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( 注 ) 役務の提供を受ける者の本店又は主たる事務所が日本にあれば課税 ということですので 国内に本店がある法人の海外支店に対して インターネットを介してソフトウェア等を提供した場合は 提供者が国内 国外いずれの事業者であっても国内取引に該当し消費税が課税されます ( 国税庁作成の 国境を越えた役

国境を越えた役務の提供に係る消費税-電気通信利用役務の提供を受ける国内事業者の視点から-

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凡例 文中 文末引用の条文等の略称は 次のとおりである 法 所得税法等の一部を改正する法律 ( 平成 27 年法律第 9 号 ) による改正後の消費税法 ( 昭和 63 年法律第 108 号 ) 新消法 所得税法等の一部を改正する法律 ( 平成 28 年法律第 15 号 ) による改正後の消費税法

事業者から提供されたデジタルコンテンツをユーザーがダウンロードしてコンピュータの内部記憶装置に保存する行為は 著作物の利用 ( 複製 ) であれば著作権の貸付けにあたると考えられるし 他方 私的な使用のためにデジタルデータを取得させるに過ぎないとすれば役務の提供に該当するものと考えられる デジタルコ


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間の初日以後 3 年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間 6 高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例事業者 ( 免税事業者を除く ) が簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に国内における高額特定資産の課税仕入れ又は高額特定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り ( 以下 高

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2 その他 H26 中間申告義務のない事業者が 届出 012 書を提出した場合には 自主的に中間申告 納付することができる旨を 検討したか ( 平成 26 年 4 月 1 日以 後開始課税期間より適用 ) 本則課税の場合科目等 No. 主な項目チェック摘要 1 課税事業者 H26 課税期間の基準期間

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Ⅱ. 国境を越えた役務の提供等に対する消費税の課税が導入される背景 消費税の課税対象は 1 国内において事業者が行った資産の譲渡等 ( 事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供 ) と2 保税地域からの外国貨物の引取りとされています ( 消費税法 4 条 1 項 2 項 2

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

本則課税の場合科目等 No. 主な項目チェック摘要 1 課税事業者 H27 課税期間の基準期間における課税売上高を確 の判定 014 認したか H27 事業年度を変更している場合等 前々事業年 015 度が1 年未満の場合の基準期間を確認したか ( 法人の場合 ) H27 基準期間が1 年でない場合

付表の計算式

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

2 財政健全化目標との関係や平成 30 年度の 経済 財政再生計画 の中間評価を踏まえつつ 消費税制度を含む税制の構造改革や社会保障制度改革等の歳入及び歳出の在り方について検討を加え 必要な措置を講ずる (3) 対象品目及び適用税率軽減税率の対象品目は 1 酒類及び外食を除く飲食料品 2 定期購読契

( 平成 35 年 (2023 年 )10 月 ~) 等の仕入税額控除可 税額計算( 注 ) 売上税額を 積上げ計算 する場合には 仕入税額も 積上げ計算 特例( みなし計算 簡易課税の事後選択 ) - その他適格等保存方式の導入 等保存方式 ( 現行制度 ) の記載事項 発行者の氏名又は名称 取引

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第一問 -50 点 - 問 1 (25 点 ) (1) について (15 点 ) 概要 次の規定の適用を受ける場合には 納税義務が課されることとなる 1. 課税事業者の選択 2. 特定期間における課税売上高による納税義務の免除の特例 3. 新設法人の納税義務の免除の特例 4. 特定新規設立法人の納税

ことも認められています 施行日前 ( 平成 26 年 3 月 31 日以前 ) にリース契約を締結し リース資産の引渡しを行ったリース取引についてこの特例により賃貸借処理を行っている場合には 旧税率の 5% が適用されます 3. 資産の貸付け に関する経過措置指定日の前日 ( 平成 25 年 9 月

消費税申告書の計算方法 税率 8% 対応 平成 26 年 4 月 1 日以後終了する課税期間分の消費税申告書の計算方法です 原則課税で申告する方 税率が 3% 5% の取引がある場合 原則計算方式原則課税本表... P.2 原則課税付表 1... P.4 原則課税付表 P

[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税務上の措置 ( 手続 )FAQ 平成 30 年 7 月広島国税局 平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税制上の措置 ( 手続 ) 等につきまして 照会の 多い事例を取りまとめましたので 参考としてください 目次 Ⅰ 災害にあった場

