 ml 製品番号 E6150 0.1 M Glycine, ph 3.5 2X Sample Buffer 1.5 ml 製品番号 S8684 125 mm Tris HCl, ph 6.8, 4% SDS, 20% (v/v) グリセロール, 0.004% ブロモフェノールブルー含有 3X FLAG Peptide 1 mg 製品番号 F4799 ANTI-FLAG M2-Agarose Affinity Gel 1 ml 製品番号 A2220 Amino-terminal FLAG-BAP Fusion 50 µg Protein 製品番号 P7582 本製品以外にごにご用意用意いただくいただく試薬試薬およびおよび器具 ( 製品番号を適宜付記しております ) 試験管 Hamilton シリンジ 製品番号 Z10,928-2 またはパスツールピペット 製品番号 S6268 シェーカー マイクロ遠心機 Dulbecco リン酸緩衝食塩水 (PBS) 製品番号 D8537 セルスクレーパー 製品番号 C2802 プロテアーゼインヒビターカクテル 製品番号 P8340 SIGMAFAST TM pnpp 基質タブレットセット 製品番号 N1891 または pnpp 液体基質システム 製品番号 N7653

2 ご使用前使用前の注意注意と免責事項弊社の製品は試験研究用のみを目的として販売されています 医薬品 家庭用その他試験研究以外の用途には使用できません 危険性や安全な取り扱いに関しては化学物質安全データシート (MSDS) をご覧ください 保存本キットはウェットアイスで輸送し 20 C で保存します 使用前の準備使用溶液の調製 キットに含まれるすべての溶液を融解し 均一に混合します 使用前に 2X サンプルバッファーを室温で平衡化します 溶液が均一であることを確認します 5 µg/µl 3X FLAG ペプチド溶液を調製します 3X FLAG ペプチド (N-Met-Asp-Tyr-Lys-Asp-His- Asp-Gly-Asp-Tyr-Lys-Asp-His-Asp-Ile-Asp-Tyr- Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys-C) は酸性です 適切に溶解するため 10X 洗浄バッファー 40 µl を 3X FLAG ペプチド 1 mg に加えます ペプチドが完全に溶解したら 蒸留水 160 µl をサンプルに加えます 十分混合し 分注して 20 C で保存します FLAG-BAP 融合タンパク質ストック溶液の一部 ( 約 2 µl) を 1X 洗浄バッファーで 50 ng/µl の濃度に希釈します 希釈した溶液は 20 C で約 2 カ月安定です 10X 洗浄バッファー 0.5 ml を滅菌した脱イオン水 4.5 ml に加えて十分混合し 免疫沈降サンプル 1 個あたり 1X 洗浄バッファー 5 ml を調整します 手順特に規定のない限り すべての手順を 2-8 C で行います あらかじめ冷却した溶解洗浄バッファーと装置を使用します サンプルと溶出バッファーはあらかじめあらかじめ冷却冷却しないでください すべての遠心は あらかじめ冷却したローターにて 2-8 C で行います 抗原とタンパク質 - タンパク質複合体は異なる割合の界面活性剤からなる特別な溶解バッファーが必要なため 10X 洗浄バッファーをコアバッファーとして使用することを推奨します ANTI-FLAG M2 アフィニティーゲルは 以下の界面活性剤に耐性を示します (5.0% TWEEN 20 5.0% TRITON X-100 0.1% IGEPAL CA-630 0.1% CHAPS 0.2% ジギトニン ) また 1.0 M NaCl や 1.0 M 尿素と使用することも可能です ANTI-FLAG M2 アフィニティーゲルを SDS 2- メルカプトエタノール ジチオスレイトール (DTT) デオキシコール酸 (DOC) 塩酸グアニジンとともに使用しないでください 上記以外の物質も干渉する可能性があります A. 細胞溶解 70-90% コンフルエントな 100 mm ディッシュ (10 6-10 7 細胞 ) に 1 ml の溶解バッファーを使用します FLAG タグタンパク質の発現量が比較的低ければ 溶解バッファーの量を減らして細胞を溶解します 特にライセートをその後の使用のために保存しておくときは プロテアーゼインヒビターカクテル ( 製品番号 P 8340) を溶解バッファー ( 溶解バッファー 1 ml あたり 10 µl) に加えると良いでしょう 1. 