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1 量子物理講義資料 1 波動微分方程式単位 0. 複素数の取扱に関する注意 この講義では 虚数単位 として i を用いる ここで i = 1 になる 複素数 は実数と虚数の和よりなる a と b を実数として 複素数は a + ib と表現される ここで a は 実部 (Real part) b は 虚部 (Imaginary part) と呼ばれる 複素共役( ふくそきょうやく ) ( または 共役複素数 ) ある複素数 C = a + ib に対して C* = a ib を C の複素共役と呼ぶ 例えば 5 + i3 の複素共役は 5 i3 である 逆に 5 i3 の複素共役は 5 + i3 である ある複素数 C とその複素共役 C* の積は必ず正の実数になる C = a + ib と C* = a ib の積は CC* = (a + ib)(a ib) = a iab +iab +b = a + b この量の平方根を複素数 C の絶対値 C と呼ぶ つまり C CC* a b 例えば 複素数 5 + i3 を考える これの複素共役は 5 i3 で これの絶対値は 5i3 ( 5i3)( 5i3) となる 1. 波動 : 進行波 軸方向に進む波は一般に次のように書ける y Acos( kt) Acos cos( kt) Asinsin( kt) acos( kt) bsin( kt) ここで k:( 角 ) 波数 ( 単位 1/m) k : 波長 : 角周波数 ( 単位 1/s ) f A:( 最大 ) 振幅 f: 周波数 ( 振動数 ) 記号は ( ニュー ) の場合もある 周波数 f と波長 を使って y Acos( ft ) と書くこともできる 以下簡単のため = 0 の場合 つまり y Acos( k t) を考える 周波数及び角周波数について 周波数 とは 1 秒間に振動する回数 = 0 における振動を考える 1 秒 1 回の振動に要する時間 1

2 t t 0 で y 0 Acos( t 0 ) 次に再び振動が y 0 にやってくる時刻は y0 Acos( t 0 ) Acos{ ( t 0 )} よってt t 0 に y 0 に戻ってくる したがって 1 回の振動に要する時間 また 周波数は f 1 f / 波数と波長の関係 波数 とは単位長さ(1m) の中に波の一周期が何個入っているかを示す 1 m つまり 波数 = 1m 波長 例 : 右の図の場合 波の 1 周期 この場合 波数 = 3 = 1, 角波数 = 波数 = 次にy Acos( kt) は進行波であることを示す t0 t t 0 において y Acos( kt0) Acos k k (1-1) t t0 t において y Acos( kt0 t) t0 t (1-) Acos k k k 一般に y f( ) という関数に対して y f( 0 ) は y f( ) のグラフを + 方向に 0 だけ平 行移動したグラフになる したがって () は (1) を + 方向へ t だけずらしたグラフになる k y t k (1) ()

3 これは y Acos( kt) が 軸正方向へ進む波であることを示している t 更に時間 t の間に距離だけ進んでいるので波の速度は f である したがって波の速 k k 度をcとおくと c f の関係が成立する 同様に考えれば y Acos( kt) は 軸負方向へ進む波を表している. 波動 : 定在波同じ k,, Aを持つつの進行波が左右からやってきた場合を考える つの波の重ね合わせにより y Acos( k t) Acos( k t) Acos( k)cos( t) y 3. 複素数表示オイラーの公式 i e cos isin ここで i は虚数単位であり i 1になる オイラーの公式は左辺 右辺をそれぞれテーラー展開してみれば等しいことがわかる これを使って波動を次のように書く場合がある i( kt) y Ae Aep i k t Acos( k t) iasin( k t) 複素数表現を使う理由 1 電磁気学 電気回路の場合 : 微分 積分等の計算が簡単になる y Acos( kt) y Ae と書き 計算後 その実部だけを残す ik ( t) 例 : 微分 Acos( k t) Asin( k t) (1-3) t 一方 i( kt) i( kt) Ae iae t i Acos( k t) iasin( k t) Asin( kt) iacos( kt) --(1-4) 実部 (1-3) は (1-4) の実部に等しい 量子力学複素数の波動があらわれる ( この講義の後半で実際に必要になる ) 例 : 真空中の外力の作用していない電子の波動関数 ( t, ) Ce ik ( t) 3

4 4. 微分方程式 例 0. 最も簡単な例 : 質量 mの物体の自由落下力 :F mg (g: 重力加速度 ) このときニュートンの運動方程式は 0 m mg 初期条件 :t = 0で t v 0 加速度 この解は 1 gt c 例 1. 調和振動子 バネ定数 K のバネに質量 m の物体がついている 力 : F K K 運動方程式 : m t K m 但し初期条件として t = 0 で = A, v = 0 これを満たす関数 (t) を求める Acos( t) とおいてみる Asin( t) Acos( t) m m K であり K m また(0) = A, v= (0) = 0であり 初期条件を満たす とすれば微分方程式を満たす もし Asin( t) とした場合を考えてみると Acos( t) Asin( t) K よってこの場合も とおけば 微分方程式は満たされる しかし m (0) 0 であり 初期条件が満たされない (0) A 微分方程式の解は1つには決まらない 初期条件を与えて初めて解が1つに定まる 例. 偏微分方程式 1 ( t, ) ( t, ) ( c 0) c t この解は( t, ) Ae ik ( t) これを確かめるためには 左辺 右辺に入れて計算すれば 4

5 左辺 : 右辺 : ( t, ) k Ae i( kt) 1 ( t, ) Ae c t c i( kt) したがって k またはk とおけば 微分方程式は成立する したがって解は c c ( ) (, ) ik t t Ae Acos( kt) iasin( k t) これは速度 cで + 方向へ進む波を表す なお 方向へ進む波 ( t, ) Ae ( この偏微分方程式は電磁波を表している ) ik ( t) も解である 5. 物理量の単位物理量を計算する際には使用している単位に十分に注意する必要がある 現在工学で使われる単位は国際的に標準化されており SI 単位系 ( またはMKSA 単位系 ) と呼ばれている この単位系で基本となるのは長さ メートル (m), 質量 キログラム (kg), 時間 秒 (s), 電流 アンペア (A) の4つで 他の単位はすべてこれらの組合わせで表現される 重要 等号で結ばれた数式の左辺と右辺は同じ単位でなければいけない 例 1 ニュートンの運動の法則では 力 = 質量 加速度で与えられる 左辺の 力 はSI 単位系ではN ( ニュートン ) を単位として測る 一方右辺では 質量の単位はkg 速度の単位はms -1 v 加速度は速度を微分した量 t なので その単位は ms - まとめると右辺の単位はkg m s - となる kg m 従って [N] = s となり 力の単位 Nは基本となるkg, m, sの組み合わせで書ける 例 一定の力 F を作用させて物体を距離 l 移動させた場合に この物体にした仕事 W は W = Fl である Wはエネルギーであり その単位はJ ( ジュール ) である 右辺の単位は [N] [m] である kg m からJ( ジュール ) は[J] = [N] [m] = s という基本単位の組み合わせで与えられる 5