目次 1. 概要 2. 報告手続について 3.Q&A 参考資料 補助事業に係る仕入税額控除について 報告判定フローチャート 1

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申告書の作成手順 申告書の作成は 次の手順で行います 課税標準額及び消費税額の計算 控除対象仕入税額等の計算 付表 5 の作成 納付 ( 還付 ) 税額の計算 納税地 欄等及び 付記事項 欄等の記載 Ⅰ ( 注 ) 経過措置により旧税率 (3% 又は4%) が適用された取引がある場合は 付表 5では

step.2 課税売上高の合計を計算する します step.21 欄の内容を転記します 表ロ 1~3 欄にそれぞれ記入します step.22 を転記します 表ロ 4~6 欄にそれぞれ記入します step.23 容を転記します 表ロ 7~9 欄にそれぞれ記入します step.24 その他の所得に係る収

2 消費税軽減税率の対象となる新聞 軽減税率の対象は全ての新聞ではなく 一定の要件を満たす新聞のみです ( 図 2) 新聞販売所は定期購読契約の新聞のほか 即売 週 1 回以下の発行などさまざまな形態の新聞を扱っています このため 区分けには慎重な対応が必要です 図 2 軽減税率が適用される新聞の譲

作成する申告書 還付請求書等の様式名と作成の順序 ( 単体申告分 ) 申告及び還付請求を行うに当たり作成することとなる順に その様式を示しています 災害損失の繰戻しによる法人税 額の還付 ( 法人税法 805) 仮決算の中間申告による所得税 額の還付 ( 法人税法 ) 1 災害損失特別勘

税法実務コース 海外勤務者と外国人の出国 入国 滞在時の国際税務 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 1 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 第 7 章 第 8 章 テーマ 1 居住者 非居住者判定テーマ 2 課税範囲についてテー

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1-1 e-tax ソフトの特長 はじめに e-tax ソフトの特長を紹介します 税務署に赴くことなく申告 納税等が行える パソコンとインターネットの環境があれば 税務署に足を運ぶ必要がありません 自宅や事業所等に居ながらにして 申告 納税等を行うことができます パソコンが不慣れな方でも利用可能 パ

原則課税申告書本表 ( 原則計算方式 ) 税率が 3% 5% の取引がある場合 項目 金額 課税標準額 1 付表 1 の1[ 課税標準額 (D)] 消費税額 2 付表 1 の2[ 消費税額 (D)] 控除過大調整税額 3 付表 1 の3[ 控除過大調整税額 (D)] 控除税額控除対象仕入税額 4 付

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step.2 課税標準額を計算する ( 申告書 1) step.2-1 課税売上高の合計 ( 表イ 16 欄 ) に 100/108 を掛けます 課税売上高 ( 税込み ) = 1 課税標準額 表イ 17 欄を使用します step.2-2 step.2-1 の計算結果 ( 表イ 17

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3 平成 25 年 4 月に給与の支給規程を改訂し 平成 24 年分 10 月にまでさかのぼって実施する こととなり 平成 25 年 4 月の給与支給日に支払うこととなった平成 24 年 10 月から平成 25 年 3 月までの給与改訂差額 A 3 1 給与所得の収入金額の収入すべき時期は 契約又は

Ⅲ 納付 [Q6] 申告 納付等の期限の延長が認められた場合 延滞税 利子税はどのようになりますか また 加算税は賦課されますか 7 [Q7] 今般の熊本地震災害により被害を受けましたが 納税の猶予はどのような場合に受けることができますか 8 [Q8] 納税の猶予の 相当の損失 とはどの程度の損失を

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1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

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13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

Ⅲ 納付 [Q10] 申告 納付等の期限の延長が認められた場合 延滞税 利子税はどのようになりますか また 加算税は賦課されますか 7 [Q11] 今般の北海道胆振東部地震により被害を受けましたが 納税の猶予はどのような場合に受けることができますか 8 [Q12] 納税の猶予の 相当の損失 とはどの

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ジットカード発行会社が交付したカードを提示してその国外居住親族が商品等を購入したこと等により その商品等の購入等の代金に相当する額の金銭をその居住者から受領した 又は受領することとなることを明らかにする書類 注意事項 1 送金関係書類については 原本に限らずその写しも送金関係書類として取り扱うことが

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第 5 章 N


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はじめに 令和元 (2019) 年 10 月 1 日から消費税率が10% に引き上げられることに合わせて 食品と新聞に対して8% の軽減税率が導入されます そのため 消費税率は8% と10% の複数税率になります 食品や新聞を取り扱っている事業者は 軽減税率や複数税率への対応が必要となりますが 売上

