調査範囲全景 ( 写真上が北 合成写真 ) 巻頭図版 1

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1 東京都町田市 鶴間公園遺跡 ( 町田市 999 遺跡 ) - 町田市南町田駅周辺整備事業に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書 町田市 株式会社四門

2 調査範囲全景 ( 写真上が北 合成写真 ) 巻頭図版 1

3 巻頭図版 2 1 号住居跡使用面全景 ( 南から ) 2 号住居跡遺物出土状況 ( 南東から )

4 例言 1. 本書は東京都町田市鶴間三丁目 1-1( 鶴間公園内 ) に所在する鶴間公園遺跡 ( 町田市 999 遺跡 ) の埋蔵文化財発掘調査報告書である 2. 本調査は 南町田駅周辺整備事業に伴うもので 町田市から委託を受けた株式会社四門文化財事業部 ( 調査担当者 : 板垣徹 ) が実施した. 本調査における発掘作業から報告書作成に至る費用は 町田市が負担した 4. 本調査の調査対象面積は 75 m2である 5. 本調査地点における調査期間は 平成 29 年 1 月 27 日から平成 29 年 月 日 整理調査及び報告書作成が平成 29 年 2 月 20 日から平成 29 年 月 17 日である 6. 写真撮影は 遺構は板垣が行ない 遺物は岩尾和彦が行なった 空中撮影は株式会社四門 UAS オペレーションチームが行なった 7. 自然科学分析は 株式会社パレオ ラボに依頼した 8. 本調査は 町田市教育委員会の指導のもと実施した 9. 出土資料及び諸記録類は 町田市教育委員会において保管されている 10. 発掘調査から整理調査 報告書作成を通じて 次の諸氏並びに諸機関のご指導 御協力を賜りました 記して感謝申し上げます 敬称略 大和市つる舞の里歴史資料館東急建設株式会社 調査体制 調査機関 株式会社四門 文化財事業部 調査担当者 板垣徹 調査補助員 沖野絋典 小口友平 安全管理担当 川口洋次郎 発掘 整理調査参加者 今井源吾 岩尾和彦 大津環貴 小川麗子 笠井一典 春日貴明 貴志正則 金城真理子 小林裕 櫻井真貴 佐藤子規 高橋泰子 多久貴代 武田賢一 本間里一郎 松村環 向井亙 山田武久 山中慶太 吉澤洋

5 目 次 巻頭図版 / 例言 / 目次 第 1 章 調査の概要 第 1 節 調査に至る経緯と経過 1 第 2 節 調査の方法 1 第 節 地理的環境と周辺の遺跡 4 第 2 章 調査の成果 第 1 節 基本層序 6 第 2 節 発見された遺構と遺物 7 1. 古墳時代 奈良時代 7 2. 古代 16. 近世以降 遺構外出土遺物 22 第 章 自然科学分析 第 1 節 鶴間公園遺跡出土炭化材の樹種同定 2 第 2 節 放射線炭素年代測定 24 第 節 鶴間公園遺跡出土炭化材の保存処理 26 第 4 節 鶴間公園遺跡出土遺物のⅩ 線透過撮影 27 第 4 章 まとめ 29 引用 参考文献 / 抄録 / 奥付 挿図目次 第 1 図調査地点位置図 (1/25,000) 2 第 12 図 実測図 (1/60) 17 第 2 図 本調査範囲と試掘トレンチ配置図 (1/1,500) 第 図 周辺の遺跡 (1/10,000) 5 第 4 図 基本層序 (1/80 1/400) 6 第 5 図 遺構配置図 (1/200) 8 第 6 図 1 号住居跡実測図 (1/0 1/60) 10 第 7 図 1 号住居跡 出土遺物 (1/) 11 第 8 図 1 号住居跡 遺物分布図 (1/40) 12 第 9 図 2 号住居跡実測図 (1/60) 1 第 10 図 2 号住居跡出土遺物 (1/) 14 第 1 図 2 号溝状遺構実測図 (1/60) 18 第 14 図 1 号道路状遺構実測図 (1/60) 18 第 15 図 1~6 号土坑実測図 (1/60) 20 第 16 図 7~ 10 号土坑実測図 (1/60) 21 第 17 図 2 号土坑 遺構外出土遺物 (1/) 22 第 18 図 鶴間公園遺跡出土炭化材の走査型電子顕微鏡写真 24 第 19 図 暦年較正結果 26 第 20 図 鶴間公園遺跡出土の炭化材と保存処理後の写真 27 第 21 図 X 線透過画像 28 第 11 図 2 号住居跡遺物分布図 (1/40) 15 表目次 第 1 表周辺の遺跡一覧 4 第 6 表遺構外出土石器観察表 22 第 2 表 1 号住居跡 出土土器観察表 11 第 表 1 号住居跡出土石製品観察表 11 第 4 表 2 号住居跡出土土器観察表 14 第 7 表樹種同定結果 2 第 8 表測定試料および処理 24 第 9 表放射性炭素年代測定および暦年較正の結果 25 第 5 表 2 号土坑出土土製品観察表 22

6 図版 1-1 調査地 樹木伐採前 ( 北から ) 図版 1-2 樹木伐採 作業風景 ( 北から ) 図版 1- 樹木搬出 作業風景 ( 南西から ) 図版 1-4 調査地 樹木伐採終了 ( 北から ) 図版 1-5 A 区 重機掘削 ( 西から ) 図版 1-6 B 区 重機掘削 ( 北東から ) 図版 1-7 A 区 調査風景 ( 北西から ) 図版 1-8 B 区 調査風景 ( 西から ) 図版 2-1 A 区 遺構検出状況 ( 北から ) 図版 2-2 B 区 遺構検出状況 ( 南から ) 図版 2-1 号住居跡 使用面全景 ( 南から ) 図版 号住居跡 掘り方全景 ( 南から ) 図版 号住居跡 南北断面 ( 西から ) 図版 号住居跡 東西断面 ( 南から ) 図版 号住居跡 遺物出土状況 ( 北西から ) 図版 号住居跡 遺物出土状況 ( 北から ) 挿図目次 図版 号住居跡 5 号土坑 南北断面 ( 西から ) 図版 号住居跡 東西断面 ( 南から ) 図版 号住居跡 P 1 東西断面 ( 北から ) 図版 号住居跡 遺物出土状況 ( 南西から ) 図版 号住居跡 遺物出土状況 ( 東から ) 図版 5-1 完掘全景 ( 北西から ) 図版 5-2 完掘全景 ( 南から ) 図版 5- A-A' 断面 ( 東から ) 図版 5-4 B-B' 4 号土坑断面 ( 南から ) 図版 号溝状遺構 完掘全景 ( 西から ) 図版 号溝状遺構 東西断面 ( 南から ) 図版 号道路状遺構 硬化面範囲検出状況 ( 南東から ) 図版 号道路状遺構 南北断面 ( 下部截割り )( 東から ) 図版 号土坑 完掘全景 ( 南から ) 図版 号土坑 東西断面 ( 南から ) 図版 6-2 号土坑 完掘全景 ( 北から ) 図版 -1 1 号住居跡 カマド 使用面全景 ( 南から ) 図版 -2 1 号住居跡 カマド 掘り方全景 ( 南から ) 図版 - 1 号住居跡 カマド 南北断面 ( 西から ) 図版 -4 1 号住居跡 カマド 東西断面 ( 南から ) 図版 -5 1 号住居跡 炉跡 掘り方全景 ( 西から ) 図版 -6 1 号住居跡 炉跡 南北断面 ( 西から ) 図版 -7 1 号住居跡 P 1 南北断面 ( 西から ) 図版 -8 1 号住居跡 調査風景 ( 北西から ) 図版 号住居跡 検出状況 ( 南から ) 図版 号住居跡 使用面全景 ( 南から ) 図版 号土坑 遺物出土状況 ( 南から ) 図版 6-5 号土坑 完掘全景 ( 北から ) 図版 6-6 号土坑 東西断面 ( 北から ) 図版 号土坑 完掘全景 ( 西から ) 図版 号土坑 完掘全景 ( 南西から ) 図版 号土坑 完掘全景 ( 北から ) 図版 号土坑 完掘全景 ( 西から ) 図版 7-9 号土坑 東西断面 ( 南東から ) 図版 号土坑 南北断面 ( 西から ) 図版 7-5 調査地 空中撮影 作業風景 ( 北から ) 図版 4-2 号住居跡掘り方全景 ( 南から ) 図版 8 出土遺物

7 第 1 章 第 1 節 調査の概要 調査に至る経緯と経過 1. 調査に至る経緯 2014 年 11 月 4 日 町田市より町田市鶴間三丁目 1-1において計画されている南町田駅周辺事業に係る文化財保護法第 94 条第 1 項に基づく通知が町田市教育委員会へ提出された 当該地は町田市 999 遺跡に該当し 古墳時代 奈良時代 平安時代の包蔵地として周知されている そこで 包蔵地内において工事により現況が改変される予定の箇所について試掘調査を実施することになった ( 第 1 次試掘調査 ) 試掘調査は 町田市が株式会社四門へ委託し 町田市教育委員会の指導のもと 2015 年 2 月 9 日から 17 日にかけて実施した この結果 1 次トレンチ1( 第 図参照 ) において古墳時代の住居跡が確認された その後 事業計画に一部変更が生じたため 2016 年 5 月 10 日に再度 町田市より文化財保護法第 94 条第 1 項に基づく通知が町田市教育委員会へ提出された 計画変更により新たに切土工事が予定される箇所について試掘調査を実施することになった ( 第 2 次試掘調査 ) 試掘調査は 町田市が株式会社四門へ委託し 町田市教育委員会の指導のもと 2018 年 10 月 11 日から 1 日にかけて実施した 以上 2 回の試掘調査の結果を受けて 古墳時代の集落が分布すると推定される1 次トレンチ1 周辺を発掘調査による記録保存の対象とすることに決定した 発掘調査は 町田市が株式会社四門へ委託し 2017 年 1 月 27 日より準備作業 2 月 6 日より発掘調査を開始することになった ( 町田市教育委員会貴志高陽 ) 2. 調査の経過発掘調査に先立ち 対象地内の樹木伐採等の準備作業を平成 29 年 1 月 27 日から平成 29 年 2 月 4 日まで行い 発掘調査は平成 29 年 2 月 6 日から平成 29 年 月 4 日まで 町田市教育委員会の指導のもと実施した 本調査地点の現況は 尾根状となって狭隘なため 調査範囲と調査による発生土との比率を考慮し 調査範囲を2 分割 ( 南側 :A 区 北側 B 区 ) して A 区より発掘調査を開始した それぞれの調査期間は A 区が 2 月 6 日から 2 月 20 日まで B 区が 2 月 21 日から 月 4 日までである 整理調査は 発掘調査と並行して行ない 平成 29 年 月 17 日の報告書刊行をもって完了した 第 2 節 調査の方法 試掘調査において 古代遺物包含層 (1b 層 ) 以下の自然堆積層の遺存が確認されていることから 発掘調査では 古代以降の遺構の検出を縄文時代遺物包含層 (Ⅱ a Ⅱ b 層 ) で行なうこととした 表土から遺構検出面までを重機によって除去し 遺構検出作業 遺構掘削作業等は人力によって行なった 検出された遺構は 遺構種別毎に 1 号 から順次遺構番号を付した (1 号住居跡 等 ) 小穴は先頭に P を付した遺構番号とした (P1 P2 等 ) -1-