6 1 例 3 運動エネルギーは T mv で与えられる 右辺の単位は m kg m [kg] s s であ り これは例 によって [J] に一致することがわかる 仕事も運動エネルギーもエネルギーであり 同 kg m じ単位 [J] = s を持つ 電子ボルト[eV] エレクトロニクス 半導体工学などで 電子あるいは光子 ( この後の講義で説明される ) のエネルギー単位として J に代わって例外的に SI 単位系に含まれない 電子ボルト [ev] という単位が使われる 1 ev は素電荷 ( 電子 ) を 1V( ボルト ) の電位差で加速したときに得るエネルギーで ev = J である 計算に用いる数値 定数などがeV 単位で与えられている場合は J 単位に変換してから計算する必要がある 指数関数 及び三角関数における注意事項 y e という関数において は無次元 ( 単位の無い ) 量でなければならない なぜなら もし が単位を持つ量であれば問題が生じる 指数関数はテイラー展開により 1 y 1 と展開される たとえばが長さ [m] の単位を持つ量である場合 右辺は1( 無次元 ), [m], [m ] と異なる単位を持つ量の和になってしまう これはおかしい 従って 指数関数 e で は無次元 ( 単位のない ) 量でなければならない これは三角関数の場合も同様で, cos, sin, tan 等のは必ず無次元量である なお 角度に 角 ( ) や ラジアン (ra) という単位をつけて呼ぶが これらは物理量を表す単位ではなく ある角度の1 周に対する比である 例えば 度 は1 周を360 として ある角度が 360に対して いくつあるかで角度を表現している これはちょうど 全体を100として その割合を パーセント (%) で表すのと同様である 例. 進行波 y Acos( k t) の場合 は長さ [m], kは角波数でその単位は 1 m したがって k は無次元 1 一方 tは時間 [s], は角周波数で単位は[Hz] = s 従ってtもやはり無次元になる 物理量を表す数式が正しいかどうかを確認するためには その数式の単位が物理量の単位に一致することを確かめてみるのが一つの方法である 例ボーアの水素原子モデル ( 詳細は教科書に!) において n 番目の準位にある電子のエネルギーは 6

7 4 me 1 En (a) 但しn は正の整数 8 0 h n で与えられる エネルギーの表式であるから右辺も全体でエネルギーの単位 [J] になっているはずである 一見してはわからないが 次のように詳しく検討してみると [J] 単位であることがわかる この式のように素電荷 e を含む式ではクーロンの法則を思いだして 素電荷間に働く力は 4 1 e 1 e F( クーロン力 ) ( Fr ) 4 0 r (4 ) 0 4 e これによりは ( 力 距離 ) Jm の単位を持つことがわかる 一方 0 m h kg m とおくと mc の単位は s mc (cは光速度) hc であり 例 にあるように これはエネルギーの単位 [J] である 一方 hcの単位は [J s][m/s] = [J m] である 従って初めに示した式 (a), me 1 e m 1 e mc 80 h 8 0 h 8 0 ( hc) の単位は, ( 整数 nは単位を持たないので 考慮する必要がない ) - - [J m ][J][J m ] = [J] 4 me 1 となり 確かに の単位はエネルギーの単位 [J] になることがわかる 8 h n 6. 数式の記法に関する補足 0 指数関数を e ep( ) と書くことがある 自然対数を log log ln と表記する e 7

8 量子力学 : 基本方程式 シュレーディンガー方程式 (Schröinger equation) ボーアの水素原子モデルにおいて電子の定常軌道は電子を波 ( 電子波 ドブロイ波 ) として取り扱うことにより導くことが出来た これからわかるように 微視的な世界の現象を取り扱う量子力学においては 波動としての電子の取り扱いが基本になる 電子の波を表す関数を(r, t) と書くことにする ( ギリシア文字プサイの大文字を使う ) 以後この関数を 波動関数 と呼ぶことにする 波動関数 は位置座標 r = (, y, z) と時間 t の関数である 古典力学においては ニュートンの運動方程式 と呼ばれる微分方程式が粒子の運動を決める 量子力学においても波動関数 (r, t) は何らかの微分方程式により決められる 波動関数 (r, t) が従うこの微分方程式を求めることから始める 物理の法則は実験事実から導かれる つまり 実験事実をうまく説明できる数学の式 微分方程式が の法則 あるいは 方程式 という形で一般的な法則 方程式になる ここでは次の方針で波動関数 (r, t) が従う微分方程式を見つけ出す これまでわかっている電子波の特徴を導き出すことが出来る(r, t) に対する最も単純な微分方程式を探す それがいろいろな実験事実を矛盾なく説明できれば OK もし実験事実に合わない点があれば また別の方程式を探すことにする ( 以下しばらくの間は簡単のため空間座標は 軸だけを考えることにする ) ドブロイ波 を思い出すと 外力を受けていない電子では 粒子として ( 自由粒子 ): エネルギー E 波動として ( 平面波 ): 振動数 ( 角振動数を使うと ) ( 角波数を使うと ) E 波長 h E h E より p p h k より 運動量 p h p E p m E または E p k または p k ( ここで h ( エイチバーと読む ) はディラック定数あるいはこれもプランク定数と呼ばれる ) 従って 力が作用していない電子の波動関数は次の形にとることが出来る ik ( t) i( t) p E (, t) Ae Ae これは複素数表示 A も複素数 ( 理由はあとで ) (-1) これが解となるようなもっとも単純な偏微分方程式 ( 波動方程式 ) を探す [ 試行 1] 時間 t と座標 に対して 1 階の偏微分方程式 (, t) (, t) a b (a, b はこの後で決める定数 ) (-) t ik ( t) i( t) この両辺に (, t) Ae Ae を代入すると 左辺 : ikaae ik ( t) p E 右辺 : ibae ik ( t) 8