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事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

Transcription:

国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し等について ( 国内事業者の皆さまへ ) 平成 27 年 5 月国税庁 ( 平成 28 年 12 月改訂 ) 所得税法等の一部を改正する法律 ( 平成 27 年法律第 9 号 ) 等により 消費税法等の一部が改正され 国境を越えて行われるデジタルコンテンツの配信等の役務の提供に係る消費税の課税関係の見直しが行 われました 当該見直しにおける改正の主なポイントは以下のとおりです 改正の主なポイント Ⅰ 電気通信利用役務の提供に係る内外判定基準の見直し電子書籍 音楽 広告の配信などの電気通信回線 ( インターネット等 ) を介して行われる役務の提 供を 電気通信利用役務の提供 と位置付け 原則として その役務の提供が消費税の課税対象とな る国内取引に該当するかどうかの判定基準 ( 内外判定基準 ) が 役務の提供を行う者の役務の提供に 係る事務所等の所在地から 役務の提供を受ける者の住所等 に改正されました Ⅱ 課税方式の見直し ( リバースチャージ方式 の導入 ) 電気通信利用役務の提供については 事業者向け電気通信利用役務の提供 とそれ以外のものと に区分されることとされました 消費税法においては 課税資産の譲渡等を行った事業者が 当該課税資産の譲渡等に係る申告 納 税を行うこととされていますが 電気通信利用役務の提供のうち 事業者向け電気通信利用役務の 提供 については 国外事業者から当該役務の提供を受けた国内事業者が申告 納税を行う いわゆ る リバースチャージ方式 が導入されました Ⅲ 国外事業者から受けた消費者向け電気通信利用役務の提供に係る仕入税額控除の制限電気通信利用役務の提供のうち 事業者向け電気通信利用役務の提供以外のもの ( このパンフレ ットでは 便宜的に 消費者向け電気通信利用役務の提供 といいます ) については 当該役務の 提供を行った事業者が申告 納税を行うこととなりますが 国内事業者が国外事業者から消費者向 け電気通信利用役務の提供を受けた場合 当分の間 当該役務の提供に係る仕入税額控除を制限す ることとされました 適用開始時期 Ⅰ~Ⅲ の改正は 平成 27 年 10 月 1 日以後行う課税資産の譲渡等及び課税仕入れから適 用されます Ⅳ 登録国外事業者制度の創設 Ⅲ のとおり 国外事業者から消費者向け電気通信利用役務の提供を受けた国内事業者は 当該役 務の提供に係る仕入税額控除が制限されますが 国税庁長官の登録を受けた登録国外事業者から受 ける消費者向け電気通信利用役務の提供については その仕入税額控除を行うことができることと されました 適用開始時期登録国外事業者の登録申請は 平成 27 年 7 月 1 日から行うことができます

