08 東京大学 ( 理系 ) 前期日程問題 解答解説のページへ関数 f ( ) = + cos (0 < < ) の増減表をつくり, + 0, 0 のと sin きの極限を調べよ
08 東京大学 ( 理系 ) 前期日程問題 解答解説のページへ n+ 数列 a, a, を, Cn a n = ( n =,, ) で定める n! an qn () n とする を既約分数 an p として表したときの分母 pn と分子 qn を n 求めよ () an が整数となる n をすべて求めよ
08 東京大学 ( 理系 ) 前期日程問題 解答解説のページへ 放物線 = のうち を満たす部分を C とする 座標平面上の原点 O と 点 A (, 0) を考える > 0 を実数とする 点 P が C 上を動き, 点 Q が線分 OA 上を 動くとき, OR = OP + OQ を満たす点 R が動く領域の面積を S( ) とする S( ) および lim S( ), lim S( ) を求めよ + 0
08 東京大学 ( 理系 ) 前期日程問題 4 解答解説のページへ a > 0 とし, f ( ) = a とおく 次の 条件を満たす点 ( a, b) の動きうる範 囲を求め, 座標平面上に図示せよ 条件 : 方程式 f ( ) = bは相異なる 実数解をもつ 条件 : さらに, 方程式 f ( ) = bの解を < < とすると > である 4
08 東京大学 ( 理系 ) 前期日程問題 5 解答解説のページへ 複素数平面上の原点を中心とする半径 の円を C とする 点 P( z ) は C 上にあり, 点 A () とは異なるとする 点 P における円 C の接線に関して, 点 A と対称な点を Q( u ) とする w = とおき, w と共役な複素数をw で表す u () u と w w を z についての整式として表し w+ w, 絶対値の商を求めよ w () C のうち実部が 以下の複素数で表される部分をC とする 点 P( z ) が C 上を 動くときの点 R( w ) の軌跡を求めよ 5
08 東京大学 ( 理系 ) 前期日程問題 6 解答解説のページへ 座標空間内の 4 点 O( 0, 0, 0 ), A (, 0, 0 ), B(,, 0 ), C(,, ) を考える < r < とする 点 P が線分 OA, AB, BC 上を動くときに点 P を中心とする半径 r の球 ( 内部を含む ) が通過する部分を, それぞれV, V, V とする () 平面 = t がV, V 双方と共有点をもつような t の範囲を与えよ さらに, この範囲の t に対し, 平面 = t とV の共通部分および平面 = t とV の共通部分を同一平面上に図示せよ () V とV の共通部分がV に含まれるための r についての条件を求めよ () r は () の条件を満たすとする V の体積を S とし, V とV の共通部分の体積を T とする V, V, V を合わせて得られる立体 V の体積を S と T を用いて表せ (4) ひきつづき r は () の条件を満たすとする S と T を求め, V の体積を決定せよ 6
08 東京大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 問題のページへ 0 < < において, f ( ) = + cos に対し, sin ( ) sin cos sin cossin sin cos cos f = sin = = sin sin sin cos ( sin cos ) cos ( sin ) = = sin sin ここで, g( ) = sinとおくと, g ( ) = cosとなり, g ( ) < 0 (0 < < ) すると, 0 < < において, g( ) < g( 0) = 0 0 から, f ( ) の増減は右表のようになり, f ( ) 0 + lim f ( ) = lim ( + cos ) = f ( ) + 0 + 0 sin また, = tとおくと, f = { t + + t+ } = lim ( t + cost ) 0 t 0 sin( t + ) t 0 sint = lim ( t cost ) = t 0 lim ( ) lim cos( ) sint sint [ 解説 ] 微分法の基本問題です なお, sin < (0 < < ) については, グラフを対応させたり, 図を描いたり, という方法もあります 同じことですが 電送数学舎 08
08 東京大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 問題のページへ n+ () Cn n+ Pn (n + )! a n = = = に対して, n のとき, n! ( n!) ( n!) ( n+ )! an (n+ )! {( n)!