(Microsoft Word - 409M327 \217C\230_)

Size: px
Start display at page:

Download "(Microsoft Word - 409M327 \217C\230_)"

Transcription

1 研究題目 α イミノエステルの極性転換反応を利用する 立体選択的四級炭素の構築に関する研究 平成 2 2 年度 三重大学大学院 工学研究科 博士前期課程 分子素材工学専攻 栗田 大二 1

2 目次 序論 本論 第一章 α イミノエステルの極性転換反応を用いる立体選択的 四級炭素の構築 第一節 従来の α イミノエステルの極性転換反応 第二節 従来の四級炭素を構築する M a n n i c h 反応 第三節 α イミノエステルの極性転換 - M a n n i c h 反応を利用する 四級炭素の構築 第四節 従来の立体選択的 M a n n i c h 反応 第五節 α イミノエステルの極性転換 - M a n n i c h 反応を利用する 立体選択的四級炭素の構築 実験の部 総括 参考文献 謝辞 2

3 序論 1 )-1 7 ) 現在 我々の周りには様々なものが氾濫している 紙 ペン プラスチック ガソリン タイヤ 衣料品 医薬品 染料 インク 塗料ときりがない これらの多くは有機化合物から形成され 我々の体自身も多くの有機化合物より構成されている 現在 地球上には 万種類以上の物質が知られているが じつにその 9 0 % が炭素を含む有機化合物である この炭素化合物を扱う化学が有機化学であるが 有機化合物がこれほど多く存在しているのは偏に炭素の性質に起因する すなわち 炭素が炭素原子同士と あるいは窒素原子 酸素原子 硫黄原子と多重結合を形成できる能力を持つことや炭素原子同士で鎖状連結する能力を持つことである 後者の理由は炭素 - 炭素の結合エネルギーが k J / m o l と同族のケイ素の結合エネルギー k J / m o l などと比べて非常に大きいことに由来している また 炭素は最大 4 つの結合を形成でき このとき四面体構造をとる すなわち 炭素原子は四面体の中心に存在し ほかの原子はその頂点に位置する そのため ある炭素が異なった 4 種類の原子と結合を形成した場合に 2 種類の異性体 ( 鏡像体 ) が存在しえる 鏡像体同士では偏光面の回転方向を除けば融点 沸点 屈折率など物理的性質はすべて同じである しかし 光学活性な試薬に対する場合を除けば という点に重要なことが隠されている つまり 我々の生活の中では有機化合物は医薬品 食料品などとして体内に取り込まれるわけであるが 我々の体内を構成している基本単位であるアミノ酸が殆んど光学活性であるということである そのため生体反応では立体化学による反応特異性が見られ ま 3

4 た 立体化学により生理活性の強さの違いが生じる 例をあげると 糖である ( + ) - グルコースは動物における代謝において重要な役割を担っているが ( - ) - グルコースは動物の生体内では代謝されず酵母によっても発酵されない 甘味料アスパルテームは ( S, S ) 体が砂糖の 倍甘いのに対し ( R, R ) 体は苦い ( S c h e m e 1 ) Scheme 1 アスパルテーム CH CH CH 2 H 2 C H 2 N C CNH C CH 甘い CH CH CH 2 H 2 C HC C NHC C NH 2 苦い H (S, S) H H (R, R) H 抗生物質ペニシリンは ( R, R ) 体しか抗菌作用を示さない ( S c h e m e 2 ) Scheme 2 ペニシリン RHN S S NHR N CH 抗菌作用あり HC N 抗菌作用なし (R, R) (S, S) バルビツール酸誘導体の R 体は麻酔作用を示すが S 体は痙攣を引き起こす ( S c h e m e 3 ) サリドマイドは R 体と S 体の両方に催眠性があるが R 体は無害である それに対し S 体は強い催奇性を有する ( S c h e m e 4 ) 4

5 Scheme 3 バルビツール酸誘導体 MeN NH n Bu 麻酔作用 HN n Bu NMe 強い痙攣作用 (R) (S) Scheme 4 サリドマイド HN N (R) 催眠作用 N (S) NH 催奇性 そのため現在の有機合成においては 適切に立体化学の制御を行いつつ 炭素 - 炭素結合形成を行うことが重要である この炭素 - 炭素結合の構築を行う方法の 1 つにイミノ基に対する求核付加反応がある ( S c h e m e 5 ) Scheme 5 イミノ基に対する求核付加反応 R N R' H Nu R HN R' Nu この手法は炭素 - 炭素結合の構築だけでなくアミノ基の導入も行うことができるため 適切に立体化学の制御を行うことができれば有機合成上欠くことのできない手法になる そのため種々の有機金属試薬やエノラートの付加 アリル化反応などが研究されている しかし 5

6 イミンに対する付加反応はイミノ炭素上だけで起こるわけではない イミンには攻撃を受けるサイトとして炭素原子と窒素原子があるが 求核試薬の付加反応を考えた場合電気陰性度の問題から一般にイミノ炭素上での反応 ( b ) が進行し 窒素原子への付加 ( a ) は起こらない ( S c h e m e 6 ) Scheme 6 イミノ基に対する求核付加反応の位置選択性 (a) R 1 N R2 (a) (b) Nu N R2 R 1 HN R2 (b) R 1 Nu 一方 イミンに対するラジカルの付加反応では軌道の重なりや生成するラジカルの安定性が重要となるために ( b ) の経路ではなく ( a ) の経路も起こりえる 例えば S c h e m e 7 に示すラジカル環化反応は置換基 R の種類によってはイミノ窒素への付加反応が進行しインドリンを与える Scheme 7 ラジカル環化反応によるインドリン合成 Br N R Bu 3 SnH, AlBN Benzene R N また 光照射により生じたベンジルラジカルがイミンの窒素原子に 6

7 対して選択的に付加する例もある ( S c h e m e 8 ) Scheme 8 イミノ窒素に対するベンジルラジカルの付加反応 NH 2 N Ar2 BnBr, N Bn Bn N Ar2 Ar 1 H MeCN, rt, hν Ar 1 Scheme 9 α イミノエステルの反応 R 2 N NHR 2 R 1 2 C H NHR 2 R 1 2 C H Friedel-Crafts reaction Diels-Alder reaction R or R R 1 2 C R NHR 2 Ene reaction NR 2 Allylation NHR 2 R 1 2 C NHR 2 R Mannich reaction R 1 2 C Henry reaction Staudinger reaction R 1 2 C R 2 N R 1 2 C R NHR 2 R 1 2 C R R 1 2 C R N 2 イミンに対する求核試薬の付加において α - イミノエステルのよう に隣接する置換基に電子求引基を有する場合は一般的なイミンと異な 7

8 った挙動を示すことがある α - イミノエステルはエステル部位の影響から L U M のエネルギー低下やイミノ炭素の求電子性の増加が起こり反応性の高いイミンとして知られている また α - アミノ酸部位を一挙に導入できる利点があることから有機合成によく用いられており ジアステレオ選択的あるいはエナンチオ選択的な反応が研究されている ( S c h e m e 9 ) しかし このイミンの最大の特徴は求核試薬の付加反応が必ずしも炭素原子へ起こるわけではなく イミノ窒素への付加反応 ( c ) も進行することである ( S c h e m e 1 0 ) ( c ) のパスを経て反応が進行する場合 求核試薬との間での炭素 - 炭素結合の形成は為されないが 炭素 - 窒素結合が形成される これはカルボアニオンが窒素原子を攻撃するという極性反転 ( u m p o l u n g ) を伴う反応であり このような反応は求電子アミノ化反応として知られ カルボン酸からアミノ酸を合成するなど有機合成上有用な手法の一つである 8

9 Scheme 10 α イミノエステルに対する位置選択性 (c) (c) R 1 R N R2 R 1 (d) N R2 H (e) (d) (e) N R2 R H HN R2 R 1 R 本研究では この α - イミノエステルの反応性に注目し α - イミノエステルの極性転換 - M a n n i c h 反応を利用する立体選択的四級炭素の構築について検討した 第一章第一節では 従来の α - イミノエステルの極性転換反応について述べる ( S c h e m e 11 ) Scheme 11 α イミノエステルの極性転換反応 R 1 N PMP C 2 organoaluminum reagents BP, allyltributyltin, CN R R 1 N PMP C 2 R =, i Pr, H R 1 =, tol, 2-thienyl, cyclopropyl, etc. 第一章第三節では α - イミノエステルに対して有機アルミニウム試 9

10 薬を作用させ 連続的に極性転換反応のための過酸化ベンゾイルを加 え その後種々の金属エノラートを作用させることで四級炭素が構築 できることを見出した ( S c h e m e 1 2 ) Scheme 12 α イミノエステルの極性転換 - Mannich 反応 R C 2 BP 2 AlCl AlCl 2 DME, rt Li Me -78 o C R =, An, cyclohexyl, etc. 2 C R C 2 Me 第一章第五節では α - イミノエステルに対して有機アルミニウム試薬を作用させ 連続的に極性転換反応のための過酸化ベンゾイルを加え その後 E または Z - エノラートを作用させることで立体選択的四級炭素が構築できることを見出した ( S c h e m e 1 3 ) Scheme 13 α- イミノエステルの極性転換 - 立体選択的 Mannich 反応 R R C 2 C 2 BP 2 AlCl AlCl 2 DME, rt BP 2 AlCl AlCl 2 DME, rt E- Enolate Li t Bu -78 o C Z- Enolate Li t Bu -78 o C 2 C R 2 C R C 2 t Bu C 2 t Bu dr = >99 / <1 dr = <1 / >99 R =, PMP, cyclohexyl, etc. これらの知見を以下詳細に述べる 10

11 本論 第一章 α イミノエステルの極性転換反応を用いる立体選択的四級炭素の構築 第一節従来の α イミノエステルの極性転換反応 有機化学において極性転換とは あるシントンに対応する官能基を化学変換して そのシントンとは逆の電荷をもつシントンとして用いることをいう α イミノエステルの極性転換反応は 年 K a g a n らによって初めて発見されている ( S c h e m e ) 1 ) Scheme Kagan らによる N- アルキル化反応 N H Me 1, RMgX 2, H 2 R N H Me R =, n Pr, i Bu, i Pr ~ 55% yield アルジミン に種々のアルキル G r i g n a r d 試薬を作用させることで 目的の Ν - アルキル化体 を得ている この反応機構は次のように考えられている ( S c h e m e ) 11

12 Scheme N- アルキル化反応機構 R Me H N RMgBr Me H N Mg Me H N R H 2 Me H N R Mg アルジミン に種々の G r i g n a r d 試薬を作用させるとイミノ窒素とエステル部位の酸素にマグネシウムが配位し N 上の電子密度を下げ正電荷をもたせる そこに アルキル基が結合することで Ν - アルキル化が進行し 水により反応を停止することで目的の Ν - アルキル化体 が得られる 12

13 年 山本らは アルジミン にベンジル G r i g n a r d 試薬を作 用させることで 目的物である Ν ベンジル化体 を高収率で得て いる ( S c h e m e ) 2 ) Scheme ベンジルマグネシウムブロミドによる N- アルキル化反応 N Me CH 2 MgCl (1 eq) THF N Me 95% yield Bu 2 C H Bu 2 C H 年 我々の研究室では 2 - オキソマロン酸ジエチル由来のイミ ノエステル に対し 種々の G r i g n a r d 試薬を作用させることで目 的の Ν 上に求核攻撃の進行した生成物 を中程度から高収率で得 ている ( S c h e m e ) 3 ) Scheme イミノマロン酸エステルの種々の Grignard 試薬の反応 2 C C 2 RMgBr (1.5 eq) R 2 2 C C 2 48 ~ 98% yield R = Me,, n Pr, n Bu, n-decyl, n-dodecyl, i Pr, t Bu, Bn,, cyclohexyl, phenethyl, n-tetradecyl, cyclohexylmethyl 年 我々の研究室では α イミノエステルに対する N, C - ジエチ ル化反応 及び N - エチル - C - アリル化反応を報告している α イミノ 13

14 エステル に対して過酸化ベンゾイル ( B P ) 存在下 塩化ジエチル アルミニウムを作用させることによって N, C - ジエチル化体 を収 率 5 5 % で得ている ( S c h e m e ) 4 ) Scheme N,C- ジエチル化反応 N PMP BP (1eq) 2 AlCl (3 eq) C 2 CN, -50 o C to rt, 24 h C % yield また α イミノエステル に対して過酸化ベンゾイル ( B P ) 存在下 塩化ジエチルアルミニウム 二塩化エチルアルミニウム アリルトリブチルスズを作用させることにより 連続的に Ν - エチル化 - C - アリル化反応が進行し アミノエステル を良好な収率で得ている ( S c h e m e ) 5 ) Scheme N- エチル化 -C- アリル化反応 N PMP C 2 BP (1 eq) 2 AlCl (1 eq) AlCl 2 (1 eq) Allyltributyltin (2 eq) CN, -20 o C to rt, 24 h C 2 73% yield この反応における反応機構は次のように考えられている ( S c h e m e ) 14

15 Scheme N- エチル化 -C- アリール化反応の反応機構 Cl Al PMP N C AlCl AlCl 2 Cl Cl Al AlX AlX 2 C 2 BP AlX 2 C 2 C C 2 SnBu 3 C まず強いルイス酸性を示す二塩化エチルアルミニウムが α イミノエステル のエステル部位のカルボニル基に配位することにより イミノ窒素上にエチル化反応が進行し アルミニウムエノラート が形成される 続いて このエノラートのアルミニウムに B P が配位し 図のような電子の流れにより酸化が進行することによって N, - アセタール が形成され ベンゾイルオキシ基の脱離によりイミニウム塩 が形成される このイミニウム塩 に対してアリルトリブチルスズが求核攻撃をすることにより Ν - エチル化 - C - アリル化体 が得られると考えられている 15

16 年 K o z l o w s k i らは 種々の α イミノエステル に対して Ν - エチル化剤としてエチルマグネシウムブロミド試薬を用い さらに 種々の求電子剤を加えることで目的の α - アミノ酸誘導体 を良 好な収率で得ている ( S c h e m e ) 6 ) Scheme N- エチル化 -C- アセチル化反応 C 2 Me 1) MgBr, -78 o C to rt 2) MeCCN, rt C 2 Me 87% yield このように イミノエステルを用いた極性転換反応は近年注目されている分野であり その生成物であるアミノエステルは前章でも述べたように医薬品や香料 農薬 ポリマー等の原料もしくは合成中間体として幅広く用いられているためこの反応を研究することは有用なことである 次節では従来の四級炭素を構築する M a n n i c h 反応について述べる 16

17 第二節従来の四級炭素を構築する Mannich 反応 M a n n i c h 反応とは 有機化学における化学反応の一種であり α 水素をもたないカルボニル化合物と α 水素を持つカルボニル化合物 そして第二級アミンが反応して β - アミノカルボニル化合物を与える反応である 一般的には活性な α 水素をもつ化合物 つまりエノールやエノラートのイミニウム塩に対する求核付加反応であり 求電子剤としてはアルデヒドが用いられる 特に ホルムアルデヒドはケトンのアルキル基の代わりに両端に水素をもつのでエノール化することができず 立体障害がないので求核剤に対する反応性が高い ( S c h e m e ) Scheme Mannich 反応 R 1 H + R 2 NHR 3 + R 4 R 5 H R 4 R 2 N R 3 R 5 R S c h e m e の反応機構はプロトン酸によってアルデヒド が活 性化されオキソカルベニウムイオン中間体を形成し アミンの求核攻 撃によってイミン が生成する 次いで イミンがプロトン酸に よって活性化され イミニウム塩 に対してエノールの求核攻撃 により β - アミノケトン が形成される ( S c h e m e ) 17

18 Scheme Mannich 反応の反応機構 R 1 H H R 1 H R 2 NHR 3 H R 2 R 1 NHR 3 H H R 2 R 1 NR 3 H 2 H -H 2 R 3 R 1 N H R 2 H H R 4 R 5 R 2 R 2 H R 3 R 2 H R 3 R 3 N N N + -H R 1 R 4 R 1 R 4 R 1 H R 5 R H R 4 R 5 M a n n i c h 反応の魅力の一つは β 位にカルボニル炭素を持つ β - アミノケトンを容易に合成できるところにある β - アミノケトンは多くの医薬品や香料 農薬 ポリマー等の原料もしくは合成中間体として有用であり 様々な研究が行われている その中では 不斉中心を有する β - アミノケトンも多く存在し 立体選択的な合成法も注目されている ここでは特に 四級炭素を構築する M a n n i c h 反応及び M a n n i c h 型反応について報告するが これは第一章第四節及び五節の本研究課題が四級炭素を構築することに重きを置いているからである 年 E l l m a n らは 硫黄原子を含むキラルなアミド から一 段階でイミン を調製した後 ( S c h e m e ) チタンエノラート を求核付加させることで目的の β - アミノ酸誘導体 を高収率かつ 高ジアステレオ選択性で得ている ( Ta b l e ) 1 ) 18

19 Scheme 原料合成 R 2 R 2 S R 1 S NH 70 ~ 75% yield 2 N R 1 Lewis Acid R 1 = Me, i Pr,, etc. R 2 = H or Me Table チタンエノラートとの反応 S R 2 N R 1 Ti( i Pr) 3 Me THF, -78 o C to rt, 3 h S NH R 1 R 2 Me entry R 1 R 2 yield (%) dr 1 H : 2 2 Me : 2 3 i Pr Me : 年 Z a n d a らは 含フッ素 α イミノエステル を出発原料とし ( α ベンジル ) アセチル オキサゾリジノン とルイス酸として四塩化チタンを作用させることで F i g u r e のような 6 員環遷移状態を経て 様々な抗生物質の基本骨格である β - アミノ酸誘導体 を高収率で得ている ( S c h e m e ) 2 ) 19

20 Scheme 含フッ素 α- イミノエステルとの反応 F 3 C N Cbz C 2 + N Bn Bn TiCl 4 (1 eq) i Pr 2 N CH 2 Cl 2, -30 to 0 o C, 2 h N Bn HN Cbz CF 3 C 2 Bn 88% yield Figure 立体制御 Ti S N Me Me Me H 年 Z a n d a らは 含硫黄不斉補助基を利用した立体選択的 M a n n i c h 型反応を報告している 硫黄を含むイミノホスホネート から α イミノエステル を合成し エステルエノラートを作用させるこ とで中程度から良好な収率で β - アミノ酸誘導体 を合成してい る ( S c h e m e ) 3 ) 20

21 Scheme 含硫黄化合物による立体選択的 Mannich 反応 Tol S N (S) P 3 CF 3 CC 2 THF, 40 o C Tol S N (S) C 2 CF 3 71% yield t Bu LDA Tol S NH t Bu 2 C C 2 CF 3 + Tol t S NH Bu 2 C C 2 CF 3 (E) : (Z) % yield 年 J φ r g e n s e n らは α イミノエステル と 3 メチルブタナール にプロリン由来のキラルアミン を作用させることにより目的の α - アミノ酸誘導体 を高収率 高ジアステレオ選択的かつ高エナンチオ選択的に得ている ( S c h e m e ) 4 ) Scheme キラルアミンによるジアステレオ選択的反応 N + H C 2 i Pr N H N (5 mol %) 2, 0 o C NH i Pr (Z) >20 (R) C 2 CH (R) + : i NH Pr (E) (R) C 2 CH (S) 90% yield 年 Z a n d a らは 年に報告した α イミノエステル を 再び出発物質として用い 求核剤としてマロン酸ジエチル由来のナト 21