Ⅰ 電気通信利用役務の提供に係る内外判定基準の見直し 電子書籍 音楽 広告の配信などの電気通信回線 ( インターネット等 ) を介して行われる役務の提供を 電気通信利用役務の提供 と位置付け その役務の提供が消費税の課税対象となる国内取引に該当するかどうかの判定基準 ( 内外判定基準 ) が 役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地から 役務の提供を受ける者の住所等 ( 個人の場合には住所又は居所 法人の場合には本店又は主たる事務所の所在地をいいます ) に改正されました 電気通信利用役務の提供について 当該役務の提供を行う者及び当該役務の提供を受ける者に応じた改正前及び改正後の課税関係は 次のとおりとなります 国内 国外 取引改正前改正後 国内事業者 5 1 3 2 4 国外事業者 1 国内取引 : 課税国外取引 : 不課税 2 国外取引 : 不課税国内取引 : 課税 3 国内取引 : 課税国外取引 : 不課税 4 国外取引 : 不課税国内取引 : 課税 消費者 消費者 5 国内取引 : 課税国内取引 : 課税 改正前の取引 1 及び 3 は 輸出証明書の保存などの所定の要件を満たすことで輸出免税の対象となります 平成 29 年 1 月 1 日以後 国内事業者が国外事業所等 ( ) で受ける 事業者向け電気通信利用役務の提供 のうち 国内以外の地域において行う資産の譲渡等にのみ要するものである場合は 国外取引となります ( リバースチャージ方式の対象外 ) また 同日以後 国外事業者が恒久的施設 ( ) で受ける 事業者向け電気通信利用役務の提供 のうち 国内において行う資産の譲渡等に要するものである場合は 国内取引となります ( リバースチャージ方式の対象 ) 所得税法又は法人税法上の国外事業所等又は恒久的施設をいいます ポイント 国内事業者の方は 上記内外判定基準の見直しに伴い 以下の点にご留意ください 国内事業者の方が電気通信利用役務の提供を行った場合 ( 売上取引 )( 上記図の 1 3 5) 当該役務の提供を行った取引相手の住所等が国内にあるかどうかにより内外判定を行います 住所等が国内にあるかどうかの判定は 客観的かつ合理的な基準に基づき行うこととなります 国内事業者の方が電気通信利用役務の提供を受けた場合 ( 仕入取引 )( 上記図の 2) 当該役務の提供を行った事業者の役務の提供に係る事務所等の所在地にかかわらず 国内取引に該当します 国内事業者の方の国外支店が当該役務の提供を受けた場合であっても 消費税の内外判定は 役務の提供を受けた者の住所等により判定しますので 原則として その役務の提供は国内取引に該当することとなります ( 平成 29 年 1 月 1 日以後に国内事業者の方の国外支店が 国外事業者 から受ける事業者向け電気通信利用役務の提供のうち 国内以外の地域において行う資産の譲渡等にのみ要するものである場合には その役務の提供は国外取引となります ) 当該役務の提供を行った事業者が国外事業者である場合には 次の点に注意が必要です 1 当該電気通信利用役務の提供が 事業者向け電気通信利用役務の提供 である場合当該役務の提供を受けた事業者が 当該役務の提供に係る納税義務者となります (Ⅱ 参照 ) 2 当該電気通信利用役務の提供が 消費者向け電気通信利用役務の提供 である場合当該役務の提供を行った国外事業者が登録国外事業者である場合には 当該役務の提供に係る課税仕入れについて仕入税額控除を行うことができますが 登録国外事業者でない場合には その課税仕入れについて仕入税額控除を行うことができません (Ⅲ Ⅳ 参照 ) 電気通信利用役務の提供 とは? 今回の課税の見直しにより新たに消費税法に定義された 電気通信利用役務の提供 とは 電気通信回線を介して行われる電子書籍や音楽 ソフトウエア等の配信のほか ネット広告の配信やクラウドサービスの提供 さらには電話や電子メールなどを通じたコンサルタントなどが該当します なお 電話 電信その他の通信設備を用いて他人の通信を媒介する役務の提供 すなわち 電話 FAX インターネット回線の接続など 通信そのものに該当する役務の提供は除かれます また 資産の譲渡等の結果の通知等が電気通信回線を介して行われたとしても その電気通信回線を介した結果の通知等が 他の資産の譲渡等に付随して行われる場合も除かれます 電気通信利用役務の提供についての具体的な例示は 次ページをご覧ください

電気通信利用役務の提供 に該当する取引の具体例電気通信利用役務の提供に該当する取引は 対価を得て行われる以下のようなものが該当します インターネット等を通じて行われる電子書籍 電子新聞 音楽 映像 ソフトウエア ( ゲームなどの様々なアプリケーションを含みます ) の配信 顧客に クラウド上のソフトウエアやデータベースを利用させるサービス 顧客に クラウド上で顧客の電子データの保存を行う場所の提供を行うサービス インターネット等を通じた広告の配信 掲載 インターネット上のショッピングサイト オークションサイトを利用させるサービス ( 商品の掲載料金等 ) インターネット上でゲームソフト等を販売する場所を利用させるサービス インターネットを介して行う宿泊予約 飲食店予約サイト ( 宿泊施設 飲食店等を経営する事業者から掲載料等を徴するもの ) インターネットを介して行う英会話教室 電気通信利用役務の提供 に該当しない取引の具体例電気通信利用役務の提供に該当しない取引は 通信そのもの 若しくは その電気通信回線を介して行う行為が他の資産の譲渡等に付随して行われるもので 具体的には以下のようなものが該当します 電話 FAX 電報 データ伝送 インターネット回線の利用など 他者間の情報伝達を単に媒介するもの ( いわゆる通信 ) ソフトウエアの制作等 著作物の制作を国外事業者に依頼し その成果物の受領や制作過程の指示をインターネット等を介して行う場合がありますが 当該取引も著作物の制作という他の資産の譲渡等に付随してインターネット等が利用されているものですので 電気通信利用役務の提供に該当しません 国外に所在する資産の管理 運用等 ( ネットバンキングも含まれます ) 資産の運用 資金の移動等の指示 状況 結果報告等について インターネット等を介して連絡が行われたとしても 資産の管理 運用等という他の資産の譲渡等に付随してインターネット等が利用されているものですので 電気通信利用役務の提供に該当しません ただし クラウド上の資産運用ソフトウエアの利用料金などを別途受領している場合には その部分は電気通信利用役務の提供に該当します 国外事業者に依頼する情報の収集 分析等 情報の収集 分析等を行ってその結果報告等について インターネット等を介して連絡が行われたとしても 情報の収集 分析等という他の資産の譲渡等に付随してインターネット等が利用されているものですので 電気通信利用役務の提供に該当しません ただし 他の事業者の依頼によらずに自身が収集 分析した情報について対価を得て閲覧に供したり インターネットを通じて利用させるものは電気通信利用役務の提供に該当します 国外の法務専門家等が行う国外での訴訟遂行等 訴訟の状況報告 それに伴う指示等について インターネット等を介して行われたとしても 当該役務の提供は 国外における訴訟遂行という他の資産の譲渡等に付随してインターネット等が利用されているものですので 電気通信利用役務の提供に該当しません

