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平成 25 年度普及に移す農業技術 ( 第 2 回 ) [ 分類 ] 普及技術 [ 成果名 ] 乳牛用の飼料給与診断ソフトウエア DAIRY ver4.1 は乳牛の飼料給与診断 設計に活用できる [ 要約 ] 新たな機能を追加した乳牛用の飼料給与診断ソフトウエア DAIRY ver4.1 は適正な飼料給与診断 設計が迅速にでき 酪農における指導手段としての有効である [ 担当 ] 農業技術課 [ 部会 ] 畜産部会 1 背景 ねらい乳牛用の飼料給与診断用ソフトウエア DAIRY は 酪農経営における飼料給与改善用ソフトウエアとして利用され 改良されてきた しかし DAIRY を作動するには 表計算ソフト Lotus 1-2-3 が必要で 普及現場の OA 環境では対応が困難になってきた そこで 利用者の多い表計算ソフト Excel を用いるとともに 操作性と機能性を向上して DAIRY ver4.0 を作成し H21 年度試行技術として提案した 今回 DAIRY ver4.0 に新たな機能を追加した DAIRY ver4.1 を開発し 酪農における指導手段としての有効であることを確認できたので普及技術として提案する 2 成果の内容 特徴 (1) 本ソフトウエアの概要は図 1 のとおりである (2) 本ソフトウエアは Excel(Microsoft 社 ) を使用している (3) 最新の日本飼養標準乳牛 (2006 年版 ) に準拠した (4) 飼料計算結果が本ソフトウエアで設定した標準範囲を大きく外れるものを表示して過不足の判断が容易にできる ( 各充足率の過不足を色別表示 ) (5) 診断経過表に診断農家の現地情報 ( カルテ ) を記載することができる (6) ビタミン A D の充足率を計算できる (7) 追加機能として 入力した牛の個別診断データをランダムに入替えることができる また 飼料 No. を入力しなくても 診断に必要な飼料を選択できる 飼料の成分値等 飼料給与量 乳牛の体重 乳量等 必要な飼料の確認 乳牛飼養改善ソフト飼料成分の確認 (TMR の個別成分も含む ) TMR の必要量から 飼料成分表 混合量を計算する TMR 調製表 TMR の場合 TMR 用の単味飼料選択と混合量の入力 飼料成分表 へ反映させます TMR 作成表 (TMR1~5 調製 ) 乳牛データの確認 利用する飼料を選択し 給与分析表 へ反映させる 飼料選択表 (20 飼料まで ) 診断グラフ化設計など 牛の条件入力と給与量を入力し診断する 診断設計診断設計表 飼料 各牛 牛群の診断グラフを表示する 診断グラフ診断グラフ表 は各ワークシート名 図 1 ソフトウエアの概要 8-1

3 利用上の留意点 (1) 乳牛側のデータは 体重 乳量 乳脂率を測定する必要がある 採食量については残飼 盗食があれば調べ 粗飼料の給与量も聞き取りに頼らず計量する (2) 粗飼料は成分変動が大きいため できる限り分析に基づいた成分値を使用する (3) 牛の BCS 健康状態等の諸指標と関連付けながら給与診断を実施する また 多頭数を診断し 泌乳ステージごとの総合的な判断が必要である (4) 給与診断 設計にあたっては 本ソフトウエアに組み込まれている成分表の中で欠データがある飼料を用いて計算した場合 実際とは計算結果が異なる したがって 設計に用いた飼料の成分表の内容を確認する必要がある (5) 本ソフトウエアは Microsoft Excel 2007 2010 で動作を確認している (6) 本ソフトウエアは予告なく不具合の修正や改訂を行うことがある 4 対象範囲県内の酪農家 400 戸 5 具体的データ (1) メニュー画面基本的な操作は メニュー画面から各ボタンを選択することで作業ができる ( 図 2) 図 2 メニュー画面 (2) 主な機能の説明ア飼料成分表 : 主な飼料については 日本標準飼料成分表 2009 年版 が登録されている 登録内容は 飼料名 現物中の乾物率 代謝エネルギー TDN 率 CP 率 ADF 率 NDF 率 NFC 率 粗脂肪率 CP 中の RDP 率 NDF 中の endf 率 NDF 中の fndf 率 乾物中の Ca 率 P 率 ビタミン A 単位 ビタミン D 単位 ミネラル成分は Mg Na K C l S の成分率 現物単価である 飼料成分表の 1~220 番までは新規登録や成分値変更 使用しない飼料の削除ができるが No.221~225 番は TMR 計算で使用しているので変更しないこと 227~229 番は 5 種以上の TMR が必要な場合に 既存の TMR を転記して利用すれば さらに多くの TMR を設計できる 8-2

