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Transcription:

10-04 mrna Purification Kit MagExtractor TM - mrna - 取扱説明書 Code No.: NPK-801F TOYOBO CO., LTD. Life Science Department OSAKA JAPAN A4123K

- 目次 - [1] はじめに (1) [2] 精製フローの概要 (1) [3] 対応サンプル (3) [4] キットに含まれるもの (3) [5] キットの他に必要なもの (4) [6] RNAを取り扱う際の注意 (4) [7] プロトコール (5) 1. 培養細胞 組織より直接 mrna を抽出する方法 (5) (1) 溶解液の調製 (5) (2) サンプルの前処理 (5) (3) mrna の精製 (1 回目 ) (6) (4) DNase I 処理 (6) (5) mrna の精製 (2 回目 ) (7) 2. Total RNA より mrna を精製する方法 (8) (1) 溶解液の調製 (8) (2) Total RNA の DNase I 処理 (8) (3) mrna の精製 (1 回目 ) (9) (4) mrna の精製 (2 回目 ) (10) [8] 抽出例 (11) [9] トラブルシューティング (12) 1. RNA の収量が低い (12) 2. RNA が分解される (12) 3. RNA の純度が低い (13) 4. RT-PCRがうまくいかない (13) 5. 磁性ビーズが凝集し ほぐれない (13) [10] 関連商品 (14) ご注意 本キットに含まれる試薬はすべて研究用試薬です 診断 臨床用試薬としては決して使用しないでください 本キットの使用にあたっては 実験室での一般の注意事項を厳守し 安全に留意してください

[1] はじめに 本キットは oligo(dt) 固定化磁性粒子を用いた mrna (poly(a) + RNA) 精製用の試薬です 磁性粒子を使用していますので 磁性スタンドを用いることで 煩雑な遠心操作を最小限に減らし 迅速な mrna の精製が可能です 本キットにより Total RNA 培養細胞 組織等から得られた mrna は主に RT-PCR cdna クローニング cdna アレイのテンプレートとして用いることができます なお 本試薬は 弊社自動核酸抽出装置 (MFX-2000/2100 6000 9600) には対応しておりません < 性能 特長 > 培養細胞 組織をはじめ種々のサンプルより直接 mrna を精製することができます Total RNA より mrna を精製することができます フェノール クロロホルムなどの有害な溶媒は一切使用しません DNase I 処理及び精製工程を 2 回繰り返すプロトコールを採用していますので 高純度の mrna を精製することが可能です [2] 精製フローの概要 mrna を用いた RT-PCR cdna クローニング cdna アレイといった実験における成否は mrna の品質 純度に大きく左右されます そこで 本キットでは ゲノム DNA を除くために DNase I 処理を行うこと rrna の混入を最小限に抑えるために精製工程を 2 回繰り返すことを標準プロトコールとして採用しております プロトコール 用途 1 回精製 RT-PCR 2 回精製 RT-PCR cdna ライブラリーの作製 cdna アレイ 1 回精製では ゲノム DNA が混入する場合がありますので 必ず DNase 処理を行ってください 2 回精製では 1 回精製で除ききれなかった rrna やゲノム DNA が除去されるため 収量が 1 回精製 の 1/3~1/5 程度になります 1

R MagExtractor TM -mrna- -mrna- によるによる mrna mrna 精製フロー 培養細胞組織 溶解液ホモジナイゼーション 吸着液磁性ビーズライセート Total RNA DNase I 溶解液 * 吸着液 ハイブリダイゼーション 精製 1 回目 rrna trna genomic DNA mrna AAAAA TTTTT 洗浄 溶出 oligo(dt) 固定化磁性ビーズ AAAAA TTTTT mrna AAAAA DNase I 溶解液 * 吸着液 磁性ビーズ ハイブリダイゼーション 精製 2 回目 mrna 洗浄 溶出 AAAAA TTTTT AAAAA TTTTT mrna AAAAA * すでに DNase I 処理済のサンプルの場合は不要です 2