8 境川 調査地点 m S=1/25,000 第 1 図調査地点位置図 (1/25,000) -2-

9 1 次トレンチ 次トレンチ 次トレンチ -1 1 次トレンチ -2 2 次トレンチ 7 ( 硬化範囲検出 ) 本調査範囲 2 次トレンチ 6 B 区 鶴間公園遺跡 ( 999 遺跡 ) 範囲 1 次トレンチ 4 2 次トレンチ 5 2 次トレンチ 4 2 次トレンチ A 区 1 次トレンチ 1 ( 竪穴住居跡検出 ) 2 次トレンチ 2 2 次トレンチ 1 1 次トレンチ 次トレンチ 5-1 第 1 次試掘調査トレンチ 第 2 次試掘調査トレンチ 第 2 図本調査範囲と試掘トレンチ配置図 (1/1,500) 0 100m S=1/1,500 --

10 記録写真は 5mm 一眼レフカメラ ( リバーサル モノクロ ) とデジタル一眼レフカメラを併用して撮影した 遺構等の測量は 電子平板機器と手実測を併用して行なった 測量及びグリッドの設定は 国家座標 ( 世界測地系 ) を基準とした グリッドの基点はⅩ= -026 m, Y= mとし 1グリッドの規模を2m 四方とした グリッド番号は 基点を A0 とし 基点から東へ向ってB C D 北から南へ向って1 2 と付した 出土遺物は 原則電子平板機器を用いた採取を行ない 表土より出土した遺物は グリッド単位での一括採取とした 整理調査は 遺構の記録図面 写真等の整理 編集及び台帳の作成 出土遺物については 接合 復元並びに接合図 実測図を作成し これらを基に報告書を作成した 第 節 地理的環境と周辺の遺跡 本調査地点は 東急田園都市線南町田駅の南西約 200 m 鶴間公園の東端に位置する 本調査地点の西約 0 mには境川が南流し 境川に向って傾斜する斜面地及び境川の東岸を形成する台地の縁辺にあたる この台地は相模野台地に含まれ 東は多摩丘陵 西は境川を挟んで相模川低地に至る 本調査地点は 地形的に見るとこの相模野台地の東端に位置する 標高は 75 ~ 77 mとなり 境川との比高差は約 10 mを測る 本調査地点は 古墳時代 奈良時代 平安時代の包蔵地として周知される 町田市 999 遺跡の東端に該当する 本遺跡の時期と近似した周辺の遺跡として 境川西岸 ( 神奈川県大和市 ) に下鶴間甲一号遺跡 / 公所横穴群 ( 189 遺跡 ) 上野遺跡( 206 遺跡 ) の他 図示していないが公所横穴群の西側に浅間神社西側横穴古墳群 ( 182 遺跡 ) がある これらのうち 下鶴間甲一号遺跡では古墳時代後期から奈良時代 上野遺跡では奈良 平安時代 相ノ原遺跡では平安時代の住居跡が発見され 集落跡として認知されている また 公所横穴群 浅間神社西側横穴古墳群では 古墳時代後期から終末期と考えられる横穴墓が確認されており 近接する下鶴間甲一号遺跡の集落跡との関連性が指摘されている 第 1 表周辺の遺跡一覧 区市町村 遺跡番号 遺跡名 所在地 遺跡の概要 時代 町田市 694 鶴間三号 丘陵包蔵地 奈良 平安 町田市 695 鶴間一丁目 丘陵包蔵地 古墳 奈良 平安 町田市 697 鶴間の大塚 鶴間十九号鶴間三丁目 丘陵塚 中世 町田市 721 南つくし野二丁目 丘陵包蔵地 旧石器 町田市 999 鶴間公園 鶴間三丁目 ( 鶴間公園内 ) 台地包蔵地 古墳 奈良 平安 町田市 1000 鶴間十二号 低地包蔵地 縄文 奈良 平安 町田市 1001 小川十一号 台地包蔵地 縄文 古墳 奈良 平安 町田市 1004 金森十一号鶴間一号 低地包蔵地 縄文 古墳 奈良 平安 中世 町田市 1005 鶴間二号 台地包蔵地 古墳 奈良 平安 大和市 1 下鶴間甲一号 下鶴間 49 付近 台地集落 縄文 近世 大和市 5 下鶴間 517 付近 台地散布地 縄文 平安 大和市 6 下鶴間 548 付近 台地散布地 縄文 古墳 平安 近世 大和市 7 下鶴間 2180 付近 台地散布地 平安 大和市 8 下鶴間 2152 付近 台地散布地 奈良 平安 大和市 9 下鶴間 2172 付近 台地散布地 奈良 平安 大和市 10 下鶴間 798 付近 台地散布地 平安 大和市 12 相ノ原 / 相模野第 18 つきみ野 2 4 丁目付近 台地集落 縄文 平安 大和市 20 台山 下鶴間 208 付近 台地集落 旧石器 縄文 平安 大和市 22 下鶴間 1907 付近 台地散布地 奈良 平安 大和市 2 下鶴間 1860 付近 台地散布地 平安 大和市 25 下鶴間 2904 付近 台地散布地 平安 大和市 0 下鶴間 1829 付近 台地散布地 平安 近世 大和市 181 下鶴間城跡 下鶴間 727 付近 台地城館跡 中世 大和市 189 下鶴間甲一号 / 公所横穴群 下鶴間 105 付近 台地集落 やぐら 旧石器 古墳 奈良 平安 中世 大和市 20 相模野第 17/Y20 つきみ野 1-7 付近 台地集落 旧石器 大和市 204 上野 つきみ野 -15 付近 台地集落 旧石器 縄文 大和市 206 上野 / 相模野第 140/Y21 22 つきみ野 1- 付近 台地集落 旧石器 縄文 奈良 平安 大和市 207 相ノ原 / 相模野第 141 つきみ野 -28 付近 台地集落 旧石器 縄文 大和市 217 相模野第 19 つきみ野 1-8 付近 台地散布地 旧石器 -4-

11 1004 遺跡 1005 遺跡 694 遺跡 1001 遺跡 下鶴間甲一号遺跡 / 公所横穴群 ( 大和市 189 遺跡 ) 下鶴間甲一号遺跡 ( 大和市 1 遺跡 ) 神奈川県大和市 東京都町田市 721 遺跡 大和市 5 遺跡 大和市 6 遺跡 境川 695 遺跡 下鶴間城跡 ( 大和市 181 遺跡 ) 鶴間公園遺跡 ( 999 遺跡 ) 相ノ原遺跡 / 相模野第 141 遺跡 ( 大和市 207 遺跡 ) 鶴間の大塚 ( 697 遺跡 ) 大和市 10 遺跡 相ノ原遺跡 / 相模野第 18 遺跡 ( 大和市 12 遺跡 ) 大和市 9 遺跡 大和市 7 遺跡 1000 遺跡 上野遺跡 ( 大和市 204 遺跡 ) 相模野第 19 遺跡 ( 大和市 217 遺跡 ) 相模野第 17 遺跡 /Y20 ( 大和市 20 遺跡 ) 台山遺跡 ( 大和市 20 遺跡 ) 大和市 8 遺跡 大和市 2 遺跡 上野遺跡 / 相模野第 140 遺跡 /Y21 22 ( 大和市 206 遺跡 ) 大和市 22 遺跡 大和市 0 遺跡 大和市 25 遺跡 0 200m S=1/10,000 第 図周辺の遺跡 (1/10,000) -5-

12 P P 第 2 章 第 1 節 調査の成果 基本層序 本調査地点は 前述の様に境川に向って傾斜する斜面地及び境川の東岸を形成する台地の縁辺部に位置する 従って 調査範囲の東側約 1/ は概ね平坦となるが 西側特に南西へ向って傾斜している 基本層序を見ると ほぼ現地形と同様の起伏を示す堆積状況であり 表土層以下 Ⅰ a 層 Ⅰ b 層 ( 古代遺物包含層 ) Ⅱ a 層 ( 縄文時代遺物包含層上部 ) Ⅱ b 層 ( 縄文時代遺物包含層下部 ) ローム漸移層 Ⅲ 層 ( ソフトローム層 ) が観察された 全体的に大規模な地形改変の痕跡は認められず 良好な遺存状態と言える 堆積土層のそれぞれの特徴は次の通りである A B C D E F G H 0 B B Ⅱa Ⅰb 表土 A A m Ⅰa 漸移層 Ⅰb Ⅱa Ⅱb Ⅲ A A C C B B m 2 号溝状遺構 表土 Ⅰa 表土 Ⅰb Ⅱa Ⅱb 漸移層 Ⅲ m m C C m D D Ⅰb Ⅱa Ⅰa 試掘トレンチ (1 次 -1) Ⅰa 撹乱 m m 縄文時代遺物包含層上層 ( 遺構検出面 ) における等高線 0 S=1/400 10m D 表土 Ⅰb 漸移層 Ⅱb Ⅲ D m m Ⅱa m Ⅱb Ⅲ 漸移層 m m 0 4m S=1/80 第 4 図基本層序 (1/80 1/400) -6-