イ TMR 作成表 : 飼料成分表に登録してある飼料 No. を 20 種類まで入力し混合量を入力することで TMR が 5 種類まで作成できる 選択する飼料は当該 TMR 以外であれば自由に選べる プレミックス飼料を元に TMR を数種類作るなどに利用できる ウ診断設計表 : 登録項目は 診断年月日 乳牛については名号 分娩 ( 予定 ) 年月日 産次 体重 乳量 乳脂率 ボディコンディションスコアである 飼料はすでに登録されているので 診断する場合は調査給与量を 設計する場合は設計量を入力して栄養要求量の充足等を総合的に判断する 計算結果が上限以上のものは青字 下限以下のものは赤字で表示される 一度に 14 頭が診断できるが 牛の入替 ボタンを押すことで 150 頭分のデータを保持できる また 追加機能としてランダムに該当牛を選び出して診断することもできる (3) 追加機能についてア飼料成分表にある 飼料選択 と 飼料転送 により飼料選択表で選択する飼料成分表の飼料 No. を入力しなくても 診断に必要な飼料を選択できる ( 図 3 4) No 飼料成分表 メニュー TMR 作成 選択表 診断設計 飼料選択 飼料成分表 注 :[ 成分 %] は原物中 % 表示 [ 成分 %/ ] は 中 % 表示 ( 例 :[5%] は乾物中 5%) 飼料名 ME endf fndf DM% Mcal/kg TDN % CP% /CP ADF% NDF% /NDF /NDF NFC% CFat% Ca% P% ViAKIU ViDKIU /kgdm /kgdm 1 オ-チャ-ドG(G)1 番出穂 19.5 0.46 12.4 2.3 0.75 11.5 0.9 1.0 1.1 0.53 0.62 80 0.4 0.14 3.38 0 0 15 2 オ-チャ-ドG(G)1 番開花 26.3 0.55 15.1 2.4 0.75 17.5 0.9 1.0 0.9 0.42 0.32 40 15 3 オ-チャ主体 1 番 ( ロールS)KURA 70.0 0.64 40.0 5.5 0.63 36.1 46.9 0.9 1.0 8.5 2.0 0.22 0.34 10 22 4 5 オ-チャ-ドG(S)1 番出穂 26.8 0.64 17.3 3.7 0.75 10.0 16.7 0.9 1.0 2.5 1.3 0.39 0.26 10 0.14 0.02 1.85 0.9 0.22 20 6 オ-チャ-ドG(S)1 番開花 23.9 0.50 13.5 2.8 0.75 9.7 15.7 0.9 1.0 2.0 1.2 18 7 オ-チャ-ドG(S)1 番結実 48.0 0.79 22.4 3.6 0.75 20.8 33.0 0.9 1.0 6.4 1.3 16 8 自給ロールオ-チャ-ドG(S) 27.6 0.58 15.9 4.3 0.75 9.4 16.2 0.9 1.0 2.6 1.8 0.37 0.33 3 0 0.3 0 2.92 0 0 20 9 オ-チャ-ドG(S)1 番出穂水分 45~65 41.3 0.93 25.2 5.7 0.75 15.0 25.4 0.9 1.0 6.2 1.8 20 10 オ-チャ-ドG(S)1 番出穂水分 65~75 29.5 0.67 18.2 4.2 0.75 10.7 18.1 0.9 1.0 3.1 1.6 19 11 オ-チャ-ドG(S)1 番出穂水分 75 以上 19.2 0.46 12.3 2.7 0.75 7.1 11.9 0.9 1.0 1.8 1.1 18 選択解除 飼料転送 図 3 飼料を選択する飼料成分表 Mg% Na% K% Cl% S% 単価円 /kg 飼料選択表 メニュー 1 飼料選択表 *** 今回利用する飼料一覧表 (20 種類まで登録できる )*** 飼料成分表のNoを入力しなくても 自動転送飼料 No DM ME TDN CP RDP NDF endf fndf NFC CFat Ca P Vit A Vit D 75 飼料名順番 % Mcal/kg /CP /NDF /NDF 8 自給ロールオ - チャ - ド G(S 1 27.6 0.58 