週刊原油171207米国石油週報・米国中西部の原油輸入増加

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1 週刊原油 世界の原油情報がここに凝縮されています 毎週木曜日午後発行 NY 原油上昇 発行日 : 2017/12/7 12 月 6 日の NY 原油 1 月限は 1.66 ドル安の ドル 米エネルギー情報局 (EIA) が発表した週報で 石油製品の在庫が大きく増加し 需要の弱さが連想された ガソリンや留出油の在庫は 11 月前半まで減少した後 回復に向かっている 製油所稼働率が 93.8 まで上昇し 石油製品の在庫減少傾向が反転している 原油在庫は市場予想以上に減少したが 材料視されていない 石油製品の需要は日量 1994 万 8000 万バレルと 大台の同 2000 万バレルを下回っているものの 前年並みをやや上回って推移 米原油生産量が統計開始以来の過去最高水準を塗り替えたことも圧迫要因 米原油生産量は日量 970 万 7000 バレルまで増加している 米国のシェールオイル生産量が拡大し続けており 全体の生産量を押し上げている 先月 EIA が発表した掘削生産性報告 (DPR) によると 12 月の米シェールオイル生産量は前月比 8 万バレル増の日量 617 万 4000 バレルの見通し 次回の DPR は来週 18 日に公表される トランプ米大統領が 6 日の演説で エルサレムをイスラエルの首都として公式に認める と表明し 在イスラエル米大使館を現在のテルアビブからエルサレムに移転する方針を示した エルサレムにはユダヤ教 キリスト教 イスラム教の聖地があり すでにイスラム教徒の反発を招いているが 中東情勢の混乱による買いは目立たなかった 時間外取引から 1 月限は軟調に推移 米石油協会 (API) が発表した米週間石油在庫統計で 石油製品の在庫増加が目立ったことが背景 通常取引開始を控えて下げ幅を広げ 通常取引開始後は EIA 週報を手がかりに ドルまで一段安となった 改質ガソリンとヒーティングオイルの期近は反落 米製油所の稼働率上昇に沿って 石油製品の在庫が回復しつつある EIA 週間石油在庫統計 ( バレル 前週比 ) 原油 -561 万 (4 億 4810 万 ) ガソリン +678 万 (2 億 2088 万 ) 留出油 万 (1 億 2945 万 )( クッシング地区 ) 原油 万 (5556 万 )*() は在庫総量今日の材料 米原油在庫の市場予想は前週比 232 万バレル減 <API 統計 > 原油在庫は前週比 548 万 1000 バレル減 ガソリン在庫は前週比 919 万 6000 バレル増 留出油は前週比 425 万 9000 バレル増 オクラホマ州クッシングの原油在庫は前週比 195 万 1000 バレル減 <EIA 統計 > 原油生産量は日量 970 万 7000 バレル 前週比 2 万 5000 バレル増 原油輸出は日量 135 万 8000 バレル 前週比 5 万 4000 バレル減 製品需要は日量 1994 万 8000 バレル 前週比 28 万 4000 バレル増 製油所稼働率は 93.8 前週比 1.2 増 出口戦略の協議は時期尚早 = 露エネルギー相 出口戦略にはおそらく 3~6 ヶ月要する 原油市況次第 = 露エネルギー相 ( みんかぶ )

2 TOPICs 米国の石油週報 クラックスプレッド クラックスプレッド 原油価格 改質ガソ ドル / ガロン 改質ガソリン価格 リン価格 (42ガロ 11 月 6 日 原油価 月 7 日 月 8 日 月 9 日 月 10 日 月 13 日 月 14 日 月 15 日 月 16 日 月 17 日 月 20 日 月 21 日 月 22 日 月 24 日 月 27 日 月 28 日 月 29 日 月 30 日 月 1 日 月 4 日 月 5 日 月 6 日 月 7 日 月 7 日時点のクラックスプレッド ( 改質ガソリン価格から原油価格を差し引いた差 ) は 33 セントとなっており 11 月中旬の 46 セントから下落している 全米レギュラーガソリンは ドルとほぼ横ばい状態である 全米レギュラーガソリン小売価格 ドル / ガロン 9 月第 4 週 10 月第 1 週 10 月第 2 週 10 月第 3 週 10 月第 4 週 10 月第 5 週 11 月第 1 週 11 月第 2 週 11 月第 3 週 11 月第 4 週 12 月第 1 週 全米レギュラーガソリン小売価格 年前年同期前年同期 年 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 2017 年前週比前週比 平均比比 平均比平均比 石油精製設備稼働率 12 月 1 日時点の石油精製設備稼働率は 94.5 と前週より +0.9 高くなり 2 週連続の稼働率上昇だった 昨年より +1.5 高く 年平均よりは +1.3 高 石油精製設備稼働率 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年前週比前年比年平均年平均比 9 月第 5 週 月第 1 週 月第 2 週 月第 3 週 月第 4 週 月第 1 週 月第 2 週 月第 3 週 月第 4 週 月第 1 週