[3] 対応サンプル MagExtractor TM -mrna- は以下のサンプルに対応します 対応サンプル培養細胞動物組織植物組織 Total RNA サンプル量 ~1 10 7 cells ~50 mg ~100 mg ~100 g [4] キットに含まれるもの (5 回分 ) * 本キットには以下の mrna 抽出用試薬が含まれています 以下の温度で保存してください 試薬名 容量 保存温度 溶解液 4 ml 4 吸着液 8 ml 4 または室温 洗浄液 30 ml 4 または室温 溶出液 5 ml 4 または室温 磁性ビーズ 2.5 ml 4 DNase I (1 unit/ l) 10 l -20 RNase Inhibitor (10 units/ l) 10 l -20 10 DNase I Buffer 100 l -20 試薬が手や衣服に付着した場合 及び本試薬使用後は十分に水洗してください 万一目に入った場合は十分に水洗した後 医師の手当を受けてください 溶解液には タンパク質変性剤が含まれていますので 取扱いには十分ご注意ください 溶解液は 2-メルカプトエタノール ( キットには添付されておりません 別途ご用意ください ) と予め混合して使用します 使用直前に必要量のみを 400:2.8(v/v) の割合で混合してご使用ください 混合液を保存することは避けてください 酵素 酵素用反応バッファー以外の試薬は必ず室温に戻してからご使用ください * 1 回精製を行う場合は 10 回分となります 3

[5] キットの他に必要なもの 1. 試薬 2-メルカプトエタノール(2-ME)( 特級 以上のものをお薦めします) 2. 器具 機材 シリンジ(1 ml) 注射針(20~25 G) 磁性スタンド( 弊社 Magical Trapper : Code No.: MGS-101)( 遠心機でも可能 ) ボルテックスミキサー ヒートブロック( またはウォーターバス ) (65 ) 簡易卓上遠心機(3,000~5,000 rpm くらいの簡易遠心ができるもの ) 遠心機 組織サンプルを破砕する機器 液体窒素( 組織サンプル破砕時に使用 ) [6] RNA を取り扱う際の注意 1. 実験操作 RNA 実験は RNase の作用をおさえることが重要です そのためには 使用器具及び試薬類からの RNase の混入を防ぎ 実験環境にも注意を払うとともに 唾液 汗等からの RNase の混入を防ぐため マスク 手袋の着用をお勧めします 2. 器具実験器具は可能な限り ディスポーザブルタイプのプラスチック製品をオートクレーブ滅菌してください ガラス器具をご使用になる際には 乾熱滅菌するか もしくは 0.1% Diethylpyrocarbonate (DEPC) 溶液に 37 12 時間浸せきした後 オートクレーブ (121 30 分間 ) 処理したものを使用してください 4

[7] プロトコール 1. 培養細胞 組織より直接 mrna を抽出する方法 (1) 溶解液の調製 溶解液は 2-メルカプトエタノール (2-ME) と予め混合して使用します 2 回精製のプロトコールでは 1 サンプルにつき 溶解液 800 l に 2-メルカプトエタノール 5.6 l を加えます 1 回精製のプロトコールでは溶解液 400 l に 2-メルカプトエタノール 2.8 l を加えます この混合液は用時調製し 混合液を保存することは避けてください (2) サンプルの前処理 1 培養細胞 培養細胞 (1 10 7 cell 以下 ) を遠心分離などにより 1.5 ml マイクロチューブに回収し 400 l 溶解液 (2-ME を含む ) を加え ピペッティングにより溶解します つづいて 注射針 (20~25 G) を装着したシリンジ (1 ml) に 10 回程度通し 溶液の粘性を下げます ( この操作が不十分な場合 磁性ビーズが凝集し RNA の抽出が上手く行かない場合があります ) 次工程に移る直前に 800 l 吸着液を加え ボルテックスでよく攪拌します 2 組織 組織は摘出後速やかに液体窒素中で凍結 保存します 使用するときにハンマー等で凍結した組織を粉末状になるまで十分に破砕し 破砕したサンプルを秤量して必要量 (p. 3 [3] 対応サンプル 参照 ) を 1.5 ml マイクロチューブに移して *1*2 400 l 溶解液 (2-ME を含む ) を加えます 1.5 ml マイクロチューブ用のホモジナイザー あるいはマニュアルで 均一になるまで組織をホモジナイズします 注射針 (20~25 G) を装着したシリンジ (1 ml) に 10 回程度通し 溶液の粘性を下げます ( この操作が不十分な場合 磁性ビーズが凝集し RNA の抽出が上手く行かない場合があります ) *3 次工程に移る直前に 800 l 吸着液を加え ボルテックスでよく攪拌します 遠心 (10,000 rpm 3 min) し 上清を次工程に用います *1 過剰量のサンプルは収量及び純度の低下の原因となります *2 サンプルが融解しないように 液体窒素で冷却しながら速やかに行ってください *3 サンプルの破砕の程度により この操作が上手く行えない場合があります その際はピペッティングを十分に行い 粘性を下げてください 5