15.9 4.3 0.75 16.2 0.9 1.0 2.6 1.8 0.37 0.33 3 0 0 0 3 0 0 20 75 購入アルファルファ (H) 再生 2 86.9 1.72 47.4 16.6 0.70 39.2 0.9 1.0 17.3 2.2 1.33 0.24 4 0 0 0 0 0 0 50 81 81 稲ワラ 3 87.8 1.3 37.6 4.7 0.60 55.4 1.0 1.0 10.3 1.8 0.3 0.13 0 0 0 0 2 1 0 25 163 163 市販配合飼料 4 87.0 2.89 76.3 17.4 0.70 14.6 0.1 0.0 46.0 4.7 1.15 0.54 5 1 0 0 0 0 0 43 195 成分表 TMR 作成 診断設計 195 第二リン酸カルシウム CaHPO4 5 96.0 0 0.0 0.0 0.00 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 22 19.3 0 0 1 0 0 0 1 80 図 4 選択された飼料を一覧で表示される飼料選択表 Mg% Na% K% Cl% S% 単価円 /kg イ飼料給与の分析は 診断設計表 で従来どおり 14 頭ごと分析可能だが 一度入力したデータをランダムに入替ができるようになった ( 図 5 6) ランダムに入れ替える場合は ランダムな入替をするにチェックをしてから 設計診断表 の 1 列目から 14 列目に 分析マスター の任意の牛番号を入力することで 可能となる 8-3

1 診断設計 メニュー メニュー 成分表へ 選択表へ TMR 作成へ 分娩日逆算へ データ入替え 印刷フ 分離給与 :1 標準計算 DAA IRR Y ver4.1 調査月日 : 2010/12/7 TMR:2 1 出力年月日現状 1Pと改善案 2P 1 2 3 4 5 6 7 8 名号 4 1069 1073 1049 1058 1067 1050 1050 生年月日 2005/12/1 ステージなど初期前期中期中期後期乾乳 ( 前期 ) クロース アッフ クロース アッフ 分娩 ( 予定 ) 年月日 10/11/5 10/9/23 10/6/30 10/6/18 10/5/11 11/2/2 11/1/1 11/1/1 調査年月日 10/12/7 10/12/7 10/12/7 10/12/7 10/12/7 10/12/7 10/12/7 10/12/7 分娩後 ( 生後 ) 日数 32 75 160 172 210 (57) (25) (25) 産次 2 3 1 2 2 2 2 2 体重 kg 630 650 650 650 650 660 670 660 乳量 kg 40.0 35.0 30.0 30.0 25.0 0.0 12.0 0.0 乳脂率 % 3.20 3.40 3.60 3.60 3.60 0.00 3.60 0.00 BCS 2.25 2.75 2.75 3.00 3.25 3.75 4.00 3.75 利用中の飼料リスト順序 ( フォーレージ 炭水化物 タンパク ミネラル ビタミン ) 1 ト - ルフェスク (H)1 番 2.00 2.00 2.00 2.00 2.00 2.00 2.00 2.00 2 アルファルファヘイキュ - フ ( 良質 ) 2.00 2.00 2.00 2.00 2.00 2.00 2.00 2.00 3 トウモロコシ (S) 東日本 12.00 12.00 12.00 12.00 12.00 10.00 10.00 10.00 4 ビ - トパルプ 2.00 2.00 2.00 2.00 2.00 2.00 2.00 2.00 5 コーン圧片 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 1.00 1.00 1.00 図 5 給与診断を行う診断設計表 牛の入替 で入替えモードとなる 図 6 牛の入替え メニュー 8-4

