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1 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 1 of 生物薬剤学試験及び関連する分析法の目次 生物薬剤学試験及び関連する分析法の目次 背景及び概観 要旨 製剤開発の経緯 溶出特性 生体試料分析法 薬物動態検討用採血及び薬物動態の評価 多数点採血による薬物動態評価 少数点採血による薬物動態評価 生物薬剤学試験の概観 溶解度及び透過性 バイオアベイラビリティ 相対的バイオアベイラビリティ : 普通錠及び錠と経口液剤との比較 錠のバイオアベイラビリティ : 申請製剤 (40 mg錠 4 錠 ) と自社標準フィルムコーティング錠 (100mg錠 1 錠 +20mg錠 3 錠 ) との比較 絶対的バイオアベイラビリティ マスバランス試験 食事の影響 個々の試験結果の要約 試験 週間投与 /1 週間休薬用量漸増試験における相対的バイオアベイラビリティの検討 試験 バイオアベイラビリティ試験 試験 食事の影響試験 全試験を通しての結果の比較と解析 付録 参考文献... 29

2 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 2 of 生物薬剤学試験及び関連する分析法 背景及び概観 本項では レゴラフェニブ開発中に検討した生物薬剤学試験に関する概要について に示した 各臨床試験で用いられた製剤及び溶出特性については 及び に記載した また ヒト生体試料中のレゴラフェニブ及び代謝物の定量に用いた分析法 並びに薬物動態の評価方法については 及び に記載した にはレゴラフェニブの生物薬剤学な分類及び生物薬剤学試験に関する概要を示した 個々の生物薬剤学試験の要約及び薬物動態に関する成績は に記載した また 全試験をとおしての結果と解析を に要約した 要旨 背景 経口バイオアベイラビリティが高いレゴラフェニブの即放性製剤を提供することを目的として 製剤の開発を行った の原薬 ( レゴラフェニブ水和物 ) は水性溶媒にはほとんど溶けないため 高い経口バイオアベイラビリティを目的に ( ) 錠 すなわちではなくのレゴラフェニブを含有する錠剤を選択した (2.3.P 参照 ) することにより in vivo での溶出性が改善し レゴラフェニブの経口バイオアベイラビリティが最適化された 製剤 レゴラフェニブ 20mg 40mg 及び 100mg を含有する即放性の錠 ( 以下 錠 ) を開発した レゴラフェニブ 20mg 40mg 及び 100mg は レゴラフェニブ水和物として それぞれ 20.75mg 41.49mg 及び mg に相当する レゴラフェニブ水和物の水和水は製造中に除去され のレゴラフェニブ ( 無水物 ) となる 申請製剤 40mg 錠 ( 市販のフィルムコーティング剤オパドライを使用 ) 以外に 自社標準フィルムコーティングを施した 20mg 及び 100mg 錠 並びにオパドライでフィルムコーティングを施した 20mg 錠を開発し 臨床試験に使用した すべての錠の素錠の組成及び製造工程の原理は 開発過程をとおして変更しなかった 開発中に行った主な変更は フィルムコーティングの変更 ( 自社標準フィルムコーティングからオパドライを用いたフィルムコーティングに変更 ) であった (2.3.P.2.2 及び 参照 ) また 錠開発前には のレゴラフェニブ 20mg を含有する通常の製造方法による即放錠 ( 以下 普通錠 ) 及びレゴラフェニブの 2%(w/v) 経口液剤も製剤化した レゴラフェニブで実施した最初の第 Ⅰ 相臨床試験 ( 試験 11650) には 普通錠 錠及び経口液剤を使用した また マスバランス試験 ( 試験 12436) は 経口液剤を用いて実施された 各試験で使用した製剤の概観を表 に示した 一部の初期臨床試験は 自社標準フィルムコーティングを施した旧錠を用いて実施されたが 第 Ⅲ 相臨床試験 ( 試験 14387) を含めた ほとんどの第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験において 申請製剤である 40mg 錠を使用した ( 表 )

3 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 3 of 29 溶出特性 申請製剤の溶出性の規格として で一般的に定められている規格に準じた % ( 分 ) を適用した 申請製剤は この規格を満たしていた (2.3.P.5.4 及び 参照 ) バイオアベイラビリティ バイオアベイラビリティに関して レゴラフェニブは溶解性 / 透過性の化合物であり す 1) なわち Biopharmaceutical Classification System(BCS) 基準による Class に分類される薬物である 原薬は 水及び ph ~ の水性溶媒にほとんど溶けない また バリデートされた Caco-2 アッセイ系を用いた in vitro 試験において レゴラフェニブは BCS 基準による透過性に分類されることが示された ( 参照 ) 原薬が水性溶媒にほとんど溶けないため 静脈注射剤を開発することができず 絶対的バイオアベイラビリティ試験は実施していない ただし [ 14 C] レゴラフェニブを用いたマスバランス試験 ( 試験 12436) の結果からは レゴラフェニブを経口投与した時のバイオアベイラビリティは高いことが示唆された ( 及び 参照 ) 生物薬剤学試験 生物薬剤学試験 3 試験 ( 表 ) が 国外にて実施されている これら試験におけるバイオアベイラビリティの検討は バリデートされた生体試料分析法 ( 参照 ) 及び適切な薬物動態解析方法 ( 参照 ) によった 固形がん患者を対象とした用量漸増試験 ( 試験 11650) において普通錠及び錠の経口液剤に対する相対的バイオアベイラビリティを検討した のレゴラフェニブを含有する 20mg 普通錠の経口液剤に対する相対的バイオアベイラビリティは低く ( 参照 ) 普通錠の開発は中止することとした 一方 錠の経口液剤に対する相対的バイオアベイラビリティは良好であり ( 試験 自社標準フィルムコーティングを使用 ) 錠は 製剤の開発目的に合致した即放錠であることが示されたため 以降の開発には錠が選択された 錠に対して開発中に行った主な変更は フィルムコーティングの変更であった また 第 Ⅲ 相臨床試験 ( 試験 14387) の開始前に 錠剤の含量を 20mg 又は 100mg から 40mg に変更した これらの変更がバイオアベイラビリティに及ぼす影響について 試験 で評価した 両錠は生物学的に同等であることが示された ( 参照 ) そこで この錠 40mg 錠を第 Ⅲ 相臨床試験 ( 試験 14387) に使用することとした その後 製剤に変更はなく 申請に至った 今回の申請に際して 本剤のバイオアベイラビリティに及ぼす食事の影響を検討するために 申請製剤を用いて食事の影響試験 ( 試験 14656) を実施した ( 参照 ) 上述のような生物薬剤学試験の結果 申請製剤であるティの観点から優れた製剤であることが示されている 錠 40 mg錠はバイオアベイラビリ 製剤開発の経緯 抗がん剤としてのレゴラフェニブの開発は 20 年に開始した 20 年に開始した国外第 Ⅰ 相臨床試験には経口液剤 続いて 普通錠及び錠を用いた

4 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 4 of 29 経口バイオアベイラビリティが高いレゴラフェニブの即放性製剤を供給することを目的として 製剤の開発を行った 申請製剤には 錠 すなわちではなくのレゴラフェニブを含有する錠剤を選択した することにより in vivo での溶出性が改善し レゴラフェニブの最適な経口バイオアベイラビリティが得られる 申請製剤である 40mg 錠に加えて 含量 20mg 及び 100mg の錠を開発し 臨床試験に使用した 臨床試験で使用した含量の異なる錠剤 (20mg 40mg 及び 100mg) は 最適な溶出特性を有する同じ造粒末を用いて 同一の製造工程で製造した 錠剤の重量及び大きさを調整し 含量の異なる錠剤を製造した 盲検化を容易にするため 臨床試験で使用する錠剤にはすべて刻印を行わなかった 申請製剤である 40mg 錠は 長径 16mm 短径 7mm 重量 472mg の楕円形のフィルムコーティング錠である 本品は 着色による識別性を高め 錠剤取扱い時の飛散性を軽減し 嚥下しやすくするために 淡赤色の非機能性フィルムコーティングを施している また 臨床試験における盲検化のためにもフィルムコーティングを行った 錠の開発中は フィルムコーティングに関して軽微な変更は加えたものの 組成及び製造工程の原理は変更していない 水系コーティング工程における温度負荷を最小限にするため 最初の錠剤で使用した自社標準フィルムコーティングを 市販のポリビニルアルコールベース ( オパドライ ) のフィルムコーティングに変更した 臨床試験で使用した申請製剤であるオパドライフィルムコーティングの 40mg 錠 ( 開発番号 142) の組成に関する詳細は 2.3.P.2.2 に示した 第 Ⅲ 相臨床試験 ( 試験 14387) は 申請製剤を使用して実施した ( 表 ) また 最初の国外第 Ⅰ 相臨床試験 ( 試験 11650) 及びマスバランス試験 ( 試験 経口液剤のみ) で使用した普通錠及び経口液剤の組成に関する詳細は 2.3.P.2.2 に記載した

5 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 5 of 29 表 臨床試験に使用した製剤の一覧表 Sorted by protocol number Drug products used a Location of study report (study number) , PH (11650) , PH-36984, , PH (11651) , PH (11656) , A , A55873 (11726) , PH (12434) , PH (12435) , PH (12436) , PH (12437) , A51164 (13172) , A53306 (14387) e Abbreviated title Safety, tolerability, maximum tolerated dose, PK, relative BA of tablet vs. oral solution and biomarker status of regorafenib Safety, tolerability, maximum tolerated dose, PK, and biomarker status of regorafenib Safety, PK, and PD of regorafenib in combination with "mfolfox6" or "FOLFIRI" in patients with metastatic colorectal cancer (CRC) Phase II uncontrolled study of regorafenib in patients with renal cell cancer (RCC) Effect of regorafenib on probe substrates of CYP 2C9, 2C19, 3A4 and 2C8 Effect of ketoconazole on the PK of regorafenib Metabolism, excretion pattern, mass balance, safety, tolerability and PK of [ 14 C] regorafenib Relative bioavailability of regorafenib (1 x 100mg mg vs. 4 40mg) PK and safety of regorafenib in Japanese patients with advanced solid tumors Study in patients with metastatic colorectal cancer (mcrc) treated with regorafenib or placebo after failure of standard therapy Oral solution b 2% (w/v) Conventional tablet c 20mg (#020) tablet 20mg (#021) x x x x x x x tablet 100mg (#101) tablet 20mg (#122) d x x x x x x x x x x x x x x x tablet 40mg (#142) d

6 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 6 of 29 表 臨床試験に使用した製剤の一覧表 ( 続き ) Sorted by protocol number Drug products used 1 Location of study report (study number) , A51601 (14596) , PH (14656) , PH (14814) , A51600 (14996) , PH (15524) (11728) f (14458) f Abbreviated title Safety in patients with hepatocellular carcinoma (HCC) The effect of food on the PK of regorafenib (high-fat breakfast vs. low-fat breakfast vs. fasting state) Cardiovascular safety, tolerability, PK and antitumor activity of regorafenib PK and safety,tolerability and efficacy of regorafenib in Chinese patients Effect of rifampin on the PK of regorafenib First line treatment of metastatic colorectal cancer with "mfolfox6" in combination with regorafenib Safety, efficacy, and pharmacokinetics of regorafenib combined with pemetrexed and cisplatin in patients with nonsquamous non-small cell lung cancer Regorafenib as a 3rd-line or greater treatment for gastrointestinal stromal tumors (GIST) (GRID) (14874) e,f a All tablets were immediate release tablets b 2% (w/v) solution of regorafenib in a macrogol based vehicle c IR tablets comprising the drug in, micronized form Oral solution b 2% (w/v) Conventional tablet c 20mg (#020) d Opadry coating e Phase III study; all other studies were Phase I or II studies f Ongoing study (as of 31 Dec 20 ). (Only study protocols are provided for these studies in Module 5.) PK pharmacokinetics PD pharmacodynamics x tablet 20mg (#021) tablet 100mg (#101) tablet 20mg (#122) d x x x x x x x x tablet 40mg (#142) d

7 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 7 of 溶出特性 臨床試験用製剤の in vitro 溶出試験は すべて 標準的な溶出試験法を用いて実施した ( パドル法 900mL 試験液 : 酢酸緩衝液 ph % ラウリル硫酸ナトリウム 37 75rpm) レゴラフェニブの定量は 特異性 直線性 真度 及び精度に関してバリデートされた紫外分光法 ( nm) により行った 試験法の詳細は 2.3.P.5.2 に記載した 申請製剤の溶出規格として で一般的に定められている規格に準じた %( 分 ) を適用した 申請製剤はこの規格を満たしていた (2.3.P.5.4 参照 ) 図 にバイオアベイラビリティ試験 ( 試験 12437) で使用した製剤 すなわち申請製剤である 40mg 錠並びに自社標準フィルムコーティングを施した 100mg 及び 20mg 錠の溶出特性 ( 平均溶出率 ) を示す 溶出特性の類似性 ( 特に 20mg 錠と 40mg 錠 ) から フィルムコーティングの変更は本剤の溶出特性に大きな影響を及ぼさないことが示された

8 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 8 of 29 Mean % dissolved in acetate buffer ph % sodium dodecyl sulfate 図 試験 で使用した錠剤の溶出特性 生体試料分析法 臨床開発段階において 高速液体クロマトグラフィー / タンデム質量分析 (LC-MS/MS) 法を用いて 血漿試料中の未変化体 ( レゴラフェニブ :BAY ) 並びにその代謝物 M-2(BAY ) M-3(BAY ) M-4(BAY ) 及び M-5(BAY ) の同時定量法を開発し 分析法バリデーションを実施した上で 生体試料分析に供した 尿試料中のレゴラフェニブ及び代謝物 M-2 は バリデートされた LC-MS/MS 法を用いて測定し レゴラフェニブ及び M-2 のグルクロン酸抱合体である M-7(BAY ) 及び M-8(BAY ) は 酵素による加水分解処理後にレゴラフェニブ及び M-2 として間接的に測定した 血漿試料は たん白質除去後 逆相クロマトグラフィーにより分離した検体を質量分析計で定量した 尿試料は 希釈後 血漿試料と同様に逆相クロマトグラフィーにより分離した検体を質量分析計で定量した

9 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 9 of 29 分析法バリデーション及び試料分析は 関連する FDA ガイダンス 2) に従って実施した 臨床試験で使用した生体試料分析法の詳細並びにバリデーション及び試料の安定性に関する結果の要約を A59117 にバリデーション報告書として添付した 臨床開発段階においては 最新の要件を満たすため 既存の定量法と異なるバージョンを用いることがあった 各試験で実際に使用した定量方法及びその特性については 対応する試験総括報告書に添付した レゴラフェニブ及び代謝物 M-2 M-3 M-4 及び M-5 の血漿中濃度の定量下限 (LLOQ) は 0.002~0.005mg/L であった また検量線の上限は すべての分析対象において 2mg/L であった 尿中濃度定量法の LLOQ は レゴラフェニブ及び M-2 の場合がおよそ 0.010mg/L であった 間接的に測定する必要がある M-7 及び M-8 の LLOQ は 換算を要するため およそ 0.014mg/L であった 検量線範囲の上限は レゴラフェニブ及び M-2 が およそ 5mg/L M-7 及び M-8 が およそ 7mg/L であった 低 中及び高濃度の精度管理用 (QC) 試料に関して すべての分析対象の精度は 15% 以内 真度は 85~115% 以内であった また LLOQ に相当する濃度の QC 試料については 精度は 20% 以内 真度は 80~120% 以内であり いずれも分析法バリデーションのガイダンス 2) の要件を満たしていた さらに 予想される検体取扱い条件下 ( 血漿試料 :37 で 3 時間保存 -15 で 18 ヵ月間保存 など ) で安定性を検討した結果 すべての分析対象はこれらの条件下で安定であった ( A59117 参照 ) 使用した生体試料分析法は 検量線用標準曲線及び精度管理用 QC 試料測定の結果から定量実施期間を通じて信頼し得るものであることが示された 薬物動態検討用採血及び薬物動態の評価 多数点採血による薬物動態評価 生物薬剤学的検討を行った 3 つの臨床薬理試験 ( 試験 及び 14656) では 多数点採血によりデータを収集することを計画した 詳細は 表 並びに の個々の試験結果の要約に記載した 各試験において 治験実施計画書に規定されている検体採取日にレゴラフェニブ及び主代謝物の血漿中濃度の測定用に静脈血を採取した 標準的な採血スケジュールとして 投与前に 1 点採血後 投与後 12 時間目までは比較的短い採血間隔により 翌日以降はやや長い採血間隔により多数点の採血を行った すなわち 申請製剤のバイオアベイラビリティを評価した試験 では 投与前 投与後 及び 24 時間目 並びに投与後 及び 7 日目に採血した (6 7 日目は 2 期のみ 参照 ) 後述する食事の影響試験 ( 試験 14656) 及び 3 週間投与 /1 週間休薬用量漸増試験 ( 試験 11650: 相対的バイオアベイラビリティを検討したパート ) においても同様のスケジュールで採血した 薬物動態学的パラメータは それぞれの治験実施計画書に従い 以下のパラメータなどを算出した パラメータはレゴラフェニブ及び代謝物の血漿中濃度 並びに時間データを基に WinNonlin ソフトウェア Version 4.1(Pharsight Corporation, Mountain View/CA 米国 ) を用い ノンコンパートメント法により算出した

10 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 10 of 29 単回又は初回投与後の薬物動態学的パラメータ AUC AUC(0-t last) C max t max t 1/2 投与後 0~ 無限大時間までの血漿中濃度 - 時間曲線下面積投与後 0 時間から最終データ時点 (t) までの血漿中濃度 - 時間曲線下面積最高血漿中濃度最高血漿中濃度到達時間消失半減期 CL/F 経口投与時の見かけの全身クリアランス ( 経口クリアランス ) V z/f 見かけの分布容積 定常状態における薬物動態学的パラメータ AUC,ss, 定常状態における投与間隔での AUC C max,ss 定常状態における C max t max,ss CL ss/f V z,ss/f 定常状態における t max 定常状態における CL/F 定常状態における V z/f R A 蓄積率 : R LIN linearity factor: さらに 必要に応じて投与量で補正したパラメータ (C max/d 及び AUC/D) 並びに体重 (kg) あたりの投与量で補正したパラメータ (C max,norm 及び AUC norm) を算出した 血漿中濃度 - 時間曲線下面積 (AUC) の算出には 台形法を用いた 消失半減期 (t 1/2) は 終末相の血漿中濃度を対数変換後に線形最小二乗法により回帰させ推定した 薬物動態学的パラメータ (t max を除く ) は幾何平均値並びに幾何変動係数 (%) 又は範囲で示し t max は中央値及び範囲で示した また 血漿中薬物濃度 (2/3 以上において LLOQ を上回っていた場合に算出 ) は幾何平均値で示した 少数点採血による薬物動態評価 少数点採血による薬物動態評価又は母集団薬物動態解析は 第 Ⅲ 相臨床試験 ( 試験 14387) の 1 試験でのみ実施した 現在 解析中であり 別途報告書を作成する予定である

11 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 11 of 生物薬剤学試験の概観 溶解度及び透過性 原薬は 水性溶媒にほとんど溶けない (0.1mol/L HCl 水 及び 0.1mol/L NaOH に 25 で mg/l 以下 )(2.3.S 参照 ) 溶出性を向上し 経口バイオアベイラビリティを改善するために レゴラフェニブ製剤は錠として製造することとした 溶出試験液に接すると 錠剤が崩壊し の原薬の溶解性から予想されるよりもはるかに高濃度のレゴラフェニブを含むを形成しながら が溶解する レゴラフェニブの in vitro における透過性は バリデートされた Caco-2 アッセイ系を用いて検討した 試験結果から レゴラフェニブは BCS 基準における透過性に分類された (3.2.P 参照 ) 以上より レゴラフェニブは BCS 基準による Class の薬物 ( 溶解性 / 透過性の化合物 ) である 1) バイオアベイラビリティ 生物薬剤学試験の一覧を表 に示した 最初に実施した試験 では 普通錠及び錠 ( 自社標準フィルムコーティングの 20mg 及び 100mg 錠 ) の経口液剤に対する相対的バイオアベイラビリティを検討した 試験 では 申請製剤である 40mg 錠のバイオアベイラビリティを 初期の臨床試験で使用した錠 ( 自社標準フィルムコーティングの 20mg 及び 100mg 錠 ) と比較した 試験 では 申請製剤である 40mg 錠のバイオアベイラビリティに及ぼす食事の影響を検討した 絶対的バイオアベイラビリティ試験は実施しなかった

12 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 12 of 29 表 生物薬剤学試験の一覧 Location of study report (study number) , PH (11650) Full title Bioavailability studies Open label, Phase I study to determine the safety, tolerability, maximum tolerated dose, pharmacokinetics, relative BA of tablet and liquid solution and biomarker status of BAY in patients with advanced malignancies Biopharmaceutically relevant comparison 60mg: 20mg conventional tablets (#020) or 20mg tablets (#021) vs. oral solution (#201) 100mg: 100mg tablet (#101) vs. oral solution (#201) Clinical part (year) * , PH (12437) A two-way, single dose, randomized, open label, Phase I study to evaluate the relative bioavailability of 160mg of BAY administered as 1 100mg mg tablets and 4 40mg tablets. 160mg: 40mg tablets with Opadry coating (#142) vs. 100mg (#101) + 20mg (#021) tablets with standard in-house coating , PH (14656) Food-drug interaction studies 160mg: (40mg A Phase I, randomized, open label, 3-way cross-over study to determine the effect of a highfat breakfast, a low-fat breakfast and fasting state on the pharmacokinetics of a single oral dose of 160mg regorafenib (BAY ) in healthy volunteers tablets with Opadry coating (#142)) - with high-fat breakfast vs. - with low-fat breakfast vs. - fasting * cut off date for study report 相対的バイオアベイラビリティ : 普通錠及び 錠と経口液剤との比 較 試験 11650( 参照 ) では 進行性固形がん患者を対象として 20mg 普通錠及び自社標準フィルムコーティングを用いた 20mg 及び 100mg 錠のレゴラフェニブの経口液剤に対する相対的バイオアベイラビリティ (F rel: 錠剤 / 経口液剤 ) を検討した 20mg 普通錠は 経口液剤と比べて未変化体の相対的バイオアベイラビリティは 10% 未満であった 一方 20mg 及び 100mg 錠は 経口液剤と比べて未変化体の相対的バイオアベイ

13 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 13 of 29 ラビリティがそれぞれ約 70% 及び 83% であった ( 表 ) この結果に基づき 普通錠の開発を中止し 以降の臨床開発には錠が選択された 表 各種錠剤の経口液剤に対するレゴラフェニブの相対的バイオアベイラビリティ Analyte Parameter N Test * Reference * (oral sol.) Point estimate [%] (Test/Ref.) 20mg conventional tablets (60mg) vs. oral solution (60mg) 2-sided 90% confidence interval [%] Parent AUC(0- t last) [mg h/l] (37.7) 26.5 (23.0) 8.15 [6.52 ; 10.2] C max [mg/l] (63.7) 1.78 (36.1) 4.75 [3.35 ; 6.73] 20mg tablets (60mg) vs. oral solution (60mg) AUC(0- t last) [mg h/l] (33.2) 26.5 (23.0) 69.5 [55.6 ; 86.9] C max [mg/l] (85.0) 1.78 (36.1) 59.0 [41.6 ; 83.5] 100mg tablet (100mg) vs. oral solution (100mg) Parent AUC(0- t last) [mg h/l] (35.3) 40.6 (27.0) 83.2 [74.1 ; 93.4] C max [mg/l] (63.9) 3.31 (40.4) 54.9 [41.0 ; 73.5] Source: Study report , PH-36733, Table 9-3, 9-6, 9-7, and 9-10 * Geometric means (%CV) Study population: men and women with advanced malignancies 60mg group: 4 men and 2 women (54-68 years of age) who received three single doses of 60mg regorafenib: oral solution / 20mg conventional tablets / 20mg 100mg group: 5 men and 2 women (35-70 years of age) who received two single doses of 100mg regorafenib: oral solution / 100mg tablet tablets 錠のバイオアベイラビリティ : 申請製剤 (40mg錠 4 錠 ) と自社標準フィルムコーティング錠 (100 mg錠 1 錠 +20mg錠 3 錠 ) との比較 に述べたように レゴラフェニブの臨床試験で使用した各種錠の組成は同一のものであるが フィルムコーティングについては 自社標準フィルムコーティングからオパドライフィルムコーティングに変更された 初期の臨床試験相で行われたフィルムコーティングの変更 並びに 20mg 錠及び 100mg 錠から 40mg 錠への含量が異なる錠剤への変更がバイオアベイラビリティに及ぼす影響について検討する目的で 健康男性被験者を対象として錠のバイオアベイラビリティを評価する試験 ( 試験 12437) を実施した 推奨用量 160mg 投与時におけるレゴラフェニブの曝露量を評価項目として 申請製剤である 40mg 錠 4 錠投与時と 自社標準フィルムコーティングの 100mg 錠 1 錠 +20mg 錠 3 錠投与時とで比較したところ レゴラフェニブの AUC 及び C max の比 (40mg 錠 4 錠 /100mg 錠 1 錠 +20mg 錠 3 錠 ) の 90% 信頼区間 (CI) が生物学的同等性の判定基準の範囲内 (80~125%) にあり 両剤は生物学的に同等であることが示された 本試験の結果に基づき 第 Ⅲ 相臨床試験 ( 試験 14387) には 錠 40 mg錠 4 錠 (160mg) を使用することとした

14 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 14 of 29 表 影響 錠のバイオアベイラビリティ評価 : フィルムコーティング及び含量変更の Analyte Parameter N Test * Reference * estimate [%] Point (Test/Ref.) 2-sided 90% confidence interval [%] Parent AUC [mg h/l] (34.2) 41.9 (34.7) 99.7 [93.0 ; 107] C max [mg/l] (40.6) 1.11 (43.4) 111 [101 ; 122] M-2 AUC [mg h/l] (45.3) 23.1 (59.1) 116 [105 ; 129] C max [mg/l] (42.2) (57.3) 124 [110 ; 140] M-5 AUC [mg h/l] (73.1) 10.7 (89.7) 124 [110 ; 141] C max [mg/l] (60.3) (95.4) 117 [104 ; 131] Source: Study report , PH-36595, Table 9-1,9-2 * Geometric means followed by geometric coefficients of variation [%] in brackets Study population: healthy men (18 45 years of age) Test: 160mg regorafenib as 40mg tablets (#142) Reference: 160mg regorafenib as 1 x 100mg (#101) + 3 x 20mg tablets (#021) 絶対的バイオアベイラビリティ 前述のように 原薬が水性溶媒にほとんど溶けないため レゴラフェニブの静脈注射剤を開発することができなかった したがって レゴラフェニブの絶対的バイオアベイラビリティ試験は実施していない マスバランス試験 マスバランス試験 ( 試験 12436) において レゴラフェニブは経口投与後速やかに吸収され 腸肝循環を受けた後 主として胆汁 / 糞を介して排泄されることが示された マスバランス試験において 健康男性被験者 4 例に [ 14 C] レゴラフェニブ 120mg を経口液剤として単回投与した 投与された放射能の約 90% が 採取期間終了時までに回収され そのうち約 71%( 未変化体 47% 代謝物 24%) が糞中に 約 19% が尿中に排泄された ( 参照 ) このデータから 直接 本剤のバイオアベイラビリティを推定することはできないが 本薬経口投与時のバイオアベイラビリティは高いことが示唆された なお 投与後 48 時間目までの糞中排泄率が投与量の約 23% のみであり 全被験者が少なくとも 1 回の排便を 48 時間までに済ませていることから 薬物の吸収不良が原因で 糞中への排泄が高くなったのではないと考えられる ( 参照 ) 食事の影響 申請製剤のバイオアベイラビリティに及ぼす食事の影響を 健康男性被験者を対象とした 3 期クロスオーバー試験 ( 試験 14656) により検討した 本試験では 空腹時 高脂肪食摂取後 及び低脂肪食摂取後にレゴラフェニブ 160mg( 申請製剤 40mg 錠 4 錠 ) を投与した 未変化体の AUC 及び C max は 低脂肪及び高脂肪の朝食摂取後で同様であり AUC 及び C max の比 ( 高脂肪食 / 低脂肪食 ) の 90%CI も 生物学的同等性の判定基準の範囲 (80~125%) 内であった 空腹時投与時の AUC 及び C max を食後 ( 低脂肪又は高脂肪の朝食 ) と比較したとき 食後投与時の AUC 及び C max は空腹時投与時に比べ増加した ( 表 )

15 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 15 of 29 総曝露量を考えると 低脂肪食摂取後にレゴラフェニブを投与した場合に 曝露量が最も高いことが示唆された ( 参照 ) 国際共同第 Ⅲ 相臨床試験等 がん患者を対象とした臨床試験の試験計画書において 本剤は軽食又は低脂肪の朝食摂取後に投与するように規定されている

16 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 16 of 29 表 申請製剤のバイオアベイラビリティに及ぼす食事の影響 Analyte Parameter N Test * Reference * estimate [%] Point (Test/Ref.) Low fat vs. fasted 2-sided 90% confidence interval [%] Parent AUC [mg h/l] (31.4) 45.4 (36.9) 136 [123 ; 150] C max [mg/l] (28.0) 1.25 (36.9) 154 [138 ; 173] High fat vs. fasted AUC [mg h/l] (35.6) 45.4 (36.9) 148 [134 ; 164] C max [mg/l] (31.8) 1.25 (36.9) 173 [154 ; 193] High fat vs. low fat AUC [mg h/l] (35.6) 61.8 (31.4) 109 [98.6 ; 120] C max [mg/l] (31.8) 1.93 (28.0) 112 [100 ; 125] Source: Source: Study report , PH-36525, Table 9-1,9-2 * Geometric means followed by geometric coefficients of variation [%] in brackets Study population: healthy men (18 45 years of age) Fasted: 4 x 40mg regorafenib (#142) administered after overnight fasting Low fat: 4 x 40mg regorafenib (#142) administered immediately after a low fat breakfast High fat: 4 x 40mg regorafenib (#142) administered immediately after a high fat breakfast 個々の試験結果の要約 本項では 生物薬剤学の観点から重要と考えられる試験結果について記述した なお これらの試験で得られた安全性成績は に要約し 有効性成績は に 薬力学的成績及び薬物動態学的成績は に示した レゴラフェニブ及び代謝物の血漿中濃度は バリデートされた LC-MS/MS 法により測定した ( 参照 ) 薬物動態学的パラメータは WinNonlin を用いて算出した ( 参照 ) 薬物動態に関する解析として記述統計量を算出した 探索的な検討の場合 統計的な被験者数の算出は行っていないが バイオアベイラビリティ試験 ( 試験 12437) は 未変化体の AUC 及び C max を主要評価項目として 製剤間の生物学的同等性を証明するのに必要な被験者数に設定した 試験 週間投与 /1 週間休薬用量漸増試験における相対的バイオアベイラビリティの検討 試験 11650( PH-36733): 進行性固形がん患者を対象としたレゴラフェニブの安全性 忍容性 最大耐用量 薬物動態及びバイオマーカーを検討した非盲検 第 I 相臨床試験 本試験は 進行性固形がん患者を対象にレゴラフェニブを単回及び反復投与した際の薬物動態 薬理学的作用 安全性及び忍容性を検討することを目的とした試験であり 試験目的の 1 つとして 普通錠及び錠におけるレゴラフェニブの相対的バイオアベイラビリティを経口液剤と比較検討した

17 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 17 of 29 本試験は第 Ⅰ 相用量漸増試験であり 20 年 ~20 年にドイツで実施された 治験総括報告書は 20 年月日をデータベースカットオフ日として作成された ここでは 試験方法 被験者背景 並びに本試験で得られた薬物動態の成績の順に記載し 相対的バイオアベイラビリティに関する成績 ( 普通錠と経口液剤との比較 錠と経口液剤との比較 ) について述べる 本試験における相対的バイオアベイラビリティの検討は コホート 4 及び 6 の反復投与サイクルの前に実施し 各コホートの被験者に対して レゴラフェニブ 60mg( コホート 4) 及び 100mg ( コホート 6) を異なる製剤にて単回投与した すなわち コホート 4 の 60mg の経口液剤投与後 同じ被験者に対して 錠 普通錠の順に それぞれ 20mg 錠 3 錠を投与した また コホート 6 終了後の被験者に対しては レゴラフェニブ 100mg を経口液剤及び錠にて それぞれ単回投与した レゴラフェニブの投与は 8 時間以上の絶食後に行い 各投与間には 1 週間の休薬期間を設けた レゴラフェニブ及び主代謝物 M-2 及び M-5 の血漿中濃度測定用の血液検体は 投与後 48 時間まで採取した 60mg 投与群 ( コホート 4) は被験者 6 例 ( 男性 4 例 女性 2 例 ) からなり 平均年齢 61.7 歳 ( 範囲 :54~68 歳 ) 平均体重 84.1kg( 範囲 :61.9~105kg) 平均 BMI 27.3kg/m 2 ( 範囲 : 21.4~34.9kg/m 2 ) であった また 100mg 投与群 ( コホート 6) は被験者 7 例 ( 男性 5 例 女性 2 例 ) からなり 平均年齢 60.0 歳 ( 範囲 :35~70 歳 ) 平均体重 81.0kg( 範囲 :55.5~ 98.7kg) 平均 BMI 27.2kg/m 2 ( 範囲 :18.5~36.9kg/m 2 ) であった レゴラフェニブ 60mg を普通錠 20mg 錠 3 錠 錠 20mg 3 錠 及び経口液剤にて単回経口投与した際の未変化体並びに代謝物 M-2 及び M-5 の血漿中薬物動態学的パラメータを表 に要約した レゴラフェニブ 100mg を錠 100 mg錠 1 錠及び経口液剤にて単回経口投与した際の薬物動態学的パラメータを表 に 統計解析の結果をそれぞれ表 及び表 に示した 薬物動態評価において 相対的バイオアベイラビリティ (F rel: 錠剤 / 経口液剤 ) は AUC の外挿に必要な t 1/2 を 全被験者で推定することができなかったため AUC(0-t last) に基づき算出した また レゴラフェニブの消失は緩徐であったため 投与前に定量下限 (LLOQ) を若干上回る血漿中レゴラフェニブ濃度が検出された しかしながら この濃度はわずか ( 各投与期間の平均最高濃度の 3.5% 以下 ) であったことから 相対的バイオアベイラビリティの評価に大きな影響を及ぼすものではないと考えられた レゴラフェニブ 60mg 投与時において 普通錠の経口液剤に対する未変化体の相対的バイオアベイラビリティは AUC と C max のいずれで評価しても 10% 未満であった 一方 錠の経口液剤に対する未変化体の相対的バイオアベイラビリティは AUC で約 70% C max で約 60% であった また 100mg 錠投与時における未変化体の経口液剤に対する相対的バイオアベイラビリティは AUCで約 83% C max で約 55% であった なお レゴラフェニブの主代謝物 M-2 及び M-5 は 含量が異なる錠 (20mg 及び 100mg) 投与時には ともに比較的低い血漿中濃度が観察されたが 普通錠投与時には いずれの代謝物の血漿中濃度も LLOQ 以下であった 以上 がん患者を対象とした用量漸増試験 ( 試験 11650) において普通錠及び錠の経口液剤に対する相対的バイオアベイラビリティを検討した のレゴラフェニブを含有する 20mg 普通錠の経口液剤に対する相対的バイオアベイラビリティは低く 普通錠の開発は中止することとした 一方 錠 ( 自社標準フィルムコーティングを使用 ) の経口液剤に対する相

18 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 18 of 29 対的バイオアベイラビリティは良好であり 錠は 製剤の開発目的に合致した即放錠であることが示された 本試験の結果をもとに 普通錠の開発は行わず 錠で臨床開発を行うとの結論に至った 表 がん患者にレゴラフェニブ 60mg を各種製剤にて単回経口投与 ( 空腹時 ) した際の血漿中レゴラフェニブ並びに主代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ [ 幾何平均値 (%CV) N = 6] Analyte Treatment AUC(0- t last) t½ [mg*h/l] [mg/l] [h] [h] Parent Conv. tablets 2.16 (37.7) (63.7) 3.5 (3-71) n.d. b tablets 18.4 (33.2) 1.05 (85.0) 3.0 (2-4) n.d. b Oral solution 26.5 (23.0) 1.78 (36.1) 1.0 (1-2) n.d. b M-2 Conv. tablets M-2 plasma concentrations were < LLOQ tablets 6.09 (54.0) (89.7) 3.0 (2-4) 24.0 (33.5) c Oral solution 14.5 (37.9) (42.0) 2.0 (1-3) 23.6 (30.8) d M-5 Conv. tablet M-5 plasma concentrations were < LLOQ tablets (140) (137) 30.0 (8-72) n.d. b Oral solution 4.23 (97.4) (105) 47.0 (24-72) n.d. b Source: Study report , PH-36733, Table 9-3,9-4,9-5 a median (minimum maximum) b insufficient data points during the terminal phase c N = 5 d N = 3 n.d. = not determined LLOQ = lower limit of quantitation Conv. tablets = three 20mg conventional tablets tablets = three 20mg tablets Oral solution = oral solution containing 60mg regorafenib C max t max a 表 レゴラフェニブ 60mg 投与時の普通錠及びイオアベイラビリティに関する解析結果 錠の経口液剤に対する相対的バ Analyte Comparison Parameter N Point estimate [%] (Ratio) 2-sided 90% confidence interval [%] Parent Conv. tablets/solution AUC(0- t last) [6.52 ; 10.2] C max [3.35 ; 6.73] tablets/solution AUC(0- t last) [55.6 ; 86.9] C max [41.6 ; 83.5] M-2 plasma concentrations were < LLOQ M-2 Conv. tablets/solution after administration of conventional tablets tablets/solution AUC(0- t last) [33.5 ; 52.5] C max [27.2 ; 57.9] M-5 plasma concentrations were < LLOQ M-5 Conv. tablets/solution after administration of conventional tablets tablets/solution AUC(0- t last) [15.2 ; 28.8] C max [12.0 ; 27.0]

19 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 19 of 29 Source: Study report , PH-36733, Table 9-6 LLOQ = lower limit of quantitation Conv. tablet = three 20mg conventional tablets tablets = three 20mg tablets Solution = oral solution containing 60mg regorafenib All medications were administered under fasting conditions. 表 がん患者にレゴラフェニブ100mgを錠にて単回経口投与 ( 空腹時 ) した際の血漿中レゴラフェニブ並びに主代謝物 M-2 及びM-5の薬物動態学的パラメータ [ 幾何平均値 (%CV) N = 7] Analyte Treatment AUC(0-t last) [mg*h/l] C max [mg/l] Parent tablet 33.8 (35.3) 1.82 (63.9) 4.08 (2-6) 22.6 (76.4) b t max a [h] Oral solution 40.6 (27.0) 3.31 (40.4) 1.05 (0.6-4) 21.2 (59.2) b M-2 tablet 9.31 (62.1) (95.1) 4.17 (2-12) 17.7 (47.0) b Oral solution 23.5 (33.5) 1.56 (67.7) 2.00 (1-4) 18.7 (35.8) c M-5 tablet 1.00 (112) (130) 47.5 (22-71) n.d. d Oral solution 6.00 (99.1) (109) 11.9 (3-70) n.d. d Source: Study report , PH-36733, Table 9.7, 9-8, 9-9 a median (minimum maximum) b N = 4 c N = 6 d insufficient data points during the terminal phase n.d. = not determined tablet = one 100mg tablet Oral solution = oral solution containing 100mg regorafenib t½ [h] 表 レゴラフェニブ 100mg 投与時のラビリティに関する解析結果 錠の経口液剤に対する相対的バイオアベイ Analyte Comparison Parameter N Point estimate [%] (Ratio) 2-sided 90% confidence interval [%] Parent tablet/solution AUC(0- t last) [74.1 ; 93.4] C max [41.0 ; 73.5] M-2 tablet/solution AUC(0- t last) [27.3 ; 57.5] C max [18.9 ; 54.2] M-5 tablet/solution AUC(0- t last) [8.74 ; 31.9] C max [13.1 ; 33.9] Source: Study report , PH-36733, Table 9-10 tablet = one 100mg tablet Solution = oral solution containing 100mg regorafenib All medications were administered under fasting conditions.