13 表土層. 黒褐色土 (10YR/2) 締まり弱く 粒子粗い 根が多い Ⅰ a 層. 黒褐色土 (10YR/1) 締まり弱く 粒子極めて粗い ( 団粒状 ) Ⅰ b と似るが色調やや明るい Ⅰ b 層. 黒色土 (10YR2/1) 締まり弱く 粒子極めて粗い ( 団粒状 ) 古代遺物包含層 Ⅱ a 層. 黒褐色土 (10YR/2) 締まり弱く 粒子粗い 縄文時代遺物包含層上部 Ⅱ b 層. 暗褐色土 (10YR/) 締まり強く 粒子細かい 赤色スコリア微量含む 縄文時代遺物包含層下部 漸移層. 暗色土 (10YR4/4) 締まり強く 粒子細かい 暗褐色土 ローム混在 赤色スコリア微量含む ローム漸移層 Ⅲ 層. 黄褐色土 (10YR5/6) 締まり強く 粒子細かい 赤色スコリア少量含む ソフトローム層 第 2 節 発見された遺構と遺物 今回の調査において 古墳時代後期から奈良時代初頭の遺物を伴う竪穴住居跡 2 軒 (1 2 号住居跡 ) 溝状遺構 1 条 ( ) と これらの遺構と類似した覆土の特徴を持つ溝状遺構 1 条 (2 号溝状遺構 ) 道路状遺構 1 条 (1 号道路状遺構 ) 土坑 6 基 (1~6 号土坑 ) 小穴 5 基 (P1~5) の他 近世以降とみられる土坑 4 基 (7~ 10 号土坑 ) が発見された 遺物は土師器 49 点 須恵器 6 点 土製品 1 点 石製品 1 点 石器 1 点 金属類 2 点 炭化材 1 点 計 505 点が出土した 縄文時代遺物包含層 (Ⅱ a 層 ) 出土の石器 1 点 ( 磨石 ) の他は古墳時代から奈良時代の遺物であり これらの大半が1 2 号住居跡及びからの出土である 器種別で見ると 最も点数の多い土師器は 甕が主体で甑も見受けられたが 坏は僅かである 須恵器は高台坏 1 点の他は 小片のため不明である また 土製品は土製支脚 石製品は編物石と考えられ 金属類は素材 器種ともに不明である 1. 古墳時代 奈良時代 1 号住居跡 1 次試掘トレンチ1において西側部分が確認された遺構である E F 10 ~ 12 グリッドに位置し 東側は調査範囲外となる 2 号土坑 P1 2に切られる 北壁にカマドを有する また 遺構中央部に炉跡が カマドの正面にあたる南壁際に小穴 (1 号住居跡 P1) がそれぞれ検出された 平面形状は 確認し得た範囲では台形または不整方形を呈し 壁はほぼ垂直に立ち上がる 規模は東西.5 m 南北.6 m 以上 検出面からの深さは 40cm を測る 主軸方向はほぼ真北を示す 床面は隅部を除き硬化しており 中央付近はより顕著である また 僅かではあるが北西方向に緩傾斜する 周溝は カマド付近を除き全周する 幅は 8 ~ 12cm 床面からの深さは 11cm である 掘り方は 一部壁際を僅かに掘りこんだ痕跡が認められたが ほぼ素掘りと言える 覆土は 締まりが弱く粒子の粗い黒褐色土を主体とする 床面直上には部分的に炭化物を含んだ焼土の堆積が認められるが (7 層 ) 周囲に被熱の痕跡は見られないことから 遺棄された物と考えられる カマドは 左袖及び火床面の一部を除き と2 号土坑によって切られる 遺存する左袖は 白色粘土によって構築されるが 芯材等の構築材は発見されなかった 但し カマド掘り方の袖に相当する付近で同規模の小穴が東西に2 基検出されており 同位置でのカマドの造り替えが行な -7-

14 P2 P1 Y= Y= Y= Y= Y= A B C D E F G H Y= 号溝状遺構 Y= Y= Y= X= X= X= 撹乱 8 号土坑 X= X= 号土坑 4 1 号道路状遺構 X= 号土坑 P5 10 号土坑 4 号土坑 P4 2 号住居跡 5 号土坑 X= X= X= 号土坑 X= 撹乱 9 X= 号土坑 撹乱 10 X= P2 1 号住居跡 11 X= 試掘トレンチ (1 次ー 1) P1 P 12 X= 撹乱 1 X= 撹乱 14 X= 号土坑 15 X= X= 号土坑 17 X= X= X= X= X= 根による未掘部分 X= m S=1/200 第 5 図遺構配置図 (1/200) -8-

15 われた可能性がある また カマドの中央部分と想定される付近で顕著に被熱している範囲があり 火床面の痕跡と考えられる 炉跡は 中央部及び北西部が根によって撹乱される 平面形状は南北に長い楕円形を呈し 壁は緩やかに立ち上がる 底面はほぼ平坦である 規模は長軸 80cm 短軸 70cm 床面からの深さは 6cm を測る 部分的に被熱によるロームの赤化が認められ 覆土中に焼土ブロック 炭化物が混入する他 僅かながら粘土粒も認められた 小穴 (1 号住居跡 P1) は 平面形状が南北に長い楕円形を呈し 浅い碗状の断面形状をもつ 規模は長軸 4cm 短軸 1cm 床面からの深さは 10cm を測る 柱の痕跡は認められないが 位置関係から出入口施設の痕跡と推察される 遺物は 土師器 199 点 石製品 1 点 金属類 2 点が出土した 土師器甕または甑片が多くを占め 中でも胴部片が主体となるが 坏も僅かながら認められた 石製品は編物石 金属類は素材 器種ともに不明な小片が2 点出土している 以上の遺物の内 7 点を図示した ( 第 7 図 1~7) 1 2は丸底の坏で 2は口縁部と胴部の境に稜を有する ともに口縁部は横ナデ調整がなされ 胴部外面は1では指頭圧痕が 2ではヘラケズリ調整が施される また 2の内面は黒色処理が施されている は胴張型 4は長胴型の甕である 4は遺存状態から 胴部中位に最大径を有すると思われる 5は甕に分類したが 口縁部の形状を見ると甑の可能性がある 6は甑で 底部は筒抜け形状である 内面はヘラケズリによる面取り後 ヘラ磨きを施す 7の編物石は砂岩製である 本住居跡の遺物は 及び西側の試掘トレンチ部分を除き覆土全体に含まれ 遺物の総量に対して復元率が低いことから 遺棄ではなく廃棄された物であることが窺える また 甕及び甑片を見ると 調整痕や胎土について類似性が認められることから 時期差は余りないと思われる これらは鬼高系の特徴を持つが 坏 甕ともに相模型は見られないことから 相模型出現前の古墳時代後期にあたる7 世紀後半の所産と推察される 2 号住居跡 F~H6~8グリッドに位置する 遺構の西側の極一部が検出され 東側の大半は調査範囲外となる 9 号土坑に切られる 北側に底面が平坦で浅い掘り込みと 南西部分に西に溝状に延びる掘り込みが付帯する また 北側に小穴 (2 号住居跡 P1) が検出された 北側及び南西部分の掘り込みを除いた竪穴部分の平面形状は 方形または長方形を呈すると想定され 壁はやや外傾して立ち上がる 規模は東西 0.9 m 以上 南北.62 m 検出面からの深さは 5cm を測る 南北軸を主軸方向とすると 北から西へ 6 傾く 床面はほぼ全面硬化する 周溝は 南西部分の溝状の掘り込み付近を除き廻る 幅は 10 ~ 20cm 床面からの深さは 10cm である 掘り方は全面貼床で 北側と南側にそれぞれ拡張の痕跡が認められた 覆土は 締まりが弱く粒子の粗い黒褐色土が主体であり 1 号住居跡と類似している 北側の浅い掘り込みは 2 号住居跡とは異なる遺構と思われたが 覆土の観察によって堆積状況に連続性が認められたことから 付帯施設として捉えた 性格は不明である 確認し得た範囲では 平面形状は台形状を呈し 壁は緩く外傾して立ち上がる 底面はほぼ平坦だが 硬化はしていない 規模は東西 0.9 m 以上 南北 1.25 m 検出面からの深さは 21cm を測る 南西部分の溝状の掘り込みは 覆土に焼土が多く含まれていたことから 2 号住居跡の西カマドの -9-

16 76.400m B B 1 号住居跡土層説明 試掘トレンチ (1 次ー 1) 試掘トレンチ (1 次ー 1) P1 B B 2 号土坑 C C 根 調査試掘トレンチ 8 (1 次ー 1) D D 根 1 号住居跡炉跡 A A 撹乱 調査範囲外1 号住居跡 C 範囲外 7 11 C m Ⅱa Ⅰb A A m 撹乱 表土 1. 黒褐色土 (10YR/1) 締まり弱く 粒子粗い 褐色土混在 焼土粒中量含む 2. 黒褐色土 (10YR2/2) 締まり弱く 粒子粗い ローム粒少量 焼土粒微量含む. 黒色土 (10YR2/1) 締まり強く 粒子極めて粗い 焼土粒中量含む 4. 黒色土 (10YR1.7/1) 締まり極めて弱く 粒子粗い ローム粒少量含む 5. 黒褐色土 (10YR/2) 締まり強く 粒子細かい 褐色土及びロームブロック (φ10~20mm 大 ) 焼土粒少量含む 6. 褐色土 (10YR4/4) 締まり強く 粒子細かい 壁崩落土 7. 明赤褐色土 (2.5YR5/6) 締まり弱く 粒子細かい 焼土主体 8. にぶい黄褐色土 (10YR5/) 締まり強く 粒子細かい 粘土細粒主体 黒褐色土混在 9. 黒色土 (10YR2/1) 締まり強く 粒子極めて粗い 焼土粒中量 粘土粒少量含む 10. 褐色土 (10YR4/4) 締まり強く 粒子粗い 焼土粒少量 粘土粒微量含む 11. にぶい黄褐色土 (10YR4/) 締まり極めて強く 粒子細かい 粘土主体 焼土粒微量含む 12. 褐色土 (10YR4/6) 締まり強く 粒子細かい 黒褐色土 ローム混在 掘り方 D D m 土器 1 1 号住居跡 P1 土層説明 1. 黒褐色土 (10YR/1) 締まり強く 粒子細かい 焼土粒少量含む 粘土範囲 ( カマド袖 ) 被熱範囲焼土範囲硬化面範囲 0 2m S=1/ A A m B B カマド使用面 A A 2 号土坑 1 号住居跡カマド土層説明 1. 灰白色土 (10YR8/2) 締まり強く 粒子細かい 白色粘土 カマド左袖 2. 灰黄褐色土 (10YR5/2) 締まり強く 粒子やや粗い 暗褐色土 粘土混在 粘土ブロック (φ10~0mm 大 ) 少量含む. 橙色土 (2.5YR6/8) 締まり弱く 粒子極めて粗い 焼土主体 カマド火床面 4. にぶい黄褐色土 (10YR5/) 締まり弱く 粒子粗い 黒褐色土 褐色土混在 焼土粒 焼土ブロック (φ10~20mm 大 ) 多量 粘土粒微量含む 5. 黒色土 (10YR1.7/1) 締まり極めて弱く 粒子極めて粗い 焼土粒尾微量含む 旧カマドの灰層か? 6. 黒褐色土 (10YR/2) 締まり強く 粒子細かい 焼土粒微量 ロームブロック (φ10~20mm 大 ) 少量含む 7. にぶい黄褐色土 (10YR4/) 締まり強く 粒子細かい 黒色土 褐色土混在 ローム粒 ロームブロック (φ10~50mm 大 ) 多量含む A A 根 B B 根 炉跡 2 号土坑 A A m 焼土ブロック 1 カマド掘り方 A A 1 号住居跡炉跡土層説明 1. 暗褐色土 (10YR/4) 締まり強く 粒子細かい 焼土主体 焼土ブロック (φ10mm 大 ) 粘土粒 炭化物微量含む B B m 号土坑 0 1m S=1/0 第 6 図 1 号住居跡実測図 (1/0 1/60) -10-