22 リウムエノラートを用いても β - アミノ酸誘導体 が良好な収率 で得られることを報告している ( S c h e m e ) 5 ) Scheme マロン酸エステル由来のナトリウムエノラートとの反応 Tol S N (S) C 2 CF 3 Na 2 C C 2 THF, -78 o C Tol S NH 2 C C 2 (Z) CF 3 C 2 + : Tol S NH 2 C C 2 (E) CF 3 C 2 86% yield 年 C h e n らは β - アミノイミン に対して 酢酸エチル由来のリチウムエノラートを作用させることで M a n n i c h 型反応が進行し β, δ - ジアミノエステル が高収率かつ高ジアステレオ選択的に得られることを見出している ( S c h e m e ) 6 ) Scheme 酢酸エチル由来のリチウムエノラートとの反応 S S N NHTs CH 3 C 2 / LDA (1.1 eq) NH NHTs THF, -78 o C Br Br % yield dr = 99 : 年 Vo r k らは ケチミン に対して アセトンと ( S ) - プロリンを穏やかな条件下作用させることで F i g u r e のような遷移状態を経て M a n n i c h 型反応が進行し 高収率 高エナンチオ選択的に β - アミノケトン誘導体 を合成している ( S c h e m e ) 7 ) 22

23 Scheme プロリンによる立体選択的 Mannich 型反応 NH CF 3 + (S)-Proline DMS, 20 o C, 72 h F 3 C Figure 遷移状態 Conversion 100% NH 2 86% yield 80% ee H F 3 C N Me H N 年 H o v e yd a らは α イミノエステル にエノールシラン 不斉リガンドと銀触媒を作用させ 目的の α - アミノ酸誘導体 を得ている ( Ta b l e ) 8 ) この合成では F i g u r e のような遷移状態を組むことで高いエナンチオ選択性かつ高いジアステレオ選択性を得ている しかし Ta b l e に示すように温度が上昇するにつれて立体選択性 収率ともに低下している Table 銅触媒と不斉リガンドによる立体選択的 Mannich 型反応 Me N 2 N N C 2 Me + TMS (2 eq) i P 2 Pr H N AgAc (11 mol%), i PrH THF, temp., 15 h (10 mol%) Me Me 2 C NHAr + Me 2 C NHAr anti syn entry temp. ( o C) anti / syn yield (%) anti er / ee (%) syn er / ee (%) : : 4.5 / : 17.5 / : <55 : 45 / <10 77 : 23 / 54 23

24 Figure 遷移状態 P N Ag H R N H PMP Me N 2 N SiMe 3 C 2 Me 年 柴崎らは 銅触媒によるケチミンの還元的不斉 M a n n i c h 反応 を報告している ( S c h e m e ) 9 ) ケチミン にアクリル酸エチ ル 銅触媒 不斉リガンドである ( R ) - D I F L U R P H S とトリエトキシ シランを作用させることで高収率 高い立体選択性で目的の β - アミノ 酸誘導体 を得ている Scheme 銅触媒によるケチミンの還元的不斉 Mannich 型反応 N P 2 + (2.5 eq) CuAc (10 mol%) (R)-DIFLURPHS (10 mol%) () 3 SiH (2.8 eq) THF, -50 o C 2 P H N 95% yield dr = 9 : 1 85% ee 以上のように 私の知る限りでは四級炭素を構築する M a n n i c h 反応では N 上に電子吸引性の置換基または強力なルイス酸を作用させなければならず 極性転換を用いた報文もない また 四級炭素を有する β - アミノ酸誘導体は医薬品や香料 農薬 ポリマー等の原料もしくは 24

25 合成中間体として幅広く用いられているため その合成反応の研究開発は 有機合成において重要なテーマである 本研究では 第一章三節で極性転換反応を利用する四級炭素を構築する M a n n i c h 反応について見出したので 以下詳細に報告する 25

26 第三節 α イミノエステルの極性転換 - Ma nnich 利用する四級炭素の構築 反応を 本節では ベンゾイルギ酸エチル由来の α イミノエステル に塩化ジエチルアルミニウムと二塩化エチルアルミニウムを作用させ Ν - エチル化を進行させた後 酸化剤として過酸化ベンゾイル ( B P ) を用いてイミニウム塩を形成した後に 種々のエノラートを用いることで M a n n i c h 反応が進行し 目的の四級炭素を有する β - アミノエステルが得られることを見出したので述べる 初めに 年に我々の研究室で開発された α イミノエステルに対す る N, C - ジエチル化 Ν - エチル化 - C - アリル化反応の反応条件と同じよ うに α イミノエステル に対し プロピオニトリル溶媒中 で 1 当量の塩化ジエチルアルミニウムと二塩化エチルアルミニウムを加えた後 同じく 1 当量の過酸化ベンゾイル ( B P ) と 2 当量のプロピオン酸エチル由来の R e f o r m a t s k y 試薬を加えて室温まで 7 時間反応させた ( S c h e m e ) Scheme Reformatsky 試薬との反応 BP (1eq) BrZn 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq), C 2 CN, -20 o C to rt, 7 h (2 eq) PMP N 2 C C 2 C yield (%) N H PMP しかし 目的の生成物 を得ることができず Ν - エチル化体 とエチルパラアニシジン が少量得られただけだった T L C 上で 26

27 非常に多くのスポットが見られたことから過酸化ベンゾイル ( B P ) と求核剤が Ν - エチル化反応を阻害しているのではないかと考え 次の検討では Ν - エチル化が進行したのを確認した後 過酸化ベンゾイル ( B P ) と求核剤を添加し検討した ( Ta b l e ) Table 各種求核剤との反応 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) BP (1 eq) Nu (2 eq) PMP N + + C 2 CN, -20 o C to rt, 2 h CN, -20 o C to rt, time 2 C Nu C PMP N H yield (%) enrty time (h) Nu product TMS 2 C S TMS 2 C S S TMS 2 C S ZnBr 2 C 反応はベンゾイルギ酸エチル由来の α イミノエステル に対し プロピオニトリル溶媒中 で 1 当量の塩化ジエチルアルミニウムと二塩化エチルアルミニウムを加え 室温で N - エチル化が進行した 27

28 のを確認した後に過酸化ベンゾイル ( B P ) を作用させ その後連続的に種々のシリルエノールエーテルを作用させた しかし 目的の β - アミノエステル を得ることはできず Ν エチル化体 とエチルパラアニシジン がそれぞれ得られた この結果からシリルエノールエーテルや R e f o r m a t s k y 試薬では求核性 が足りないため目的物が得られなかったと考え 次にシリルエノール エーテルを種々の添加剤で攻撃することで求核剤の求核性が向上する と考え 添加剤の検討を行った ( Ta b l e ) Table 各種添加剤を加えた場合 BP (1 eq) 2 AlCl in hex (1 eq) Nu (2 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) additive (2 eq) PMP + + N C 2 CN, -20 o 2 C C to rt, 2 h solv., temp., 12 h H C yield (%) entry Nu additive solv. temp a CsF CN -20 o C to rt TMS TBAF CN -20 o C to rt MeLi THF -78 o C to rt Li none THF -78 o C to rt a: Yields determined by 1 H NMR spectrometer. 反応はベンゾイルギ酸エチル由来の α イミノエステル に対し プロピオニトリル溶媒中 で 1 当量の塩化ジエチルアルミニウムと二塩化エチルアルミニウムを加え Ν - エチル化の進行後 同じく 28

29 1 当量の過酸化ベンゾイル ( B P ) 2 当量のアセトフェノン由来のシリルエノールエーテルと添加剤を作用させて ( e n t r i e s 1-3 ) あるいは リチウムジイソプロピルアミド ( L D A ) により別系内で調製したアセトフェノン由来のリチウムエノラートを作用させて室温で 1 2 時間反応させることで行った ( e n t r y 4 ) シリルエノールエーテルに対して フッ化物イオンを加えてケイ素原子への攻撃により 求核性を向上させたが目的物を得ることはできなかった ( e n t r y 1, 2 ) しかし リチウムエノラートを作用させたところ目的の β - アミノエステル がそれぞれ収率 11 % 6 % で得られた ( e n t r i e s 3, 4 ) この反応における反応機構は次のように説明することができる ( S c h e m e ) Scheme 反応機構 Cl PMP N C AlCl AlCl 2 Al Cl Cl Al C 2 AlX 2 AlX 2 BP C 2 AlX 2 C 2 C 2 Li C 2 C 2 Li 2 C

30 まず 強いルイス酸性を示す二塩化エチルアルミニウムが α イミノエステル のエステル部位のカルボニル基に配位することにより イミノ窒素上にエチル化反応が進行し アルミニウムエノラートが形成される 続いて このエノラートのアルミニウムに B P が配位し 図のような電子の流れにより酸化が進行することによって N, - アセ タールが形成され ベンゾイルオキシ基の脱離によりイミニウム塩が形成される このイミニウム塩に対してアセトフェノン由来のリチウムエノラートが求核攻撃をすることにより Ν - エチル化 - C - 付加体 が得られると考えられる しかし 目的物らしきものを単離することができなかったため 酸性条件下で 目的物が分解していくためではないかと考えた そこで T L C をトリエチルアミン処理し塩基性条件下で精製することを試みたが 分解体と目的物の R f 値がほぼ同じなため単離することはできなかった リチウムエノラートを用いることで反応が進行したため他の金属エノ ラートでも目的の反応が進行するのではないかと考え 次に亜鉛エノ ラートを用いて反応を行った ( S c h e m e ) Scheme 亜鉛エノラートとの反応 ZnCl 2 AlCl in hex (1 eq) (2 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) BP (1 eq), 2 C + + C 2 CN, -20 o C to rt, 2 h THF, -20 o C to rt, 12 h C 2 PMP N H yield (%) 11 a a : Yield determined by 1 H NMR spectrometer. ベンゾイルギ酸エチル由来の α イミノエステル に対し N - エチ ル化が進行したのを確認した後に 過酸化ベンゾイル ( B P ) を作用さ 30

31 せ その後 別系内でアセトフェノンに L D A を作用させてリチウムエノラートにした後 二塩化亜鉛を加えて金属交換し調製した亜鉛エノラートを作用させた その結果 目的物である β - アミノエステル を収率 11 % で得ることができた しかし リチウムエノラートに比べ 収率は同程度ではあったが 多種の副生成物が生成した これまでの結果から Ν - エチル化体が多く得られていることから アルミニウムエノラートが過酸化ベンゾイル ( Β P ) により即座に酸化される方がイミニウム塩の形成を効率的に行えると考え 今まで Ν - エチル化が進行した後に加えていた過酸化ベンゾイル ( Β P ) を α イミノエステル と共に最初から系内に加える検討を行った ( S c h e m e ) Scheme BP を始めから系内に加えた場合 BP (1 eq) Li 2 AlCl in hex (1 eq) (2 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) + C 2 CN, -20 o C to rt, 2 h THF, -78 o 2 C C to rt, 12 h C yield (%) 11 a 13 a: Yield determined by 1 H NMR spectrometer. 実験の結果 目的物である β - アミノケトン を収率 11 % で得ることができた 精製段階を見る限り 今までより副生成物のスポットが少なくなったので 以後の実験は S c h e m e の条件を基幹として行った まず 溶媒の検討を行った 1 当量の過酸化ベンゾイル ( B P ) とベン 31

32 ゾイルギ酸エチル由来の α イミノエステル に対し 各種溶媒中 で 1 当量の塩化ジエチルアルミニウムと二塩化エチルアルミニウムを加え 室温まで昇温し N - エチル化が進行したのを確認した後に 別系内調製したアセトフェノン由来のリチウムエノラートを作用させた ( Ta b l e ) Table C 2 溶媒検討 BP (1 eq) 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) solvent, -20 o C to rt, 2 h THF, -78 o C to rt, 12 h Li (2 eq) 2 C + C 2 yield (%) entry solvent (%) a (%) 1 DME THF CH 2 Cl 2 4 trace 4 1,4-Dioxane a: Yields determined by 1 H NMR spectrometer. 今までプロピオニトリル溶媒中では N - エチル化体由来の生成物は約 3 0 % でしか得られなかった しかし ジメトキシエタンを用いたとこ ろ 6 0 % 程で N - エチル化が進行した それは 塩化ジエチルアルミニ ウムにジメトキシエタンが溶媒和することで N - エチル化反応の効率 が向上したためと考えられる 次に 求核剤の検討を行った 今まで 目的物を 1 H N M R により確認することはできたが精製後に分解していくため単離できなかった そこで 芳香族系の求核剤ではなく 脂肪鎖の多い求核剤に変更し 32

33 アニオン種としてエステル由来のエノラートに変えることで生成物の 分解を防ぐ効果を期待し検討した ( S c h e m e ) Scheme エステルエノラートとの反応 BP (1 eq) Li 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) (2 eq) Me C 2 DME, rt, 2 h THF, -78 o C to rt, 12 h 2 C C 2 Me yield 75% 1 当量の過酸化ベンゾイル ( B P ) とベンゾイルギ酸エチル由来の α イミノエステルに対し D M E 溶媒中 室温で 1 当量の塩化ジエチルアルミニウムと二塩化エチルアルミニウムを加え 室温で N - エチル化が進行したのを確認した後に 別系内で L D A とイソ酪酸メチルから調製した種々のリチウムエノラートを作用させた その結果目的の N - エチル C - 付加体が収率 7 5 % で初めて単離できた ( S c h e m e ) この結果から これまでの反応が低収率だった理由は求核剤の求核性が足りなかったため目的の反応そのもの良好に進行せず低収率であるばかりか さらに求核剤がアニオン種として安定でありすぎたために レトロ M a n n i c h 反応が進行し 生成物が分解したものと推察される これまでの検討ではリチウムジイソプロピルアミド ( L D A ) により調製したリチウムエノラートのみであったため 次に求核剤を調製する際の塩基検討を行った ( Ta b l e ) 33

34 Table 塩基検討 C 2 BP (1 eq) 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) DME, rt, 2 h Me (2 eq), base (2 eq) THF, -78 o C to rt, 12 h 2 C C 2 Me + PMP N + C 2 PMP N H yield (%) entry base LDA LiHMDS NaHMDS KHMDS リチウムヘキサメチルジシラジド ( L i H M D S ) を作用させたところ収率 4 4 % であり ( e n t r y 2 ) L D A の時よりも収率が低下した また N a H M D S や K H M D S を用いた際の目的物の収率は同程度であった ( e n t r i e s 3, 4 ) しかし 全収率が活性の高いものになるにつれて減少するのは 生成した金属エノラートが目的の反応だけでなく副反応も多く起こしたためだと考えられる 事実 T L C 精製において L i H M D S を作用させた時よりも N a H M D S K H M D S を作用させたときの方が多くの副生成物が確認された 以上の結果から 最適な塩基を L D A として 次に求核剤の当量検討を行った ( Ta b l e ) 34

35 Table 求核剤の当量検討 C 2 BP (1 eq) 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) DME, rt, 2 h Li (eq) PMP Me N THF, -78 o C to rt, 12 h 2 C C 2 Me + C yield (%) entry eq 求核剤が 1 当量の場合では N, C - ジエチル化体 が多く得られたことから リチウムエノラートを調製した時に幾分かは失活しているためアルミニウム試薬からの C - エチル化が競争的に進行すると考えられる 求核剤が 1. 5 当量の時に最高収率 8 1 % で目的物 が得られたことから 以後の実験では求核剤を 1. 5 当量用いることにした 次に 溶媒検討を行った これは 以前にも検討したがその時には 目的物を単離することができなかったため 本当に最適な溶媒が D M E であるのか確認するため行った ( Ta b l e ) 35

36 Table 溶媒検討 2 BP (1 eq) 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) Li Me (1.5 eq) 2 C C 2 Me C 2 solvent, rt, 2 h THF, -78 o C to rt, 12 h PMP N C 2 + N PMP C yield (%) entry solvent DME THF CN CH 2 Cl その結果 D M E がこの反応において最も適していることが明らかになった また T H F を用いた場合ではエチル化体 が多く得られた ( e n t r y 2 ) さらに ジクロロメタンでは多くの副生成物が得られたことから ジクロロメタン自体が反応系に関与してしまったことが考えられる ( e n t r y 4 ) これまでの検討では N - エチル化の際の溶媒として用いた D M E の量を 0. 5 m L と固定していたが ローカルヒーティングなども考えて 次に D M E の溶媒量を検討した ( Ta b l e ) 36

37 Table 溶媒量検討 BP (1 eq) 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) Li Me (1.5 eq) 2 C C 2 Me + PMP N C C (0.15 mmol) DME (ml), rt, 2 h THF, -78 o C to rt, 12 h N PMP C 2 + N H PMP yield (%) entry ml その結果 D M E の溶媒が 0. 5 m L の時に最も高収率で目的物が得られた 0. 5 m L 以上溶媒量を増やしたり 減らしたりしても収率は低下し 1 m L 以上にすると N - エチル化体 が多く得られてくることから イミニウム塩が形成していないことが考えられる 次に これまで 室温まで自然昇温させていたが 副生成物が得られるため 目的物が最も生成する最適温度を調べるために温度検討を行った ( Ta b l e ) 37

38 Table 温度検討 BP (1 eq) 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) Li Me (1.5 eq) 2 C C 2 Me + PMP N C C 2 DME, rt, 2 h THF, temperature, 12 h N PMP C 2 + N H PMP yield (%) entry temperature b -78 o C to -50 o C to -30 o C a 7 a to -10 o C a o C to rt a Determined by 1 H NMR b The reaction times for both the first and second addition reactions were 10 min. 以上のように でリチウムエノラートを 1 0 分間反応させたときがもっとも収率よく目的物を得ることができた ( e n t r y 1 ) また 初めの極性転換反応である N - エチル化についても 1 0 分で完結していることが新たにわかった 収率が低下した理由として余ったリチウムエノラートが 1 2 時間の間に副反応を起こしていると考えられる ( e n t r y 5 ) 次にこの反応の基質適用範囲を調べるために 各置換エノラートの検討を行った ( Ta b l e ) 38

39 Table 各置換エノラートとの反応 BP (1 eq) Li 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) R 2 R 3 (2 eq) C 2 DME, rt, 2 h THF, -78 o C to rt, 12 h 2 C C 2 R 3 R 1 R R 1 entry R 1 R 2 R 3 yield (%) 1 a,b Me Me Me a,b Me H Me H i Pr H H t Bu 84 a The lithium enolate (1.5 eq) was used. b The reaction times for both the first and second addition- reactions were 10 min. 反応は 1 当量の過酸化ベンゾイル ( B P ) とベンゾイルギ酸エチル由来 の α イミノエステル に対し D M E 溶媒中 室温で 1 当量の塩化ジエチルアルミニウムと二塩化エチルアルミニウムを加え 室温で N - エチル化が進行したのを確認した後に 別系内で L D A と各エステルから調製した種々のリチウムエノラートを作用させて行った ( Ta b l e ) 四置換 二置換 どのエノラートを用いても良好な収率で目的の反応が進行したため この反応ではエノラートの立体的な大きさはあまり関係ないと考えられる これまでに反応条件が固まったので 次に α イミノエステルの置換基検討を行った ( Ta b l e ) 39