(4) 試行技術 ( 平成 22 年度 ) 提案以後の DAIRY ver4.1 の利用に係る経過ア H22 年度 ( ア )BCS ルーメンフィルスコア 歩行 糞等健康状態の指標となる写真付き諸指標を作成 ( イ ) 基準となる新たな養分指標の作成 ( ウ ) 畜産試験場で乳牛の BCS 蹄スコア等の見方の実習 ( エ ) 技術経営強化研修で畜産担当普及員を対象とする DAIRY ver4.0 の利用講習 ( オ ) 現場における農家指導での普及員に対する活用の支援及び試行結果 操作性に対する要望 改善点などの調査 ( カ ) 飼料選択 牛入替えにおける機能追加 ( キ ) 不具合 ( バグ ) の改善 ( ク ) 県下 35 件の酪農家の給与診断で試行 イ H23 年度 ( ア ) 現場における農家指導での活用支援 ( イ ) 技術経営強化研修で畜産担当普及員からの DAIRY ver4.1 を活用した酪農家の指導事例の発表及び先進事例における設計演習の実施 ( 分離給与 ) ( ウ ) 県下 41 件の酪農の給与診断で試行 ウ H24 年度 ( ア ) 現場における農家指導での活用支援 ( イ ) 技術経営強化研修で畜産担当普及員からの DAIRY ver4.1 を活用した酪農家の指導事例の発表及び先進事例における設計演習の実施 ( ウ ) 県下 48 件の酪農の給与診断で試行 8-5

(5) 活用事例ア現状給与診断事例 ( 設計診断表 ) 泌乳量が少なく繁殖成績が悪い酪農家に対して給与診断を行い 適正給与ができていないことを示した計算値と 診断結果を下段にコメントで記載した ( 図 7) 分離給与 :1 標準計算 D A I R Y ver4.0 調査月日 : 2013/12/3 TMR:2 1 現状診断 1 2 3 4 5 6 7 名号メリーメリー 1 メリー 2 サリーサリー 2 アリーアリー 2 生年月日 2004/3/4 2008/3/21 2007/1/9 2008/5/13 2008/6/20 2008/8/2 2008/8/2 ステージなど泌乳初期泌乳前期泌乳最盛期泌乳中期泌乳後期泌乳後期乾乳前期 分娩 ( 予定 ) 年月日 13/11/23 13/11/3 13/10/14 13/6/26 13/5/26 13/2/26 14/1/12 調査年月日 13/12/3 13/12/3 13/12/3 13/12/3 13/12/3 13/12/3 13/12/3 分娩後 ( 生後 ) 日数 10 30 50 160 191 280 (40) 産次 2 2 2 3 3 3 3 体重 kg 620 650 650 650 650 650 660 乳量 kg 30.0 35.0 40.0 30.0 25.0 20.0 0.0 乳脂率 % 3.50 3.50 3.60 3.60 3.60 3.60 0.00 BCS 2.50 2.75 2.75 3.00 3.50 3.50 3.50 利用中の飼料リスト順序 ( フォーレージ 炭水化物 タンパク ミネラル ビタミン ) 自給ロールオ - チャ - ド G 16.00 16.00 16.00 16.00 16.00 16.00 16.00 購入アルファルファ (H) 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00 1.00 稲ワラ 2.00 2.00 2.00 2.00 2.00 2.00 3.00 市販配合飼料 8.00 10.00 12.00 11.00 10.00 10.00 1.00 第二リン酸カルシウム CaHP 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 0.10 *** 飼料未選択 *** DM 採食量 kg 15.8 17.6 19.3 18.4 17.6 17.6 8.8 DMI/BW% 2.6 2.7 3.0 2.8 2.7 2.7 1.3 DMI 充足 % 106.9 88.3 83.0 90.7 95.4 106.4 78.3 TDN% 68.3 70.3 71.8 71.1 70.3 70.3 55.9 TDN 充足 % 72.7 72.9 72.9 90.2 97.2 113.2 88.8 CP% 16.9 17.2 17.4 17.3 17.2 17.2 13.3 CP 充足 % 90.7 89.1 87.5 110.0 121.1 144.3 118.6 RDP/CP% 70.9 70.8 70.7 70.8 70.8 70.8 71.7 RDP% 12.0 12.2 12.3 12.3 12.2 12.2 9.5 RDP 充足 % 125.5 124.2 123.3 123.8 124.4 124.4 121.2 NDF% 38.1 36.0 34.3 35.1 36.0 36.0 54.5 endf% 29.2 26.5 24.3 25.3 26.5 