9 これらが等しくなる条件は ka b したがって p a E p b しかし E であるから a, b m をどのように選んでもこの条件は満たされない したがって この偏微分方程式は不採用 [ 試行 ] 時間 t に 1 階 座標 に対して 階の偏微分方程式 (, t) (, t) a b (a, b はこの後で決める定数 ) (-3) t ik ( t) i( t) この両辺に (, t) Ae Ae を代入すると ik ( t) 左辺 : kaae 右辺 : これらが等しくなる条件は ka p ib したがって E p E ibae ik ( t) a i bとなる E p m を左辺に代入し p て E を消去すると a p i m b a m となり b i とすれば両辺は等しくなる したがって 電子波に対する 波動方程式 の候補として次の偏微分方程式を採用する (, t) (, t) i (-4) m t これが正しい量子力学の基本方程式なのかを決めるのは実験である 以下補足 なお電子の波動関数として式 (-1) ではなく実数の波動 (, t) Acos( k t) をとると これを式 (-3) に代入してみると 左辺 : k aacos( k t) 右辺 : basin( k t) となり この 式を等しくすることは出来ない したがって実数型の波動関数は使えない 一方初めに試した時間 t と座標 に対して 1 階の偏微分方程式 ( 式 (-)) では 実数の波動を代入すると (, t) (, t) a b pa = Eb t となるので a = 1/p, b = 1/E とすれば左辺と右辺が等しくなる この場合に方程式は 1 (, t) 1 (, t) p E t となり 微分方程式が運動量 p とエネルギー E を含む p と E は微分方程式を解いた結果としてその値が得られるのだが この微分方程式を解くためには p と E があらかじめ判っている必要がある これではだめ 補足終わり

10 式 (-4) に示した微分方程式を電子波に対する 波動方程式 の候補として採用することとし 更にポテンシャル V(,t) で表される外力の中を運動する電子の方程式は次の形を採用しておく (, t) (, t) V(, t) (, t) i m t または (, t) V(, t) (, t) i m (-5) t これを 1 次元での ( 時間を含む ) シュレーディンガー方程式と呼ぶ 提案されて 90 年近くが経過したが実験事実を説明することが出来ており 量子力学の基本方程式 であるとみなされている 3 次元の場合には ( ここで r = (, y, z) である ) m y z (,) r t (,) r t (,) r t (,) r t V(,) t (,) t i r r (-6) ここで次のような微分演算子 ( ナブラと読む ) を導入する ( 微分演算子については電磁気学 1の教科書を参照せよ ) これを使って上記式 (-6) は,,, y z y z (,) r t (,) r t (,) r t ( yzt,,, ) y z (,) r t r r (-7) V(,) t (,) t i m この形でシュレーディンガー方程式が記述されている教科書が多い t t 10

11 3 波動関数 (r, t) の意味 : 確率解釈電子波 ( ドブロイ波 ) を表す波動関数 (r, t) の物理的意味を考えておく必要がある 電子が観測される確率を表す 厳密には 1 個の電子を取り扱う場合に その波動関数の絶対値の 乗 (r, t) は時刻 t に ある点 r = (, y, z) に電子が観測される確率密度を与える言い方を変えると 時刻 t に ある点 r = (, y, z) の周りの微小体積 V = yz の中で電子が観測される確率は ( 確率密度 ) ( 体積 ) = (r, t) V である (, t) + 簡単のため 1 次元の場合を考える シュレーディンガー方程式を解いた結果 (, t) は左図のようになった場合に から + の微小領域において電子が観測される確率は (, t) であり これは図の斜線の領域の面積になる また 電子は < < の範囲に必ず存在しているので この範囲内で観測される確率は1になる したがって ( t, ) 1 (3-1) とならなければならない ( 波動関数がこの条件を満たすようにすることを 規格化 と呼ぶ ) なお 3 次元では (,) r t yz (,) r t V 1 全空間 また 波動関数 (r, t) に対して数学的にいくつかの条件が要求される (1) (r, t) は一般には複素数である ( 実数値をとる場合もある ) () (r, t) は1 価の有界な関数である (3) (r, t) は連続で滑らかな関数である ( 次の例外を除く ) (4) ポテンシャルが不連続に変化する点では(r, t) は連続であるが滑らかではない 固体中には膨大が数の電子が存在している (1 cm 3 中に 10 個以上 ) このように多数の電子を取り扱う場合には 電子密度 n は (r, t) に比例しているとみなすことが出来る したがって電子による負電荷の密度はe (r, t) に比例している 11

12 4 定常状態 : 時間を含まないシュレーディンガー方程式 電子に作用しているポテンシャル ( あるいは外力 ) が時間に依存していない場合を考える つまり V(r, t) = V(r) である この場合には波動関数 (r, t) は空間座標 r = (, y, z) の関数と時間 t にのみ依存する関数の積の形になる 具体的には次のような形になる ie t ( yzt,,, ) ( yze,, ) (4-1) ここで (, yz, ) i t ( 小文字のプサイ ) は空間座標のみに依存する関数で e は時間のみの関 数である ( このように関数をある変数に依存する関数と別の変数に依存する関数の積に分解することを変数分離と呼ぶ ) ここで空間部分の波動関数 (, yz, ) は下記の微分方程式に従う ( ) V( ) ( ) E ( ) m r r r r (4-) E または (, yz, ) V( yz,, ) ( yz,, ) E( yz,, ) m y z この式は時間を含まない ( 時間に依存しない ) シュレーディンガー方程式と呼ばれる ( 証明 ) ここで式 (4-1) のように変数分離されることを証明しておく (, yzt,, ) ( yztt,, ) ( ) という形を仮定して 元の ( 時間を含む ) シュレーディンガー方程式 (-6) に代入する 但しポテンシャルは時間に依存しないので V(r, t) = V(r) である ( r) ( r) ( r) Tt ( ) Tt ( ) V( ) ( ) Tt ( ) i( ) m r r r y z t この式の両辺を () r Tt () で割ると 1 ( r) ( r) ( r) 1 Tt ( ) V( ) ( ) i ( ) m r r r y z T( t) t この式の左辺は空間座標 r = (, y, z) のみの関数であり 右辺は時間 t のみの関数である 任意の, y, z および t に対してこの等式が恒等的に成り立つためにはこの式の値はある定数でなければならない この定数を E と置くと 左辺 : 1 ( r) ( r) ( r) V( ) ( ) E ( ) m r r r y z 1 T ( t) T () t 右辺 : i E または i ET() t (4-4) Tt () t t E 右辺の微分方程式 (4-4) はすぐに解けて Tt () e i t が得られる ここに現れる定数 E が電子のエネルギーに等しいことはこの後 1 次元自由粒子 の節で説明する 更に式 (4-3) の両辺に(r) をか (4-3) 1