40 Table α- イミノエステルの置換基検討 BP (1 eq) Li AlCl in hex (1 eq) 2 AlCl 2 in hex (1 eq) Me (1.5 eq) R C 2 DME, rt, 10 min THF, -78 o C, 10 min 2 C C 2 Me R PMP N R C yield (%) entry R MeC 6 H MeC 6 H MeC 6 H ClC 6 H Naphthyl Naphthyl Cy 92 6 芳香環を有する α イミノエステルでは良好な収率で目的の化合物を得ることができ ( e n t i e s 1-5, 7 ) さらに脂肪族のものでも高収率で反応が進行した ( e n t r y 8 ) しかし 芳香環のオルト位に置換基があるものや 2 - ナフチル基を有する場合では収率が低下した ( e n t r y 4, 6 ) これは立体的な要因であると考えられる 次にこの反応をさらに簡略化するため リチウムエノラートから求核剤を単離可能なケテンシリルアセタールに変え検討を行った ( Ta b l e ) 40

41 Table ケテンシリルアセタールを求核剤として用いた検討 BP (1 eq) TMS 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) (1.8 eq) Me R C 2 DME, rt, 10 min rt, 10 min 2 C C 2 Me R PMP N R C N H PMP yield (%) entry R MeC 6 H MeC 6 H a 2-MeC 6 H ClC 6 H Naphthyl Cy a The reaction times for the first addition reactions were 2 h. ケテンシリルアセタールを用いた場合ではリチウムエノラートを用いた場合と異なり 目的物の収率が低下した N, C - ジエチル化体 や N - エチル p - アニシジン が多く得られたことから ケテンシリルアセタールでは求核性が足りないうえに 立体的に嵩高いことが原因として考えられる 以上 本節では ベンゾイルギ酸エチル由来の α イミノエステルに塩化ジエチルアルミニウムと二塩化エチルアルミニウムを作用させ Ν エチル化を進行させた後 酸化剤である過酸化ベンゾイル ( B P ) を用いてイミニウム塩を形成し 種々のエノラートを用いることで反応 41

42 が進行し 目的の四級炭素を有する β - アミノエステルが得られることを見出した この β - アミノエステルは不斉炭素が複数ある化合物であり 相対立体化学の制御をする反応も期待されるため 次節では 従来の立体選択的 M a n n i c h 反応について述べる 42

43 第四節 従来の立体選択的 M a n n i c h 反応 前節の四級炭素を構築する反応と同じように M a n n i c h 生成物は複数の不斉中心を有する β - アミノケトンも多く存在し 立体選択的な合成法も注目されている そのため 立体選択的な M a n n i c h 反応研究も重要である 本節では特に 立体選択的 M a n n i c h 反応について報告するが これは第一章第五節の本研究課題が立体選択的な M a n n i c h 反応を行うことに重きを置いているからである 年 B a r b a s. Ⅲ らは L - プロリン触媒とアルデヒドにより調製したエナミンとアルジミノエステル を作用させることで 目的の β - アミノアルデヒド が良好な収率かつ s y n 体優先的に得られることを報告している ( S c h e m e ) 1 ) Scheme L- プロリンを用いた syn 選択的 Mannich 反応 + H 2 C H R 1 L-proline (5 mol%) Dioxane, rt, 2~24 h H H C (2 eq) R 1 entry R 1 yield (%) syn / anti ee (%) 1 Me 72 3 / / i Pr / 年 小林らは水溶媒中での キラルなアミン触媒を用いたエナン 43

44 チオかつジアステレオ選択的な反応を報告している ヒドラゾン に フッ化亜鉛とキラルリガンド を用い E または Z 体のシリ ルエノールエーテル を用いることで高収率かつ高立体選択的に 目的の β - アミノケトン を得ている ( S c h e m e ) 2 ) Scheme フッ化亜鉛を用いた立体選択的 Mannich 反応 2 C N NHBz + H R 1 R 2 (3 eq) TMS ZnF 2 (1 eq) Ligand (10 mol%) CTAB (2 mol%) H 2, 0 C, 20 h BzHN 2 C NH R 1 R 2 R 3 Ligand Me NH HN Me entry R 1 R 2 yield (%) syn / anti ee (%) 1 Me H / H Me / 年 Z h u らは Y b ( T f ) 3 を触媒とし キラルなアルデヒド に対し アミンを作用させて系内でイミンを調製し α ナフトールを求核剤として用いることで a n t i 体優先的に M a n n i c h 生成物 を得ており 反応温度を上げることで s y n 体が優先的に得られることを報告している ( S c h e m e ) 3 ) Scheme 温度によるジアステレオ選択的 Mannich 反応 H Yb(Tf) 3 (10 mol%) H NBn + H + BnNH ex. NaS 4 2 DCE, temp., 4~20 h NBn 2 NBn 2 (1.1 eq) (1.1 eq) entry temp. ( C) yield (%) syn / anti / / 18 44

45 年 S i m o n - F u e n t e s らは L - プロリン触媒とアルデヒドから調製さ れたエナミンをトリフルオロメチル基を含むアルジミン に作用 させることで 目的の M a n n i c h 生成物 が s y n 体優先的に得られ ることを報告している ( S c h e m e ) 4 ) Scheme L- プロリンを用いた syn 選択的 Mannch 反応 1. L-proline (20 mol%) H NMP, -20 ~ 0 C, 3 days + H F F 3 C H 3 C H R 1 2. NaBH 4 (3 eq) MeH, 0 C, 3 h R (2 eq) entry R 1 yield (%) syn / anti ee (%) 1 Me / >99 / Bn 35 >99 / 年 B a r b a s. Ⅲ らはプロリン由来の触媒 ( R R 3 5 ) とアルデヒドにより調製したエナミンとアルジイミノエステル を作用させることで 目的の β - アミノアルデヒド が良好な収率かつ a n t i 体優先的に得られることを報告している ( S c h e m e ) 5 ) 45

46 Scheme RR 35 触媒を用いた anti 選択的 Mannich 反応 + 2 C H R 1 H RR 35 (5 mol%) H DMS, rt, time H C (2 eq) R 1 RR 35 Me N H CH entry R 1 time (h) yield (%) syn / anti ee (%) 1 Me / 94 >99 2 i Pr / n Bu / 年 小林らはジルコニウム触媒存在下 アルジミン と種々のケテンシリルアセタール を作用させることによって目的の β - アミノエステル が良好な収率かつ高立体選択的に得られることを報告している ( S c h e m e ) 6 ) Scheme キラルなジルコニウム触媒を用いた立体選択的 Mannich 反応 (S)-6-C 2 F 5 -Zr (10 mol%) H H R 1 TMS (S)-6-C 2 F 5 -Zr (10 mol%) N + NH H R 2 Tolene, -78 C, 18 h R H 2 (3 eq) R C 2 F 5 C 2 F 5 NMI Zr NMI CF 5 C 2 F 5 entry 1 R 1 Bn R 2 yield (%) 75 syn / anti 5 / 95 ee (%) 92 NMI Me N 2 TBS i Pr / 8 89 N 年 B a r b a s. Ⅲ らはチオエステルと D B U によりエノラートを調製し アルジミン に作用させることで高収率かつ s y n 選択的に目的の β - アミノチオエステル を得ており 反応温度を上げることで a n t i 優先的になることを報告している ( S c h e m e ) 7 ) 46

47 Scheme DBU を塩基触媒として用いたジアステレオ選択的 Mannich 反応 HN Boc N Boc H (1.2 eq) Cl S CF 3 DBU (0.1 eq) toluene, temp., 2 h F 3 C S Cl entry temp. ( C) yield (%) syn / anti / / 年 Wu らは銅触媒とキラルリガンド グリシンから合成したアミノエステルとアルジミン を作用させることで M a n n i c h 反応を進行させ 目的の β - アミノエステル を高収率かつ高立体選択的に得ている ( S c h e m e ) 8 ) Scheme キラル触媒によって制御される立体選択的 Mannich 反応 N (1.2 eq) CuCl 4 (10 mol%) N Ts ligand (11 mol%) NHTs 3 N (10 mol%) + C 2 Me 4Å MS, THF, -20 C H N C 2 Me entry ligand yield (%) syn / anti ee (%) ligand N Fe PAr a b / / a : Ar = 4-MeC 6 H 4 b : Ar = 3,5-diF-C 6 H 年 A c e n a らはプロリンから合成した触媒を用いて アルデヒドからエナミンを調製し アルジミン と付加させることで L - プロリン触媒を用いた S i m o n - F u e n t e s らの s y n 選択性とは対照的に a n t i 選択的にアミノアルコール を得ている ( S c h e m e ) 9 ) 47

48 Scheme プロリン類縁体触媒を用いた anti 選択的 Mannich 反応 F 3 C + H R 1 H 1. Catalyst (20 mol%), NMP - 20 ~ 0 C, 3 days 2. NaBH 4 (3 eq) MeH, 0 C, 3 h F 3 C H (3 eq) R 1 H Catalyst N H TMS entry R 1 yield (%) syn / anti ee (%) 1 Me / 14 > / Bn / 年 小林らはアルカリ土類金属触媒とスルフォニルイミデートとアルジミン を作用させることで M a n n i c h 反応を進行させ 溶媒が D M F などの極性の高いものを用いたときは a n t i 選択的に目的の M a n n i c h 生成物を得ており T H F などのあまり極性の高くない溶媒の場合は s y n 選択的に M a n n i c h 生成物 を得ている ( S c h e m e ) 1 0 ) 48

49 Scheme 溶媒効果によって制御されるdiastereo 選択的 Mannich 反応 Ar (1.5 eq) N Boc Ar 2 S N [Mg]or[Sr] (10 mol%) Boc 2 S + NH N i Pr Condition A or B H Me i Pr Me entry R 1 Mg( t Bu) 2 : Condition A yield (%) syn / anti [{Sr(HMDS) 2 } 2 ] : Condition B yield (%) syn / anti / / 7 2 p-me 92 5 / / 5 3 p-f >99 2 / / 8 Condition A: DMF, rt, 14 h, Ar = 2,5-xylyl Condition B: THF, rt, 24 h, Ar = p-n 年 石原らはキラルなリチウム触媒と求核剤となるケトエステルを用いてエノラートを調製し アルジミン と反応させることで M a n n i c h 反応が進行し 高収率かつ高立体選択的に目的の M a n n i c h 生成物 が得られることを報告している この時 非環状のケトエステルの場合では a n t i 体が優先して得られ 環状のケトエステルでは s y n 体が優先して得られている ( S c h e m e ) 1 1 ) 49

50 Scheme キラルリチウム触媒とケトエステルによって制御される Mannich 反応 entry 1 N Boc H Me 2 C R ketoester R' (1.1 eq) R" Boc product NH Me 2 C Catalyst (5 mol%) n BuLi (5 mol%) t BuH (10 mol%) toluene, -78 C, 2 h yield(%) 96 Boc syn / anti 96 / 4 NH R" R' R ee(%) 97 (syn) Catalyst F H H F F F F F 2 Me 2 C Me Boc NH Me 2 C H Me 97 5 / (anti) このように M a n n i c h 反応による片方のジアステレオマーを選択に得る反応は数多く知られているが 一つの反応系でジアステレオマーの両方を得られる反応はあまり多くないことがわかる また 立体選択的な M a n n i c h 反応では アルデヒド由来のイミンを用いた三級炭素を構築するものばかりで 私が知る限りケトン由来のイミンを用いた四級炭素を構築する M a n n i c h 反応で両方のジアステレオマーを得ている報告は知られていなかった そこで本研究では 四級炭素を構築する M a n n i c h 反応として初めて両ジアステレオマーを選択的に得られる反応を見出したので 次節で詳細に述べる 50

51 第五節 α イミノエステルの極性転換 - Mannich 反応を利用する立体選択的四級炭素の構築 本節では ベンゾイルギ酸エチル由来の α イミノエステル に塩化ジエチルアルミニウムと二塩化エチルアルミニウムを作用させ Ν - エチル化を進行させた後 酸化剤として過酸化ベンゾイル ( B P ) を用いてイミニウム塩を形成した後に 種々のエノラートを用いることでジアステレオ選択的に M a n n i c h 反応が進行し 目的の立体選択的四級炭素を有する β - アミノエステルが得られることを見出したので述べる 初めに 第一章第三節で得た知見をもとに求核剤を L D A とプロピオ ン酸 t e r t - ブチルから調製したリチウムエノラートを用いて反応させ た ( S c h e m e ) Scheme 三置換リチウムエノラートを用いた検討 C 2 BP (1 eq) 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) DME, rt, 2 h t Bu (1.5 eq) THF, -78 o C to rt, 12 h Li 2 C C 2 t Bu 89 % yield dr = 56 : 44 収率 8 9 % で目的物 を得たがジアステレオ選択性は全く発現されなかった エステルのアルコキシ基の大きさがジアステレオ選択性に大きく影響していると考え 次にエステルの置換基検討を行った ( Ta b l e ) 51

52 Table 求核剤に用いるエステルの置換基検討 BP (1 eq) 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) Li R (1.5 eq) C 2 R 2 C PMP N + C C 2 DME, rt, 2 h THF, -78 o C to rt, 12 h PMP N C N H PMP yield (%) entry R dr a ,6-Me 2 C 6 H ,6- t Bu-4-MeC 6 H t Bu / a Determined on the isolated compounds エステルの置換基を非常に嵩高い芳香族置換基に変えたところ目的の付加体 は全く得られず ( e n t r i e s 1, 2 ) イミニウムを経た後に生成する N, C - ジエチル化体 と N - エチル p - アニシジン が多量に得られた このことからイミニウム塩は形成しているが エノラートが大きすぎたため付加が進行しなかったと考えた これまでの検討ではリチウムエノラートが E 体 または Z 体であるか考えていなかったため 次にリチウムエノラートの幾何異性に注目し エノラートを調製する際の溶媒を T H F からシクロペンチルメチルエーテル ( C P M E ) に変えることでエノラートを E 体優先的に調製し求核剤として用いた ( S c h e m e ) 1 ) 52

53 Scheme E 体優先的なリチウムエノラートを用いた検討 C 2 BP (1 eq) 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) DME, rt, 2 h Li E / Z = >99 / <1 t Bu (1.5 eq) CPME, -78 o C to rt, 12 h C t 2 Bu 2 C PMP N PMP N + C 2 C % yield dr = 84 / 16 a + N H PMP 22 % yield 0 % yield 2 % yield a Determined on the isolated compounds 1 当量の過酸化ベンゾイル ( B P ) とベンゾイルギ酸エチル由来の α イミノエステル に対し D M E 溶媒中 室温で 1 当量の塩化ジエチルアルミニウムと二塩化エチルアルミニウムを加え 室温で N - エチル化が進行したのを確認した後に 別系内で C P M E を溶媒として L D A と各エステルから調製した E 体優先的なリチウムエノラートを作用させた その結果初めて立体選択的に目的物を得ることができた この結果から この反応ではエノラートの幾何異性と溶媒効果が大きく影響していると考えた 次に 溶媒効果によりジアステレオ選択性を発現させようと考え 溶 媒検討を行った ( Ta b l e ) 53

54 Table 溶媒検討 C 2 BP (1 eq) 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) Solvent, rt, 2 h Li E / Z = >99 / <1 t Bu (1.5 eq) CPME, -78 o C to rt, 12 h C t 2 Bu 2 C PMP N PMP N + C 2 C N H PMP yield (%) entry Solvent dr a DME / CPME / CN / MeCN / DME : CPME (4:1) / DME : CPME (3:2) / DME : CPME (2:3) / DME : CPME (1:4) / a Determined on the isolated compounds まず各溶媒検討を行った ( e n t r i e s 1-4 ) その結果 D M E 溶媒の時に 最も高い収率で目的物が得られ ( e n t r y 1 ) C P M E 溶媒の時最も高いジ アステレオ選択性であったため ( e n t r y 2 ) D M E と C P M E の混合比を変える検討を行った ( e n t r i e s 5-8 ) どの検討でも中程度の収率と良好なジアステレオ選択性であった 次に 種々の塩基と添加剤から調製した Z または E 体優先的なリチウムエノラート ( S c h e m e ) 1 ), 2 ) を用いた検討を行った ( Ta b l e ) 54

55 Scheme E or Z 選択的ケテンシリルアセタールからのリチウムエノラート調製法 t Bu t Bu i Pr 2 NH (1.2 eq) n BuLi in hex (1.1 eq) TMSCl (1.2 eq) CPME, 0 ~ 5 C, 1.5 h HMDS (1 eq) n BuLi in hex (1.1 eq) TBSCl (1.1 eq) HMPA (2.2 eq) THF, -78 C ~ rt, 1 h TMS t Bu 79 % yield E / Z = >99 / <1 TBS t Bu 89 % yield E / Z = <1 / >99 Table E or Z- 優先的エノラートを用いたジアステレオ選択性検討 C 2 BP (1 eq) 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) DME, rt, 2 h Li E / Z t Bu (1.5 eq) THF, -78 o C to rt, 12 h MeLi in THF THF, -78 C MeLi in THF THF, -78 C 2 C Li t Bu E / Z = >99 / <1 Li t Bu E / Z = <1 / >99 C t 2 Bu + N eq. 1 eq. 2 PMP C yield (%) entry Base additive E / Z dr c LDA - >99 / < / a MeLi - >99 / <1 88 >99 / < LDA HMPA 23 / / LiHMDS HMPA 12 / / b MeLi - <1 / >99 84 <1 / >99 10 a Ketene trimethylsilyl acetal (E / Z = >99 / <1) was used instead of tert-butyl Propionate. b Ketene tert-butyldimethylsilyl acetal (E / Z = <1 / >99) was used instead of tert-butyl Propionate. c Determined on the isolated compounds 反応は 1 当量の過酸化ベンゾイル ( B P ) とベンゾイルギ酸エチル由 55