Ⅱ 課税方式の見直し ( いわゆる リバースチャージ方式 の導入 ) 電気通信利用役務の提供 について 当該役務の提供を行った者が国外事業者である場合 事業者向け電気通信利用役務の提供 及び 消費者向け電気通信利用役務の提供 のいずれに該当するかによって 以下のとおり課税方式が改正されました 事業者向け電気通信利用役務の提供に係る課税方式 ( リバースチャージ方式 ) 国外事業者が行う 事業者向け電気通信利用役務の提供 について 当該役務の提供を受けた国内事業者に申告納税義務を課す方式 ( 対象取引例 : 広告の配信 ) 事業者向け電気通信利用役務の提供 とは 役務の性質又は当該役務の提供に係る取引条件などから 当該役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるもの 消費者向け電気通信利用役務の提供 ( 国外事業者申告納税方式 ) 国外事業者が行う 電気通信利用役務の提供 のうち 事業者向け電気通信利用役務の提供 以外のものについて 国外事業者に申告納税義務を課す方式 ( 対象取引例 : 電子書籍 音楽の配信 ) 国内 国外 国内 国外 役務の提供 役務の提供 国内事業者 < 納税義務者 > 税務署 申告納税 国外事業者 国内事業者が申告 納税を行います 当該役務の提供に係る課税仕入れは 仕入控除税額の計算の基礎となります 消費者 税務署 国内事業者 申告納税 国外事業者 < 納税義務者 > 国外事業者が日本の税務署に申告 納税を行います 当該国外事業者も事業者免税点制度の適用対象となります 事業者向け電気通信利用役務の提供 とは? 国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち 役務の性質又は当該役務の提供に係る取引条件等から当該役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるもの が 事業者向け電気通信利用役務の提供に該当することとされています 役務の性質から 事業者向け電気通信利用役務の提供 に該当するものとしては 例えば インターネット上での広告の配信やゲームをはじめとするアプリケーションソフトをインターネット上の Web サイトで販売する場所を提供するサービスなどがあります また 取引条件等から 事業者向け電気通信利用役務の提供 に該当するものとしては 例えば クラウドサービス等の電気通信利用役務の提供のうち 取引当事者間において提供する役務の内容を個別に交渉し 取引当事者間固有の契約を結ぶもので 契約において役務の提供を受ける事業者が事業として利用することが明らかなものなどがあります なお インターネットの Web サイトから申込みを受け付けるようなクラウドサービス等において 事業者向け であることを当該 Web サイトに掲載していたとしても 消費者をはじめとする事業者以外の者からの申込みが行われた場合に その申込みを事実上制限できないものは 取引条件等から 当該役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるもの には該当しません したがって このような取引は 消費者向け電気通信利用役務の提供に該当しますので 当該役務の提供を行う事業者が申告 納税を行うこととなります 事業者向け電気通信利用役務の提供 を行う国外事業者には あらかじめ 役務の提供を受ける事業者に対して 当該取引が リバースチャージ方式 の対象である ( 役務の提供を受ける事業者において 特定課税仕入れ として消費税を納める義務がある ) 旨の表示を行う義務があります ポ イン ト 事業者向け電気通信利用役務の提供 を受けた場合のリバースチャージ方式は 経過措置により 当分の間は 当該課税期間について一般課税により申告する場合で 課税売上割合が 95% 未満である事業者にのみ適用されます 当該課税期間において 課税売上割合が 95% 以上の事業者や簡易課税制度が適用される事業者は 事業者向け電気通信利用役務の提供 を受けた場合であっても 経過措置により当分の間 その役務の提供に係る仕入れはなかったものとされますので その課税期間の消費税の確定申告では 当該仕入れは課税標準額 仕入控除税額のいずれにも含まれません 免税事業者は消費税の納税義務が免除されますので 免税事業者である課税期間において 事業者向け電気通信利用役務の提供 を受けた場合であっても リバースチャージ方式による申告は必要ありません