20 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 20 of 試験 バイオアベイラビリティ試験 試験 12437( PH-36595): レゴラフェニブ 40mg 錠 4 錠と 100mg 錠 1 錠 +20mg 錠 3 錠による 160mg 投与時のバイオアベイラビリティの評価を目的とした 非盲検 無作為化 2 期クロスオーバー法による第 I 相臨床試験 本試験の主目的は レゴラフェニブ 40mg 錠 4 錠 ( 試験製剤 : オパドライフィルムコーティングの錠 / 申請製剤 ) と 100mg 錠 1 錠 +20mg 錠 3 錠 ( 標準製剤 : 自社標準フィルムコーティングの錠 / 旧錠 ) による 160mg 投与時の相対的バイオアベイラビリティを評価することであった 本試験は 健康男性被験者を対象とした 単施設 非盲検 無作為化 2 期クロスオーバー試験であり 20 年に米国にて実施された 各被験者に対して レゴラフェニブとして 160mg を クロスオーバー法により 40mg 錠 4 錠及び 100mg 錠 1 錠 +20mg 錠 3 錠にて それぞれ単回投与した 各投与期の間には 7 日間の休薬期間を設けた レゴラフェニブ及び主代謝物 M-2 及び M-5 の血漿中濃度測定用の血液検体は投与後 168 時間まで採取した 48 例を安全性解析対象とし うち 46 例を薬物動態解析対象とした 被験者の平均年齢は 34.0 歳 ( 範囲 :18~45 歳 ) 平均体重は 81.0kg( 範囲 :54.0~110kg) 平均 BMI は 25.7kg/m 2 ( 範囲 :18.5~31.8kg/m 2 ) であった レゴラフェニブ及び M-2 の平均血漿中濃度推移は 両製剤で類似していた M-5 の平均血漿中濃度には 製剤間で若干の違いがみられたものの 全体的には類似した血漿中濃度推移がみられた ( 図 ) レゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータを表 に バイオアベイラビリティに関する解析 ( 生物学的同等性 ) 結果を 表 にそれぞれ示した レゴラフェニブの AUC 及び C max は 申請製剤と自社標準フィルムコーティングによる錠で同様であり AUC 及び C max の比 (40mg 錠 4 錠 /100mg 錠 1 錠 +20mg 錠 3 錠 ) の 90%CI は 生物学的同等性の判定基準の範囲 (80~125%) 内であった なお 代謝物については AUC 及び C max の比の 90%CI が生物学的同等性の判定基準の上限をわずかに逸脱したが 臨床的に意味のある差ではないと考えられた 以上 申請製剤 40mg 錠 4 錠と自社標準フィルムコーティングによる錠 100mg 錠 1 錠 + 20mg 錠 3 錠によるレゴラフェニブ 160 mg投与時のauc 及び C max から 両製剤は生物学的に同等であることが示された

21 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 21 of BAY concentration (mcg/l) x 40 mg 1 x 100 mg + 3 x 20 mg BAY concentration (mcg/l) x 40 mg 1 x 100 mg + 3 x 20 mg Time (hr) Time (hr) 120 BAY concentration (mcg/l) x 40 mg 1 x 100 mg + 3 x 20 mg Time (hr) Source: Study report , PH-36595, Figure 9-1, 9-2, 9-3 Geometric means BAY = regorafenib BAY = metabolite M-2 BAY = metabolite M-5 図 申請製剤 (40mg 錠 4 錠 ) と自社標準フィルムコーティング錠 (100mg 錠 1 錠 +20mg 錠 3 錠 ) のバイオアベイラビリティ試験において健康男性被験者を対象にレゴラフェニブ 160mg を単回経口投与 ( 空腹時 ) した際のレゴラフェニブ並びに主代謝物 M-2 及び M-5 の平均血漿中濃度推移 [ 幾何平均値 N=24]

22 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 22 of 29 表 申請製剤 (40mg 錠 4 錠 ) と自社標準フィルムコーティング錠 (100mg 錠 1 錠 +20mg 錠 3 錠 ) のバイオアベイラビリティ試験において健康男性被験者を対象にレゴラフェニブ 160mg を単回経口投与 ( 空腹時 ) した際のレゴラフェニブ並びに主代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ [ 幾何平均値 (%CV) N = 46] Analyte Treatment AUC [mg*h/l] C max [mg/l] Parent Test 41.8 (34.2) 1.23 (40.6) 4 (2-16) 31.1 (35.2) t max a [h] Reference 41.9 (34.7) 1.11 (43.4) 4 (2-16) 30.1 (36.3) M-2 Test 26.9 (45.3) (42.2) 4 (2-16) 25.1 (25.4) Reference 23.1 (59.1) (57.3) 4 (2-16) 24.9 (27.9) M-5 Test 13.0 (73.1) (60.3) 36 (12-72) 51.8 (59.0) Reference 10.7 (89.7) (95.4) 24 (8-96) 50.6 (51.0) Source: Study report , PH-36595, Table 9-1 and Table 14.4/2 a median (minimum maximum) Test: 160mg regorafenib as 40mg tablets (#142) Reference: 160mg regorafenib as 100mg (#101) + 20mg tablets (#021) t½ [h] 表 申請製剤 (40mg 錠 4 錠 ) と自社標準フィルムコーティング錠 (100mg 錠 1 錠 +20mg 錠 3 錠 ) のバイオアベイラビリティに関する解析結果 Analyte Parameter N CV [%] Point estimate [%] (Test/Reference) 2-sided 90% confidence interval [%] Parent AUC [93.0 ; 107] C max [101 ; 122] M-2 AUC [105 ; 129] C max [110 ; 140] M-5 AUC [110 ; 141] C max [104 ; 131] Source: Study report , PH-36595, Table 9-2 Test: 160mg regorafenib as 40mg tablets (#142) Reference: 160mg regorafenib as 100mg (#101) + 20mg tablets (#021) 試験 食事の影響試験 試験 14656( PH-36525): 健康男性被験者を対象とした レゴラフェニブ 160mg 単回経口投与時の薬物動態に及ぼす低脂肪食及び高脂肪食及び空腹時の影響を検討する 非盲検 無作為化 3 期クロスオーバー 第 I 相臨床試験 本試験は 申請製剤を用いて 健康男性被験者を対象にレゴラフェニブの薬物動態に及ぼす食事の影響を検討した試験である 主目的は レゴラフェニブの薬物動態に及ぼす食事 ( 低脂肪食及び高脂肪食 ) の影響を評価することであり 副次目的は 同時に主代謝物の薬物動態に及ぼす食事の影響を評価することであった

23 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 23 of 29 本試験は 単施設 非盲検 無作為化 3 期クロスオーバー試験であり 20 年 ~20 年に米国で実施された レゴラフェニブの投与は 申請製剤を用いて (a) 一晩絶食後にレゴラフェニブ 160mg(40mg 錠 4) 投与 (b) 低脂肪の朝食摂取直後にレゴラフェニブ 160mg(40mg 錠 4) 投与 (c) 高脂肪の朝食摂取直後にレゴラフェニブ 160mg(40mg 錠 4) 投与を各投与期に行った 投与後 4 時間は絶食とし 各投与期の間には 14 日間の休薬期間を設けた 血漿中レゴラフェニブ及び主代謝物 (M-2 及び M-5) 測定用の血液検体は 投与後 336 時間にわたり採取した 本試験のデザイン及び食事の内容は 関連する FDA ガイダンス 3),4) に従った 24 例を無作為割り付けし 全例を薬物動態解析対象とした 被験者の平均年齢は 32.5 歳 ( 範囲 :18~45 歳 ) 平均 BMI 26.4±3.5kg/m 2 であった レゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の平均血漿中濃度推移を図 に示した また 薬物動態学的パラメータを表 に バイオアベイラビリティに関する解析結果を表 に示した 未変化体の AUC 及び C max は 低脂肪食及び高脂肪食摂取後で同様であった AUC 及び C max の比 ( 高脂肪食 / 低脂肪食 ) の 90%CI は 生物学的同等性の判定基準の範囲 (80~125%) 内であった 空腹時投与時の AUC 及び C max を食後投与時 ( 低脂肪又は高脂肪食摂取後 ) と比較したとき 食後投与時の AUC 及び C max は空腹時投与時に比べ増加した (AUC の点推定値 :136% 90%CI: 123~150%) 代謝物 M-2 及び M-5 の AUC 及び C max については 低脂肪食摂取後投与時において空腹時投与時より高かったが 高脂肪食摂取後投与時では空腹時投与時より低かった 以上の成績から 低脂肪食摂取後にレゴラフェニブを投与した場合 空腹時又は高脂肪食摂取後投与に比べて 未変化体並びに代謝物 M-2 及び M-5 の曝露量が 20~40% 増加し 最も高い曝露量が得られた

24 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 24 of 29 Source: Study report ,PH-36525, Figure 9-1, 9-2, 9-3 Geometric means BAY = regorafenib BAY = metabolite M-2 BAY = metabolite M-5 図 申請製剤の食事の影響試験において健康男性被験者を対象に空腹時 低脂肪及び高脂肪の朝食摂取後にレゴラフェニブ 160mg を単回経口投与した際のレゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の平均血漿中濃度推移 [ 幾何平均値 N=24]

25 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 25 of 29 表 申請製剤の食事の影響試験において健康男性被験者を対象に空腹時 低脂肪及び高脂肪の朝食摂取後にレゴラフェニブ 160mg を単回経口投与したときの血漿中のレゴラフェニブ並びに主代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ [ 幾何平均値 (%CV) N = 24 ] Analyte Treatment AUC [mg*h/l] C max [mg/l] t max a [h] Parent Fasted 45.4 (36.9) 1.25 (36.9) 4 (2-24) 37.9 (28.7) Low fat 61.8 (31.4) 1.93 (28.0) 4 (2-16) 35.0 (20.9) High fat 67.3 (35.6) 2.16 (31.8) 6 (3-6) 35.0 (21.7) M-2 Fasted 27.4 (52.8) (45.7) 4 (2-24) 28.1 (21.6) Low fat 38.3 (37.2) 1.16 (34.6) 6 (3-16) 26.2 (21.5) High fat 21.9 (70.2) (66.3) 6 (3-12) 27.5 (23.0) M-5 Fasted 12.8 (68.6) (64.0) 24 (4-48) 64.1 (28.0) Low fat 15.7 (41.5) (41.0) 48 (12-96) 56.8 (17.3) High fat 6.22 (71.6) (78.2) 48 (12-96) 65.5 (36.6) Source: Study report , PH-36525, Table 9-1, 14.4/2 a median (minimum maximum) Fasted: 4 40mg regorafenib (#142) administered after overnight fasting Low fat: 4 40mg regorafenib (#142) administered immediately after a low fat breakfast High fat: 4 40mg regorafenib (#142) administered immediately after a high fat breakfast t½ [h]

26 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 26 of 29 表 申請製剤の食事の影響試験におけるバイオアベイラビリティに関する解析結果 Analyte Comparison Parameter N Point estimate [%] (Ratio) 2-sided 90% confidence interval [%] Parent Low fat / fasted AUC [123 ; 150] C max [138 ; 173] High fat / fasted AUC [134 ; 164] C max [154 ; 193] High fat / low fat AUC [98.6 ; 120] C max [100 ; 125] M-2 Low fat / fasted AUC [115 ; 169] C max [106 ; 159] High fat / fasted AUC [66.1 ; 96.8] C max [59.1 ; 88.4] High fat / low fat AUC [47.3 ; 69.4] C max [45.4 ; 67.9] M-5 Low fat / fasted AUC [101 ; 149] C max [89.1 ; 140] High fat / fasted AUC [40.0 ; 59.3] C max [32.5 ; 51.1] High fat / low fat AUC [32.6 ; 48.3] C max [29.1 ; 45.7] Source: Study report ,PH-36525, Table 9-2 Fasted: 4 40mg regorafenib (#142) administered after overnight fasting Low fat: 4 40mg regorafenib (#142) administered immediately after a low fat breakfast High fat: 4 40mg regorafenib (#142) administered immediately after a high fat breakfast なお 低脂肪食摂取後投与により 未変化体及び主代謝物 M-2 及び M-5 の曝露量は 空腹時投与に比べて増加したが 高脂肪食摂取後の食事の影響は未変化体と代謝物とで異なる可能性が示唆された すなわち 高脂肪食摂取後投与時において 未変化体は低脂肪食摂取後と同様に曝露量の増加が認められたのに対して 代謝物の曝露量は低下していた 本剤のバイオアベイラビリティに及ぼす食事の影響の機序としては 食事の摂取により難溶性のレゴラフェニブの溶解性が増したことにより 消化管内での未変化体の吸収が高まり 曝露量が増加したことが考えられる 一方 代謝物 M-2 及び M-5 の曝露量が高脂肪食摂取後においてのみ低下した理由は不明である しかしながら 本薬の代謝 排泄経路から 低脂肪食摂取後と高脂肪食摂取後で胆汁への排泄及び腸肝循環の過程において何らかの差異があったことが推察される すなわち M-5 の曝露量の低下は M-2 の吸収量の低下と直接的に関連すると考えられることから 食事によって小腸上皮細胞に存在している CYP3A の代謝能が何らかの理由により低下あるいは飽和しており M-2 の生成量が減少した可能性や あるいは高脂肪食の存在により消化管での腸内細菌の活動が抑えられたことで M-2 のグルクロン酸抱合体の開裂が阻害された結果 消化管からの M-2 の吸収量が減少したなど 主代謝物の吸収阻害が生じたことも否定し得えない いずれも推論であり その機序は不明であるが 未変化体が循環血中における主要な薬理活性成分と考えられることから 食事の影響によって代謝物の曝露量が変化したとしても それらの変動が直接的に安全性及び有効性に及ぼす影響は比較的小さいと考えられる

27 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 27 of 全試験を通しての結果の比較と解析 レゴラフェニブ錠の製剤開発において のレゴラフェニブを含有する錠とのレゴラフェニブを含有する普通錠を検討した 開発初期において 進行性固形がん患者を対象に 錠 普通錠の経口液剤に対する相対的バイオアベイラビリティを検討したところ 錠のバイオアベイラビリティは 普通錠と比べて明らかに高かった ( 参照 ) 本試験の結果をもとに 普通錠の開発は行わず 錠で臨床開発を行うとの結論に至った 臨床試験に使用した錠の組成に変更はないが フィルムコーティングの軽微な変更を行った また 第 Ⅲ 相臨床試験の開始前に 錠剤の含量を 20mg 又は 100mg から 40mg に変更したため これらの変更がバイオアベイラビリティに及ぼす影響について検討することを目的として 健康男性を対象に新旧錠のバイオアベイラビリティ試験 ( 試験 12437: 参照 ) を実施した その結果 推奨用量 160mg 投与時の未変化体の曝露量は 申請製剤 40mg 錠 4 錠と自社標準フィルムコーティングの 100mg 錠 1 錠 +20mg 錠 3 錠投与時とで生物学的に同等であることが示された この結果は 各製剤の in vitro における溶出プロファイルの類似性からも支持されるものであった ( 図 ) これらの成績より 第 Ⅲ 相臨床試験 ( 試験 14387) は 錠 40 mg錠 4 錠 (160mg) を使用して実施することとした 本剤のバイオアベイラビリティに及ぼす食事の影響を検討するため 健康男性を対象とした食事の影響試験 ( 試験 14656) を 申請製剤を用いて実施した 未変化体並びに主代謝物の血漿中濃度は 低脂肪食摂取後投与時に最も高く 曝露量は空腹時投与と比較して 20~40% 増加した また 本試験において得られた申請製剤 40mg 錠 4 錠投与時の薬物動態の成績は 先に実施したバイオアベイラビリティ試験 ( 試験 12437) の結果とよく一致していた ( 表 ) 健康男性を対象とした生物薬剤学的試験 2 試験 ( 試験 試験 14656) の成績を基に 未変化体の AUC の個体間変動を検討したところ AUC の変動係数 (CV) は それぞれ 34% 及び 37% であった 健康男性を対象として食事の影響を検討した試験 ( 試験 14656) で得られた CV は 進行性固形がん患者を対象とした試験 ( 試験 11650) における CV と同様であり 経口液剤投与時においても近似した CV がみられている ( 表 及び表 ) さらに 錠の相対的バイオアベイラビリティが高いことを勘案すると レゴラフェニブの薬物動態学的パラメータに認められた比較的大きな個体間変動は 申請製剤に起因するものではないと考えられた 以上 バリデートされた生体試料分析法及び適切な薬物動態評価方法を用いて 国外で実施された生物薬剤学試験 3 試験の結果より 申請製剤である錠 40 mg錠はバイオアベイラビリティの観点から優れた製剤であることが示された また 食事の影響の検討により 本剤は低脂肪食摂取後に投与することにより レゴラフェニブ及び活性代謝物の最大の曝露量が得られることを確認した

28 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 28 of 29 表 申請製剤の生物薬剤学試験間の比較 : 健康男性被験者を対象にレゴラフェニブ 160mg を空腹時に単回経口投与した際の血漿中レゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ [ 幾何平均値 (%CV)] Analyte Study no. AUC [mg*h/l] C max [mg/l] t max * [h] Parent (34.2) 1.23 (40.6) 4 (2-16) (36.9) 1.25 (36.9) 4 (2-24) M (45.3) (42.2) 4 (2-16) (52.8) (45.7) 4 (2-24) M (73.1) (60.3) 36 (12-72) (68.6) (64.0) 24 (4-48) Source: Study reports , PH-36595, , PH * median (minimum maximum) Study 12437: N = 46 healthy men aged years; body weight: kg Study 14656: N = 24 healthy men aged years; body weight: kg

29 2.7.1 生物薬剤学試験及び関連する分析法 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 29 of 付録 該当なし 参考文献 (1) U.S. Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration, Center for Drug Evaluation and Research (CDER), Guidance for Industry: Waiver of In Vivo Bioavailability and Bioequivalence Studies for Immediate-Release Solid Oral Dosage Forms Based on a Biopharmaceutics Classification System 2000( 参照 ) (2) U.S. Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration, Center for Drug Evaluation and Research (CDER) & Center for Veterinary Medicine (CVM), Guidance for Industry - Bioanalytical Method Validation 2001( 参照 ) (3) U.S. Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration, Center for Drug Evaluation and Research (CDER), Guidance for Industry: Food-effect Bioavailability and Fed Bioequivalence Studies 2002( 参照 ) (4) U.S. Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration, Center for Food Safety and Applied Nutrition, Office of Nutrition, Labeling and Dietary Supplements,Guidance for Industry: A Food Labeling Guide 2008( 参照 )

30 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 1 of 臨床薬理試験の目次 背景及び概観 緒言 要旨 背景 個々の試験結果の要約 緒言 がん患者を対象とした第 Ⅰ 相臨床試験 試験 週間投与 /1 週間休薬用量漸増試験 試験 連日経口投与用量漸増試験 試験 日本人患者を対象とした試験 試験 中国人患者を対象とした試験 薬物相互作用試験 試験 mfolfox6 又は FOLFIRI との薬物相互作用試験 試験 CYP プローブ基質との薬物相互作用試験 がん患者を対象とした特別な試験 試験 QT/QTc への影響を検討した試験 健康被験者を対象とした第 Ⅰ 相臨床試験 生物薬剤学的試験 試験 食事の影響試験 試験 バイオアベイラビリティ試験 健康被験者を対象とした代謝試験 試験 [ 14 C] マスバランス試験 試験 ケトコナゾールとの薬物相互作用試験 試験 リファンピシンとの薬物相互作用試験 がん患者を対象とした第 Ⅱ/Ⅲ 相臨床試験 試験 韓国人 HCC 患者及び白人 HCC 患者の薬物動態 試験 RCC 患者の薬物動態 がん患者を対象とした薬物動態 / 薬力学評価を含む第 Ⅲ 相臨床試験 ( 試験 14387) 試験方法 / 対象集団 母集団薬物動態解析 ( 試験 試験 11650) 曝露量 - 有効性関係の解析 ( 試験 14387)... 89

31 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 2 of 曝露量 - 安全性関係の解析 ( 試験 14387) 遺伝子バイオマーカーの解析 ( 試験 14387) 非遺伝子バイオマーカーの解析 ( 試験 14387) 全試験を通しての結果の比較及び解析 全試験を通しての薬物動態及び代謝成績の要約 吸収速度と吸収率 分布 代謝 排泄 薬物動態の時間依存性 健康被験者とがん患者の薬物動態成績の比較 内因性因子の影響 年齢 性差 体重 腎機能 肝機能 薬物動態の民族差比較 外因性因子の影響 In vitro 相互作用データ In vivo 相互作用データ ケトコナゾールの影響 リファンピシンの影響 CYP プローブ基質に及ぼすレゴラフェニブの影響 mfolfox6 又は FOLFIRI との薬物相互作用 バイオマーカー 分子バイオマーカー 血漿中バイオマーカー レゴラフェニブによる血漿中バイオマーカー値の変化 血漿中たん白濃度とレゴラフェニブの反応による臨床的有効性の相関性の評価 予後的価値の可能性がある血漿中たん白の評価 DCE-MRI 用量 / 曝露量と反応との関係 定常状態におけるレゴラフェニブの濃度と細胞性 IC 50 の関係 用量設定...153

32 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 3 of 用量と効果との関係 用量と毒性との関係 曝露量と効果との関係 C max 及び AUCと毒性との関係 心血管安全性 付録 参考文献...170

33 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 4 of 臨床薬理試験 背景及び概観 緒言 本項では 転移性結腸 直腸癌患者を対象としたレゴラフェニブの承認申請の根拠となる臨床薬理試験について レゴラフェニブの薬物動態 代謝 薬物相互作用 曝露量 ( 投与量 AUC 及び C max) と反応 ( 毒性及び効果 ) との関係 及びバイオマーカーに関する成績を要約した には主な臨床薬理試験の概略を示し に個々の試験結果の要約を に全試験を通した結果の比較及び解析結果について述べた また に薬物動態に対する内因性因子 ( 年齢 性別 民族 体重 腎機能 肝機能及び民族 ) の影響を に薬物相互作用に関する試験成績をまとめた では 現在得られているバイオマーカーについて考察し では 全試験における曝露量と反応との関係について述べた に心血管安全性 (QT 試験 ) について記載した なお レゴラフェニブの生物薬剤学的性質及び剤形の特性を検討した健康被験者又はがん患者を対象とした試験については 及び に詳細に述べた 要旨 背景 本申請の評価に用いた臨床薬理試験の一覧を表 に示した がん患者を対象にした試験又は健康被験者を対象にした試験 用量設定の基となった用量漸増試験を含む第 Ⅰ 相臨床試験 薬物相互作用試験 特別な試験 ( 心血管安全性を検討した試験 ) 及び生物薬剤学的試験が含まれる 最初の用量漸増試験 ( 試験 11650) では 経口液剤 通常の製造方法による 20mg 即放錠 ( 以下 普通錠 ) 20mg ( ) 錠及び 100mg 錠を使用した 経口液剤は 10mg~ 120mg/ 日の用量範囲で 錠は 120mg~220mg/ 日の用量範囲で検討した 20mg 普通錠は 液剤に対する相対的バイオアベイラビリティを検討するため コホート 4 のみで使用した 錠剤投与による用量漸増コホート ( コホート 6:120mg/ 日, コホート 7:160mg/ 日 コホート 8: 220mg/ 日 ) 及び結腸 直腸癌患者を対象とした拡大コホート ( コホート 9:160mg) では錠を用い 3 週間投与 /1 週間休薬スケジュールで投与した 本試験の主要目的は 進行性固形がん患者における安全性 薬物動態 最大耐用量 (MTD) 及び第 Ⅱ 相臨床試験におけるレゴラフェニブの推奨用量を決定することであった ( 参照 ) 試験 では 進行性固形がん患者を対象に 5 用量 (1 日用量として 及び 140mg) を休薬なしの連日投与スケジュールで投与した際の安全性 薬物動態 MTD を検討した また 拡大コホートでは 肝細胞癌 (HCC) 患者及び非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象にレゴラフェニブ 100mg 1 日 1 回を休薬なしの連日投与スケジュールで投与した ( 参照 )

34 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 5 of 171 国内第 Ⅰ 相臨床試験 ( 試験 13172) では, 進行性固形がん患者を対象にレゴラフェニブ 160mg を単回投与し ( サイクル 0) 6 日間の休薬後 レゴラフェニブ 1 日 1 回 160mg を 3 週間投与 /1 週間休薬スケジュールで投与した際の安全性及び薬物動態を評価した ( 参照 ) 中国人進行性固形がん患者 ( 試験 14996) 韓国人 HCC 患者 ( 試験 14596) 及び腎細胞癌 (RCC) 患者 ( 試験 11726) から得られた成績についても にまとめた In vitro 試験において CYP3A4 がレゴラフェニブの第 Ⅰ 相反応 ( 酸化的代謝 ) における主代謝酵素であることが示されている CYP3A4 阻害剤及び誘導剤との相互作用を検討するために 健康男性被験者を対象に CYP3A4 阻害剤 ( ケトコナゾール ) 及び CYP3A4 誘導剤 ( リファンピシン ) との相互作用試験 ( 試験 12435: ケトコナゾール 試験 15524: リファンピシン ) を実施した がん患者を対象に CYP のプローブ基質であるワルファリン 10mg(CYP2C9) オメプラゾール 40mg(CYP2C19) ミダゾラム 2mg(CYP3A4) 及びロシグリタゾン 4mg(CYP2C8) を用い それらのプローブ基質の薬物動態に及ぼす影響を検討する試験 ( 試験 12434) を実施した また 他の相互作用試験として 転移性結腸 直腸癌患者を対象にレゴラフェニブを mfolfox6( フルオロウラシル フォリン酸 オキサリプラチン ) 又は FOLFIRI( フルオロウラシル フォリン酸 イリノテカン ) を併用投与した際の安全性 薬物動態及び薬力学的パラメータを検討するための試験 ( 試験 11656) を実施した レゴラフェニブの代謝 排泄及びマスバランスを明らかにする目的で 健康男性被験者を対象に [ 14 C] レゴラフェニブ 120mg の単回投与試験を実施した ( 試験 12436) 本試験結果は に示した レゴラフェニブの薬物動態と年齢 性別 体重 腎機能 肝機能 / 血清ビリルビン及び民族などの内因性因子との関係について がん患者を対象とした複数の臨床試験 ( 試験 試験 試験 試験 試験 14596) から得られたデータを併合解析し評価した また 試験 及び試験 の成績を用い 腎機能 ( 試験 11650) 及び肝機能 ( 試験 11651) が本薬の薬物動態に与える影響についても検討した ( 参照 ) さらに 転移性結腸 直腸癌患者を対象とした臨床試験 ( 試験 14387) における母集団薬物動態解析によって本薬の薬物動態に影響する内因性因子を探索した いずれの内因性因子も レゴラフェニブ及び主代謝物の曝露量との関係において明確な関連性は認められなかったことから 薬物動態の観点からは 年齢 性別 民族 体重 肝機能及び腎機能に基づく用量調整は不要であると判断した ( 参照 ) 進行性固形がん患者を対象とした臨床試験 ( 試験 14814) において レゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回 3 週間投与 /1 週間休薬スケジュールで投与し 投与前 24 時間 ( ベースライン ) の平均 QT/QTc 値と投与後のそれらの値を比較した 主要評価項目は サイクル 1 又は 2 の Day 21 におけるレゴラフェニブの t max 時点の QT/QTc 間隔のベースラインに対する変化量であり この変化量は Friderica 法及び Bazett 法により心拍数で補正し評価した バイオマーカーの評価として 腫瘍関連遺伝子変異の有無 血漿中たん白濃度の解析 及びダイナミック造影磁気共鳴画像法 (DCE-MRI) の成績を に示した ( 試験 試験 試験 14387) がん患者を対象とした第 Ⅰ 相臨床試験 ( 試験 又は試験 11651) の成績を用い用量と反応 ( 毒性 効果 ) との関係 並びにがん患者を対象とした第 Ⅰ 相又は第 Ⅱ 相臨床試験の成績を用い AUC(0-24) ss と反応 ( 毒性 効果 ) との関係を検討した結果を に示した また 第 Ⅲ 相臨床試験 ( 試験 14387) の成績を用い曝露量 - 反応 ( 有効性 ) 関係及び曝露量 - 安全性関係の探索的な解析を行った ( 参照 )

35 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 6 of 171 なお 後述する臨床薬理試験で用いた錠剤は 特に明記しない限り 錠である

36 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 7 of 171 表 本申請の評価に用いた臨床薬理試験の一覧 試験番号相 報告書添付場所 ( 報告書番号 ) 実施国対象評価項目 試験デザイン 被験薬の投与量 投与方法及び投与経路 被験者数 資料区分 バイオアベイラビリティ試験 薬物動態及び初期忍容性試験 第 Ⅰ 相 第 Ⅰ 相 第 Ⅰ 相 第 Ⅰ 相 第 Ⅰ 相 (PH-36595) (PH-36525) (A51164) (PH-36734) (PH-36733) 米国米国日本英国ドイツ 健康男性被験者 健康男性被験者 進行性固形がん患者 健康男性被験者 進行性固形がん患者 相対的バイオアベイラビリティ 安全性及び忍容性 薬物動態に及ぼす食事の影響 安全性及び忍容性日本人患者における安全性 薬物動態 バイオマーカー 有効性 14 C を用いたマスバランス 安全性 忍容性 薬物動態 安全性 忍容性 薬物動態 MTD の決定 バイオマーカー 有効性 非盲検クロスオーバー 非盲検クロスオーバー 非盲検 非盲検 非盲検クロスオーバー用量漸増 160mgを 40mg 錠 4 錠として経口単回投与 対照として 100 mg 錠 1 錠 +20mg 錠 3 錠を経口単回投与高脂肪朝食摂取後 低脂肪朝食摂取後及び空腹時に 160mgを単回経口投与 160mg を単回投与 6 日間の休薬後 160mg を 1 日 1 回 3 週間経口投与 /1 週間休薬 [ 14 C] レゴラフェニブ 120mg ( 液剤 ) を単回経口投与 10mg~220mg を 1 日 1 回 3 週間経口投与 /1 週間休薬 用量漸増液剤 :10mg~120mg 錠剤 :120mg~220mg コホート 1 は 1 日目に 10mg を単回投与 8 日目より 10mg を 1 日 1 回 7 日間反復投与し 2 週間の休薬後 コホート 2 に移行 評価資料 評価資料 評価資料 評価資料 評価資料

