総日本呼吸ケア リハビリテーション学会誌 2016 年第 26 巻第 1 号 21-25 高流量鼻カニュラ酸素療法 ( ネーザルハイフロー ) 神戸市立医療センター中央市民病院呼吸器内科 富井啓介 全において, 挿管回避, 死亡率などにおいて,HFNC が NPPV と同等もしくは優れるとするランダム化比較試験の報告も見られ,HFNC がどこまで NPPV に代わり得るのか更なる検討が待たれる. 2 型呼吸不全についても,HFNC は呼吸仕事量減少, 死腔換気量減少による肺胞換気量増加が期待できるが, 直接的な換気補助はできないので, 急性期には不向きであるが, 軽症慢性 2 型呼吸不全患者には有用かもしれない. 緒 言 要旨高流量鼻カニュラ (HFNC) は, さまざまな生理学的利点を備えた新たな非侵襲的呼吸管理法である.NPPV はマスク装着に伴う不快や拒否を伴いやすいが,HFNC は圧や換気量を測定できないものの, インターフェイス不快や患者拒否はきわめて少ない. したがって, 非侵襲的呼吸管理としてより確実で高い効果を期待する場合は NPPV, 軽症例や症状緩和を優先する場合は HFNC が適応と考えられる. しかし最近, 心臓血管外科術後や市中肺炎などの 1 型呼吸不 Key words: 高流量鼻カニュラ酸素療法, 非侵襲的換気療法, 呼吸不全 第 ₂₅ 回日本呼吸ケア リハビリテーション学会学術集会ワークショップ Ⅴ 呼吸管理をめぐる最新の知見 腔に溜まった呼気ガスを洗い出すことで CO ₂ の再吸収を防ぎ, ガス交換, 換気効率を上げる. ネーザルハイフロー と呼称されることの多い高流量鼻カニュラであるが, 本稿では, 文献的にもっとも多く使われている高流量鼻カニュラ (HFNC: high-flow nasal cannula) ないし高流量鼻カニュラ酸素療法 (high-flow nasal cannula oxygen therapy: HFNCOT) と記載する. この治療法は機械自体が比較的低価格であり, 使用法が簡便かつ患者の不快が少ないため, 我が国の臨床現場でも急速に使用頻度が高まっている. 単なる酸素療法の域を超えた呼吸管理法でその有効性は明らかであるが, 未だ臨床使用のエビデンスが少ない治療法である. ここでは現時点での臨床使用成績を中心に, 今後の展望について触れてみたい. 1.HFNC の主な生理学的効果 HFNC は, 人工呼吸器に匹敵する総流量 ₆₀ L/min までの酸素空気混合ガスを, 相対湿度 ₁₀₀% まで加湿して, 口径の大きな鼻カニュラから直接上気道内に投与する酸素療法であり, 主な効果としては次のようなものが挙げられる ₁). ₁ ) 高濃度で正確な FiO ₂ 設定 : 通常の鼻カニュラとは異なり, 患者の一回換気量や呼吸数の影響をほとんど受けず,FiO ₂ ₁₀₀% の高濃度まで設定できる. ₂ ) 解剖学的死腔のウオッシュアウト : 上下気道の死 ₃ ) 上気道抵抗の軽減 : 吸気流速を上回る高流量で吸気努力に伴う鼻咽頭の虚脱を防ぐ. ₄ )PEEP 効果と肺胞リクルートメント : 持続的な高流量によって, 呼気終末の陽圧が生じ, 口を閉じた状態で ₃₅ L / 分では ₂.₇ cmh ₂ O の気道内圧となる. これによって呼気終末の肺容量は増加し, 背側も含めた肺胞のリクルートメントを可能にする. ₅ ) 気道の粘液線毛クリアランスの維持 : 加温加湿によって乾燥を防ぎ, 線毛機能を維持するため, 分泌物の移動性を維持し, 分泌物の除去, 無気肺形成予防, 呼吸器感染リスクの軽減などをもたらす. 上記 ₂ ), ₃ ), ₄ ) の効果は, いずれも呼吸仕事量の減少をもたらし, 換気量増加や呼吸困難減少につながる. 2.HFNC による換気量の変化実際に HFNCOT を行うことで, 換気量や呼吸パターンがどのように変化するかを見た研究があり, ここでは鼻咽頭に置かれた圧センサーと睡眠ポリグラフィーを用いた一回換気量測定を, 健常ボランティアと COPD,IPF 患者に対して行っている ( 図 ₁ ) ₂). これによると ₃ 群いずれも,HFNC で鼻咽頭内の圧力および圧力幅が増大した.COPD では,HFNC による換気補助効果で一回換気 2016 The Journal of the Japan Society for Respiratory Care and Rehabilitation 21