26.5 49.6 fndf% 30.8 27.7 25.2 26.4 27.7 27.7 52.9 NFC% 30.4 32.7 34.5 33.6 32.7 32.7 15.4 Ca% 0.99 1.01 1.02 1.02 1.01 1.01 0.52 Ca 充足 % 125.1 122.5 119.7 158.4 165.4 196.6 113.4 P% 0.50 0.50 0.51 0.51 0.50 0.50 0.28 P 充足 % 104.3 101.8 99.4 124.6 136.4 160.5 98.6 Ca/P 比 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 1.8 Fat% 4.8 4.9 4.9 4.9 4.9 4.9 4.7 ViA 充足 % 89.6 91.9 95.4 107.5 111.8 125.4 43.8 ViD 充足 % 112.3 133.8 160.6 147.2 133.8 133.8 13.7 飼料金額円 / 日 874 960 1046 1003 960 960 488 飼料金額円 / 乳量 K 29.1 25.0 21.8 29.1 34.9 43.7 -- 1 乳成分乳蛋白率 2.83 2.90 2.85 3.10 3.30 3.20 SNF 率 8.47 8.56 8.43 8.67 8.68 8.70 乳中尿素態窒素 14.00 12.00 13.00 13.00 14.00 14.00 P/F 比 0.80 0.70 0.70 0.80 0.85 0.90 2. 診断結果 (1) 泌乳前中期 要求量に対して乾物摂取量 TDNが不足している (2) 泌乳後期 タンパク TDNは過剰傾向となっている ( 過肥の懸念 ) (3) 乾乳期 乾物摂取量が少なく 盗食が懸念される 全体の評価 泌乳ステージ別の適正給与になっていない 図 7 飼料給与診断した診断設計表 8-6

イ現状給与診断事例 ( ステージ別栄養診断グラフ ) 分娩後日数に対する各栄養項目の傾向をグラフで示した この事例では栄養要求量が違う分娩後日数に対して一律の分布となり 要求量が多い泌乳前期では不足し 要求量が低くなる後期では過剰となっていることを示す結果であった ( 図 8 9 10) 図 8 分娩後日数に対して乾物摂取量体重比の分布グラフ 濃度 % 95 グラフ 35 ステージ別の TDN 濃度 ( %) TDN 充足率 ( %) DMI 充足率 ( %) 充足率 % 140 90 130 85 120 80 110 75 100 70 90 65 80 60 70 55 60 50 50 (30) 30 90 150 210 270 330 390 分娩後日数 図 9 分娩後日数に対して TDN( エネルキ ー ) 充足率 濃度 乾物摂取量充足率の分布グラフ 濃度 % 24 グラフ 36 ステージ別の CP 濃度 ( %) CP 充足率 ( %) DMI 充足率 ( %) 充足率 % 140 22 130 20 120 18 110 16 100 14 90 12 80 10 70 8 60 6 (30) 30 90 150 210 270 330 390 分娩後日数 50 図 10 分娩後日数に対してタンパクの充足率 濃度 乾物摂取量充足率の分布グラフ 8-7

ウ改善案事例 ( 設計診断表 ) 設計診断表により 設計診断に基づく改善案の事例を表 11 に示す 栄養バランスを考慮し 新たな飼料を追加し ステージ別に過不足がないような改善案を設計して示した 分離給与 :1 標準計算 D AII RY Y ver4.0 調査月日 : 2013/12/3 TMR:2 1 改善案 1 2 3 4 5 6 7 名号メリーメリー 1 メリー 2 サリーサリー 2 アリーアリー 2 生年月日 2004/3/4 2008/3/21 2007/1/9 2008/5/13 2008/6/20 2008/8/2 2008/8/2 ステージなど泌乳初期泌乳前期泌乳最盛期泌乳中期泌乳後期泌乳後期乾乳前期 分娩 ( 予定 ) 年月日 13/11/23 13/11/3 13/10/14 13/6/26 13/5/26 13/2/26 14/1/12 調査年月日 13/12/3 13/12/3 13/12/3 13/12/3 13/12/3 13/12/3 13/12/3 分娩後 ( 生後 ) 日数 10 30 50 