37 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 8 of 171 表 本申請の評価に用いた臨床薬理試験の一覧 ( 続き ) 試験番号相 報告書添付場所 ( 報告書番号 ) 実施国対象評価項目 試験デザイン 被験薬の投与量 投与方法及び投与経路 被験者数 資料区分 薬物動態及び初期忍容性試験 薬物動態及び初期忍容性試験 内因性 / 外因性要因を検討した PK 試験 第 Ⅰ 相 第 Ⅰ 相 第 Ⅰ 相 第 Ⅰ 相 第 Ⅰ 相 (PH-36742) (PH-36984) (A51600) (PH-36735) (PH-36717) (PH-36716) 米国 シンガポール 香港 ドイツ 米国 米国 進行性固形がん患者 進行性固形がん患者 転移性結腸 直腸癌患者 健康男性被験者 健康男性被験者 安全性 薬物動態 MTD の決定 バイオマーカー 中国人患者における安全性 忍容性 薬物動態 有効性 mfolfox6 又は FOLFIRIと併用した際の安全性 薬物動態 薬理作用 バイオマーカー 有効性 薬物動態に及ぼすケトコナゾール併用の影響 並びに安全性及び忍容性 薬物動態に及ぼすリファンピシン併用の影響 並びに安全性及び忍容性 非盲検クロスオーバー用量漸増 非盲検 非盲検 非盲検 非盲検 及び 140mg を 1 日 1 回連日経口投与 160mgを単回投与 6 日間の休薬後 160mg を 1 日 1 回 3 週間経口投与 /1 週間休薬 160mgを 4 日 ~10 日 18 日 ~ 24 日に 1 日 1 回投与 (1サイクル 28 日間 ) mfolfox6 又は FOLFIRIは 1 日目及び 15 日目に投与 80mg 又は 160mgを単回経口投与 (1 回目は単独投与 2 回目は 400mgケトコナゾール反復投与中の投与後 5 日目に ケトコナゾールと併用投与 ) コホート 1:80mg コホート 2:160mg 160mgを 1 日目及び 21 日目に単回経口投与 (1 回目は単独投与 2 回目は 600mgリファンピシン反復投与中の投与後 7 日目に リファンピシンと併用投与 ) 参考資料 参考資料 参考資料 評価資料 評価資料

38 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 9 of 171 表 本申請の評価に用いた臨床薬理試験の一覧 ( 続き ) 試験番号相 報告書添付場所 ( 報告書番号 ) 実施国対象評価項目 試験デザイン 被験薬の投与量 投与方法及び投与経路 被験者数 資料区分 内因性 / 外因性要因を検討した PK 試験 第 Ⅰ 相 (PH-36865) カナダ 進行性固形がん患者 プローブ基質 (CYP2C9 CYP2C19 CYP3A4 CYP2C8) の薬物動態に及ぼす影響 安全性 抗腫瘍効果 非盲検 160mg を 1 日 1 回 3 週間経口投与 /1 週間休薬 サイクル 1 の 14 日目にプローブ基質と併用投与 A 群 : サイクル 1 の -7 日目及び 14 日目にワルファリン オメプラゾール ミダゾラムを経口投与 B 群 : サイクル 1 の -7 日目及び 14 日目にロシグリダゾンを経口投与 40 参考資料 第 Ⅰ 相 (PH-36866) 米国 進行性固形がん患者 心血管安全性 忍容性 薬物動態 抗腫瘍効果 非盲検 160mg を 1 日 1 回 3 週間経口投与 /1 週間休薬 53 参考資料 その他の臨床薬理試験 第 Ⅱ 相 第 Ⅱ 相 (A51601) (A46572) (A55873) ドイツ イタリア 韓国 スペインドイツ 英国 米国 フランス ポーランド フィンランド 肝細胞癌患者 転移性又は切除不能な腎細胞癌患者 安全性 有効性 薬物動態 有効性 安全性 薬物動態 バイオマーカー 非盲検非盲検 160mg を 1 日 1 回 3 週間経口投与 /1 週間休薬 160mg を 1 日 1 回 3 週間経口投与 /1 週間休薬 参考資料 参考資料

39 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 10 of 171 表 本申請の評価に用いた臨床薬理試験の一覧 ( 続き ) 試験番号相 報告書添付場所 ( 報告書番号 ) 実施国対象評価項目 試験デザイン 被験薬の投与量 投与方法及び投与経路 被験者数 資料区分 申請適応症に対する比較対照試験 第 Ⅲ 相 (A53306) (R-8731) (R-8737) (PH-36914) (PH-36954) (PH-36969) イタリア フランス ベルギー スペイン 日本 米国 ドイツ オーストラリア チェコ イスラエル オランダ カナダ 中国 ハンガリー スイス転移性 CRC 患者 転移性結腸 直腸癌患者 有効性 安全性 薬物動態 バイオマーカー 無作為化二重盲検プラセボ対照 レゴラフェニブ +BSC 群プラセボ +BSC 群 160mg を 1 日 1 回 3 週間経口投与 /1 週間休薬 760 ( レゴラフェニブ +BSC 群 : 505) 評価資料

40 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 11 of 個々の試験結果の要約 緒言 がん患者を対象とした臨床薬理試験では 通常の他のがん患者を対象とした試験と同様に 病勢進行又は忍容できない毒性の発現により投与中止になるまで レゴラフェニブの投与を継続していた そのため それぞれの治験総括報告書が作成される時点では 試験が継続している場合が多い しかしながら 薬物動態 薬力学的パラメータ及びバイオマーカー検討用の試料採取は 初回治療サイクル中に実施されるため 試験の継続がこれらの薬物動態の評価に及ぼす影響はほとんどない 薬物動態の評価方法及び血漿及び排泄物中のレゴラフェニブ及び代謝物の測定法については に示した がん患者を対象とした第 Ⅰ 相臨床試験 試験 週間投与 /1 週間休薬用量漸増試験 試験 11650( PH 参照 ) 本試験 ( 試験 11650) は 進行性固形がん患者 ( 外国人 ) を対象としたレゴラフェニブの安全性 忍容性 MTD 薬物動態及びバイオマーカーを検討する非盲検 第 Ⅰ 相臨床試験である 目的 試験デザイン及び方法 本試験の主要目的は 進行性固形がん患者にレゴラフェニブを単剤にて経口投与した際の安全性 薬物動態 MTD 及び第 Ⅱ 相臨床試験におけるレゴラフェニブの推奨用量を決定することであった 副次目的はバイオマーカー 薬力学的パラメータ及び腫瘍縮小効果を評価することであった 試験は 多施設 非盲検 非対照 非無作為化用量漸増試験としてドイツで実施された (20 A 年 ~20 年 ) コホート 1 では Day 1 に 10mg を単回投与し Day 8 より 1 日用量 10mg を 1 日 1 回 7 日間投与した 2 週間休薬の後 コホート 2 に移行した コホート 2 からコホート 8 では レゴラフェニブを 1 日 1 回 3 週間投与 /1 週間休薬スケジュールにより 及び 220mg を投与した さらに 1 日用量 160mg での拡大コホート ( コホート 9: 結腸 直腸癌患者 ) を実施した 各コホートでは 病勢進行 並びに忍容できない毒性又は他の事象が発現するまで継続投与した 本試験の 1 サイクルは 28 日と定義した 本試験において (a) 経口液剤 (b) 普通錠 20mg 及び (c) 錠 20mg と 100mg を使用した 10mg/ 日 ~120mg/ 日の用量では経口液剤として 120mg/ 日 ~220mg/ 日の用量では錠を用いた 普通錠 20mg は 液剤に対する相対的バイオアベイラビリティ検討のためにコホート 4 のみで使用した A ここで報告する結果及び に示した治験総括報告書は 20 年月日をデータカットオフ日とし てまとめた 薬物動態の最終評価は終了している

41 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 12 of 171 液剤に対する錠剤の相対的バイオアベイラビリティを検討するために コホート 4 及びコホート 6 に登録された被験者は 反復投与治療サイクルに先立ち クロスオーバー法によりレゴラフェニブ 60mg( 普通錠 20mg 3 錠 錠 20mg 3 錠 ) 又は 100mg( 錠 100mg) をそれぞれ単回投与された 各投与は 最低 8 時間の絶食後に行った 上記コホート以外は レゴラフェニブは低脂肪の朝食後に投与した レゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 の血漿中濃度を測定するために 単回 ( 初回 ) 及び反復投与後 96 時間まで血液試料を採取した さらに いくつかのコホートにおいて 血漿中代謝物 M-4 また尿中レゴラフェニブ及び M-2 並びにこれらの抱合体 M-7( レゴラフェニブのグルクロン酸抱合体 ) 及び M-8(M-2 のグルクロン酸抱合体 ) を測定するために血漿検体を採取した 薬力学的パラメータとして 一部の患者において DCE-MRI で iauc60 を評価した またバイオマーカーとして VEGF や svegfr2 などの測定結果 及び保存腫瘍組織の生検検体における KRAS 変異解析などを評価した さらに 腫瘍縮小効果及び病勢進行について 固形がんの効果判定規準 (RECIST Ver.1.0) により評価した 試験対象集団 進行性固形がん患者 76 例 ( 男性 42 例 女性 34 例 ) に治験薬を投与した ( 安全性解析対象集団 ) 年齢は平均 59.2 歳 (20 歳 ~85 歳 ) 体重は平均 74.3kg(44.6kg~105kg) であり BMI は平均 25.4kg/m 2 (17.6kg/m 2 ~36.9kg/m 2 ) であった アジア人 1 例を除き他は白人であった コホート 1~8 は 3 例 ~12 例の様々ながん種の患者からなり コホート 9( 拡大コホート ) は結腸 直腸癌患者 23 例であった 薬物動態の結果用量漸増パート及び拡大コホート 本試験の用量漸増コホート及び拡大コホート ( レゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回投与した結腸 直腸癌患者 ) で得られた薬物動態学的パラメータ ( 薬物動態解析対象集団 21 例 ) を表 ~ 表 に 血漿中濃度推移を図 ~ 図 に示した レゴラフェニブ未変化体 定常状態におけるレゴラフェニブの血漿中濃度推移には t max(1 時間 ~6 時間 ) 後 6 時間 ~8 時間並びに 24 時間後にも複数のピークが観察された ( 図 ) 液剤 (10mg~120mg) の単回及び反復投与時では 曝露量は 60mg の投与量まで用量依存的に増加したが 120mg( 液剤 ) の投与量ではさらなる曝露量の増加はみられなかった 錠剤 (120mg~ 220mg) の反復投与時には 用量の増加に伴う AUC(0-24) ss の増加がみられたが C max,ss は 60mg ( 液剤 ) 投与時と同程度であり 用量に伴う上昇はみられなかった 定常状態における C max,ss は 初回投与時に比べ 2 倍 ~4 倍増加した これはレゴラフェニブの単回投与後の消失半減期 ( 約 20 時間 ~30 時間 ) から予測されるものに近く 線形係数 [R Lin: AUC(0-24) md/auc( 初回投与 ) として定義 ] は 1 に近かった 拡大コホートのサイクル 1 及びサイクル 2 で集積された定常状態における薬物動態学的パラメータ [AUC(0-24) ss 及び C max,ss] の個体内の変動係数 (CV) は 32%~34% であった ( 表 ) 拡大コホートにおける個体間の変動係数 (CV) は大きく AUC(0-24) ss で 86%~88% 及び C max,ss で 63%~73% であった ( 表 ~ 表 ) 定常状態におけるピーク / トラフ比 [PTF:(C max - C min)/c average として定義 ] は 1 に近く 最高血漿中濃度と最低濃度の差が比較的小さかった

42 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 13 of 171 ヒト血漿中の代謝物 主代謝物 M-2 及び M-5 の血漿中濃度推移には レゴラフェニブと同様に複数のピークがみられ ピーク / トラフ比は小さかった ( 図 図 ) 全コホートでの単回投与時及び反復投与時における M-2 及び M-5 の薬物動態をレゴラフェニブと比較した際 M-2 及び M-5 の薬物動態にはレゴラフェニブとの違いがみられ 低用量投与時の代謝物の曝露量は 用量比を上回る増加を示した すなわち 30mg 投与時 ( 液剤 ) と 60mg 投与時 ( 液剤 ) における M-2 の AUC(0-24) ss を比較すると 約 5 倍であったが 錠剤を投与した高用量 (160mg 及び 220mg) では ほぼ用量比例的に曝露量は増加した 初回投与時と定常状態時の代謝物 M-2 及び M-5 の蓄積率は レゴラフェニブに比べて大きかった 初回投与時の C max に比べて定常状態時の C max,ss は M-2 で 9 倍及び M-5 で 58 倍まで増加した AUC の蓄積率は M-2 で R Lin が 1 を超え 2.6 倍であり M-5 で AUC(0-24) md/auc(0-24) sd として定義した R AAUC は 89 倍であった 検討した高用量 ( 錠剤により 160mg 及び 220mg) では M-2 及び M-5 は定常状態においてレゴラフェニブと同程度の血漿中濃度レベルを示した 代謝物 M-2 及び M-5 は 投与量と曝露量 及び時間と曝露量の関係においては非線形性を示した M-2 の消失半減期はレゴラフェニブの消失半減期と同様であったが M-5 の消失半減期は長く 51 時間 ~64 時間と推定された 結腸 直腸癌患者の拡大コホートでは レゴラフェニブに比べ M-5 の定常状態における曝露量 [AUC(0-24) ss 及び C max,ss] のばらつきは 個体内 (CV:52%~63%) 及び個体間 (CV:139%~ 182%) 共に大きかった 尿中代謝物 レゴラフェニブ 120mg を液剤として反復投与 ( サイクル 1 Day 21) した際の M-7( レゴラフェニブのグルクロン酸抱合体 ) 及び M-8(M-2 のグルクロン酸抱合体 ) の尿中累積回収率 ( 投与後 0 時間 ~24 時間 ) は 投与量の 14% 及び 4% 以下であり個体間変動が大きかった (CV:69% ~75% N=6) レゴラフェニブ 160mg を錠剤として反復投与 ( サイクル 1 Day 21) した際の M-7 及び M-8 の尿中回収率 ( 投与後 0 時間 ~24 時間 ) は それぞれ投与量の 3% 以下及び 1% 以下であり 中等度から高度の個体間変動 (CV:39%~73% N=6) がみられた

43 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 14 of 171 表 レゴラフェニブ反復経口投与後 (10mg~220mg) の血漿中レゴラフェニブの薬物動態学的パラメータ ( 試験 11650) 表 レゴラフェニブ反復経口投与後 (10mg~220mg) の血漿中代謝物 M-2 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 11650) Geometric mean (%CV) Subjects with solid tumors Cohort [mg/d] time [mg h/l] [h/l] [mg/l] [1/L 10-3 ] Dose Sampl. AUC(0-24) N * ss AUC(0-24) ss/d C max,ss C max,ss/d 1 10 a C1/D (52.2) (52.2) (53.8) 53.4 (53.8) 2 10 a C1/D21 ** a C1/D (11.6) (11.6) 1.58 (38.1) 52.5 (38.1) 4 60 a C1/D (45.7) (45.7) 4.14 (28.4) 68.9 (28.4) a C1/D (95.6) (95.6) 4.32 (51.6) 36.0 (51.6) b C1/D (81.2) (81.2) 4.42 (74.1) 36.9 (74.1) b C1/D (43.3) (43.3) 3.90 (43.8) 24.4 (43.8) b C1/D (40.6) (40.6) 4.46 (41.9) 20.3 (41.9) 9 c 160 b C1/D (85.5) (85.5) 3.45 (62.8) 21.6 (62.8) 9 c 160 b C2/D (87.9) (87.9) 3.23 (72.6) 20.2 (72.6) Source: , PH-36733, Table 9-12 and Table 9-17 * subjects evaluable for PK ** no descriptive statistics calculated because n<3 for all PK parameters tabulated a oral solution b tablets c extension cohort (patients with CRC) C1 = Cycle 1; C2 = Cycle 2; D14 = Day 14; D21 = Day 21 (21 days on / 7 days off regimen) Geometric means (%CV) Subjects with solid tumors Cohort [mg/d] time [mg h/l] [h/l] [mg/l] [1/L 10-3 ] Dose Sampl. AUC(0-24) N * ss AUC(0-24) ss/d C max,ss C max,ss/d 1 10 a ** C1/D a ** C1/D a 3 C1/D (38.9) (38.9) (74.6) 11.0 (74.6) 4 60 a 6 C1/D (56.3) (56.3) 1.67 (56.0) 27.0 (56.0) a 4 C1/D (102) (102) 2.69 (51.6) 21.7 (51.6) b 7 C1/D (57.1) (57.1) 2.51 (54.0) 20.2 (54.0) b 10 C1/D (69.3) (69.3) 3.34 (78.2) 20.2 (78.2) b 10 C1/D (51.5) (51.5) 3.86 (48.3) 17.0 (48.3) 9 c 160 b 19 C1/D (88.5) (88.5) 3.17 (72.4) 19.2 (72.4) 9 c 160 b 14 C2/D (77.8) (77.8) 3.27 (61.9) 19.8 (61.9) Source: , PH-36733, Table 9-14 and Table 9-18 * subjects evaluable for PK ** no descriptive statistics calculated because n<3 for all PK parameters tabulated a oral solution b tablets c extension cohort (patients with CRC) C1 = Cycle 1; C2 = Cycle 2; D14 = Day 14; D21 = Day 21 (21 days on / 7 days off regimen)

44 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 15 of 171 表 レゴラフェニブ反復経口投与後 (10mg~220mg) の血漿中代謝物 M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 11650) Geometric mean (%CV) Subjects with solid tumors Cohort [mg/d] time [mg h/l] [h/l] [mg/l] [1/L 10-3 ] Dose Sampl. AUC(0-24) N * ss AUC(0-24) ss/d C max,ss C max,ss/d 1 10 a ** C1/D a ** C1/D a ** C1/D a 6 C1/D (121) (121) (124) 7.81 (124) a 6 C1/D (99.9) (99.9) 1.96 (89.0) 16.2 (89.0) b 7 C1/D (127) (127) 1.29 (128) 10.7 (128) b 10 C1/D (82.9) (82.9) 2.93 (88.9) 18.2 (88.9) b 10 C1/D (80.6) (80.6) 3.74 (77.8) 16.9 (77.8) 9 c 160 b 19 C1/D (182) (182) 3.99 (174) 24.9 (174) 9 c 160 b 14 C2/D (139) (139) 5.15 (141) 32.0 (141) Source: , PH-36733, Table 9-15 and Table 9-19 * subjects evaluable for PK ** no descriptive statistics calculated because n<3 for all PK parameters tabulated a oral solution b tablets c extension cohort (patients with CRC) C1 = Cycle 1; C2 = Cycle 2; D14 = Day 14; D21 = Day 21 (21 days on / 7 days off regimen)

45 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 16 of SEMI-LOGARITHMIC SCALE, (SD) SEMI-LOGARITHMIC SCALE, (MD) LLOQ LLOQ 1 1 0D 0D 00H08H 00M 00M 1D 00H 00M 2D 00H 00M 3D 00H 00M 4D 00H 00M 0D 0D 00H08H 00M 00M 1D 00H 00M 2D 00H 00M 3D 00H 00M 4D 00H 00M 10 MG SOL. MD 7D (N=3) 10 MG SOL. MD 21D (N=3) 30 MG SOL. (N=5) 60 MG SOL. (N=6) 120 MG SOL. (N=8) 120 MG TAB. (N=7) 160 MG TAB. (8X20MG) (N=12) 220 MG TAB. (N=12) 10 MG SOL. MD 7D (N=3) 10 MG SOL. MD 21D (N=2) 30 MG SOL. (N=3) 60 MG SOL. (N=6) 120 MG SOL. (N=6) 120 MG TAB. (N=7) 160 MG TAB. (8X20MG) (N=11) 220 MG TAB. (N=10) LLOQ=(2 MCG/L, 4 MCG/L, 8 MCG/L, 10 MCG/L, 20 MCG/L, 40 MCG/L); NOTE: SMALLEST NUMBER DISPLAYED IN PLOT Source: , PH36733, Figure 9-14 図 レゴラフェニブ投与後の血漿中レゴラフェニブ濃度推移 ( 試験 11650) SD: 初回投与 MD: 反復投与 ( 幾何平均値 )

46 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 17 of SEMI-LOGARITHMIC SCALE, (SD) SEMI-LOGARITHMIC SCALE, (MD) LLOQ LLOQ 1 1 0D 00H 00M 0D 08H 00M 1D 00H 00M 2D 00H 00M 3D 00H 00M 0D 00H 00M 0D 08H 00M 1D 00H 00M 2D 00H 00M 3D 00H 00M 10 MG SOL. MD 21D (N=3) 30 MG SOL. (N=5) 60 MG SOL. (N=6) 120 MG SOL. (N=5) 120 MG TAB. (N=7) 160 MG TAB. (8X20MG) (N=12) 220 MG TAB. (N=12) 10 MG SOL. MD 21D (N=2) 30 MG SOL. (N=3) 60 MG SOL. (N=6) 120 MG SOL. (N=4) 120 MG TAB. (N=7) 160 MG TAB. (8X20MG) (N=11) 220 MG TAB. (N=10) LLOQ=(2 MCG/L, 4 MCG/L, 8 MCG/L, 10 MCG/L, 20 MCG/L, 40 MCG/L); NOTE: SMALLEST NUMBER DISPLAYED IN PLOT Source: , PH36733, Figure 9-16 図 レゴラフェニブ投与後の血漿中 M-2 濃度推移 ( 試験 11650) SD: 初回投与 MD: 反復投与 ( 幾何平均値 )

47 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 18 of SEMI-LOGARITHMIC SCALE, (SD) SEMI-LOGARITHMIC SCALE, (MD) LLOQ LLOQ 1 1 0D 00H 00M 0D 08H 00M 1D 00H 00M 2D 00H 00M 3D 00H 00M 0D 00H 00M 0D 08H 00M 1D 00H 00M 2D 00H 00M 3D 00H 00M 60 MG SOL. (N=6) 120 MG SOL. (N=8) 120 MG TAB. (N=7) 160 MG TAB. (8X20MG) (N=12) 220 MG TAB. (N=12) 60 MG SOL. (N=6) 120 MG SOL. (N=6) 120 MG TAB. (N=7) 160 MG TAB. (8X20MG) (N=11) 220 MG TAB. (N=10) LLOQ=(2 MCG/L, 4 MCG/L, 8 MCG/L, 10 MCG/L, 20 MCG/L); NOTE: SMALLEST NUMBER DISPLAYED IN PLOT Source: , PH36733, Figure 9-18 図 レゴラフェニブ投与後の血漿中 M-5 濃度推移 ( 試験 11650) SD: 初回投与 MD: 反復投与 ( 幾何平均値 )

48 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 19 of 171 表 薬物動態学的パラメータのサイクル 1 とサイクル 2 の比較 ( 試験 11650) N = 14 patients with CRC (extension cohort) Treatment: regorafenib 160mg/day (21 days on / 7 days off regimen) Analyte Parameter N Comparison CV [%] Point estimate [%] (Ratio) 2-sided 90% confidence interval [%] Regorafenib AUC(0-24) ss 14 Cycle 2 / Cycle [73.3 ; 114] C max,ss 14 Cycle 2 / Cycle [76.2 ; 116] M-2 AUC(0-24) ss 14 Cycle 2 / Cycle [76.7 ; 138] C max,ss 14 Cycle 2 / Cycle [82.7 ; 134] M-5 AUC(0-24) ss 14 Cycle 2 / Cycle [84.5 ; 184] C max,ss 14 Cycle 2 / Cycle [95.6 ; 183] Source: , PH-36733, Table 9-20 表 レゴラフェニブ反復経口投与後 (120mg 及び 160mg) の尿中代謝物 ( 試験 11650) Arithmetic mean ± SD [range] Subjects with solid tumors Dose M-7 M-8 Time N [mg] [% of dose] [% of dose] 120 a C1/D ± 4.36 [ ] 1.60 ± 1.11 [ ] 160 a C1/D ± [ ] ± [ ] Source: , PH-36733, Table /9 a tablets C1 = Cycle 1; C2 = Cycle 2; D21 = Day 21 (21 days on / 7 days off regimen) Collection period: 0-24 h postdose on C1/D21 クロスオーバー期における相対的バイオアベイラビリティの検討 60 及び 100mg のレゴラフェニブを錠 ( それぞれ 20mg 錠 3 錠又は 100mg 錠 1 錠 ) として単回経口投与した際と経口液剤として単回経口投与した際の血漿中レゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータを表 及び表 に要約した 錠 60mg(20mg 錠 3 錠 ) 投与時の経口液剤に対するレゴラフェニブの相対的バイオアベイラビリティは AUC で約 70% C max で約 60% であった 錠 100mg 投与時のレゴラフェニブの相対的バイオアベイラビリティは AUC で約 83% C max で約 55% であった 代謝物 M-2 及び M-5 の相対的バイオアベイラビリティは いずれの用量でも未変化体に比べ低値であった ( 参照 )

49 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 20 of 171 表 レゴラフェニブ 60mg( 錠及び液剤 ) の単回経口投与後の血漿中レゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及びM-5 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 11650) Geometric means (%CV) N = 6 patients with advanced malignancies Analyte Treatment AUC(0-t last) [mg h/l] [mg/l] [h] Regorafenib tablets 18.4 (33.2) 1.05 (85.0) 3.0 (2-4) NC b Oral solution 26.5 (23.0) 1.78 (36.1) 1.0 (1-2) NC b M-2 tablets 6.09 (54.0) (89.7) 3.0 (2-4) 24.0 (33.5) c Oral solution 14.5 (37.9) (42.0) 2.0 (1-3) 23.6 (30.8) d M-5 tablets (140) (137) 30.0 (8-72) NC b Oral solution 4.23 (97.4) (105) 47.0 (24-72) NC b Source: , PH-36733, Table 9-3 a median (range) b insufficient data points during the terminal phase c N = 5 d N = 3 tablets = three 20mg tablets Oral solution = oral solution containing 60mg regorafenib NC = not calculated C max t max a t ½ [h] 表 レゴラフェニブ 100mg( 錠及び液剤 ) の単回経口投与後の血漿中レゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及びM-5 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 11650) Geometric means (%CV) N = 7 patients with advanced malignancies Analyte Treatment AUC(0-t last) [mg h/l] [mg/l] [h] Regorafenib tablet 33.8 (35.3) 1.82 (63.9) 4.08 (2-6) 22.6 (76.4) b Oral solution 40.6 (27.0) 3.31 (40.4) 1.05 (0.6-4) 21.2 (59.2) b M-2 tablet 9.31 (62.1) (95.1) 4.17 (2-12) 17.7 (47.0) b Oral solution 23.5 (33.5) 1.56 (67.7) 2.00 (1-4) 18.7 (35.8) c M-5 tablet 1.00 (112) (130) 47.5 (22-71) NC d Oral solution 6.00 (99.1) (109) 11.9 (3-70) NC d Source: , PH-36733, Table 9-7 a median (range) b N = 4 c N = 6 d insufficient data points during the terminal phase tablet = one 100mg tablet Oral solution = oral solution containing 100mg regorafenib NC = not calculated C max t max a t ½ [h] 腎機能が薬物動態へ及ぼす影響 コホート 6~9 に登録した被験者の成績を用い 腎機能の程度による薬物動態への影響について評価した 被験者を推定糸球体ろ過率 (egfr) に基づきそれぞれの群に分けた egfr は MDRD (Modification of Diet in Renal Disease) 式及び CG(Cockroft-Gault) 式により計算した

50 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 21 of 171 表 から表 に 腎機能の程度によって層別したレゴラフェニブ 160mg 反復経口投与後のレゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ 及びそれらの相対比について要約した MDRD 式を egfr の算出に用いた場合 AUC(0-24) ss と C max,ss の比の 90% 信頼区間 (CI) が 100 を含むことで示されるように 正常腎機能患者と軽度腎機能障害患者間でレゴラフェニブ及び代謝物の AUC(0-24) ss 及び C max,ss に顕著な差はみられなかった CG 式を egfr の算出に用いた場合 レゴラフェニブ及び代謝物の AUC(0-24) ss 及び C max,ss は正常腎機能患者より軽度腎機能障害患者で低値を示した しかしながら 正常腎機能患者に対する軽度腎機能障害患者での代謝物 M-5 の AUC(0-24) ss 及び C max,ss の比の 90%CI は 100 を含んでいるが レゴラフェニブの代謝機構から考えると 腎機能障害はレゴラフェニブ及び代謝物の曝露量を減少させるよりむしろ増加させると予測される また本試験における被験者の年齢範囲が広かった ( 年齢範囲 :29 歳 ~89 歳 年齢中央値 :65 歳 ) ことなどから CG 式を用いた egfr の計算値には偏りがあった可能性が考えられた 薬物動態学的パラメータに大きなばらつきが存在するため 軽度腎機能障害患者と正常腎機能患者間の薬物動態の差を評価できていない可能性も考えられる なお中等度腎機能障害患者 (1 例 ) は 正常腎機能患者又は軽度腎機能障害患者と同じ範囲内の AUC(0-24) ss 及び C max,ss 値を示した 表 腎機能で層別したレゴラフェニブ 160mg 1 日 1 回反復経口投与後のレゴラフェニブの薬物動態学的パラメータ ( 試験 11650) Geometric means (%CV) N AUC(0-24) ss [mg h/l] C max,ss [mg/l] CG stage normal (69.4) 4.04 (50.3) mild (62.2) 2.72 (54.4) moderate 1 NC NC MDRD stage normal (72.2) 3.74 (52.6) mild (69.6) 3.14 (60.6) moderate 1 NC NC Source: , PH-36733, Table 9-21 CG: Cockroft-Gault formula used to calculate egfr MDRD: Modification of Diet in Renal Disease formula used to calculate egfr normal: egfr 90mL/min/1.73m 2 mild: 60mL/min/1.73m 2 egfr < 90mL/min/1.73m 2 moderate: 30mL/min/1.73m 2 egfr < 60mL/min/1.73m 2 NC: no descriptive statistics calculated because N < 3

51 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 22 of 171 表 腎機能で層別したレゴラフェニブ 160mg 1 日 1 回反復経口投与後の血漿中 M-2 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 11650) Geometric means (%CV) N AUC(0-24) ss [mg h/l] C max,ss [mg/l] CG stage normal (69.8) 3.84 (62.2) mild (94.2) 2.42 (85.2) moderate 1 NC NC MDRD stage normal (99.3) 3.23 (87.1) mild (54.2) 3.30 (53.3) moderate 1 NC NC Source: , PH-36733, Table 9-21 CG: Cockroft-Gault formula used to calculate egfr MDRD: Modification of Diet in Renal Disease formula used to calculate egfr normal: egfr 90mL/min/1.73m 2 mild: 60mL/min/1.73m 2 egfr < 90mL/min/1.73m 2 moderate: 30mL/min/1.73m 2 egfr < 60mL/min/1.73m 2 NC: no descriptive statistics calculated because N < 3 表 腎機能で層別したレゴラフェニブ 160mg 1 日 1 回反復経口投与後の血漿中 M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 11650) Geometric means (%CV) N AUC(0-24) ss [mg h/l] C max,ss [mg/l] CG stage normal (129) 4.11 (138) mild (175) 3.21 (149) moderate 1 NC NC MDRD stage normal (196) 3.44 (185) mild (59.2) 4.41 (68.0) moderate 1 NC NC Source: , PH-36733, Table 9-21 CG: Cockroft-Gault formula used to calculate egfr MDRD: Modification of Diet in Renal Disease formula used to calculate egfr normal: egfr 90mL/min/1.73m 2 mild: 60mL/min/1.73m 2 egfr < 90mL/min/1.73m 2 moderate: 30mL/min/1.73m 2 egfr < 60mL/min/1.73m 2 NC: no descriptive statistics calculated because N < 3

52 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 23 of 171 表 腎機能で層別したレゴラフェニブ 160mg 1 日 1 回反復経口投与後の薬物動態学的パラメータの比較 Analyte Comparison Parameter N Regorafenib CV [%] Point estimate Ratio [%] 90% confidence interval [%] CG: mild / normal AUC(0-24) ss 10/ [43.8 ; 99.4] C max,ss 10/ [48.6 ; 93.5] MDRD: mild / normal AUC(0-24) ss 10/ [59.0 ; 140] C max,ss 10/ [59.4 ; 119] M-2 CG: mild / normal AUC(0-24) ss 10/ [38.6 ; 98] C max,ss 10/ [41.1 ; 97] MDRD: mild / normal AUC(0-24) ss 10/ [64.1 ; 172] C max,ss 10/ [64.9 ; 161] M-5 CG: mild / normal AUC(0-24) ss 10/ [35.1 ; 146] C max,ss 10/ [38.5 ; 158] MDRD: mild / normal AUC(0-24) ss 10/ [63.4 ; 265] C max,ss 10/ [63.3 ; 260] Source: , PH-36733, Table 9-22 CG: Cockroft-Gault formula used to calculate egfr MDRD: Modification of Diet in Renal Disease formula used to calculate egfr normal: egfr 90mL/min/1.73m 2 mild: 60mL/min/1.73m 2 egfr < 90mL/min/1.73m 2 薬力学的パラメータ及びバイオマーカー評価 血漿中 VEGF 及び svegfr2 濃度の解析によって レゴラフェニブの薬理学的効果が VEGF シグナリング阻害活性と矛盾しないことが示された すなわち レゴラフェニブによって血漿中 VEGF の増加及び svegfr2 の減少がみられ svegfr2 の減少は投与量に依存する傾向を示した ( 図 及び図 参照 ) DCE-MRI のパラメータ iauc60 により レゴラフェニブ投与期間中の腫瘍血流量の減少が一日投与量 120mg から示唆された ( 図 参照 ) 7 日間休薬後のサイクル 2 及び 3 の Day 1 における iauc は ベースライン値に戻る傾向を示した 結腸 直腸癌患者 ( 投与量 60mg 以上 ) における腫瘍の変異解析によって KRAS 及び PIK3CA の変異が 評価可能な 8 例の保存腫瘍組織標本のうち 2 例で確認された BRAF 変異は認められなかった 血漿 KRAS 変異は評価可能な患者 37 例中 20 例 (54%) の血漿で確認された レゴラフェニブを投与した患者において 血漿 KRAS 変異と無増悪生存期間 (PFS) との間に明確な相関関係はみられなかった PFS 中央値は変異型で 84 日間 野生型で 161 日間であった 本試験結果は打ち切り例が多く 比較的小規模の後ろ向き探索的遺伝子研究から得られたデータであるものの KRAS 変異の存在がレゴラフェニブの効果を妨げるものではないことが示唆された 腫瘍縮小効果は 本試験の主要目的ではないが 表 に示したようにレゴラフェニブ 60mg 以上の投与を受けた全被験者のうち 3 例が 最良総合効果として 部分奏効 (PR: 腎細胞癌 骨肉腫 結腸 直腸癌 ) であった