高流量鼻カニュラ酸素療法 ( ネーザルハイフロー ) 図 1 HFNC による換気パターンの変化 2) 健常人,COPD 患者,IPF 患者それぞれ ₁₂ 人の HFNC 前後の変化 量の増大が見られたが, 健常者では減少した. 全ての群で呼吸数と分時換気量は減少し,COPD と IPF 患者では毛細血管 PCO ₂ が低下した. これらの結果からは, 死腔のウオッシュアウトによる死腔換気量低下に伴い, 肺胞換気量増加と PaCO ₂ 低下がもたらされ, さらに呼吸数減少より呼吸仕事量も減少したことがわかる. 健常者では肺胞換気量増大とともに, 一回換気量の減少までもたらされている. 3.HFNC とベンチュリマスクの比較患者の呼吸数や呼吸パターンに依存せず,FiO ₂ を一定に保ちながら酸素投与が行える高流量システムとして, 従来広く使われてきたのはベンチュリマスクである. これには NPPV のように密着させる必要はないものの, マスク装着に伴う不快があり, さらには高流量の乾燥した冷たいガスが顔面に吹き付けるという苦痛を伴う. HFNC とベンチュリマスクを比較した抜管後 ₄₈ 時間までの ₁ 型呼吸不全 (P/F<₃₀₀) に対するランダム化比較試験がある ₃).₂₄ 時間の時点で患者の不快感を ₁₀ 点の VAS (Visual analog scale) でみると, インターフェイスによる不快は HFNC ₂.₆±₂.₂ vs. Venturi ₅.₁±₃.₃(p=₀.₀₀₆), 気道乾燥の不快 HFNC ₂.₂±₁.₈ vs. Venturi ₃.₇±₂.₄(p= ₀.₀₀₂) であり, 有意に HFNC の不快が少なかった. 一方, インターフェイスのずれ₃₂% vs. ₅₆%(p=₀.₀₁), 酸素飽和度低下 ₄₀% vs. ₇₅%(p<₀.₀₀₁), 再挿管 ₄ % vs. ₂₁%(p=₀.₀₁), 何らかの人工呼吸器補助 ₇ % vs. ₃₅% (p<₀.₀₀₁) と, 呼吸管理の面からも HFNC の優位性が顕著であった. 他のランダム化比較試験 ₄,₅) でも同様に HFNC の優位性が示されている. したがって従来高流量酸素投与システムとしてベンチュリマスクを使用していた状況については設備や機器, コスト面で許す範囲で今後 HFNC が行 われていくものと考えられる. 4. 急性呼吸不全における HFNC と NPPV の使い分け次に急性呼吸不全における HFNC と NPPV の比較について報告した成績と, 使い分けに関する考察を述べる. ₁ )NPPV 推奨度 A の疾患急性呼吸不全において, ガイドライン上 NPPV の推奨度 A とされているのは,COPD の増悪, 心原性肺水腫, 免疫不全, 拘束性胸郭疾患の増悪である.HFNC が死腔換気減少による肺胞換気量増加をもたらすとはいえ, 急性 ₂ 型呼吸不全のように, 肺胞換気量の速やかな回復を要する場合には, 確実性の高い換気補助のできる NPPV が必須であると考えられるが, そのような状況での比較試験の報告はない. したがって推奨度 A のうち, 急性 ₂ 型呼吸不全を呈する COPD および拘束性胸郭疾患の増悪に対して,HFNC はファーストラインでの適応とはならず, 患者の拒否や終末期といった特殊な条件下, あるいは NPPV 離脱期といったセカンドラインでの使用に限定されると考えられる. 心原性肺水腫の場合も,NPPV は酸素化のみならず病態改善のための確実な PEEP 効果があり,HFNC で認められるわずかな PEEP で対応できるような軽症例を除き, 一般的に NPPV に代わるファーストラインの選択肢とはならない. 一方免疫不全時の急性呼吸不全は肺炎や ARDS のような ₁ 型呼吸不全が多く, また NPPV の推奨度が高い理由は肺炎などの合併症が少ないためであり, より非侵襲的で加湿や排痰にすぐれる HFNC は十分に代用できる可能性がある. 実際免疫不全患者の急性呼吸不全に対して, 早期 NPPV 群と HFNC の患者を約 ₄ 割含む酸素療法群のランダム化比較試験 ₆) では, 両群に生存率, 挿管率の差を認めていない. 22 The Journal of the Japan Society for Respiratory Care and Rehabilitation