17 cm S=1/ 第 2 表 1 号住居跡 出土土器観察表 第 7 図 1 号住居跡 出土遺物 (1/) 挿図番号図版番号出土位置器種寸法 (cm) 器形の特徴整形の特徴胎土焼成色調遺存度備考 第 7 図 1 第 7 図 2 第 7 図 第 7 図 4 第 7 図 5 第 7 図 6 第 7 図 1 図版 8 1 号住居跡 -1 図版 8 1 号住居跡 -2 図版 8 1 号住居跡 - 図版 8 1 号住居跡 -4 図版 8 1 号住居跡 -5 図版 8 1 号住居跡 -6 図版 号住居跡 1 号住居跡 1 号住居跡 1 号住居跡 1 号住居跡 1 号住居跡 土師器坏 土師器坏 土師器甕 土師器甕 ( 長胴形 ) 土師器甕 土師器甑 須恵器坏 口径 : 底径 : 器高 : 口径 : 底径 : 器高 : 口径 : 底径 : 器高 : 口径 : 底径 : 器高 : 口径 : 底径 : 器高 : 口径 : 底径 : 器高 : 口径 : 底径 : 器高 : (12.8) - - (11.8) - - (22.0) - - (24.0) - - (21.6) - - 丸底の底部より 体部は内湾気味に立ち上がり 口縁部はわずかに外反し 口唇部は丸くおさまる 口縁部外面 ~ 残存部内面は横ナデ 胴部外面は指頭圧痕 丸底気味の底部から体部下半で内側に口縁部外面は横ナデ 残存部内面は横屈曲し 口縁部はわずかに外反する 外方向のヘラ磨きの上から内底面には不整面口縁部と胴部の境界に稜線が巡る 口方向にヘラ磨き ヘラ磨きの上から黒色処縁部は肥厚して丸くおさまる 理 胴部外面は横位のヘラ削り 胴張形の胴部から 頸部は外側に大きく外反し 口縁部も外反 口唇部は丸くおさまる 胴部中位に最大径を有すると思われる 胴部上位はわずかに内傾して立ち上がり 口縁部は強く外反する 頸部から口縁部が大きく外反し 口唇部は丸くおさまる 底部内面のヘラ削りは明瞭に面取りを行 (27.4) う 胴部は上位に最大径を有し 垂直に (8.4) 立ち上がり 口縁部下で強く外反し 口唇 - 部は尖り気味におさまる - (10.0) - 第 表 1 号住居跡出土石製品観察表 底部は平坦 体部は斜め上方に直線的にのびる 貼り付け高台は断面三角形で下端部が外側に開く 肩部外面は横方向のヘラ削り 口縁部の内外面には横方向のナデ調整 内面胴部上位は木口状工具で横方向のナデ調整 口縁部内外面は横ナデ 胴部外面は縦位のヘラ削り 胴部内面は横位のヘラナデ 頸部外面は斜め上方にヘラ削り 口縁部の内外面には横ナデ調整 口縁部外面は横ナデ 胴部外面は縦位のヘラ削り 口縁部内面は横位のヘラ磨き 胴部内面は縦位 ~ 斜位のヘラ磨き 底部ヘラ削り 白色微粒少量 黒色微粒少量軟質 浅黄橙色 5% 白色微粒雲母微粒少量良好明赤褐色 5% 白色微粒多量 赤色微粒少量良好 橙色 10% 雲母微粒少量 白色微粒多量赤色微粒少量良好小石少量 橙色 ~ にぶい赤褐色 5% 白色微粒多量 雲母微粒少量良好 明褐色 5% 白色微粒少量黒色微粒少量やや雲母微粒少量良好 橙色 ~ 明褐色 10% 白色微粒少量 砂粒少量 良好にぶい黄褐色 10% 寸法 (cm) 挿図番号 図版番号 出土位置 器種 石材 重量 (g) 遺存度 備考 長さ 幅 厚さ 第 7 図 7 図版 8 1 号住居跡 -7 1 号住居跡 編物石 砂岩 % 南壁際周溝覆土より出土 器面剥離する -11-

18 C 範囲外 試掘トレンチ (1 次ー 1) A A m 調 C C 試掘トレンチ (1 次ー 1) A A 査範1 号住居跡囲外7-1 5 土師器 (1 号住居跡 ) 金属類 (1 号住居跡 ) 石器 (1 号住居跡 ) 土師器 ( ) 須恵器 ( ) 調1 2 5 試掘トレンチ (1 次ー 1) 査C m 第 8 図 1 号住居跡 遺物分布図 (1/40) 0 2m S=1/40-12-

19 Ⅱa 号土坑 Ⅰb -1- 煙道部分と思われたが 底面に被熱の痕跡がなく 住居跡の床面及び壁面からは袖部や火床面等が認められなかった 住居跡掘り方における拡張の痕跡を踏まえると 旧カマドの可能性があるが 用途 性格ともに不明である 平面形状は東西に延びる溝状を呈し 浅い台形状の断面形状を持つ 規模は東西 1.0 m 南北 0.5 m 検出面からの深さは 10 ~ 20cm を測る 先端が ほぼ円形の小穴状に窪む 小穴 (2 号住居跡 P1) は 平面形状が円形を呈し 浅い碗状の断面形状をもつ 規模は径 26cm で 床面からの深さは 9cm を測る 遺物は 土師器 10 点 炭化材 1 点が出土した 土師器甕片が多くを占め 坏も僅かながら認められた 炭化材は 樹種はコナラ節だが用途は不明である 以上の遺物の内 5 点を図示した ( 第 10 図 1~5) 1は平坦気味の底部を持つ坏で 口縁部は横ナデ 胴部はヘラケズリ調整が施される 口縁部と胴部の境に稜を有する 相模型坏の特徴を持つ 2は長胴型の甕である 胴部中位に最大径を有する 底部は僅かに外反し 木葉痕と見られる痕跡が残る ナデ調整を主とするが 胴部内面は横位のハケメ調整が施される 相模型甕の特徴を持つ 12 1 A A 76.00m Ⅱb Ⅱa Ⅰb 表土 土器 19 A A C C B B 調査範囲外B 範囲外2 号住居跡 P1 B 76.00m B B C C m 調査範囲1 16 外12 17 A A 査範囲外C C 調2 号住居跡土層説明 1. 黒褐色土 (10YR2/2) 締まり強く 粒子極めて粗い ( 団粒状 ) 黄色粒子微量含む 2. にぶい黄褐色土 (10YR5/4) 締まり弱く 粒子粗い. 黒色土 (10YR1.7/1) 締まり弱く 粒子やや粗い 焼土粒 粘土粒 炭化物微量含む 4. 黒色土 (10YR2/1) 締まり弱く 粒子やや粗い 焼土粒 粘土粒少量含む 5. 黒褐色土 (10YR2/2) 締まり弱く 粒子細かい 6. 暗褐色土 (10YR/) 締まり強く 粒子細かい 褐色土ブロック (φ10~20mm 大 ) 少量含む 7. 黒褐色土 (10YR/2) 締まり弱く 粒子細かい 8. 暗褐色土 (10YR/) 締まり強く 粒子細かい 焼土粒 炭化物微量含む 9. 黒色土 (10YR2/1) 締まり弱く 粒子粗い 10. 暗褐色土 (10YR/) 締まり強く 粒子粗い 焼土粒 粘土粒微量含む 11. にぶい黄褐色土 (10YR5/4) 締まり強く 粒子やや粗い 粘土粒多量 焼土粒少量 炭化物微量含む 12. にぶい黄褐色土 (10YR5/) 締まり極めて強く 粒子細かい 黒色土 褐色土混在 ロームブロック (φ20~0mm 大 ) 少量含む 1. 黄褐色土 (10YR5/6) 締まり極めて強く 粒子細かい 褐色土 ローム混在 ロームブロック (φ20~0mm 大 ) 多量含む 14. 黒褐色土 (10YR2/2) 締まり強く 粒子細かい ロームブロック (φ50mm 大 ) 少量含む 15. 黒褐色土 (10YR/2) 締まり強く 粒子細かい ローム粒少量含む 16. にぶい黄褐色土 (10YR5/) 締まり強く 粒子細かい 黒色土 褐色土混在 ローム粒多量 ロームブロック (φ10~20mm 大 ) 少量含む 17. 明黄褐色土 (10YR6/6) 締まり強く 粒子やや粗い 褐色土 ローム混在 ローム粒 ロームブロック (φ10~0mm 大 ) 多量含む 18. 黒色土 (10YR2/1) 締まり弱く 粒子粗い 19. 暗赤褐色土 (2.5YR/2) 締まり弱く 粒子やや粗い 焼土粒 焼土ブロック (φ10mm 大 ) 多量含む 20. 暗褐色土 (10YR/) 締まり弱く 粒子細かい 焼土粒微量含む 21. 暗赤褐色土 (2.5YR/2) 締まり弱く 粒子粗い 焼土粒 焼土ブロック (φ10mm 大 ) 少量含む 第 9 図 2 号住居跡実測図 (1/60) 2 号住居跡 P1 土層説明 1. 黒褐色土 (10YR/1) 締まり強く 粒子細かい 焼土粒少量含む 0 2m S=1/60

20 cm S=1/ 第 10 図 2 号住居跡出土遺物 (1/) 第 4 表 2 号住居跡出土土器観察表 挿図番号図版番号出土位置器種寸法 (cm) 器形の特徴整形の特徴胎土焼成色調遺存度備考 第 10 図 1 第 10 図 2 第 10 図 第 10 図 4 第 10 図 5 図版 8 2 号住居跡 -1 図版 8 2 号住居跡 -2 図版 8 2 号住居跡 - 図版 8 2 号住居跡 -4 図版 8 2 号住居跡 -5 2 号住居跡 2 号住居跡 2 号住居跡 2 号住居跡 2 号住居跡 土師器坏 土師器甕 ( 長胴形 ) 土師器小型甕 土師器甕 ( 長胴形 ) 土師器甕 ( 胴張形 ) 口径 : 底径 : 器高 : 口径 : 底径 : 器高 : 口径 : 底径 : 器高 : 口径 : 底径 : 器高 : 口径 : 底径 : 器高 : (14.0) - - (2.2) (16.0) - - (22.8) - - (28.0) - - 平底気味の低部から体部が内湾気味に立ち上がり 口縁部は外反する 外面の口縁部と胴部の境界にわずかに稜線が巡る 口縁部外面 ~ 残存部内面は横ナデ 胴部外面は指頭圧痕 底部外面はヘラ削り 最大径を有する胴部上位 ( 推定 20.8cm ) は口縁部内外面は横ナデ 胴部外面はナ内傾しながら立ち上がり 口縁部下で強くデ調整 胴部内面は横位のハケメ調整 外反する 口縁部は断面 U 字形を呈する 長胴形と推定される 胴部上位は内傾しながら立ち上がり 口縁部下で強く外反し 口唇部は断面 U 字形を呈する 胴部中位に最大径を有する 胴部上位は内傾しながら立ち上がり 口縁部下で強く外反し 口唇部をわずかに上方に引き上げておさまる 胴部中位に最大径を有する ( 推定 2.2 cm ) 口縁部下ですぼまり外側に屈曲する 口縁部は外反する 口唇部は方形を呈する 口縁部内外面は横ナデ 胴部外面は縦位のヘラナデ 胴部内面は斜位のハケメ調整 口縁部内外面は横ナデ 胴部外面は縦位のヘラナデ 胴部内面は横位のハケメ調整 黒色微粒少量雲母微粒少量普通橙色 5% 相模型 黒色微粒少量雲母微粒少量砂粒少量小石少量砂質 良好 橙色 40% 相模型 底部を穿孔して甑として転用か 黒色微粒多量 雲母微粒少量良好 橙色 5% 相模型? 砂質 黒色微粒多量赤色微粒少量雲母微粒少量良好 黄橙色 10% 相模型? 砂質 口縁部内外面は横ナデ 肩部外面は横 白色微粒 位のヘラナデ 胴部外面は斜位のヘラナ黒色微粒 デ 肩部内面は横位のヘラナデ 胴部内 赤色微粒少量軟質にぶい黄橙色 40% 面は縦位のヘラナデ 雲母微粒少量 -14-