3 石油精製設備原油投入量 原油投入量 12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 年平均前週比 9 月第 5 週 14,916 16,110 16,304 16,513 16,730 16,029 16, 月第 1 週 14,624 15,591 16,214 16,203 16,587 16,258 15, 月第 2 週 14,846 15,445 15,689 15,962 16,334 15,439 15, 月第 3 週 14,749 14,890 15,554 15,559 16,032 16,025 15, 月第 4 週 14,819 14,853 15,321 15,267 15,552 16,015 15, 月第 1 週 14,802 14,855 15,208 15,345 15,370 16,305 15, , 月第 2 週 14,850 15,052 15,129 15,616 15,552 16,639 15, ,087 +1, 月第 3 週 14,667 15,068 15,485 15,637 15,448 16,838 15, ,390 +1, 月第 4 週 14,612 15,411 15,752 15,939 15,817 17,003 15, ,186 +1, 月第 1 週 14,889 15,447 15,913 16,076 16,126 17,195 15, ,069 +1, 前年比 年平均比 12 月 1 日までの週の石油精製設備への原油投入量は前週から +190 万バレル増加した 前年比では +106 万バレル多く 年平均でも +150 万バレル多い 年平均比 石油天然ガス掘削稼働リグ数 地域計測日稼働リグ数 米国 前週からの変化 前週からの変化 前年同時期 稼働リグ数 前年比 前年からの変化 17 年 9 月 8 日 944 本 +1 本 年 9 月 9 日 506 本 +436 本 年 9 月 15 日 936 本 8 本 年 9 月 16 日 511 本 +430 本 年 9 月 22 日 935 本 1 本 年 9 月 23 日 522 本 +424 本 年 9 月 29 日 940 本 +5 本 年 9 月 30 日 524 本 +418 本 年 10 月 6 日 936 本 4 本 年 10 月 7 日 539 本 +412 本 年 10 月 13 日 928 本 8 本 年 10 月 14 日 553 本 +389 本 年 10 月 20 日 913 本 15 本 年 10 月 21 日 569 本 +360 本 年 10 月 27 日 909 本 4 本 年 10 月 28 日 568 本 +352 本 年 11 月 3 日 898 本 11 本 年 11 月 4 日 588 本 +329 本 年 11 月 10 日 907 本 +9 本 年 11 月 11 日 593 本 +339 本 年 11 月 17 日 923 本 +16 本 年 11 月 23 日 597 本 +330 本 年 11 月 24 日 923 本 +0 本 年 11 月 23 日 624 本 +330 本 年 12 月 1 日 929 本 +6 本 年 12 月 2 日 635 本 +332 本 地域 カナダ 計測日 稼働リグ数 前週からの変化 前週からの変化 前年同時期 稼働リグ数 前年比 前年からの変化 17 年 9 月 8 日 202 本 +1 本 年 9 月 9 日 132 本 +68 本 年 9 月 15 日 212 本 +10 本 年 9 月 16 日 138 本 +80 本 年 9 月 22 日 220 本 +8 本 年 9 月 23 日 162 本 +82 本 年 9 月 29 日 213 本 7 本 年 9 月 30 日 165 本 +51 本 年 10 月 6 日 209 本 4 本 年 10 月 7 日 143 本 +44 本 年 10 月 13 日 212 本 +3 本 年 10 月 14 日 154 本 +47 本 年 10 月 20 日 202 本 10 本 年 10 月 21 日 171 本 +59 本 年 10 月 27 日 191 本 11 本 年 10 月 28 日 184 本 +39 本 年 11 月 3 日 192 本 +1 本 年 11 月 4 日 174 本 +38 本 年 11 月 10 日 203 本 +11 本 年 11 月 11 日 200 本 +27 本 年 11 月 17 日 215 本 +12 本 年 11 月 23 日 230 本 +41 本 年 11 月 24 日 215 本 +12 本 年 11 月 23 日 234 本 +41 本 年 12 月 1 日 222 本 +0 本 年 12 月 2 日 224 本 +22 本 +9.4