13 けて ( r) ( r) ( r) V( ) ( ) E( ) m r r r y z 時間を含まない ( 時間に依存しない ) シュレーディンガー方程式が得られる ( 証明終わり ) この講義では時間に依存しないポテンシャルのみを取り扱うので 電子の波動関数は まず時 i 間を含まないシュレーディンガー方程式を解いて(r) を求めて これに E t e を掛ければ得られることになる 以下では いくつかの場合における時間を含まないシュレーディンガー方程式の解法を見ていく 次元自由粒子質量 m エネルギー E で外力を受けずに運動している電子の波動関数を求めてみる 簡単のために 1 次元 ( 軸方向 ) の運動を考える この場合には電子の波動関数はドブロイ波 ( 電子波 ) になるはずなので 進行波を表す関数になることが予想される 力を受けていないので V() = 0 で しかも時間に依存しない 前節でみたように波動関数は次式のように変数分離される i E t ( t, ) ( e ) (4-5) () に対する時間を含まないシュレーディンガー方程式は式 (4-) より 変数 のみを含む常微分方程式になる ( ) E ( ) m 一般の微分方程式の解法は数学の講義で学習するが ここでは式 (4-6) の一般解が ik ik ( ) Ae Ae (4-7) という形になることがわかればよい 式 (4-7) を式 (4-6) の両辺に代入してみると 定数 k ( 正の実数 ) me が k であれば式 (4-6) が成り立つことがわかる 一般解 (4-7) を式 (4-5) に代入すると 時間を含む波動関数は ( t, ) ( e ) Ae ie t ik ( Et/ ) ik ( Et/ ) Ae 軸負方向に進む進行波 軸正方向に進む進行波 ik ( t) me 右辺 行目は進行波 e の形を持っている 先に定義した k は波数に対応しており 一方 E/ħ は角周波数 に対応している ドブロイ波 を思い出すと 外力を受けていない電子では (4-6) 13

14 粒子として 対応関係 波動として エネルギー E = E/ħ 角周波数 運動量 p k = p/ ħ 波数 k この対応関係より変数分離の際に出てきた定数 E はエネルギー E (= ħ) に等しいことが判明する 以上より外力を受けない電子の波動関数 (, t) は平面波であり 正方向に進む進行波 e ik ( t) と負方向に進む進行波 e ik ( t) の線形結合で表される 但しここで 波数 k me p (k は電子の運動量 p と直結している ) 角周波数 E ( は電子のエネルギー E と直結している ) 4- 力とポテンシャルここで ポテンシャル と 力 について説明を加える 平行板電極が作る電界が電子に及ぼす力を考える ( 以下ではエネルギー E, ポテンシャル V と区別するために電界を Ԑ 電圧を v と書く ) 極板間隔 a の平行板電極に電圧 v が印加されている ( 左側の極板は電子が通り抜けることが出来るようにたくさん孔が空いている ) 電界は右向きでその大きさは Ԑ = v /a ( 一定 ) である e の電荷を持つ電子が極板の中に入ると左向きに一定 v の大きさ F = e Ԑ Ԑ の力を受ける この力 F に対応したポテンシャル V e Ԑ は V F で定義されるので 下の図に示したように 0 < < a a の区間で に比例して増加するポテンシャル V() F a になる ( 傾き eԑ) このように定義したポテンシャルはエネルギーの単位を持つ -e Ԑ 0 電子の受ける力 ( 左向き ) V 0 0 V 電子に対するポテンシャル V() V 0 = eԑa a 注意 : 電磁気学で取り扱う電位 v も静電ポテンシャルと呼ぶ場合がある こちらの場合は電界 Ԑ との関係で定義される Ԑ = v/ 粒子に力が作用している場合に 古典力学 ( ニュートンの運動方程式 ) ではこの力 F が方程式に直接現れる 14

15 0 V a 電子に対するポテンシャル V() a を小さく V m F t それに対して量子力学 ( シュレーディンガー方程 式 ) では粒子に働く力はポテンシャル V() の形で方程式の中に現れる ( 式 (4-)) 左図に示すように極板間隔 a を小さくするとポテンシャルの傾きが急になる 更に印加電圧を大きくすると ポテンシャル障壁が高くなる a 0 かつ電圧 の極限を考えると 電子に対して無限に高く急峻なポテンシャル障壁が出来る 古典力学で考えると左側からやってきた電子は = 0 の壁で左向きに跳ね返される 0 a 電子に対するポテンシャル V() a を小さく 電圧を大きく V 0 a 0 電圧 の極限無限に高いポテンシャル V() 15

16 4-3 無限障壁 1 次元井戸型ポテンシャル V 左図のように井戸部分の幅が である無限障壁 1 次元井戸型ポテンシャルの中を運動する質量 m でエネルギー E を持つ電子を考える ポテンシャルは次式 / o / ポテンシャル V() で表される 井戸内部 : V( ) 0 障壁部分 : V( ), ポテンシャルは時間に依存しないので 波動関数は空間座標に依存する部分と時間に依存する部分に変数分離される 空間座標に依存する部分 () は時間に依存しないシュレーディンガー方程式に従う 初めに障壁内 ( 斜線の領域, < /, / < ) での波動関数を考える ポテンシャル障壁の高さが無限大の場合には電子は障壁内に入り込むことが出来ない 波動関数の絶対値の 乗 () は位置 に電子が存在する確率密度を表しているので 障壁内部では () = 0 したがって () = 0, である ( ということで障壁内部の波動関数はシュレーディンガー方程式を解くまでもなく得られる ) 次に井戸内部 (/ < < /) での波動関数を求める 1 次元 ( 軸方向 ) での時間に依存しないシュレーディンガー方程式は 井戸内では V() = 0 なので 結局のところ ( ) V( ) ( ) E( ) m ( ) E ( ) m これより ( ) me ( ) となる 変数が のみであるので簡単な常微分方程式になる 式 (4-7) 付近で定義したように k me を使うと この微分方程式 ( 階常微分方程式 ) は次の形になる ( ) k ( ) (4-8) この方程式の一般解は三角関数あるいは虚数を使った指数関数で書くことが出来るが ここでは 3 角関数を使って ( ) Asin( k) Bcos( k) (4-9) を一般解とする ここで A, B は後で決める係数 ( 複素数 ) である 式 (4-9) を式 (4-8) の両辺に代入してみると解であることはすぐにわかる 微分方程式の解は 境界条件 が決まらないと一つに確定しない この場合の境界条件は井戸内部の波動関数 ( 式 (4-9)) と障壁部分の波動関数が連続になることである ( 3に示した波動関 16