} n! (n+ ) n (n + ) = = = = n + a n ( n!) ( n+ )! (n)! n ( n + ) n n( n+ ) n( n+ ) ここで, n と n + の最大公約数を g, i と j を自然数とすると, n = g i, n + = g j すると, = g ( j i) となり g =, すなわち n と n + は互いに素である また, n + と n + の最大公約数を g, と l を自然数とすると, n + = g, n + = g l すると, = g ( l) となり g =, すなわち n + と n + は互いに素である n さらに, n( n+ ) が偶数であることより ( n+ ) は自然数となり, また n( n+ ) a と n + は互いに素なので n qn, 既約分数を用いて = と表したとき, an pn n( n+ ) pn =, qn = n+ an () まず, < とすると, ( n+ ) < n( n+ ) から, n n > 0 a n n よりn > + 7 となり, n は 4 以上の整数となる これより, n 4 のとき an < an となり, a > a4 > a5 > > 0 であり, P 5P 7P a = =, a = = 5, 5 (!) (!) a = (!) = 6, 9P4 a 4 = = (4!) 4 a P5 77 5 = (5!) = 0, a 7P8 4 8 = (8!) = 40 < a P6 4 6 = (6!) = 60, 5P7 a 4 7 = = (7!) よって, > a8 > a9 > > 0となるので, an が整数となるのは n =, である [ 解説 ] 二項係数を題材にした数列の問題です 誘導の丁寧な類題が文系で出ており, それに引きずられた解法です 数値計算は少し面倒でした 漸化式を利用してもよかったのですが 電送数学舎 08
08 東京大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 問題のページへ C : = ( ) 上の点 P( p, p ) ( p ), 線分 OA 上の点 Q( q, 0) (0 q ) に対して, > 0 のとき, OR = OP + OQ = ( p, p ) + ( q, 0) ここで, R(, ) とおくと, p = + q, p = となる さて, まず q の値を固定し, から p= ( q) をに代入して, = ( ) = ( ) ( q q + ) q q そして, q の値を 0 q で動かすと, で表される放物線の一部は 軸方向に平行移動する その頂点は原点から点 (, 0) まで動き, の範囲は, + これより, 点 R が動く領域の面積 S( ) は, (i) ( ) のとき 0 S( ) = ( + + ) d ò 0 é O = + ù 4 ê ú ë û = + (ii) > (0< < ) のとき 点 R の動く領域が直線 = について対称なので, S ( ) { d + = ò + ( ) d ò } O + = é ù é( ) + ù êë úû êë úû 4 4 = + = 4 以上より, lim S( ) = lim ( ) = lim S( ) = lim 4 + 0 + 0 ( + ) = + + [ 解説 ] 軌跡を求める問題で, 東大で頻出の 文字固定をして考えるタイプです 電送数学舎 08
08 東京大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 4 問題のページへ f ( ) = a ( a > 0) に対して, f ( ) f ( ) = a = ( + a)( a) の増減は右表のようになる さて, 方程式 f ( ) = bは相異なる 実数解をもち, その解を < < とすると, < a< < a< である しかも, > である条件は, 右図から, a > a < b< f () = a ここで, の つの境界線 b=a とb= a の関係 は, 両式を連立すると, a = a, a a + = 0 (a+ )( a ) = 0 よって, a = で交わり, a = で接する 以上より, 点 ( a, b) の動きうる範囲は, から, a >, a < b< a この不等式を ab 平面上に図示すると, 右図の網点部になる ただし, 境界は領域に含まない a a f ( ) + 0 0 + f ( ) a a α a O b a b O a β γ a a [ 解説 ] 微分の方程式への応用問題です 内容は基本的です 4 電送数学舎 08
08 東京大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 5 問題のページへ () 点 P( z ) は C 上を動くので, z = より zz = Q( u) また, AP= QPより, z = z u さらに, OP // AQ より, > 0 として, u = z より, z = () z となり, ( z)( z ) = {() z}{( ) z } を代入すると, z z+ = () () z( ) z+ となり, = ( ) + ( z+ z) +, + ( z+ z ) = 0 すると, > 0 から, = ( z+ z) となり, から, u= ( z+ z) z = z + z = z + z 4 さて, 4からu=( z ) + となるので, u= ( z) から, w = = u ( z ) すると, w ( z ) = となり, から z = なので, w ( z ) z w ( z ) z ( z) w = = = z 5 ( ) ( z ) z さらに, w + w = + w = + z ( z) = z となり, より, w w w w+ w = w+ w = z = z = 6 w w () まず, P( z ) が C 上を動くとき, 6から, w+ w = w となり, w+ w = w そこで, w= + iとおくと, = + から, ( ) = +, + =, = + 7 4 4 さらに, P( z ) が C の実部 以下の部分 C 上に制限されて動く場合について, 放 物線 7の限界を求めるために, z = cos + isin として, 8, 9 すると, 5から, w = cos + isin 0 w これより, 点 R( w ), 点 S( w ) とおくと, S( w ) と R( w ) は実軸対称であり, しかも S( w ) は R( w ) を原点まわりに だけ回転したものとなる O P( z ) A() 5 電送数学舎 08