₂ )NPPV 推奨度 B.C の疾患次に NPPV の推奨度が A ほど高くない B の疾患群としては, 人工呼吸器離脱, 周術期の呼吸不全, 場合によって B とされるのが Do not intubate(dni), 高齢者, 重症肺炎,ARDS である. さらに推奨度 C₁として終末期, 悪性腫瘍, 間質性肺炎がある. これらの呼吸不全に対しては HFNC がファーストラインもしくはセカンドラインとして NPPV と同等もしくはそれ以上となる可能性が考えられる. この中でとくに注目される成績は, 主として肺炎, ARDS による急性 ₁ 型呼吸不全に対して,HFNC, 通常マスク,NPPV を使用した場合の, 挿管率に関する多施設ランダム化オープン比較試験である ( 図 ₂ ) ₇). 全体として見ると, ₃ 群間に挿管率には有意差を認めていない. しかし,P/F<₂₀₀の重症例に限ると HFNC を使用した場合, 挿管率が有意に低い結果であった. あわせて人工呼吸器不要日数は,HFNC ₂₄±₈, マスク ₂₂±₁₀,NPPV ₁₉±₁₂ 日であった (p=₀.₀₂).icu 死亡率は,HFNC ₁₁%( ₆ ~₁₉%), マスク ₁₉%(₁₂~₂₈%),NPPV ₂₅% (₁₇ ~ ₃₃%) であった (p=₀.₀₄₇).₉₀ 日死亡率は, HFNC ₁₂%( ₇ ~₂₀%), マスク ₂₃%(₁₆~₃₃%),NPPV ₂₈%(₂₁~₃₇%)(p=₀.₀₂) であり,HFNC が有意に予後の良い結果であり, ファーストラインとして HFNC の有効性が示されている. ただしこの試験における NPPV は,ICU 型ベンチレーターによる一回換気量 ₇~₁₀ ml/ kg の圧補助,SpO ₂ ₉₂% 以上を目標に FiO ₂,PEEP( ₂ ~ ₁₀ cmh ₂ O) を調節して, 最低 ₂ 日間各 ₈ 時間以上行うという使用方法であった. このような NPPV の条件設定は, ARDS に対する肺保護戦略のいわゆる低一回換気量を超えており, 呼吸努力の強い自発呼吸下においては, 経肺圧の上昇による圧障害 ₈) の可能性が考えられる. 一方, 換気量増大のための圧補助を行わない NPPV として CPAP があるが, これと HFNC の比較では,CPAP の方が P/F の改善の点で優れており ₉), 今後両者間での ARDS 病態に対するファーストラインでの比較が必要と考えられる. 周術期については, 心臓血管外科手術後の ₁ 型呼吸不全に関する HFNC と NPPV のランダム化多施設比較試験 ₁₀) があり, 治療失敗率 (₂₁.₀% vs. ₂₁.₉%)ICU 死亡率 (₅.₅% vs. ₆.₈₅%) で HFNC は NPPV に劣らず, 皮膚損傷は有意に少なかった ( ₃ % vs. ₁₀%,P<₀.₀₀₁). このことから周術期においても,HFNC をファーストラインで使用することができる. 一般に HFNC は NPPV よりも快適であり,NPPV が耐えられない場合でもセカンドラインとして実施できる場合が多い. そのため DNI, 高齢者, 終末期, 悪性腫瘍といった, 通常 NPPV を上限とする場合で NPPV では改善が得られない場合の緩和的セカンドライン処置として, HFNC を行うことができる. あるいはこれらに対してファーストラインとしてまず HFNC を試み,NPPV への移行率を減らすこともできる ₁₁). もとより呼吸不全による症状緩和のみが目的であれば,NPPV を使用しないで HFNC を上限とすることもありうる ₁₂). 間質性肺炎の急性増悪に対しても, 従来から NPPV 治療までが上限とする場合が多いが, 改善が得られない場合, 緩和的にセカンドラインの HFNC への移行が考えられる. また, ARDS 同様過剰な圧をかけず肺保護を優先する呼吸管理 図 2 急性 1 型呼吸不全重症例 (PaO 2 /FiO 2 <200) に対する酸素マスク,HFNC,NPPV の挿管率比較 ( 多施設ランダム化比較試験 ) 7) HFNC 群で有意に挿管率が低い Vol.26 No.1 2016 23
高流量鼻カニュラ酸素療法 ( ネーザルハイフロー ) 法として,HFNC をファーストラインで行う考え方もあ りうる. 5.HFNC がもたらす影響 各種急性呼吸不全に対して HFNC を実施するようにな り, 個々の患者のみならず病院全体で見た場合の, 有益なアウトカムも報告されるようになってきた.ICU に入室した成人で,HFNC を実施した患者の後ろ向き調査では,HFNC を早く実施すると ICU 滞在日数が少ない, ICU 退室後の在院日数が少ないという成績がある ₁₃). また当院の成績でも, 急性 ₁ 型呼吸不全に対する HFNC 導入後, 死亡率に有意な変化はないが, 人工呼吸器使用率が減少した ( 図 ₃ ) ₁₄). 現在 HFNC の保険収載が検討されている状況であるが, このようにすでに,ICU や人工呼吸器の使用といった医療資源節約の役割は果たしていると考えられる. 6. 