細胞を洗浄します a. 接着細胞の場合 : アッセイ対象の細胞から培地を除去します 細胞が剥がれないよう注意しながら PBS バッファーで細胞を 2 回洗います PBS を捨てます 溶解バッファー (10 6-10 7 細胞 /ml) を加えます b. 浮遊細胞の場合 : 適切な遠心用コニカルチューブに細胞を回収します 420 x g で 5 分間遠心します 上清をデカントして捨てます 細胞ペレットを PBS で再懸濁して細胞を 2 回洗い 420 x g で 5 分間遠心します 上清をデカントして捨てます 細胞ペレットを溶解バッファー (10 6-10 7 細胞 /ml) に再懸濁します 2. シェーカーで 15~30 分間細胞をインキュベートします 3. 付着細胞の場合 : 細胞をこすり取って回収します 浮遊細胞の場合 : ステップ 4 に進みます 4. 細胞ライセートを 12,000x g で 10 分間遠心します 5. 上清を冷却した試験管に移します すぐに使用する場合は氷上に置きます 上清をすぐに使用しない場合は 70 C で保存します

3 B. FLAG 融合タンパク質の免疫沈降 この手順は 免疫沈降反応を 1 回行う場合の手順です 免疫沈降反応を複数回行う場合は 処理するサンプル数に応じて必要な試薬量を計算します 免疫沈降反応を簡単に実施するため 1 回の反応あたり 40 µl のゲル懸濁液 ( 充填ゲル量約 20 µl) を使用することを推奨します より少量のレジン ( 充填ゲル量約 10 µl で 1 µg 以上の FLAG タグタンパク質と結合 ) を使用することも可能です この手順では 2 回のコントロール反応を行うことを推奨します 1 つ目のコントロールは FLAG-BAP 融合タンパク質による免疫沈降 ( ポジティブコントロール ) で 2 つ目のコントロールはタンパク質を含まない試薬ブランク ( ネガティブコントロール ) です 免疫沈降の手順には 沈降と上清除去の複数の操作が含まれます 洗浄溶出操作中にレジンが除去されるのを避けるため 免疫沈降反応用のカラムを使用することが可能です 空のクロマトグラフィースピンカラム ( フリット付き ) を遠心チューブにセットします レジンをカラムにロードし 遠心分離を用いてレジンを洗浄し 洗浄液を除去します カラムに出力プラグがある場合 結合溶出操作をカラムで行うことが可能です 短時間遠心することで 溶出タンパク質をレジンから効率的に分離できます この手順は レジン量が少ない ( ベッド量 20 µl) 場合にも多い場合にも適しています 1. レジンを均一に懸濁するため ANTI-FLAG M2 アフィニティーゲルをバイアルに完全に懸濁します 充填ゲル量に対する懸濁液の比率は 2:1 とします 懸濁バッファー中のレジン 40 µl を直ちに新しいチューブに移し レジンが均一に分注されるようにします レジンの移し変えには プラスチック製のピペットチップの末端を広げてレジンが移し変えられるようにしたものを使用します 2. レジンを 5,000-8,200 x g で 30 秒間遠心します 5,000-8,200 x g で 30 秒間遠心します レジンをチューブ内で沈降させるため サンプルを扱う前に 1~2 分間静置します レジンを移さないよう注意しながら 先端の細いピペットチップまたはハミルトンシリンジで上清を除去します 先端の細いピペットチップを作るには プラスチック製のピペットチップの開口部をピンセットで挟み 開口部の一部を閉じます 3. 充填ゲルを 1X 洗浄バッファーで 2 回洗います 洗浄バッファーの大部分が除去され レジンが捨てられていないことを確認してください 洗浄操作 ( オプション ): 未結合の微量 ANTI-FLAG 抗体をレジン懸濁液から除去するには 結合操作を続ける前に レジンを溶出バッファー 0.5 ml で洗います レジンを溶出溶出バッファーバッファー中で 20 分以上放置しないでください すべての上清をレジンから除去するよう気をつけながら 直ちに上清を捨て その後各 0.5 ml の 1X 洗浄バッファーで 3 回洗浄を行います オプションの洗浄操作を行わない場合 : 各 0.5 ml の 1X 洗浄バッファーを用いて さらに 2~3 回充填ゲルを洗います この操作により タンパク質がゲルと結合する前に すべてのグリセロールが除去されます 多数の免疫沈降サンプルを扱う場合 全サンプルに必要なレジンを同時に洗浄します 洗浄後 試験を行うサンプル数に応じてレジンを分注します 各洗浄は 充填ゲル総量の 20 倍に相当する量の 1X 洗浄バッファーで行います 4. 