消費者向け電気通信利用役務の提供 とは? 消費者向け電気通信利用役務の提供に該当するものとは 例えば 次のようなものが該当します 広く消費者を対象に提供されている電子書籍 音楽 映像の配信等 ホームページ等で 事業者を対象に販売することとしているものであっても 消費者をはじめとする事業者以外の者からの申込みが行われた場合に その申込みを事実上制限できないもの 消費者向け電気通信利用役務の提供 は 消費者が提供を受けるものに限られず 事業者が提供を受けるものも含まれます 国外事業者から 消費者向け電気通信利用役務の提供 を受けた場合の取扱いについては Ⅲ Ⅳ をご覧ください Ⅲ 国外事業者から受けた消費者向け電気通信利用役務の提供に係る仕入税額控除の制限 国外事業者から 消費者向け電気通信利用役務の提供 を受けた場合には 経過措置により 当分の間 当該役務の提供に係る課税仕入れについて仕入税額控除を制限することとされました ただし 当該役務の提供を行った国外事業者が登録国外事業者 (Ⅳ を参照 ) である場合には 当該登録国外事業者から受けた 消費者向け電気通信利用役務の提供 に係る課税仕入れについて仕入税額控除を行うことができることとされました 消費者向け電気通信利用役務の提供 については 当該役務の提供を行った事業者が申告 納税を行うこととなります Ⅳ 登録国外事業者制度の創設 Ⅲのとおり 国外事業者から 消費者向け電気通信利用役務の提供 を受けた場合には 当該役務の提供を受けた国内事業者の仕入税額控除が制限されますが 登録国外事業者から提供を受けるものについては仕入税額控除の対象となります 登録国外事業者の氏名又は名称 住所又は本店所在地 登録番号等は 登録手続が終了次第 順次 国税庁ホームページで公表することとされていますので 取引の相手先である国外事業者が登録国外事業者に該当するかどうかについては 国税庁ホームページでご確認ください 留意事項登録国外事業者から受けた 消費者向け電気通信利用役務の提供 に係る課税仕入れについて 仕入税額控除を行うためには 他の課税仕入れと同様に 役務の提供を行った事業者の氏名又は名称等 法令に規定された事項が記載された帳簿及び請求書等を保存しておく必要があります この場合の帳簿及び請求書等の記載事項については登録番号等も必要となります なお 電子的な請求書等の発行を受けている場合には 紙による保存に代えて 電子的な請求書等の保存によることができます リバースチャージ方式による申告国内において国外事業者から受けた 事業者向け電気通信利用役務の提供 及び 特定役務の提供 (Ⅴ を参照 ) を 特定課税仕入れ といい この 特定課税仕入れ がリバースチャージ方式による申告の対象となります 1 リバースチャージ方式による申告が必要な事業者申告の対象となる課税期間において 事業者向け電気通信利用役務の提供 を受けた場合で その課税期間について一般課税により申告する事業者で 課税売上割合が 95% 未満の事業者 1. 一般課税で申告を行う事業者であっても当該課税期間における課税売上割合が 95% 以上である事業者や当該課税期間について簡易課税制度が適用される事業者については 当分の間 特定課税仕入れはなかったものとされます また 免税事業者は 特定課税仕入れについても消費税の納税義務が免除されていますので リバースチャージ方式による申告は必要ありません 2. 免税事業者である国外事業者から受けた 事業者向け電気通信利用役務の提供 も 特定課税仕入れ に該当します 2 リバースチャージ方式による申告方法等リバースチャージ方式による申告における課税標準額等は 次のとおりとなります 1 課税標準額国内事業者自身が行った課税資産の譲渡等の対価の額及び特定課税仕入れに係る支払対価の額の合計金額が 当該課税期間における課税標準額となります ( 千円未満切捨て ) 2 仕入税額控除の対象となる消費税額他の課税仕入れに係る支払対価の額に 108 分の 6.3 を乗じた金額及び特定課税仕入れに係る支払対価の額に 100 分の 6.3 を乗じた金額の合計額が 当該課税期間における仕入控除税額となります 特定課税仕入れについては 他の課税仕入れに係る記載事項のほか 当該課税仕入れが特定課税仕入れである旨を帳簿に記載しておく必要があります 特定課税仕入れがある場合の具体的な計算例は 次ページをご覧ください