(3) mrna の精製 (1 回目 ) 以下のプロトコールに従って 操作します 酵素以外の試薬は必ず室温に戻してからご使用ください 磁性ビーズ (250 l) B/F( 固液 ) 分離 *1*2 前処理済みサンプル添加 10 min 室温放置 *3 スピンダウン後 再度上清を除去 *4 90 l 溶出液添加 65 2 min 放置 スピンダウン 上清 (1 回精製 mrna) *1 スピンダウンにより 蓋等についた溶液を落します つづいて チューブを磁性スタンドにセットし 磁性ビーズを完全に磁石に寄せ ピペットにて穏やかに上清を除きます もし ビーズを吸ってしまう場合は 吸った液を一度チューブに戻し 静置後 再度上清を除きます この際 上清を 20 l 程度残した状態で再度静置し 磁性ビーズを完全に磁石に寄せた後 残った上清を除いて完全に除去するようにするとうまく除くことができます *2 磁性スタンドがない場合は 15,000 rpm 30 sec の遠心を行います この場合 粒子がほぐれにくくなるので ピペッティングによりよく懸濁してください *3 できるだけ丁寧に除いてください *4 精製を 1 回のみ行う場合は 20~30 l 溶出液を加え 溶出します 回収液の一部を 10~20 倍希釈して A 260 を測定し RNA 濃度を算出します RNA 濃度 (ng/ l)=a 260 希釈率 40 (4) DNase I 処理 1 反応液を調製します 1 回精製 mrna 90μl 10 DNase I Buffer 10μl RNase Inhibitor (10 units/ l) 1μl DNase I (1 unit/ l) 1μl 102μl 6

2 氷上に 15 分間放置します *5 3 溶解液 400 l(2-me を含む ) を加え ボルテックスで軽く攪拌し 反応を止めます 4 精製前に吸着液 800 l を加え よく混和します *5 DNase I は氷上で十分機能します 氷温以上で反応させると RNA の分解の原因になります (5) mrna の精製 (2 回目 ) 以下のプロトコールに従って 操作します ( 磁性ビーズ (250 l) DNase I 処理済 1 回精製 mrna ((4)-4) 添加 10 min 室温放置 スピンダウン後 再度上清を除去 20~30 l 溶出液添加 65 2 min 放置 スピンダウン *6*7 上清 *6 回収液にビーズが混入しても後の反応に影響を与えません ただし 濃度測定を行う際には 15,000 rpm 1 min の遠心後に行ってください *7 回収液の一部を 10 倍希釈して A 260 を測定し RNA 濃度を算出します RNA 濃度 (ng/ l)=a 260 希釈率 40 7

2. Total RNA より mrna を精製する方法 Total RNA は AGPC 法 (Acid Guanidinum-Phenol-Chroloform 法 ) や弊社 MagExtractor TM -RNA- 等により調製したものを使用します Total RNA の調製は それらのプロトコールに従って行ってください (1) 溶解液の調製 溶解液は 2-メルカプトエタノール (2-ME) と予め混合して使用します 2 回精製を行う場合は 1 サンプルにつき 溶解液 800 l に 2-メルカプトエタノール 5.6 l を加えます 1 回精製を行う場合は 400 l に 2-メルカプトエタノール 2.8 l を加えます この混合液は用時調製し 混合液を保存することは避けてください (2) Total RNA の DNase I 処理 1 以下のように 反応溶液を調製します Total RNA *1*2*3 xμl (~100 g) 溶出液 (88-x)μl 10 DNase I Buffer 10μl RNase Inhibitor (10 units/μl) 1μl DNase I (1 unit/ l) 1μl 100μl 2 氷上に 15 分間放置します *4 3 溶解液 400μl(2-ME を含む ) を加え ボル テックスで軽く攪拌し 反応を止めます 4 吸着液 800μl を加え ボルテックスで軽く 攪拌します *1 Total RNA の濃度が 1 g/ l 以下の場合は エタノール沈殿により濃縮してください *2 Total RNA が 100 g 以下の場合もこの反応スケールで行ってください ( スケールダウンする必要はありません ) *3 DNase I 処理済の Total RNA の場合 そのまま (2) 3 以下の操作を行ってください *4 DNase I は氷上で十分機能します 8