慢性 2 型呼吸不全に対する HFNC HFNC のもたらす肺胞換気量増加, 呼吸仕事量減少効果により, 長期在宅使用による慢性 ₂ 型呼吸不全への臨床応用が考えられる. すでに HFNC の優れた加湿効果, 粘液線毛クリアランス効果を期待して, 痰量が多く増悪をくり返す COPD, 気管支拡張症を対象に₁₂ヶ月間の長期使用のランダム化比較試験が報告されている. 対象群の PaO ₂,PaCO ₂ が記載されておらず, 必ずしも慢性呼吸不全患者とはいえない可能性があるが, ₁ 日 ₂ 時間以上の HFNC 群と通常治療群において, 年間増悪頻度は₂.₉₇ 回 vs. ₃.₆₃ 回 (p=₀.₀₆₇), 増悪日数は₁₈.₂ 日 vs. ₃₃.₅ 日 (p=₀.₀₄₅), 最初の増悪までの日数は ₅₂ 日 vs. ₂₇ 日 (p= ₀.₀₄₉₅) と,HFNC の有効性が示された. 更には FEV ₁, 図 3 HFNC 導入前後の人工呼吸器使用率の変化 14) HFNC 導入により NPPV を含めた人工呼吸器の使用率は有意に減少している. FVC といった肺機能,SGRQ で示される QOL においても有意な改善を認めている ₁₅). また少数例 (n=₁₁) ではあるが, 安定期 COPD を対象として, 夜間 ₁ 日 ₅ 時間以上 ₆ 週間の HFNC と NPPV (IPAP ₁₆ cmh ₂ O/EPAP ₅.₈ cmh ₂ O) 施行を比較した成績 ₁₆) があり,PaCO ₂ は開始前平均 ₅₃.₇ mmhg がそれぞれ ₄₅.₅ mmhg,₄₆.₄ mmhg と有意に同程度低下していた. これらの結果は, 軽症の ₂ 型呼吸不全に対する在宅 HFNC の有用性を示すものと考えられ, 今後さらなるデータ集積が期待される. まとめ 高流量鼻カニュレ (HFNC) は高濃度酸素投与が可能で,FiO ₂ の安定した高流量酸素投与システムである. さまざまな生理学的利点により, 換気効率や酸素化能の改善をもたらす. とくに急性 ₁ 型呼吸不全においては, NPPV と同等もしくは場合によってそれ以上の臨床的有用性が示されている. また慢性 ₂ 型呼吸不全においても, 軽症の場合在宅使用での有用性が期待される. 著者の COI(conflicts of interest) 開示 : 本論文発表内容に関して特に申告すべきものはない. High-flow nasal cannula oxygen therapy(hfncot) Keisuke Tomii Department of Respiratory Medicine, Kobe City Medical Center General Hospital 文 献 ₁)Spoletini G, Alotaibi M, Blasi F, et al.: Heated Humidified High-Flow Nasal Oxygen in Adults: Mechanisms of Action and Clinical Implications. Chest ₁₄₈ : ₂₅₃-₂₆₁, ₂₀₁₅. ₂)Bräunlich J, Beyer D, Mai D, et al.: Effects of nasal high flow on ventilation in volunteers, COPD and idiopathic pulmonary fibrosis patients. Respiration ₈₅: ₃₁₉-₃₂₅, ₂₀₁₃. ₃)Maggiore SM, Idone FA, Vaschetto R, et al.: Nasal High-Flow versus Venturi Mask Oxygen Therapy after Extubation. Effects on Oxygenation, Comfort, and Clinical Outcome. Am J Respir Crit Care Med ₁₉₀: ₂₈₂-₂₈₈, ₂₀₁₄. ₄)Parke RL, McGuinness SP, Eccleston ML: A preliminary randomized controlled trial to assess effectiveness of nasal high-flow oxygen in intensive care patients. Respir Care ₅₆: ₂₆₅-₂₇₀, ₂₀₁₁. ₅)Schwabbauer N, Berg B, Blumenstock G, et al.: Nasal highflow oxygen therapy in patients with hypoxic respiratory failure: effect on functional and subjective respiratory parameters compared to conventional oxygen therapy and noninvasive ventilation(niv). BMC Anesthesiol ₁₄: ₆₆, ₂₀₁₄. 24 The Journal of the Japan Society for Respiratory Care and Rehabilitation