4 石油掘削稼働リグ数 12 月 1 日時点の石油 天然ガス掘削リグ数は米国は 929 本と前週から +6 本増 4 週連続の増加 一方カナダは 222 本と前週と変わらず 石油だけの掘削稼働リグ数は 749 本である 原油生産量 12 月 7 日までの週の原油生産量は +5 万バレル増加 2 週連続の増加となった 前年比では +77 万バレル 年平均比では +199 万バレル多い水準 米国産原油の生産量 年平 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 2017 年前週比前年比前年比 年平均年平均均比 比 9 月第 5 週 6,509 7,777 8,867 9,136 8,512 9, , ,609 +1, 月第 1 週 6,520 7,784 8,837 9,096 8,497 9, ,607 +1, 月第 2 週 6,598 7,809 8,875 9,172 8,467 8,406 1, , 月第 3 週 6,606 7,428 8,951 9,096 8,450 9,507 +1,101 +1, ,594 +1, 月第 4 週 6,610 7,896 8,934 9,096 8,464 9, , ,682 +1, 月第 1 週 6,669 7,853 8,970 9,112 8,504 9, , ,684 +1, 月第 2 週 6,677 7,858 8,972 9,160 8,522 9, , ,703 +1, 月第 3 週 6,709 7,981 9,063 9,185 8,692 9, ,766 +1, 月第 4 週 6,710 7,974 9,004 9,182 8,681 9, , ,751 +1, 月第 1 週 6,818 8,019 9,077 9,165 8,690 9, , ,789 +1, 原油と石油製品輸入量 米国の原油輸入量 前週比 前年同期比 年比 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 2017 年年平均日量千日量千日量千 バレルバレルバレル 9 月第 5 週 , ,176 8,309 5,039 7, , 月第 1 週 , ,554 7,835 4,675 8, , 月第 2 週 , ,068 7,710 5,048 7, , 月第 3 週 , ,315 7,861 5,739 8, , 月第 4 週 , ,471 6,907 5,545 8, , 月第 1 週 , ,032 7,016 4,985 7, , 月第 2 週 , ,943 8,995 5,013 7, , 月第 3 週 , ,377 7,442 5,421 7, , 月第 4 週 , ,968 8,423 5,916 7, , 月第 1 週 , ,333 7,578 5,041 8, ,

5 12 月 1 日の週までの原油輸入量は日量 504 万バレルで 前週から +36 万バレル増 前年同期に比べて 253 万バレル少なく 年平均では 68 万バレル少ない 石油製品輸入量は 前週から +19 万バレル多い日量 196 万バレルだった 前年同期比は +54 万バレル少なく 年平均では 7 万バレル少ない 石油製品輸入量 石油製品輸入量 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 年平均 前週比前年同期比 年比 9 月第 5 週 1,991 1,787 1,266 2,091 2,143 2,560 1, 月第 1 週 1,532 1,994 1,485 1,734 2,258 2,184 1, 月第 2 週 2,197 2,118 1,373 2,095 2,005 2,233 1, 月第 3 週 2,343 1,733 1,270 1,694 2,220 1,696 1, 月第 4 週 2,010 2,136 1,667 1,819 2,052 2,058 1, 月第 1 週 1,761 2,077 1,932 1,212 1,962 2,173 1, 月第 2 週 2,157 1,959 1,772 1,716 1,790 2,083 1, 月第 3 週 2,117 1,579 1,565 1,469 2,484 1,922 1, 月第 4 週 1,875 1,778 1,503 1,692 2,373 1,771 2, 月第 1 週 2,276 1,977 1,757 1,669 2,513 