材料実験演習 第 6 回 2017.05.16
スケジュール 回 月 / 日 標題 内容 授業種別 時限 実験レポート評価 講義 演習 6,7 5 月 16 日 8 5 月 23 日 5 月 30 日 講義 曲げモーメントを受ける鉄筋コンクリート(RC) 梁の挙動その1 構造力学の基本事項その2 RC 梁の特徴演習 曲げを受ける梁の挙動 実験 鉄筋コンクリート梁の載荷実験レポート 鉄筋コンクリート梁実験レポート作成 平面保持の仮定 モーメントと曲率の関係 RC 梁の曲げひびわれモーメント RC 梁の曲げ降伏モーメント算定方法 釣合い鉄筋比 曲げ破壊に到るまでのデータ測定と観察 レポート作成方法説明 ( 材料実験演習は休講 ) モールの応力円 ひずみ円について環境構成材料 ( 近藤先生 ) で講義していただく 実験実験レポート作成 6 7 時限 6 7 時限 6 7 時限 鉄筋コンクリート梁実験レポート作成 9,10 6 月 6 日 講義 木の構造材料的性質 曲げモーメントを受ける鉄骨梁の挙動演習 鉄骨梁の曲げ耐力 木の力学的性質 曲げモーメントを受ける鋼梁が破壊に至る経過 曲げ破壊モーメント 講義 演習 6 7 時限 回月 / 日 標題 内容 授業種別 時限実験レポート評価 木の力学的性質 実験 木梁実験レポート 実験レポート作成 作成 11 6 月 13 日 12 6 月 20 日 13,14 6 月 27 日 15,16 7 月 4 日 実験 木試験体の曲げ実験レポート 木梁実験レポート作成実験 鋼梁の載荷実験レポート 鋼梁実験レポート作成講義 部材の変形性能 今までの復習演習 今までの復習試験 まとめ ( 仮 ) 破壊に到るまでのデータ測定と観察 レポート作成 脆性 靭性 実験実験レポート作成 講義 演習 6 7 時限 6 7 時限 6 7 時限 6 7 時限 鋼梁実験レポート作成
軸方向力を受ける材料試験 コンクリート圧縮試験 鋼材の引張試験
ラーメン 梁 接合部 柱
梁
梁
梁
梁
梁
梁
梁
模型の変形状態を書いて下さい
模型の変形状態を書いて下さい
= 曲げを受ける部材 一様曲げを受ける梁の変形状態 変形前 変形後 変形前に材軸に直交していた断面は 変形後の材軸に直交する平面に移行する 平面保持の仮定
曲率 Y y X Δθ 図心から y 位置での伸び量 ΔX -ΔX = Δθ y 両辺を ΔX で割ると ΔX ε(y) =φ y dθ φ =- dx 変形前 変形後 φ : 曲率
曲率 Δθ ε(y) φ y ε(y) =φ y dθ φ =- dx φ: 曲率 変形後 変形後のひずみ分布図
曲げを受ける完全弾性体の断面の応力とひずみの関係 y y σ(y)=e ε(y) ε(y) σ(y) ひずみ分布 応力分布
断面 2 次モーメント M= σ(y) yda σ(y) y 応力分布 M= E φ y 2 da = E φ y 2 da = E φ I I: 断面 2 次モーメント σ(y)=e ε(y) ε(y)=φ y
断面係数 y1 y2 σ(y) 応力分布 y M= E φ I M σ(y) = y I M M σ(y1) = y1 = I Z1 M M σ(y2) = y2 = I Z2 Z 1, Z 2 : 断面係数 σ(y)=e ε(y) ε(y)=φ y
H/2 H H/2 曲げを受ける部材 断面 2 次モーメントと断面係数 B 問左図の長方形断面の断面 2 次モーメントおよび断面係数を算定して下さい z I= y 2 da Z 1 =I/y 1 Z 2 =I/y 2 y
たわみ曲線 Δθ ε(y) φ y ε(y) =φ y dθ φ =- dx φ: 曲率 変形後 変形後のひずみ分布図