160 191 280 (40) 産次 2 2 2 3 3 3 3 体重 kg 630 650 650 650 650 650 660 乳量 kg 30.0 35.0 40.0 30.0 25.0 20.0 0.0 乳脂率 % 3.50 3.50 3.60 3.60 3.60 3.60 0.00 BCS 2.50 2.75 2.75 3.00 3.50 3.50 3.50 利用中の飼料リスト順序 ( フォーレージ 炭水化物 タンパク ミネラル ビタミン ) 自給ロールオ - チャ - ド G 16.00 16.00 16.00 16.00 16.00 16.00 18.00 購入アルファルファ (H) 3.00 3.00 3.00 2.00 1.50 1.50 1.00 稲ワラ 1.00 1.00 1.00 1.00 1.00 2.00 3.00 オーツヘイ 2.00 2.00 1.00 1.00 1.00 1.00 2.00 ビ - トパルプ 1.50 2.00 3.00 2.00 1.00 1.00 1.00 市販配合飼料 8.00 11.00 12.00 10.00 9.00 8.00 1.00 第二リン酸カルシウム CaHP 0.10 0.10 0.10 0.05 0.05 0.05 DM 採食量 kg 18.0 21.0 21.9 18.4 16.2 16.2 11.9 DMI/BW% 2.9 3.2 3.4 2.8 2.5 2.5 1.8 DMI 充足 % 121.0 105.7 94.2 90.4 88.0 98.2 106.5 TDN% 68.8 71.3 72.7 72.2 71.8 69.3 57.3 TDN 充足 % 82.8 88.6 83.7 91.3 91.6 103.1 123.8 CP% 16.2 16.6 16.9 16.8 16.8 16.0 12.4 CP 充足 % 98.4 102.9 96.3 106.2 109.0 123.9 150.5 RDP/CP% 70.2 69.9 69.5 69.9 70.5 70.3 70.6 RDP% 11.3 11.6 11.8 11.7 11.8 11.2 8.8 RDP 充足 % 118.1 116.6 116.2 116.8 118.5 116.4 108.7 NDF% 39.8 37.1 36.0 36.8 36.9 39.4 55.0 endf% 29.7 26.1 23.6 25.1 26.2 29.5 49.0 fndf% 29.7 25.4 22.1 24.2 26.2 29.6 50.1 NFC% 30.2 32.9 33.6 33.0 32.9 30.6 17.0 Ca% 0.93 0.95 0.97 0.90 0.89 0.84 0.48 Ca 充足 % 132.2 137.7 128.8 170.4 134.5 151.7 142.3 P% 0.46 0.47 0.46 0.43 0.45 0.43 0.26 P 充足 % 109.3 112.4 102.8 106.5 112.8 126.2 125.6 Ca/P 比 2.0 2.0 2.1 2.1 2.0 2.0 1.8 Fat% 4.4 4.5 4.5 4.7 4.9 4.7 4.1 ViA 充足 % 89.0 97.9 95.4 95.7 95.9 99.4 47.2 ViD 充足 % 110.5 147.2 160.6 133.8 120.5 107.1 13.7 飼料金額円 / 日 1011 1165 1211 1023 906 888 667 飼料金額円 / 乳量 K 33.7 28.9 25.3 33.7 40.4 50.6 -- 1 改善方向 (1) 泌乳前中期 1 泌乳前期に良質センイを給与して乾物摂取量を補うために購入オーツヘイを給与 2エネルキ ー不足とセンイ不足を補うためにヒ ートハ ルフ を給与 上記を実施するため給与回数 順序に留意しルーメンの発酵状態を改善する (2) 泌乳後 乾乳期 1 乾乳前期では粗飼料の給与量を増加させ DMIを1.5 以上とする 2 牛群分けをして 盗食を防止する ( 泌乳前期牛と乾乳牛を並べない ) 自給永年牧草の品質を高め泌乳前期と乾乳後期に良質粗飼料を給与 図 11 改善案を設計した診断設計表 8-8