56 来の α イミノエステル に対し D M E 溶媒中 室温で 1 当量の塩化ジエチルアルミニウムと二塩化エチルアルミニウムを加え 室温で N - エチル化が進行したのを確認した後に 別系内で種々の条件下 調製した E 体または Z 体優先的なリチウムエノラートを作用させた E 体のケテンシリルアセタール ( K S A ) を用い M e L i でリチウムエノラートにして用いたところ 収率 8 8 % d r = > 9 9 / < 1 で目的の生成物を得ることができた ( e q. 1, e n t r y 2 ) また Z 体のケテンシリルアセタール ( K S A ) に対して M e L i を作用させて得たリチウムエノラートを用いたところ 収率 8 4 % d r = < 1 / > 9 9 で目的物が得られ ジアステレオ選択性が逆転した ( e q. 2, e n t r y 5 ) この結果から この反応ではエノラートの幾何異性が大きく関与していると考えた これまでの検討で N, C - ジエチル化体 が多く得られてきたため 反応時間を短縮する検討を行った ( Ta b l e ) Table 時間 温度の最適化検討 C 2 BP (1 eq) 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) DME, rt, time 1 Li E / Z t Bu (1.5 eq) THF, temperature, time 2 2 C C t 2 Bu + PMP N C yield (%) entry time 1 temperature time 2 E / Z dr c a 2 h -78 o C to rt 12 h >99 / < / a 10 min -78 o C 10 min >99 / <1 94 >99 / <1 6 3 b 2 h -78 o C to rt 12 h <1 / >99 84 <1 / > b 10 min -78 o C 10 min <1 / >99 91 <1 / >99 4 a Lithium enolate was prepared with ketene trimethylsilyl acetal (E / Z = >99 / <1) and MeLi. b Lithium enolate was prerared with ketene tert-butyldimethylsilyl acetal (E / Z = <1 / >99) and MeLi. c Determined on the isolated compounds 56

57 反応は 1 当量の過酸化ベンゾイル ( B P ) とベンゾイルギ酸エチル由来の α イミノエステル に対し D M E 溶媒中 室温で 1 当量の塩化ジエチルアルミニウムと二塩化エチルアルミニウムを加え 室温で種々の時間反応させた後に E または Z 選択的なケテンシリルアセタールに M e L i を作用させることで調製した E 体または Z 体優先的なリチウムエノラートを作用させた その結果 初めの極性転換反応である N - エチル化は 1 0 分で完了し イミニウム塩に対する付加反応も 1 0 分でほぼ定量的に完了した ( e n t r i e s 2, 4 ) 次に α イミノエステルの置換基の検討を行った ( Ta b l e , ) Table E-エノラートを用いたα-イミノエステルの置換基検討 BP (1 eq) Li 2 AlCl in hex (1 eq) E / Z = >99 / <1 AlCl 2 in hex (1 eq) t Bu (1.5 eq) R C 2 DME, rt, 10 min THF, -78 o C, 10 min R C t 2 Bu + R 2 C PMP N C yield (%) entry R dr a >99 / < MeC 6 H 4 93 >99 / < MeC 6 H 4 95 >99 / < MeC 6 H ClC 6 H 4 90 >99 / <1 9 6 Cy 88 >99 / <1 6 a Determined on the isolated compounds 57

58 Table Z-エノラートを用いたα-イミノエステルの置換基検討 BP (1 eq) Li 2 AlCl in hex (1 eq) E / Z = <1 / >99 AlCl 2 in hex (1 eq) t Bu (1.5 eq) R C 2 DME, rt, 10 min THF, -78 o C, 10 min R C t 2 Bu + R 2 C PMP N C yield (%) entry R dr a <1 / > MeC 6 H 4 88 <1 / > MeC 6 H 4 95 <1 / > MeC 6 H ClC 6 H 4 92 <1 / > Cy 85 <1 / >99 4 a Determined on the isolated compounds 反応は 1 当量の過酸化ベンゾイル ( B P ) と種々の置換基を有する α イミノエステル に対し D M E 溶媒中 室温で 1 当量の塩化ジエチルアルミニウムと二塩化エチルアルミニウムを加え 室温で N - エチル化が進行したのを確認した後に 別系内で調製した E 体または Z 体優先的なリチウムエノラートを作用させた 芳香族 脂肪族に限らず どの置換基を用いても高収率かつ高ジアステレオ選択的に反応が進行した また E 体または Z 体優先的エノラートどちらを用いても収率に大きな差は見られなかった しかし オルト位に置換基があるとエノラートが全く付加せず イミニウム塩とエノラートの間の立体反発が大きすぎると反応が進行しないと考え 58

59 た ( e n t r y 4 ) エナミン構造を取る可能性のあるシクロヘキシル基を有する飽和環状のイミノエステル ( e n t r y 6 ) を用いても良好に反応が進行した 次にこの反応をより簡便なワンポット反応とするため 求核剤を単離使用できるケテンシリルアセタール ( K S A ) にした ( Ta b l e , ) Table E- ケテンシリルアセタールを用いたジアステレオ選択的反応 R C 2 BP (1 eq) 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) DME, rt, 10 min TMS E / Z = >99 / <1 t Bu (1.5 eq) rt, 10 min R 2 C C t 2 Bu + R PMP N C yield (%) entry R dr a >99 / < MeC 6 H 4 60 >99 / < MeC 6 H 4 93 >99 / < MeC 6 H ClC 6 H 4 87 >99 / <1 9 6 Cy 33 >99 / <1 38 a Determined on the isolated compounds 59

60 Table Z- ケテンシリルアセタールを用いたジアステレオ選択的反応 R C 2 BP (1 eq) 2 AlCl in hex (1 eq) AlCl 2 in hex (1 eq) CN, rt, 10 min TBS E / Z = <1 / >99 t Bu (1.5 eq) rt, 10 min R 2 C C t 2 Bu + R PMP N C yield (%) entry R dr a <1 / > MeC 6 H 4 46 <1 / > MeC 6 H 4 94 <1 / > MeC 6 H ClC 6 H 4 88 <1 / > Cy 20 <1 / >99 43 a Determined on the isolated compounds リチウムエノラートより求核性の劣るケテンシリルアセタール ( K S A ) ではイミニウム塩の電子環境に収率が大きく作用された また シクロヘキシル環を有する α イミノエステルでは Z - エノラートを用 いたときのみ立体選択性が発現しなかった ( e n t r y 6 ) これは α イミノ エステルの α 位の置換基が芳香環から飽和脂肪環に変わったことで芳 香環同士の π - π スタック効果が失われてしまったこと 金属種が L i から S i に変わったことでキレート構造を強く組めなくなってしまっ たのではと考えた ( F i g u r e ) 60

61 Figure 中間遷移状態 PMP Me Cy Z- Enolate Si N t Bu TS-1 PMP N Me Cy Z- Enolate t Bu Si TS-2 Cy 2 C anti C 2 t Bu Cy 2 C syn C 2 t Bu 先ほどの検討で シクロヘキシル環を有する基質を用いたときのみ 立体選択性が低下したことから考えられる遷移状態を示します イミノエステルの α 位の置換基が芳香環から飽和脂肪環に変わったことで芳香環同士の π - π スタック効果が失われてしまったことによる遷移状態の不安定化や さらにケテンシリルアセタールの場合ではリチウムエノラートの場合とは違いキレート構造を強く組めないと考えられます TS-2 の場合では Z- エノラートのメチル基とイミニウム塩のエチル基との間で反発が存在し TS-1 の場合でも Z- エノラートのメチル基とイミニウム塩のパラアニシル基との間で反発が存在するため立体選択性が発現しなかったと考えられます ( F i g u r e ) 以上 本節では ベンゾイルギ酸エチル由来の α イミノエステルに 塩化ジエチルアルミニウムと二塩化エチルアルミニウムを作用させ 61

62 Ν エチル化を進行させた後 酸化剤である過酸化ベンゾイル ( B P ) を用いてイミニウム塩を形成し 種々のエノラートを用いることで反応が進行し 目的の四級炭素を有する β - アミノエステルが立体選択的に得られることを見出した 四級炭素を有する β - アミノ酸誘導体は医薬品や香料 農薬 ポリマー等の原料もしくは合成中間体として幅広く用いられているため その合成反応の研究開発は 有機合成において重要なテーマである また 私の知る限りではイミニウム塩を経る反応としてジアステレオ選択性を自由に制御できる反応の例はほぼ無く 本反応が初めて自由にジアステレオ選択性を制御できるものである点も非常に重要である 今後はこの反応をエナンチオ選択的なものとすることでさらにこの反応を有用なものにできると考える 62

63 実験の部 N M R スペクトルは日本電子製 J N M - A 或いは E C X を使用し 内部標準にはテトラメチルシラン ( T M S ) を使用し測定した 赤外吸収スペクトルは日本分光製 F T / I R P l u s 型分光計を使用した マススペクトルは J E L J M X - A X H A J E L J M S - D X H F または M a r i n e r T K s p e c r o m e t e r を用いて測定した 反応に用いた溶媒は テトラヒドロフラン ( T H F ) 及びジエチルエーテル ( E t 2 ) はナトリウムベンゾフェノンケチルから使用の直前に蒸留したものを使用し 塩化メチレン ( C H 2 C l 2 ) は五酸化リンで前処理した後水素化カルシウム存在下で蒸留し モレキュラーシーブス 4 A を乾燥剤として用いて保存したものを使用した プロピオニトリル ( E t C N ) は五酸化リンから蒸留したものをさらに水素化カルシウムでさらに蒸留し モレキュラーシーブス 4 A を乾燥剤として用いて保存したものを使用した ジメトキシエタン ( D M E ) は水素化カルシウム存在下蒸留したものをさらに塩化銅存在下蒸留し 金属ナトリウムを乾燥剤として用いて保存したものを使用した 1, 4 - ジオキサン ( 1, 4 - D i o x a n e ) は水素化カルシウム存在下で加熱還流しその後蒸留し金属ナトリウムを乾燥剤として用いて保存し 使用直前に水素化カルシウム存在下で蒸留して使用した シクロペンチルメチルエーテル ( C P M E ) は 水素化カルシウム存在下で蒸留し モレキュラーシーブス 4 A を乾燥剤として用いて保存したものを使用した 塩化ジエチルアルミニウム ( E t 2 A l C l ) 二塩化エチルアルミニウム ( E t A l C l 2 ) は関東化学 ( 株 ) で販売されているヘキサン溶液のものを用いた その他の試薬類は市販品を蒸留し精製したもの もしくはそのま 63

64 ま使用した カラムクロマトグラフィーを用いた精製には充填剤に関東化学 ( 株 ) シリカゲル 6 0 N ( 球状 中性 ) を使用し 薄層クロマトグラフィーを用いた精製には M e r c k K i s e l G e l P G を担持したものを使用した 全ての反応は特別な場合を除き アルゴン気流下で行い反応容器はセプタムで栓をした また 実験で用いたガラス器具及びシリンジはすべて高減圧ポンプによって前乾燥したものを使用した 実験タイトルの後ろに実験番号を添付した 64

65 第一章 α イミノエステルの極性転換反応を用いる立体選択的四級炭素の構築 第三節 α イミノエステルの極性転換 - Mannich 反応を 利用する四級炭素の構築 ( 原料合成 ) [ N - ( 4 - メトキシフェニル ) イミノ ] フェニル酢酸エチル の合成 ( D K ) 1 ) C 2 p - アニシジン ( g, m m o l ) のベンゼン溶液 ( 8 0 m L ) にフェニルグリオキシル酸エチル ( m l, 5 0 m m o l ) と p - トルエンスルホン酸 1 水和物 ( m g, 2. 5 m m o l ) を加え 2 0 時間脱水しながら加熱還流した 溶媒を留去した後 カラムクロマトグラフィー ( 酢酸エチル / ヘキサン = 1 / 4 ) により精製し さらにヘキサン溶媒による再結晶により [ N - ( p - メトキシフェニル ) イミノ ] フェニル酢酸エチル を得た 収率 9 6 % ( 収量 g ) n e i s o m e r s ( E o r Z o n l y ) m. p R f ( e t h y l a c e t a t e / h e x a n e = 1 / 2 ) 形状 黄色結晶 1 H N M R ( M H z, C D C l 3 ) δ : ( t, J = 7. 3 H z, 3 H ), ( s, 3 H ), ( q, J = 7. 3 H z, 2 H ), ( m, 4 H ), ( m, 3 H ), ( m, 65

66 2 H ) 1 3 C N M R ( M H z, C D C l 3 ) δ , , , , , , , , , , , , ; I R ( n e a t ) , , , , , , , , c m - 1 M S ( E S I ) : m / z ( M + H ) + ; H R M S : C a l c u l a t e d f o r C 1 7 H 1 7 N 3 ( M + ) , f o u n d エチル ( 4 - メトキシフェニル ) - [ N - ( 4 - メトキシフェニル ) イミノ ] アセテート の合成 ( Y T ) 1 ) C 2 Me p - アニシジン ( g, m m o l ) のベンゼン溶液 ( 4 5 m L ) にエチル 2 - ( 4 - メトキシフェニル ) オキソアセテート ( g, m m o l ) と p - トルエンスルホン酸 1 水和物 ( m g, m m o l ) を加え 2 0 時間脱水しながら加熱還流した 溶媒を留去した後 カラムクロマトグラフィー ( 酢酸エチル / ヘキサン = 1 / 1 0 ) により精製し さらにヘキサン / トルエン = 5 / 1 による再結晶によりエチル ( 4 - メトキシフェニル ) - [ N - ( 4 - メトキシフェニル ) イミノ ] アセテート を得た 収率 7 7 % ( 収量 g ) R f ( e t h y l a c e t a t e / h e x a n e = 1 / 4 ) 形状 黄色結晶 1 H N M R ( M H z, C D C l 3 ) δ ( t, J = 7. 0 H z, 3 H ), ( s, 3 H ), ( s, 3 H ), ( q, J = 7. 0 H z, 2 H ), ( m, 6 H ), ( m, 2 H ) ; 1 3 C N M R ( M H z, C D C l 3 ) δ , , , , , , , 66

67 , , , , , ; I R ( n e a t ) , , , , , , , , c m - 1 H R M S : C a l c u l a t e d f o r C 1 8 H 1 9 N 4 ( M + ) , f o u n d エチル ( 3 - メトキシフェニル ) - [ N - ( 4 - メトキシフェニル ) イミノ ] アセテート の合成 ( D K ) Me C 2 p - アニシジン ( g, 4 4 m m o l ) のベンゼン溶液 ( 8 0 m L ) にエチル 2 - ( 3 - メトキシフェニル ) オキソアセテート ( g, 4 2 m m o l ) と p - トルエンスルホン酸 1 水和物 ( m g, 2. 1 m m o l ) を加え 2 0 時間脱水しながら加熱還流した 溶媒を留去した後 カラムクロマトグラフィー ( 酢酸エチル / ヘキサン = 1 / 4 ) により精製し さらにヘキサン溶媒による再結晶によりエチル ( 3 - メトキシフェニル ) - [ N - ( 4 - メトキシフェニル ) イミノ ] アセテート を得た 収率 9 5 % ( 収量 g ) R f ( e t h y l a c e t a t e / h e x a n e = 1 / 4 ) 形状 黄色結晶 1 H N M R ( M H z, C D C l 3 ) δ ( t, J = 7. 3 H z, 3 H ), ( s, 3 H ), ( s, 3 H ), ( q, J = 7. 3 H z, 2 H ), ( m, 5 H ), ( m, 2 H ), ( m, 1 H ) ; 1 3 C N M R ( M H z, C D C l 3 ) δ , , , , , , , , , , , , , ; I R ( n e a t ) , , , , , , , , , , 67

68 , c m - 1 ; H R M S : C a l c u l a t e d f o r C 1 8 H 1 9 N 4 ( M + ) , f o u n d エチル ( 2 - メトキシフェニル ) - [ N - ( 4 - メトキシフェニル ) イミノ ] アセテート の合成 ( D K ) 1 ) Me C 2 p - アニシジン ( g, m m o l ) のベンゼン溶液 ( 8 0 m L ) にエチル 2 - ( 2 - メトキシフェニル ) オキソアセテート ( g, m m o l ) と p - トルエンスルホン酸 1 水和物 ( m g, 1. 8 m m o l ) を加え 2 0 時間脱水しながら加熱還流した 溶媒を留去した後 カラムクロマトグラフィー ( 酢酸エチル / ヘキサン = 1 / 4 ) により精製し さらにヘキサン溶媒による再結晶によりエチル ( 2 - メトキシフェニル ) - [ N - ( 4 - メトキシフェニル ) イミノ ] アセテート を得た 収率 9 7 % ( 収量 g ) R f ( e t h y l a c e t a t e / h e x a n e = 1 / 4 ) 形状 黄色結晶 M i x t u r e o f i s o m e r s ( E o r Z = 5 6 o r 4 4 ). 1 H N M R ( M H z, C D C l 3 ) δ ( t, J = 7. 3 H z, H ), ( t, J = 7. 3 H z, H ), ( s, H ), ( s, H ), ( s, H ), ( s, H ), ( q, J = 7. 3 H z, H ), ( q, J = 7. 3 H z, H ), ( m, 8 H ) ; 1 3 C N M R ( M H z, C D C l 3 ) δ , , , , , , , , , , , , , , 1 2 2, 6, , , , , , , , , , , , , , 68

69 , , ; I R ( n e a t ) , , , , , , , c m - 1 H R M S : C a l c u l a t e d f o r C 1 8 H 1 9 N 4 ( M + ) , f o u n d エチル ( 4 - クロロフェニル ) - [ N - ( 4 - メトキシフェニル ) イミノ ] アセテート の合成 ( Y T ) 1 ) C 2 Cl p - アニシジン ( g, m m o l ) のベンゼン溶液 ( 4 0 m L ) にエチル 2 - ( 4 - クロロフェニル ) オキソアセテート ( g, m m o l ) と p - トルエンスルホン酸 1 水和物 ( m g, m m o l ) を加え 2 0 時間脱水しながら加熱還流した 溶媒を留去した後 カラムクロマトグラフィー ( 酢酸エチル / ヘキサン = 1 / 1 0 ) により精製し さらにヘキサン溶媒による再結晶によりエチル ( 4 - クロロフェニル ) - [ N - ( 4 - メトキシフェニル ) イミノ ] アセテート を得た 収率 9 7 % ( 収量 g ) R f ( e t h yl a c e t a t e / h e x a n e = 1 / 1 0 ) 形状 黄色結晶 M i x t u r e o f i s o m e r s ( E o r Z = 9 5 o r 5 ). 1 H N M R ( M H z, C D C l 3 ) δ ( t, J = 7. 3 H z, 3 H ), ( s, 3 H ), ( q, J = 7. 3 H z, 2 H ), ( m, 4 H ), ( m, 2 H ), ( m, 2 H ) ; 1 3 C N M R ( M H z, C D C l 3 ) δ , , , , , , , , , , , , ; I R ( n e a t ) , , , , , , , c m

70 H R M S : C a l c u l a t e d f o r C 1 8 H 1 9 N 4 ( M + ) , f o u n d エチル 2 - [ N - ( 4 - メトキシフェニル ) イミノ ] ( ナフタレン イン ) アセテート の合成 ( D K ) C 2 p - アニシジン ( g, 7. 5 m m o l ) のベンゼン溶液 ( 4 0 m L ) にエチル 2 - ( ナフタレン イン ) オキソアセテート ( g, m m o l ) と p - トルエンスルホン酸 1 水和物 ( m g, m m o l ) を加え 2 0 時間脱水しながら加熱還流した 溶媒を留去した後 カラムクロマトグラフィー ( 酢酸エチル / ヘキサン = 1 / 8 ) により精製し さらにヘキサン溶媒による再結晶によりエチルエチル 2 - [ N - ( 4 - メトキシフェニル ) イミノ ] ( ナフタレン イン ) アセテート を得た 収率 8 9 % ( 収量 2. 2 g ) R f ( e t h y l a c e t a t e / h e x a n e = 1 / 8 ) 形状 黄色結晶 M i x t u r e o f i s o m e r s ( E o r Z = > 9 5 o r < 5 ). 1 H N M R ( M H z, C D C l 3 ) δ ( t, J = 7. 3 H z, 3 H ), ( s, 3 H ), ( q, J = 7. 3 H z, 2 H ), ( m, 4 H ), ( m, 5 H ), ( m, 2 H ) ; 1 3 C N M R ( M H z, C D C l 3 ) δ , , , , , , , , , , , , , , , , , , ; I R ( n e a t ) , , , , , , , , , , , c m - 1 ; 70