1,968 2, 石油製品出荷量 までの週 石油製品出荷量 出荷量 ( ) 前週比 ( 千バレル ) 石油製品 ガソリン 留出油 石油製品ガソリン留出油石油製品ガソリン留出油 前年同月比 () 年比 () 石油製品ガソリン留出油 9 月 29 日 19,714 9,241 4,007 1, 月 6 日 19,716 9,480 3, 月 13 日 19,142 9,136 3, 月 20 日 20,010 9,314 4, 月 27 日 19,184 9,461 3, 月 3 日 21,301 9,496 4,486 +2, 月 10 日 19,755 9,172 4,029 1, 月 17 日 19,289 9,595 4, 月 24 日 19,664 8,724 3, 月 1 日 19,948 8,895 3, 月 1 日までの週の石油製品出荷量は 石油製品が前週比 +28 万バレル増 ガソリンが +17 万バレル増 留出油は 14 万バレル減 前年同月比はそれぞれ +1.0 多く 3.3 少なく 5.8 少ない 年平均比ではそれぞれ

6 原油と石油製品輸出量 米国の原油輸出量 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 年平均 前週比前年同月比 年比 9 月第 5 週 , , , 月第 1 週 , 月第 2 週 , , , 月第 3 週 , , , 月第 4 週 , , , 月第 1 週 , 月第 2 週 , 月第 3 週 , , 月第 4 週 , 月第 1 週 , 年 2013 年 2014 年 2015 年 米国の石油製品輸出量 2016 年 2017 年 年平均 前週比 9 月第 4 週 2,872 3,190 3,336 3,695 5,148 5,039 3, , 月第 5 週 2,872 3,372 3,336 4,035 4,957 4,675 4, 月第 1 週 2,872 3,372 3,554 4,035 4,850 5,048 4, 月第 2 週 2,872 3,372 3,554 4,035 4,130 5,739 4, , , 月第 3 週 2,737 3,372 3,554 4,035 3,507 5,545 4, , , 月第 4 週 2,737 3,372 3,607 3,693 4,185 4,985 4, 月第 1 週 2,737 3,323 3,607 3,693 4,194 5,013 3, , 月第 2 週 2,737 3,323 3,607 3,693 4,480 5,421 4, , 月第 3 週 2,777 3,323 3,607 3,693 4,758 5,916 4, , , 月第 4 週 2,777 3,323 3,404 4,153 4,343 5,041 4, 前年同月比 年比 12 月 1 日までの週の原油輸出量は前週比 5 万バレル減少 前年比は +88 万バレル多く 年平均比 +81 万バレル多い水準 石油製品輸出量は前週比 87 万バレル減少 前年比は +69 万バレル多く 年平均比 +81 万バレル多い水準

7 日量千バレ 12 月 1 日の週の原油在庫は 805 万バレルと大幅な減少となり 3 週連続の減少となった ガソリン米国の石油製品輸出量 +678 万バレルル米国産原油の輸出量増加 留出油は+166 万バレル増加であった 前年同月比はそれぞれ 年平均比は 少なく 少ない 年 5000 年 2000 平均平均 2013 年 2013 年 年 2014 年 石油在庫量 2015 年 2016 年 2017 年 年 2016 年 2017 年 出所 :EIA 12 月 1 日までの週の米国の原油在庫は前週比 805 万バレルと 3 週連続の大幅減 ガソリンは +678 万バレル増と 4 週連続の増加 これが 6 日の原油価格下落の要因となった 留出油は +166 万バレル増 前週比ではそれぞれ 年平均比ではそれぞれ 少ない水準 までの週 原油在庫 在庫量 ( 千バレル ) 米国の石油在庫前週比 ( 千バレル ) 前年同月比 () ガソリン在庫留出油在庫原油ガソリン留出油原油ガソリン留出油 年比 () 17 年 9 月 15 日 1,148, , ,859 +2,981 2,125 5, 年 9 月 22 日 1,145, , ,045 2,642 +1, 年 9 月 29 日 1,138, , ,439 6,975 +1,644 2, 年 10 月 6 日 1,134, , ,959 3,947 +2,490 1, 年 10 月 13 日 1,128, , ,487 6, 年 10 月 20 日 1,128, , , ,465 5, 年 10 月 27 日 1,125, , ,921 3,225 4, 年 11 月 3 日 1,127, , ,562 +1,556 3,312 3, 年 11 月 10 日 1,128, , ,763 +1, 年 11 月 17 日 1,124, , ,032 3, 年 11 月 24 日 1,118, , ,779 5,793 +3,627 +2, 年 12 月 1 日 1,110, , ,446 8,058 +6,780 +1, 原油 ガソリン留出油