21 4は長胴型の甕である 遺存状態は芳しくないが 調整痕や胎土が2と類似する 5は胴張型の甕である 口縁部はナデ 肩から胴部は内外面ともにヘラナデ調整される 胎土は他に比べ軟質で脆い 本住居跡の遺物は覆土中位から床面直上にかけて含まれており 上位からの出土は寡少である また 床面直上からは5が潰れた状態で出土した 炭化材は 長さ約 0cm 幅約 10cm 厚さ約 5cm を測り 南西壁際の床面直上において出土している 2 4 等 層位を跨いで接合する遺物も見受けられることから 短期間の内に埋没したと考えられる 本住居跡の遺物の特徴として 相模型と見られる坏 甕が出土していることが挙げられる よって A A 76.00m 年代的には古墳時代終末期にあたる7 世紀末葉から8 1 査範囲外 4 土師器炭化材 世紀初頭の所産と推察される 調 A A B B C C 調査B 範囲外B 76.00m 2 5 S=1/40 調査範囲外0 2m 第 11 図 2 号住居跡遺物分布図 (1/40) -15-

22 1 次試掘トレンチ1において 西側の一部が確認された遺構である C~G6~ 1 グリッドに位置する 北西 南東方向に延びる溝が D E6 7グリッド付近で東西方向に屈曲し 西 東側は調査範囲外に至る 2 9 号土坑 P2 撹乱に切られ 1 号住居跡 4 号土坑を切る 屈曲部及びこれ以西において 小穴が6 基検出された また 本遺構の周囲において 覆土が類似した単独の小穴が5 基 (P1~5) 検出されている 配置に規格性が認められず 本遺構の付帯施設としての根拠が乏しいことから単独の小穴としたが これら以外に小穴は発見されておらず 関連遺構の可能性も視野に入れておきたい 溝状遺構の断面形状は概ね漏斗状を呈するが 調査範囲西壁付近では碗状となる 規模は確認長 16 m 以上 幅 1.4 m~ 1.8 m 検出面からの深さは 0 ~ 50cm を測る 底面は 南東から北西へ また 東から西へ向って傾斜する 標高値で見ると 調査範囲東壁際の南東部分が 75.7 m 調査範囲西壁際で mであり 比高差は 0.79 mとなる これは ほぼ地形に沿った傾きと言える 長軸方向は北西 南東方向に延びる部分は北から西へ 18 東西方向部分は北から西へ 171 傾く 覆土は 締まりが強く粒子の粗い黒色土が主体である 最下層は非常に硬く締まっているが 水流または道路 ( 通路 ) として利用された痕跡は認められなかった 小穴 ( P1 ~ P6) の内 P1 ~ P は形状 規模ともに類似している P4 ~ P6 は屈曲部分に集中しており 形状に統一性はみられない これらの検出面からの深さは 0. ~ 0.6 mである 本遺構周囲の小穴 (P1~5) は 平面形状が概ね径 0.4 ~ 0.5 mの円形を呈する 検出面からの深さに統一性は見られず P1は -0.2 m P2は -0.5 m Pは m P4 5は mとなる 覆土は粒子の粗い黒色または黒褐色が主体である 遺物は 土師器 116 点 須恵器 1 点が出土した これらのうち 須恵器 1 点を図示した ( 第 7 図 1 号溝状遺構 -1) 1は高台坏で 底部はヘラケズリ調整がなされ 高台は貼り付けである 胎土は緻密で良好な焼成だが 産地は不明である 土師器は甕片が主体である 遺物の大半が1 号住居跡を切る範囲で出土しており 他の部分では極めて少ない 土師器については1 号住居跡との接合関係もあり 時期的な差異が見受けられないものもある 主に小片であるため 詳細な検証には至らなかった しかし 本遺構底面付近で出土している1の須恵器高台坏の特徴を見ると 体部と底部の境に稜を有し 底部が平坦で高台の下に出ない 所謂出っ尻底ではないことから 1 2 号住居跡出土の遺物に比べやや新しい 奈良時代初頭から前半にあたる 8 世紀初頭から前半の所産と推察される 2. 古代 2 号溝状遺構 E~F0~1グリッドに位置する 東西方向に延びる溝状遺構と考えられるが 遺構の南側の極一部のみの検出となり 大半は調査範囲外となる 断面形状は漏斗状を呈する 規模は長さ. m 以上 幅 0.8 m 以上 検出面からの深さは 25cm を測る 底面は 東から西へ向って傾斜する 長軸方向はほぼ東西を示す 覆土は締まりが弱く粒子の粗い黒色及び黒褐色土を主体とする 遺物は出土していない -16-

23 調査範囲外A P1 P2 P Ⅰb Ⅱa B B m 試掘トレンチ (1 次ー 1) 8 D D m 1 号住居跡 10 号土坑 A A m E E 査範囲外1 号住居跡調根 表土 表土 Ⅰa 号土坑 7 撹乱 C C m 2 Ⅰa 1 号住居跡 Ⅰb Ⅱb P4 P5 P m 土層説明 1. 黒色土 (10YR2/1) 締まり強く 粒子極めて粗い ( 団粒状 ) 2. 黒褐色土 (10YR2/2) 締まり強く 粒子粗い 暗褐色土ブロック (φ10~20mm 大 ) 微量含む. 黒褐色土 (10YR2/) 締まり強く 粒子粗い 暗褐色土ブロック (φ10~20mm 大 ) 少量含む 4. 黒色土 (10YR2/1) 締まり極めて強く 粒子極めて細かい 2 号住居跡付近では焼土粒少量含む 5. 極暗赤褐色土 (2.5YR2/) 締まり強く 粒子やや粗い 焼土粒中量含む 6. 黒色土 (10YR2/1) 締まり弱く 粒子極めて粗い 7. 褐色土 (10YR4/4) 締まり弱く 粒子粗い 黒色土 褐色土混在 ロームブロック (φ10~0mm 大 ) 少量含む 8. 黒褐色土 (10YR/2) 締まり弱く 粒子やや粗い 褐色土混在 P5 B B 試掘トレンチ (1 次ー 1) 試掘トレンチ (1 次ー 1) P4 P2 撹乱 C C P2 E E P1 2 号土坑 P P1 撹乱 D D 調査A 範囲外0 2m S=1/60 第 12 図 実測図 (1/60) -17-

24 75.800m 範囲B B A A 外B B 根により未掘 調査範囲外 1 調査 A A m Ⅰa 表土 Ⅰb Ⅱa 2 号溝状遺構土層説明 1. 黒色土 (10YR1.7/1) 締まり弱く 粒子粗い 黄色粒子微量含む 2. 黒褐色土 (10YR2/2) 締まり弱く 粒子細かい 黄色粒子微量含む. 黒褐色土 (10YR2/) 締まり強く 粒子細かい ローム混在 m S=1/60 A A 第 1 図 2 号溝状遺構実測図 (1/60) 硬化面範囲サブトレンチ Ⅱa Ⅱb Ⅰa 4 5 表土 A A m 1 2 Ⅱb 漸移層 Ⅰa Ⅰb Ⅱa Ⅱb B B m 5 B B 1 号道路状遺構土層説明 1. 黒色土 (10YR2/1) 締まり弱く 粒子極めて粗い ( 団粒状 ) 黄色粒子微量含む 2. 黒褐色土 (10YR2/2) 締まり強く 粒子極めて粗い ( 団粒状 ) 黄色粒子微量含む. 黒色土 (10YR2/1) 締まり強く 粒子粗い 4. 黒色土 (10YR2/1) 締まり極めて強く 粒子細かい 下部に砂粒少量含む 硬化する 5. 黒褐色土 (10YR2/2) 締まり極めて強く 粒子細かい 硬化する 10 号土坑 0 2m S=1/60 第 14 図 1 号道路状遺構実測図 (1/60) 1 号道路状遺構北西 南東方向に延び 浅く窪んだ道路状遺構である D E2~5グリッドに位置する 北西側は調査範囲外となり 南東側は煙滅する また 北西方向に延びると推定される延長上には 2 次試掘トレンチ7で検出された硬化範囲があり これらは同一の遺構の可能性がある 10 号土坑に切られる -18-

25 断面形状は緩い弧状を呈する 規模は長さ 6. m 以上 幅 0.8 m~ 1.7 m 検出面からの深さは 2 ~ 1cm を測る 底面は 南東から北西へ向って傾斜している 長軸方向は北から西へ 18 傾く 硬化面範囲は 概ね幅 0 ~ 50cm を測り 中央部以南で二股に分かれる また 部分的ではあるが 窪みの外側にも硬化面範囲が及んでいる 覆土は締まりが弱く 粒子が極めて粗い黒褐色土が主体で 下部の2 層は硬化が顕著である 遺物は 硬化面直上で須恵器小片 1 点が出土している 1 号土坑 D グリッドに位置する 北西部分は根による未掘部分となる 平面形状は南北にやや長い不整方形で 断面形状はやや袋状を呈する 規模は長軸 1.6 m 以上 短軸 1.17 m 検出面からの深さは 80cm を測る 覆土は 層に分かれ 全体的に締まりが弱く粒子はやや粗い 遺物は出土していない 2 号土坑 F G 10 グリッドに位置する 北東部分を撹乱に切られ 及び1 号住居跡を切る 平面形状は東西にやや長い楕円形で 断面形状はコノ字状を呈する 規模は長軸 1.55 m 以上 短軸 1.1 m 検出面からの深さは 8cm を測る 覆土は 層に分かれ 概ね締まりが強く粒子はやや粗い 1 層はロームブロックをやや多く含んでおり 色調が明るい 遺物は 土師器 5 点 土製支脚 1 点が出土し 土製支脚 ( 第 16 図 2 号土坑 -1) を図示した 1は 一方の端部が欠損し 他方の端部は平坦で その面の中央付近に刺突痕が見られる この端部から残像する中央部にかけて被熱しており 煤が付着することから 刺突痕がある端部が上位であると思われる また 表面はヘラケズリによる調整が施される 出土した土師器は小片であり 土製支脚は覆土上層から出土しているため 遺構の年代を推定することは困難である 号土坑 F8 9グリッドに位置する 西側をに切られる 平面形状は不整方形 断面形状はコノ字状を呈すると見られる 規模は東西 0.7 m 以上 南北 0.8 m 検出面からの深さは 17cm を測る 覆土は単層で 締まりが強く粒子はやや粗い 遺物は出土していない 4 号土坑 E7グリッドに位置する 西側をに切られる 平面形状は円形または楕円形 断面形状はやや袋状を呈すると見られる また 底面に長楕円形を呈する浅い窪みがある 規模は東西 0.8 m 以上 南北 0.8 m 以上 検出面からの深さは 44cm を測る 覆土は4 層に分かれる 1 層は締まりが弱く2 層は強いが ともに粒子はやや粗い 4 層は締まりが強く粒子が細かい 最下層の 層には ロームブロックが多量混入する 遺物は出土していない 5 号土坑 G7グリッドに位置する 東側の大半が調査範囲外となる 2 号住居跡の覆土を切る 平面形状は -19-