細胞ライセート 200-1000 µl を洗浄したレジンに加えます 必要に応じて 溶解バッファーを加えて最終量を 1 ml にします 使用する細胞ライセート量は トランスフェクションした細胞内の FLAG タグタンパク質の発現量によって決まります ポジティブコントロールの場合 : 1X 洗浄バッファー 1 ml と 50 ng/µl FLAG-BAP 融合タンパク質 4 µl ( 約 200 ng) を洗浄したレジンに加えます ネガティブコントロールの場合 : タンパク質を含まないまない溶解バッファー 1 ml のみを加えます FLAG-BAP 融合タンパク質の沈殿量は 検出方法によって異なります 活性アッセイやイムノブロット分析では タンパク質量は 200 ng で十分です Coomassie ブルーまたは銀染色による SDS-PAGE 分析では FLAG-BAP 融合タンパク質 1 µg を使用します 5. すべてのサンプルとコントロールを 2 時間ゆっくりと攪拌または振とう ( 回転振とう器を推奨 ) します 結合効率を高めるため 結合ステップの時間を延ばしてオーバーナイトで行うこともできます

4 6. レジンを 5,000-8,200 x g で 30 秒間遠心します 5,000-8,200 x g で 30 秒間遠心します 先端の細いピペットチップで上清を除去します 7. 1X 洗浄バッファー 0.5 ml でレジンを 3 回洗います ハミルトンシリンジまたは同等の機器を用いて すべての上清が除去されたことを確認します C. FLAG 融合タンパク質の溶出 タンパク質の特徴またはその後の使用に応じて 3 種類の溶出方法を推奨します 3X FLAG ペプチドとの競合による未変性状態でのタンパク質溶出この方法を用いた場合 非常に高い溶出効率が得られます ph 3.5 の 0.1 M グリシン ( 溶出バッファー ) による酸性条件での溶出この方法は迅速で 効率的な溶出方法です 溶出したタンパク質を洗浄バッファーで平衡化することで 活性が維持されます ゲル電気泳動とイムノブロッティング用のサンプルバッファーによる溶出 1. 3X FLAG ペプチドによる溶出 : a. 3X FLAG 溶出バッファーを調製します 5 µg/µl 3X FLAG ペプチド溶液 3 µl を 1X 洗浄バッファー 100 µl に加えます ( 最終濃度 150 ng/µl) b. 3X FLAG 溶出バッファー 100 µl をチューブのレジンに加えます c. サンプルとコントロールを 4 C で 30 分間ゆっくりと振とうしてインキュベートします d. レジンを 5,000-8,200 x g で 30 秒間遠心します ハミルトンシリンジまたは同等の道具を用いて 上清を新しいチューブに移します レジンまで移してしまわないよう注意してください すぐに使用するときは 上清を 2-8 C で保存します 長期保存するときは -20 C で保存します c. レジンを 5,000-8,200 x g で 30 秒間遠心します ハミルトンシリンジまたは同等の道具を用いて 上清を 10X 洗浄バッファー 10 µl を含む新しいチューブに移します レジンを移さないよう注意してください すぐに使用するときは 上清を 2-8 C で保存します 長期保存するときは 20 C で保存します 3. サンプルバッファーによる溶出この手順は室温で行ってください サンプルバッファーは使用前に室温に戻してください 抗体の変性を最小限に抑えるため このキットのサンプルバッファーには還元剤 (2- メルカプトエタノールや DTT など ) は含まれていません 還元条件がどうしても必要な場合には 還元剤を加えることもできます 1X サンプルバッファー中の 2- メルカプトエタノールまたは DTT の最終濃度は それぞれ 5% または 50 mm とします a. 2X サンプルバッファー 20 µl を各サンプルとコントロールに加えます b. サンプルとコントロールを 3 分間煮沸します c. サンプルとコントロールを 5,000-8,200 x g で 30 秒間遠心し 未溶解のアガロースを回収します ハミルトンシリンジまたは先端の細いパスツールピペットで上清を新しいチューブに移します サンプルとコントロールは ANTI-FLAG またはタグタンパク質に対する特異的抗体を用いて SDS-PAGE とイムノ - ブロットにロードできます 2. 