17 数に要求される条件を参照せよ ここでは井戸と障壁の境界でポテンシャルは不連続に変化するので (4) が適用されて 波動関数は境界で連続であればよい 滑らかである必要はない ) 障壁部分では() = 0 なので 井戸内部の波動関数式 (4-9) は = / においてゼロになる 従って Asin k Bcos k 0 (4-10) Asin k Bcos k 0 (4-11) という条件を満たす必要がある A = B = 0 以外の解を探す (A = B = 0 では波動関数は全域でゼロになってしまい 電子は存在しないことになる ) Case (1) 一つ目の可能性として A = 0 かつ cos( k / ) 0 という場合 がある cos( k / ) 0 が 成立するためには k n 従って k n (n = 1, 3, 5, ) (4-1) この場合の波動関数は ( ) Bcos n (n = 1, 3, 5, ) (4-13) Case () もう一つの可能性として B = 0 かつsin( k / ) 0 という場合 がある sin( k / ) 0 が成 り立つには k n 従って k n (n =, 4, 6, ) (4.14) こちらの場合には波動関数は になる ( ) Asin n (n =, 4, 6, ) (4-15) 係数 A, B は波動関数の規格化から決まる 電子は井戸内部 (/ < < /) に必ず存在する ( 確率は1になる ) ので ( 式 (3-1) を参照 ) となる 従ってそれぞれの場合に Case(1) B / / cos n 1 / ( ) 1 /, Case() となる ここで三角関数の積分は部分積分を使って A sin n 1 / / 17

18 n n / / sin cos / / となる ( 各自計算して確認せよ ) 積分の値はn によらない したがって A B A, B として正の実数をとると A B / となる 以上より波動関数は整数 n により番号が付けられて n ( ) n (n = 1, 3, 5, ) (4-16) n ( ) n (n =, 4, 6, ) (4-17) me また それぞれの波動関数で表される状態における電子エネルギー E は k が式 (4-1) と 式 (4-14) により整数 n と関係しているので n が奇数 (n = 1, 3, 5, ): k me n より En n m me n が偶数 (n =, 4, 6, ): k n より En n m (n が奇数でも偶数でもエネルギー E n を与える式は同じ形になる ) 最もエネルギーが低い状態( 基底状態 ) は n = 1 の場合で エネルギー E1 波動関数 1( ) cos (4-18) m 番目の状態は n = の場合で エネルギー E m 波動関数 ( ) sin (4-19) 3 番目の状態は n = 3 の場合で エネルギー E3 m 3 3 波動関数 3( ) cos (4-0) 4 番目の状態は n = 4 の場合で エネルギー E4 m 4 4 波動関数 4( ) sin (4-1) ( 以下同様に n まで続く ) エネルギーは基底状態の E 1 に対して E n = E 1 n で増大し 波動関数は cos 型と sin 型が交互に現れる 18

19 以上をまとめると 井戸幅が である無限障壁井戸型ポテンシャル中の電子状態は エネルギーは En n (n = 1,, 3, 4, 5, ) (4-) m それぞれの状態での波動関数は n が奇数 偶数により n ( ) cos n n ( ) sin n (n = 1, 3, 5, ) (4-3) (n =, 4, 6, ) (4-4) 古典力学で取り扱うと電子のエネルギーはゼロから無限大まで連続的に変化する 量子力学ではエネルギーは離散的な値を持つようになる これをエネルギー準位の離散化あるいは量子化と呼ぶ ( エネルギー準位が量子化されることが量子力学の語源である ) 波動関数の形をグラフ化すると 1 / o / / o / n = 1 の波動関数 1 : 式 (4-18) n = の波動関数 : 式 (4-19) / o / / o / n = 1 の電子の存在確率密度 1 n = の電子の存在確率密度 19

20 3 4 / o / / o / n = 3 の波動関数 3 : 式 (4-0) n = 4 の波動関数 4 : 式 (4-1) / o / / o / n = 3 の電子の存在確率密度 3 n = 4 の電子の存在確率密度 4 [ 演習問題 ] 井戸幅 L の無限障壁井戸型ポテンシャル中の電子のエネルギーは En n ml で与えられる 井戸幅 5 nm の場合の基底状態 (n = 1) の電子のエネルギーを求めよ 34 ( Js) kg (510 m) J 15.0 mev また 波動関数の概略を描け 0

21 4-4 有限障壁 1 次元井戸型ポテンシャル次に左図のように井戸部分の幅が で障壁の高さが V V 0 である 1 次元井戸型ポテンシャルの中を運動する質量 m でエネルギー E を持つ電子を考える 但し V 0 > E とする ポテンシャルは次式で表される ( 障壁の高さが有限なので 有限障壁 と呼ぶ ) 井戸内部 : V( ) 0 障壁部分 : V( ) V, 0 この場合も 4-3 と同じようにポテンシャルは時間に依存しないので 波動関数は空間座標に依存する部分と時間に依存する部分に変数分離され 空間座 標に依存する部分 () は時間に依存しないシュレーディンガー方程式に従う しかし 障壁の高さが有限なので電子波は障壁内に入り込むことが出来る このため障壁部分と井戸内のそれぞれの領域でシュレーディンガー方程式を解く必要がある 障壁 (barrier) 部分での波動関数を B () 井戸(well) 内部での波動関数を W () とすると V 0 / o / ポテンシャル V() B( ) V 0B( ) EB( ) m m W ( ) E W ( ) 障壁部分 ( < /, / < ) 井戸内部 (/ < < /) また 境界 ( = /) において波動関数が連続かつ滑らかにつがなるようにする = / において () が連続 B W かつ B W = / において () が滑らか B W かつ B W 計算の詳細は参考文献を参照せよ この場合には ( 無限障壁とは異なり ) エネルギー E と波動関数を求めるためには数値計算が必要となる ここでは定性的な特徴を述べるにとどめる (1) エネルギーエネルギー準位は離散化される 井戸の幅が同じ場合に基底状態エネルギー 励起エネルギー共に無限障壁の対応する準位に比べて小さくなる また無限障壁では準位は無限にあるが 有限障壁の場合には有限の個数になる ( 最低でも 1 個はある ) () 波動関数次の図に示すような形になる 無限障壁に場合と比べて大きな違いは 波動関数が ( ということは電子の存在確率密度が ) 障壁領域 ( < /, / < ) でもゼロにはならない点である これは障壁部分 1

22 1 障壁中でも 0 にならない / o / / o / n = 1 の波動関数 1 n = の波動関数 で電子が観測される確率がゼロではないことを意味している 古典力学で取り扱った場合には障壁の高さ V 0 は有限でも E < V 0 であれば これにあたった粒子は壁の表面で跳ね返されることになり 障壁内部に入り込むことはない 電子が障壁内に入り込む現象は量子力学に特有である ( この現象は講義の最後に取り扱う トンネリング と密接に関係した現象である )