たわみ曲線 ( 曲率 φ 回転角 θ たわみ量 v の関係 ) x θ(x) v(x) X Y φ(x)=-θ (x) =-v (x) φ(x)=m(x)/ei(x) v (x) =-M(x)/EI (x) φ(x)=m(x)/ei(x) θ (x) =-M(x)/EI (x)
たわみ曲線の算定 問下図の片持梁の材軸 x おけるたわみ量 v(x) 回転角 θ(x) を求めて下さい ただし 曲げ剛性は EI( 一定 ) とする P L X Y
変形
変形
曲げモーメント
曲げを受ける鉄筋コンクリート部材 ひび割れモーメント コンクリートの性質 圧縮に強く 引張に弱い 引張強度 σt 0.1 ( 圧縮強度 σc) y1 y2 M M σ(y2) = y2 = I Z2 > 引張強度 σt ひび割れ発生 σ(y) 応力分布 Mcr( 曲げひび割れモーメント ) = 引張強度 σt Z 2 鉄筋は無視し 全断面有効と考える
曲げを受ける鉄筋コンクリート部材 鉄筋コンクリート構造 コンクリートの性質 圧縮に強く 引張に弱い 引張側に鉄筋を配置 ( 配筋 ) して部材を補強する 鉄筋 鉄筋
曲げひび割れ発生時の荷重の算定 問下図のコンクリート製片持梁において 曲げひび割れが発生した荷重 Pを算定して下さい コンクリートの引張強度 2N/mm 2 とする P X 400mm L=4000mm 250mm Y
曲げを受ける鉄筋コンクリート部材 ひび割れ後の断面 2 次モーメントIcr B σc εc =Ec εc xn d ひずみ分布から εc: εs=xn:d-xn 力の釣り合いから σc B xn/2=atσs At 梁断面 εs ひずみ分布 B: 梁幅 At: 鉄筋断面積 xn: 中立軸位置 d: 有効せい Ec: コンクリートのヤンク 係数 Es: 鉄筋のヤンク 係数 n: ヤンク 係数比 (=Es/Ec) σs =Es εs 応力分布 xn=(-n At+ {(n At) 2 +2n B At d})/b Icr=B xn 3 /3+At (d-xn) 2 <B H 3 /12=Io
曲げを受ける鉄筋コンクリート部材 梁の破壊形式 εc εs At 梁断面ひずみ分布 最終破壊状態 1. 引張破壊引張側の鉄筋の降伏がコンクリートの圧縮破壊より先に起こる破壊 2. 圧縮破壊コンクリートの圧縮破壊が引張側の鉄筋の降伏より先に起こる破壊 3. 釣合破壊引張側の鉄筋の降伏とコンクリートの圧縮破壊が同時に起こる破壊 力の釣り合い C( 圧縮力 )=T( 引張力 ) 通常 急激な耐力低下を起こさない引張破壊となるように設計を行う
曲げを受ける鉄筋コンクリート部材 梁の曲げ降伏モーメント ( 鉄筋の降伏がコンクリートの圧縮破壊より先行する場合 ) εc xn C d T=Ty j At εs=εy 梁断面ひずみ分布応力分布 力の釣り合い C( 圧縮力 ) =T( 引張力 )=Ty 曲げ降伏モーメント My My=Ty j= Ty 7/8 d =At σy 7/8 d σy: 鉄筋の降伏強度
曲げを受ける鉄筋コンクリート部材 圧縮強度時 梁の曲げ終局モーメントひずみ0.002 ( 鉄筋の降伏がコンクリートの圧縮破壊より先行する場合 ) の1.5 倍 εc=εcu(=0.003) C C xn d T=Ty T=Ty At εs>εy 実際のコンクリートの応力状態 応力フ ロックによるの応力状態 梁断面ひずみ分布応力分布
曲げを受ける鉄筋コンクリート部材 梁の曲げ終局モーメント B σmax C=B σ(x)dx 0 εu 0.85σmax xn C β 1 xn C β 1 xn/2 d d-β 1 xn/2 T=Ty T=Ty At 梁断面 実際のコンクリートの応力状態 応力分布 応力フ ロックによる応力状態 コンクリートの応力ひずみ関係から 圧縮合力 C を求めるのは煩雑なので ACI 規準では圧縮側コンクリートの応力度分布を図のような等価な長方形応力度分布に置換して計算する方法がとられている