26 方形または楕円形 断面形状はコノ字状を呈すると見られる 規模は東西 0. m 以上 南北 1.2 m 以上 検出面からの深さは 17cm を測る 覆土は単層で 締まりが弱く粒子はやや粗い 遺物は出土していない 6 号土坑 G H 4グリッドに位置する 平面形状は楕円形で 断面形状はやや起伏のある浅いコノ字状を呈する 規模は長軸 1. m 短軸 1.0 m 検出面からの深さは 25cm を測る 覆土は単層で 黒色土を主体とする 他の土坑と比べ 色調がやや暗い 締まりが弱く粒子は細かい 遺物は出土していない 根により未掘 A A A A A A 撹乱 A A m A A m A A m 1 根 2 撹乱 号土坑土層説明 1. 暗褐色土 (10YR/) 締まり弱く 粒子やや粗い ローム粒中量含む 2. 褐色土 (10YR4/4) 締まり弱く 粒子やや粗い ロームブロック (φ10mm 大 ) 多量含む. 黒褐色土 (10YR2/2) 締まり弱く 粒子やや粗い 1 号土坑 2 号土坑土層説明 1. にぶい黄褐色土 (10YR4/) 締まり強く 粒子やや粗い ロームブロック (φ10mm 大 ) 中量含む 2. 暗褐色土 (10YR/4) 締まり強く 粒子粗い ロームブロック (φ10~0mm 大 ) 微量含む. 黒褐色土 (10YR/1) 締まり強く やや粗い ローム粒少量含む 2 号土坑 号土坑土層説明 1. 黒褐色土 (10YR2/2) 締まり強く 粒子やや粗い 褐色土混在 ロームブロック (φ10mm 大 ) 少量含む 号土坑 A A 調査範囲外 A A A A 表土 A A m A A 76.00m 1 2 号住居跡 A A 76.00m 1 4 号土坑土層説明 1. 黒褐色土 (10YR2/) 締まり弱く 粒子やや粗い 黄色粒子極微量含む 2. 黒褐色土 (7.5YR2/2) 締まり強く 粒子やや粗い. 黒色土 (10YR1.7/1) 締まり強く 粒子細かい ロームブロック (φ10mm 大 ) 多量含む 4. 暗褐色土 (10YR/) 締まり強く 粒子細かい 黄色粒子極微量含む 4 号土坑 5 号土坑土層説明 1. 黒褐色土 (10YR2/2) 締まり弱く 粒子やや粗い 黄色粒子微量含む 5 号土坑 第 15 図 1~6 号土坑実測図 (1/60) 6 号土坑土層説明 1. 黒色土 (10YR1.7/1) 締まり弱く 粒子細かい 6 号土坑 0 2m S=1/60. 近世以降 7 号土坑 E F グリッドに位置する 東部分を撹乱に切られる 平面形状は楕円形で 南側に浅い掘り込みを持つ 断面形状は碗形を呈する 規模は東西 1.5 m 以上 南北 1.7 m 検出面からの深さは 7cm を測る 覆土は4 層に分れるが 概ね表土の類似し 1~ 層は褐色土及びロームブロック -20-

27 を多量に含んでいる 4 層は褐灰色土を主体とし 他の層に比べ締まりが弱い 遺物は土師器小片が2 点出土している 8 号土坑 G H2 グリッドに位置する 平面形状は楕円形で 断面形状は皿形を呈する 規模は長軸 1.4 m 短軸 1.18 m 検出面からの深さは 12cm を測る 覆土は単層で 表土と類似する 遺物は出土していない 9 号土坑 C6 7グリッドに位置する 北西部分は調査範囲外となる を切る 平面形状は不整形で 断面形状は起伏のあるコノ字状を呈する 規模は長軸 2.1 m 以上 短軸 1.2 m 検出面からの深さは 17cm を測る 覆土は2 層に分れ ローム塊が覆土上部に堆積する この様な平 断面の形状や覆土の堆積状況や 斜面地に位置することから 倒木痕と考えられる 撹乱 A A A A A A m 撹乱 2 1 A A 76.00m 号土坑土層説明 1. 黒褐色土 (10YR/2) 締まり強く 粒子粗い ロームブロック (φ10mm 大 ) 多量含む 2. 黒色土 (10YR2/1) 締まり強く 粒子粗い 暗褐色土ブロック (φ10~0mm 大 ) 多量含む. 黒褐色土 (10YR/1) 締まり強く 粗い ローム粒 ロームブロック (φ10~0mm 大 ) 多量含む 4. 褐灰色土 (10YR4/1) 締まり弱く 粒子やや粗い 7 号土坑 8 号土坑土層説明 1. 黒褐色土 (10YR2/2) 締まり強く 粒子極めて粗い ( 団粒状 ) 黄色粒子微量含む 8 号土坑 調査範囲外 A A A A A A m A A m 号土坑土層説明 1. 黒褐色土 (10YR2/) 締まり極めて弱く 粒子極めて粗い ローム粒少量含む 2. にぶい黄褐色土 (10YR5/4) 締まり強く 粒子極めて粗い 褐色土ブロック ロームブロック (φ50mm 大 ) 主体 粒子の粗い黒色土微量含む 9 号土坑 10 号土坑土層説明 1. 黒色土 (10YR1.7/1) 締まり弱く 粒子粗い ローム粒少量含む 2. 褐色土 (10YR4/4) 締まり強く 粒子粗い 黒色土 褐色土混在 ローム粒少量含む. 黄褐色土 (10YR5/8) 締まり強く 粒子細かい ローム主体 ロームブロック (φ10~0mm 大 ) 多量含む 10 号土坑 0 2m S=1/60 第 16 図 7~ 10 号土坑実測図 (1/60) -21-

28 遺物は出土していない 10 号土坑 D E5 6グリッドに位置する 1 号道路状遺構を切る 平面形状はくノ字形で 断面形状は起伏の激しいコノ字状を呈する 規模は長軸 1.62 m 短軸 0.9 m 検出面からの深さは 0cm を測る 覆土は 層に分れるが ローム塊が覆土上部に堆積する等 9 号土坑と類似している 遺構の形状や覆土の堆積状況から 9 号土坑と同様 倒木痕と考えられる 遺物は土師器 点 須恵器が1 点出土している いずれも小片である 4. 遺構外出土遺物 Ⅱ a 層 ( 縄文時代遺物包含層上部 ) から石器 1 点と 表土及び撹乱から 土師器 点 須恵器 点が出土した これらのうち 縄文時代の物と思われる石器を図示した ( 第 16 図遺構外 -1) 第 16 図遺構外 -1は閃緑岩製の磨石である 両平坦面が磨耗し 残存する端部には打痕が残る 出土した地点及びその周囲では 遺構は検出されなかった 土師器 須恵器は全て小片で 詳細な観察には至らなかった 遺構外 -1 煤 2 号土坑 cm S=1/ 第 17 図 2 号土坑 遺構外出土遺物 (1/) 第 5 表 2 号土坑出土土製品観察表 挿図番号 第 16 図 2 号土坑 -1 図版番号 図版 8 2 号土坑 -1 出土位置 器種 寸法 (cm) 長さ径 重量 (g) 胎土 焼成 2 号土坑土製支脚 (11.6) 白色粒子少量良好赤橙色不明平坦な頂部の中央付近に刺突 残存部上半には煤付着 色調 遺存度 備考 第 6 表遺構外出土石器観察表 寸法 (cm) 挿図番号 図版番号 出土位置 器種 石材 重量 (g) 遺存度 備考 長さ 幅 厚さ 第 16 図遺構外 -1 図版 8 遺構外 -1 F14グリッド 磨石 閃緑岩 (5.8) % 両平坦面磨耗 端部打痕あり Ⅱa 層より出土 -22-

29 第 章 第 1 節 自然科学分析 鶴間公園遺跡出土炭化材の樹種同定 黒沼保子 ( パレオ ラボ ) 1. はじめに町田市に所在する鶴間公園遺跡から出土した炭化材の樹種同定を行った なお 同じ試料を用いて放射性炭素年代も行われている ( 放射性炭素年代測定の項参照 ) 2. 試料と方法試料は 古墳時代後期 ~ 奈良時代の遺構と考えられている2 号住居跡から出土した炭化材である 樹種同定に先立ち 肉眼観察と実体顕微鏡観察による形状の確認と 残存年輪数および残存径の計測を行った その後 カミソリまたは手で 断面 ( 横断面 接線断面 放射断面 ) を割り出し 直径 1cm の真鍮製試料台に試料を両面テープで固定した 次に イオンスパッタで金コーティングを施し 走査型電子顕微鏡 (KEYENCE 社製 VE-9800) を用いて樹種の同定と写真撮影を行った. 結果樹種同定の結果 試料は広葉樹のコナラ属コナラ節 ( 以下 コナラ節 ) であった 形状は半割状で 直径は 4.5cm 残存年輪数は5 年輪であった 以下に 同定根拠となった木材組織の特徴を記載し 走査型電子顕微鏡写真を図版に示す (1) コナラ属コナラ節 Quercus sect. Prinus ブナ科第 18 図 1a-1c 大型の道管が年輪のはじめに1 列程度並び 晩材部では薄壁で角張った小道管が火炎状に配列する環孔材である 軸方向柔組織はいびつな線状となる 道管の穿孔は単一である 放射組織は同性で 単列と広放射組織の2 種類がある コナラ節は暖帯から温帯下部に分布する落葉高木で カシワとミズナラ コナラ ナラガシワがある 材は全体的に重硬で 加工困難である 第 7 表樹種同定結果 遺構 樹種 形状 サイズ 年輪数 年代測定番号 2 号住居跡 コナラ属コナラ節 半割 直径 4.5cm 5 年輪残存 PLD 考察古墳時代後期 ~ 奈良時代の遺構と考えられている2 号住居跡から出土した炭化材はコナラ節であった 器種は不明である コナラ節の材は重硬および強靭で 建築材や器具材 燃料材など多用途に利用されている 南関東において古墳時代末期 ~ 平安時代の竪穴住居跡から出土した炭化材では クヌギ節が多く クリとコナラ節も比較的多く確認されている ( 伊東 山田編,2012) クヌギ節やコナラ節は二次林的な要素が強く 集落の周辺に多く生育していたと考えられる 参考 引用文献平井信二 (1996) 木の大百科.94p, 朝倉書店. 伊東隆夫 山田昌久編 (2012) 木の考古学 - 出土木製品用材データベース-.449p, 海青社. -2-