71 H R M S : C a l c u l a t e d f o r C 2 1 H 1 9 N 3 ( M + ) , f o u n d エチル 2 - [ N - ( 4 - メトキシフェニル ) イミノ ] ( ナフタレン イン ) アセテート の合成 ( D K ) C 2 p - アニシジン ( g, m m o l ) のベンゼン溶液 ( 6 0 m L ) にエチル 2 - ( ナ フタレン イン ) オキソアセテート ( m L, 4 5 m m o l ) と p - トル エンスルホン酸 1 水和物 ( m g, m m o l ) を加え 2 0 時間脱水しながら加熱還流した 溶媒を留去した後 カラムクロマトグラフィー ( 酢酸エチル / ヘキサン = 1 / 1 0 ) により精製し さらにヘキサン溶媒による再結晶によりエチル 2 - [ N - ( 4 - メトキシフェニル ) イミノ ] ( ナフタレン イン ) アセテート を得た 収率 8 8 % ( 収量 g ) R f ( e t h y l a c e t a t e / h e x a n e = 1 / 1 0 ) 形状 黄色結晶 M i x t u r e o f i s o m e r s ( E o r Z = 7 0 o r 3 0 ). 1 H N M R ( M H z, C D C l 3 ) δ ( t, J = 7. 3 H z, 0. 9 H ), ( t, J = 7. 3 H z, 2. 1 H ), ( s, 2. 1 H ), ( s, 0. 9 H ), ( q, J = 6. 9 H z, 0. 6 H ), ( q, J = 6. 9 H z, 1. 4 H ), ( m, 1 0 H ), ( m, 1 H ) ; 1 3 C N M R ( M H z, C D C l 3 ) δ , , , , , , , , , , , , , , , , , , , ; I R ( n e a t ) , , , , , , , , , c m

72 H R M S : C a l c u l a t e d f o r C 2 1 H 1 9 N 3 ( M + ) , f o u n d エチル 2 - シクロヘキシル [ N - ( 4 - メトキシフェニル ) イミノ ] アセテート の合成 ( D K ) 1 ) C 2 p - アニシジン ( g, m m o l ) のベンゼン溶液 ( 8 0 m L ) にエチル 2 - シクロヘキシル オキソアセテート ( g, m m o l ) と p - トルエンスルホン酸 1 水和物 ( m g, m m o l ) を加え 1 7 時間脱水しながら加熱還流した 溶媒を留去した後 カラムクロマトグラフィー ( 酢酸エチル / ヘキサン = 1 / 4 ) により精製し エチル 2 - シクロヘキシル [ N - ( 4 - メトキシフェニル ) イミノ ] アセテート を得た 収率 9 2 % ( 収量 g ) R f ( e t h y l a c e t a t e / h e x a n e = 1 / 4 ) 形状 黄色液体 1 H N M R ( M H z, C D C l 3 ) δ ( t, J = 7. 3 H z, 3 H ), ( m, 1 0 H ), ( m, 1 H ), ( s, 3 H ), ( q, J = 7. 3 H z, 2 H ), ( m, 4 H ) ; 1 3 C N M R ( M H z, C D C l 3 ) δ , , , , , , , , , , , ; I R ( n e a t ) , , , , , , , , , , c m - 1 H R M S : C a l c u l a t e d f o r C 1 7 H 2 3 N 3 ( M + ) , f o u n d

練習問題

練習問題 生物有機化学 練習問題 ( はじめに ) 1 以下の各問題中で 反応機構を書け ということは 電子の流れを曲がった矢印を用いて説明せよ ということである 単純に生成物を書くだけでは正答とはならない 2 で表される結合は 立体異性体の混合物であることを表す 3 反応式を表す矢印 ( ) に書かれている試薬に番号が付いている場合 1. の試薬 を十分に反応させた後に 2. の試薬を加えることを表す 例えば

More information

Microsoft Word - 化学系演習 aG.docx

Microsoft Word - 化学系演習 aG.docx 有機化学反応の基礎 (4) 脱離反応 (1) 脱離反応 (E1 と E2 反応 )--- ハロゲン化アルキルの例脱離生成物と安定性原子上のプロトン () と電気陰性度の大きな原子を含む脱離基が脱離し π 結合を形成する 脱離基 Xの結合している炭素 (α 位 ) とその隣の炭素 (β 位 ) からXが脱離するので β 脱離とも呼ばれる ザイツェフ則 ( セイチェフ則 ): 多置換アルケン ( 安定性が高い

More information

Microsoft PowerPoint - 有機元素化学特論11回配布用.pptx

Microsoft PowerPoint - 有機元素化学特論11回配布用.pptx フッ素化合物の沸点比較 80 80.5 323 フッ素の異常性 ハロゲン - リチウム交換 n-buli R 3 C X R 3 C Li X =, Br, I n-buli R 3 C R 3 C Li フッ素化学入門日本学術振興会フッ素化学第 155 委員会三共出版 2010 ISB 4782706286 フッ素の異常性の原因となる性質 含フッ素生理活性物質 創薬科学入門久能祐子監修佐藤健太郎著オーム社

More information

官能基の酸化レベルと官能基相互変換 還元 酸化 炭化水素 アルコール アルデヒド, ケトン カルボン酸 炭酸 H R R' H H R' R OH H R' R OR'' H R' R Br H R' R NH 2 H R' R SR' R" O R R' RO OR R R' アセタール RS S

官能基の酸化レベルと官能基相互変換 還元 酸化 炭化水素 アルコール アルデヒド, ケトン カルボン酸 炭酸 H R R' H H R' R OH H R' R OR'' H R' R Br H R' R NH 2 H R' R SR' R O R R' RO OR R R' アセタール RS S 官能基の酸化レベルと官能基相互変換 還元 酸化 炭化水素 アルコール アルデヒド, ケトン カルボン酸 炭酸 ' ' ' '' ' ' 2 ' ' " ' ' アセタール ' チオアセタール -'' ' イミン '' '' 2 C Cl C 二酸化炭素 2 2 尿素 脱水 加水分解 ' 薬品合成化学 小問題 1 1) Al 4 は次のような構造であり, ( ハイドライドイオン ) の求核剤攻撃で還元をおこなう

More information

Microsoft Word - 化学系演習 aG.docx

Microsoft Word - 化学系演習 aG.docx 有機化学反応の基礎 () 芳香族化合物 ) 芳香族化合物の性質 ベンゼンに代表される芳香族化合物は 環構造を構成する原子すべてが p 軌道をもち 隣同士の原子間で p 軌道が重なり合うことができるので 電子が非局在化 ( 共鳴安定化 ) している 芳香族性をもつため 求電子付加反応ではなく求電子置換反応を起こしやすい 全ての炭素が sp ² 混成 π 結合 p 軌道 π 電子がドーナツ状に分布し 極めて安定

More information

名称未設定

名称未設定 1 a C CF b c 4 5 Me Me S Jacobsen's catalyst Scheme 1. eagents and conditions: (a) C (1.5 equiv), Jacobsen's catalyst (0.05 equiv), toluene, 0 C, 40 h, then trifluoroacetic anhydride (4.0 equiv), 60 C,

More information

Applied hemistry / ome page : http://www.apc.titech.ac.jp M E-mail EXT. FAX ST ttak@apc.titech.ac.jp thiroshi@apc.titech.ac.jp sfuse@apc.titech.ac.jp aohtomo@apc.titech.ac.jp 2145 2145 mokamoto@apc.titech.ac.jp

More information

第二節

第二節 研究題目 アザ -Broo k 転位を活用した α - イミノエステルの環化反応と 生理活性化合物 (+)-Duoca r myci n A の全合成への応用 平成 23 年度三重大学大学院工学研究科博士前期課程分子素材工学専攻 髙尾 侑希 2 序論 本論 目次 第一章 α - イミノエステルの N - アルキル化反応を活用した環化反 応による 2,2- 二置換インドリン - 3 - オンの合成 第一節

More information

有機化合物の反応9(2018)講義用.ppt

有機化合物の反応9(2018)講義用.ppt 有機化合物の反応 ( 第 9 回 ) 創薬分子薬学講座薬化学部門 金光卓也 ハロゲン化アルキルの反応性 l S N 1 と S N 2 の特徴の復習 l S N 1=Unimolecular Nucleophilic Substitution 単分子求核置換反応 l S N 2=Bimolecular Nucleophilic Substitution 二分子求核置換反応 1 反応速度 l S N

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 25 (2011) 6. 新規多点制御型有機分子触媒の創製を基盤とするドミノ型反応の開発 笹井宏明 Key words: 不斉有機分子触媒, イソインドリン, テトラヒドロピリジン, ドミノ反応, 二重活性化 大阪大学産業科学研究所機能物質科学研究分野 緒言連続する反応を一つの容器内で単一の操作で進行させるドミノ型反応は, 多段階反応における中間体の単離精製を必要とせず,

More information

2004 年度センター化学 ⅠB p1 第 1 問問 1 a 水素結合 X HLY X,Y= F,O,N ( ) この形をもつ分子は 5 NH 3 である 1 5 b 昇華性の物質 ドライアイス CO 2, ヨウ素 I 2, ナフタレン 2 3 c 総電子数 = ( 原子番号 ) d CH 4 :6

2004 年度センター化学 ⅠB p1 第 1 問問 1 a 水素結合 X HLY X,Y= F,O,N ( ) この形をもつ分子は 5 NH 3 である 1 5 b 昇華性の物質 ドライアイス CO 2, ヨウ素 I 2, ナフタレン 2 3 c 総電子数 = ( 原子番号 ) d CH 4 :6 004 年度センター化学 ⅠB p 第 問問 a 水素結合 X HLY X,Y= F,O,N ( ) この形をもつ分子は 5 NH である 5 b 昇華性の物質 ドライアイス CO, ヨウ素 I, ナフタレン c 総電子数 = ( 原子番号 ) d CH 4 :6+ 4 = 0個 6+ 8= 4個 7+ 8= 5個 + 7= 8個 4 + 8= 0個 5 8= 6個 4 構造式からアプローチして電子式を書くと次のようになる

More information

Microsoft Word - 問題解答.doc

Microsoft Word - 問題解答.doc 第 15 章例題 1 以下に示す化合物に正しい IUPAC 名を付けなさい 3) 4) C 3 N C3 2 5) 3 C m- ブロモクロロベンゼン p- ブロモアニリン 3)2,6- ジブロモフェノール 4)1,2,3,5- テトラメチルベンゼン 5)3- メチルブチルベンゼン 例題 2 次の名前に相当する構造を書きなさい (a) 3-メチル 1,2-ベンゼンジアミン (b) 1,3,5-ベンゼントリオール

More information

木村の有機化学小ネタ 糖の構造 単糖類の鎖状構造と環状構造 1.D と L について D-グルコースとか L-アラニンの D,L の意味について説明する 1953 年右旋性 ( 偏光面を右に曲げる ) をもつグリセルアルデヒドの立体配置が

木村の有機化学小ネタ   糖の構造 単糖類の鎖状構造と環状構造 1.D と L について D-グルコースとか L-アラニンの D,L の意味について説明する 1953 年右旋性 ( 偏光面を右に曲げる ) をもつグリセルアルデヒドの立体配置が 糖の構造 単糖類の鎖状構造と環状構造.D と L について D-グルコースとか L-アラニンの D,L の意味について説明する 9 年右旋性 ( 偏光面を右に曲げる ) をもつグリセルアルデヒドの立体配置が X 線回折実験により決定され, 次の約束に従い, 構造式が示された 最も酸化された基を上端にする 上下の原子または原子団は中心原子より紙面奥に位置する 左右の原子または原子団は中心原子より紙面手前に位置する

More information

Chap. 1 NMR

Chap. 1   NMR β α β α ν γ π ν γ ν 23,500 47,000 ν = 100 Mz ν = 200 Mz ν δ δ 10 8 6 4 2 0 δ ppm) Br C C Br C C Cl Br C C Cl Br C C Br C 2 2 C C3 3 C 2 C C3 C C C C C δ δ 10 8 6 4 δ ppm) 2 0 ν 10 8 6 4 δ ppm) 2 0 (4)

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 25 (2011) 20. 第一級アルデヒドとアミン類の化学選択的酸化的アミド化反応の開発 山田健一 Key words: アミド合成, カルベン触媒,NHC, 化学選択的反応, 官能基選択的反応 京都大学大学院薬学研究科薬品合成化学分野 緒言アミド結合はタンパク質, 抗生物質, 機能性高分子など様々な化合物に含まれる基本結合であり, 最重要かつ最も基本的な化学構造の1つといえる

More information

新技術説明会 様式例

新技術説明会 様式例 クロスカップリング用高活性ボロン酸 誘導体 有機トリオールボレート塩 北海道大学大学院工学研究院 フロンティア化学教育研究センター 特任准教授山本靖典 従来技術とその問題点 既にクロスカップリング反応をはじめ触媒的有機合成には有機ボロン酸誘導体が多用されるが 電子求引基を有するボロン酸やヘテロ芳香族ボロン酸は加水分解による脱ホウ素化が起こるため 塩基水溶液中行われる触媒反応において収率が極端に低下する問題があり

More information

原著論文 53 サレン - マンガン錯体を用いたスルフィミドの速度論的分割 錦織寿 * 石塚哲郎 ** (2011 年 10 月 25 日受理 ) Study on kinetic resolution of sulfimide using (salen) manganese(iii) complexes NISHIKORI Hisashi ISHITSUKA Tetsurou 要旨 スルフィドから誘導される光学活性なスルホキシミンは配位可能なヘテロ原子を複数有し

More information

酢酸エチルの合成

酢酸エチルの合成 化学実験レポート 酢酸エチルの合成 2008 年度前期 木曜 学部 学科 担当 : 先生 先生実験日 :200Y 年 M 月 DD 日天候 : 雨 室温 23 湿度 67% レポート提出 :200Y 年 M 月 DD 日共同実験者 : アルコールとカルボン酸を脱水縮合すると エステルが得られる エステルは分子を構成するアルキル基に依存した特有の芳香を持つ 本実験ではフィッシャー法によりエタノールと酢酸から酢酸エチルを合成した

More information

New Color Chemosensors for Monosaccharides Based on Azo Dyes

New Color Chemosensors for Monosaccharides Based on Azo Dyes New olor hemoenor for Monocchride ed on zo Dye 著者 : Nicol Diere nd Joeph R. Lkowicz 雑誌 : rg.lett. 1, 3 (4), 3891-3893 紹介者 : 堀田隼 1 年 1 月 7 日 ボロン酸の性質 1 ci-ジオールと環状エステルを形成する 環状エステルを形成すると ボロン酸の酸性度が高まる btrct

More information

ニュースリリース 平成 31 年 2 月 5 日国立大学法人千葉大学立教大学 世界初! イオン結合と水素結合とハロゲン結合の 3 つの力を融合ヨウ素の高機能化 触媒化に新機軸 - 医薬などの創生に有用な光学活性ラクトンの新規合成法 - 千葉大学大学院理学研究院基盤理学専攻荒井孝義教授 ( ソフト分子

ニュースリリース 平成 31 年 2 月 5 日国立大学法人千葉大学立教大学 世界初! イオン結合と水素結合とハロゲン結合の 3 つの力を融合ヨウ素の高機能化 触媒化に新機軸 - 医薬などの創生に有用な光学活性ラクトンの新規合成法 - 千葉大学大学院理学研究院基盤理学専攻荒井孝義教授 ( ソフト分子 ニュースリリース 平成 31 年 2 月 5 日国立大学法人千葉大学立教大学 世界初! イオン結合と水素結合とハロゲン結合の 3 つの力を融合ヨウ素の高機能化 触媒化に新機軸 - 医薬などの創生に有用な光学活性ラクトンの新規合成法 - 千葉大学大学院理学研究院基盤理学専攻荒井孝義教授 ( ソフト分子活性化研究センター長 千葉ヨウ素資源イノベーションセンター長 ) は ひとつの金属錯体上でイオン結合

More information

2014 年度大学入試センター試験解説 化学 Ⅰ 第 1 問物質の構成 1 問 1 a 1 g に含まれる分子 ( 分子量 M) の数は, アボガドロ定数を N A /mol とすると M N A 個 と表すことができる よって, 分子量 M が最も小さい分子の分子数が最も多い 分 子量は, 1 H

2014 年度大学入試センター試験解説 化学 Ⅰ 第 1 問物質の構成 1 問 1 a 1 g に含まれる分子 ( 分子量 M) の数は, アボガドロ定数を N A /mol とすると M N A 個 と表すことができる よって, 分子量 M が最も小さい分子の分子数が最も多い 分 子量は, 1 H 01 年度大学入試センター試験解説 化学 Ⅰ 第 1 問物質の構成 1 問 1 a 1 g に含まれる分子 ( 分子量 M) の数は, アボガドロ定数を N A /mol とすると M N A 個 と表すことができる よって, 分子量 M が最も小さい分子の分子数が最も多い 分 子量は, 1 = 18 N = 8 3 6 = 30 Ne = 0 5 = 3 6 l = 71 となり,1 が解答 (

More information

7.6.2 カルボン酸の合成 è 酸化による合成 { 第一アルコールまたはアルデヒドの酸化 R Ä C 2 Ä! R Ä C Ä! R Ä C (7.104) [ 例 ]1-プロパノールを硫酸酸性の条件で二クロム酸カリウムを用いて酸化する 3C 3 C 2 C 2 + 2Cr 2 2Ä

7.6.2 カルボン酸の合成 è 酸化による合成 { 第一アルコールまたはアルデヒドの酸化 R Ä C 2 Ä! R Ä C Ä! R Ä C (7.104) [ 例 ]1-プロパノールを硫酸酸性の条件で二クロム酸カリウムを用いて酸化する 3C 3 C 2 C 2 + 2Cr 2 2Ä 7.6 カルボン酸 7.6.1 カルボン酸の物理的性質 è 沸点, 融点, 酸解離定数 構造 名称 融点 ( ) 沸点 ( ) 解離定数 C ギ酸 8.4 100.5 2.1 10 Ä4 C 3 C 酢酸 16.7 118 1.8 10 Ä5 C 3 C 2 C プロピオン酸 -21.5 141.1 1.3 10 Ä5 C 3 (C 2 ) 2 C 酪酸 -7.9 163.5 1.5 10 Ä5 C(C

More information

CHEMISTRY: ART, SCIENCE, FUN THEORETICAL EXAMINATION ANSWER SHEETS JULY 20, 2007 MOSCOW, RUSSIA Official version team of Japan.