53 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 24 of 171 表 有効性 ( 最良総合効果 ) の解析結果 ( 試験 11650) Cohort 9 (160mg/d) (N = 23) All CRC patients 60mg/d (N = 38) All patients treated with 160mg/d (N = 35) All patients treated with 60mg/d (N = 68) N (%) N (%) N (%) N (%) Complete response Partial response - 1 (3) - 3 (4) Stable disease 9 (39) 19 (50) 20 (57) 38 (56) Progressive disease 4 (17) 7 (18) 4 (11) 12 (18) Progression (1) Not assessable 10 (43) 11 (29) 11 (31) 14 (21) Source: , PH-36733, Table 9-2 CRC: colorectal cancer Treatment: regorafenib once daily (21 days on / 7 days off regimen) 試験 連日経口投与用量漸増試験 試験 11651( PH 及び PH 参照 ) 本試験 ( 試験 11651) は 進行性固形がん患者 ( 外国人 ) を対象としたレゴラフェニブの安全性 忍容性 MTD 薬物動態及びバイオマーカーを検討するための非盲検 第 Ⅰ 相臨床試験である 目的 試験デザイン及び方法 本試験の主要目的は 進行性固形がん患者に単独反復経口投与したレゴラフェニブの安全性 薬物動態 MTD 及び第 Ⅱ 相臨床試験における推奨用量を決定することであった 副次目的は バイオマーカー 薬力学パラメータ及び腫瘍縮小効果を評価することであった 本試験は 多施設 非盲検 非無作為化用量漸増試験として米国で実施した (20 年 ~20 B 年 ) 5 用量 ( 及び 140mg) が 5 コホート ( 用量漸増コホート ) で検討された レゴラフェニブ錠は空腹時 ( 食事摂取 1 時間前又は食事摂取 2 時間後 ) に 1 日 1 回投与した 1 サイクルは休薬期間のない 21 日間投与である 治験薬に関連した臨床上重要な毒性所見がみられた場合は 個々の被験者で減量又は休薬を可能とした 病勢進行 並びに忍容できない毒性又は他の事象が発現するまで投与は継続された 拡大コホートでは HCC 患者 (Child-Pugh A 又は Child-Pugh B) 及び NSCLC 患者を対象に レゴラフェニブ 100mg 1 日 1 回を休薬なしの連日投与スケジュールで投与した 血漿中レゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 を測定するため サイクル 1 の Day 1( 投与後 48 時間まで ) 及びサイクル 2 の Day 1( 投与後 24 時間まで ) において全例より血漿検体を採取した さらに 投与前にも血漿検体を採取した 単回投与後の薬物動態を評価するためにサイクル 1 の Day 2 の投薬は行わなかった B ここで報告する結果及び 及び に示した治験総括報告書は 20 年カットオフ日としてまとめた その時点で 患者 4 例がレゴラフェニブ投与中であった 月日をデータ

54 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 25 of 171 腫瘍縮小効果及び病勢進行は RECIST Ver.1.0 に基づいて評価した さらに バイオマーカー測定用の試料を採取した 試験対象集団 進行性固形がん患者 84 例 ( 男性 52 例 女性 32 例 ) に治験薬を投与した ( 安全性解析対象集団 ) 平均年齢は 59.3 歳 (18 歳 ~86 歳 ) 及び平均体重は 77.2kg(47.8kg~129kg) であった 被験者の大部分は白人 (53 例 ) 次いでヒスパニック (14 例 ) 及びアジア人 (12 例 ) であった コホート 1~5( 用量漸増コホート ) HCC 拡大コホート及び NSCLC 拡大コホートにおける各コホートの薬物動態解析対象例は 3 例 ~24 例であった ( サイクル 2 の Day 1 までに減量又は投与中断を行った被験者は薬物動態の解析から除外した ) これらのコホートの各被験者集団の年齢及び体重はおおむね同様であった ( 表 ) 表 薬物動態解析対象例の人口統計学的データ ( 試験 11651) Arithmetic mean (range) Cohort Dose [mg/d] N Age [years] Weight [kg] Gender (male/female) Race (White/Black/ Asian/Hispanic) (54-69) 88 (82-98) 3/0 3/0/0/ (32-72) 83 (49-129) 5/3 6/0/0/2 3 a (46-75) 85 (54-111) 6/4 9/0/0/ (25-75) 85 (66-115) 3/7 6/0/0/ (46-70) 69 (55-84) 3/3 5/0/0/0 b NSCLC (36-86) 80 (53-78) 17/7 19/2/1/2 HCC-A (38-77) 68 (49-81) 10/4 2/1/6/4 b HCC-B (34-74) 59 (52-71) 2/2 2/0/2/0 Source: Module , PH-36984, Table 6-4 and Table 6-5 a control group for subgroup PK analysis "HCC patients vs. non-hcc cancer patients" b race not recorded for one patient HCC: hepatocellular carcinoma, HCC-A: HCC Child Pugh A, HCC-B: HCC Child Pugh B NSCLC: non-small cell lung cancer 用量漸増コホートの薬物動態 用量漸増コホートで評価したレゴラフェニブ反復投与後の主な薬物動態学的パラメータの結果を表 ~ 表 に示した レゴラフェニブ単回投与時 ( 初回投与時 ) の結果を含む詳細は 項 ( 参照 ) 及び 5.3 項 ( , PH 参照 ) に示した レゴラフェニブの反復投与後の薬物動態は ほぼ 100mg までの用量範囲で用量比例性を示した 一方 100mg を超える用量 (120mg/ 日及び 140mg/ 日 ) の曝露量の増加は 用量比をわずかに下回るものであった レゴラフェニブの血漿中濃度推移では 腸管循環を示唆する複数のピークが示された 定常状態 ( サイクル 2 の Day 1) におけるレゴラフェニブの AUC(0-24) ss は 単回投与時の AUC(0-24) sd より 3.2 倍 ~3.8 倍高値となった ( 表 ) 代謝物 M-2 及び M-5 の曝露量は 100mg までの用量範囲において用量比を上回る増加を示した 100mg を超える用量では 100mg 投与時に比べて用量比を下回る曝露量の増加を示した 代謝物 M-2 及び M-5 の蓄積率は レゴラフェニブの蓄積率よりも大きかった (M-2:3.6 倍 ~5.8 倍 M- 5:24 倍 ~41 倍 ) レゴラフェニブより代謝物の蓄積率が高いにもかかわらず 定常状態での血漿中の主要成分はレゴラフェニブの未変化体であった

55 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 26 of 171 表 レゴラフェニブ 1 日 1 回 20mg~140mg 反復経口投与時の血漿中レゴラフェニブの薬物動態学的パラメータ ( 試験 11651) AUC(0-24) ss [mg h/l] AUC(0-24) ss/d [h/l] C max,ss [mg/l] C max,ss/d [1/L 10 3 ] 1 20 C2/D (21.2) (21.2) 1.27 (19.4) 63.6 (19.4) 2 40 C2/D (35.9) b (35.9) b 1.50 (37.0) b 37.4 (37.0) b C2/D (18.5) b (18.5) b 4.27 (22.9) b 42.7 (22.9) b C2/D1 6 NC * NC * NC * N * C2/D (18.5) c (18.5) c 5.37 (30.9) c 38.3 (30.9) c Source: Module , PH-36984, Table 7-2 C2/D1 = Cycle 2, Day 1 (= day 22; 21-day cycles with continuous dosing regimen) a subjects evaluable for PK b N = 6; c N = 3 * no descriptive statistics calculated because n<3 表 レゴラフェニブ 1 日 1 回 20mg~140mg 反復経口投与時の血漿中 M-2 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 11651) Geometric means (%CV) Subjects with solid tumors Cohort [mg/d] time Dose Sampl. N a Geometric means (%CV) Subjects with solid tumors Cohort [mg/d] time Dose Sampl. N a AUC(0-24) ss [mg h/l] AUC(0-24) ss/d [h/l] C max,ss [mg/l] C max,ss/d [1/L 10 3 ] 1 20 C2/D (42.9) (42.9) (39.5) 4.41 (39.5) 2 40 C2/D (56.7) b (56.7) b (74.3) b 12.6 (74.3) b C2/D (25.2) b (25.2) b 2.48 (36.3) b 24.1 (36.3) b C2/D1 6 NC * NC * NC * NC * C2/D (88.8) c (88.8) c 2.20 (106) c 15.2 (106) c Source: Module , PH-36984, Table 7-3 C2/D1 = Cycle 2, Day 1 (= day 22; 21-day cycles with continuous dosing regimen) a subjects evaluable for PK b N = 6; c N = 3 * no descriptive statistics calculated because n<3

56 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 27 of 171 表 レゴラフェニブ 1 日 1 回 20mg~140mg 反復経口投与時の血漿中 M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 11651) AUC(0-24) ss [mg h/l] AUC(0-24) ss/d [h/l] C max,ss [mg/l] C max,ss/d [1/L 10 3 ] 1 20 C2/D (18.7) (18.7) (15.7) (15.7) 2 40 C2/D (136) b (136) b (151) b 4.34 (151) b C2/D (58.1) b (58.1) b 1.38 (87.0) b 13.7 (87.0) b C2/D1 6 NC * NC * NC * NC * C2/D (231) c (231) c (343) c 6.74 (343) c Source: Module , PH-36984, Table 7-4 C2/D1 = Cycle 2, Day 1 (= day 22; 21-day cycles with continuous dosing regimen) a subjects evaluable for PK b N = 6; c N = 3 * no descriptive statistics calculated because n<3 表 レゴラフェニブ 1 日 1 回 20mg~140mg 反復経口投与時の血漿中レゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 の蓄積率 ( 試験 11651) Geometric means (%CV) Subjects with solid tumors Geometric means (%CV) Subjects with solid tumors Cohort [mg/d] time Dose Sampl. N a Cohort Dose [mg/d] Regorafenib M-2 M-5 N a R LIN R A AUC R LIN R A AUC R LIN R A AUC NC * 3.20 (3.13) NC 5.79 (553) NC NC * (26.0) b 3.78 (23.3) c NC 4.72 (42.5) c NC 28.1 (84.2) e (42.1) b 3.15 (35.0) d NC 4.63 (44.7) d NC 41.2 (81.3) d NC * NC * NC NC * NC NC * NC * 3.61 (83.9) b NC 3.60 (145) b NC 23.9 (327) b Source: Module , PH-36984, Table 7-2 to 7-4 C2/D1 = Cycle 2, Day 1 (= day 22; 21-day cycles with continuous dosing regimen) a subjects evaluable for PK b N = 3; c N = 5; d N = 6; e N = 4 * no descriptive statistics calculated because n<3 R LIN = AUC(0-24) ss / AUC sd R A AUC = AUC(0-24) ss / AUC(0-24) sd NC: Because of the secondary peaks in the concentration vs. time curves, and the limited PK sampling time of 48 hours, elimination half-life, and consequently AUC, could not always be reliably estimated. NSCLC 拡大コホートの薬物動態 NSCLC 拡大コホートにおけるレゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 のトラフ濃度を表 に要約した レゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 共にサイクル 1 の Day 8 までにトラフ濃度は一定となると考えられた また サイクル 1 の Day 8 以降にレゴラフェニブ又は代謝物の継続的な蓄積を示

57 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 28 of 171 唆する結果は認められなかった レゴラフェニブのトラフ濃度は 代謝物に比べて約 2 倍 ~4 倍高かった 表 非小細胞肺癌拡大コホートにおけるレゴラフェニブ 1 日 1 回 100mg 単回投与後及び反復経口投与時のレゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 のトラフ濃度 (mg/l)( 試験 11651) Geometric mean (Range) N Visit Regorafenib M-2 M-5 C1/D ( ) ( ) ( ) 23 C1/D ( ) ( ) ( ) 4 C1/D ( ) ( ) ( ) 16 C2/D ( ) ( ) ( ) 10 C3/D ( ) ( ) ( ) 5 C3/D ( ) ( ) ( ) 7 C4/D ( ) ( ) ( ) 4 Source: Module , PH-36984, Table 7-1 NSCLC 拡大コホートにおけるレゴラフェニブ 100mg 単回投与後の AUC(0-24) C max 及び t 1/2 を表 に要約した また本表には 比較のために本試験のコホート 3( 用量漸増コホート ) のレゴラフェニブ 100mg 投与後の結果も含めた 結果の詳細は 5.3 項 ( , PH-36984, Table14.4/25 参照 ) に示した NSCLC 拡大コホートにおけるレゴラフェニブ及び代謝物の薬物動態は 特に代謝物のばらつきは大きかったものの コホート 3( 用量漸増コホート ) における結果とほぼ一致するものであった 表 非小細胞肺癌拡大コホート及びコホート 3( 用量漸増コホート ) におけるレゴラフェニブ 100mg 単回投与時のレゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 11651) Geometric mean (%CV) N N = 24 patients with NSCLC and N = 10 patients in dose-escalation Cohort 3 Cohort Visit AUC(0-24) sd [mg h/l] C max [mg/l] t ½ [h] Regorafenib NSCLC C1/D (48.2) (68.5) (64.8) 19 Coh. 3 C1/D (41.6) (30.7) (32.5) 5 Metabolite M-2 NSCLC C1/D (180) (190) (73.4) 16 Coh. 3 C1/D (54.7) (51.2) (28.6) 5 Metabolite M-5 NSCLC C1/D (127) (142) 22 NC 0 Coh. 3 C1/D (115) (118) 10 NC 0 Source: Module , PH-36984, Table 7-5 and Table 7-2 NC not calculated

58 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 29 of 171 HCC 拡大コホート ( 肝機能障害を有する患者 ) の薬物動態 HCC 患者 ( 拡大コホート )18 例及び正常肝機能がん患者 ( コホート 3:100mg/ 日 )10 例を本部分集団の薬物動態解析対象例とした サイクル 1 の Day 1 におけるレゴラフェニブ 100mg 単回経口投与後の血漿中レゴラフェニブ C 及び代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータを表 に要約した HCC 患者 ( 拡大コホート ) と正常肝機能がん患者 ( コホート 3) についての統計学的解析を表 に示した 両集団の間に AUC(0-t last) 又は C max に顕著な差はみられず レゴラフェニブ 100mg 単回投与後の HCC 患者において曝露量の増減傾向はみられなかった 反復投与後の薬物動態については 正常肝機能患者 ( コホート 3) で 6 例 HCC 患者 ( 拡大コホート ) で 1 例のみの結果であったため 比較することはできなかった 定常状態における薬物動態の結果が得られた HCC 患者 1 例 (Child-Pugh B) に関しては 正常肝機能患者 ( コホート 3) と明らかな差異は認められなかった 表 肝機能障害を有する患者及び正常肝機能患者におけるレゴラフェニブ 100mg 単回投与時のレゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 11651) Geometric mean (%CV) Cohort N Regorafenib AUC(0-24) AUC(0-t last) AUC C max a t max t ½ [mg h/l] [mg h/l] [mg h/l] [mg/l] [h] [h] Control ( 41.6) 32.7(37.9) 43.7 (34.9) b 1.25 (30.7) 5 (2 48) 31.6 (32.5) b HCC A (75.3) 26.8 (67.5) 45.2 (84.3) c 1.38 (97.9) 3 (2 24) 25.2 (52.0) c HCC B (72.0) 33.0 (112) 57.7(30.9) d 1.42 (76.1) 3 (2 10) 45.3 (79.7) d Metabolite M-2 Control (47.4) 12.8 (37.0) b (51.2) 10 (2 48) 24.8 (28.6) b HCC A (122) 15.3 (69.9) e (154) 3 (2 24) 24.0 (56.3) e HCC B (194) NC * (129) 10 (8 24) NC * Metabolite M-5 Control (111) (118) 48 (24-48) --- HCC A (122) (110) 47 (4-49) --- HCC B (587) (352) 35 (24-47) --- Source: Module , PH-36984, Table 7-6 a median (range) b N = 5; c N = 9; d N = 3; e N = 10 Control: subjects with cancer but without hepatic impairment (dose-escalation Cohort 3) HCC A: subjects with hepatocellular carcinoma, Child-Pugh A HCC B: hepatocellular carcinoma, Child-Pugh B NC * : not calculated because N < 3 C 投与後 48 時間までの検体採取であったため 正確な半減期は推定できなかった また被験者の多くでは半減期の推定値を算出できなかった このため外挿により求めた AUC の外挿部分についても誤差を伴うものであった しかし レゴラフェニブ及び代謝物の t 1/2 及び AUC の推定値は これまでに報告された値と同様であったため t 1/2 及び AUC の推定値についても一般的な情報として示した

59 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 30 of 171 表 肝機能が薬物動態に及ぼす影響統計解析結果 ( 試験 11651) Analyte Parameter Child-Pugh A / Cohort 3 Mean 90% CI ratio [%] [%] Child-Pugh B / Cohort 3 Mean ratio [%] 90% CI [%] Mean ratio [%] All HCC / Cohort 3 90% CI [%] Regorafenib AUC(0-t last) 82 [54;124] 101 [56;182] 86 [58;126] C max 111 [70;177] 114 [59;223] 112 [72;173] M-2 AUC(0-t last) 78 [43;143] 118 [50;281] 86 [48;152] C max 104 [55;199] 136 [54;341] 110 [60;202] M-5 AUC(0-t last) 104 [47;230] 84 [28;255] 99 [48;207] C max 119 [57;249] 118 [42;332] 119 [60;235] Source: , PH-36984, Table 7-9 有効性解析結果 有効性解析結果を表 に示した 抗腫瘍効果の評価は 本試験の主要目的ではないものの レゴラフェニブ 100mg 1 日 1 回投与では 最良総合効果として 53 例中 3 例が PR 16 例が SD であった HCC 拡大コホートでは 20 例中 1 例が PR 及び 6 例が SD NSCLC 拡大コホートでは 22 例中 5 例が SD であった レゴラフェニブ 1 日 1 回 20mg~140mg が反復投与され ITT 有効性解析対象とした被験者 79 例中 29 例 (37%) において PR 又は SD が認められた レゴラフェニブ 100mg 投与群では HCC 拡大コホートの 7 例及び NSCLC 拡大コホートの 5 例を含めて病勢コントロール率は 36%(19 例 /53 例 ) であった 拡大コホートへの組入れ時の Child-Pugh B の被験者数は少なく (N=4) この被験者集団で抗腫瘍効果について十分な評価を行うことはできなかった 表 有効性の解析結果 ( 試験 11651) Patients with solid tumors 100mg cohort (N = 53) 120mg cohort (N = 5) 140mg cohort (N = 10) Total (20-140mg) (N = 79) HCC expansion cohort (100mg) (N = 20) NSCLC expansion cohort (100mg) (N = 22) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) N (%) Complete response Partial response 3 (6) - 1 (10) 4 (5) 1 (5) - Stable disease 16 (30) 2 (40) 4 (40) 25 (32) 6 (30) 5 (23) Progressive disease 23 (43) 2 (40) 4 (40) 35 (44) 9 (45) 12 (55) Progression 6 (11) 1 (20) 1 (10) 9 (11) 2 (10) 4 (18) Not assessable 5 (9) (8) 2 (10) 1 (5) Source: , PH-36742, Table 9-2 and Table 9-4 HCC: hepatocellular carcinoma NSCLC: non-small cell lung cancer Treatment: regorafenib once daily (continuous administration)

60 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 31 of 試験 日本人患者を対象とした試験 試験 13172( A51164 参照 ) 本試験 ( 試験 13172) は 日本人進行性固形がん患者を対象としたレゴラフェニブの薬物動態及び安全性を検討するための非対照 非盲検 非無作為化試験である 目的 試験デザイン及び方法 日本人進行性固形がん患者を対象とした本試験では 低脂肪の食朝食後にレゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回経口投与した際の薬物動態を明らかにし 安全性を評価することを主要目的とした 副次目的は バイオマーカー及び腫瘍縮小効果を評価することであった 試験は 非対照 D 非盲検 非無作為化 多施設試験として日本で実施した (20 年 ~20 年 ) 各被験者は Day 1( サイクル 0) にレゴラフェニブ 160mg を単回投与した 6 日間の休薬後 レゴラフェニブ 1 日 1 回 160mg 反復投与のサイクル (3 週間投与 /1 週間休薬 ) を実施した 血漿中レゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 を測定するため 単回投与期 ( サイクル 0) 投与後 96 時間まで及び初回反復投与サイクル ( サイクル 1 Day 21) 終了時点の投与後 168 時間まで血漿検体を採取した 投与前試料は サイクル 0 及びサイクル 1 の Day 及び 21 に採取した 腫瘍縮小効果は 最初の 6 サイクルでは 8 週間ごとに それ以降は 12 週間ごとに固形がんの効果判定規準 (RECIST Ver.1.0) に基づいて治験責任 ( 分担 ) 医師により評価された 試験対象集団 本試験では 平均年齢 57.2 歳 (34 歳 ~68 歳 ) 及び平均体重 59.9kg(41kg~79.4kg) の 15 例の進行性固形がん患者 ( 男性 11 例 女性 4 例 ) に治験薬を投与した 全例を安全性 薬物動態及び薬力学 / 有効性解析対象とした 15 例中 7 例は膵癌 (6 例は膵管腺癌及び 1 例は神経内分泌腫瘍 ) 2 例はカルチノイド腫瘍及び各 1 例は胆管癌 胃癌 陰茎部癌 小腸癌 顎下腺癌及び尿路上皮癌と診断された データカットオフ (20 年月日 ) 時点で 2 例が 1 サイクル 6 例が 2 サイクル及び各 1 例が 及び 21 サイクルの投与を受けていた 有害事象により 6 例 (40.0%) が減量 7 例 (46.7%) が投与中止 及び 4 例 (26.7%) が投与の延期をした 薬物動態の結果 単回投与後のレゴラフェニブの血漿中平均濃度推移は 2 峰性 ( 投与後 4 及び 8 時間 ) を示し 定常状態下では投与後 3 時間に明瞭なピークを示し 続いて投与後 24 時間まで平坦な推移を示した ( 図 ) 単回及び反復投与時の血漿中レゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータを表 に要約した 図 に M-2 の血漿中濃度推移を 図 に M-5 の血漿中濃度推移を示した D ここで報告する結果及び に示した治験総括報告書は 20 年月日をデータカットオフ日としてまとめた その時点で 患者 3 例がレゴラフェニブ投与中であった

61 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 32 of 171 AUC 及び C max に基づいた蓄積率を表 に要約した レゴラフェニブ反復投与では 単回投与に比べて代謝物の曝露量に大幅な増加がみられた これに対して 未変化体の曝露量の増加は 代謝物に比べて大きいものではなかった AUC(0-24) に基づいて算出した蓄積率はレゴラフェニブで 2.14 M-2 で 5.15 及び M-5 で 37.3 であった C max についても同様の結果であった レゴラフェニブについて算出した線形係数 R LIN[AUC(0-24) md/auc sd] は 1.02 であり M-2 及び M-5 ではそれより高い値 ( それぞれ 2.43 及び 3.95) であった 単回投与と反復投与の間でレゴラフェニブ及び代謝物の消失半減期及び t max に大きな違いはみられなかった AUC 及び C max の個体間変動は大きかった 特に 2 例 ( 被験者 及び ) はサイクル 1 の Day 21 において 他の被験者より著しく低い血漿中濃度 ( 未変化体 代謝物 M-2 及び M-5) を示した 両被験者は原発病変として膵癌 ( 膵管腺癌 ) を有していた この 2 例が低い血漿中濃度を示した理由として 胆汁分泌の障害によって消化管におけるレゴラフェニブの溶解性が悪くなり 吸収が低下したことが要因として考えられた 表 日本人固形がん患者にレゴラフェニブ 160mg を単回及び 1 日 1 回反復経口投与した際の血漿中レゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 13172) Geometric means (%CV) Analytment [mg h/l] [mg h/l] [mg/l] [h] [h] Treat- AUC AUC(0-24) a a a, b a C max t max t ½ N sd (84.2) 16.4 (86.1) 1.37 (108) 4 (2 8) 27.4 (29.9) Regorafenib md (68.5) 2.52 (77.0) 4 ( (26.2) 48) M-2 sd (301) 3.70 (341) (389) 4 (3 24) 24.8 (27.7) md (213) 1.04 (214) 4 (1 48) 29.5 (24.1) M-5 sd (112) (164) (167) 24 (3-71) 60.8 (78.2) md (459) (414) 36 (1 73) 57.5 (33.7) Source: , A51164, Table 9-5 a AUC(0-24) ss, C max,ss etc. for multiple dose data b median (range) sd = single dose = Cycle 0, Day 1 (single dose of 160mg regorafenib) md = multiple dose = Cycle 1, Day 21 (160mg regorafenib once daily for 21 days)

62 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 33 of 171 表 日本人固形がん患者にレゴラフェニブ 160mg を単回及び 1 日 1 回反復経口投与した際の血漿中レゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の蓄積率 ( 試験 13172) Geometric means (%CV) Analyte N R AAUC R AC max R LIN Regorafenib (64.6) 2.01 (78.3) 1.02 (56.5) M (137) 4.76 (131) 2.43 (112) M (109) 36.0 (80.5) 3.95 (62.1) Source: , A51164, Table 9-5 R AAUC = accumulation ratio based on AUC(0-24) ratio [AUC(0-24) md / AUC(0-24) sd] R AC max = accumulation ratio based on C max ratio (C max,md / C max,sd ) R LIN = linearity factor [AUC(0-24) md / AUC sd] sd = single dose = Cycle 0, Day 1 (single dose of 160mg regorafenib) md = multiple dose = Cycle 1, Day 21 (160mg regorafenib od for 21 days)

63 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 34 of 171 SD MD Source: , A51164, Figure 14.4/1 図 レゴラフェニブ投与後の血漿中レゴラフェニブ濃度推移 ( 試験 13172) SD: 初回投与 (N=15) MD: 反復投与 (N=12) ( 幾何平均値 )

64 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 35 of 171 SD MD Source: , A51164, Figure 14.4/1 図 レゴラフェニブ投与後の血漿中 M-2 濃度推移 ( 試験 13172) SD: 初回投与 (N=15) MD: 反復投与 (N=12) ( 幾何平均値 )

65 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 36 of 171 SD MD Source: , A51164, Figure 14.4/1 図 レゴラフェニブ投与後の血漿中 M-5 濃度推移 ( 試験 13172) SD: 初回投与 (N=15) MD: 反復投与 (N=12) ( 幾何平均値 )

66 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 37 of 171 有効性評価 最良総合効果の概要を表 に示した レゴラフェニブを投与された被験者 15 例中に完全奏効 (CR) 例はなかった 膵癌 ( 神経内分泌腫瘍 )1 例は PR を示し 7 例は SD であった RECIST Ver.1.0 に従い 最良総合効果が PR 又は CR と確認された被験者の割合として定義した奏効率は 6.7% であった PR の被験者における効果の持続期間は 316 日であった カプランマイヤー推定による無増悪期間の中央値は 112 日 (95%CI:58 日 ~371 日 ) であった 表 有効性の解析結果 ( 試験 13172) N = 15 subjects valid for PD/efficacy analysis N (%) 95% confidence interval Complete response 0 (0) Partial response 1 (6.7) Stable disease 7 (46.7) Disease progression (radiological or clinical) 7 (46.7) Response rate [%] 6.7 [0.2; 31.9] Source: , A51164, Table 試験 中国人患者を対象とした試験 試験 14996( A51600 参照 ) 本試験 ( 試験 14996) は 中国人進行性固形がん患者を対象としてレゴラフェニブの薬物動態 安全性 忍容性及び有効性を検討する非対照 非盲検 非無作為化第 Ⅰ 相臨床試験である 目的 試験デザイン及び方法 中国人進行性固形がん患者を対象とした 本試験は 低脂肪の朝食後に 1 日 1 回 160mg を経口投与した際のレゴラフェニブの薬物動態及び安全性を評価することを主要目的として実施した 副次目的はこの対象集団における腫瘍縮小効果を評価することであった 試験は 多施設 非対照 非無作為化 非盲検 単一群試験とし 香港及びシンガポールで実 E 施された (20 年 ~20 年 ) Day 1 にレゴラフェニブ 160mg(40mg 錠 4 錠 ) の初回投与をし その後 6 日間休薬した ( 単回投与期 : サイクル 0) その後 3 週間投与 /1 週間休薬スケジュールによりレゴラフェニブ 160mgを 1 日 1 回投与した 血漿中レゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 濃度を測定するための血液試料は 単回投与後 96 時間まで及びサイクル 1 の Day 21 において採取した トラフ濃度の測定用試料はサイクル 1 の Day 及び 21 に採取した 腫瘍の評価は固形がんの効果判定規準 (RECIST Ver.1.1) を用いて サイクル 2 4 及び 6 で実施し その後 3 サイクルごとに実施した E ここで報告する結果及び に示した治験総括報告書は 20 年月日をカットオフ日としてまと めた その時点で 組入れは進行中であった

67 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 38 of 171 試験対象集団 進行性固形がん ( 主として結腸癌 ) 患者 12 例 ( 中国人 ) に治験薬を投与した 9 例 ( 男性 4 例 女性 5 例 ) を薬物動態解析対象集団とした 薬物動態解析対象集団の被験者背景は 平均年齢 60.7 歳 (33 歳 ~74 歳 ) 平均体重 54.5kg(42.5kg~67.1kg) 及び平均 BMI 22.4kg/m 2 (16.6 kg/m 2 ~25.5kg/m 2 ) であった 年齢 体重及び BMI の分布は全体の試験対象集団とほぼ同様であった 薬物動態解析対象集団の 9 例中 7 例がサイクル 1 中に投与中止又は減量に至った したがって 反復投与の薬物動態データの全解析は 21 日間 1 日 1 回 160mg 投与で計画されたサイクル 1 を完了した 2 例のデータに基づいている 薬物動態の結果 単回及び反復投与後の血漿中レゴラフェニブ濃度推移には 血漿中濃度が投与後 3 時間 ~4 時間でピークがみられ 続く 4 日間のモニタリング期間中ゆっくり下降したが この期間中にベースライン値には戻らなかった 代謝物の血漿中濃度推移はレゴラフェニブと類似していたが 投与後の明らかなピークは認められなかった レゴラフェニブ 160mg を単回及び反復投与した後の血漿中レゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータを表 に要約した 反復投与後のデータは例数が少なかった (N=2) ことから個別値を示した ( 表 ) 単回及び反復投与後の薬物動態学的パラメータには 大きな個体間変動がみられた 評価可能な反復投与後のデータ (2 例 ) において 単回投与に比べて反復投与後にレゴラフェニブ及び特に代謝物 M-2 及び M-5 の AUC(0-24) 及び C max に大幅な増加がみられた (R AAUC 及び R AC max) t max は単回投与と反復投与で変わらなかった 表 中国人固形がん患者にレゴラフェニブ 160mg を単回経口投与した際の血漿中レゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 14996) Geometric means (%CV) N = 9 Chinese patients with advanced solid tumors AUC AUC(0-24) Analyte [mg h/l] [mg h/l] [mg/l] [h] Regorafenib 117 (64.7) b 35.5 (35.9) 2.98 (36.9) 3 (2-12) 43.5 (43.8) b M (92.3) 17.9 (50.0) 1.24 (61.4) 8 (2-24) 44.4 (69.5) M (44.4) c 1.59 (82.6) (65.3) 48 (23-97) 72.2 (31.2) c Source: , A51600, Table 9-2 a median (range) b N = 8 c N = 3 C max t max a t ½ [h]

68 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 39 of 171 表 中国人固形がん患者にレゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回反復経口投与した際の血漿中レゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ ( サイクル 1 Day 21)( 試験 14996) Individual data of 2 Chinese patients with advanced solid tumors Analyte Subject AUC(0-24) ss C max,ss t max,ss t ½ [mg h/l] [mg/l] [h] [h] R AAUC R AC max R LIN Regorafenib NC M M NC NC NC Source: , A51600, Table 9-2 NC: not calculated 有効性評価 CR を示した被験者はみられなかった PR は 1 例 (8.3%) であり SD は 4 例 (33.3%) であった また 4 例 (33.3%) では奏効がみられず病勢進行し 3 例 (25.0%) はベースライン後のデータが欠測であった (1 例はベースラインデータのみ有し 他の 2 例はデータカットオフ後の収集データであった ) 薬物相互作用試験 他の薬剤と併用投与した際の併用薬の薬物動態に及ぼすレゴラフェニブの影響について検討した成績を以下に記述した In vitro 試験 ( 参照 ) において CYP 分子種に対するレゴラフェニブの阻害作用の強度は CYP2C8>CYP2B6 CYP2C9>CYP2C19 CYP3A4 の順であった 進行性固形がん患者において CYP2C9( ワルファリン ) CYP2C19( オメプラゾール ) CYP3A4( ミダゾラム ) 及び CYP2C8( ロシグリタゾン ) のプローブ基質との相互作用について検討した また M-2 の CYP 分子種に対する阻害強度は CYP2C9 CYP2C8>CYP3A4 CYP2D6>CYP2B6 の順であった M-5 は CYP2C8 のみに阻害作用を示した レゴラフェニブ及び代謝物 (M-2 及び M-5) は UGT1A1 又は UGT1A9 の強力な阻害作用を示した ( 及び 参照 ) ため レゴラフェニブと UGT1A1 基質である SN-38( イリノテカンの代謝物 ) との間の相互作用試験を実施した 試験 mfolfox6 又は FOLFIRI との薬物相互作用試験 試験 11656( PH 参照 ) 本試験 ( 試験 11656) は 転移性結腸 直腸癌患者を対象にレゴラフェニブを mfolfox6( フルオロウラシル フォリン酸 オキサリプラチン ) 又は FOLFIRI( フルオロウラシル フォリン酸 イリノテカン ) と併用投与した際の安全性 薬物動態及び薬力学的パラメータを検討するための非盲検 非プラセボ 非対照第 Ⅰ 相臨床試験である

69 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 40 of 171 目的 試験デザイン及び方法 本試験は 転移性結腸 直腸癌患者を対象にレゴラフェニブを mfolfox6 又は FOLFIRI と併用経口投与した際の安全性を明らかにし mfolfox6 及び FOLFIRI すなわちオキサリプラチン ( 総白金及び非結合型白金 ) イリノテカン ( イリノテカン及び代謝物 SN-38) 及びフルオロウラシルの薬物動態に対するレゴラフェニブの影響を検討することを主要目的とした 副次目的として この対象集団におけるバイオマーカー 薬力学的パラメータ及び腫瘍縮小効果の評価を行った 試験は 多施設共同 非盲検 非無作為化 非プラセボ対照比較試験としてドイツで実施され F た (20 年 ~20 年 ) 28 日間の治療サイクルの Day 4~10 及び 18~24 にレゴラフェニブ 160mg(3 20mg 錠 mg 錠 ) を 1 日 1 回反復投与し Day 1 及び 15 に mfolfox6 又は FOLFIRI を投与した レゴラフェニブの投与に関する食事の規定 ( 食後又は空腹時 ) は定めなかった Day 1 及び Day 15 に オキサリプラチン (mfolfox6)85mg/m 2 を 2 時間静脈内点滴投与 又はイリノテカン (FOLFIRI)180mg/m 2 を 1.5 時間静脈内点滴投与を実施した また同時にフォリン酸 400mg/m 2 を 2 時間静脈内点滴投与した イリノテカンの点滴投与はフォリン酸の点滴投与開始 30 分後に開始した オキサリプラチン / イリノテカンの点滴投与が終了した後 フルオロウラシル 400mg/m 2 の静脈内注射をした その後直ちにフルオロウラシル 2,400mg/m 2 を 46 時間点滴投与した 投与開始 48 時間内に すべての薬剤が投与された レゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態を検討するため サイクル 1 の Day 15 並びにサイクル 2~6 の Day 1 及び Day 15 の朝 併用薬投与前に血漿検体を採取した 血漿中の総白金及び非結合型白金濃度 イリノテカン及び SN-38 濃度及びフルオロウラシル濃度を測定するために サイクル 1 及びサイクル 2 の Day 1 の投与後 (Day 1~3) に血漿検体を採取した 固形がんに対する腫瘍縮小効果及び病勢進行は RECIST Ver.1.0 を用いて評価した 試験対象集団 45 例 ( 男性 27 例 女性 18 例 ) の被験者に治験薬を投与した ( 安全性解析対象集団 ) 38 例が有効性解析対象となった レゴラフェニブ オキサリプラチン ( 総白金及び非結合型白金 ) イリノテカン及びフルオロウラシルの薬物動態解析対象は それぞれ 及び 16 例であった 45 例中 25 例に mfolfox6 が投与され 20 例に FOLFIRI が投与された 平均年齢は 62.0 歳 (18 歳 ~80 歳 ) 平均体重は 71.3kg(46kg~102kg) 及び平均 BMI は 24.5kg/m 2 (17.5kg/m 2 ~ 34.0kg/m 2 ) であった 年齢 体重及び BMI 値の分布は両投与群で類似していた 薬物動態の結果 レゴラフェニブ M-2 及び M-5 mfolfox6 又は FOLFIRI 投与前における血漿中レゴラフェニブ濃度の変動は大きく 血漿中濃度 ( 幾何平均値 ) は mfolfox6 投与群に比べ FOLFIRI 投与群でおおむね高かった ( 表 ) F ここで報告する結果及び に示した治験総括報告書は 20 年月てまとめた その時点で 患者 6 例がレゴラフェニブ投与中であった 日をデータカットオフ日とし

