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では もし企業が消費者によって異なった価格を提示できるとすれば どのような価格設定を行えば利潤が最大になるでしょうか その答えは 企業が消費者一人一人の留保価格に等しい価格を提示する です 留保価格とは消費者がその財に支払っても良いと考える最も高い価格で それはまさに需要曲線で表されています 再び図

(c) 規模に関して収穫一定の生産技術をもっているから, 総費用は直線で表され, また平均費用も限界費用も同様に直線で表されかつフラットな形状になる. 問 (b) の解答より, 1 脚当たりの総費用は $65( $390 / 6 ) であるから, 各費用関数は図 9.12 のように描くことができる.

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限界効用は以下のようにして求められます. du d U この式は U という式を で微分する という意味です. 微分ていったい何なのさ で確認しておきましょう. 微分は接線の傾きを求めることでした. 限界効用も, 接線の傾きとして求められます. こちらの方がよく使われますので, マスターしておきまし

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これは を 1 増やすと, はどうなるか という文章になっています. 微分とい う計算は, この問題を解くときに使われます. 微分の式は, d d のように記述します.d は (differetial: 微分 ) の頭文字です. この式は, を で 微分する という記号です. この式は つに分解する

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切片 ( 定数項 ) ダミー 以下の単回帰モデルを考えよう これは賃金と就業年数の関係を分析している : ( 賃金関数 ) ここで Y i = α + β X i + u i, i =1,, n, u i ~ i.i.d. N(0, σ 2 ) Y i : 賃金の対数値, X i : 就業年数. (

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曲線 = f () は を媒介変数とする自然な媒介変数表示 =,= f () をもつので, これを利用して説明する 以下,f () は定義域で連続であると仮定する 例えば, 直線 =c が曲線 = f () の漸近線になるとする 曲線 = f () 上の点 P(,f ()) が直線 =c に近づくこ

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B4 に入れる値は決して 0 もしくは負にならないことを確かめる必要がある. 一見したところ,B(B3 と B4 も同様に ) が例えば に等しい, もしくはこれよ りも大きくなければならないという制約を置かなければならないように感じるかもしれない ( B 0 という制約ならば, 数

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第 2 章 企業の行動 : 第二部 ここでは 短期の供給曲線がなぜ右上がりになるのか述べます 企業は利潤を最大化すると仮定します (1) π = TR TC π : 利潤 TR : 総収入 TC : 総費用 企業は自己の生産物の価格 P に影響をしない と仮定します このことは 生 産物市場が完全競争市場であるということを意味します 詳しくは 完全競争 市場の定義について教科書などを参考にしてください 1 すると式 (1) は (2) π = P q ( VC + FC) VC : 可変費用 ( 生産量と共に変化する費用 ) FC : 固定費用 ( 生産量に関係なく 生じる費用 または 生産量がゼロでも生じている費用 ) 生産物市場が完全競争市場の場合 価格 P の上に が付いている意味は 価格 P が一定であるということです 企業の生産物 q に対する需要は水平であることを意味します 企業は生産物市場の 価格についてプライステイカーである ともいいます 生産物市場が寡占市場の場合 企業の生産が市場の生産物価格 P に影響する 企業の生産物 q に対する需要は右下がりであることを意味します [ 寡占 ] 独占 : 市場に企業が一つだけ存在し 類似品がない 複占 : 二つの企業が市場に存在する 1 ミクロ経済学について日本語で丁寧に良く書かれていると思われる教科書に 西村和雄 ミクロ経済学入門 ( 第 2 版 ) 岩波書店,1995 年 があります