30 1a-1c. コナラ属コナラ節 (2 号住居跡 ) a: 横断面 b: 接線断面 c: 放射断面 第 18 図鶴間公園遺跡出土炭化材の走査型電子顕微鏡写真 第 2 節 放射性炭素年代測定 パレオ ラボ AMS 年代測定グループ伊藤茂 安昭炫 佐藤正教 廣田正史 山形秀樹 小林紘一 Zaur Lomtatidze 黒沼保子 1. はじめに町田市の鶴間公園遺跡から出土した試料について 加速器質量分析法 (AMS 法 ) による放射性炭素年代測定を行った 2. 試料と方法試料は 2 号住居跡から出土した炭化材である 直径 4.5cm の半割状で 5 年輪が残存していた 最終形成年輪は残っていなかったが 辺材付近は残存していた 調査所見によると 遺構の時期は古墳時代後期 ~ 奈良時代と推測されている 測定試料の情報 調製データは表 8のとおりである 試料は調製後 加速器質量分析計 ( パレオ ラボ コンパクト AMS:NEC 製 1.5SDH) を用いて測定した 得られた 14 C 濃度について同位体分別効果の補正を行った後 14 C 年代 暦年代を算出した 第 8 表測定試料および処理 測定番号遺跡データ試料データ前処理 PLD 号住居跡 種類 : 炭化材 ( コナラ属コナラ節 ) 試料の性状 : 最終形成年輪以外 ( 辺材 ) 試料の形状 : 半割 ( 直径 4.5cm 5 年輪残存 ) 状態 :dry 超音波洗浄有機溶剤処理 : アセトン酸 アルカリ 酸洗浄 ( 塩酸 :1.2N, 水酸化ナトリウム :1.0N, 塩酸 :1.2N). 結果表 9に 同位体分別効果の補正に用いる炭素同位体比 (δ 14 C) 同位体分別効果の補正を行って暦年較正に用いた年代値と較正によって得られた年代範囲 慣用に従って年代値と誤差を丸めて表示した 14 C 年代 暦年較正結果を 図 19 に暦年較正結果をそれぞれ示す 暦年較正に用いた年代値は下 1 桁を丸めていない値であり 今後暦年較正曲線が更新された際にこの年代値を用いて暦年較正を行 -24-

31 うために記載した 14C 年代は AD1950 年を基点にして何年前かを示した年代である 14 C 年代 (yrbp) の算出には 14 C の半減期として Libby の半減期 5568 年を使用した また 付記した 14 C 年代誤差 (± 1 σ) は 測定の統計誤差 標準偏差等に基づいて算出され 試料の 14 C 年代がその 14 C 年代誤差内に入る確率が 68.2% であることを示す なお 暦年較正の詳細は以下のとおりである 暦年較正とは 大気中の 14 C 濃度が一定で半減期が 5568 年として算出された 14 C 年代に対し 過去の宇宙線強度や地球磁場の変動による大気中の 14 C 濃度の変動 および半減期の違い ( 14 C の半減期 570 ± 40 年 ) を較正して より実際の年代値に近いものを算出することである 14C 年代の暦年較正には OxCal4.2( 較正曲線データ :IntCal1) を使用した なお 1 σ 暦年代範囲は OxCal の確率法を使用して算出された 14 C 年代誤差に相当する 68.2% 信頼限界の暦年代範囲であり 同様に 2 σ 暦年代範囲は 95.4% 信頼限界の暦年代範囲である カッコ内の百分率の値は その範囲内に暦年代が入る確率を意味する グラフ中の縦軸上の曲線は 14 C 年代の確率分布を示し 二重曲線は暦年較正曲線を示す 第 9 表放射性炭素年代測定および暦年較正の結果 測定番号 δ 1 C ( ) 暦年較正用年代 (yrbp±1σ) 14 C 年代 (yrbp±1σ) 14 C 年代を暦年代に較正した年代範囲 1σ 暦年代範囲 2σ 暦年代範囲 PLD ± ±20 145± cal AD (68.2%) cal AD (95.4%) 4. 考察 2 号住居跡から出土した炭化材 (PLD-4169) は 2 σ 暦年代範囲で cal AD (95.4%) で 7 世紀中頃 ~ 末の暦年代を示した これは飛鳥時代に相当する 測定結果は 調査所見による遺構の推定時期である古墳時代後期 ~ 奈良時代に対して整合的であった 木材の場合は 最終形成年輪部分を測定すると枯死もしくは伐採年代が得られるが 内側の年輪を測定すると内側であるほど古い年代が得られる ( 古木効果 ) 今回の試料は 最終形成年輪が残存していなかったが 辺材であったため 伐採された年代に近い年代を示していると考えられる 参考文献 Bronk Ramsey, C. (2009) Bayesian Analysis of Radiocarbon dates. Radiocarbon, 51(1), 中村俊夫 (2000) 放射性炭素年代測定法の基礎. 日本先史時代の 14C 年代編集委員会編 日本先史時代の 14C 年代 :-20, 日本第四紀学会. Reimer, P.J., Bard, E., Bayliss, A., Beck, J.W., Blackwell, P.G., Bronk Ramsey, C., Buck, C.E., Cheng, H., Edwards, R.L., Friedrich, M., Grootes, P.M., Guilderson, T.P., Haflidason, H., Hajdas, I., Hatte, C., Heaton, T.J., Hoffmann, D.L., Hogg, A.G., Hughen, K.A., Kaiser, K.F., Kromer, B., Manning, S.W., Niu, M., Reimer, R.W., Richards, D.A., Scott, E.M., Southon, J.R., Staff, R.A., Turney, C.S.M., and van der Plicht, J.(201) IntCal1 and Marine1 Radiocarbon Age Calibration Curves 0 50,000 Years cal BP. Radiocarbon, 55(4),

32 第 19 図暦年較正結果 第 節 鶴間公園遺跡出土の炭化材の保存処理 米田恭子 ( パレオ ラボ ) 1. はじめに鶴間公園遺跡の古墳時代後期 ~ 奈良時代の住居跡から出土した炭化材の保存処理を行った なお 同一試料については樹種同定と放射性炭素年代測定も行われている ( 別項参照 ) 2. 資料と方法資料は 2 号住居跡から出土した炭化材 1 点である 保存処理前の資料の法量は 長さ約 16.0cm 幅は 5.0 cmほどであった 放射性炭素年代測定の結果 飛鳥時代に相当する暦年代範囲を示した ( 別項参照 ) 資料の炭化材は乾燥による亀裂が生じており 状態を保ったまま取り上げるのは困難であった そこで まず資料全体にパラロイド B72 の 9% アセトン溶液を筆で十分に含浸させた 次に付着した土壌を取り除き 資料を自然乾燥させて パラロイド B72 の 40% アセトン溶液を用いて可能な限り接合を試みた なお パラロイド B72 はアクリル合成樹脂で 優れた接着性能と凝集性能を持つ 濃度が濃いために試料の表面に浮き出た溶液は 筆を用いてアセトンで拭き取った また 保存処理を施した後 再度計測を行った. 結果保存処理後の法量は 長さ 11.8 cm 幅.4cm 厚さ 1.7 cmであった 今回の保存処理は 資料を -26-

33 強固に固化したわけではないないため 取り扱いには十分な注意が必要である なお 保存処理済みの資料の保管については 直射日光を避け 温度および湿度が比較的一定な暗所に置くのが望ましい また資料は湿気を吸いやすいため 定期的に状態を観察する必要がある 1. 保存処理前 2. 保存処理後 第 20 図鶴間公園遺跡出土の炭化材と保存処理後の写真 第 4 節 鶴間公園遺跡出土遺物の X 線透過撮影 竹原弘展 ( パレオ ラボ ) 1. はじめに鶴間公園遺跡より出土した不明遺物について X 線透過撮影を行った 2. 試料と方法対象となる遺物は 1 号住居跡より出土した不明遺物で 時期は古墳時代後期 ~ 奈良時代とみられている 撮影には X 線透過検査装置 ( リガク製ラジオフレックス 200EGM2) を使用した 撮影条件は管電圧 : 70kV 管電流:5mA 照射時間:15 秒間 ( 平面 )/ 0 秒間 ( 立面 ) 照射距離:0.75m である 撮影 -27-

34 媒体にはイメージングプレート ( 富士フイルム製 ST-VI) を使用し IP スキャナー ( リガク製 CR- 1012) で 25 μ m ピッチ (1000dpi 相当 ) で読み取った. 結果シャープ処理した X 線透過画像を第 21 図に示す 撮影では 鉄製品と決定的に判断できるような形状は観察されず 製品なのか 錆の塊などなのか 判断は難しい なお いずれも磁石にはほとんどつかないため 少なくとも内部に金属鉄が多く残っている という状態ではないといえる 第 21 図 X 線透過画像 -28-

35 第 4 章 まとめ 1. 調査の成果本調査において検出された遺構は 竪穴住居跡 2 軒 (1 2 号住居跡 ) 溝状遺構 2 条 (1 2 号溝状遺構 ) 道路状遺構 1 条 (1 号道路状遺構 ) 土坑 10 基 (1~ 10 号土坑 ) 小穴 5 基 (P1~5) である 出土遺物は土師器 49 点 須恵器 6 点 土製品 1 点 石製品 1 点 石器 1 点 金属類 2 点 炭化材 1 点 計 505 点である 器種別で見ると 土師器は甕胴部片が多く 坏等の他器種は非常に少ない 須恵器は高台坏が1 点見られたが 他は小片のため不明である 土師器 須恵器は古墳時代から奈良時代の遺物であり 年代的に古墳時代後期 (7 世紀後半 ) 古墳時代終末期 (7 世紀末葉から8 世紀初頭 ) 奈良時代初頭から前半(8 世紀初頭から前半 ) の 時期に分けることが出来る これらの大半が1 2 号住居跡及びから出土しており それぞれの遺物出土状況から 1 号住居跡は古墳時代後期 2 号住居跡は古墳時代終末期 は奈良時代初頭から前半に位置付けられる また 2 号住居跡からは初期の相模型土師器 ( 坏 甕 ) が出土している 1 2 号住居跡は 西方の境川へ向って下がり始める台地の縁辺に構築されているが はこの縁辺を南北方向に延び 西へ屈曲して斜面を下る構造である この 遺構の検出状況を見ると 1 号住居跡と2 号住居跡 2 号住居跡とはそれぞれ重複せず 1 号住居跡とは溝状遺構が住居跡を壊して構築されている これらは前述の様に出土遺物の年代に若干の差異が認められ 1 号住居跡 2 号住居跡 の順に古くなる また 1 号住居跡とについては 出土遺物に年代差があることと検出された状況が整合する これにより この 遺構には相関関係が認められず 同時期に存在していなかったと考えられる 次に 1 号道路状遺構について触れておく この遺構は の南北方向とほぼ同一の主軸方向を持ち 台地上へ向かって二股に分かれる 出土遺物が須恵器の小片 1 点のみであり の北側において煙滅するため詳細が不明であり との時期的な差異も定かではないが この様な位置関係を見ると これらは台地上の土地利用における何らかの区画を示す遺構であるかもしれない 更にこの1 号道路状遺構は 高台の居住域と低地を結ぶ生活道路としての性格を持つのではないか 2. 境川流域における古代遺跡の様相本調査地点が位置する相模野台地は 東の多摩丘陵と西の相模川低地に挟まれている また 本調査地点のすぐ西側を流れる境川が台地を刻み 低地を形成している 境川は 神奈川県城山湖付近を源流としており 上流から中流域は都県境を東流 中流域より神奈川県内を南流し相模湾へ至る 本調査地点はその中流域にあたる 境川流域では 旧石器時代から近世に及ぶ多くの遺跡が周知されている 今回調査対象となった鶴間公園遺跡 ( 町田市 999 遺跡 ) は 古墳時代から平安時代にかけての包蔵地として周知されていたが 本調査により古墳時代後期から奈良時代初頭の住居跡等が発見され この時期の集落が存在することが明らかとなった 古代における境川流域の遺跡分布に注目すると 古墳時代後期に位置付けられる遺跡は上流域の北岸に 都内で最大規模となる前庭部と羨門周辺の前庭部奥壁 側壁に河原石が石垣状に積上げられた全国的に類例の少ない構造を持ち 1 基のみ単独で発見された多摩ニュータウン 1 遺跡 1 号横穴 -29-