申告の対象となる課税期間において特定課税仕入れがある場合の具体的計算例 当該課税期間における課税売上げ等 課税売上げ ( 税抜 ) 50,000 千円 非課税売上げ 7,000 千円 課税仕入れ ( 税込 ) 32,400 千円 特定課税仕入れ 800 千円 ( 内訳 ) 課税売上対応 21,600 千円 ( 内訳 ) 共通対応 800 千円 非課税売上対応 7,560 千円 共通対応 3,240 千円 課税売上対応 の課税仕入れには 登録国外事業者から受けた 消費者向け電気通信利用役務の提供 に係る課税仕入れ 10,800 円が含まれています 課税標準額 50,000 千円 + 800 千円 = 50,800 千円 ( 申告書別表 2) ( 申告書別表 3) ( 申告書 1 申告書別表 1) 課税標準額に係る消費税額 50,800 千円 6.3% = 3,200,400 円 ( 申告書 2) 仕入控除税額の計算 ( 個別対応方式 ) 21,600 千円 6.3/108 = 1,260,000 円 ( 課税売上対応 ) 3,240 千円 6.3/108 = 189,000 円 ( 共通対応 ) 800 千円 6.3/100 = 50,400 円 ( 共通対応 ) 50,000 千円 (189,000 円 +50,400 円 ) 50,000 千円 +7,000 千円 = 210,000 円 1,260,000 円 + 210,000 円 = 1,470,000 円 ( 申告書 4) 納付すべき消費税額 3,200,400 円 - 1,470,000 円 = 1,730,400 円 ( 申告書 11) 納付すべき地方消費税の課税標準額及び地方消費税額 1,730,400 円 17/63 466,900 円 ( 百円未満切捨て ) 納付すべき消費税及び地方消費税の額 1,730,400 円 + 466,900 円 = 2,197,300 円 リバースチャージ方式による申告は 特定課税仕入れに係る支払対価の額を課税標準額に算入します 特定課税仕入れに係る支払対価の額についても 課税仕入れとして仕入控除税額の計算を行います 課税売上割合が 95% 未満ですので 特定課税仕入れ について申告が必要となります 申告書 ( 抜粋 ) 課税標準額 ( 千円未満切捨て ) を記載します ( 課税資産の譲渡等に係る対価の額と特定課税仕入れに係る支払対価の額の合計額 ) 5 0 8 0 0 3 2 0 0 4 0 0 1 4 7 0 0 0 0 特定課税仕入れについて申告書別表の提出を行う場合に を記載します 1 4 7 0 0 0 0 1 7 3 0 4 1 7 3 0 4 50,800 3,200,400 5 0 0 0 0 0 0 0 5 7 0 0 0 0 0 0 1,730,400 地方消費税の記載箇所については 省略しています

申告書別表 ( 抜粋 ) 課税標準額 ( 千円未満切捨て ) 及びその内訳である 課税資産の譲渡等に係る対価の額 と 特定課税仕入れに係る支払対価の額 を記載します 5 0 8 0 0 5 0 0 0 0 0 0 0 8 0 0 0 0 0 申告書付表 2( 抜粋 ) 売上げに係る対価の返還等をした場合 又は特定課税仕入れに係る対価の返還等を受けた場合には 4~6 の欄も記 載します 5 0, 0 0 0, 0 0 0 5 0, 0 0 0, 0 0 0 5 0, 0 0 0, 0 0 0 7, 0 0 0, 0 0 0 5 7, 0 0 0, 0 0 0 87.71 特定課税仕入れに係る支払対価の額を記載し 仕入控除税額の計算を行います 3 2, 4 0 0, 0 0 0 1, 8 9 0, 0 0 0 800,000 5 0, 4 0 0 1, 9 4 0, 4 0 0 1, 2 6 0, 0 0 0 239,400 1, 4 7 0, 0 0 0 1, 4 7 0, 0 0 0 経過措置 ( 旧税率 ) が適用される資産の譲渡等がある場合には 付表 1 2-(2) を使用してください