70 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 41 of 171 表 mfolfox6 又は FOLFIRI 投与中における血漿中レゴラフェニブ濃度 (μg/l) Geometric mean (%CV) Sampl. time Cycle 1 Cycle 2 Cycle 3 Cycle 4 Cycle 5 Cycle 6 Day (619) a 46.6 (1070) b 86.2 (658) c 101 (955) d 92.3 (48) e Day (115) f 68.4 (680) b 39.7 (976) c 56.0 (537) d 58.2 (656) g 55.9 (800) h Day (355) i 167 (524) j 273 (78) k 140 (302) h 51.4 (1290) l Day (108) m 216 (382) m 240 (110) j 161 (151) h 55.4 (76500) n 137 (515) l Source: , PH-36735, Table 14.4/1 a N = 17; b N = 13; c N = 10; d N = 12; e N = 5; f N = 19; g N = 8; h N = 6; i N = 13; j N = 11; k N = 9; l N = 3; m N = 14; n N = 4 The number of subjects with valid PK samples declined over time partly because some subjects discontinued chemotherapy or the entire study drug treatment before the end of Cycle 6 イリノテカン及び SN-38 イリノテカン及び代謝物 SN-38 の薬物動態学的パラメータを表 に要約した レゴラフェニブ投与 5 日後に投与した際 イリノテカン及び SN-38 の AUC は増加した AUC の増加はイリノテカンで 28% 及び SN-38 で 44% であった SN-38 の増加はレゴラフェニブによる SN-38 のグルクロン酸抱合の阻害によると考えられる イリノテカン及び SN-38 は共にサイクル 1( レゴラフェニブ投与前 ) に比べてサイクル 2( レゴラフェニブ投与後 ) で明らかに高い AUC を示した C max については大きな差はみられなかった イリノテカン及び SN-38 の AUC 及び C max のレゴラフェニブ併用期 ( サイクル 2) と非併用期 ( サイクル 1) の比を表 に示した 表 イリノテカン及び代謝物 SN-38 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 11656) Treatm. Regorafenib + mfol- FOX6 FOL- FIRI Geometric mean (%CV) N = 11 patients with metastatic CRC Analyte Treatment AUC C max a t max t ½ [mg h/l] [mg/l] [h] [h] Irinotecan FOLFIRI alone 10.7 (24.2) 1.91 (33.2) 1.6 (0.6-2) 8.47 (27.3) FOLFIRI after regorafenib 13.8 (35.6) 2.33 (70.0) 1.9 (0.8-3) 7.84 (26.2) SN-38 FOLFIRI alone (42.7) b 33.6 (105) 2.1 (0.6-4) 16.8 (39.1) b FOLFIRI after regorafenib (57.8) b 30.4 (47.8) 2.6 (1-7) 19.3 (66.6) b Source: , PH-36735, Table 9-6 and Table 9-7 a Median (range) b N = 10 FOLFIRI alone: Irinotecan 180mg/m 2 IV as part of FOLFIRI regimen (Day 1, Cycle 1) FOLFIRI after regorafenib: Irinotecan 180mg/m 2 as part of FOLFIRI regimen (Day 1, Cycle 2) following 5 days after regorafenib treatment (160mg once daily on Days 4 10 and of 28-day Cycle 1)

71 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 42 of 171 表 レゴラフェニブ併用期と非併用期のイリノテカン及び SN-38 の曝露量比 ( 試験 11656) Analyte Comparison Parameter N Irinotecan FOLFIRI after regorafenib / FOLFIRI alone SN-38 FOLFIRI after regorafenib / FOLFIRI alone Point estimate [%] (Ratio) 2-sided 90% CI [%] AUC [107 ; 154] C max [80 ; 185] AUC [112 ; 184] C max [55 ; 150] Source: , PH-36735, Table 9-11 FOLFIRI alone: Irinotecan 180mg/m 2 IV as part of FOLFIRI regimen (Day 1, Cycle 1) FOLFIRI after regorafenib: Irinotecan 180mg/m 2 as part of FOLFIRI regimen (Day 1, Cycle 2) following 5 days after regorafenib treatment (160mg once daily on Days 4 10 and of 28-day Cycle 1) オキサリプラチン ( 総白金及び非結合型白金 ) 総白金及び非結合型白金の薬物動態学的パラメータを表 に要約した レゴラフェニブ投与後にオキサリプラチンを投与すると 総白金の C max は変わらなかったが AUC はわずかに増加した レゴラフェニブとオキサリプラチンを併用投与した際 非結合型白金の薬物動態に大きな影響はみられなかった 総白金の AUC の外挿部分が 20% を超えていたことから AUC と AUC(0-t last) が同様の傾向を示したものの 本試験では AUC(0-t last) を曝露量の指標とした サイクル 2 の AUC(0-t last) 及び C max はサイクル 1 の値よりわずかに高値であった 同様に非結合型白金においてもサイクル 2 の曝露量がわずかに高値であった 非結合型白金の消失半減期は 17 時間 ~19 時間であり 総白金の消失半減期は両サイクルで約 50 時間であった 総白金及び非結合型白金の AUC 及び C max について レゴラフェニブ併用期 ( サイクル 2) と非併用期 ( サイクル 1) で比較した ( 表 ) 総白金の AUC は レゴラフェニブ投与後に 39% 増加していた AUC(0-t last) の増加は 29% であった 総白金又は非結合型白金のいずれも C max に大きな差はなく 非結合型白金の AUC にも大きな差はみられなかった

72 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 43 of 171 表 レゴラフェニブ併用期及び非併用期にオキサリプラチンを単回投与した際の血漿中白金 ( 総白金及び非結合型白金 ) の薬物動態学的パラメータ ( 試験 11656) Geometric mean (%CV) N = 12 patients with metastatic CRC Analyte Treatment AUC C max a t max t ½ [mg h/l] [mg/l] [h] [h] Total mfolfox6 alone 81.0 (22.2) 2.16 (22.8) 2.0 (1-2) 46.4 (17.6) platinum mfolfox6 after regor. 113 (11.4) 2.36 (17.5) 2.0 (1-2) 52.0 (23.6) Unbound mfolfox6 alone 4.18 (39.0) b (32.7) b 1.9 (1-2) b 17.2 (18.2) b platinum mfolfox6 after regor (15.2) b (19.5) b 1.5 (1-2) b 19.0 (17.7) b Source: , PH-36735, Table 9-8 a Median (range) b N = 10 mfolffox6 alone: Oxaliplatin 85mg/m 2 IV as part of mfolfox6 regimen (Day 1, Cycle 1) mfolfox6 after regorafenib: Oxaliplatin 85mg/m 2 IV as part of mfolfox6 regimen (Day 1, Cycle 2) following 5 days after regorafenib treatment (160mg once daily on Days 4 10 and of 28-day Cycle 1) 表 レゴラフェニブ併用期と非併用期の白金の曝露量比 ( 試験 11656) Analyte Comparison Parameter N Total platinum Unbound platinum mfolfox6 after regorafenib / mfolfox6 alone mfolfox6 after regorafenib / mfolfox6 alone Point estimate [%] (Ratio) 2-sided 90% confidence interval [%] AUC [123 ; 158] C max [98 ; 122] AUC [96 ; 143] C max [96 ; 147] Source: , PH-36735, Table 9-12 mfolffox6 alone: Oxaliplatin 85mg/m 2 IV as part of mfolfox6 regimen (Day 1, Cycle 1) mfolfox6 after regorafenib: Oxaliplatin 85mg/m 2 IV as part of mfolfox6 regimen (Day 1, Cycle 2) following 5 days after regorafenib treatment (160mg once daily on Days 4 10 and of 28-day Cycle 1) フルオロウラシル フルオロウラシルの薬物動態学的パラメータを表 に要約した レゴラフェニブを FOLFIRI もしくは mfolfox6 と併用投与した場合 レゴラフェニブはフルオロウラシルの薬物動態に著明な影響を及ぼさなかった mfolfox6 もしくは FOLFIRI 単独投与時に対する mfolfox6 もしくは FOLFIRI とレゴラフェニブの併用投与時のフルオロウラシルの曝露量比を表 に示した mfolfox6 群における AUC 又は C max に サイクル 1 とサイクル 2 で大きな変化はみられなかった また FORFIRI 群における C max についてもサイクル 1 とサイクル 2 で大きな変化はみられなかった なお FOLFIRI 群における AUC については データ数が十分でなかったため 評価することができなかった

73 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 44 of 171 表 レゴラフェニブ併用期及び非併用期にフルオロウラシルを単回投与した際の薬物動態学的パラメータ ( 試験 11656) Geometric mean (%CV) Patients with metastatic CRC a AUC C max t max t ½ Treatment N [mg h/l] [mg/l] [h] [h] mfolfox6 alone (73.1) b 19.1 (164) 0.1 ( ) (513) b mfolfox6 after regor (106) b 19.2 (414) c 0.1 ( ) c 2.38 (1810) b FOLFIRI alone (79.4) 23.6 (92.1) 0.1 ( ) (136) FOLFIRI after regor. 4 NC 21.6 (1280) 12 ( ) NC Source: , PH-36735, Table 9-9 and Table 9-10 a Median (range) b N = 9 c N = 11 NC:not calculated due to lack of t 1/2 estimate mfolffox6 alone or FOLFIRI alone: 5-FU 400mg/m 2 IV bolus mg/m 2 IV infusion as part of mfolfox6 or FOLFIRI regimen (Day 1, Cycle 1) mfolfox6 after regorafenib: 5-FU 400mg/m 2 IV bolus mg/m 2 IV infusion as part of mfolfox6 or FOLFIRI regimen (Day 1, Cycle 2) following 5 days after regorafenib treatment (160mg once daily on Days 4 10 and of 28-day Cycle 1) 表 レゴラフェニブ併用期と非併用期のフルオロウラシルの曝露量比 ( 試験 11656) Analyte Comparison Parameter N 5-FU mfolfox6 with regorafenib / mfolfox6 alone 5-FU FOLFIRI with regorafenib / FOLFIRI alone Source: , PH-36735, Table 9-13 Point estimate [%] (Ratio) 2-sided 90% CI [%] AUC [69 ; 164] C max [50 ; 161] AUC C max 4 92 [6 ; 1387] 有効性評価 腫瘍縮小効果は 本試験の主要目的ではないが 最良総合効果として 7 例が PR(4 例はレゴラフェニブと mfolfox6 の併用 3 例はレゴラフェニブと FOLFIRI の併用 ) であった 全体として 疾患コントロール (PR 又は SD) は 33 例 (87%) で達成された ( 表 )

74 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 45 of 171 表 有効性解析 : レゴラフェニブ及び mfolfox6 又は FOLFIRI 投与群における最良総合効果及び奏効率 ( 試験 11656) Patients with metastatic CRC valid for efficacy analysis Regorafenib + mfolfox6 (n=21) Regorafenib + FOLFIRI (n=17) N (%) N (%) Complete response - - Partial response 4 (19) 3 (18) Stable disease 14 (67) 12 (71) Disease progression 3 (14) 2 (12) Source: , PH-36735, Table 試験 CYP プローブ基質との薬物相互作用試験 試験 12434( PH 参照 ) 本試験は 進行性固形がん患者を対象とし カクテル法による CYP2C9( ワルファリン ) 2C19( オメプラゾール ) 及び 3A4( ミダゾラム ) のプローブ基質 ( グループ A) 並びに CYP2C8 ( ロシグリタゾン ) のプローブ基質 ( グループ B) に及ぼすレゴラフェニブの影響を評価する 非無作為化 非盲検第 Ⅰ 相臨床試験である 目的 試験デザイン及び方法 本試験は進行性固形がん患者を対象とし CYP2C9 CYP2C19 CYP3A4 及び CYP2C8 のプローブ基質であるワルファリン オメプラゾール ミダゾラム及びロシグリタゾンの薬物動態に対するレゴラフェニブの影響を評価することを主要目的とした 副次目的はレゴラフェニブの安全性 抗腫瘍効果及び薬物動態を評価することであった レゴラフェニブは CYP2C8 CYP2C9 CYP2C19 及び CYP3A4 といった薬物代謝酵素に対する中程度から強力な阻害剤であることが in vitro 試験で示されている ( 参照 ) G 試験は非盲検 非無作為化試験としてカナダで実施された (20 年 ~20 年 ) 3 週間投与 /1 週間休薬のスケジュールで 低脂肪の朝食後にレゴラフェニブ 160mg(40mg 錠 ) を 1 日 1 回投与した サイクル 1 の Day -7(7 日前 ) に プローブ基質を単独で単回投与した またサイクル 1 の Day 14( 反復投与 14 日目 ) に レゴラフェニブ及びプローブ基質を単回併用投与し サイクル 2 以降のサイクルではレゴラフェニブのみを投与した グループ A の被験者にはプローブカクテル ( ワルファリン :10mg ビタミン K :10mg オメプラゾール :40mg 及びミダゾラム :2mg) を投与し グループ B の被験者にはロシグリタゾン 4mg を投与した 各プローブ基質の血漿中濃度測定用に投与後 120 時間まで血漿検体を採取した レゴラフェニブ測定用血液試料はサイクル 1 の Day 14 の投与後 24 時間まで採取した G ここで報告する結果及び に示した治験総括報告書は 20 年月日をデータカットオフ日として まとめた その時点で 患者 10 例がレゴラフェニブ投与中であった

75 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 46 of 171 試験対象集団 合計 47 例を本試験に組み入れた 41 例がスクリーニングを完了し グループ A 又はグループ B に割り付けられた グループ A に割り付けられた 1 例は プローブ基質及びレゴラフェニブの投与を行わなかった 固形がん患者 40 例 ( 男性 13 例 女性 27 例 ) に対して 1 回以上のレゴラフェニブ投与を行った これらの被験者は 平均年齢 57.3 歳 (35 歳 ~79 歳 ) 平均体重 77.3±18.6kg( 算術平均 ± 標準偏差 ) 及び平均 BMI 27.4±6.09kg/m 2 であった 40 例全例を安全性解析対象集団とし グループ A の 15 例及びグループ B の 15 例を薬物動態解析対象集団とした 薬物動態の結果 S- ワルファリン及び 7-OH ワルファリン S- ワルファリン及び 7-OH ワルファリンの平均血漿中濃度推移は 単独投与時とレゴラフェニブ併用投与時で類似していたが レゴラフェニブ併用投与時の S- ワルファリン及び 7-OH ワルファリンの血漿中濃度は ワルファリン単独投与時に比べ高かった ( 図 ) S- ワルファリン及び 7-OH ワルファリンの薬物動態学的パラメータを表 に示した レゴラフェニブとワルファリンの併用投与により S- ワルファリンの AUC AUC(0-t last) 及び C max はワルファリン単独投与時に比べそれぞれ 25% 19% 及び 26% 増加した これらの結果から レゴラフェニブが CYP2C9 による S- ワルファリンの代謝に対して弱い阻害作用を有する可能性が示唆された 一方で この阻害作用に関しては (1)AUC 比及び AUC(0-t last) 比の 90%CI の上限がほぼ同様であること (2) ワルファリン単独投与時と比較したレゴラフェニブとワルファリンの併用投与時の AUC 及び AUC(0-t last) の Day-7 からの増加分は 20% 未満であること (3) AUC(0-t last) 比が 14 例の結果であるのに対して AUC 比は 8 例のみの結果によるものであることを考慮する必要がある レゴラフェニブとワルファリン併用投与時の 7-OH ワルファリンの AUC(0-t last) 及び C max はワルファリン単独投与時に比べそれぞれ 14% 及び 16% 増加した レゴラフェニブとワルファリン併用投与時の 7-OH ワルファリン濃度の増加は グルクロン酸抱合の経路を介した 7-OH ワルファリンの代謝低下によるものと考えられた

76 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 47 of 171 Warfarin 7-OH warfarin Concentration (mcg/l) Concentration (mcg/l) Time (hr) Time (hr) warfarin warfarin + regorafenib Source: , PH-36865, Figure 8-1 図 ワルファリン 10mg 単独投与及びレゴラフェニブ 160mg と併用単回経口投与した際の S- ワルファリン及び 7-OH ワルファリンの血漿中濃度推移 ( 試験 12434) ( 幾何平均値 N=15)

77 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 48 of 171 表 ワルファリン 10mg 単独投与及びレゴラフェニブ 160mg と併用単回経口投与した際の S- ワルファリン及び 7-OH ワルファリンの薬物動態学的パラメータ ( 試験 12434) Geometric means (%CV) N = 15 subjects with advanced solid tumors Parameter Unit Warfarin alone Warfarin with regorafenib N Parameter Value N Parameter Value S-Warfarin AUC μg h/l (41.2%) (27.7%) AUC(0-t last) μg h/l (34.9%) (36.2%) C max μg/l (29.0%) (29.4%) t max a h ( ) ( ) t 1/2 h (27.2%) (19.3%) Ratio analysis b warfarin + regorafenib / warfarin alone AUC ( ) AUC(0-t last) ( ) C max ( ) 7-OH warfarin AUC(0-t last) μg h/l (72.8%) (149%) C max μg/l (51.8%) (54.6%) t max a h ( ) ( ) Ratio analysis b AUC (0-tlast) ( ) warfarin+regorafeni b / warfarin alone C max ( ) Source: , PH-36865, Table 8-1 a Median (range); b geometric mean (90% CI) Warfarin alone: Cycle 1, Day -7 Warfarin with regorafenib: Cycle 1, Day 14 オメプラゾール及び 5-OH オメプラゾール オメプラゾール 40mg 単独投与及びレゴラフェニブと併用投与した際のオメプラゾール及び 5- OH オメプラゾールの血漿中濃度 並びに 5-OH オメプラゾール / オメプラゾール比を表 に示した 投与 6 時間後のオメプラゾールと 5-OH オメプラゾールのデータにおけるオメプラゾール単独投与とレゴラフェニブとの併用投与後の 5-OH オメプラゾール / オメプラゾール比は同程度であり レゴラフェニブによる CYP2C19 の阻害はないことが示唆された ( 投与 2 時間後の比は 少数例であったため算出せず ) これらの結果は レゴラフェニブが CYP2C19 基質であるオメプラゾールの 5-OH オメプラゾールへの代謝に対して阻害作用はないことを示唆するものである

78 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 49 of 171 表 オメプラゾール 40mg 単独投与及びレゴラフェニブ 160mg と併用投与した際のオメプラゾール及び 5-OH オメプラゾールの血漿中濃度 ( 試験 12434) Geometric means (%CV) N = 15 subjects with advanced solid tumors Omeprazole alone Omeprazole with regorafenib Time Unit N Parameter value N Parameter value Omeprazole 2 hour post-dose μg/l 6 NC 3 NC 6 hour post-dose μg/l (585%) (801%) 5-OH Omeprazole 2 hour post-dose μg/l 6 NC 3 NC 6 hour post-dose μg/l (212%) (367%) Ratio metabolite / parent 2 hour post-dose - NC NC 6 hour post-dose (156%) (105%) Ratio analysis b omeprazole + regorafenib / omeprazole alone 2 hour post-dose - NC 6 hour post-dose ( ) Source: , PH-36865, Table 8-2 Median (range); b geometric mean (90% CI) Omeprazole alone: Cycle 1, Day -7 Omeprazole with regorafenib: Cycle 1, Day 14 NC:not calculated due to limited sample size ミダゾラム及び 1-OH ミダゾラム ミダゾラムとレゴラフェニブを併用投与した際 ミダゾラム単独投与に比べ C max はわずかに高かったが 平均血漿中濃度推移はほぼ同じであった ( 図 ) ミダゾラム及び 1-OH ミダゾラムの薬物動態学的パラメータを表 に示した レゴラフェニブとミダゾラムの併用投与により ミダゾラムの AUC 及び C max はミダゾラム単独投与に比べそれぞれ 12% 及び 28% 増加した 本試験のデータにおけるレゴラフェニブ併用投与時のミダゾラムの曝露量の増加は 臨床的に意味のあるものではないと考えられた これらの結果は ヒト in vivo においてレゴラフェニブが CYP3A4 の阻害剤ではないことを示唆するものであった レゴラフェニブとミダゾラムの併用投与による 1-OH ミダゾラムの AUC 及び C max は ミダゾラム単独投与時に比べ 19% 及び 23% 増加した

79 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 50 of 171 Midazolam 1-OH midazolam Concentration (mcg/l) Concentration (mcg/l) Time (hr) Time (hr) midazolam midazolam + regorafenib Source: , PH-36865, Figure 8-2 図 ミダゾラム 2mg 単独投与及びレゴラフェニブ 160mg と併用単回経口投与した際のミダゾラム及び 1-OH ミダゾラムの血漿中濃度推移 ( 試験 12434) ( 幾何平均値 N=15)

80 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 51 of 171 表 ミダゾラム 2mg 単独投与及びレゴラフェニブ 160mg と併用投与した際の血漿中ミダゾラム及び 1-OH ミダゾラムの薬物動態学的パラメータ ( 試験 12434) Geometric means (%CV) N = 15 subjects with advanced solid tumors Parameter Unit Midazolam alone Midazolam with regorafenib Midazolam (N=15) AUC μg h/l 32.9 (48.5%) 35.1 (63.8%) C max μg/l 9.68 (42.5%) 12.4 (47.0%) t max a h ( ) ( ) t 1/2 h 3.41 (73.2%) 3.49 (68.5) Ratio analysis b midazolam + regorafenib / midazolam alone AUC 1.12 ( ) C max 1.28 ( ) 1-OH midazolam (N=15) AUC μg h/l 9.04 (40.3%) 10.5 (69.6%) C max μg/l 3.20 (52.7%) 3.96 (62.9%) t max a h ( ) ( ) t 1/2 h 2.03 (47.7%) 2.13 (45.3%) Ratio analysis b midazolam + regorafenib / midazolam alone Source: , PH-36865, Table 8-3 a Median (range); b geometric mean (90% CI) Midazolam alone: Cycle 1, Day -7 Midazolam with regorafenib: Cycle 1, Day 14 AUC 1.19 ( ) C max 1.23 ( ) ロシグリタゾン及び N- 脱メチルロシグリタゾン ロシグリタゾン単独投与及びレゴラフェニブとの併用投与時のロシグリタゾン及び N- 脱メチルロシグリタゾン (CYP2C8 を介した代謝物 ) の平均血漿中濃度推移は類似していた ( 図 ) ロシグリタゾン及び N- 脱メチルロシグリタゾンの薬物動態学的パラメータを表 に示した レゴラフェニブとロシグリタゾンの併用投与は ロシグリタゾン及び N- 脱メチルロシグリタゾンの薬物動態学的パラメータをほとんど変化させなかった ロシグリタゾン及び N- 脱メチルロシグリタゾンの薬物動態に対するレゴラフェニブ併用投与の影響はみられなかった これらの結果は レゴラフェニブが CYP2C8 基質であるロシグリタゾンの代謝物 N- 脱メチルロシグリタゾンへの代謝に対して阻害作用はないことを示唆するものである

81 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 52 of 171 Rosiglitazone N-desmethyl rosiglitazone Concentration (mcg/l) Concentration (mcg/l) Time (hr) Time (hr) rosiglitazone rosiglitazone + regorafenib Source: , PH-36865, Figure 8-3 図 ロシグリタゾン 4mg 単独投与 (N=15) 及びレゴラフェニブ 160mg と併用経口投与 (N=13) した際のロシグリタゾン及び N- 脱メチルロシグリタゾンの血漿中濃度推移 ( 試験 12434)( 幾何平均値 )

82 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 53 of 171 表 ロシグリタゾン 4mg 単独及びレゴラフェニブ 160mg との併用単回経口投与後の血漿中ロシグリタゾン及び N- 脱メチルロシグリタゾンの薬物動態学的パラメータ ( 試験 12434) Geometric means (%CV) N = 15 subjects with advanced solid tumors Parameter Unit Rosiglitazone alone Rosiglitazone with regorafenib N Parameter Value N Parameter Value Rosiglitazone AUC μg h/l (36.0%) (37.3%) c C max μg /L (35.9%) (49.7%) d a t max h ( ) ( ) d t 1/2 h (25.2%) (27.6%) C Ratio analysis b rosiglitazone+regorafenib / rosiglitazone alone AUC ( ) C max ( ) N-desmethyl rosiglitazone AUC μg h/l (30.4%) c (28.1%) e C max μg /L (24.8%) (24.7%) d t max a h ( ) ( ) d t 1/2 h (34.0%) c (19.3%) e Ratio analysis b rosiglitazone+regorafenib / rosiglitazone alone AUC ( ) C max ( ) Source: , PH-36865, Table 8-4 a Median (range); b geometric mean (90% CI); c N=12; d N=13; e N=9 Rosiglitazone alone: Cycle 1, Day -7 Rosiglitazone with regorafenib: Cycle 1, Day 14 レゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 レゴラフェニブ 160mg 1 日 1 回投与の投与 14 日目にワルファリン オメプラゾール及びミダゾラム ( プローブ基質 A) 又はロシグリタゾン ( プローブ基質 B) を併用単回投与した際のレゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 の平均血漿中濃度推移を図 に示した また グループ A 及びグループ B におけるレゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータを表 に示した レゴラフェニブ及び M-2 の薬物動態学的パラメータは ワルファリン オメプラゾール及びミダゾラム ( プローブ基質 A) 併用投与時とロシグリタゾン ( プローブ基質 B) との併用投与時で同等であった 一方 ワルファリン オメプラゾール及びミダゾラム ( プローブ基質 A) の併用投与時の M-5 の薬物動態学的パラメータは ロシグリタゾン ( プローブ基質 B) の併用投与時に比べて低かった M-5 の薬物動態学的パラメータは ワルファリン オメプラゾール及びミダゾラム ( プローブ基質 A) 併用投与時にわずかに低い値を示したが 代謝物 M-5 で認められる通常のばらつきの範囲内であり 臨床的に重要なものではないと考えられた

83 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 54 of 171 Regorafenib + Probe Substrates A Regorafenib + Probe Substrate B 4 4 Concentration (mg/l) Concentration (mg/l) Time (hr) 0 Regorafenib M2 (BAY ) M5 (BAY ) Time (hr) Source: , PH-36865, Figure 8-4 ( 幾何平均値 グループ A:N=15 グループ B:N=13) サイクル 1 の Day -7 に単独投与した後 プローブ基質をサイクル 1 の Day 14 に単回投与プローブ基質 A: ワルファリン 10 mg ビタミン K :10mg オメプラゾール 40mg ミダゾラム 2mg プローブ基質 B: ロシグリタゾン 4mg 図 レゴラフェニブ 160mg 1 日 1 回投与の投与 14 日目にプローブ基質を併用単回投与した際のレゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 の血漿中濃度推移 ( 試験 12434)

84 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 55 of 171 表 レゴラフェニブ 160mg 1 日 1 回投与の投与 14 日目にプローブ基質を併用単回投与した際のレゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 12434) Geometric means (%CV)[range] N = 15 subjects with advanced solid tumors for each group Parameter Unit Regorafenib with warfarin 10 mg, omeprazole 40 mg and midazolam 2 mg (Group A) Regorafenib with rosiglitazone 4 mg (Group B) N Parameter value N Parameter value Regorafenib AUC(0-24) ss mg h/l (72.8%) [ ] (45.8%) [ ] C max,ss mg/l (61.3%) [ ] (51.9%) [ ] a t max,ss h [ ] [ ] M-2 (BAY ) AUC(0-24) ss mg h/l (65.7%) [ ] (63.0%) [ ] C max,ss mg/l (61.7%) [ ] (67.7%) [ ] a t max,ss h [ ] [ ] M-5 (BAY ) AUC(0-24) ss mg h/l (103%) [ ] (112%) [ ] C max,ss mg/l (121%) [ ] (101%) [ ] a t max,ss h [ ] [ ] Source: , PH-36865, Table 8-5 a Median [range] Probe substrates were administered as single doses on Day 14 of Cycle 1 (prior administration: Day -7 of Cycle 1). Warfarin, omeprazole, and midazolam were administered as a cocktail がん患者を対象とした特別な試験 試験 QT/QTc への影響を検討した試験 試験 14814( PH 参照 ) 本試験 ( 試験 14814) は 進行性固形がん患者を対象として心血管系に対する安全性 忍容性 薬物動態及び効果を評価するためのレゴラフェニブの非盲検 非無作為化第 Ⅰ 相臨床試験である 目的 試験デザイン及び方法 本試験は 進行性固形がん患者を対象とし 心血管系の安全性パラメータ 特に QT/QTc 間隔及び左心室駆出率 (LVEF) に対するレゴラフェニブの影響を評価することを主要目的とした 副次目的として これらの被験者におけるレゴラフェニブの安全性 薬物動態 抗腫瘍効果及び QT/QTc 以外の ECG 間隔 (QRS 及び PR など ) に対するレゴラフェニブの影響を評価した

85 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 56 of 171 本試験は多施設共同 非対照 非盲検 非無作為化試験として米国 6 施設で実施した (20 H 年 ~20 年 ) 3 週間投与 /1 週間休薬スケジュールにおいて低脂肪の朝食後にレゴラフェニブ 160mg(4 40mg 錠 ) を 1 日 1 回投与された ECG 上の QT 及び QTc 間隔は サイクル 1 の Day -1( ベースライン ) 及びサイクル 1 又はサイクル 2 の Day 21 において 24 時間にわたりホルター心電図モニタリングにより測定した LVEF はマルチゲート (MUGA) スキャンにより評価した レゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 の測定のために サイクル 1 の Day 21 の投与後 24 時間まで血漿検体を採取した 試験対象集団 進行性固形がん患者 53 例 ( 男性 26 例 女性 27 例 ) が登録され 治験薬を投与された ( 安全性解析対象集団 ) 安全性解析対象集団のベースライン時点の平均年齢は 59.8 歳 (39 歳 ~79 歳 ) 平均体重は 81.2±25.5kg( 算術平均 ± 標準偏差 ) 及び平均 BMI は 27.5±7.5kg/m 2 であった 被験者のほとんどは白人 (50 例 ) であった 53 例のうち 薬物動態解析対象集団は 38 例 ( 男性 20 例 女性 18 例 ) ホルター ECG 解析対象集団は 30 例 ( 男性 17 例 女性 13 例 ) 及び LVEF 解析対象集団は 27 例 ( 男性 15 例 女性 12 例 ) であった 薬物動態の結果 サイクル 1 の 21 日目における平均血漿中濃度推移において レゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 はいずれも投与直前 (0 時点 ) で最高血漿中濃度を示し レゴラフェニブ及び M-2 は投与 3 時間 ~5 時間後に 2 番目のピークを示した また M-5 濃度は投与 24 時間後まで上昇し続けた 血漿中濃度のばらつきは大きく 数例の被験者では投与 10 時間又は投与 24 時間後に C max に到達した レゴラフェニブ及び代謝物の t max の中央値は 約 3 時間であった この結果は 腸肝循環によって血漿中濃度 - 時間推移が不安定になっているためと考えられた 平均血漿中濃度に対するピーク / トラフ比は約 2 倍と極めて小さかった 薬物動態解析対象集団全体 ( レゴラフェニブ 80mg 120mg 又は 160mg1 日 1 回投与 N=38) 及びサブ集団 ( レゴラフェニブ 160mg1 日 1 回投与 用量調整なし N=25) のレゴラフェニブ M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータを表 及び表 に要約した 本試験では 消失半減期が正確に算出できず 外挿法では AUC(0-24) の推定値を誤る可能性があることから AUC(0-t last) の値を示した [ なお 全被験者の最終検体採取時点 (t last) は 23 時間 ~25 時間の範囲であった )] 薬物動態学的パラメータのばらつきは レゴラフェニブよりも代謝物 M-2 及び M-5 の方が大きかった H ここで報告する結果及び に示した治験総括報告書は 20 年月日をデータカットオフ日としてまとめた その時点で 患者 21 例がレゴラフェニブ投与中であった ( 全例 2 サイクルを超える投与を完了 ) 本項に記載した薬物動態解析及び薬力学的主要評価項目の結果は 最終的な解析結果である 今後 レゴラフェニブ長期継続投与患者の LVEF 評価を実施する予定である

86 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 57 of 171 表 レゴラフェニブ 80mg 120mg 又は 160mg を 1 日 1 回投与した際のレゴラフェニブ及び代謝物 (M-2 及び M-5) の薬物動態学的パラメータ ( 用量調整した患者を含む 試験 14814) N = 38 subjects valid for PK analysis Geometric mean (%CV) Analyte AUC(0-t last) ss C max,ss a t max,ss [mg h/l] [mg/l] [h] Regorafenib 48.3 (59.1) b 3.56 (48.9) 3.10 (0-24.1) M (105) b 2.60 (89.2) 2.96 (0-24.9) M (223) b 1.89 (186) 2.46 (0-25.2) Source: , PH-36866, Table 9-21 a median (range); b N = 37 Cycle 1 or 2, Day 21 (80, 120, or 160 mg regorafenib once daily for 21 days) t last varied between 23 and 25 h. 表 レゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回投与した際のレゴラフェニブ及び代謝物 (M-2 及び M-5) の薬物動態学的パラメータ ( 用量調整なし 試験 14814) N = 25 subjects valid for PK analysis (subpopulation of PK analysis set) Geometric mean (%CV) Analyte AUC(0-t last) ss C max,ss a t max,ss [mg h/l] [mg/l] [h] Regorafenib 53.8 (46.5) b 3.99 (34.3) 3.17 (0-24.1) M (73.3) b 3.21 (62.1) 3.00 (0-24.1) M (154) b 2.42 ( (0-25.2) Source: , PH-36866, Table 9-22 a median (range); b N = 24 Cycle 1 or 2, Day 21 (160 mg regorafenib once daily for 21 days) t last varied between 23 and 25 h. レゴラフェニブ及び代謝物の尿中への排泄の有無を評価するため サイクル 1 又はサイクル 2 の Day 21 に尿検体を採取した 尿中におけるレゴラフェニブ及び M-2 の濃度は定量限界未満であった レゴラフェニブ 160mg 1 日 1 回投与を行った薬物動態解析対象サブ集団 ( 用量調整なし ) における代謝物 M-7( レゴラフェニブのグルクロン酸抱合体 ) の投与後 24 時間までの累積排泄量 [Ae ur(0-24)] の算術平均値は 12.9mg(5.72mg~31.8mg) であり 排泄率は 5.92% (2.62%~14.6%) であった また 代謝物 M-8(M-2 のグルクロン酸抱合体 ) の Ae ur(0-24) の算術平均値は 6.28mg(1.16 mg~13.4mg) であり 排泄率は 2.81%(0.519%~5.99%) であった QT/QTc 間隔の評価 本試験は 1 サイクル以上のレゴラフェニブ投与後の t max 時点における QTcF のベースラインに対する変化量 ( ホルター ECG で測定 ) 及び 2 サイクル以上のレゴラフェニブ投与後の左室駆出率 (LVEF) のベースラインに対する変化量 (MUGA スキャンで測定 ) の 2 種類の薬力学的主要評価項目を用いてレゴラフェニブ投与による心血管系リスクを評価することを目的とした