溶出バッファーによる溶出 ( 製品番号 E6150) この手順は室温で行ってください レジンレジンを溶出バッファー中で 20 分以上放置しないでくださいしないでください a. 溶出バッファー ( 製品番号 E6150) 100 µl を各サンプルとコントロール用のレジンに加えます b. サンプルとコントロールを室温で 5 分間ゆっくりと振とうしてインキュベートします

5 D. ポジティブコントロールの検出 (FLAG-BAP 融合タンパク質 ) 1. サンプルとコントロールを SDS-PAGE で分析します タンパク質の分子量は 49.3 kda です 電気泳動の条件にもよりますが SDS-PAGE では 45-55 kda のバンドとして泳動します ANTI- FLAG または抗 Bacterial Alkaline Phosphatase (BAP) 抗体でゲルをイムノブロットするか いずれかの染色法 ( 銀染色または Coomassie blue) でゲルを染色します 2. BAP の存在を酵素活性により検出します BAP 活性の検出には SIGMAFAST pnpp 基質タブレットセット ( 製品番号 N1891) または pnpp 液体基質システム ( 製品番号 N7653) を推奨します トラブルシューティングガイド 問題溶出タンパク質の収率が低い サンプルバッファーで溶出したサンプルに 複数の SDS-PAGE バンドが出現する 原因結合効率が低い 溶出効率が低い ANTI-FLAG-M2 抗体サブユニットは SDS または還元剤によりレジンから除去されます 対策結合操作でのライセート / タンパク質の量を増やし 結合時間を一晩延長します 2 つの方法のいずれかで 溶出を向上させます 溶出液中の 3X FLAG 濃度を上げます 溶出バッファー (0.1 M グリシン ph 3.5) に塩を加えます SDS や還元剤を含まないサンプルバッファーを使用し 煮沸によりタンパク質を溶出します レジンから上清を分離してから SDS を加えます その後 サンプルを煮沸し SDS-PAGE にロードします 参考文献 1. Brizzard, B.L., et al., BioTechniques, 16, 730 (1994). 2. Knappik, A., and Pluckthun, A., BioTechniques, 17, 754 (1994). 3. Chiang, C.M., and Roeder, R.G., Pept. Res., 6, 62 (1993). 4. Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel F.M., et al. (John Wiley and sons Inc., N.Y.1998), pp. 10.15.1-10.16.29 5. Antibodies, A Laboratory Manual, Harlow E. and Lane D. (Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY, 1988), pp. 514-517, 541-542, 547-549. FLAG 及び ANTI-FLAG は Sigma-Aldrich R Biotechnology LP 及び Sigma-Aldrich Co. の登録商標です FLAG- BAP は Sigma-Aldrich R Biotechnology LP 及び Sigma-Aldrich Co. の商標です TRITON は Union Carbide Corp. の商標です TWEEN は ICI Americas, Inc. の事業部門である Uniqema の登録商標です IGEPAL は Rhone-Poulenc AG Co. の登録商標です Hamilton は Hamilton Co. の登録商標です Coomassie は Imperial Chemical Industries Ltd. の登録商標です DJ/MAM 09/04