見直しに伴う主な経過措置等 1. 事業者免税点制度に関する経過措置 1 平成 27 年 10 月 1 日を含む課税期間 ( 改正前の法律に基づき計算した課税売上高により事業者免税点制度の適用がある課税期間に限ります ) 及び 同日の翌日以後に開始する課税期間における基準期間又は特定期間の課税売上高の計算に当たっては 既に当該改正による内外判定基準の見直しが行われていたものとして計算することとされています 例えば 平成 27 年 10 月 1 日前に国外事業者が国外から国内の消費者に販売した電子書籍の売上等は国外取引として不課税でしたが 基準期間にこのような取引が含まれている場合には 新しい内外判定基準を適用して基準期間の課税売上高を計算することとなります すなわち このような売上を課税売上高に含めて 1,000 万円を超えるかどうかの計算を行うこととなります 2 電気通信利用役務の提供を行っていた事業者であって 基準期間又は特定期間の初日が平成 27 年 9 月 30 日以前である場合で 例えば 日本の居住者に対する販売金額を区分していなかったなど その基準期間等における課税売上高を計算することにつき困難な事情がある場合には 平成 27 年 4 月 1 日から同年 6 月 30 日までの期間における課税売上高に 4 を乗じた金額を基準期間における課税売上高とし 2 を乗じた金額を特定期間における課税売上高とすることができることとされています 2. 継続的電気通信利用役務の提供を行っていた場合の経過措置国外事業者が平成 27 年 3 月 31 日までに締結した契約に係る電気通信利用役務の提供で 平成 27 年 10 月 1 日前から同日以後引き続き行う電気通信利用役務の提供については 改正前の消費税法が適用されます また この経過措置が適用される事業者向け電気通信利用役務の提供を受けた国内事業者は 特定課税仕入れ として リバースチャージ方式による申告 納税を行う必要はありません 例えば データ保存等を行うクラウドサービスについて 平成 27 年 3 月 31 日までに 平成 27 年 4 月 1 日から平成 28 年 3 月 31 日までの 1 年間の利用契約を締結していた場合などは 改正前の内外判定基準等が適用されます なお 契約内容等の変更が行われた場合には 経過措置は適用されません 月ごとに更新するものや 月ごとに自動継続するようなものなど 月ごとに役務の提供を了している 又は 月ごとに契約を更新しているものと認められるものは 経過措置の対象とはなりません 3. リバースチャージ方式に関する経過措置 事業者向け電気通信利用役務の提供 等の特定課税仕入れを行った国内事業者は 当該特定課税仕入れについて 申告 納税の義務が課されるとともに 当該特定課税仕入れについて 仕入税額控除の対象とすることができますが 一般課税で申告を行う事業者においては 当該課税期間における課税売上割合が 95% 以上である事業者 当該課税期間について簡易課税制度が適用される事業者については 当分の間 特定課税仕入れはなかったものとされます したがって これら事業者は 特定課税仕入れを行ったとしても その課税期間の消費税の確定申告については 特定課税仕入れについて申告等に含める必要はありません 1. これら事業者は特定課税仕入れがなかったものとされますので 特定課税仕入れに係る申告納税義務もありません また 仕入税額控除のみ行うこともできません 2. 免税事業者は 消費税の確定申告等を行う必要がありませんので 特定課税仕入れを行ったとしても申告等を行う必要はありません Ⅴ 国外事業者が行う芸能 スポーツ等に係る消費税の課税方式の見直し 国外事業者が国内において行う映画若しくは演劇の俳優 音楽家その他の芸能人又は職業運動家の役務の提供を主たる内容とする事業として行う役務の提供のうち 当該国外事業者が他の事業者に対して行うものを 特定役務の提供 と位置付けることとされました 国内事業者が国外事業者から 特定役務の提供 を受けた場合 その役務の提供を受けた国内事業者が 特定役務の提供 について 特定課税仕入れ として申告 納税することとなります ( リバースチャージ方式 ) 詳しくは 国税庁ホームページの 国外事業者が行う芸能 スポーツ等に係る消費税の課税方式の見直しについて をご覧ください お分かりにならないことや 更に詳しくお知りになりたいことがありましたら 最寄りの税務署にお尋ねください 税務署での面接による個別相談 ( 関係書類等により具体的な事実関係を確認させていただく必要がある相談 ) を希望される方は あらかじめ電話により面接日時等を予約していただくこととしておりますので ご協力をお願いします