23 5 確率の流れの密度 ここまでの講義で見たように波動関数の絶対値の 乗 (r, t) は電子が観測される ( その位置に存在する ) 確率密度を与え 電子物性において重要になる電子の密度 n (n (r, t) ) 電磁気学での電荷密度 ( e (r, t) ) に相当する それでは電流密度 J( 単位断面積を流れる電流 ) に対応する量子力学の量は何か? 以下で考える z y 体積 V=yz 断面積 =yz y z J () J (+) + 初めに古典的に電子を粒子として扱って 粒子が空間を運動している場合を考える 電子や陽子など 電荷を帯びた粒子が運動すると電流が流れる ここでは y と z 方向には一様に分布している荷電粒子が 速度 v で 軸方向に運動している場合を考える 電流密度 J は 方向の成分のみがあり ( 電磁気学の教科書 19 ページを参照せよ ) 但しここで は電荷密度である J と J の間には 連続の方程式 ( 電磁気学の教科書では 99 ページ で電荷保存の法則として説明されている ) F HG J J KJ y J z J t y z が成立する なぜこの式が成り立つのかを考えてみる 上図で微小体積 V = yz の中の電荷密度が微小時間 t の間にだけ変化した場合を考 I (5-1) 3

24 える (V の中の電荷はV だけ変化する ) 電荷 ( 電子 ) は消えたり ひとりでにあらわれることはないので 微小体積中の電荷の変化は左側の壁から電流が流れ込む ( 電荷は増加する ) か 右側の壁から電流が外に流れ出ることにより起きる 微小時間 t の間に左側の壁を通して流れ込む電荷は J () yzt 右側の壁を通して外に出ていく電荷は J (+) yzt であるから 微小体積中の電荷の変化は次の式のように表すことが出来る V ( 電荷の変化 )= J () yzt ( 左から流入 ) J (+) yzt ( 右へ流出 ) 従って V = J (+) J ()) yzt 両辺をVt = yzt で割ると J( ) J( ) t t0 の極限を考えると左辺は 右辺は 0 の極限を考えると lim t 0 t t J ( ) J ( ) J lim 0 従って連続の方程式 J t が得られる ここまでは古典論 ここから量子力学量子力学では波動関数の絶対値の 乗 (r,t) (r,t) (r,t) は 電子の存在確率密度を表す これは上記古典論での電荷密度 とみなすことが出来る ( 厳密には電子の電荷をe として e (r,t) がに対応する ここでは 波動関数は y と z 方向には一定で にのみ依存すると考える 絶対値の 乗 (,t) (,t) を時間で微分して * * ( t, ) ( t, ) ( t, ) (, ) ( t, ) * t ( t, ) (5-) t t t ここでシュレーディンガー方程式より ( t, ) i t また両辺の複素共役をとって F HG m I KJ V(, t) (, t) (5-3) 4

25 * ( t, ) t i F HG m I KJ * V(, t) (, t) (5-4) (3) と (4) を () に代入して F HG I * ( t, ) ( t, ) i * i * ( t, ) V(, t) (, t) V(, t) (, t) (, t) t m KJ m R S F THG I KJ * i (, ) (, ) * (, ) (, ) m t t i t t m * (, ) (, ) im t t i ( t, ) * ( t, ) m F HG IF HG I K J i 右辺 3 行目に 0 KJ i m m F HG I K JF HG * * F HG I I KJ I K JF HG F * HG F HG を加えて * * * * ( t, ) ( t, ) (, ) (, ) (, ) (, ) KJ KJ * t im t t i i t i t m m m i m L N M F HG * ( t, ) ( t, ) KJ I ( t, ) ( t, ) ここで微分演算子 p i と その複素共役 * p i を定義すると 上式は * ( t, ) ( t, ) 1 t m F HG * * * I K J O Q P ( t, ) p ( t, ) ( t, ) p( t, ) * * * ( t, ) p( t, ) ( t, ) p ( t, ) m I KJ - (6.4) これを電荷に対する連続の方程式 (1) と比較すると 電荷密度と電子の存在確率密度が対応し * そうすると電流密度 J は J かる そこで量子力学では S p p m * * * * * * p p i * m m F HG I KJ F HG という対応関係のあることがわ で S を定義し これを ( 方向の ) 確率の流れの密度 ( 確率流密度 ) と呼ぶ S を使って量子力学における連続の方程式は と書ける t * S * I KJ IF HG U V W I K J 5

26 3 次元の場合には微分演算子 pˆ i,, y z を使って 1 S pˆ p ˆ m 定常状態 iet/ 定常状態では ( t, ) ( e ) という形になる (1 次元の場合 ) これを前頁の四角の囲みの 中の S の定義に代入すると i iet/ ( ) iet/ iet/ *( ) iet/ S *( ) e e ( ) e e m i ( ) iet/ iet/ *( ) iet/ iet/ *( ) e e ( ) e e m i ( ) *( ) *( ) ( ) m という形になり 見かけ上は波動関数が時間を含む場合と同じ式で表現される つまり 一般に時間に依存する場合には時間を含む波動関数 (, t) を使って i (, ) (, )* (, )* t (, ) t S t t m 定常状態では時間に依存しない波動関数 ( ) を使って i ( ) *( ) S *( ) ( ) m という式で確率の流れの密度は計算される 6

27 6 1 次元段差型ポテンシャル (1 次元ポテンシャル段差 ) 左の図に示したような 1 次元段差型ポテン V() シャルに左側から右向きに質量 m でエネルギーが E の電子が入射する場合を考える 時間電子 m, E を含まないシュレーディンガー方程式は 入射波反射波 ( ) me ( ) ( < 0) ( ) me V0 ( ) ( > 0) Case(1) 初めにE > V 0 の場合 O ここで me m( E V0 ) k1, k と定義しておく k 1 と k は正の実数である シュレーディンガー方程式は ( ) ( ) k1 ( ) ( < 0) (6-1) k ( ) ( > 0) (6-) この形の常微分方程式の一般解は三角関数あるいは虚数を使った指数関数で書くことが出来るがここでは指数関数を使って ik1 ik1 1( ) Ae Be ( < 0) ik ik Ce De ( ) ( > 0) と表される 但し A, B, C, D は複素数の定数である ( これらが微分方程式の解であることは式 (6-1) と式 (6-) に 1 と を代入して両辺が等しくなることで確認できる ) 時間を含んだ波動関数は ( t, ) ( e ) V o 透過波 iet/ の形になるので < 0 の領域では ik ( Et / ) ik ( Et/ ) (, t) Ae 1 Be 1 ( < 0) この式で第 1 項は右向きに進む波を表しており入射波を表す 第 項は左向きに進む波でありポテンシャル段差で反射された電子波 ( 反射波 ) を表している 一方で > 0 の領域では ik ( Et / ) ik ( Et/ ) ( t, ) Ce De ( > 0) 第 1 項は > 0 の領域を右向きに進む波であり 透過波に対応する これに対して第 項は > 0 の領域を左向きに進む波を表すが 今考えている場合にはこれに相当する波は存在しない したがって D = 0 と置く必要がある 以上の考察により ( 時間を含まない ) シュレーディンガー方程式 ( 式 7