(3) mrna の精製 (1 回目 ) 以下のプロトコールに従って 操作します 試薬は必ず室温に戻してからご使用ください 磁性ビーズ (250 l) *5*6 DNase 処理済 Total RNA((2)-4) 添加 10 min 室温放置 *7 スピンダウン後 再度上清を除去 *8 100 l 溶出液添加 65 2 min 放置 スピンダウン 上清 (1 回精製の場合はここで終了 ) *9 400 l 溶解液 (2-ME を含む ) 添加 800 l 吸着液添加 2 回目の精製へ (1 回精製 mrna) *5 チューブを磁性スタンドにセットし 磁性ビーズを完全に磁石に寄せます ピペットにて穏やかに上清を除きます もし ビーズを吸ってしまう場合は 吸った液を一度チューブに戻し 静置後 再度上清を除きます この際 上清を 20 l 程度残した状態で再度静置し 磁性ビーズを完全に磁石に寄せた後 残った上清を除いて完全に除去するようにするとうまく除くことができます *6 磁性スタンドがない場合は 15,000 rpm 30 sec 遠心します この場合 粒子がほぐれにくくなるので ピペッティングによってよく懸濁してください *7 できるだけ丁寧に除いてください *8 1 回精製を行う場合は 20~30μl 加え 溶出してください *9 1 回精製の場合は この回収液の一部を 10 倍希釈して A260 を測定し RNA 濃度を算出します 磁性ビーズが混入していると正確な濃度測定を行うことができませんので 15,000 rpm 1 min 遠心してください RNA 濃度 (ng/μl)=a260 希釈率 40 9

(4) mrna の精製 (2 回目 ) 以下のプロトコールに従って 操作します 磁性ビーズ (250 l) 1 回精製 mrna 添加 10 min 室温放置 スピンダウン後 再度上清を除去 20~30 l 溶出液添加 65 2 min 放置 スピンダウン *10*11 上清 *10 回収液にビーズが混入しても 後の反応に影響を与えません ただし 濃度測定の際には 15,000 rpm 1 min の遠心を行ってください *11 回収液の一部を 10~20 倍希釈し A 260 を測定し RNA 濃度を算出します RNA 濃度 (ng/ l)=a 260 希釈率 40 10

[8] 抽出例 本キットによる抽出例を示します サンプル サンプル量 収量 Total RNA 100 g 1~3 g 培養細胞 1 10 7 cell 1~3 g マウス肝臓 30 mg 1~2 g マウス肺 30 mg 0.5~1 g マウス心臓 40 mg 0.5~1 g カイワレ ( 葉 ) 100 mg 0.5~1 g 収量はサンプルの種類や状態により変動します 記載されている数値は目安としてお考えください 11

[9] トラブルシューティング トラブルが生じた場合 以下の対策を御参照ください 1. RNA の収量が低い 原因サンプルの保存状態が悪い溶解処理が不十分サンプルが堅いサンプルが過剰であるサンプル中に含まれる RNA 量が少ない 対策試料は採取後速やかに凍結 保存します サンプルを溶解液で溶解する際 十分にホモジナイズし さらに注射針を装着したシリンジに粘性が下がるまで通してください また 組織についてはあらかじめ十分に凍結破砕してください 十分に凍結破砕 ホモジナイズを行ってください サンプルを過剰に処理した場合 粒子が凝集したり 粘性が高くなるため 収量が下がる場合があります サンプル量を減らした条件でもう一度検討してください AGPC 法などの他の方法で 多量のサンプル処理により Total RNA を調製し 本キットで mrna を調製してください 2. RNA が分解される 原因サンプルの保存状態が悪い溶解前の凍結サンプルの融解 RNase の混入 RNA の加温処理 DNase l 処理条件 対策試料は採取後速やかに凍結 保存します サンプルは液体窒素中でできるだけ保持し 使用する際には速やかに溶解液に溶解してください 手袋 マスクを着用してください また RNase を使用する他の実験との器具 場所等の共有は避けてください RNA を反応バッファー中で長時間加温すると分解を受けることがあります 長時間加温する場合は RNase Inhibitor を加えたバッファーを用います また 加温はできるだけ 72 以下で行ってください DNase I 処理条件によっては RNA が分解を受ける場合があります 本プロトコールの DNase I 処理条件をおすすめします DNase I を加熱により失活させるプロトコールもありますが DNase I バッファー中で 80 以上に加熱処理することにより RNA の分解が促進されることがあります 12