36 墓 ( 久保ヶ谷横穴墓 ) や 忠生根岸山横穴墓群 ( 以上東京都町田市 ) 南岸の春林横穴群 御所之入横穴群 古淵横穴群 ( 以上神奈川県相模原市 ) 中流域では南岸の浅間神社西側横穴古墳群 公所横穴群 ( 以上神奈川県大和市 ) 等の墓域が点在する他 集落跡は上流域北岸の武蔵岡遺跡や相原坂下遺跡 多摩ニュータウン 遺跡 ( 以上東京都町田市 ) 多摩ニュータウン 27 遺跡 ( 東京都町田市 八王子市 ) 中流域では南岸の下鶴間甲一号遺跡( 神奈川県大和市 ) がある また 境川流域ではないが 本遺跡の北側には多摩丘陵の裾部を流れる恩田川流域に なすな原遺跡 ( 東京都町田市 ) が存在する しかし 総じて古墳時代後期の発見例は僅かであり 遺跡の主体は奈良 平安時代となる この様に 境川流域において奈良時代以降の遺跡が増加することについて 米川仁一氏は 木曽森野遺跡 Ⅲ 歴史時代編 2 遺跡の歴史的環境 の中で 谷や丘陵が入り組む起伏の激しい地形に制約され 在地勢力の力では困難であった大規模な開発行為が 大和朝廷による支配体制の強化によって円滑に進んだとする可能性を指摘している. おわりに本調査で発見された遺構や遺物は寡少であり 集落跡の一端を捉えるに留まった しかし 古墳時代後期から奈良時代に至る変遷を示す資料を得られたことは 成果と言えるであろう また 境川はその名の通り都県境を流れており 往時も 武蔵国 と 相模国 の境を成していた 本調査地点はその区分上 武蔵国の範囲となるが 相模型土師器の出土により 境川対岸の相模域の影響を受けていたことが窺える 本調査の成果が これまで少ないとされていた 古墳時代後期の集落跡についての検討に資することを願うとともに 更なる検証が進むことを期待する 引用 参考文献 上野遺跡第 6 地点発掘調査団 1994 月見野遺跡群上野遺跡第 6 地点発掘調査報告書 相模原市調査団 1986 橋本遺跡 Ⅷ 歴史時代編 相模原市古淵 B 遺跡発掘調査団 1990 古淵 B 遺跡 下鶴間甲一号遺跡調査団 1991 下鶴間甲一号遺跡 東京都埋蔵文化財センター 1999 多摩ニュータウン遺跡 遺跡 東京都埋蔵文化財センター調査報告 第 58 集 東京都埋蔵文化財センター 1999 多摩ニュータウン遺跡 918 遺跡 東京都埋蔵文化財センター調査報告 第 61 集 東京都埋蔵文化財センター 200 多摩ニュータウン遺跡 1 遺跡 東京都埋蔵文化財センター調査報告 第 129 集 東京都埋蔵文化財センター 2009 中田遺跡 東京都埋蔵文化財センター調査報告 第 21 集 鶴間正昭 2008 南武蔵 相模の土器様相からみた地域間交流 国士舘大学考古学研究室 40 周年記念シンポジウム 古代 社会と地域間交流 土師器からみた関東と東北の様相 国士舘大学考古学研究会 なすな原遺跡調査会 1996 なすな原遺跡 2 地区調査 町田市木曽森野地区遺跡調査会 1989 木曽森野遺跡 歴史時代編 町田市木曽森野地区遺跡調査会 1995 木曽森野遺跡 Ⅲ 歴史時代編 2 大和市教育委員会 1978 浅間神社西側横穴古墳群発掘調査報告書 大和市教育委員会 1990 大和市文化財調査報告書 第 8 集 相ノ原遺跡第 Ⅰ 地点 第 Ⅱ 地点 第 Ⅲ 地点 第 Ⅳ 地点 第 Ⅴ 地点 大和市教育委員会 1994 大和市文化財調査報告書 第 58 集 月見野遺跡群上野遺跡第 地点第 2 次調査 大和市 株式会社盤古堂 2010 上野遺跡 第 2 次調査 -0-

37 写真図版

38 図版 1 1. 調査地樹木伐採前 ( 北から ) 2. 樹木伐採作業風景 ( 北から ). 樹木搬出作業風景 ( 南西から ) 4. 調査地樹木伐採終了 ( 北から ) 5. A 区重機掘削 ( 西から ) 6. B 区重機掘削 ( 北東から ) 7. A 区調査風景 ( 北西から ) 8. B 区調査風景 ( 西から )

39 図版 2 1. A 区遺構検出状況 ( 北から ) 2. B 区遺構検出状況 ( 南から ). 1 号住居跡使用面全景 ( 南から ) 4.1 号住居跡掘り方全景 ( 南から ) 5. 1 号住居跡南北断面 ( 西から ) 6. 1 号住居跡東西断面 ( 南から ) 7. 1 号住居跡遺物出土状況 ( 北西から ) 8. 1 号住居跡遺物出土状況 ( 北から )

40 図版 1. 1 号住居跡カマド使用面全景 ( 南から ) 2. 1 号住居跡カマド掘り方全景 ( 南から ). 1 号住居跡カマド南北断面 ( 西から ) 4.1 号住居跡カマド東西断面 ( 南から ) 5. 1 号住居跡炉跡全景 ( 西から ) 6. 1 号住居跡炉跡南北断面 ( 西から ) 7. 1 号住居跡 P 1 南北断面 ( 西から ) 8. 1 号住居跡調査風景 ( 北西から )

41 図版 号住居跡検出状況 ( 南から ) 2. 2 号住居跡使用面全景 ( 南から ). 2 号住居跡掘り方全景 ( 南から ) 4.2 号住居跡 5 号土坑南北断面 ( 西から ) 5. 2 号住居跡東西断面 ( 南から ) 6. 2 号住居跡 P 1 東西断面 ( 北から ) 7. 2 号住居跡遺物出土状況 ( 南西から ) 8. 2 号住居跡遺物出土状況 ( 東から )

42 図版 5 1. 完掘全景 ( 北西から )) 2. 完掘全景 ( 南から ). A-A' 断面 ( 東から ) 4. B-B' 4 号土坑断面 ( 南から ) 5. 2 号溝状遺構完掘全景 ( 西から ) 6. 2 号溝状遺構東西断面 ( 南から ) 7. 1 号道路状遺構硬化面範囲検出状況 ( 南東から ) 8. 1 号道路状遺構南北断面 ( 下部截割り ) ( 東から )

43 図版 号土坑完掘全景 ( 南から ) 2. 1 号土坑東西断面 ( 南から ). 2 号土坑完掘全景 ( 北から ) 4.2 号土坑遺物出土状況 ( 南から ) 5. 号土坑完掘全景 ( 北から ) 6. 号土坑東西断面 ( 北から ) 7. 5 号土坑完掘全景 ( 西から ) 8. 6 号土坑完掘全景 ( 南西から )

44 図版 号土坑東西断面 ( 北から ) 2. 8 号土坑完掘全景 ( 西から ). 9 号土坑東西断面 ( 南東から ) 4.10 号土坑南北断面 ( 西から ) 5. 調査地空中撮影作業風景 ( 北から )

45 図版 8 1 号住居跡 -1 1 号住居跡 -2 1 号住居跡 -4 1 号住居跡 -7 1 号住居跡 -5 1 号住居跡 - 1 号住居跡 号住居跡 -1 2 号住居跡 - 2 号住居跡 -4 2 号住居跡 -5 2 号住居跡 -2 2 号土坑 -1 遺構外 -1

46 ふ り が な 書 名 副 書 名 巻 次 編 著 者 名 編 集 機 関 所 在 地 発 行 機 関 発行年月日 報告書抄録 とうきょうとまちだしつるまこうえんいせき ( まちだしなんばーきゅうひゃくきゅうじゅうきゅういせき ) 東京都町田市鶴間公園遺跡 ( 町田市 999 遺跡 ) 町田市南町田駅周辺整備事業に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書板垣徹株式会社パレオ ラボ株式会社四門文化財事業部 東京都日野市万願寺 学校法人学習院株式会社四門平成 29 年 (2017) 月 17 日 ふりがな所収遺跡名 つるまこうえんいせき鶴間公園遺跡 ( まちだしなんばーきゅうひゃくきゅうじゅうきゅういせき ) ( 町田市 999 遺跡 ) ふりがな所在地 とうきょうとまちだし東京都町田市つるまさんちょうめ 鶴間三丁目 1-1( 鶴間公園内 ) コード 市町村 遺跡番号 世界測地系北緯東経 調査期間 ( 発掘調査 ) 2017 年 1 月 27 日 ~ 2017 年 月 日 調査面積 75 m2 調査原因 町田市南町田駅周辺整備事業 所収遺跡名 鶴間公園遺跡 ( 町田市 999 遺跡 ) 要 約 種別 主な時代 主な遺構 竪穴住居跡 古墳時代 溝状遺構 道路状遺構 集落跡 奈良時代 土坑 小穴 2 軒 2 条 1 条 6 基 5 基 主な遺物 土師器 須恵器 土製品 石製品 石器 金属類 炭化材 特記事項 古墳時代後期 ~ 奈良時代初頭の竪穴住居跡 2 軒を検出 近世以降土坑 4 基総計 20 基本調査地点は 古墳時代から平安時代にかけての包蔵地として周知される 鶴間公園遺跡 ( 町田市 999 遺跡 ) の東端に該当する 本調査では 古墳時代後期から奈良時代初頭の遺物を伴う竪穴住居跡 2 軒 溝状遺構 1 条と これらの遺構と類似した覆土の特徴を持つ溝状遺構 1 条 道路状遺構 1 条 土坑 6 基 小穴 5 基の他 近世以降と見られる土坑 4 基 ( 内 2 基は倒木痕 ) が発見された 出土した遺物は大半が土師器であり 甕片を主体とする 竪穴住居跡から相模型の坏 甕が出土している

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T_ - 1 - - 2 - - 3 - - 4 - - 5 - - 6 - - 7 - No. No. No. No. No. No. No. No. No. No. No. - 8 - No. No. - 9 - No. No. No. No. No. No. No. No. No. No. No. No. No. No. No. No. No. No. - 10 - No. No. No. No.

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