87 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 58 of 171 QT/QTc における主要解析では 期間中の用量調整がないホルター ECG 解析対象集団かつ薬物動態解析対象集団である被験者集団 (25 例 ) を対象とし 各被験者のレゴラフェニブの t max 時点における QTcF のベースラインに対する変化量を評価した QTcF QTcB 及び QT のベースライン及びレゴラフェニブの t max 時点における値 並びに t max 時点におけるベースラインに対する変化量を表 に示した t max 時点における QTcF 及び QTcB のベースラインに対する変化量の平均値は それぞれ -2msec(90%CI:-8msec, + 3msec) 及び -4msec(90%CI:-10msec, +1msec) であった また t max 時点における QTcF 及び QTcB のベースラインに対する変化量の中央値は それぞれ -5msec( 範囲 :-28msec~+ 28msec) 及び -6msec( 範囲 :-30msec~+34msec) であった 表 サイクル以上のレゴラフェニブ投与後におけるレゴラフェニブの t max 時点の QT/QTc のベースラインに対する変化量 [ ホルター ECG のサブ集団 ( 用量調整なし ) かつ薬物動態解析対象集団 N=25]( 試験 14814) ECG Interval QTcF, N = 25 QTcB, N = 25 QT, N = 25, Value at time point (msec) Change from baseline at t max (msec) Statistic Baseline t max [90% CI] a Mean ( SD) 419 ( 19) 417 ( 21) -2 ( 15) [-8; 3] Median (min, max) 420 (355, 444) 417 (368, 462) -5 (-28, 28) Mean ( SD) 435 ( 17) 430 ( 23) -4 ( 16) [-10; 1] Median (min, max) 437 (398, 462) 426 (391, 480) -6 (-30, 34) Mean ( SD) 391 ( 33) 392 ( 36) 1 ( 24) [-7; 10] Median (min, max) 402 (282, 430) 388 (310, 459) 1 (-49, 52) Source: , PH-36866, Table 9-5 CI = confidence interval; ECG = electrocardiogram; max = maximum; min = minimum; QT = QT interval (uncorrected); QTcB = Bazett-corrected QT interval; QTcF = Fridericia-corrected QT interval Note: above results rounded to the nearest integer. Baseline was defined as average of the baseline QT/QTc intervals recorded on Day -1 of Cycle 1. a Based on t-test 用量調整を行った被験者も含めたホルター ECG 解析対象集団全例 (N=30) を対象に主要評価項目の感度分析を実施した ホルター ECG 解析対象集団全体の結果は ホルター ECG 解析対象サブ集団 ( 用量調整なし ) の結果と同様であった QT/QTc 間隔の探索的解析として 投与前日 ( サイクル 1 の Day -1) の QT 及び QTc の全測定値の平均値をベースライン時点の QT 及び QTc 値とし 24 時間ホルター ECG モニタリングにより得られた QTcF 及び QTcB のベースラインに対する最大変化量を評価した QTcF 及び QTcB のベースラインに対する最大変化量の中央値は それぞれ +3msec 及び +2msec であった スクリーニング時の QTc に関する被験者選定条件は 470msec 未満であり 投与後のホルター心電図 ( プロトコールではサイクル 1 Day 21) 中に 480msec を超える QTcF 又は QTcB 値を示した被験者はみられなかった ECG パラメータ解析として QRS 及び PR 間隔が記録 解析された レゴラフェニブの t max 時点におけるベースラインに対する QRS 間隔及び PR 間隔の平均変化量はそれぞれ -1msec 及び - 4msec であり 共にわずかに短縮した また QRS 及び PR 間隔のベースラインに対する最大変化量の中央値はそれぞれ +4msec 及び +8msec であった これらの最大変化量のわずかな変動は 臨床的に意味のあるものではないと考えられた

88 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 59 of 171 本試験では別の主要変数として左室駆出率 (LVEF) を評価した LVEF 解析対象サブ集団 ( 減量なし ) を対象に LVEF の主要解析を実施した 本集団は 投与開始後の LVEF 評価前に投与中断がなく 最大用量 (160mg 1 日 1 回 ) のレゴラフェニブ投与を 2 サイクル行った被験者 (N= 15) とした 主要評価項目であるサイクル 2 の投与 21 日目の LVEF のベースラインに対する変化量の平均値 ± 標準偏差は -0.1±8.6%(N=14) であり レゴラフェニブ投与後の最初の LVEF 評価時点 ( サイクル 2 以降の場合も含む ) のベースラインに対する変化量の平均値は -0.5± 8.4% であった ( 表 ) 表 来院時ごとの LVEF 及びベースラインに対する変化量 ( 減量なしの LVEF 解析対象集団の部分集団 N=15)( 試験 14814) Value at visit (%) Change from baseline a (LVEF%) Visit n Mean (±SD) Median (min, max) Mean (±SD) Median (min, max) Baseline (± 7.1) 63 (50, 75) - - First Post b (± 7.1) 66 (48, 76) -0.5 (± 8.4) 1 (-13, 17) C2, D (± 7.0) 67 (48, 76) -0.1 (± 8.6) 1 (-13, 17) C5, D1 c (± 8.7) 69 (52, 71) -3.0 (± 5.4) -1 (-11, 2) End of study (± 11.1) 66 (48, 76) 2.2 (± 9.2) 1 ( -6, 16) Source: , PH-36866, Table 9-18 C = cycle; D = day; LVEF = left ventricular ejection fraction; max = maximum; min = minimum; SD = standard deviation. Note: Subject may have missed taking 4 tablets during Cycle 1 (but was included in this analysis. a Change from baseline was calculated for each subject who had a baseline and postbaseline MUGA scan b First post baseline assessment that occurred at any time after the first dose of regorafenib. c Actual LVEF evaluation was conducted during the last 7 days of this cycle, per protocol 感度分析として ベースライン及びいずれかの投与後の LVEF データを有し かつ LVEF 評価前にレゴラフェニブ 80mg 以上の投与を行っていた LVEF 解析対象集団全例を対象とした解析も実施した 被験者は 投与開始後の LVEF 評価前に 10 日を超える投与中断がなく レゴラフェニブの投与期間が 35 日以上 ( 計画された投与期間の 50% を超える期間 ) であることを条件とした 投与後の LVEF データを有する 27 例における LVEF のベースラインに対する変化量の平均値は 1.5±7.8% であった サイクル 5 サイクル 8 及び最終観察時点の LVEF のベースラインに対する変化量の平均値 ± 標準偏差は それぞれ -0.4±5.2%( サイクル 5 N=9) 4.0±4.6%( サイクル 8 N=3) 及び 1.9±6.9%( 最終観察時点 N=9) であった ( 表 )

89 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 60 of 171 表 来院時ごとの LVEF 及びベースラインに対する変化量 (LVEF 解析対象集団 N=27)( 試験 14814) Value at visit (%) Change from baseline a (LVEF%) Visit n Mean (±SD) Median (min, max) Mean (±SD) Median (min, max) Baseline (± 7.7) 62 (50, 78) - - First Post b (± 7.4) 66 (48, 76) 1.5 (± 7.8) 1 (-13, 17) C2, D (± 7.7) 66 (48, 76) 1.4 (± 8.4) 1 (-13, 17) C5, D1 c (± 7.2) 64 (52, 71) -0.4 (± 5.2) 1 (-11, 5) C8, D1 c (± 6.7) 72 (63, 76) 4.0 (± 4.6) 3 (0, 9) End of study (± 9.8) 65 (48, 76) 1.9 (± 6.9) 1 (-6, 16) Source: , PH-36866, Table 9-19 C = cycle; D = day; LVEF = left ventricular ejection fraction; max = maximum; min = minimum; SD = standard deviation. a Change from baseline was calculated for each subject who had a baseline and postbaseline MUGA scan b First post baseline assessment that occurred at any time after the first dose of regorafenib. c Actual LVEF evaluation was conducted during the last 7 days of this cycle, per protocol. 本試験で得られたデータを用いたより保守的な追加解析においても LVEF パラメータのベースラインに対する変化量の変動は同程度であった 特に レゴラフェニブ 120mg 以上の高用量を投与した LVEF 解析対象集団 ( ベースラインといずれかの投与後の LVEF データを有する被験者集団 ) の LVEF のベースラインに対する変化量の平均値は 0.8±7.8%(N=21) であり この高用量を投与した LVEF 解析対象集団のサイクル 2 の 21 日目の LVEF のベースラインに対する変化量の平均値 ± 標準偏差 ( 主要評価項目 ) は 0.6±8.1% であった (N=18) この解析対象集団は他の解析に比べて小さい集団であるものの レゴラフェニブのほぼ最大の曝露量下においても LVEF はベースライン値と同様又はわずかに正の変化を示した 個別値の評価では 4 例に 10% を超えるベースラインからの LVEF の低下が認められた ( いずれも 20% 未満 ) このうち 2 例の LVEF 値は投与期間の初期に評価されたものであった 10% を超える LVEF の低下を認めた個々の被験者の評価では 2 例はその後も減量を行わずにレゴラフェニブ投与を継続していた間に LVEF が正常化したことが示された 他の 2 例に関しては LVEF の低下を説明できる妥当性のある医学所見が認められた ( 新たに発現した心房細動 新たに開始したクロニジン投与 ) 更に ベースラインからの LVEF の低下は 10% 未満であるものの LVEF 値が 50% 未満となった被験者が 1 例認められた 全体的に ベースライン時点とレゴラフェニブ投与期間中の LVEF の差はわずかなものであり また統計学的に有意な差ではなかったことから これらの差は臨床的に意味の意ある差とは考えられなかった この結果から レゴラフェニブは心筋収縮能に悪影響を与えないことが示唆された 一般に全般的な健康状態は時間と共に悪化し 転移がんの患者では他の心機能と同様に LVEF は保持されずに低下していくと予想されるため LVEF の変化がないことは注目に値する しかしながら この所見はより長期の LVEF の結果で確認する必要があるため 最終的な結論には至っていない 曝露量 - 反応関係の解析 ホルター ECG 及び薬物動態の解析対象集団の両方の解析対象となった被験者 (29 例 ) を対象に 血漿中濃度と QT 及び QTc のベースラインに対する変化量の関係を評価した レゴラフェニブ

90 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 61 of 171 代謝物 M-2 及び M-5 の血漿中濃度とこれらのパラメータのベースラインに対する変化量との間に明らかな正の相関はみられなかった 健康被験者を対象とした第 Ⅰ 相臨床試験 生物薬剤学的試験 試験 食事の影響試験 試験 14656( PH 参照 ) 本試験 ( 試験 14656) は 健康被験者を対象としたレゴラフェニブ 160mg の単回経口投与の薬物動態における高脂肪朝食及び低脂肪朝食の影響を検討するための無作為化 非盲検 3 期クロスオーバー第 Ⅰ 相臨床試験である ( 参照 ) 目的 試験デザイン及び結果 本試験の主要目的は レゴラフェニブの薬物動態に対する食事 ( 低脂肪及び高脂肪朝食 ) の影響を評価することであった 副次目的は 単回投与後のレゴラフェニブの安全性及び忍容性を評価すること 並びに主代謝物の薬物動態に対する食事の影響を評価することであった 本試験は 健康男性被験者を対象とした単施設 非盲検 無作為化 3 期クロスオーバー試験として 米国にて実施した (20 年 ~20 年 ) 投与は以下のとおりとした (a) レゴラフェニブ 160mg(4 40mg 錠 ) を空腹時単回投与 (b) レゴラフェニブ 160mg(4 40mg 錠 ) を低脂肪の朝食摂取直後に単回投与 (c) レゴラフェニブ 160mg(4 40mg 錠 ) を高脂肪の朝食摂取直後に単回投与 投与後 4 時間は絶食とした 各投与期 [(a) (b) (c)] の間に 14 日間の休薬期間を設けた 血漿中レゴラフェニブ及びその代謝物 (M-2 及び M-5) の薬物動態を検討するために投与後 336 時間まで血漿検体を採取した 試験デザイン及び食事内容は FDA ガイドラインに従った I 試験対象集団 平均年齢 32.5 歳 (18 歳 ~45 歳 ) 及び平均 BMI 26.4±3.5kg/m 2 の健康男性 24 例がいずれかの投与順に無作為に割り付けられた 全被験者が薬物動態解析対象となった 薬物動態の結果 薬物動態学的パラメータの概要を表 に 統計解析結果を表 に要約した 図 はレゴラフェニブ M-2 及び M-5 に対する血漿中濃度推移を示した I U.S. Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration, Center for Drug Evaluation and Research (CDER) & Center for Veterinary Medicine (CVM). Guidance for Industry Bioanalytical Method Validation U.S. Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration, Center for Drug Evaluation and Research (CDER). Guidance for Industry: Foodeffect Bioavailability and Fed Bioequivalence Studies U.S. Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration, Center for Food Safety and Applied Nutrition, Office of Nutrition, Labeling and Dietary Supplements. Guidance for Industry: A Food Labeling Guide

91 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 62 of 171 レゴラフェニブの AUC 及び C max は低脂肪及び高脂肪朝食後で同様の値であり AUC 及び C max の高脂肪 / 低脂肪の比の 90%CI は 生物学的同等性の判定規準内 (80%~125%) にあった 食後投与時 ( 低脂肪又は高脂肪 ) と空腹時投与で比較したところ 空腹時投与に比べて食後においてレゴラフェニブの曝露量は増加した レゴラフェニブを低脂肪朝食後に投与した場合 空腹時投与に比べ M-2 及び M-5 の AUC 及び C max は高値であり 高脂肪朝食後投与では 空腹時投与に比べ M-2 及び M-5 の AUC 及び C max は低値であった 本剤のバイオアベイラビリティに及ぼす食事の影響の機序としては 食事の摂取により難溶性のレゴラフェニブの溶解性が増したことにより 消化管内での未変化体の吸収が高まり 曝露量が増加したことが考えられる 一方 代謝物 M-2 及び M-5 の曝露量が高脂肪食摂取後においてのみ低下した理由は不明である しかしながら 本薬の代謝 排泄経路から 低脂肪食摂取後と高脂肪食摂取後で胆汁への排泄及び腸肝循環の過程において何らかの差異があったことが推察される すなわち M-5 の曝露量の低下は M-2 の吸収量の低下と直接的に関連すると考えられることから 食事によって小腸上皮細胞に存在している CYP3A の代謝能が何らかの理由により低下あるいは飽和しており M-2 の生成量が減少した可能性や あるいは高脂肪食の存在により消化管での腸内細菌の活動が抑えられたことで M-2 のグルクロン酸抱合体の開裂が阻害された結果 消化管からの M-2 の吸収量が減少したなど 主代謝物の吸収阻害が生じたことも要因として考えられる 低脂肪朝食後にレゴラフェニブを投与すると レゴラフェニブと代謝物の累積曝露量は最も高値であった

92 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 63 of 171 Source: ,PH-36525, Figure 9-1 ff. 図 空腹時及び低脂肪及び高脂肪朝食後にレゴラフェニブ 160mg を単回経口投与した際のレゴラフェニブ並びに M-2(BAY ) 及び M-5(BAY ) の血漿中濃度 ( 試験 14656)( 幾何平均値 )

93 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 64 of 171 表 空腹時及び低脂肪及び高脂肪朝食後にレゴラフェニブ 160mg を単回経口投与した際の血漿中レゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 14656) Geometric means (%CV) N = 24 healthy men Analyte Treatment AUC [mg h/l] [mg/l] [h] Regorafenib Fasted 45.4 (36.9) 1.25 (36.9) 4 (2-24) 37.9 (28.7) Low-fat 61.8 (31.4) 1.93 (28.0) 4 (2-16) 35.0 (20.9) High-fat 67.3 (35.6) 2.16 (31.8) 6 (3-6) 35.0 (21.7) M-2 Fasted 27.4 (52.8) (45.7) 4 (2-24) 28.1 (21.6) Low-fat 38.3 (37.2) 1.17 (34.6) 6 (3-16) 26.2 (21.5) High-fat 21.9 (70.2) (66.3) 6 (3-12) 27.5 (23.0) M-5 Fasted 12.8 (68.6) (64.0) 24 (4-48) 64.1 (28.0) Low-fat 15.7 (41.5) (41.0) 48 (12-96) 56.8 (17.3) High-fat 6.22 (71.6) (78.2) 48 (12-96) 65.5 (36.6) Source: , PH-36525, Table 9-1 and Table 14.4/2 * median (range) Fasted: 4 40mg regorafenib tablets administered after overnight fasting Low-fat: 4 40mg regorafenib breakfast High-fat: 4 40mg regorafenib breakfast C max t max * t ½ [h] tablets administered immediately after a low-fat tablets administered immediately after a high-fat

94 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 65 of 171 表 空腹時及び低脂肪及び高脂肪の食後投与時のレゴラフェニブの薬物動態学的パラメータの比較 ( 試験 14656) N = 24 subjects valid for PK analysis Analyte Comparison Parameter N Point estimate [%] (Ratio) 2-sided 90% Cl [%] Regorafenib Low-fat / fasted AUC [123 ; 150] C max [138 ; 173] High-fat / fasted AUC [134 ; 164] C max [154 ; 193] High-fat / low-fat AUC [98.6 ; 120] C max [100 ; 125] M-2 Low-fat / fasted AUC [115 ; 169] C max [106 ; 159] High-fat / fasted AUC [66.1 ; 96.8] C max [59.1 ; 88.4] High-fat / low-fat AUC [47.3 ; 69.4] C max [45.4 ; 67.9] M-5 Low-fat / fasted AUC [101 ; 149] C max [89.1 ; 140] High-fat / fasted AUC [40.0 ; 59.3] C max [32.5 ; 51.1] High-fat / low-fat AUC [32.6 ; 48.3] C max [29.1 ; 45.7] Source: ,PH-36525, Table 9-2 Fasted: 4 40mg regorafenib tablets administered after overnight fasting Low-fat: 4 40mg regorafenib tablets administered immediately after a low-fat breakfast High-fat: 4 40mg regorafenib tablets administered immediately after a high-fat breakfast 試験 バイオアベイラビリティ試験 試験 12437( PH 参照 ) 本試験は 1 100mg 錠と 3 20mg 錠及び 4 40mg 錠投与時のレゴラフェニブのバイオアベイラビリティを比較するための 2 期 単回投与 無作為化 非盲検第 Ⅰ 相臨床試験である ( 参照 ) 目的 試験デザイン及び方法 健康男性被験者を対象にレゴラフェニブ 160mg を 4 40mg 錠 (test treatment: オパドライコーティングによる錠 / 申請製剤 ) 及び 1 100mg 錠 +3 20mg 錠 (reference treatment: 自社標準フィルムコーティングによる錠 / 旧錠 ) として単回投与した際のレゴラフェニブ 160mg の相対的バイオアベイラビリティを評価することを主要目的とした 副次目的は 2 度の単回投与後のレゴラフェニブの安全性及び忍容性を評価することであった 試験は単施設 非盲検 無作為化 2 期クロスオーバー試験として 20 年に米国で実施した 各被験者は test reatment 又は reference treatment にてレゴラフェニブ 160mg を 7 日間の休

95 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 66 of 171 薬期間を設けクロスオーバーにて空腹時単回投与された レゴラフェニブ M-2 及び M-5 の薬物動態を評価するため投与後 168 時間まで血漿検体を採取した 試験対象集団 健康男性 48 例が試験に組み入れられ 46 例が薬物動態解析対象となった 年齢は 34.0 歳 (18 歳 ~45 歳 ) 平均体重は 81.0kg(54.0kg~110kg) 及び平均 BMI は 25.7kg/m 2 (18.5kg/m 2 ~ 31.8kg/m 2 ) であった 薬物動態の結果 レゴラフェニブ及び M-2 の血漿中平均濃度推移は両投与群で類似していた M-5 の平均濃度推移は同様のパターンを示したが 濃度レベルは異なっていた ( 図 ) レゴラフェニブ及び M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータを表 に要約した 未変化体の AUC 及び C max は両製剤で同様であった また AUC 及び C max 比 (4 40mg/1 100mg+3 20mg) の 90%CI は 生物学的同等性の判定規準内 (80%~125%) にあった ( 表 ) 代謝物(M-2 及び M-5) の比の 90%CI は生物学的同等性の判定規準の上限をわずかに超えていた しかしながら 旧錠に比べて申請製剤投与後においてわずかに高かった代謝物濃度は 臨床的に意味のある差とは考えられなかった

96 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 67 of 171 Source: , PH-36595, 12437, Figure 9-1 図 空腹時に異なる錠剤処方のレゴラフェニブ 160mg を単回経口投与した際のレゴラフェニブ (BAY ) 並びに代謝物 M-2(BAY ) 及び M-5(BAY ) の血漿中濃度推移 ( 試験 12437) 表 異なる錠剤処方のレゴラフェニブ 160mg を単回経口投与した際の血漿中レゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 12437) Geometric means (%CV) N = 46 healthy men Analyte Treatment AUC [mg h/l] [mg/l] [h] Regorafenib Test 41.8 (34.2) 1.23 (40.6) 4 (2-16) 31.1 (35.2) Reference 41.9 (34.7) 1.11 (43.4) 4 (2-16) 30.1 (36.3) M-2 Test 26.9 (45.3) (42.2) 4 (2-16) 25.1 (25.4) Reference 23.1 (59.1) (57.3) 4 (2-16) 24.9 (27.9) M-5 Test 13.0 (73.1) (60.3) 36 (12-72) 51.8 (59.0) Reference 10.7 (89.7) (95.4) 24 (8-96) 50.6 (51.0) Source: , PH-36595, Table 9-1 and Table 14.4/2 ff. * median (range) C max t max * Test: 160mg regorafenib as 40mg tablets (#142) Reference: 160mg regorafenib as 100mg (#101) + 20mg tablets (#021) t ½ [h]

97 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 68 of 171 表 錠剤処方の違いによるレゴラフェニブ及び M-2 M-5 の曝露量の比較 ( 試験 12437) Analyte Parameter Comparison N CV [%] Point estimate [%] (Ratio) 2-sided 90% confidence interval [%] Parent AUC Test/Reference [93.0 ; 107] C max Test/Reference [101 ; 122] M-2 AUC Test/Reference [105 ; 129] C max Test/Reference [110 ; 140] M-5 AUC Test/Reference [110 ; 141] C max Test/Reference [104 ; 131] Source: , PH-36595, Table 9-2 Test: 160mg regorafenib as 40mg tablets (#142) Reference: 160mg regorafenib as 100mg (#101) + 20mg tablets (#021) 健康被験者を対象とした代謝試験 健康被験者を対象としたマスバランス試験及び薬物相互作用試験の成績について以下に示した 試験 [ 14 C] マスバランス試験 試験 12436( PH 及び A59022 参照 ) 本試験 ( 試験 12436) は 健康男性被験者に [ 14 C] レゴラフェニブ 120mg( 液剤 ) を単回投与した際の代謝 排泄 マスバランス 安全性 忍容性及び薬物動態を評価するための単施設 非盲検 非無作為化 非プラセボ対照試験である 目的 試験デザイン及び方法 本試験は 健康男性被験者を対象とし [ 14 C] レゴラフェニブの薬物動態 代謝及びマスバランスを検討することを主要目的とした 副次目的は忍容性を確認することであった 試験は単施設 非盲検 非無作為化 非プラセボ対照試験として 20 年に英国で実施された 被験者は絶食下で [ 14 C] レゴラフェニブ ( 経口液剤 )120mg を単回投与した 血液 尿及び糞便が投与後 288 時間 (12 日間 ) まで採取された 血漿 血液及び排泄物中の放射能は液体シンチレ ション (LSC 法 ) により測定した LSC 法の定量限界は血漿 30μg-eq/L 全血液 50μg-eq/L 糞便 0.05μg-eq/g 及び尿 0.016μg-eq/g であった 代謝物測定のために血漿 尿及び糞便試料をオフライン放射能検出器を接続した HPLC 分析装置に注入した 血漿及び排泄物中で同定された代謝物の構造式は LC-MS/MS NMR 及び合成標品との比較により確認された レゴラフェニブ未変化体の血漿中濃度は LC-MS/MS により測定された

98 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 69 of 171 試験対象集団 平均年齢 36.8 歳 (32 歳 ~46 歳 ) 平均体重 86.5kg(75.7kg~91.9kg) 及び平均 BMI 25.8kg/m 2 (24.4kg/m 2 ~27.4kg/m 2 ) の健康白人男性 4 例が試験に組み入れられた 全被験者が薬物動態解析対象となった 薬物動態の結果 血漿中のレゴラフェニブ未変化体及び総放射能 血漿及び全血液中の平均レゴラフェニブ及び総放射能濃度推移を図 に 薬物動態学的パラメータを表 に示した 血中の総放射能濃度は 血漿に比べ低濃度であったが おおむね血漿濃度と平行して消失したことから レゴラフェニブが赤血球に特異的に結合しないことが示された 全被験者において 総放射能 レゴラフェニブ及び M-2 の濃度推移は投与後 1 時間 ~48 時間にいくつかのピークを示し 腸肝循環が示唆された Source: , PH-36734, Figure 9-1 図 [ 14 C] レゴラフェニブ 120mg を液剤として単回経口投与した際の血漿中レゴラフェニブ (BAY ) 濃度並びに血漿及び全血中放射能濃度 ( 試験 12436) ( 幾何平均値 N=4)

99 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 70 of 171 表 [ 14 C] レゴラフェニブ 120mg を液剤として単回経口投与した際の血漿中レゴラフェニブ濃度並びに血漿及び全血中の放射能濃度の薬物動態学的パラメータ ( 試験 12436) Geometric means (%CV) N = 4 healthy young men AUC [mg h/l] ** C max [mg/l] ** Analyte Matrix [h] Regorafenib (LC-MS/MS) Plasma 39.0 (34.9) 1.58 (36.2) 1.25 ( ) 48.6 (23.6) Radioactivity Plasma 84.2 (47) 2.90 (31) 1.50 (1-4) 37.6 (11) Whole blood 56.0 (39) 1.95 (19) 1.50 (1-4) 30.4 (8) Source: , PH-36734, Table 9-1 * median (range) ** mg-eq instead of mg in the case of radioactivity analyses t max * t ½ [h] 血漿中の代謝物プロファイル 血漿試料が得られた全時点において 血漿中の放射能の 89% 以上が レゴラフェニブに由来する構造既知の代謝物として同定可能であった ほとんどの採血点において 血漿中の主要な成分としてレゴラフェニブが検出された 投与後 144 時間までの AUC に基づき代謝物のプロファイルを要約すると レゴラフェニブが総放射能の 57.4% 主代謝物 M-2 が 28.7% を占めた M-5 及び M-7 は 総放射能のそれぞれ 6.3% 及び 3.1% を示した ( 表 ) さらに 血漿中におけるその他の微量代謝物として M-1 M-3 M-4 及び M-8 が同定された 表 健康男性被験者 4 例に [ 14 C] レゴラフェニブ 120mg を液剤として単回経口した際の [ 14 C] レゴラフェニブ由来の総放射能 並びにレゴラフェニブ及び代謝物の AUC(0-144)( 試験 12436) Arithmetic mean (range) Analyte AUC(0-144) % of AUC(0-144) [mg-eq h/l] of total radioactivity Total radioactivity 83.7 ( ) 100 Regorafenib 48.0 ( ) 57.4 M ( ) 28.7 M ( ) 6.3 M ( ) 3.1 Source: , A59022, Table 6-10 排泄及びマスバランス 12 日間の採取期間内に投与された放射能の約 90%( 平均値 ) が尿及び糞便中から回収された 主な排泄経路は胆汁 / 糞便を介する経路であった ( 投与量の約 71%) 尿への排泄は投与量の約 19% であった ( 表 )

100 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 71 of 171 累積腎排泄率は投与後 4 日目に一定になり 以降の増加はみられなかった ( 平均値 ± 標準偏差 :16.6±3.3%) 糞便中への排泄は比較的遅く 累積排泄率は投与 2 4 及び 8 日目に それぞれ 23.1±19.7% 46.3±8.8% 及び 67.8±5.5% であった ( 図 ) 表 [ 14 C] レゴラフェニブ 120mg を単回経口投与した際の投与後 12 日目までの累積排泄率 ( 試験 12436) Arithmetic mean ± standard deviation (range) N Urine Feces Total [% of dose] [% of dose] [% of dose] Excretion of radioactivity over 12 days post-dose ±3.7( ) 71.2±3.8( ) 90.5±3.0( ) Source: , PH-36734, Table 9-3 尿及び糞便中における代謝物 尿中からは代謝物 M-7 及び M-8 が検出され 排泄率はそれぞれ投与量の約 13.0% 及び約 5% であった ( 表 ) レゴラフェニブは検出されなかった 尿中の放射能の約 88%~94% は構造既知の代謝物として同定可能であった 糞便中の代謝物については 未変化体が投与量の約 47% を占めた カルボン酸体 M-6 は糞便中で投与量の約 15% を占め レゴラフェニブに次ぐ量的に多い代謝物として同定された 糞便中から検出された微量の代謝物 ( 投与量の約 1%~3%) としては M-3 及び M-4 が同定された ( 表 ) N- グルクロン酸抱合体 M-7 の排泄率は被験者間で差が認められた (4 例中 2 例でごく微量 他の 2 例で約 6% 及び 14% の排泄率 ) 合計で 糞便中から検出された放射能の 98% 以上が既知の構造として同定できた 糞便中に検出されたレゴラフェニブは 未吸収の薬物 吸収後に胆汁中に分泌された薬物もしくは腸内に分泌された代謝物 M-2 及び M-7 が腸内細菌叢によって未変化体に変換されたものなどを含んだ総量として考えることができる レゴラフェニブは CYP3A4(M-2 及び M-3) 及び CYP2J2 (M-3) を介する酸化反応 ( 第 Ⅰ 相反応 ) により代謝され M-3 M-4 M-6 及び M-8 を生成し これら代謝物は投与量の 18%~35%( 平均 24%) を占めた UGT1A9 によるグルクロン酸抱合反応 ( 第 Ⅱ 相反応 ) を受けて生成した M-7 は 投与量の約 11%~25%( 平均 18%) を占めた これら第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相反応によって生成される M-2 及び M-7 は 糞中で未変化体に変換されるため これら代謝物の生成量は過小に評価された可能性がある ( 参照 )

101 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 72 of 171 表 健康男性被験者 4 例を対象に [ 14 C] レゴラフェニブ 120mg を単回経口投与した際の尿及び糞便中のレゴラフェニブ及び代謝物の回収率 ( 試験 12436) Arithmetic mean (range) Urine [% of dose] M ( ) - Feces [% of dose] M ( ) 5.1 ( ) M ( ) M ( ) M ( ) Regorafenib ( ) Total [% of dose] Calculated sum 17.7 ( ) 70.8 ( ) 88.5 ( ) * Source: , A59022, Table 6-21 Sampling period: 12 days post-dose * Difference to 100% is the sum of unknown metabolites and radioactivity not excreted 試験 ケトコナゾールとの薬物相互作用試験 試験 12435( PH 参照 ) 本試験は 健康被験者にレゴラフェニブの単回経口投与後の薬物動態に対するケトコナゾ ルの影響を検討するための非無作為化 非盲検第 Ⅰ 相臨床試験である 目的 試験デザイン及び方法 本試験は 健康男性被験者を対象とし レゴラフェニブの薬物動態に対するケトコナゾ ルの影響を検討することを主要目的とした 副次目的はレゴラフェニブ単独及びケトコナゾールと併用投与した際の安全性及び忍容性を評価し レゴラフェニブの主代謝物 (M-2 及び M-5) の薬物動態に対するケトコナゾ ルの影響を検討することであった In vitro 試験において CYP3A4 がヒト肝ミクロソームにおけるレゴラフェニブの第 Ⅰ 相酸化的代謝の重要な酵素であることが判明している 試験は 単施設 非無作為化 非盲検試験として 20 年に米国で実施した 各被験者は 14 日間の休薬期間を置いて レゴラフェニブを 2 回単回経口投与された レゴラフェニブとケトコナゾールを併用投与した場合にレゴラフェニブの曝露量が増加するリスクがあったので 初回の被験者 6 例 ( コホート 1) ではレゴラフェニブ 1 回 80mg(40mg 錠 2 錠 ) のみを投与し 次の被験者 ( コホート 2) はレゴラフェニブ 1 回 160mg(40mg 錠 4 錠 ) を投与した レゴラフェニブの初回投与では併用薬なしに行い 2 回目の投与では 400mg ケトコナゾールと併用投与した ケトコナゾールの投与 (400mg 1 日 1 回経口投与 ) は レゴラフェニブの 2 回目の投与前 Day -4 に開始し 7 日間 ( コホート 1) 又は 18 日間 ( コホート 2) 継続した 低脂肪 ( 総カロリーに占める脂肪の割合が 30% 以下 ) 朝食はレゴラフェニブ及び / 又はケトコナゾールの服用前 15 分以内に摂取された レゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態を検討するためレゴラフェニブの投与後 336 時間まで血漿検体を採取した

102 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 73 of 171 試験対象集団 コホート 1 は平均年齢 35.8 歳 (24 歳 ~43 歳 ) 平均体重 84.2±7.2kg( 算術平均 ± 標準偏差 ) 及び平均 BMI 26.4±1.7kg/m 2 の健康男性被験者 6 例であった コホート 2 は平均年齢 34.0 歳 (20 歳 ~45 歳 ) 平均体重 77.8±12.2kg 及び平均 BMI24.9± 3.8kg/m 2 の健康男性被験者 18 例であった 各コホートの被験者の 50% が黒人 50% が白人であった 全被験者が薬物動態解析対象となった 薬物動態の結果 レゴラフェニブ単独投与と比べ ケトコナゾール併用投与によりレゴラフェニブ未変化体の血漿中濃度はわずかに上昇し 代謝物 M-2 及び M-5 の血漿中濃度は低下した これは 80mg 及び 160mg のいずれの用量についても同様であった 160mg 投与時の血漿中濃度推移を図 ~ 図 に示した レゴラフェニブ単独投与時及びケトコナゾールとの併用投与時におけるレゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータを表 に要約した 統計解析結果を表 に示した レゴラフェニブ 160mg をケトコナゾールと併用投与した際 レゴラフェニブの AUC 及び C max はレゴラフェニブ単独投与と比べそれぞれ 33% 40% 増加し M-2 及び M-5 の AUC 及び C max は 90% 以上減少した レゴラフェニブ 160mg 単独投与と比べ レゴラフェニブをケトコナゾールと併用投与した際のレゴラフェニブ曝露量が高い傾向並びに M-2 及び M-5 曝露量が低い傾向は 被験者を通してみられた ( 図 ) これはレゴラフェニブ 80mg に関しても同様であった 代謝物 M-2 の未変化体に対する代謝物比はレゴラフェニブ 80mg 及び 160mg 単独投与後でそれぞれ 44.2% 及び 65.4% であったが ケトコナゾールの併用投与した際にはそれぞれ 2.35% 及び 2.78% に低下した 同様の結果は M-5 についてもみられ レゴラフェニブ 80mg 及び 160mg 単独投与後でそれぞれ 12.6% 及び 25.1% であったが ケトコナゾールの併用投与した際にはそれぞれ 1.45% 及び 1.36% に低下した 強力な CYP3A4 阻害剤であるケトコナゾールを併用した場合 レゴラフェニブの曝露量に対する影響はわずかであったが レゴラフェニブの代謝物 (M-2 及び M-5) の曝露量に対しては著明な影響が認められた