3. RNA の純度が低い原因サンプルが過剰である試薬が室温に十分戻っていない洗浄時のビーズの懸濁が十分でない 対策サンプル量を減らした条件でもう一度検討してください 酵素以外の試薬は室温に戻してからご使用ください 転倒混和では十分に懸濁されないことがあります ボルテックスミキサーを使用されない場合はピペッティングにて懸濁してください 4. RT-PCR がうまくいかない 原因ゲノム DNA の混入 RNA の分解洗浄が不十分 対策特に DNase I 処理を行わなかった場合 ゲノム DNA の混入が認められることがあります DNase I 処理を行ってください また RT-PCR を行う際には逆転写反応を行っていないサンプルについても PCR を行い ゲノム DNA 由来の増幅産物がないかを確認することをお勧めします 本プロトコール [9] 2. 参照溶解液にはタンパク質変性剤が含まれます 洗浄を十分行い 上清の除去を確実に行ってください 溶出したサンプルにタンパク質変性剤の混入が考えられる場合 (A 260 /A 280 が高くなります ) 酵素反応前にエタノール沈殿を行ってください 5. 磁性ビーズが凝集し ほぐれない 溶解処理が不十分 サンプルが過剰 原因 対策サンプルを溶解する際 十分に注射針を装着したシリンジに通してください サンプルの破砕状態によってはこの操作が困難な場合があります この際は十分にピペッティングを行って 液の粘性を下げてください サンプルを過剰に処理すると 粒子が凝集し 収量が低下する場合があります サンプル量を減らした条件で再度検討してください 13

[10] 関連商品 品名 内容 Code No. Magical Trapper ( 磁性ビーズ分離用スタンド ) 1 本 MGS-101 Handy Pestle 100 本 HMX-301 MagExtractor TM -RNA- (Total RNA 抽出用試薬キット ) 100 回用 NPK-201 RT-PCR Quick Master Mix (One Step RT-PCR キット ) 50 回用 PCR-311 ReverTra Dash ( 高効率 RT-PCR キット ) 100 回用 PCR-401 ReverTra -Plus- TM ( 高正確性 RT-PCR キット ) 100 回用 PCR-501 ReverTra Ace -α- ( 高効率 cdna 合成キット ) 100 回用 FSK-101 ReverTra Ace qpcr RT Kit ( リアルタイム PCR 用 cdna 合成キット ) 200 回用 FSQ-101 ReverTra Ace 10,000 U TRT-101 RNase Inhibitor 2500 U SIN-101 dntps Mixture (10 mm) 200 l NTP-301 KOD FX 200U KFX-101 KOD Dash 250 U LDP-101 KOD -Plus- 200 U KOD-201 KOD -Plus- Ver.2 200 U KOD-211 Blend Taq 250 U BTQ-101 Blend Taq -Plus- 250 U BTQ-201 Realtime PCR Master Mix 1ml x5 本 QPK-101 SYBR Green Realtime PCR Master Mix 1ml x5 本 QPK-201 SYBR Green Realtime PCR Master Mix -Plus- 1ml x5 本 QPK-212 RNA-direct TM Realtime PCR Master Mix 0.5ml x5 本 QRT-101 RNA-direct TM SYBR Green Realtime PCR Master Mix 0.5ml x5 本 QRT-201 THUNDERBIRD TM Probe qpcr Mix 1.67ml x 3 本 (200 回用 ) QPS-101 THUNDERBIRD TM SYBR qpcr Mix 1.67ml x 3 本 (200 回用 ) QPS-201 14

製造 販売元 東洋紡績株式会社 - 納期 注文に関するお問い合わせ - ライフサイエンス事業部 ( 大阪 ) 530-8230 大阪市北区堂島浜二丁目 2 番 8 号 TEL 06-6348-3786 FAX 06-6348-3833 E-mail : order_lifescience@toyobo.jp ライフサイエンス事業部 ( 東京 ) 141-8633 東京都品川区東五反田二丁目 10 番 2 号東五反田スクエア TEL 03-6422-4819 FAX 03-6422-4951 E-mail : order_lifescience@toyobo.jp - 製品の内容 技術に関するお問い合わせ - テクニカルライン TEL 06-6348-3888 FAX 06-6348-3833 開設時間 9:00~12:00, 13:00~17:00 ( 土 日 祝を除く ) E-mail : tech_osaka@toyobo.jp [URL] http://www.toyobo.co.jp/bio