8 TOPICs 中西部の月次原油輸入量が初めてメキシコ湾の原油輸入量を上回った by EIA 12 月 13 日 中西部 (PADD2) 地区の 8 月の月次原油輸入量がメキシコ湾 (PADD3) 地区の原油輸入量を上回った これは 1981 年に EIA が記録をつけ始めて以来初めてのことである ハリケーンハービーの影響によりメキシコ湾岸の港湾操業が一時的に支障を来たし 輸入量が減少したことが主な原因であるが これが 9 月も続いており 長期的な傾向となる可能性がある ことにメキシコ湾における原油輸入量は過去 10 年間減少傾向にある 逆に中西部に対する過去 10 年間の原油輸入量は増加傾向にある そのため二つの地域の輸入量の差は縮小してきた ハリケーンハービーを契機として今後逆転する可能性が高い 長期的な中西部の米国内から及びカナダからの原油の調達が増加しており 供給パターンや国内 国際取引パターンを変えている 歴史的には中西部はメキシコ湾から 米国産原油と輸入原油の両方を受け取っていた 石油精製設備への原油投入量が増加し 中西部はメキシコ湾からの国産 輸入原油の依存度を減らしてきた その代りカナダからの輸入を増やしてきた 中西部の原油消費量が増加 2010 年と 2011 年風西部は原油の輸入量を増やし始めた またメキシコ湾岸では同時に輸入量を減らし始めた これらの傾向が両地域における原油の輸入量の差を変え始めた ノースダコタ州からモンタナ州にかけてのバッケン油田の開発やカナダのアルバータ州におけるオイルサンドの開発により 北米の原油の流れの変化の利点を受けて中西部の石油精製設備の精製能力は拡張してきた 2005 年 ~06 年に中西部の石油精製設備能力は +37 万バレル増加し日量 390 万バレルとなった 2017 年 9 月までに中西部の石油精製設備の右翼は 400 万バレルまで伸びている 中西部内とカナダからの原油供給の増加を受けてメキシコ湾からの輸入原油の供給量は減少している その結果中西部に供給されていたサウジアラビアの原油は 2005 年の日量 13 万 2 千バレルから 2016 年にはに肥料 3 万 9 千バレルに減少している このサウジアラビア産原油の使用量の減少がメキシコ湾から中西部への原油の動きの減少となって表れている 中西部で産出される原油とカナダからの輸入される原油の増加により 中西部へのメキシコ湾岸からの原油の流入が減少した 2005 年中西部は日量 180 万バレルメキシコ湾から原油が流入していたものが 2016 年には 96 万 8 千バレルに減少している 反対に 同時期に中西部からメキシコ湾岸は 2005 年に 3 万 7 千バレルの原油が出荷されたが 2016 年には 100 万バレルに増加している これは オクラホマ州クッシングからテキサス州ヒューストンに反対向きに流れる Seaway パイプライン等のインフラの整備によるものである ( 図 2)

9 ハリケーンハービーがきっかけ 長期的傾向としては 中西部への輸入原油の輸入は増加するが メキシコ湾への輸入原油の量は減少することとなる これが今年はハリケーンの影響によりこの傾向が強まった 8 月 25 日ハリケーンハービーは カテゴリー 4となってテキサス州に上陸した そのため港湾設備は風 OECD 諸国の石油需要 sされ 原油と石油製品の供給チェーンに大きな影響を与えた その結果原油のメキシコ湾への輸入量がハリケーン前の日量 340 万バレルから日量 150 万バレルまで減少した ( 図 3) ハリケーンハービーはまたメキシコ湾の石油精製設備にもダメージを与え 石油精製設備への原油投入量は日量 930 万バレルから 日量 620 万バレルに減少した メキシコ湾への原油の輸入量は 11 月 24 日 230 万バレルまでか回復し 原油投入量は非 920 OPEC 万バレルまで戻り 過去諸国からの供給 ( 米国 5 年平均より ) +62 万 5 千バレル多い水準にも復帰した ハリケーンハービーは 中西部の原油輸入量を減らすことはなかった ハリケーン前は日量 250 万バレルだった同地区の輸入量はその後日量 240 万バレル ~270 万バレルとなっている 当時から大きく増加する兆候は見せていないが 中西部の輸入量がメキシコ湾の輸入量を上回っていることは 歴史的な出来事であり 米国の原油生産増加とカナダの原油生産増加により 中西部の方がメキシコ湾の輸入量を上回る状況は今後もしばしば起きるだろう TOPICs 原油のニュース by