103 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 74 of Concentration (mg/l) Regorafenib Regorafenib + Ketoconazole Concentration (mg/l) Regorafenib Regorafenib + Ketoconazole Time (hr) Source: , PH-36717, Figure Time (hr) 図 ケトコナゾール 400mg と併用投与及び非併用投与した際のレゴラフェニブ 160mg 単回経口投与後のレゴラフェニブの血漿中濃度推移 ( 線形及び片対数スケール )( 試験 12435)( 幾何平均値 N=18) M-2 M-2 + Ketoconazole M-2 M-2 + Ketoconazole Concentration (mg/l) Concentration (mg/l) Time (hr) Source: , PH-36717, Figure Time (hr) 図 ケトコナゾール 400mg と併用投与及び非併用投与した際のレゴラフェニブ 160mg 単回経口投与後の代謝物 M-2 の血漿中濃度推移 ( 線形及び片対数スケール )( 試験 12435)( 幾何平均値 N=18)

104 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 75 of M-5 M-5 + Ketoconazole M-5 M-5 + Ketoconazole Concentration (mg/l) Concentration (mg/l) Time (hr) Source: , PH-36717, Figure Time (hr) 図 ケトコナゾール 400mg と併用投与及び非併用投与した際のレゴラフェニブ 160mg 単回経口投与後の代謝物 M-5 の血漿中濃度 ( 線形及び片対数スケール ) ( 試験 12435)( 幾何平均値 N=18) AUC (mg*hr/l) AUC (mg*hr/l) AUC (mg*hr/l) Regorafenib Regorafenib + Ketoconazole Source: , PH-36717, Figure 9-8 M-2 M-2 + Ketoconazole M-5 M-5 + Ketoconazole 図 ケトコナゾール 400mg の併用及び非併用時におけるレゴラフェニブ 160mg 単回経口投与後の血漿中レゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の AUC 個別値 ( 試験 12435)( 幾何平均値 N=18)

105 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 76 of 171 表 ケトコナゾール 400mg と併用及び非併用投与した際のレゴラフェニブ 80mg 及び 160mg 単回経口投与後の血漿中レゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 12435) Geometric means (%CV) Analyte Treatment a AUC C max t max t ½ Regorafenib conazole Keto N [mg h/l] [mg/l] [h] [h] Regora- 80mg (19.9) 1.10 (22.8) 4 (4-16) 38.9 (26.4) fenib 80mg 400mg/d (24.5) 1.44 (24.8) 4 (4-4) 37.0 (18.6) 160mg (39.1) 2.01 (35.1) 4 (2-12) 30.5 (16.7) 160mg 400mg/d (33.3) 2.82 (42.3) 4 (4-16) 34.3 (24.0) M-2 80mg (42.6) (38.4) 8 (4-16) 28.5 (22.1) 80mg 400mg/d (66.7) (54.2) 24 (12-24) 44.0 (35.0) 160mg (53.6) 1.19 (38.7) 4 (4-16) 28.0 (24.6) 160mg 400mg/d (52.8) (60.1) 16 (4-48) 38.2 (41.9) M-5 80mg (67.4) (67.4) 48 (16-96) 74.5 (9.90) 80mg 400mg/d (188) b (81.7) d 12 (4-24) 122 (201) b 160mg (90.2) (91.6) 48 (12-72) 61.5 (27.0) 160mg 400mg/d (103) c (79.4) 12 (4-48) 75.8 (88.9) c Source: , PH-36717, Tables 9-1, 9-2, 9-3 a median (range) b N = 4; c N = 17; d N=5 80mg group: 6 healthy men 160mg group: 18 healthy men Treatment regimen: single doses of regorafenib on Day 1 and Day 19 and ketoconazole 400mg once daily from Day 15 onwards for 7 days (Cohort 1) or 18 days (Cohort 2). Both medications were administered after a low-fat breakfast 表 ケトコナゾールとの併用によるレゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の曝露量の比較 ( 試験 12435) Analyte Comparison Parameter N Point estimate [%] (Ratio) 2-sided 90% confidence interval [%] Regora- 80mg regorafenib AUC [103 ; 156] fenib + ketoconazole 400mg/d / 80mg regorafenib alone C max [105 ; 166] 160mg regorafenib AUC [121 ; 146] + ketoconazole 400mg/d / 160mg regorafenib alone C max [125 ; 158] M-2 80mg regorafenib AUC [5.33 ; 8.66] + ketoconazole 400mg/d / 80mg regorafenib alone C max [2.41 ; 4.44] 160mg regorafenib AUC [4.88 ; 6.46] + ketoconazole 400mg/d / 160mg regorafenib alone C max [2.28 ; 3.27] M-5 80mg regorafenib AUC [6.02 ; 37.5] + ketoconazole 400mg/d / 80mg regorafenib alone C max [4.27 ; 20.0] 160mg regorafenib AUC [5.05 ; 9.26] + ketoconazole 400mg/d / 160mg regorafenib alone C max [5.28 ; 7.72] Source: , PH-36717, Table mg group: 6 healthy young men; 160mg group: 18 healthy young men Treatment regimen: single doses of regorafenib on Day 1 and Day 19 and ketoconazole 400mg once daily from Day 15 onwards for 7 days (Cohort 1) or 18 days (Cohort 2). Both medications were administered after a low-fat breakfast

106 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 77 of 試験 リファンピシンとの薬物相互作用試験 試験 15524( PH 参照 ) 本試験は 健康被験者にレゴラフェニブ 160mg の単回経口投与後の薬物動態に対するリファンピシンの影響を検討するための非無作為化 非盲検第 Ⅰ 相臨床試験である 目的 試験デザイン及び方法 健康男性被験者を対象とし レゴラフェニブの薬物動態に対する強力な CYP3A4 誘導剤リファンピシンの影響を検討することを主要目的とした 副次目的は レゴラフェニブ単独及びリファンピシン併用投与したレゴラフェニブの安全性及び忍容性を評価し レゴラフェニブの主代謝物 (M-2 及び M-5) の薬物動態に対するリファンピシンの影響を検討することであった 試験は 単施設 非無作為化 非盲検試験として 20 年に米国で実施された 各被験者は 3 週間の休薬期間を設け レゴラフェニブ 160mg(40mg 4 錠 ) を 2 回単回経口投与した レゴラフェニブの初回投与は単独投与で行われ 2 回目の投与は 600mg リファンピシンと併用投与した リファンピシン投与 (600mg 1 日 1 回 ) はレゴラフェニブの 2 回目の投与前 Day -6 に開始し 9 日間継続した レゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態を検討するためにレゴラフェニブの投与後 336 時間まで血漿検体を採取した レゴラフェニブは絶食後の朝に投与し リファンピシンは食前又は食後 2 時間のいずれかに投与した 試験対象集団 健康男性被験者 24 例に治験薬を投与した 22 例 ( 黒人 5 例 白人 17 例 ) が薬物動態解析対象となった 本対象集団の平均年齢は 28.0 歳 (18 歳 ~39 歳 ) 平均体重は 82.4kg(63.8kg~ 115kg) 及び平均 BMI は 26.3kg/m 2 (22.3kg/m 2 ~30.1kg/m 2 ) であった 薬物動態の結果 リファンピシンとの併用投与時におけるレゴラフェニブ及び M-2 の血漿中濃度は レゴラフェニブ単独投与時に比べ速い消失を示した リファンピシンとの併用投与時における M-5 の血漿中濃度は レゴラフェニブ単独投与時に比べ高い値を示した また レゴラフェニブ M-2 及び M- 5 の血漿中濃度推移からは複数のピークが観察された ( 図 ~ 図 ) レゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータを表 に 統計解析結果を表 に示した レゴラフェニブをリファンピシンと併用投与した際 レゴラフェニブ単独投与と比べ レゴラフェニブの AUC 及び C max は共に著しく減少した ( それぞれ 50% 20% の減少 ) 代謝物 M-2 の AUC には大きな変化はみられなかったが M-2 の C max の増加 (58%) 及び代謝物 M-5 の AUC 及び C max の 3 倍 ~4 倍の増加がみられた 個々の被験者では リファンピシン併用時のレゴラフェニブ曝露量の低下分と M-5 曝露量の増加分は一致していたが M-2 曝露量の増減には被験者間でばらつきがみられた ( 図 ) リファンピシンと併用投与した際の未変化体に対する代謝物 M-2 の AUC 比は レゴラフェニブ単独投与と比べて 49% から 88% に増加し 代謝物 M-5 の同比は 18% から 133% に増加した

107 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 78 of 171 以上より 強力な CYP3A4 誘導剤であるリファンピシンはレゴラフェニブ及び M-5 の曝露量に対して影響を及ぼしたが M-2 の曝露量に対してはほとんど影響を及ぼさなかった regorafenib regorafenib + rifampin regorafenib regorafenib + rifampin Concentration (mg/l) Concentration (mg/l) Time (hr) Source: , PH-36716, Figure 9-1 Time (hr) 図 リファンピシン 600mg と併用投与及び非併用投与した際のレゴラフェニブ 160mg 単回経口投与後のレゴラフェニブの血漿中濃度 ( 線形及び片対数スケール )( 試験 15524)( 幾何平均値 N=22)

108 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 79 of 171 Source: , PH-36716, Figure 9-2 図 リファンピシン 600mg と併用投与及び非併用投与した際のレゴラフェニブ 160mg の単回経口投与後の代謝物 M-2 の血漿中濃度 ( 線形及び片対数スケール )( 試験 15524)( 幾何平均値 N=22) M5 (regorafenib) M5 (regorafenib + rifampin) M5 (regorafenib) M5 (regorafenib + rifampin) Concentration (mg/l) Concentration (mg/l) Time (hr) Source: , PH-36716, Figure Time (hr) 図 リファンピシン 600mg と併用投与及び非併用投与した際のレゴラフェニブ 160mg 単回経口投与後の代謝物 M-5 の血漿中濃度 ( 線形及び片対数スケール ) ( 試験 15524)( 幾何平均値 N=22)

109 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 80 of AUC (mg*hr/l) AUC (mg*hr/l) AUC (mg*hr/l) Regorafenib Regorafenib + Rifampin Source: , PH-36716, Figure 9-4 M-2 M-2 + Rifampin M-5 M-5 + Rifampin 図 リファンピシン 600mg の併用投与及び非併用投与した際のレゴラフェニブ 160mg 単回経口投与後の血漿中レゴラフェニブ並び代謝物 M-2 及び M-5 の AUC 個別値 ( 試験 15524)( 幾何平均値 N=22) 表 リファンピシン 600mg と併用及び非併用投与した際のレゴラフェニブ 160mg 単回経口投与後の血漿中レゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 15524) Geometric means (%CV) N = 22 healthy men Analyte Treatment 1 AUC C max t max t ½ Regorafenib Rifampin [mg h/l] [mg/l] [h] [h] Regorafenib 160mg (36) 1.53 (34) 4 (2-4) 37.0 (23) 160mg 600mg/d 25.5 (31) 1.23 (51) 4 (2-4) 27.0 (33) M-2 160mg (46) (40) 4 (2-4) 34.0 (32) 160mg 600mg/d 22.4 (42) 1.46 (49) 4 (4-4) 19.3 (33) M-5 160mg (54) (53) 24 (4-96) 67.7 (21) 160mg 600mg/d 34.0 (61) (70) 24 (4-72) 68.9 (27) Source: , PH-36716, Table median (range) Treatment regimen: single doses of regorafenib on Period 1 Day 1 and Period 2, Day 1 and rifampin 600mg once daily from Period 1, Day 15 onwards, for 9 days. Regorafenib was administered under fasting conditions, rifampin 1 hour before or 2 hours after a meal.

110 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 81 of 171 表 リファンピシンとの併用によるレゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の曝露量の比較 ( 試験 15524) Analyte Comparison Parameter N Regorafenib 160mg regorafenib + rifampin 600mg/d / 160mg regorafenib alone Point estimate [%] (Ratio) 2-sided 90% confidence interval [%] AUC [45.2 ; 56.2] C max [67.6 ; 95.5] M-2 160mg regorafenib AUC [78.2 ; 106] + rifampin 600mg/d / 160mg regorafenib alone C max [132 ; 188] M-5 160mg regorafenib AUC [290 ; 456] + rifampin 600mg/d / 160mg regorafenib alone C max [328 ; 533] Source: , PH-36716, Table 9-2 Treatment regimen: single doses of regorafenib on Day 1 and Day 21 and rifampin 600mg once daily from Day 15 onwards for 9 days. Regorafenib was administered under fasting conditions, rifampin 1 hour before or 2 hours after a meal がん患者を対象とした第 Ⅱ/Ⅲ 相臨床試験 試験 韓国人 HCC 患者及び白人 HCC 患者の薬物動態 試験 14596( A51601 参照 ) 本試験 ( 試験 14596) は HCC 患者を対象としたレゴラフェニブの非対照 非盲検 多施設共同第 Ⅱ 相安全性試験である 目的 試験デザイン及び方法 HCC 患者を対象とした本第 Ⅱ 相臨床試験は 安全性を確認することを主要目的とした 副次目的は種々の有効性パラメータを評価することであった さらに韓国人 HCC 患者におけるレゴラフェニブの定常状態における薬物動態を検討し 白人 HCC 患者におけるレゴラフェニブ及びその主代謝物のトラフ濃度を測定することとした 試験は EU 及び韓国の 13 施設において国際共同 多施設共同 非盲検 非対照試験として実施された (20 ~20 J ) 3 週間投与 /1 週間休薬のスケジュールでレゴラフェニブ 160mg(4 40mg 錠 ) を 1 日 1 回投与した 治験薬は低脂肪の朝食後に服用された レゴラフェニブ 並びに代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態を検討するために 白人被験者においてレゴラフェニブを少なくとも 14 日の連続投与後 ( サイクル 1 Day 15) 及び 1 週間休薬後 ( サイクル 2 Day 1) の投与前に血漿検体を採取した 韓国人被験者については サイクル 1 の Day 21 において投与後 96 時間目までの血漿検体を採取した J ここで報告する結果及び に示した治験総括報告書のためのデータカットオフ日は 20 年月日とした その時点で 各患者は早期中止でない場合は 最低 2 サイクル観察されていた

111 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 82 of 171 試験対象集団 被験者 36 例 ( 男性 32 例 女性 4 例 アジア人 10 例 白人 26 例 ) を対象集団とした 平均年齢 59.6 歳 (40 歳 ~76 歳 ) 平均体重 71.3kg(51kg~104kg) 及び平均 BMI 24.4kg/m 2 (16.6 kg/m 2 ~33.2kg/m 2 ) であった 韓国人集団の人口統計学的特性及びベースライン特性は 年齢が 65 歳未満であった以外 全体の試験対象集団と同様であった 韓国人集団では男性 7 例及び女性 1 例 平均年齢は 50.3 歳 (40 歳 ~64 歳 ) 平均体重は 67.3kg(53.0kg~81.7kg) 及び平均 BMI は 24.9kg/m 2 (24.9kg/m 2 ~24.9kg/m 2 ) であった すべての韓国人被験者 (8 例 ) が薬物動態解析対象となった 血漿検体の採取前に投与中断又は減量が行われた被験者のトラフ濃度は評価から除外された 薬物動態の結果 韓国人 HCC 患者における薬物動態成績 レゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 の平均血漿中濃度推移は 投与後に複数のピークを示し 腸肝循環の可能性が示唆された ( 図 ) 反復投与後のレゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 の血漿中薬物動態学的パラメータを表 に要約した AUC(0-24) のばらつき (CV) は未変化体で 38% であり 代謝物 M-2 及び M-5 のばらつきも大きかった ( それぞれ 106% 及び 193%) また いずれの t max 値もばらつきが大きかった 代謝物 M-2 及び M-5 の曝露量は それぞれレゴラフェニブの約 32% 及び約 11% であった 表 韓国人 HCC 患者にレゴラフェニブ 160mg 1 日 1 回反復経口投与した際の血漿中レゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 14596) Geometric means (%CV) N = 8 Korean patients with hepatocellular carcinoma AUC(0-24) ss Analyte [mg h/l] C max,ss t max,ss a [h] [mg/l] Regorafenib 27.0 (38) 2.51 (41) 4 (0-48) M (106) (76) 14 (0-96) M (193) (150) 13.5 (0-96) Source: , A51601, Table 9-7 a median (range) Cycle 1, Day 21 (160mg regorafenib once daily for 21 days)

112 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 83 of 171 Source: , A51601, Figure 9-8 図 韓国人 HCC 患者にレゴラフェニブ 160mg を反復経口投与 ( サイクル 1 Day 21) した際の血漿中レゴラフェニブ (BAY ) 並びに代謝物 M-2(BAY ) 及び M-5(BAY ) の血漿中濃度推移 ( 試験 14596) ( 幾何平均値 N=8) 白人 HCC 患者のトラフ濃度 レゴラフェニブ 160mg 1 日 1 回 14 日間投与後及び 7 日間休薬後のレゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の血漿中トラフ濃度の概要を表 に示した 7 日間休薬後の未変化体及び代謝物 M-2 の濃度は Day 15(14 日間投与後 ) に比べで顕著に低い値であった 一方 代謝物 M-5 のトラフ濃度は 休薬後にごくわずかに低下したのみで M-5 の消失半減期が長いことと合致する結果であった 表 白人 HCC 患者にレゴラフェニブ 160mg 1 日 1 回反復経口投与及び 1 週間休薬した際のレゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の血漿中トラフ濃度 (mg/l) ( 試験 14596) Geometric means (%CV) Caucasian patients with hepatocellular carcinoma After 14-day treatment Analyte (Cycle 1, Day 15) (N = 20) After 7-day washout (Cycle 2, Day 1) (N = 14) Regorafenib 1.77 (95) (260) M (156) (393) M (145) (447) Source: , A51601, Table 9-6

113 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 84 of 試験 RCC 患者の薬物動態 試験 11726( A46572 及び A55873 参照 ) 本試験 ( 試験 11726) は 未治療の転移性又は切除不能な腎細胞癌 (RCC) 患者を対象としたレゴラフェニブの非対照第 Ⅱ 相臨床試験である 目的 試験デザイン及び方法 RCC 患者を対象とし 有効性及び安全性を主要目的として試験を実施した 副次目的は 定常状態における薬物動態及びバイオマーカーの評価であった 本試験は 国際共同 多施設 非対照 非盲検 非無作為化 単群試験として米国及び欧州で実施された (20 ~20 K ) 被験者は 3 週間投与 /1 週間休薬スケジュールでレゴラフェニブ 160mg(40mg 錠又は 3 20mg 錠 mg 錠 ) を 1 日 1 回投与された 治験薬は空腹時又は低脂肪の朝食後に投与された 薬物動態及びバイオマーカー解析のための試料の採取は任意とした レゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態を検討するためにサイクル 1 の Day 15 における投与後 24 時間まで血漿検体を採取した バイオマーカー解析は スクリーニング時及びサイクル 1 及び 2 の Day 1 及び 15 に得られた血漿試料で実施した いくつかの血漿たん白をマルチプレックスイムノアッセイにより定量した 予定されていた腫瘍バイオプシーのバイオマーカー解析は採取された検体数が少なかったことより実施しなかった 試験対象集団 RCC 患者 49 例 ( 男性 27 例 女性 22 例 ) に治験薬を投与した 年齢の中央値は 62 歳 (40 歳 ~ 76 歳 ) BMI の中央値は 27.0kg/m 2 (N= kg/m 2 ~44.5kg/m 2 ) であった 49 例中 37 例が体重 70kg 以上であった 被験者の大部分は白人 (45 例 ) で 1 例は黒人 3 例は他の人種であった 14 例から薬物動態の成績が得られた 薬物動態の結果及び結論 レゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 の平均濃度推移からは投与後に複数のピークがみられ 腸肝循環の可能性が示唆された レゴラフェニブ 160mg を 15 日間投与後の RCC 患者 14 例 ( 部分集団 ) で測定されたレゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータを表 に要約した なお Day 15 において代謝物 M-5 は定常状態に達していないと思われる 代謝物の AUC 及び C max における被験者間のばらつきは大きく t max の範囲は広かった 代謝物 M-2 の AUC(0-24) はレゴラフェニブの約 71% であり 代謝物 M-5 の AUC(0-t last) はサイクル 1 Day 15 においてレゴラフェニブの約 42% であった K ここで報告する結果及び に示した治験総括報告書のためのデータカットオフ日は 20 年月日とした その時点で 患者 6 例がレゴラフェニブ投与中であった

114 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 85 of 171 表 レゴラフェニブ 160mg 1 日 1 回反復経口投与した際のレゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 試験 11726) Geometric means (%CV) N = 14 men and women with RCC AUC(0-24) ss Analyte [mg h/l] C max,ss t max,ss 1 [h] [mg/l] Regorafenib 58.3 (34) 4.49 (33) 3 (0.5 12) M (47) 2.83 (53) 3 (0.5 8) M (109) (122) 3 (0.5 24) Source: , A46572, Table median (range) 2 AUC(0-t last) Cycle 1, Day 15 (160mg regorafenib once daily for 15 days) 薬力学的パラメータ及びバイオマーカーの結果 マルチプレックスイムノアッセイによる血漿試料のバイオマーカー解析では レゴラフェニブ投与によりいくつかの血漿中たん白濃度が変化することが示された ( A55873 参照 ) VEGF ファミリーのリガンド (VEGF-A VEGF-D PlGF など ) はレゴラフェニブの投与後に増加し 一方 レゴラフェニブのターゲットと考えられるいくつかの受容体 (VEGFR2 KIT TIE1 など ) の循環血中 ( 可溶性 ) 濃度はレゴラフェニブの投与により減少した レゴラフェニブの投与後にみられた VEGF の増加及び svegfr2 の減少は VEGF/VEGFR2 シグナリングを阻害する他の薬物ですでに報告されており これらの同種薬剤に共通な作用と考えられる VEGF 及び svegfr2 などの血管新生に関連したたん白の一部がレゴラフェニブの投与後に変化するという結果は 血管新生の阻害が少なくとも抗腫瘍効果の機序の一つであることを示唆している 血漿中バイオマーカーたん白濃度と臨床的な抗腫瘍効果との関連性について検討した 例えば いくつかのたん白 (TIMP2 及び可溶性 TIE1 など ) のベースライン濃度は レゴラフェニブ投与で臨床反応があまりみられない患者グループに比べ より好ましい臨床反応を示した患者グループで高かった さらに CK18M30 濃度はレゴラフェニブ投与により増加したが レゴラフェニブに対しより好ましい臨床反応を示した患者グループでより高い増加を示した CK18M30 はアポトーシス細胞死後に放出されるサイトケラチン 18 のカスパーゼ - 開裂フラグメントである この結果はレゴラフェニブ投与後の血漿中 CK18M30 の増加が薬物で誘導された腫瘍細胞のアポト シスに起因するという仮説と一致する これらは非対照試験で行われたことから 観察されたベースラインのバイオマーカーとの相関性により疾患の薬物治療効果又は予後について予測できるかどうか明確に評価することは出来ない これらのデータは探索的なものであり より大規模で厳密な比較対照試験によるさらなる検証が必要と考える がん患者を対象とした薬物動態 / 薬力学評価を含む第 Ⅲ 相臨床試験 ( 試験 14387) 試験 14387( A R R PH PH PH 参照 ) 本試験は 標準治療施行後に病勢進行した転移性結腸 直腸癌患者を対象にレゴラフェニブ + ベストサポーティブケア (BSC) とプラセボ +BSC を比較する国際共同 無作為化 二重盲検 プラセボ対照 第 Ⅲ 相臨床試験である

115 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 86 of 171 本項では 試験 の薬物動態及び薬力学関連の評価 並びに曝露量 - 反応関係及び曝露量 - 安全性関係の解析について要約する 試験方法 / 対象集団 目的 試験デザイン及び方法 本試験では 標準化学療法施行後に病勢進行が認められた転移性結腸 直腸癌患者を対象にレゴラフェニブの有効性及び安全性を評価することを目的とした 有効性の主要評価項目は全生存期間 (OS) であり 副次評価項目は 無増悪生存期間 (PFS) 奏効率 及び病勢コントロール率 (DCR) とした その他の評価項目は 奏効期間 健康関連 QOL レゴラフェニブの薬物動態及びバイオマーカー評価とした 本試験は 国際共同 多施設共同 無作為化 二重盲検 プラセボ対照試験として 北米 欧 L 州 アジア及びオーストラリアの 15 ヵ国 105 施設で実施された (20 年 ~20 年 ) 被験者に レゴラフェニブ 160mg 又はプラセボをベストサポーティブケアの併用下で 1 日 1 回 3 週間投与 /1 週間休薬スケジュールで投与した 投与中断なくレゴラフェニブ 160mg 1 日 1 回を 14 日間以上投与した後 薬物動態解析を目的として サイクル 1 及びサイクル 2 の Day 15 に一部の被験者から少数点の血液検体 (2 検体 ~4 検体 / 被験者 ) を採取した 試験対象集団 レゴラフェニブ群に割り付けられた 505 例のうち 381 例 (75.4%) が薬物動態評価対象例となり さらに この 381 例を曝露量 - 有効性及び曝露量 - 安全性の評価 並びに母集団薬物動態解析の対象例とした 薬物動態解析対象集団は 男性 237 例 (62.2%) 女性 144 例 (37.8%) であった 本集団の平均年齢は 60.2 歳 (22 歳 ~82 歳 ) であり 白人 [310 例 (81.4%)] 又はアジア人 [45 例 (11.8%)] が被験者の大部分を占めた 薬物動態解析対象集団 381 例と本試験のレゴラフェニブ +BSC 群の全集団 (505 例 ) では 薬物動態解析対象集団で白人被験者の割合がわずかに高く ( 全集団 77.6% に対して 81.4%) アジア人被験者の割合がわずかに低いこと ( 全集団 15.0% に対して 11.8%) を除けば 両集団の人口統計学的特性及びベースライン特性は同様であった 母集団薬物動態解析 ( 試験 試験 11650) 試験 14387( R-8731 参照 ) 本解析では 試験 及び試験 で得られた薬物動態データを基にレゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態を記述するための母集団薬物動態モデルを構築した 本モデルは 試験 の共変量の影響に関する評価 並びに試験 の曝露量 - 反応関係及び曝露量 - 安全性関係の解析のための曝露量パラメータの推定に用いた まず最初に 試験 における頻回採血したデータを基に薬物動態モデルを構築した この母集団薬物動態解析には 被験者 67 例から得たレゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 のそ L ここで報告する結果及び に示した治験総括報告書は 20 年月日をデータカットオフ日とし てまとめた その時点で 患者 52 例がレゴラフェニブ投与中であった

116 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 87 of 171 れぞれ 1883 点 1565 点及び 1578 点の血漿中濃度データを用いた 次に 試験 から得たモデルのパラメータを試験 の結果から得た値ですべて固定し モデルを試験 から得たデータに当てはめた その後 1 つずつパラメータを固定せずに解析を実施し 目的関数が大きく改善したモデルを次の候補モデルとした 最適モデルが得られるまでこの手順を繰返した 試験 において治験薬投与を受け かつ薬物動態解析対象となったすべての被験者を母集団解析対象例とした 試験 において サイクル 1 の Day 15 でのみ 投与前 投与後 2 時間 ~4 時間及び投与後 5 時間 ~10 時間時点の 3 点を採取した また 特定の施設では全被験者において サイクル 1 及びサイクル 2 の Day 15 の投与前の検体を採取した 試験 から得た被験者 381 例 計 3696 点 ( レゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5: それぞれ 1229 点 1229 点及び 1238 点 ) の血漿中濃度データを母集団薬物動態解析に用いた すべての解析には NONMEM FOCE-inter M 法を用いた レゴラフェニブの血漿中濃度は 一次吸収 ( トランジットモデル ) と一次消失を伴う 2- コンパートメントモデルでよく記述できた 代謝物 M-2 及び M-5 の血漿中濃度は 共にに Michaelis-Menten 型の非線形消失を伴う 2- コンパートメントモデルでよく記述できた なお 代謝物の中央コンパートメントの分布容積はレゴラフェニブと同様とした N レゴラフェニブ及び代謝物の最終母集団薬物動態モデルの模式図を図 に示した M The first order conditional estimation with η-εinteraction N 本モデルにおいて レゴラフェニブは M-2 に完全に代謝されると仮定した 推定代謝経路 ( 図 ) では レゴラフェニブは他の代謝物にも代謝されると考えられる 更に 代謝物間の変換あるいはレゴラフェニブにも変換することもあると考えられる しかし 測定可能な血漿中濃度はレゴラフェニブ M-2 及び M-5 のみであり データに関する制限があるため 仮定を設けず 包括的で生理学的に正確なモデルを用いて これらの複雑なメカニズムを説明することは非常に困難であった このため 必要最低限の仮定に基づいて データを記述できるモデルを構築する方法を選択した 従って 代謝物に関するモデルの薬物動態学的パラメータは 本薬のモデルとの関係を示しているだけであり M-2 及び M-5 の生成 消失又は分布に関する固有のパラメータを示しているわけではない

117 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 88 of 171 Source: Module , R-8731, section 1 Parent: regorafenib; M2: metabolite M-2; M5: metabolite M-5; F1: relative bioavailability of tablet form; Vc: central volume of distribution; Vp-p: peripheral volume of distribution; CL: clearance; Vmax: maximum metabolic rate; KM: Michaelis constant; FRM5: fraction of the total of cleared M-2 that is metabolized to M-5 図 レゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 の母集団薬物動態モデルの模式図 共変量解析 ( 試験 14387) 母集団薬物動態モデルを用いて レゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態に対する内因性要因 [ 性別 体重 BMI 身長 年齢 人種 次のパラメータのベースライン値 : 推定糸球体濾過量 アルブミン 総たん白 ヘマトクリット ヘモグロビン 肝機能パラメータ ( ビリルビン ALT AST アルカリホスファターゼ ) 及び肝機能分類 ] を評価した ベースライン時点の総ビリルビン値の増加に伴い レゴラフェニブのクリアランスの低下が認められた この共変量をモデルに組み入れた影響としては ばらつきがわずかに減少したのみであった (CV 値が 45% から 44% に低下 ) ベースライン時点の総ビリルビン値 (BIL0) が高い場合は レゴラフェニブの曝露量の増加が認められた 対象集団全体の BIL0 の 5~95 パーセンタイル値 (0.2 mg/dl~1.2mg/dl) におけるレゴラフェニブ投与 21 日後の平均血漿中濃度 (C av,md) の範囲は 対象集団全体の中央値を基点とした場合 約 -14%~+18% であった M-2 の消失はレゴラフェニブのクリアランスと相関するため M-2 の曝露量に対するビリルビンの影響 ( 約 - 14%~+18%) はレゴラフェニブと同様であった M-5 に対するビリルビンの影響については ビリルビンの中央値における C av,md からの差が 6.8% 以下とわずかであった 肝機能に関する他の共変量 ( 肝機能分類 ALT AST 及びアルカリホスファターゼ ) は レゴラフェニブ M-2 及び M-5 の薬物動態に対して影響を与えなかった ベースライン時点の体重は レゴラフェニブの薬物動態に対して影響を及ぼさないものの 体重の増加に伴って M-2 及び M-5 の曝露量の低下が認められた 対象集団全体の体重の 5~95 パーセンタイル値 (48.9kg~100kg) におけるレゴラフェニブ反復投与後 21 日目の C av,md の範囲

118 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 89 of 171 は 対象集団全体の中央値における C av,md を基点として 約 -21%~+24% であり 体重は M-2 の曝露量に対して中程度の影響を示した 対象集団全体の M-2 の C av,md の 5~95 パーセンタイル範囲は mg/l~6.20mg/l であった M-2 の曝露量の全体的なばらつきに対する体重の影響は相対的に小さかった M-5 の曝露量に関しては 体重の影響に加えて 性別の影響が認められた 女性では血漿中濃度が相対的に高かった また 男性よりも女性の体重の中央値 ( 男性 76.0kg に対して女性 64.5kg) は低いので 性別と体重が互いの作用を増加させる結果となった 体重と性別の影響が合わさったことにより 標準的な男性患者に比べて標準的な女性患者の M-5 の C av,md は 77% 高値となった ( 男性 2.24mg/L に対して女性 3.95mg/L) しかしながら 男性患者及び女性患者の C av,md の 5~95 パーセンタイル範囲は それぞれ 0.241mg/L~10.0mg/L 及び 0.556mg/L~13.8mg/L であり これらの範囲と比べて 標準的な男性患者と標準的な女性患者における 77% の差は 非常にわずかなものであると考えられた ベースライン時点の他の共変量 ( 年齢 身長 BMI 人種 糸球体濾過量 血漿中アルブミン及び総たん白 ) は レゴラフェニブ M-2 及び M-5 の薬物動態に対して影響を与えなかった 母集団薬物動態の結論 統合した母集団薬物動態モデルは 試験 及び試験 のレゴラフェニブ 主代謝物 M-2 及び M-5 の血漿中濃度推移をよく記述していた 試験 の共変量解析において ベースライン時点のビリルビン高値はレゴラフェニブ及び M-2 並びに M-5 の曝露量の増加と関連があったが M-5 への影響の程度は小さいものであった 低体重は M-2 及び M-5 の曝露量の増加と関連があった また 男性患者に比べて女性患者では M-5 の曝露量の中央値が高かった レゴラフェニブ M-2 及び M-5 の薬物動態に影響する他の内因性要因は認められなかった レゴラフェニブの薬物動態におけるばらつきは クリアランスの CV が 44% と中程度であり M-2 及び M-5 の曝露量におけるばらつきはより大きいものであった 曝露量 - 有効性関係の解析 ( 試験 14387) 試験 14387( R-8737 参照 ) 本解析では 個々の曝露量の推定値と有効性の主要評価項目及び副次評価項目 並びに腫瘍の変化との関連を評価した 投与期間全体の平均血漿中濃度及び投与開始からサイクル 1~6 の最終時点までの平均血漿中濃度を曝露量の推定値とした これらの曝露量は 前項 ( 参照 ) で示した母集団薬物動態解析から推定した 初めに本解析では 生存解析及びロジスティック回帰分析を用いて評価した OS PFS 及び DCR に関して 試験 の被験者におけるレゴラフェニブの曝露量 - 反応 ( 有効性 ) 関係を示すことを目的とした OS PFS 及び DCR に関する曝露量 - 反応関係の解析では 投与期間の延長につれ 減量又は投与中断の機会が増加することによるバイアスの影響があり 投与期間が長期の被験者ほど投与期間全体の平均血漿中濃度が低くなった 完全奏効 (CR) 部分奏効 (PR) 又は病勢安定 (SD) の被験者では投与期間がより長期となり これらの被験者集団では平均血漿中濃度が低くなった 初回の投与サイクル以降に観察されたレゴラフェニブの平均血漿中濃度 並びにレゴラフェニブ及び代謝物 (M-2 及び M-5) の全体の平均血漿中濃度の低下を考慮して 各投与サイクルの曝露量の影響を評価するための別の解析を実施した 本解析において OS PFS 又は病勢コントロール率に対する曝露量の影響は認められなかった