28 (6-1) と式 (6-)) の解は ik1 ik1 1( ) Ae Be ( < 0) 入射波反射波 ik ( ) Ce ( > 0) 透過波となる 次に 確率の流れの密度 S i * * m を計算する * は の複素共役で A, B, C は複素数で k 1 と k は実数であることに注意すると 波動関数の微分は 1( ) ( ) ikce < 0 の領域では ik 1 1 ik Ae 1 ik Be 1 ik * * ik1 * ik1 1 * * ik ( ) A e B e ( < 0) ( ) C e ( > 0) ik ( < 0) ( > 0) * 1 ( ) * ( ) * ikc e * ik * ik 1 1 ik A e 1 ik B e 1 ik ik1 ik1 ik1 ik1 * * ik1 ik1 ik1 ik1 Ae Be ik1a * e ik1b * e i S1 A e B e ik1ae ik1be m i ik A ik B ik A Be ik AB e m i m ik1 ik * 1 * ik1 ik * 1 * ik A ik B ik A Be ik AB e k ik 1 1 A ik1 B A B m ( < 0) ( > 0) が得られる 第 1 項 k1 A mは入射波 ( 右向き ) の確率の流れの密度を表し 負の量である第 項 k1 B mは左向きに進む反射波の確率の流れの密度を表す また > 0 の領域では i S C e ik Ce Ce i k C e m i k ik C C m m ik ik ik ik * ( ) * となり これは 軸方向を右に進む透過波の確率の流れの密度である 古典力学では E > V 0 であ 8

29 る場合には電子は反射することなく100パーセントの確率で透過してすべての電子がプラス無限大方向に進んでいくが 量子力学の取り扱いでは ( 以下で求めるように係数 B はゼロではないので ) 反射波の確率の流れの密度 k1 B mはゼロにはならず ある確率で反射してマイナス無限大 方向に戻っていく電子が存在することになる これは電子を波として取り扱う量子力学における大きな特徴である 反射率 R と透過率 T は 1 B k C, T A 1 k 1 1 A ( 反射波 ) k B m ( 透過波 ) k C m R ( 入射波 ) k A m ( 入射波 ) k A m となる R と T が電子のエネルギー E と障壁の高さ V 0 にどのように依存するかを計算するためには係数 A, B, C の関係を求める必要がある このためにはポテンシャルの境界 ( = 0) での境界条件を考える 波動関数に要求される条件は 3で見たように (i) 関数が連続 (ii) 関数が滑らか ( 関数の1 階微分が連続になる ) の つである = 0 で連続であるためには 1 ( 0) ( 0) であり これより A + B = C (6-3) また 関数が = 0 で滑らかである条件は 1( ) ( ) 0 0 であるから つ目の境界条件は k 1 A - k 1 B = k C (6-4) となる 式 (6-3) と式 (6-4) より 最初に定義した k 1 と k, と式 (6-5) を使うと k1 k k B A, C 1 A k k k k 1 1 1, ( 0) k me k m E V E E V 0 4 ( 0), T E E V E E V 0 E E V0 R となる 各自計算してみよ また R + T = 1 となることも示せ ( 入射した電子は透過するか反射するかいずれかであるので 透過率と反射率の和は必ず1になる ) (6-5) 9

30 Case () 次に E < V 0 の場合この場合にはシュレーディンガー方程式は Case (1) の場合と同じ形になる ( ) me ( ) ( < 0) ( ) m EV 0 ( ) ( > 0) 但し E - V 0 < 0 であることに注意して次のように正の実数 k と を定義する k me m ( V E ), 0 ( 注意 :Case(1) と同じように k m( EV0) と定義すると根号の中が負になってしまう ) < 0 の領域でのシュレーディンガー方程式は Case (1) の場合と同じでその解も同じである ik これに対して > 0 では微分方程式は ik 1 ( ) Ae Be ( < 0) (6-6) ( ) ( ) ( > 0) (6-7) となり これの一般解は式 () とは違い実数変数の指数関数で与えられる ( ) Ce De ( > 0) (6-8) この式の第 項が存在すると右側に行くにしたがって波動関数の大きさが急激に大きくなる したがって電子の存在する確率も右側でどんどん大きくなる しかしここで考えているのは電子が左側から入射する場合なのでこれは物理的のありえない状況である したがって第 項はゼロでなければならない D = 0 と置く よって ik ik 1( ) Ae Be ( < 0) ( ) Ce ( > 0) 入射波反射波 (6-9) 次に = 0 での境界条件を適用する 波動関数が連続になる条件は A + B = C 滑らかになる条件は ika-ikb = -C この 式より ik ik B A, C A (6-10) ik ik ここで C 0 であることに注意 このため障壁中 ( > 0) での波動関数 () は奥に行くにしたがって指数関数で小さくなるが有限の大きさを持っている 古典力学では E < V 0 の場合には電子は障壁の表面で跳ね返され 障壁の中に入り込むことはない しかし量子力学の計算では障壁中に電子は少し浸入することになる 30

31 次に < 0 の領域で確率の流れの密度を計算する この計算は Case (1) の場合と同じで k S1 A B m となる 第 1 項が入射波 第 項が反射波の確率の流れの密度を表している 反射率 R は kb m B ik ik ik R 1 ka m A ik ik ik となり 入射した電子は100パーセント反射される 透過率 T は T = 1 R = 0 である 上記波動関数と併せて考えると E < V 0 の場合には左側から右向きにやってきた電子は = 0 の障壁にぶつかるとその中に少し浸入する しかしそのまま透過してプラス無限大の方に向かう電子は存在せず 障壁の途中で100% 跳ね返されて左向きに戻っていく E > V 0 入射波 () 透過波 古典力学と量子力学の違いをまとめる E > V 0 の場合 ( 左図 ) 古典 : 左からやってきた電子は障壁で反射することなくすべて右方向に進んでいく V o O 量子 : 左からやってきた電子は障壁にぶつかると 確率 R で反射して左側に戻っていき 確率 T で右方向に進んでいく ( 反射して戻っていく場合がある ) 図に反射波は描かれていない E < V 0 の場合 ( 下図 ) E < V 0 () 古典 : 左からやってきた電子は障壁にぶつかるとすべて反射して左側に戻っていく 障壁内 ( > 0) に電子が入り込むことはない 入射波 V o 波動関数のしみだし 量子 : 左からやってきた電子は障壁にぶつかるとすべて反射して左側に戻っていく ( これは古典と同じ ) ただし 電子は表面から短い 距離であるが 障壁内にしみこんでいくことが O 出来る ( 反射波は図に示されていない ) 31