独占的競争 : 二つ以上の企業が存在する 式 (2) に戻ります 生産物 ( 量 ) q について考えてみます 企業は生産において 原料 中間財 電気 水などに労働 L と資本 K を投入して q を製造 ( 生産 ) することになります 生産関数で表すと (3) q = f ( raw materials, int ermideate goods, electricities, water, labor, capital) となります ここでは これらの生産要素の価格が企業にとって決められていている状態 を想定します ( このことは これらの生産要素市場が完全競争であるというこ とを意味します ) 便宜上 ここで原料 中間財 電気 水等については 企業は既にこれ らを購入して必要なだけあるとします 注意 : 少々混乱しますが 生産物 q といって 具体的に数量で考えればなにも問題は無いのですが 数量ではなく貨幣単位として 付加価値 (value added) として考えるときがよく分析上行われます つまり 生産関数を式 (3) のように書くのではなく (4) q = f ( labor, capital) このように表示にします この表現では 生産物 q は付加価値となるので 企業 の生産活動による総価値から原材料や中間財などの諸費用を差し引いた残りと解釈します つまり 価値の純生産 ( つまり 付加価値 )q は労働と資本によっ

て生産されることを意味します 2 式 (4) についていえば 生産量 q を決定する要素は労働 L と資本 K です そして 経済学の企業行動分析として 短期 と 長期 の分析とに区別され ます 短期の企業行動 生産要素のうち少なくとも一つの要素が固定されている状態をいいます 式 (4) を使って表現すれば (5) q = f ( labor, capital is fixed.) = f ( L, K ) となります 長期の企業行動 すべての生産要素 ここでは労働も資本 が固定されていない生産活動をさし ます 式 (4) を使って表現すれば (6) q = g( labor, capial) = g( L, K) となります 式 (5) を式 (2) に代入して 短期の企業の利潤式を次のように表すことができます (7) π = Pq( L, K ) ( VC + FC) = Pq( L, K ) ( w L + r K ) 式 (7) について 先ほどの生産要素市場が完全競争であるという仮定をつかいますと 賃金率 w や利子率 r は市場で決定されているので 個々の企業にとって定数ということになります 3 2 経済学では式 (4) の生産物 q は付加価値ですが q を生産量として考えると理解しやすいです 3 賃金率 といいますと 通常一時間当たりの賃金を意味します すると 労働 L はそう労働時間数と考えます その他 もし労働 L を時間で測るのではなく 労働 L を被雇用者

すると 式 (7) はさらに (8) π = Pq( L, K ) ( VC + FC) = Pq( L, K ) ( w L + r K ) となります 賃金率 w や利子率 r の上に が付いていることに注意してください 式 (8) の意味するところは もし生産物市場 ( 企業の生産物が売買される市場 ) と生産要素市場 ( 企業が生産要素である労働や資本を購買する市場 ) が共に完全競争市場と仮定するならば 企業にとって労働雇用量の調整のみが利潤を決定することになります すると 利潤を最大にするために労働者 ( もしくは労働時間数 ) をどれほど雇 用したらよいかという問題がでてきます この労働雇用量を決めるために重要な要因として 生産関数 ( 生産量 q と労働者 L の雇用量の関係 ) が挙げられます 式 (8) の総収入の部分について Pq( L, K ) は 労働 L を一単位増やすと 総収入が K ) だけ増加します 注意 : は変化分とします 一方 式 (8) の総費用の部分について ( w L + r K ) は 労働 L を一単位増やすと 費用が w だけ増えます すると 労働を一単位増加させることによって 収入の変化と費用の変化をみると K ) > w であれば 利潤は増加する K ) = w であれば 利潤は変化しない K ) < w であれば 利潤は減少する ということが分かります の数で測るとすれば w は労働者一人当たりの一日の労働賃金として考えます 考え方はどちらでもいいです もし労働 L を被雇用者の数と考えると理解しやすくなるかもしれませんね

K ) について さらに q( L, K ) と労働 L の関係はどうなんだろうか? ここでは短期の企業行動を考えていますので 短期の生産関数の表現は式 (5) が それにあたりますので これについて調べる必要があります (9) 短期の生産関数 : q = f ( L, K ) この生産関数における生産物 ( または生産量 ) q と労働 L の関係について 限界性産力逓減の法則 (the law of diminishing marginal productivity) が成り立つと考えます この法則は経験法則といえます つまり 理論から導出されるのではなく 現実に観測されることです 限界生産力の逓減の法則 他の生産要素を固定して特定の生産要素の量を増加してゆくとき その限界 性産物が次第に減少してゆくという性質 ( 西村和雄 1995 年 447 ページ ) ( 下線部分は 付け加えました ) 生産量 q 図 1. 資本を一定にした場合における生産関数 q = f ( L, K ) E q L dq 点 Eにおける傾き= dl 0 L : 労働量 / 期間当たり