CHEMISTRY: ART, SCIENCE, FUN THEORETICAL EXAMINATION ANSWER SHEETS JULY 20, 2007 MOSCOW, RUSSIA Official version team of Japan. CEMISTRY: ART, SCIENCE, FUN TEORETICAL EXAMINATION ANSWER SEETS JULY 20, 2007 MOSCOW, RUSSIA 1 Quest. 1.1 1.2 2.1 3.1 3.2 3.3 3.4 Tot Points Student code: Marks 3 3 2 4.5 2 4 6 24.5 7 1.1.1 構造 プロパンジアール

More information

Microsoft Word -

Microsoft Word - 有機化学 III 解答例と解説 I. ame the following compounds in English according to the IUPAC system nomenclature. R,S designation is required for question (e). (3,3,3,3,6 points) 5-phenylhexanal 2-ethyl-3-butenoic

More information

二酸化炭素を用いる触媒的炭素 炭素結合生成反応の開発 京都大学工学研究科物質エネルギー化学専攻辻康之 1. はじめに二酸化炭素は炭素の最も高酸化状態の化合物であり, 熱力学的にも速度論的にも反応性の乏しい物質である この二酸化炭素を炭素源として触媒的に有用物質の合成に利用することが出来れば, 次世代

二酸化炭素を用いる触媒的炭素 炭素結合生成反応の開発 京都大学工学研究科物質エネルギー化学専攻辻康之 1. はじめに二酸化炭素は炭素の最も高酸化状態の化合物であり, 熱力学的にも速度論的にも反応性の乏しい物質である この二酸化炭素を炭素源として触媒的に有用物質の合成に利用することが出来れば, 次世代 二酸化炭素を用いる触媒的炭素 炭素結合生成反応の開発 京都大学工学研究科物質エネルギー化学専攻辻康之 1. はじめに二酸化炭素は炭素の最も高酸化状態の化合物であり, 熱力学的にも速度論的にも反応性の乏しい物質である この二酸化炭素を炭素源として触媒的に有用物質の合成に利用することが出来れば, 次世代炭素源の開発という見地からも重要であろう 1 二酸化炭素の反応は,(1) 水素 炭素結合生成反応, (2)

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 酵素 : タンパク質の触媒 タンパク質 Protein 酵素 Enzyme 触媒 Catalyst 触媒 Cataylst: 特定の化学反応の反応速度を速める物質 自身は反応の前後で変化しない 酵素 Enzyme: タンパク質の触媒 触媒作用を持つタンパク質 第 3 回 : タンパク質はアミノ酸からなるポリペプチドである 第 4 回 : タンパク質は様々な立体構造を持つ 第 5 回 : タンパク質の立体構造と酵素活性の関係

More information

2019 年度大学入試センター試験解説 化学 第 1 問問 1 a 塩化カリウムは, カリウムイオン K + と塩化物イオン Cl - のイオン結合のみを含む物質であり, 共有結合を含まない ( 答 ) 1 1 b 黒鉛の結晶中では, 各炭素原子の 4 つの価電子のうち 3 つが隣り合う他の原子との

2019 年度大学入試センター試験解説 化学 第 1 問問 1 a 塩化カリウムは, カリウムイオン K + と塩化物イオン Cl - のイオン結合のみを含む物質であり, 共有結合を含まない ( 答 ) 1 1 b 黒鉛の結晶中では, 各炭素原子の 4 つの価電子のうち 3 つが隣り合う他の原子との 219 年度大学入試センター試験解説 化学 第 1 問問 1 a 塩化カリウムは, カリウムイオン K + と塩化物イオン Cl - のイオン結合のみを含む物質であり, 共有結合を含まない ( 答 ) 1 1 b 黒鉛の結晶中では, 各炭素原子の 4 つの価電子のうち 3 つが隣り合う他の原子との共有結合に使われ, 残りの 1 つは結晶を構成する層上を自由に移動している そのため, 黒鉛は固体の状態で電気をよく通す

More information

Site-Selective Radical C-H/C-C Conversion via Decatungstate Photocatalysis

Site-Selective Radical C-H/C-C Conversion via Decatungstate Photocatalysis 称号及び氏名 博士 ( 理学 ) 岡田めぐみ 学位授与の日付 平成 27 年 3 月 31 日 論 文 名 Site-Selective Radical C-H/C-C Conversion via Decatungstate Photocatalysis ( デカタングステートを光触媒に用いた位置選択的ラジカル C H/C C 変換反応 ) 論文審査委員 主査柳日馨副査松坂裕之副査豊田真弘副査神川憲副査福山高英

More information

研究成果報告書

研究成果報告書 様式 C-19 科学研究費助成事業 ( 科学研究費補助金 ) 研究成果報告書 機関番号 :54601 研究種目 : 基盤研究 (C) 研究期間 :009 ~ 011 課題番号 :1550108 研究課題名 ( 和文 ) α 位高位置選択的溝呂木 ヘック反応の開発 平成 4 年 6 月 15 日現在 研究課題名 ( 英文 ) Regioselective -Heck Mizoroki reaction

More information

有機合成化学

有機合成化学 21 章アミンおよびその誘導体 アミン類 ( 医薬品 ) ( 抗うつ剤 ) ダイエットピル N Cl ドリエル ( エスエス製薬 ) 抗ヒスタミン剤の眠気を利用 p1166 リン酸オセルタミビル ( タミフル ) 抗インフルエンザウイルス剤 タミフル (tamiflu: リン酸オセルタミビル ) はスイスロシュ社によって製造されている抗インフルエンザウイルス剤 作用機序は ノイラミニダーゼ (Neuraminidase)

More information

1. 構造式ファイルの作成について 平成 31 年度からの少量新規化学物質の申出には電子データ ( ML ファイル形式 ) の提出が必要となります 本講演資料における 構造式ファイル は ML ファイルのことを指しています 経済産業省推奨構造式描画ソフトウェア以下のソフトウェアを用いて ML ファイ

1. 構造式ファイルの作成について 平成 31 年度からの少量新規化学物質の申出には電子データ ( ML ファイル形式 ) の提出が必要となります 本講演資料における 構造式ファイル は ML ファイルのことを指しています 経済産業省推奨構造式描画ソフトウェア以下のソフトウェアを用いて ML ファイ 少量新規化学物質の申出における 構造式ファイルの作成について 平成 30 年秋 独立行政法人製品評価技術基盤機構 (NITE) 1 1 1. 構造式ファイルの作成について 平成 31 年度からの少量新規化学物質の申出には電子データ ( ML ファイル形式 ) の提出が必要となります 本講演資料における 構造式ファイル は ML ファイルのことを指しています 経済産業省推奨構造式描画ソフトウェア以下のソフトウェアを用いて

More information

田耕氏 ) 永 学位の種類 薬 なが 186 ),7学博たいち士 学位記番号論 \ 薬 - 一博.A. 第 1 2 号 学位授与の日付昭和,39 年 9 月 2 9 日 学位授与 oj 要件 学位論文題目 学位規則第 5 粂第 2 項該当 チオヒドロキザム酸の金属キレートに関する研究 ( 主査 )

田耕氏 ) 永 学位の種類 薬 なが 186 ),7学博たいち士 学位記番号論 \ 薬 - 一博.A. 第 1 2 号 学位授与の日付昭和,39 年 9 月 2 9 日 学位授与 oj 要件 学位論文題目 学位規則第 5 粂第 2 項該当 チオヒドロキザム酸の金属キレートに関する研究 ( 主査 ) Title チオヒドロキザム酸の金属キレートに関する研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 永田, 耕一 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date 1964-09-29 URL http://hdl.handle.net/2433/211366 Right Type Thesis or Dissertation Textversion

More information

Microsoft Word - H29統合版.doc

Microsoft Word - H29統合版.doc 毒物劇物取扱者試験 (14) ( 平成 29 年 8 月 8 日 ) 問 26 混合物の分離に関する次の a~c の記述について その操作方法として正しい組み合わせを下表から一つ選び その番号を解答用紙に記入しなさい a. 沸点の差を利用して 液体の混合物を適当な温度範囲に区切って蒸留し 留出物 ( 蒸留によって得られる物質 ) を分離する操作 b. ろ紙やシリカゲルのような吸着剤に 物質が吸着される強さの違いを利用して

More information

ポイント [ エステル合成法の課題 ]: 従来の触媒の多くはチタン (Ti) スズ (Sn) アンチモン(Sb) などの毒性や着色の問題が懸念される金属塩が使われており 生成するエステルに触媒由来の金属種が残留するという問題がある また 医薬品や化粧品などに用いられるエステルは高極性なものが多く 極

ポイント [ エステル合成法の課題 ]: 従来の触媒の多くはチタン (Ti) スズ (Sn) アンチモン(Sb) などの毒性や着色の問題が懸念される金属塩が使われており 生成するエステルに触媒由来の金属種が残留するという問題がある また 医薬品や化粧品などに用いられるエステルは高極性なものが多く 極 エステル交換反応 触媒 R 1C + R 2 Me 溶媒 R 1C R 2 + Me メチルエステルアルコール M S 5 Å エステルメタノール ( M S 5 Åに吸着し M S = モレキュラーシーブス Me = C 3 反応系から除去 ) 今回開発した触媒 Me 4 N + C 2 Me R 2 Me 4 N + C 2 Me Me 4 N + R 2 Me, C 2 真の触媒活性種 Me

More information

首都圏北部 4 大学発新技術説明会 平成 26 年 6 月 19 日 オレフィン類の高活性かつ立体選択的重合技術 埼玉大学大学院理工学研究科 助教中田憲男

首都圏北部 4 大学発新技術説明会 平成 26 年 6 月 19 日 オレフィン類の高活性かつ立体選択的重合技術 埼玉大学大学院理工学研究科 助教中田憲男 首都圏北部 4 大学発新技術説明会 平成 26 年 6 月 19 日 オレフィン類の高活性かつ立体選択的重合技術 埼玉大学大学院理工学研究科 助教中田憲男 ポリオレフィンの用途 ポリプロピレン 絶縁性を利用して テレビなどの電化製品 通信機器などの絶縁体として使用耐薬品性を活かして薬品の容器 包装にも使用 ポリスチレン コップ 各種容器 歯ブラシなどの日用品 プラ スチックモデルなどのおもちゃや包装に使用

More information

スライド 1

スライド 1 Detection of bound phenolic acids: prevention by ascorbic acid and ethylenediaminetetraacetic acid of degradation of phenolic acids during alkaline hydrolysis ( 結合フェノール酸の検出 : アルカリ加水分解中のアスコルビン酸と EDTA によるフェノール酸の劣化防止

More information

(Microsoft PowerPoint - \201\232\203|\203X\203^\201[)

(Microsoft PowerPoint - \201\232\203|\203X\203^\201[) [ 2Pf012 ] 溶液ラジカル重合における末端変性アクリル系ポリマーの合成 Synthesis of terminal-modified acrylic polymers by the solution polymerization with radical initiators. ( 株 )DNP ファインケミカル 西馬千恵 清水圭世 竹岡知美 有富充利 顔料分散体 インクジェットインクやカラーフィルタ用レジストなどの顔料分散体が優れた性能を発揮するためには

More information

<4D F736F F F696E74202D C8B4089BB8D8795A882CC94BD899E A>

<4D F736F F F696E74202D C8B4089BB8D8795A882CC94BD899E A> I. 有機化合物の反応 (3) 1. 芳香族化合物 2. 芳香環における求電子置換反応 3. 置換基効果と配向性 4. 種々の化合物の合成反応 5. 置換基と酸 塩基の強さ I. 有機化合物の反応 (3) 1. 芳香族化合物 1. 芳香族化合物 ベンゼン,C 6 H 6 3 つの sp 2 混成軌道 結合を形成 すべての原子は同一平面上にある 正六角形, C ー C ー C = 120 残りの p

More information

電子配置と価電子 P H 2He 第 4 回化学概論 3Li 4Be 5B 6C 7N 8O 9F 10Ne 周期表と元素イオン 11Na 12Mg 13Al 14Si 15P 16S 17Cl 18Ar 価電子数 陽

電子配置と価電子 P H 2He 第 4 回化学概論 3Li 4Be 5B 6C 7N 8O 9F 10Ne 周期表と元素イオン 11Na 12Mg 13Al 14Si 15P 16S 17Cl 18Ar 価電子数 陽 電子配置と価電子 P11 1 2 13 14 15 16 17 18 1H 2He 第 4 回化学概論 3Li 4Be 5B 6C 7N 8O 9F 10Ne 周期表と元素イオン 11Na 12Mg 13Al 14Si 15P 16S 17Cl 18Ar 1 2 3 4 5 6 7 0 陽性元素陰性元素安定電子を失いやすい電子を受け取りやすい 原子番号と価電子の数 P16 元素の周期表 P17 最外殻の電子配置と周期表

More information

ジアステレオ選択的な Darzens 縮合を用いたエポキシ γ ラクタム環含有天然物 L-755,807 の全合成 Total Synthesis of L-755,807 via Constructing of Epoxy γ Lactam Ring by Using a Diastereosel

ジアステレオ選択的な Darzens 縮合を用いたエポキシ γ ラクタム環含有天然物 L-755,807 の全合成 Total Synthesis of L-755,807 via Constructing of Epoxy γ Lactam Ring by Using a Diastereosel ジアステレオ選択的な Darzens 縮合を用いたエポキシ γ ラクタム環含有天然物 L-755,807 の全合成 Total Synthesis of L-755,807 via Constructing of Epoxy γ Lactam Ring by Using a Diastereoselective Darzens Condensation 平成 26 年度入学田中耕作三世 (Tanaka,

More information

Word Pro - matome_7_酸と塩基.lwp

Word Pro - matome_7_酸と塩基.lwp 酸と 酸と 酸 acid 亜硫酸 pka =.6 pka =.9 酸 acid ( : 酸, すっぱいもの a : 酸の, すっぱい ) 酸性 p( ) 以下 酸っぱい味 ( 酸味 ) を持つ リトマス ( ) BTB( ) 金属と反応して ( ) を発生 ( 例 )Z l Zl リン酸 P pka =.5 pka =. pka =.8 P P P P P P P 酸性のもと 水素イオン 塩化水素

More information

新技術説明会 様式例

新技術説明会 様式例 1 効率的な不斉触媒反応を可能に する新しい C 配位子の開発 関西大学化学生命工学部化学 物質工学科 准教授坂口聡 新型インフルエンザ治療薬 タミフル オセルタミビルリン酸塩 ロッシュ社による製造法 シキミ酸 Ms Et Et V. Farina, J. D. Brown, Angew. Chem., Int. Ed. 2006, 45, 7330. 2 タミフルの新合成法 + C 2 C 2 CF

More information

医薬品創製化学特論_1.pptx

医薬品創製化学特論_1.pptx ., R X + 2M R M + M X R X + M R M X Grignard C 6 H 5 Cl + Mg C 6 H 5 MgCl R M + R' M' R M' + R' M BR 2 + (CH 3 ) 2 Zn ZnCH 3 + CH 3 BR 2 pka30~15 H + R H + M R M + 1/2 H 2 H H + Na - Na + + 1/2 H 2 R X

More information

無機化学 II 2018 年度期末試験 1. 窒素を含む化合物にヒドラジンと呼ばれる化合物 (N2H4, 右図 ) がある. この分子に関し, 以下の問いに答えよ.( 計 9 点 ) (1) N2 分子が 1 mol と H2 分子が 2 mol の状態と, ヒドラジン 1 mol となっている状態

無機化学 II 2018 年度期末試験 1. 窒素を含む化合物にヒドラジンと呼ばれる化合物 (N2H4, 右図 ) がある. この分子に関し, 以下の問いに答えよ.( 計 9 点 ) (1) N2 分子が 1 mol と H2 分子が 2 mol の状態と, ヒドラジン 1 mol となっている状態 無機化学 II 2018 年度期末試験 1. 窒素を含む化合物にヒドラジンと呼ばれる化合物 (N2H4, 右図 ) がある. この分子に関し, 以下の問いに答えよ.( 計 9 点 ) (1) N2 分子が 1 mol と H2 分子が 2 mol の状態と, ヒドラジン 1 mol となっている状態を比較すると, どちらの分子がどの程度エネルギーが低いか (= 安定か ) を平均結合エンタルピーから計算して答えよ.

More information

酸化的付加 (oxidative addition)

酸化的付加 (oxidative addition) 酸化的付加 酸化的付加 oxidative addition 有機反応との類似点 Grignard 試薬の生成カルベン挿入反応 二核錯体上での酸化的付加 金属の酸化数 :+1 d 電子数 :-1 酸化的配位 求電子剤の配位により形式的に金属が酸化される ( 結合の切断が進行しない点で 酸化的付加と区別 ) 傾向 1. 電子豊富な金属中心の方が有利 2. 立体的に空いている金属中心の方が有利 3. 非極性結合の酸化的付加では

More information

東京理科大学 Ⅰ 部化学研究部 2015 年度春輪講書 シクロデキストリンを用いた 包接化合物の生成 水曜班 Ikemura, M.(2C),Ebihara, K.(2C), Kataoka, T.(2K), Shibasaki,K.(2OK),Tsumeda,T.(2C),Naka,A.(2OK)

東京理科大学 Ⅰ 部化学研究部 2015 年度春輪講書 シクロデキストリンを用いた 包接化合物の生成 水曜班 Ikemura, M.(2C),Ebihara, K.(2C), Kataoka, T.(2K), Shibasaki,K.(2OK),Tsumeda,T.(2C),Naka,A.(2OK) 東京理科大学 Ⅰ 部化学研究部 2015 年度春輪講書 シクロデキストリンを用いた 包接化合物の生成 水曜班 Ikemura, M.(2C),Ebihara, K.(2C), Kataoka, T.(2K), Shibasaki,K.(2OK),Tsumeda,T.(2C),Naka,A.(2OK),Murakoshi,R.(2OK), Okawa,T.(2C),Noguchi,A.(2K),Sekiguchi,K.(2K),Hashimoto,Y.(2C)

More information

第3類危険物の物質別詳細 練習問題

第3類危険物の物質別詳細 練習問題 第 3 類危険物の物質別詳細練習問題 問題 1 第 3 類危険物の一般的な消火方法として 誤っているものは次のうちいくつあるか A. 噴霧注水は冷却効果と窒息効果があるので 有効である B. 乾燥砂は有効である C. 分子内に酸素を含むので 窒息消火法は効果がない D. 危険物自体は不燃性なので 周囲の可燃物を除去すればよい E. 自然発火性危険物の消火には 炭酸水素塩類を用いた消火剤は効果がある

More information

スライド 1

スライド 1 ハロゲン化アルキル (alkyl halide) ハロゲン化アルキルの命名法 ハロゲン化アルキルの合成 アルコールからの合成 ハロゲン化アルキルの反応 Grignard( グリニャール ) 試薬求核置換反応 (SN2 反応,SN1 反応 ) 脱離反応 (E2 反応,E1 反応 ) ハロゲン化アルキルの命名法 (1) 段階 1: 最も長い炭素鎖を見つけて, 母体を決める. 多重結合がある場合には, 母体の炭素鎖はそれを含むものでなければならない.