Thomson Reuters Jiji 中国石油化工がベネズエラ国営石油を提訴 両国関係悪化の兆し 12 月 7 日 中国国有エネルギー大手の中国石油化工 ( シノペック ) の米国子会社シノペック USA は ベネズエラ国営石油会社 PD VSA から受注した鉄筋の代金が全額支払われていないとして 11 月 27 日付で同社を米地裁に提訴した 契約違反および詐欺共謀を指摘し 2370 万ドルの支払いを求めている ベネズエラは資金難に陥って対外債務約 600 億ドルの再編を模索している そうした中で 今回の提訴は主要な債権国である中国との関係に亀裂が入った兆しと見られる 中国は過去 10 年間で 500 億ドル以上をベネズエラに融資したが 足元の債務危機への深入りは避けている 返済遅延の常態化や合弁事業を巡るトラブルに加え ベネズエラで操業する中国企業が犯罪に巻き込まれるといった問題が背景にある ノースカロライナ大のマーク ワイドマイアー法学教授は ( 中国側は ) 堪忍袋の緒が切れてきたようだ 中国とベネズエラの関係が冷え込んでいる証拠が増えた との見方を示した ベネズエラの債務危機を解決するには 多額の債権を持つ中国およびロシア政府の関与が必要になるが ロシアの国有企業も昨年 PDVSA を代金未払いで提訴している シノペック USA は訴状で 2012 年に PDVSA 子会社から石油リグ用の鉄筋 4 万 5000 トンを受注したが 代金が半分しか支払われていないと主張した 米シェブロン 18 年設備投資計画は 183 億ドル 4 削減へ 12 月 7 日 米石油大手シェブロン CVX.N は 6 日 2018 年の設備投資は 183 億ドルと 17 年の見込み額から約 4 削減する計画だと発表した 4 年連続で絞り込むことになる 世界のエネルギー大手は総じて 14 年の原油価格急落で打撃を受けて以来 設備投資を削減してきた シェブロンの広報担当によると 今年 1~9 月の設備投資 探査費用は 3 年前の半分程度に抑えられた ジョン ワトソン最高経営責任者 (CEO) は文書で 18 年の投資計画は プロジェクトの完了や合理化 投資の質向上を反映している と説明 シェール事業への投資は 43 億ドルに増加するとした ワトソン氏は来年退任する 17 年の設備投資は 190 億ドルを下回る見込みで 前年 12 月時点の見通しである 198 億ドルには届かないことになる 同社は 18 ~20 年の投資額が年間 170 億 ~220 億ドルになるとの見通しをこれまでに示している 18 年は石油 ガス探査に 158 億ドル 精製 販売促進 石油化学事業に 22 億ドル 関連会社に絡む支出として 3 億ドルを計画している

10 今後の予想 米国のガソリン在庫の増加を受けて原油価格は下落したが 原油在庫は大幅減少している このところ原油価格に大きく影響するニュースは限られており 原油価格は上下動を繰り返している トランプ大統領のイスラエルの首都としてエルサレムを認めた発言はパレスチナをはじめとした中近東諸国に怒りを買っているが その影響で今後米国への風当たりが強くなることが予想されるが テロでも起きない限り直接的な原油価格への影響とはならないだろう 掲載される情報は株式会社コモディティーインテリジェンス ( 以下 COMMi という ) が信頼できると判断した情報源をもとに COMMi が作成 表示したものですが その内容及び情報の正確性 完全性 適時性について COMMi は保証を行なっておらず また いかなる責任を持つものでもありません 本資料に記載された内容は 資料作成時点において作成されたものであり 予告なく変更する場合があります 本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権は COMMi に帰属し 事前に COMMi への書面による承諾を得ることなく本資料およびその複製物に修正 加工することは堅く禁じられています また 本資料およびその複製物を送信 複製および配布 譲渡することは堅く禁じられています COMMi が提供する投資情報は あくまで情報提供を目的としたものであり 投資その他の行動を勧誘するものではありません 本資料に掲載される株式 債券 為替および商品等金融商品は 企業の活動内容 経済政策や世界情などの影響により その価値を増大または減少することもあり 価値を失う場合があります 本資料は 投資された資金がその価値を維持または増大を補償するものではなく 本資料に基づいて投資を行った結果 お客様に何らかの障害が発生した場合でも COMMi は 理由のいかんを問わず 責任を負いません 発行元 : 株式会社コモディティーインテリジェンス 4 東京都中央区日本橋蛎殼町 1 丁目 会社電話 : 会社ファックス メールアドレス : kondo@commi.cc