限界生産力 ( 限界性産物と同じ定義 ) 他の生産要素の投入量を一定にして特定の生産要素の量を一単位追加すると きの生産量の増加分 ( 西村和雄 1995 年 446 ページ ) 図 1で 限界生産物とは q 線上のある点における接線の傾きを意味します 接線 dq の傾き は 労働 L の増加につれてその傾きが次第に減少することが分かり dl ます 4 この関係を限界性産力逓減の法則といいます つまり 先ほどの K ) > w であれば 利潤は増加する K ) = w であれば 利潤は変化しない K ) < w であれば 利潤は減少する の関係において 労働量 L が増加するとそれにつれて生産量 q も増加するけれど も 追加労働一単位あたり増加分 つまり限界性産物 きます dq は次第に減少してゆ dl 労働雇用量が比較的に少ないときには限界性産物は大きかったのですが 雇用量が増加するにつれて次第に一人当たりの貢献度である q が次第に減少してゆくので K ) > w から K ) = w となります もし 雇用量が多すぎると K ) < w の現象が起きていれば 雇用量を減少させることが利潤を増加させることにつながります 以上の関係を式 (1) を使って表すと 利潤の最大化 : dπ dtr dtc (9) = = MR MC = 0 dq dq dq ここで dtr dtc = MR : 限界収入 = dq dq MC : 限界費用 と定義されるので 限界収入と 4 次第に減少する ことを 逓減 といいます

限界費用が等しい時に 利潤は最大になることが分かります 5 限界収入 6 生産量を 1 単位追加するときの総収入の増加分 限界費用 7 生産量を 1 単位追加することによって増加する費用 また 式 (2) をつかって表現すると次のようになります dπ dtr dtc dq dl 1 (10) = = P w = P w = 0 dq dq dq dq dq MP L MP L : 労働の限界生産力 ( 又は 限界生産物 ) P は 生産物市場が完全競争の企業にとっては限界収入であるから 式 (9) の関 w 係にならえばを限界費用と理解できます MP L 5 勿論 最大になるためには 2 階の条件 (the second order condition) は負になる必要があ 2 2 2 d π d TR d TC dmr dmc ります : = = < 0 2 2 2 dq dq dq dq dq 6 西村和雄 1995 年 446 ページ 7 西村和雄 1995 年 447 ページ

ここで 限界収入 ( つまり 生産物一単位あたりの価格 ) P と限界費用 MC を図に書いてみます 最初に 限界収入の P について この価格は生産物一単位あたり収入でから平 均収入ともいえます 生産物価格が企業の生産量に関係なく一定であるという ことは (X 軸に生産量 Y 軸に生産物価格をとる ) P 図 2. 限界収入 ( 及び平均収入 ) P 8 P となります 0 q w つぎに 限界費用のについてですが 図 1 から理解できるように 雇用量 MP L が増加するにつれて q が増加しますが 限界性産力 MP L は最初は増加するが次第 w に減少することから 限界費用 MC = は 最初に減少して 次第に増加す MP L ることがわかります 9 図では以下のようになります 8 この場合に 限界収入 P は一定なので 生産物価格である P は平均収入といえる w 9 つまり 限界費用の定義であるの 分子 w が一定であれば 分母 MPL の変化が MP L 限界費用に影響することになります

MC 図 3. 限界費用 MC 0 q 生産物市場が完全競争である場合に 企業は限界費用曲線をもとに自己の生産物の供給量を決定するのですが この限界費用曲線のすべてが供給曲線となるわけではありません 限界費用線の操業停止点より上の部分が 企業の供給曲線となります MC MC S 損益分岐点 操業停止点 S 0 q