More information

化学 1( 応用生物 生命健康科 現代教育学部 ) ( 解答番号 1 ~ 29 ) Ⅰ 化学結合に関する ⑴~⑶ の文章を読み, 下の問い ( 問 1~5) に答えよ ⑴ 塩化ナトリウム中では, ナトリウムイオン Na + と塩化物イオン Cl - が静電気的な引力で結び ついている このような陽イ

化学 1( 応用生物 生命健康科 現代教育学部 ) ( 解答番号 1 ~ 29 ) Ⅰ 化学結合に関する ⑴~⑶ の文章を読み, 下の問い ( 問 1~5) に答えよ ⑴ 塩化ナトリウム中では, ナトリウムイオン Na + と塩化物イオン Cl - が静電気的な引力で結び ついている このような陽イ 化学 1( 応用生物 生命健康科 現代教育学部 ) ( 解答番号 1 ~ 29 ) Ⅰ 化学結合に関する ⑴~⑶ の文章を読み, 下の問い ( 問 1~5) に答えよ ⑴ 塩化ナトリウム中では, ナトリウムイオン Na + と塩化物イオン Cl - が静電気的な引力で結び ついている このような陽イオンと陰イオンの静電気的な引力による結合を 1 1 という ⑵ 2 個の水素原子は, それぞれ1 個の価電子を出し合い,

More information

鎖状立体制御概論 ここでは鎖状立体制御の考え方の基本をざっくりとまとめておきます 有機化学では 考え方の習得 は 図を書いて他人に説明できる ことを意味しますので 図を何回も書くことが習得の近道となります 習得 はつまるところ 体得 です 有機化学が 好き なだけではなく 上達する ことや 研究でき

鎖状立体制御概論 ここでは鎖状立体制御の考え方の基本をざっくりとまとめておきます 有機化学では 考え方の習得 は 図を書いて他人に説明できる ことを意味しますので 図を何回も書くことが習得の近道となります 習得 はつまるところ 体得 です 有機化学が 好き なだけではなく 上達する ことや 研究でき 鎖状立体制御概論 ここでは鎖状立体制御の考え方の基本をざっくりとまとめておきます 有機化学では 考え方の習得 は 図を書いて他人に説明できる ことを意味しますので 図を何回も書くことが習得の近道となります 習得 はつまるところ 体得 です 有機化学が 好き なだけではなく 上達する ことや 研究できるようになる ためには 遷移状態の考え方を体得しけなければなりません これ無しでは いつまでたっても空論を語ることしかできなくなってしまいます

More information

上原記念生命科学財団研究報告集, 29 (2015)

上原記念生命科学財団研究報告集, 29 (2015) 上原記念生命科学財団研究報告集, 29 (2015) 25. マンノペプチマイシンアグリコンの短段階合成法の確立 布施新一郎 Key words:mrsa,vre, マンノペプチマイシン, 不斉アルドール反応, グアニジン * 東京工業大学大学院理工学研究科応用化学専攻分子機能設計講座 緒言 MRSA や VRE 等の重要抗生物質に対する耐性を獲得したグラム陽性菌の出現は医療現場において深刻な問題であり,

More information

<4D F736F F D2089BB8A778AEE E631358D E5F89BB8AD28CB3>

<4D F736F F D2089BB8A778AEE E631358D E5F89BB8AD28CB3> 第 15 講 酸化と還元 酸化 還元とは切ったリンゴをそのまま放置すると, 時間が経つにつれて断面が変色します これはリンゴの断面が酸化した現象を示しています ピカピカの10 円玉も, しばらくすると黒く, くすんでいきます これも酸化です この10 円玉を水素ガスのなかに入れると, 元のきれいな10 円玉に戻ります これが還元です 1 酸化還元の定義 2 酸化数とは? 3 酸化剤 還元剤についての理解

More information

様式 C-19 科学研究費補助金研究成果報告書 平成 23 年 4 月 20 日現在 機関番号 :17401 研究種目 : 基盤研究 (C) 研究期間 :2008~2010 課題番号 :20590007 研究課題名 ( 和文 ) 協奏的反応機構に基づく有機触媒結合形成反応の開発 研究課題名 ( 英文 )Development of rganocatalyzed Bond-forming eactions

More information

B. モル濃度 速度定数と化学反応の速さ 1.1 段階反応 ( 単純反応 ): + I HI を例に H ヨウ化水素 HI が生成する速さ は,H と I のモル濃度をそれぞれ [ ], [ I ] [ H ] [ I ] に比例することが, 実験により, わかっている したがって, 比例定数を k

B. モル濃度 速度定数と化学反応の速さ 1.1 段階反応 ( 単純反応 ): + I HI を例に H ヨウ化水素 HI が生成する速さ は,H と I のモル濃度をそれぞれ [ ], [ I ] [ H ] [ I ] に比例することが, 実験により, わかっている したがって, 比例定数を k 反応速度 触媒 速度定数 反応次数について. 化学反応の速さの表し方 速さとは単位時間あたりの変化の大きさである 大きさの値は 0 以上ですから, 速さは 0 以上の値をとる 化学反応の速さは単位時間あたりの物質のモル濃度変化の大きさで表すのが一般的 たとえば, a + bb c (, B, は物質, a, b, c は係数 ) という反応において,, B, それぞれの反応の速さを, B, とし,

More information

17handout01

17handout01 有機金属化学 (http://www.scc.kyushu-u.ac.jp/yuki/classes/orgmet.html) 講義内容 (1) 有機典型金属化合物の調製法 (2) 有機典型金属化合物の反応 (3) 有機金属錯体の反応 (4) 触媒的不斉水素化 (5) クロスカップリング (6) 溝呂木 ヘック反応 (7) オレフィンメタセシス (8) 石油化学工業での均一系触媒反応 置換基の略号略号

More information

PEC News 2004_3....PDF00

PEC News 2004_3....PDF00 2004 March 3 C O N T E N T S Petroleum Energy Center News 1 13 1 2 3 3 4 3 5 6 3 7 8 3 9 ロ 芳香環の水素化 通常の縮合多環芳香族の水素化には 図17 芳香環の水素化 水素化活性の強化 NiMo系あるいはNiW系触媒が有効であり これらの水素化活性を高めることでメチル 基による反応阻害を緩和し 4,6DMDBT等

More information

フォルハルト法 NH SCN の標準液または KSCN の標準液を用い,Ag または Hg を直接沈殿滴定する方法 および Cl, Br, I, CN, 試料溶液に Fe SCN, S 2 を指示薬として加える 例 : Cl の逆滴定による定量 などを逆滴定する方法をいう Fe を加えた試料液に硝酸

フォルハルト法 NH SCN の標準液または KSCN の標準液を用い,Ag または Hg を直接沈殿滴定する方法 および Cl, Br, I, CN, 試料溶液に Fe SCN, S 2 を指示薬として加える 例 : Cl の逆滴定による定量 などを逆滴定する方法をいう Fe を加えた試料液に硝酸 沈殿滴定とモール法 沈殿滴定沈殿とは溶液に試薬を加えたり加熱や冷却をしたとき, 溶液から不溶性固体が分離する現象, またはその不溶性固体を沈殿という 不溶性固体は, 液底に沈んでいいても微粒子 ( コロイド ) として液中を浮遊していても沈殿と呼ばれる 沈殿滴定とは沈殿が生成あるいは消失する反応を利用した滴定のことをいう 沈殿が生成し始めた点, 沈殿の生成が完了した点, または沈殿が消失した点が滴定の終点となる

More information

Problem P5

Problem P5 問題 P5 メンシュトキン反応 三級アミンとハロゲン化アルキルの間の求核置換反応はメンシュトキン反応として知られている この実験では DABCO(1,4 ジアザビシクロ [2.2.2] オクタン というアミンと臭化ベンジルの間の反応速度式を調べる N N Ph Br N N Br DABCO Ph DABCO 分子に含まれるもう片方の窒素も さらに他の臭化ベンジルと反応する可能性がある しかし この実験では

More information

Microsoft PowerPoint - 薬学会2009新技術2シラノール基.ppt

Microsoft PowerPoint - 薬学会2009新技術2シラノール基.ppt シラノール基は塩基性化合物のテーリングの原因 いや違う! クロマニックテクノロジーズ長江徳和 日本薬学会 9 年会 緒言緒言 逆相型固定相中の残存シラノール基は, 吸着やピークテーリング等の原因であるとされている 残存シラノール基に基づく主な相互作用は, 吸着, イオン交換, 水素結合である これらの二次効果相互作用を積極的に利用することで, 極性化合物に対して特異的な保持を示す新規な逆相固定相の創出が可能であると思われる

More information

高 1 化学冬期課題試験 1 月 11 日 ( 水 ) 実施 [1] 以下の問題に答えよ 1)200g 溶液中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 整数 ) 2)200g 溶媒中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 有効数字 2 桁 ) 3) 同じ

高 1 化学冬期課題試験 1 月 11 日 ( 水 ) 実施 [1] 以下の問題に答えよ 1)200g 溶液中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 整数 ) 2)200g 溶媒中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 有効数字 2 桁 ) 3) 同じ 高 1 化学冬期課題試験 1 月 11 日 ( 水 ) 実施 [1] 以下の問題に答えよ 1)200g 溶液中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 整数 ) 2)200g 溶媒中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 有効数字 2 桁 ) 3) 同じ溶質の20% 溶液 100gと30% 溶液 200gを混ぜると質量 % はいくらになるか ( 有効数字

More information

平成 29 年度大学院博士前期課程入学試験問題 生物工学 I 基礎生物化学 生物化学工学から 1 科目選択ただし 内部受験生は生物化学工学を必ず選択すること 解答には 問題ごとに1 枚の解答用紙を使用しなさい 余った解答用紙にも受験番号を記載しなさい 試験終了時に回収します 受験番号

平成 29 年度大学院博士前期課程入学試験問題 生物工学 I 基礎生物化学 生物化学工学から 1 科目選択ただし 内部受験生は生物化学工学を必ず選択すること 解答には 問題ごとに1 枚の解答用紙を使用しなさい 余った解答用紙にも受験番号を記載しなさい 試験終了時に回収します 受験番号 平成 29 年度大学院博士前期課程入学試験問題 生物工学 I から 1 科目選択ただし 内部受験生はを必ず選択すること 解答には 問題ごとに1 枚の解答用紙を使用しなさい 余った解答用紙にも受験番号を記載しなさい 試験終了時に回収します 受験番号 問題 1. ( 配点率 33/100) 生体エネルギーと熱力学に関する以下の問に答えなさい (1) 細胞内の反応における ATP 加水分解時の実際の自由エネルギー変化

More information

第5章 各グループの研究目標および成果と今後の方針

第5章 各グループの研究目標および成果と今後の方針 -3 機能性物質グループ -3-1 当初の目的本プロジェクトでは水反応場 固定化触媒及び機能性物質の3グループが連携を取りつつ研究を進める 機能性物質グループは固定化触媒グループと水反応場グループの成果を活用した機能性材料や創薬につながる医薬品候補化合物の探索などを行う 具体的には 新規固定化触媒を用いた化合物ライブラリーの構築や燃料電池用触媒等の次世代エネルギー技術に展開する また不斉合成反応 (

More information

新技術説明会 様式例

新技術説明会 様式例 東京工業大学 1 購入溶媒をそのまま使える レジオレギュラーポリチオフェン類の新製造技術 東京工業大学大学院理工学研究科 助教 東原知哉 教授 上田充 E-mail:thigashihara@polymer.titech.ac.jp 2011 年 3 月 25 日 1 2 東京工業大学 2 研究背景 レジオレギュラーポリ (3- アルキルチオフェン ) 結晶性高い電荷移動度高い溶解性 成型性 用途展開

More information

すとき, モサプリドのピーク面積の相対標準偏差は 2.0% 以下である. * 表示量 溶出規格 規定時間 溶出率 10mg/g 45 分 70% 以上 * モサプリドクエン酸塩無水物として モサプリドクエン酸塩標準品 C 21 H 25 ClFN 3 O 3 C 6 H 8 O 7 :

すとき, モサプリドのピーク面積の相対標準偏差は 2.0% 以下である. * 表示量 溶出規格 規定時間 溶出率 10mg/g 45 分 70% 以上 * モサプリドクエン酸塩無水物として モサプリドクエン酸塩標準品 C 21 H 25 ClFN 3 O 3 C 6 H 8 O 7 : モサプリドクエン酸塩散 Mosapride Citrate Powder 溶出性 6.10 本品の表示量に従いモサプリドクエン酸塩無水物 (C 21 H 25 ClFN 3 O 3 C 6 H 8 O 7 ) 約 2.5mgに対応する量を精密に量り, 試験液に溶出試験第 2 液 900mLを用い, パドル法により, 毎分 50 回転で試験を行う. 溶出試験を開始し, 規定時間後, 溶出液 20mL

More information

UBE Aromatic SF5 Compounds,

UBE Aromatic SF5 Compounds, UBE Aromatic S5 Compounds, Contact: fluorine@ube.com Molecular Model of Ph UBE の S5 化合物は 多様な S5 化合物を低コストで供給できる画期的な手法で合成されています 現在 下記の S5 化合物の提供が可能です 医薬 農薬 高分子材料 エレクトロニクス材料等 お客様が求める機能材料のビルディングブロックとしてご活用ください

More information

02 配付資料(原子と分子・アルカンとアルケンとアルキン).key

02 配付資料(原子と分子・アルカンとアルケンとアルキン).key 1 4 20 4 23 18:45~ 13 1322 18:45~ 1 113 TEL: 03-5841-4321 E-mail kagaku@chem.s.u-tokyo.ac.jp 2 / 3 / 1s/2s 2s 1s 2s 1s Wikipedia 1s 2s 4 / s, p, d 1, 3, 5 5 / 50 2 2 2 2 6 6 メチルアニオン 陽子 6 個 = 正電荷 6 1s 電子

More information

CERT化学2013前期_問題

CERT化学2013前期_問題 [1] から [6] のうち 5 問を選んで解答用紙に解答せよ. いずれも 20 点の配点である.5 問を超えて解答した場合, 正答していれば成績評価に加算する. 有効数字を適切に処理せよ. 断りのない限り大気圧は 1013 hpa とする. 0 C = 273 K,1 cal = 4.184 J,1 atm = 1013 hpa = 760 mmhg, 重力加速度は 9.806 m s 2, 気体

More information

木村の有機化学小ネタ セルロース系再生繊維 再生繊維セルロースなど天然高分子物質を化学的処理により溶解後, 細孔から押し出し ( 紡糸 という), 再凝固させて繊維としたもの セルロース系の再生繊維には, ビスコースレーヨン, 銅アンモニア

木村の有機化学小ネタ   セルロース系再生繊維 再生繊維セルロースなど天然高分子物質を化学的処理により溶解後, 細孔から押し出し ( 紡糸 という), 再凝固させて繊維としたもの セルロース系の再生繊維には, ビスコースレーヨン, 銅アンモニア セルロース系再生繊維 再生繊維セルロースなど天然高分子物質を化学的処理により溶解後, 細孔から押し出し ( 紡糸 という), 再凝固させて繊維としたもの セルロース系の再生繊維には, ビスコースレーヨン, 銅アンモニアレーヨンがあり, タンパク質系では, カゼイン, 大豆タンパク質, 絹の糸くず, くず繭などからの再生繊維がある これに対し, セルロースなど天然の高分子物質の誘導体を紡糸して繊維としたものを半合成繊維と呼び,

More information

CTETS 7 8 9 11 Addition Rf Rf u Rf Rf u u : R, R 2, RS, X etc. Hydrolysisesterification Ewg Ewg H C 3 H C 2 R Ewg Ewg Ewg=C 3, C 2 R' etc. R=H or Alkyl Ewg Ewg RH Base Ewg Ewg R RH Base Ewg Ewg R R Amidation

More information

1/120 別表第 1(6 8 及び10 関係 ) 放射性物質の種類が明らかで かつ 一種類である場合の放射線業務従事者の呼吸する空気中の放射性物質の濃度限度等 添付 第一欄第二欄第三欄第四欄第五欄第六欄 放射性物質の種類 吸入摂取した 経口摂取した 放射線業 周辺監視 周辺監視 場合の実効線 場合

1/120 別表第 1(6 8 及び10 関係 ) 放射性物質の種類が明らかで かつ 一種類である場合の放射線業務従事者の呼吸する空気中の放射性物質の濃度限度等 添付 第一欄第二欄第三欄第四欄第五欄第六欄 放射性物質の種類 吸入摂取した 経口摂取した 放射線業 周辺監視 周辺監視 場合の実効線 場合 1/120 別表第 1(6 8 及び10 関係 ) 放射性物質の種類が明らかで かつ 一種類である場合の放射線業務従事者の呼吸する空気中の放射性物質の濃度限度等 添付 第一欄第二欄第三欄第四欄第五欄第六欄 放射性物質の種類 吸入摂取した 経口摂取した 放射線業 周辺監視 周辺監視 場合の実効線 場合の実効線 務従事者 区域外の 区域外の 量係数 量係数 の呼吸す 空気中の 水中の濃 る空気中 濃度限度

More information

化学変化をにおいの変化で実感する実験 ( バラのにおいからレモンのにおいへの変化 ) 化学変化におけるにおいは 好ましくないものも多い このため 生徒は 化学反応 =イヤな臭い というイメージを持ってしまう そこで 化学変化をよいにおいの変化としてとらえさせる実験を考えた クスノキの精油成分の一つで

化学変化をにおいの変化で実感する実験 ( バラのにおいからレモンのにおいへの変化 ) 化学変化におけるにおいは 好ましくないものも多い このため 生徒は 化学反応 =イヤな臭い というイメージを持ってしまう そこで 化学変化をよいにおいの変化としてとらえさせる実験を考えた クスノキの精油成分の一つで 化学変化をにおいの変化で実感する実験 ( バラのにおいからレモンのにおいへの変化 ) 化学変化におけるにおいは 好ましくないものも多い このため 生徒は 化学反応 =イヤな臭い というイメージを持ってしまう そこで 化学変化をよいにおいの変化としてとらえさせる実験を考えた クスノキの精油成分の一つであるリナロールの誘導体には バラのにおいの成分であるゲラニオールやレモンのにおいの成分であるシトラールがある

More information

Microsoft PowerPoint - 第3回技術講演会 修正 [互換モード]

Microsoft PowerPoint - 第3回技術講演会 修正 [互換モード] 第 3 回マツモト技術講演会 有機金属化合物の特長と 触媒への応用 平成 23 年 2 月 22 日 研究グループ橋本隆治 研究員 Copyright (C) 2011 Matsumoto Fine Chemical Co., Ltd. All Rights Reserved. 1 講演内容 1. はじめにマツモトグループ紹介 2. 製品紹介 3. オルガチックス製品の触媒への応用 3-1. ポリウレタン化触媒

More information

<4D F736F F D B82C982C282A282C482512E646F63>

<4D F736F F D B82C982C282A282C482512E646F63> サンプル条件および固定化分子の選択 Biacoreの実験ではセンサーチップに固定化する分子をリガンド それに対して結合を測定する分子をアナライトと呼びます いずれの分子をリガンドとし アナライトとするかは 実験系を構築する上で重要です 以下にサンプルに適したリガンド アナライトの設計方法やサンプルの必要条件などをご紹介します アナライト リガンド センサーチップ (1) タンパク質リガンドとしてもアナライトとしても用いることができます

More information

Microsoft PowerPoint - D.酸塩基(2)

Microsoft PowerPoint - D.酸塩基(2) D. 酸塩基 (2) 1. 多塩基酸の ph 2. 塩の濃度と ph 3. 緩衝溶液と ph 4. 溶解度積と ph 5. 酸塩基指示薬 D. 酸塩基 (2) 1. 多塩基酸の ph 1. 多塩基酸の ph (1) 硫酸 H 2 SO 4 ( 濃度 C) 硫酸 H 2 SO 4 は2 段階で電離する K (C) (C) K a1 [H+ ][HSO 4 ] [H 2 SO 4 ] 10 5 第 1

More information

必要があれば, 次の数値を使いなさい 原子量 O= 標準状態で mol の気体が占める体積. L 問題文中の体積の単位記号 L は, リットルを表す Ⅰ 次の問いに答えなさい 問 飲料水の容器であるペットボトルに使われているプラスチックを, 次の中から つ選び, 番号をマークしなさい ポリエチレン

必要があれば, 次の数値を使いなさい 原子量 O= 標準状態で mol の気体が占める体積. L 問題文中の体積の単位記号 L は, リットルを表す Ⅰ 次の問いに答えなさい 問 飲料水の容器であるペットボトルに使われているプラスチックを, 次の中から つ選び, 番号をマークしなさい ポリエチレン 0 年度一般入試前期 A 日程 ( 月 日実施 ) 化学問題 (7 ページ 7 ページ ) 問題は大問 Ⅰ Ⅳ までありますが 一部 他科目との共通問題となっています 大問 Ⅰ は 化学基礎 + 生物基礎 の大問 Ⅰ と共通の問題です 大問 Ⅱ は 化学基礎 + 生物基礎 の大問 Ⅱ と共通の問題です 7 必要があれば, 次の数値を使いなさい 原子量 O= 標準状態で mol の気体が占める体積.