₆)Lemiale V, Mokart D, Resche-Rigon M, et al.: Effect of Noninvasive Ventilation vs Oxygen Therapy on Mortality Among Immunocompromised Patients With Acute Respiratory Failure. JAMA ₃₁₄: ₁-₉, ₂₀₁₅. ₇)Frat J-P, Thille AW, Mercat A, et al.: High-Flow Oxygen through Nasal Cannula in Acute Hypoxemic Respiratory Failure. N Engl J Med ₃₇₂: ₂₁₈₅-₂₁₉₆, ₂₀₁₅. ₈)Slutsky AS, Ranieri VM: Ventilator-induced lung injury. N Engl J Med ₃₆₉: ₂₁₂₆-₂₁₃₆, ₂₀₁₃. ₉)Vargas F, Saint-Léger M, Boyer A, et al.: Physiologic Effects of High-Flow Nasal Cannula Oxygen in Critical Care Subjects. Respir Care ₆₀: ₁₃₆₉-₁₃₇₆, ₂₀₁₅. ₁₀)Stéphan F, Barrucand B, Petit P, et al.: High-Flow Nasal Oxygen vs Noninvasive Positive Airway Pressure in Hypoxemic Patients After Cardiothoracic Surgery: A Randomized Clinical Trial. JAMA ₃₁₃: ₂₃₃₁-₂₃₃₉, ₂₀₁₅. ₁₁)Peters SG, Holets SR, Gay PC: High-Flow Nasal Cannula Therapy in Do-Not-Intubate Patients With Hypoxemic Respiratory Distress. Respir Care ₅₈: ₅₉₇-₆₀₀, ₂₀₁₂. ₁₂)Epstein AS, Hartridge-Lambert SK, et al.: Humidified highflow nasal oxygen utilization in patients with cancer at Memorial Sloan-Kettering Cancer Center. J Palliat Med ₁₄: ₈₃₅-₈₃₉, ₂₀₁₁. ₁₃)Gaunt KA, Spilman SK, Halub ME, et al.: High-Flow Nasal Cannula in a Mixed Adult ICU. Respir Care ₆₀: ₁₃₈₃-₁₃₈₉, ₂₀₁₅. ₁₄)Nagata K, Morimoto T, Fujimoto D, et al.: Efficacy of High- Flow Nasal Cannula Therapy in Acute Hypoxemic Respiratory Failure: Decreased Use of Mechanical Ventilation. Respir Care ₆₀: ₁₃₉₀-₁₃₉₆, ₂₀₁₅. ₁₅)Rea H, McAuley S, Jayaram L, et al.: The clinical utility of long-term humidification therapy in chronic airway disease. Respir Med ₁₀₄: ₅₂₅-₅₃₃, ₂₀₁₀. ₁₆)Bräunlich J, Seyfarth H-J, Wirtz H: Nasal High-flow versus non-invasive ventilation in stable hypercapnic COPD: a preliminary report. Multidisciplinary Respiratory Medicine ₁₀: ₁-₃, ₂₀₁₅. Vol.26 No.1 2016 25