32 7 1 次元凸型ポテンシャル V() とつ左の図に示したような 1 次元凸型ポテンシャルに左側から右向きに質量 m でエネルギーが E の電子が入射する場合を考える V 0 > E の場 電子 m, E 入射波反射波 V o 合だけを考える 古典力学で取り扱うと 電子のエネルギー透過波 E はポテンシャル障壁の高さ V 0 よりも小さいので 電子は障壁を乗り越ええることが出来ずに ( 必ず ) 左向きに跳ね返される 障壁を乗り越 えて右向きに進み続ける電子はない 領域 A O 領域 C 量子力学ではこれとは異なる現象が起きる 領域 B 一部の電子は ( ある確率で ) 障壁を通り抜けて 右向きに進み続ける ( この現象をトンネリング と呼ぶ 半導体素子や超伝導素子の中にはこの現象を応用したものがあり 実際に使われている ) これからこのトンネリングが起きる確率を量子力学に基づいて計算していく 時間を含まないシュレーディンガー方程式は ( ) me ( ) ( < 0, ) ( ) mv 0 E ( ) (0 ) ここで me m( V0 E) k, と定義する k とは正の実数である これらを使ってシュレーディンガー方程式は ( ) k ( ) ( < 0, ) (7-1) ( ) ( ) (0 ) (7-) 領域 A ( < 0): 式 (7-1) の解は ik ( ) Ae Be A 右辺第 1 項は入射波で第 項が反射波に対応する ( これは時間に依存する波動関数 iet/ ( t, ) ( e ) を作ってみれば明らか ) と表される 但し A, B は複素数の定数である ik 領域 C ( > ): 式 (7-1) の解 この領域では透過波 ( 右に進む波 ) のみであるので ( ) Fe C ik 3

33 領域 B (0 < < ): 式 (7-) の一般解は指数関数型で ( ) Ce De B ( 段差型ポテンシャルの場合とは違って凸型ポテンシャルの場合には 項とも残しておく ) 次に確率流密度を計算する 反射率と透過率を求めたいので < 0 と > の領域での S が必要 ( 障壁中 : 0 < < は不要 ) 1 次元 ( 方向 ) の時間に依存しない波動関数に対して * * i S ( ) ( ) m 領域 A ( < 0) ik ( ) Ae Be A ik * * ik * ik A( ) Ae Be A ik ikae ikbe これらを S の表式に代入して ik * A * ik * ik ika e ikb e * ik * ik ik ik ik ik * ik * ik i S A e B e ikae ikbe Ae Be ika e ikb e m この後の計算は 6 1 次元段差型ポテンシャル と同じで 領域 C ( > ) k S A B m ik C ( ) Fe, C ik ikfe, * * ik C ( ) Fe, i * ik ik ik * ik これらより ( ) * C k S F e ikfe Fe i kf e F m m V() ikf e 以上より反射率 R と透過率 T は * ik ( 反射波 ) kb m B R ( 入射波 ) ka m A k 入射波 : A m k 反射波 : B m 領域 A O 領域 B k 透過波 : F m 領域 C ( 透過波 ) kf m F T ( 入射波 ) ka m A となる 次に境界条件を使って A, B, F の関係を求め R と T が電子のエネルギー E と障壁の高さ V 0 およびその幅 にどのように依存する 33

34 かを検討する 境界条件は = 0 と = の か所を考える必要がある = 0 における境界条件 () の連続性 : A ( = 0) = B ( = 0) より A + B = C + D (7-3) の連続性 : A ( ) ik ik ikae ikbe B ( ) Ce De であるから A B より ik(a B) = (C D) したがって 0 0 A B i ( C D) (7-4) k 式 (7-3) + 式 (7-4) より A (1 i k) C(1 i k) D これより 1 1 A (1 i k) C (1 i k) D (7-5) 式 (7-3) 式 (7-4) より 1 1 B (1 i k) C (1 i k) D (7-6) = における境界条件 () の連続性 : B ( = ) = C ( = ) より ik Ce De Fe (7-7) の連続性 : C ( ) ik ikfe であるから B C より ik Ce De ikfe 両辺を で割って k ik Ce De i Fe (7-8) 式 (7-7) + 式 (7-8) より Ce F(1 ik ) e これより ik 1 1 ( ) (1 ) ik (1 ) ik C F ik e F ik e (7-9) 式 (7-7) 式 (7-8) より De F(1 ik ) e これより ik 1 1 ( ) (1 ) ik (1 ) ik D F ik e F ik e (7-10) 34

35 透過率 T を計算する 式 (7-5) の右辺に式 (7-9) と式 (7-10) の C と D を代入して A (1 i k) F(1 ik ) e (1 i k) F(1 ik ) e F k ( ik ) F k ( ik ) i e i e 4 k 4 k 従って A 1 k k ik i e i e e F 4 k k 絶対値の 乗は ( ここからの計算は煩雑なので注意 ) ( ik ) ( ik ) A F 1 k k k k i e i e i e i e 16 k k k k e k e k 1 k k i i 16 k 16 k 16 k 16 k 1 4k k 1 k 1 k e e k k k 1 4k k 4k k e e k k k k k k k e e 16 k 16 k 1 4k k 1 4k k e e k k 1 4k k e e 1e e 4k k k 4 k 双曲線関数の定義より双曲線正弦 (hyperbolic sine) は次式で定義される 35

36 これを使うと A F k e sinh( ) 4k k 4k 4k e sinh ( ) 1 sinh ( ) 1 (7-11) me m ( V E ) であるから ここで k, 0 4 ( 0 ) 0 4 meve 0 4 k mv mv 4 4k 4, これらを式 (7-11) に代入すると 4mV 0 4 A mv ( 0 E) V0 sinh m( V0 E) sinh 1 1 F 4 mev ( 4 ( 0 E) E V0 E) 4 4 ということで ようやく透過率 T が計算できた F V0 sinh m( V0 E) T 1 A 4 E( V0 E) T > 0 になり 障壁を透過 ( トンネリング ) する電子が存在する 反射率 R を計算するためには まず式 (7-6) を式 (7-5) で割って B (1 i k) C (1 i k) D (1 i k) C(1 i k) D A 1 1 (1 i k) C (1 i k) D (1 i k) C(1 i k) D この式の C と D に式 (7-9) と式 (7-10) のを代入して 再び繁雑な計算を行うことにより求めれる 結果のみ示すと B 4 E( V0 E) R 1 A V0 sinh m( V0 E) 入射した電子は反射するか透過するかいずれかであるので 反射率 R と透過率 T の和は 1 になる 1 36

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