すると, 80より, のとき, R( w ) のとり得る範囲は, 右図の網点部について, 実軸上または実軸の上側 の領域である また, 90より, のとき, R( w ) のとり 得る範囲は, 右図の網点部について, 実軸上または実軸の下側の領域である したがって, 点 R( w ) の軌跡は, 右上の網点部の領域内にあ る放物線 7, すなわち = + の 0 argw または 4 argw 0 の部分である 図示すると, 右図の曲線 ( 実線部 ) となる 08 東京大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 [ 解説 ] 複素数と図形についての問題です () は () の56をもとに w の条件を求めています なお, 軌跡の限界を求める方法はいろいろ考えられますが, 解答例では図形的に処理したため, の範囲を8または9と, わかりやすくしています O O 4 R( w) S( w) 6 電送数学舎 08
08 東京大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 6 問題のページへ () < r < のとき, 点 P が線分 OA, AB, BC 上を動くと z C きに点 P を中心とする半径 r の球 ( 内部を含む ) が通過する部分を, それぞれV, V, V とすると, V :( a) + + z r B O V :( ) + ( b) + z r A V :( ) + ( ) + ( zc) r ただし, a, b, c は 0 a, 0 b, 0 c の範囲を動くものとする さて, 平面 = t とV の共通部分は, と連立して, ( a) + z r t 4 そして, = t がV と共有点をもつ条件は, r ( t+ r)( tr) 0, r t r 5 また, 平面 = t とV の共通部分は, と連立して, t 0 から, ( ) + ( zc) r ( t) 6 そして, = t がV と共有点をもつ条件は, r ( t) 0から, ( t + r)( t r) 0, r t + r 7 すると, < r < から r< rとなり, = t がV, V の双方と共有点をもつ条 件は, 57から, r t r である z このとき, その共通部分を平面 = t 上に図示すると, (i) r t r ( t) ( r t ) のとき r t 46より, a, c を 0 a, 0 c の範囲で動 かすと, その共通部分は右図の網点部となる ただし, 境界は領域に含む (ii) r t r ( t) ( t r) のとき 46より, a, c を 0 a, 0 c の範囲で動 かすと, その共通部分は右図の網点部となる ただし, 境界は領域に含む () でb= tのとき, 平面 = t とV の共通部分は, ( ) + z r 8 さて, V とV の共通部分がV に含まれる条件は, () の (i)(ii) のいずれの場合も点 (, z) = ( r ( t), r t ) が8を満たすことより, { r ( t) } + ( r t ) r, r z t r ( t ) + r t r 7 電送数学舎 08
08 東京大学 ( 理系 ) 前期日程解答解説 r ( t ) + t = t t+ = ( t ) + 9 すると, < r < のとき, 9がr t r を満たす任意の t で成立することよ り, r から r となり, 求める条件は < r である () まず, V の体積を S とすると, V, V の体積もそれぞれ S となる また, V と V の共通部分の体積を T とすると, V とV の共通部分の体積も T となる さらに, V とV の共通部分はV に含まれることより, V, V, V を合わせて得られる立体 V の体積 W は, W = ST と表せる (4) V は, 半径が r で高さが の円柱に, 半径が r の半球を つ合わせたものより, その体積 S は, S = r + 4 r = 4 ( r + r ) 次に, V とV を, 平面 z = (r r) で切った断面は, から, ( a) + r ( ) + ( b) r ここで, a, b を 0 a, 0 b の範囲で動かす と, V とV の共通部分の断面は右図の網点部となる すなわち, 半径が r の四分円 つに, 辺が r の正方形を合わせたものより, その面積は, r + r = + ( r ) 4 4 ( ) ( ) ( ) すると, V とV の共通部分の体積 T は, 平面に関する対称性から, r T = ( + )( r ) d r ò = ( + ) é r ù 0 4 ê ú = + 0 以上より, V, V, V を合わせて得られる立体 V の体積 W は, () から, W = 4 ( r + r ) ( + ) r ( 8 ) = r + r r ë û ( ) r [ 解説 ] 東大で頻出の立体の体積を求める問題です 誘導は細かく付けられているものの, かなりハードです なお, 上の解答例は代数的な記述を前面に出したものです 8 電送数学舎 08