(6) 基準となる給与診断のための養分指標参考までに給与診断に必要な養分の指標を示す ( 表 1) 表 1 泌乳ステージ別の飼料設計に当たり目安となる養分指標 (DAIRY4.1 版 ) 分析項目の内容 項目 \ 泌乳ステージ 泌乳初期 ( 採食 乳量増加 ) 泌乳前期 ( 高位安定 ) 泌乳中期 泌乳後期 乳量の目安 ( 初産 ) 25~35kg 30~40kg 20~30kg 20kg 以下ー (2 産以上 ) 30~45kg 40~50kg 20~40kg 30kg 以下ー 分娩後日数の目安 0~30 日数 30~150 150~250 250 日 ~ 乾乳ー 乾乳期前期乾乳期後期 ( 分 ( 分娩前 3~2 娩前 3~2 週間週間前まで ) から分娩時 ) クローズアップとして乳脂率 3.5% 生乳 15kg 生産で換算 ( 農家の意向や管理力に留意 ) 備考 体重当たりの乾物採食量 DM 体重比 (%) 2~3.5 3.5~4.0 2.8~3.5 2.0~2.8 1.6% 以上 1.6% 以上 エネルギー充足率 TDN 充足率 (%) 90~100 100 前後 100~110 100~110 100~110 100~110 食い込み度合 高泌乳牛では 4% が可食限界 乾乳では 1.5 以下にしない 体重測定する必要 泌乳中後期では充足率でブレーキが必要 ( 過肥を防止 ) エネルギー濃度 TDN 72 以上 75 以上 68~72 65~68 60~65 65~70 泌乳前期では低いと泌乳量 無脂固形に影響 粗タンパク質充足率 CP 充足率 (%) 90~100 100 前後 100~110 100~110 100~110 100~110 泌乳中後期では充足率でブレーキが必要 粗タンパク質濃度 CP 15.5~17 15.5~17 14~15.5 12~14 10~13 14~15 エネルキ ー濃度とのハ ランスが重要 高すぎると繁殖に影響 粗タンパク中の分解性タンパク割合 RDP/CP 65~60 65~60 65 前後 65~70 70 前後 65~70 高泌乳牛ではハ イハ スタンハ クで補う必要がある ルーメン分解性タンパク濃度 RDP 10.5~11 10.5~11 9.8~10.0 9.1~9.8 7.0~8.1 10 前後 高泌乳牛でエネルギー濃度が高くなるにしたがい 高めとなる 総センイ濃度 NDF 34~36 34~36 36~38 38~40 50 以上 40 以上低いと乳脂率低下 高過ぎると採食量制限 有効繊維 ( 長物繊維の割合 ) endf 20 以上 20 以上 20~22 22~25 25~28 22~25 粗飼料由来のNDF fndf 21 以上 21 以上 23~25 25~27 25~28 25~27 非センイ性炭水化物 ( デンプン 糖等 ) NFC 35~40 35~40 30~35 30~35 30 前後 30~35 乾物中カルシウム Ca 0.8 以上 0.8 以上 0.6~0.7 0.5~0.6 0.5 前後 0.5 以下 乾物中リン P 0.5 以上 0.5 以上 0.4~0.5 0.3~0.4 0.3~0.4 0.3~0.4 Ca:P 比率 Ca/P 1.5~2.1 1.5~2.1 1.5~2.1 1.5~2.1 1.2~1.5 1,2~1.5 粗脂肪濃度 FAT 3~5 3~5 2~4 2~4 2 前後 2 前後 NDF 濃度が高くても低いと反芻 乳脂率に影響 (3.8cm 以上の長物 ) NDF 濃度が高くても割合が低いと反芻 乳脂率に影響 微生物タンハ ク合成のエネルキ ー源 低いと無脂固形に影響 NDF とのバランスが重要 分娩前期で要求量は高くなるが 乾乳後期では過剰給与に注意 高泌乳牛程要求量は高くなるが欠乏すると繁殖に影響 カルシウムとのバランスで吸収効率に影響カルシウムとリンのバランスがミネラルの吸収率に影響高過ぎると繊維を被覆しルーメンの消化性低下 指標を利用するな当たり留意する事項 (1) 分離給与の場合は 飼料給与の順序及び回数等も考慮しながら 設計する (2) 採食量は体重に影響するので なるべく体重を推定尺等で測定する (3) 自給飼料は 収穫時期により成分が相違するので 確認すると共になるべく分析値を利用する (4) クロースアップ期にミネラルバランスを考慮する必要があり 特にカリの過剰に注意する また イオンバランス飼料を給与した場合はカルシウムの不足に注意する (5) 牛の BCS 健康状態等と指標との関連に注意を払う (6) 設定条件となる乳成分 ( 乳脂率 ) はなるべく朝と夕の乳量の加重平均の数値を利用する 6. 特記事項 [ 公開 ] 制限なし 8-9