More information

< イオン 電離練習問題 > No. 1 次のイオンの名称を書きなさい (1) H + ( ) (2) Na + ( ) (3) K + ( ) (4) Mg 2+ ( ) (5) Cu 2+ ( ) (6) Zn 2+ ( ) (7) NH4 + ( ) (8) Cl - ( ) (9) OH -

< イオン 電離練習問題 > No. 1 次のイオンの名称を書きなさい (1) H + ( ) (2) Na + ( ) (3) K + ( ) (4) Mg 2+ ( ) (5) Cu 2+ ( ) (6) Zn 2+ ( ) (7) NH4 + ( ) (8) Cl - ( ) (9) OH - < イオン 電離練習問題 > No. 1 次のイオンの名称を書きなさい (1) + (2) Na + (3) K + (4) Mg 2+ (5) Cu 2+ (6) Zn 2+ (7) N4 + (8) Cl - (9) - (10) SO4 2- (11) NO3 - (12) CO3 2- 次の文中の ( ) に当てはまる語句を 下の選択肢から選んで書きなさい 物質の原子は (1 ) を失ったり

More information

木村の理論化学小ネタ 熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関

木村の理論化学小ネタ   熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関 熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関係を扱う化学の一部門を熱化学という 発熱反応反応前の物質のエネルギー 大ネルギ熱エネルギーー小エ反応後の物質のエネルギー 吸熱反応 反応後の物質のエネルギー 大ネルギー熱エネルギー小エ反応前の物質のエネルギー

More information

品目 1 エチルパラニトロフェニルチオノベンゼンホスホネイト ( 別名 EPN) 及びこれを含有する製剤エチルパラニトロフェニルチオノベンゼンホスホネイト (EPN) (1) 燃焼法 ( ア ) 木粉 ( おが屑 ) 等に吸収させてアフターバーナー及びスクラバーを具備した焼却炉で焼却する ( イ )

品目 1 エチルパラニトロフェニルチオノベンゼンホスホネイト ( 別名 EPN) 及びこれを含有する製剤エチルパラニトロフェニルチオノベンゼンホスホネイト (EPN) (1) 燃焼法 ( ア ) 木粉 ( おが屑 ) 等に吸収させてアフターバーナー及びスクラバーを具備した焼却炉で焼却する ( イ ) 品目 1 エチルパラニトロフェニルチオノベンゼンホスホネイト ( 別名 EPN) 及びこれを含有する製剤エチルパラニトロフェニルチオノベンゼンホスホネイト (EPN) ( イ ) 可燃性溶剤とともにアフターバーナー及びスクラバーを具備した焼却炉の火室へ噴霧し 焼却する 2 ジエチル-S-( エチルチオエチル )-ジチオホスフェイト及びこれを含有する製剤ジエチル-S-( エチルチオエチル )-ジチオホスフェイト

More information

JAJP

JAJP 自動前処理によるオリーブオイル中の脂肪酸メチルエステル (FAME) の測定 アプリケーションノート 食品テスト 著者 Ramon Hernandez and Pablo Castillo Lab de Microbiologia de Andaluza Instrumentatcion in Spain Enrique Longueira and Jose Pineda Laboratorio Químico

More information

平成27年度 前期日程 化学 解答例

平成27年度 前期日程 化学 解答例 受験番号 平成 27 年度前期日程 化学 ( その 1) 解答用紙 工学部 応用化学科 志願者は第 1 問 ~ 第 4 問を解答せよ 農学部 生物資源科学科, 森林科学科 志願者は第 1 問と第 2 問を解答せよ 第 1 問 [ 二酸化炭素が発生する反応の化学反応式 ] 点 NaHCO 3 + HCl NaCl + H 2 O + CO 2 CO 2 の物質量を x mol とすると, 気体の状態方程式より,

More information

合成用溶媒

合成用溶媒 有機合成 特 長 水分値を 10ppm 以下まで低減した脱水溶媒 水分と酸素の W 保証 キャニスター缶で供給可能 INDEX 脱酸素脱水溶媒 超脱水溶媒 脱水溶媒 キャニスター缶の設置について 当社では溶媒中の溶存酸素量 水分量を低く抑えた 有機合成に適した溶媒をラインアップしています 脱酸素脱水溶媒は溶存酸素量 1ppm 以下 水分含量 0.001% 以下 (10ppm 以下 ) 超脱水溶媒は水分含量

More information

Microsoft Word - æœ•æŒ°ã…Łã……ç´€éŒ¢é•£ã…‹ã…flㅅ㇯ㇹ2019å¹´3朋呷.docx

Microsoft Word - æœ•æŒ°ã…Łã……ç´€éŒ¢é•£ã…‹ã…flㅅ㇯ㇹ2019å¹´3朋呷.docx 最新フッ素関連トピックス 2019 年 3 月号フッ素系触媒 1 はじめにフッ素系触媒については 2013 年 10 月号で フッ素系重合触媒 と題して述べている ここでは この 2 年間に発表されたフッ素系触媒についてまとめてみた 2 含フッ素金属錯体触媒 S. Ahmadjo らは エチレンの重合を下記の 3 つの含フッ素 Ni 触媒と共触媒としてメチルアルミノキサン (MAO) を用いて行った

More information

新規な金属抽出剤

新規な金属抽出剤 新規な金属イオン抽出剤 (MIDA) 貴金属の簡便な回収法に利用 日本原子力研究開発機構 基礎工学研究センター 佐々木祐二 原子力機構では使用済み燃料中の有用金属の回収を目的として 様々な分離技術の開発を行っています 発電前発電後 (An, 含む ) せん断 溶解分離 U, Pu 精製 U 精製 再処理工場へ ウラン燃料 Pu 精製 核変換 高レベル廃液 燃料再処理 (PUREX) 中間貯蔵 U,

More information

31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長

31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長 31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長時間発光した 次にルミノール溶液の液温に着目し 0 ~60 にて実験を行ったところ 温度が低いほど強く発光した

More information

フェロセンは酸化還元メディエータとして広く知られている物質であり ビニルフェロセン (VFc) はビニル基を持ち付加重合によりポリマーを得られるフェロセン誘導体である 共重合体としてハイドロゲルかつ水不溶性ポリマーを形成する2-ヒドロキシエチルメタクリレート (HEMA) を用いた 序論で述べたよう

フェロセンは酸化還元メディエータとして広く知られている物質であり ビニルフェロセン (VFc) はビニル基を持ち付加重合によりポリマーを得られるフェロセン誘導体である 共重合体としてハイドロゲルかつ水不溶性ポリマーを形成する2-ヒドロキシエチルメタクリレート (HEMA) を用いた 序論で述べたよう Synthesis of high Performance Polymeric Mediators and Evaluation of Biosensors based on them ( 高機能ポリマーメディエータを基盤としたバイオセンサー ) 氏名氷室蓉子 1. 緒言酵素は基質の酸化還元 脱水素反応などを触媒するが これらの反応は同時に電子授受反応でもある 酵素固定化型アンペロメトリックバイオセンサーは

More information

有機合成化学

有機合成化学 22 章ベンゼンの置換基の反応性ベンゼンの芳香族性に関しては,15 章参照求電子置換反応に関しては,16 章参照 解熱鎮痛薬 COOH OCOCH 3 OH アスピリン NHCOCH 3 アセトアミノフェン CH 3 CH 3 CO 2 H CO 2 H H 3 CO ナプロキセン イブプロフェン 22-1 フェニルメチル炭素の反応性 : ベンジル共鳴による安定化 ベンゼンは,Lewis 酸のような触媒を加えない限り,

More information

有機化合物の反応10(2018)講義用.ppt

有機化合物の反応10(2018)講義用.ppt 有機化合物の反応 ( 第 10 回 ) 創薬分子薬学講座薬化学部門 金光卓也 第 14 章 到達目標 l 共役ジエンの性質及びアルケンとの相違点について説明できる l 化学反応で用いられる 速度支配 熱力学支配 という用語の意味を説明できる l Diels-Alder 反応の特徴を具体例を用いて説明できる l 共役と有機化合物の色の関係について説明できる 14.1 共役化合物 共役 conjugation

More information

学位論文要旨 北里大学大学院薬学研究科薬科学専攻生命薬化学研究室 氏名木浦和哉印 題目 ナルトレキソンからメセンブランへの変換および中間体の誘導体を用いたメセンブラン アナログのオピオイド受容体に対する親和性の検討 1. 背景 目的 Gタンパク質共役受容体に属するオピオイド受容体には (MOR) (

学位論文要旨 北里大学大学院薬学研究科薬科学専攻生命薬化学研究室 氏名木浦和哉印 題目 ナルトレキソンからメセンブランへの変換および中間体の誘導体を用いたメセンブラン アナログのオピオイド受容体に対する親和性の検討 1. 背景 目的 Gタンパク質共役受容体に属するオピオイド受容体には (MOR) ( 学位論文要旨 北里大学大学院薬学研究科薬科学専攻生命薬化学研究室 氏名木浦和哉印 題目 ナルトレキソンからメセンブランへの変換および中間体の誘導体を用いたメセンブラン アナログのオピオイド受容体に対する親和性の検討 1. 背景 目的 Gタンパク質共役受容体に属するオピオイド受容体には (MOR) (KOR) (DOR) の3つのタイプが存在し タイプ選択的リガンドに関する数多くの研究が為されてきた

More information

i ( 23 ) ) SPP Science Partnership Project ( (1) (2) 2010 SSH

i ( 23 ) ) SPP Science Partnership Project ( (1) (2) 2010 SSH i 1982 2012 ( 23 ) 30 1998 ) 2002 2006 2009 1999 2009 10 2004 SPP Science Partnership Project 2004 2005 2009 ( 29 2010 (1) (2) 2010 SSH ii ph 21 2006 10 B5 A5 2014 2 2014 2 iii 21 1962 1969 1987 1992 2005

More information

第 11 回化学概論 酸化と還元 P63 酸化還元反応 酸化数 酸化剤 還元剤 金属のイオン化傾向 酸化される = 酸素と化合する = 水素を奪われる = 電子を失う = 酸化数が増加する 還元される = 水素と化合する = 酸素を奪われる = 電子を得る = 酸化数が減少する 銅の酸化酸化銅の還元

第 11 回化学概論 酸化と還元 P63 酸化還元反応 酸化数 酸化剤 還元剤 金属のイオン化傾向 酸化される = 酸素と化合する = 水素を奪われる = 電子を失う = 酸化数が増加する 還元される = 水素と化合する = 酸素を奪われる = 電子を得る = 酸化数が減少する 銅の酸化酸化銅の還元 第 11 回化学概論 酸化と還元 P63 酸化還元反応 酸化数 酸化剤 還元剤 金属のイオン化傾向 酸化される = 酸素と化合する = 水素を奪われる = 電子を失う = 酸化数が増加する 還元される = 水素と化合する = 酸素を奪われる = 電子を得る = 酸化数が減少する 銅の酸化酸化銅の還元 2Cu + O 2 2CuO CuO + H 2 Cu + H 2 O Cu Cu 2+ + 2e

More information

解法 1 原子の性質を周期表で理解する 原子の結合について理解するには まずは原子の種類 (= 元素 ) による性質の違いを知る必要がある 原子の性質は 次の 3 つによって理解することができる イオン化エネルギー = 原子から電子 1 個を取り除くのに必要なエネルギー ( イメージ ) 電子 原子

解法 1 原子の性質を周期表で理解する 原子の結合について理解するには まずは原子の種類 (= 元素 ) による性質の違いを知る必要がある 原子の性質は 次の 3 つによって理解することができる イオン化エネルギー = 原子から電子 1 個を取り除くのに必要なエネルギー ( イメージ ) 電子 原子 解法 1 原子の性質を周期表で理解する 原子の結合について理解するには まずは原子の種類 (= 元素 ) による性質の違いを知る必要がある 原子の性質は 次の 3 つによって理解することができる イオン化エネルギー = 原子から電子 1 個を取り除くのに必要なエネルギー ( イメージ ) 電子 原子 いやだ!! の強さ 電子親和力 = 原子が電子 1 個を受け取ったときに放出するエネルギー ( イメージ

More information

(Microsoft Word - \230a\225\266IChO46-Preparatory_Q36_\211\374\202Q_.doc)

(Microsoft Word - \230a\225\266IChO46-Preparatory_Q36_\211\374\202Q_.doc) 問題 36. 鉄 (Ⅲ) イオンとサリチルサリチル酸の錯形成 (20140304 修正 : ピンク色の部分 ) 1. 序論この簡単な実験では 水溶液中での鉄 (Ⅲ) イオンとサリチル酸の錯形成を検討する その錯体の実験式が求められ その安定度定数を見積もることができる 鉄 (Ⅲ) イオンとサリチル酸 H 2 Sal からなる安定な錯体はいくつか知られている それらの構造と組成はpHにより異なる 酸性溶液では紫色の錯体が生成する

More information

(Microsoft Word -

(Microsoft Word - 1 種々のアルキル基を有する 7- アルキル -2,6- ジメチル キノンメチド類の合成とその反応性 平成 23 年度三重大学大学院工学研究科博士前期課程分子素材工学専攻高分子設計化学講座原田智雄 2 目次 第一章緒言 1 第二章 実験 6 7-Methyl-2,6-dimethyl-1,4-benzoquinone Methide (5) の合成 13 4-Acetyl-2,6-dimethylphenol

More information

Taro-化学3 酸塩基 最新版

Taro-化学3 酸塩基 最新版 11 酸 塩基の反応 P oint.29 酸 塩基 ブレンステッドの酸 塩基 酸 水素イオンを 物質 塩基 水素イオンを 物質 NH3 + H2O NH4 + + OH - 酸 塩基の性質 1 リトマス紙 2 フェノールフタレイン溶液 3BTB 液 4 メチルオレンジ 5 金属と反応 6 味 7 水溶液中に存在するイオン 酸 塩基 酸 塩基の分類 1 価数による分類 1 価 2 価 3 価 酸 塩基

More information

09_organal2

09_organal2 4. (1) (a) I = 1/2 (I = 1/2) I 0 p ( ), n () I = 0 (p + n) I = (1/2, 3/2, 5/2 ) p ( ), n () I = (1, 2, 3 ) (b) (m) (I = 1/2) m = +1/2, 1/2 (I = 1/2) m = +1/2, 1/2 I m = +I, +(I 1), +(I 2) (I 1), I ( )

More information

Microsoft Word - 化学構造式集 doc

Microsoft Word - 化学構造式集 doc 29.18 カルボン酸 ( 他の酸素官能基を有するものに限る ) 並びにその酸無水物 酸ハロゲン化物 酸過酸化物及び過酸並びにこれらのハロゲン化誘導体 スルホン化誘導体 ニトロ化誘導体及びニトロソ化誘導体 (Carboxylic acids with additional oxygen function and their anhydrides, halides, peroxides and peroxyacids;

More information

<4D F736F F F696E74202D20385F E096BE8E9197BF E95D395B691BE90E690B6816A8F4390B E>

<4D F736F F F696E74202D20385F E096BE8E9197BF E95D395B691BE90E690B6816A8F4390B E> 1 γ- グルタミルトランスペプチダーゼ (GGT) の新規阻害剤 京都大学化学研究所生体機能化学研究系生体触媒化学研究領域 助教渡辺文太 2 γ- グルタミルトランスペプチダーゼ (GGT) とは グルタチオン ( -Glu-Cys-Gly) およびその抱合 体の γ- グルタミル結合を加水分解する酵素 -Glu-Cys-Gly + H 2 Glu + Cys-Gly ( 加水分解 ) -Glu-Cys-Gly

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 光両性物質発生剤 Photo Ampholyte Compounds Generator 千葉大学大学院融合科学研究科 情報科学専攻画像マテリアルコース 准教授髙原茂 Photo-X-generator 光 -X- 発生剤 hν PXG hν P + X X = 反応活性種 Photo-X-generator 光 -X- 発生剤 hν PXG hν P + X 反応中間体生成物 ( 反応触媒 ) R

More information

平成 25 年度 博士論文 Lewis 酸触媒を利用した新規分子内 Alder-Rickert 反応 によるフェノール類合成法の開発とその応用 金原 淳

平成 25 年度 博士論文 Lewis 酸触媒を利用した新規分子内 Alder-Rickert 反応 によるフェノール類合成法の開発とその応用 金原 淳 平成 25 年度 博士論文 Lewis 酸触媒を利用した新規分子内 Alder-Rickert 反応 によるフェノール類合成法の開発とその応用 金原 淳 略語表 本論文中以下の略語を使用した Ac BINAP Bn Bu Bz ca. DBU DHP DMAD DMAP DMF DMP DMPU DMS dppb dppe dppp Et FABMS HRFABMA h HMPA HRESIMS LA

More information