曲げを受ける鉄筋コンクリート部材 梁の曲げ終局モーメント B Fc 0.85Fc Fc 28N/mm 2 の場合 β 1 =0.85 xn C β 1 xn C β 1 xn/2 d d-β 1 xn/2 T=Ty T=Ty At 梁断面 実際のコンクリートの応力状態 応力分布 応力フ ロックによる応力状態 曲げ終局モーメント Mu Mu=Ty (d-β 1 xn/2) xn=ty/(0.85 Fc B β 1 ) <C=0.85 Fc B β 1 xn=ty より >
曲げを受ける鉄筋コンクリート部材 梁の曲げ終局モーメント ( 略算式 ) σmax B xn C d 0.9d T=Ty At 梁断面 応力分布 実務では 以下の曲げ終局モーメント Mu の略算値を用いることが多い Mu=0.9 Ty d=0.9 At σy d
150 25 150 100 25 150 曲げを受ける鉄筋コンクリート部材の実験 試験体 載荷点 P/2 載荷点 P/2 上端筋 2-φ3mm 405 240 405 75 1050 75 試験体形状図 上端筋 2-φ3mm 下端筋 2-D10 スターラッフ φ3mm 25 50 100 25 100 100 100 300 100 100 100 配筋図 断面図 下端筋 2-D10 試験体の梁の ( 引張 ) 鉄筋比は p t =A t /(B d)=71 2/(100 125)=1.14%
曲げを受ける鉄筋コンクリート部材の実験 最終破壊形式の確認 曲げ終局時の釣り合い鉄筋比 p tb xn εc=εcu(=0.003) d Φ ひずみ分布から Φ=εy/(d-xn)=εcu/xn Atb εs=εy xn=εcu d/(εy+εcu) 梁断面 ひずみ分布
曲げを受ける鉄筋コンクリート部材の実験 最終破壊形式の確認 曲げ終局時の釣り合い鉄筋比 p tb B 0.85Fc xn β 1 xn C β 1 xn/2 d d-β 1 xn/2 T=Ty Atb 梁断面 応力フ ロックによる応力状態 応力分布 力の釣り合いから C=0.85 Fc B β 1 xn=atb σy=ty
曲げを受ける鉄筋コンクリート部材の実験 最終破壊形式の確認 100 25 25 150 曲げ終局時の釣り合い鉄筋比 p tb 0.85 Fc B β 1 εcu d/(εy+εcu)=atb σy コンクリート Fc24 右の梁の釣り合い鉄筋比は σy=295n/mm 2,εy=0.0014 より p tb =0.85 24 0.85/295 0.003 /(0.003+0.0014) =4.01% < 1.14% 25 50 25 よって 引張破壊となる 100 下端筋 2-D10 (71mm 2,SD295)
150 25 150 100 25 150 曲げを受ける鉄筋コンクリート部材の実験 試験体 載荷点 P/2 載荷点 P/2 上端筋 2-φ3mm 405 240 405 75 1050 75 試験体形状図 25 50 25 上端筋 2-φ3mm 下端筋 2-D10 スターラッフ φ3mm 100 下端筋 2-D10 100 100 100 300 100 100 100 配筋図 断面図
150 曲げを受ける鉄筋コンクリート部材の実験 計測項目 載荷点 P/2 載荷点 P/2 405 240 405 75 1050 75 載荷荷重 変位計 525 525 75 1050 75 スハ ン中央の鉛直変位
2510025 曲げを受ける鉄筋コンクリート部材の実験 計測項目 変位計 75 75 150 75 1050 75 曲率の計測 ひずみゲージ 525 525 75 1050 75 コンクリート圧縮側ひずみ