119 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 90 of 171 他の共変量については 曝露量よりも有効性の変数に対して関連が認められた OS はベースライン時点の BMI が高い被験者 腫瘍径の合計が小さい被験者及び ECOG-PS 0 の被験者で延長した PFS はベースライン時点の腫瘍径の合計が小さい被験者及び ECOG-PS 0 の被験者で延長した DCR のオッズはベースライン時点の ECOG-PS 0 の被験者で高かった 次に本解析では 試験 の被験者における腫瘍成長に関するレゴラフェニブの曝露量 - 反応関係を示すことを目的とした 腫瘍成長に関する解析の結論は以下のとおりであった 腫瘍データは 1 次の 1 週間あたりの腫瘍増殖速度 (K L) と治療依存性である 1 次の 1 週間あたりの腫瘍縮小速度 (K D) から成る以下の式のモデルによってよく記述できた ここで y(t) は t 時点の腫瘍サイズ y(0) はベースライン時点の腫瘍サイズであり 残差変動を伴う共変量としてモデルに組み込まれた 被験者 1 人あたりの観察値が相対的に少ないため 個体間変動は K L に関してのみ認められた レゴラフェニブ群の被験者の K D の推定値は / 週であった レゴラフェニブの曝露量と K D との間に関連は認められず 薬剤の効果は対象集団で認められた曝露量の範囲において一定であった 本解析において 治療期間の経過に伴う薬剤耐性の発現の徴候は認められなかった 転移性疾患の診断から 18 ヵ月未満の被験者 (K L=0.262/ 週 ) に比べて転移診断後の経過期間が 18 ヵ月以上経過した被験者 (K L=0.190/ 週 ) では K L が 27% 低下した K D に関しては 診断からの期間の影響は認められなかった 評価した他の共変量 [ ベースライン時点の ECOG-PS 地理学的地域 性別 年齢及び BMI] は K L 及び K D に対して影響を与えなかった 曝露量 - 安全性関係の解析 ( 試験 14387) 試験 14387( PH 参照 ) 本解析は 曝露量と安全性パラメータとの関係の探索を目的とした 前項 ( 参照 ) で示した母集団薬物動態解析による曝露量の推定値と安全性データ [ すべての有害事象 (AE) すべての重篤な有害事象 (SAE) 下痢 粘膜炎 皮疹 手足症候群 高血圧及び出血 並びに ALT AST 総ビリルビン 血小板数及び蛋白尿の投与後の最悪のグレード 間接ビリルビンの投与後の最高値 ] との関連を評価した 解析された安全性データでは 有害事象の総発現率 すべての SAE 下痢 粘膜炎 皮疹 手足症候群 高血圧及び出血といった AE の発現率は曝露量と関連した顕著な増加を示さなかった グレード 3 の皮疹及び高血圧に関して レゴラフェニブ及び代謝物 (M-2 及び M-5) の総曝露量の増加に伴う発現率の増加が認められた レゴラフェニブ並びにレゴラフェニブ及び代謝物

120 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 91 of 171 (M-2 及び M-5) の総曝露量の下位 25% の集団と上位 25% の集団でのグレード 3 の皮疹の発現率を比較したとき それぞれ 3.1% から 6.3% 及び 1.0% から 9.5% に増加した また レゴラフェニブ及び代謝物 (M-2 及び M-5) の総曝露量の下位 25% の集団と上位 25% の集団でのグレード 3 の高血圧の発現率を比較したとき 7.3% から 12.6% に増加した 曝露量の増加に伴い レゴラフェニブ投与中に総ビリルビン増加の発現率及び間接ビリルビンの平均値及び中央値の増加が認められた ビリルビン増加とレゴラフェニブの曝露量との因果関係に関しては レゴラフェニブの曝露量へのベースライン時点の総ビリルビンの影響が認められているため これらのデータから判断することはできなかった 遺伝子バイオマーカーの解析 ( 試験 14387) 試験 14387( PH 参照 ) レトロスペクティブなバイオマーカーの探索的サブ試験の主要目的は バイオマーカーのサブグループと臨床結果 (OS PFS) との潜在的な相関性を評価するために 試験 の被験者から収集されたバイオマーカー試料を用いて 結腸 直腸癌 (CRC) とよく関連する 3 種のがん原遺伝子 (KRAS PIK3CA 及び BRAF) の変異の有無を評価することであった また 各種試料から検出した変異データ間の一致性の程度を評価することを目的とした KRAS PIK3CA 及び BRAF の変異は感度及び特異性が高い変異検出法である BEAMing を用いた de novo 解析で評価した 試験 の被験者の保存腫瘍組織及びベースライン時点に採取した血漿検体における KRAS PIK3CA 及び BRAF の活性型変異は 本検出法によって検出された ( 保存組織 BEAMing:KRAS 変異型 =59% PIK3CA 変異型 =12% BRAF 変異型 =1.5%; 血漿 BEAMing:KRAS 変異型 =69% PIK3CA 変異型 =17% BRAF 変異型 =3.4%) BEAMing 法で検出された変異の結果は 保存組織の抽出 DNA 及び血漿の抽出 DNA で得られた結果で高い一致を示した ( 一致性 :KRAS 76% PIK3CA 88% BRAF 97%) 今回の遺伝子変異の解析で評価されたすべてのバイオマーカーの部分集団 [KRAS 野生型 / 変異型 ( 血漿及び保存組織 ) PIK3CA 野生型 / 変異型 ( 血漿及び保存組織 ) KRAS 変異型 +PIK3CA 変異型 ( 血漿 ) KRAS 変異型 +PIK3CA 野生型 ( 血漿 ) 及び KRAS 野生型 +PIK3CA 野生型 ( 血漿 )] において プラセボと比較したレゴラフェニブの臨床的ベネフィットの傾向は明確であった このデータは KRAS PIK3CA どちらの変異の有無もレゴラフェニブ治療によるベネフィットの可能性が高い患者を選択するために有用なバイオマーカーではないことを示唆するものであった これらの部分集団解析で認められたレゴラフェニブの臨床的ベネフィットは 試験集団全体で認められたレゴラフェニブのベネフィットと一貫するものであった 本試験では BRAF 変異型の被験者が少数であったため BRAF の変異の有無に基づく相関解析を実施しなかった 臨床結果については 特に血漿を用いたバイオマーカーの相関解析における部分集団の結果は いずれも試験集団全体と相違ないことが示唆された

121 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 92 of 非遺伝子バイオマーカーの解析 ( 試験 14387) 試験 14387( PH 参照 ) レトロスペクティブなバイオマーカーの探索的サブ試験の主要目的は ベースライン時点の血漿検体から 15 種のたん白の定量を行い これらのたん白の値と臨床結果 (OS PFS) との間に考えられる相関性を評価することであった 血管新生に関連するたん白 (ANG-2 IL-6 IL-8 PlGF VEGFR-1 TIE-1 VEGF-A VEGF-C VEGF-D VEGF-A-121) 及び結腸 直腸癌の病因として既知又は仮説的役割があるたん白 (BMP-7 VWF M-CSF SDF-1 TIMP-2) を評価した ベースライン時点の血漿検体における評価対象たん白は マルチプレックスイムノアッセイ又は ELISA 法で定量した 試験 で無作為割り付けされた 760 例中 611 例 (80%) を本バイオマーカーの探索的解析の評価に含めた 評価される本部分集団は試験集団全体を代表する集団であると考えられた 評価した血漿中の 15 種のたん白のうち 転移性結腸 直腸癌被験者の OS 及び PFS の両方に関してレゴラフェニブの臨床的ベネフィットを予測しうるものは認められなかった 潜在的な可能性がある 2 種のたん白として TIE-1 及び VWF が特定された TIE-1 に関しては ベースライン時点の血漿中濃度が低い被験者に比べて 血漿中濃度が高い被験者の方がプラセボに対して良好なレゴラフェニブの臨床的ベネフィット (OS) を有することが示唆された これに対して VWF では ベースライン時点の血漿中濃度が高い被験者に比べて 血漿中濃度が低い被験者の方がプラセボに対して良好なレゴラフェニブの臨床的ベネフィット (OS) を有することが示唆された これらの所見の意義については で考察した 特に明確な結果を示した IL-8 を含めて 予後因子としての可能性があるいくつかの血漿たん白が特定された IL-8 は他の研究者によって結腸 直腸癌の予後因子としての可能性がすでに特定されており 今回の予後因子としてのバイオマーカー解析の結果はこれまでの結果と一貫するものである 全試験を通しての結果の比較及び解析 全試験を通しての薬物動態及び代謝成績の要約 吸収速度と吸収率 吸収 経口液剤として 120mg 経口投与後のレゴラフェニブの吸収について 健康被験者 4 例を対象に [ 14 C] レゴラフェニブを用いたマスバランス試験 ( 試験 12436) で検討した 静注製剤はレゴラフェニブの溶解性が低く開発できなかったため 絶対的バイオアベイラビリティは検討しなかった 投与された放射能の 19.3±3.7% が尿中に回収されたことから 経口液剤投与時には少なくとも投与量の約 19% が吸収されると考えられる さらに 総放射能の 71.2±3.8% が糞便中に回収され 未変化体は 47% であった これは未吸収の薬物から由来するか 又は吸収後に胆汁中

122 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 93 of 171 に分泌され糞便中に排泄された薬物由来と考えられる 胆汁分泌及び再吸収は 次のような理由からレゴラフェニブの体内動態の重要な因子と考えられる 1) 濃度推移に複数のピークがみられる 2) 全例がこの期間に排便したにも関わらず 投与量の 23% のみが最初の 48 時間に糞便中に排泄され 最終的に 71% が糞便中に排泄されたことを考えると 投与量のほとんどが吸収された後の腸肝循環によって排泄が遅延した結果と考えられる 3) ラットの前臨床試験データから 胆汁分泌が直接測定され約 81% の吸収率が示されている ( 参照 ) 未変化体及び総放射能の血漿中濃度を図 ( 実数スケール ) 及び図 ( 対数スケール ) に示した 血漿中濃度は 0.5 時間 ~1.5 時間に最高濃度に到達したことから 溶液からの薬物の吸収は速やかであることが示された 投与直後にみられた総放射能とレゴラフェニブの血漿中濃度の間の大きな乖離は レゴラフェニブが経口投与後に速やかに代謝されることを示している Concentration of regorafenib or 14 C equivalents (mg/l) Source: , PH Time (hours) Total radioactivity Regorafenib 図 健康被験者 4 例に [ 14 C] レゴラフェニブ 120mg を経口液剤として単回投与した際の血漿中レゴラフェニブ及び総放射能濃度 ( 幾何平均値 実数スケール )( 試験 12436)

123 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 94 of 171 Concentration of regorafenib or 14 C equivalents (mg/l) Total radioactivity regorafenib Time (hours) Source: , PH 図 健康被験者 4 例に [ 14 C] レゴラフェニブ 120mg を経口液剤として単回投与した際の血漿中レゴラフェニブ及び総放射能濃度 ( 幾何平均値 片対数スケール )( 試験 12436) 相対的バイオアベイラビリティ 試験 では 経口液剤投与時と錠剤投与時の比較を行い 錠及び普通錠の経口液剤に対する相対的バイオアベイラビリティを評価した ( 表 及び 参照 )

124 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 95 of 171 表 Geometric mean (%CV) 錠 普通錠又は液剤 ( 幾何平均値 %CV) 投与後のレゴラフェニブの薬物動態学的パラメータの比較 ( 試験 11650) 100mg 100mg solution 60mg 60mg solution tablet (1 100mg) tablet (3 20mg) IR tablet (3 20mg) N=7 N=7 N=6 N=6 N=6 AUC(0-t last) [mg h/l] 33.8 (35.3) 40.6 (27.0) 18.4 (33.2) 26.4 (23.0) 2.16 (37.7) C max [mg/l] 1.82 (63.9) 3.31 (40.4) 1.05 (85.0) 1.78 (36.1) (63.7) t max [h] a 4.1 (2-6) 1.1 (0.6-4) 3.0 (2-4) 1.0 (1-2) 3.5 (3-71) Source: , PH-36733, Table 9-3 and Table 9-7 a median (range) 60mg 錠の経口液剤に対する相対的バイオアベイラビリティは約 70%~83% であり 一方 普通錠の相対的バイオアベイラビリティは 10% 未満であった この結果から 本試験以降の臨床試験では錠が選択された t max は 経口液剤として投与した際には約 1 時間 錠ではおおむね 3 時間 ~4 時間であった 160mg 投与時の未変化体について 申請製剤である 40mg 錠 ( オパドライフィルムコーティング 40mg 錠 4 錠 ) と 100mg 錠及び 20mg 錠 ( 自社標準フィルムコーティング 100mg 錠 1 錠 +20mg 錠 3 錠 ) で曝露量を比較したころ レゴラフェニブの AUC 及び C max の両者に関して 両錠剤間で同等であることが示された ( 参照 ) 用量線形性 単回投与時における未変化体の薬物動態 経口液剤及び錠剤の種々の用量におけるレゴラフェニブの吸収について主に試験 で検討した 液剤の経口投与後の Day 1 の薬物動態の成績を表 に要約した 10mg~120mg の用量範囲のレゴラフェニブを経口液剤として単回投与後 レゴラフェニブの血漿中濃度は 1 時間 ~6 時間 ( 中央値 ) にピークに到達した レゴラフェニブの薬物濃度推移から 腸肝循環に起因すると考えられる複数のピークがみられ 20 時間以降に t max が見られた例もあった AUC 及び C max は 投与量に対して比例的な増加はみられなかったが 投与量の増量に応じ増加した 経口液剤 (10mg~120mg) 投与により 100mg の用量まで全身曝露量は用量依存的に増加したが 120mg 投与時では曝露量の明確な増加はみられなかった

125 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 96 of 171 表 液剤によりレゴラフェニブ 10mg~120mg を単回投与した際のレゴラフェニブの薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV)( 試験 11650) Parameter Unit 10mg solution N=3 10mg solution N=3 30mg solution N=5 60mg solution N=6 100mg Solution N=7 120mg solution N=8 AUC(0-t last) mg h/l 4.96 (18.9) 3.66 (39.4) 9.91 (34.4) 26.5 (23.0) 40.6 (27.0) 36.2 (62.0) C max mg/l (63.4) (24.0) (28.0) 1.78 (36.1) 3.31 (40.4) 1.91 (78.9) C max,norm kg/l 1.04 (67.8) 1.61 (48.5) 1.09 (24.0) 2.43 (30.3) 2.59 (26.2) 1.11 (71.4) a t max h 4.0 (4-23) 2.5 (2-4) 3.9 (3-6) 1.0 (1-2) 1.1 (0.6-4) 6.1 (3-30) Source: , PH-36733, Table 9-7 and Table 9-11 a median (range) 試験 において 別のコホートとして 60mg 100mg 120mg 160mg 及び 220mg 用量のレゴラフェニブを錠として投与し 錠剤の単回投与後に得られた薬物動態の成績を表 に示した t max 中央値は全用量を通して 3 時間 ~4.3 時間であった AUC norm 及び C max,norm は 60mg~160mg でおおむね一定であり 曝露量が用量比例的に増加することが示唆された 表 錠剤によりレゴラフェニブを単回投与した際のレゴラフェニブの薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV)( 試験 11650) Cohort 4 Cohort 6 Cohort 6 Cohort 7 Cohort 8 N=6 N=7 N=7 N=12 N=12 Units 60mg (3 20mg CP tablets) 100mg (100mg CP tablet) 120mg (6 20mg CP tablets) 160mg (8 20mg CP tablets) 220mg (2 100mg & 1 20mg CP tablets) AUC mg h/l NC 37.1 (19.6) b 40.9 (27.3) b 70.5 (35.2) c NC AUC norm kg h/l NC 28.8 (19.8) b 27.7 (61.1) b 30.4 (35.3) c NC AUC(0-t last) mg h/l 18.4 (33.2) 33.8 (35.3) 36.0 (29.1) 47.1 (41.2) 45.1 (42.3) C max mg/l 1.05 (85.0) 1.82 (63.9) 2.43 (31.8) 2.53 (42.6) 2.19 (64.9) C max,norm kg/l 1.44 (82.3) 1.44 (51.7) 1.58 (25.6) 1.14 (41.8) (67.1) t 1/2 h NC 22.6 (76.4) b 23.4 (37.8) b 28.4 (57.7) c NC a t max h 3.0 (2-4) 4.1 (2-6) 3.0 (1-6) 4.2 (2-23) 4.3 (3-12) Source: , PH-36733, Table 9-3, Table 9-7 and Table 9-11 a median (range) b n=4 c n=6 NC:not calculated CP: (co-precipitate) 異なる被験者群に錠として単回投与後のレゴラフェニブ血漿中濃度推移を図 に示した ( 実数スケール ) 曝露量の用量依存的な増加は 160mg までの投与量でみられたが 220mg 投与時ではさらなる曝露量の増加はみられなかった

126 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 97 of Plasma concentration (mg/l) mg 120mg 160mg 220mg Time (hours) Source: , PH 図 レゴラフェニブを 錠として単回投与した際の血漿中レゴラフェニブ濃度推 移 ( 幾何平均値 )( 試験 11650) 試験 の単回投与時のデータを用いて 試験 の単回投与時のデータを補足した ( 表 ) 試験 では 100mg 又は 120mg までの用量範囲において投与量の増加に伴って単回投与後の AUC 及び C max は全体的に増加した 140mg の用量では 100mg 投与時と比べて AUC 及び C max の平均値はわずかに高くなった 表 レゴラフェニブを単回投与した際のレゴラフェニブの薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV)( 試験 11651) Parameters 20 mg (N = 3) 40 mg (N = 7) 100 mg (N = 10) 120 mg (N = 6) 140 mg (N = 10) AUC(0-t last) (mg 7.98 (28.0) 9.12 (38.8) 32.7 (37.9) 33.5 (60.4) 35.8 (57.0) h/l) AUC(0-24) (mg h/l) 3.97 (19.1) 5.16 (26.9) 15.7 (41.6) 22.8 (41.5) 21.4 (58.7) AUC(mg h/l) NC 16.3 (76.4) a 43.7 (34.9) a 52.9 (64.6) 52.5 (66.4) b C max (mg/l) (14.8) (27.4) 1.25 (30.7) 1.87 (24.0) 1.90 (51.2) t ½ (h) 41.6 (41.1) 41.6 (41.1) a 31.6 (32.5) a 27.7 (47.8) 23.2 (43.6) b Source: Module , PH-36984, Table 7-2 a N = 5; b N = 6 NC:not calculated

127 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 98 of 171 両試験の全般的な結果から おおむねレゴラフェニブ単回投与時の薬物動態は 160mg の用量まで線形であることが示唆された 反復投与時における未変化体の薬物動態 レゴラフェニブを経口液剤として投与した際の AUC(0-24) ss 及び C max,ss は 60mg 以上の投与量において それ以上の曝露量の増加を示さなかった ( 表 ) 表 レゴラフェニブ 10mg~120mg を経口液剤として反復投与した際のレゴラフェニブの薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV)( 試験 11650) Parameter Unit 10mg solution N=3 30mg solution N=3 60mg solution N=6 120mg solution N=6 AUC(0-24) ss mg h/l 5.67 (52.2) 18.6 (11.6) 48.3 (45.7) 46.0 (95.6) AUC(0-24) ss/d kg/l (52.2) (11.6) (45.7) (95.6) C max,ss mg/l (53.8) 1.58 (38.1) 4.14 (28.4) 4.32 (51.6) C max,ss/d 1/L (53.8) 52.5 (38.1) 68.9 (28.4) 36.0 (51.6) Source: , PH-36733, Table mg~220mg を錠として 1 日 1 回反復投与した際 平均 AUC(0-24) ss には用量依存的な増加がみられたが その増加は用量比を下回るものであった 平均 C max,ss には増量によるさらなる上昇はみられなかった ( 表 ) 表 レゴラフェニブ 120mg~220mg 錠を反復投与した際のレゴラフェニブの薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV)( 試験 11650) Parameter Unit 120mg CP tablets 160mg CP tablets 220mg CP tablets N=7 N=10 N=10 AUC(0-24) ss mg h/l 50.9 (81.2) 58.3 (43.3) 63.7 (40.6) AUC(0-24) ss/d h/l (81.2) (43.3) (40.6) C max,ss mg/l 4.42 (74.1) 3.90 (43.8) 4.46 (41.9) C max,ss,/d 1/L (74.1) 24.4 (43.8) 20.2 (41.9) Source: , PH-36733, Table 9-12 CP: (co-precipitate) 試験 の反復投与時のデータを用いて 試験 の単回投与時のデータを補足した ( 表 ) 試験 で評価した投与量で調整した AUC(0-24) ss 及び C max は 40mg 投与時と 100mg 投与時でほぼ同様であり この用量範囲において用量比例性が示された 20mg 投与時では 相対的に曝露量 ( 投与量で調整した曝露量 ) が高い傾向を示したが この理由の一つとして 20mg のコホートの被験者数 (3 例 ) が少なかったことが考えられた 最高用量の 140mg 投与時の AUC(0-24) ss 及び C max,ss の増加は 用量比をわずかに下回るものであった

128 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 99 of 171 表 レゴラフェニブを反復投与した際のレゴラフェニブの薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV)( 試験 11651) Parameters 20 mg (N = 3) 40 mg (N = 6) 100 mg (N = 6) 120 mg (N = 6) 140 mg (N = 3) AUC(0-24) ss (mg 12.9 (21.2) 18.1 (35.9) 49.6 (18.5) NC 60.4 (18.5) h/l) C max,ss (mg/l) 1.27 (19.4) 1.50 (37.0) 4.27 (22.9) NC 5.37 (30.9) AUC(0-24) ss/d (h/l) (21.2) (35.9) (18.5) NC (18.5) C max,ss/d (1/L) (19.4) (37.0) (22.9) NC (30.9) Source: Module , PH-36984, Table 7-2 NC:not calculated 両試験の全般的な結果から おおむねレゴラフェニブ反復投与時の薬物動態は 100mg の用量まで線形であることが示唆された 単回投与時における代謝物の薬物動態 用量漸増試験 ( 試験 11650) において 主代謝物 M-2 及び M-5 の血漿中濃度をレゴラフェニブと共に測定した 低用量 (60mg 未満 ) において レゴラフェニブの単回投与後の両代謝物の血漿中濃度はレゴラフェニブの濃度より低かった 液剤による投与でレゴラフェニブを 30mg から 60mg に増量した際 代謝物 M-2 の曝露量に用量比を上回る増加がみられた 120mg( 液剤 ) 投与時の M-2 及び M-5 の曝露量は 60mg( 液剤 ) 投与時よりも低かった 錠剤にて 120mg~220mg を投与した際 220mg の用量まで増量しても代謝物 M-2 及び M-5 の AUC 又は C max に増加はみられなかった レゴラフェニブと同様に 220mg 投与後の M-2 及び M-5 の血漿中濃度は平均で 160mg の値より低かった M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータを表 に示した 表 レゴラフェニブを単回投与した際の M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV)( 試験 11650) Regorafenib Dose [mg] M-2 M-5 AUC [mg h/l] C max [mg/l] AUC [mg h/l] C max [mg/l] 10 a (95.9) c (110) NC NC 30 a 1.72 (56.7) (119) NC NC 60 a 17.9 (35.6) (42.0) 4.23 (97.4) c (105) 120 a 13.9 (70.1) c (80.0) 3.25 (79.8) c (90.3) 120 b 14.6 (22.9) (38.8) 3.84 (89.3) c (112) 160 b 28.0 (48.4) (64.3) 2.09 (96.2) c (88.1) 220 b 20.2 (47.4) (77.2) 1.88 (142) c (139) Source: , PH-36733, Table 9-13 and Table 9-15 a solution b tablet c AUC(0-t last) NC:not calculated (insufficient data)

129 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 100 of 171 試験 におけるレゴラフェニブ単回投与後の主代謝物は M-2 であり レゴラフェニブに対する M-2 の AUC の相対比は約 50% であった レゴラフェニブに対する M-5 の AUC の相対比は約 10% 未満であった 試験 では 代謝物 M-2 及び M-5 の曝露量は 100mg 又は 120mg までの単回投与において用量比を上回る増加を示した ( 表 ) 試験 におけるレゴラフェニブ単回投与後の主代謝物は M-2 であった M-5 の AUC(0-t last) の平均値は 一定してレゴラフェニブの 10% 未満であった 表 レゴラフェニブを単回投与した際の代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV)( 試験 11651) M-2 M-5 Regorafenib N AUC(0-t last) C max AUC(0-t last) C max Dose [mg] [mg h/l] [mg/l] [mg h/l] [mg/l] 20 mg (330) (244) NC NC 40 mg (108) (110) (254) a (124) a 100 mg (47.4) (51.2) (111) (118) 120 mg (53.4) (43.2) 1.51 (71.1) (59.2) 140 mg (82.6) (97.2) 1.54 (138) (140) Source: Module , PH-36984, Table 7-3 and 7-4 a N = 5; NC:not calculated レゴラフェニブ単回投与時の代謝物 M-2 及び M-5 の血漿中濃度は相対的に低かった 反復投与時の代謝物の薬物動態 総曝露量に対する代謝物の割合は反復投与により変動した 用量漸増試験 ( 試験 11650) のサイクル 1 の Day 21 で得られた M-2 の薬物動態学的パラメータを表 に示した 単回投与でみられたように 経口液剤の用量を 30mg から 60mg に増量した際には 用量比を上回る曝露量の増加がみられた また 60mg を超える用量では 用量比を下回る増加がみられた 錠剤による投与では 160mg~220mg の用量範囲で C max,ss が 220mg 投与量において用量比よりわずかに低い増加を示したが 薬物動態はおおむね線形性を示した 血漿中濃度のばらつきが大きいことを考慮すれば 錠剤投与後の定常状態における M-2 の薬物動態は 120mg~220mg(1 日 1 回投与 ) の用量範囲でおおむね用量比例的であった

130 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 101 of 171 表 レゴラフェニブ 10mg~220mg を 1 日 1 回反復投与した際の血漿中代謝物 M-2 の薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV)( 試験 11650) Dose AUC(0-24) N * ss AUC(0-24) ss/d C max,ss C max,ss/d [mg/d] [mg h/l] [h/l] [mg/l] [1/L 10-3 ] 10 a ** a (38.9) (38.9) (74.6) 11.0 (74.6) 60 a (56.3) (56.3) 1.67 (56.0) 27.0 (56.0) 120 a (102) (102) 2.69 (51.6) 21.7 (51.6) 120 b (57.1) (57.1) 2.51 (54.0) 20.2 (54.0) 160 b (69.3) (69.3) 3.34 (78.2) 20.2 (78.2) 220 b (51.5) (51.5) 3.86 (48.3) 17.0 (48.3) Source: , PH-36733, Table 9-14 * subjects evaluable for PK ** no descriptive statistics calculated because n<3 for all PK parameters tabulated a oral solution b tablets レゴラフェニブ 60 及び 120mg を経口液剤として 1 日 1 回投与した際の代謝物 M-5 の AUC(0-24) ss 及び C max,ss は用量比を上回る増加を示した ( 表 ) 錠剤投与による 220mg までの用量では 120mg から 160mg に増量した際の M-5 の曝露量は用量比を上回る増加を示した 160mg から 220mg に増量した際の曝露量はおおむね用量比例的な増加を示した M-5 の薬物動態のばらつきはレゴラフェニブ又は M-2 でみられたばらつきよりも大きく 160mg( 錠剤 ) の投与後の AUC(0-24) ss 及び C max,ss の変動係数は 80%~90% の範囲であった 表 レゴラフェニブ 10mg~220mg を 1 日 1 回反復投与した際の血漿中代謝物 M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV)( 試験 11650) Dose AUC(0-24) N * ss AUC(0-24) ss/d C max,ss C max,ss/d [mg/d] [mg h/l] [h/l] [mg/l] [1/L 10-3 ] 10 a ** a ** a (121) (121) (124) 7.81 (124) 120 a (99.9) (99.9) 1.96 (89.0) 16.2 (89.0) 120 b (127) (127) 1.29 (128) 10.7 (128) 160 b (82.9) (82.9) 2.93 (88.9) 18.2 (88.9) 220 b (80.6) (80.6) 3.74 (77.8) 16.9 (77.8) Source: , PH-36733, Table 9-16 * subjects evaluable for PK ** no descriptive statistics calculated because n<3 for all PK parameters tabulated a oral solution b tablets 試験 では 代謝物 M-2 及び M-5 の曝露量は 100mg までの反復投与時において用量比を上回る増加を示した ( 表 及び表 )

131 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 102 of 171 表 レゴラフェニブを反復投与した際の代謝物 M-2 の薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV)( 試験 11651) Dose AUC(0-24) ss AUC(0-24) ss/d C max,ss C max,ss/d N [mg/d] [mg h/l] [h/l] [mg/l] [1/L] 20 mg (42.9) (42.9) (39.5) (39.5) 40 mg (56.7) (56.7) (74.3) (74.3) 100 mg (25.2) (25.2) 2.48 (36.3) (36.3) 120 mg 2 NC NC NC NC 140 mg (88.8) (88.8) 2.20 (106) (106) Source: Module , PH-36984, Table 7-3 NC:not calculated due to limited sample size 表 レゴラフェニブを反復投与した際の代謝物 M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV)( 試験 11651) Dose AUC(0-24) ss AUC(0-24) ss/d C max,ss C max,ss/d N [mg/d] [mg h/l] [h/l] [mg/l] [1/L] 20 mg (18.7) (18.7) (15.7) (15.7) 40 mg (136) (136) (151) (151) 100 mg (58.1) (58.1) 1.38 (87.0) (87.0) 120 mg 2 NC NC NC NC 140 mg (231) (231) (343) (343) Source: Module , PH-36984, Table 7-4 NC:not calculated due to limited sample size 代謝物 M-2 及び M-5 は レゴラフェニブ反復投与時において予想されるよりも大きな曝露量の増加を示した 定常状態においては 100mg~160mg までの用量では用量比を上回る曝露量の増加が認められた 160mg より高用量では これらの代謝物の曝露量の平均値は用量比を下回った 両代謝物共にばらつきが大きく ばらつきは M-5 で特に顕著であった 食事の影響 健康被験者を対象にした試験で レゴラフェニブのバイオアベイラビリティ (AUC) は 空腹時投与に比べ 高脂肪の朝食摂取後及び低脂肪の朝食摂取後投与時でそれぞれ約 48% 及び 36% 増加した ( 試験 14656) C max は 高脂肪食摂取後投与時で約 73% 上昇し 低脂肪食摂取後投与時で 54% 上昇した 代謝物の AUC 及び C max は 低脂肪の朝食摂取後投与時にわずかな増加がみられたが 高脂肪の朝食摂取後投与時の曝露量は空腹時投与時に比べ低かった ( 参照 ) これらの結果に基づき 以降の臨床試験ではレゴラフェニブは低脂肪食摂取後に投与することを推奨することとした 分布 試験 の成績から 120mg 及び 160mg 錠投与時のレゴラフェニブの分布容積の幾何平均値は それぞれ 99L 及び 93L であった In vitro において血漿たん白との結合性を検討したところ 0.56mg/L~18.2mg/L の濃度範囲において 99% を超えるレゴラフェニブがヒト血漿に結合した (fu=0.49%)( 参照 ) 1.1mg/L の濃度でレゴラフェニブの約 98% が 4% ヒト血清

132 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 103 of 171 アルブミン (HSA) に結合した α 1- 酸性糖たん白は レゴラフェニブの血漿たん白結合にほとんど寄与しなかった ヒト血漿たん白と [ 14 C] レゴラフェニブの結合は可逆的であった ヒト血液中では レゴラフェニブは 1.49mg/L~40.7mg/L の濃度範囲では主に血漿に分布し 濃度比 ( 血漿 / 血液 ) は 1.59 であった これらの in vitro 試験で検討した最高濃度は 試験 でみられた最も高い C max を超えるものであった 代謝物 M-2 及び M-5 もヒト血漿で高い結合率を示し 平均非結合型分率は 0.19%(M-2) 及び 0.05%(M-5) であった ( 及び 参照 ) ラットにおける [ 14 C] レゴラフェニブの経口又は静脈内投与による定量的な組織分布試験では 放射能はほとんどすべての臓器 組織に分布した ほとんどの臓器 組織でみられる濃度は 血液中放射能濃度と同様であった 血液脳関門の通過はほとんどみられなかった ラットの臓器 組織への [ 14 C] レゴラフェニブ又はその代謝物の不可逆的な結合あるいは滞留を示した所見はなかった ( 参照 ) 代謝 レゴラフェニブは酸化 グルクロン酸抱合及び腸管内での還元 加水分解など広範かつ複雑な代謝を受ける レゴラフェニブの推定代謝経路を図 に示した 代謝物は ヒト肝ミクロソーム 肝細胞及びヒトの血漿及び尿において同定され定量された

133 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 104 of 171 Cl F F F HO HO O N N H F O O OH OH O HN N O Cl F F F N H O N H F BAY O HN N O Cl F F F N H O N H F O HN HO M-3 (BAY ) N O Cl F F F N H O N H F O HO M-6 (BAY ) N O M-7 (BAY ) F F F F F F F F F F F F Cl HO HO O N N H F O O OH OH O HN N + O O Cl N H O N H F O HN M-2 (BAY ) N + O O Cl N H O N H M-1 F O HO HN N + O O Cl N H O N H F O N H 2 M-4 (BAY ) N O M-8 (BAY ) F F F Cl N H O N H F O H 2 N M-5 (BAY ) N + O O Source: Module , A59022 図 レゴラフェニブの推定代謝経路

134 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 105 of 171 In vitro 代謝試験については で述べた [ 14 C] レゴラフェニブとヒト及び動物数種の肝ミクロソームとのインキュベーションにより 2 種類の第 Ⅰ 相反応 ( 酸化的代謝 ) が主であることが判明した すなわち M-2 を生成するピリジンの N- 酸化及び M-3 を生成する N- メチル基の水酸化である 両経路により代謝物 M-1 が産生される 代謝物 M-1 及び M-4 は共に臨床的な重要性は低かった 肝ミクロソームで認められた第 Ⅰ 相反応は M-2 への酸化が主経路であった ヒト肝細胞及びウリジン二リン酸グルクロン酸 (UDPGA) を添加した肝並びに腎ミクロソームは レゴラフェニブのグルクロン酸抱合体 (M-7) 及び M-2 のグルクロン酸抱合体 (M-8) を生成した CYP 分子種選択的阻害剤の非存在及び存在下で [ 14 C] レゴラフェニブとヒト肝ミクロソームとのインキュベーションあるいはリコンビナント CYP 分子種とのインキュベーションにより レゴラフェニブの代謝に関与する CYP 分子種が同定された CYP3A4 がレゴラフェニブの第 Ⅰ 相反応における主酵素であることが示された M-3 は CYP3A4 により生成され また CYP2J2 によってもわずかに生成された M-5 及び M-7 は微量代謝物としてヒト血漿中にのみ検出され 動物の血漿中には検出されなかった In vivo ヒトにおけるレゴラフェニブ代謝物の定量データは試験 試験 及び試験 において得られた マスバランス試験 ( 試験 12436) では 健康被験者 (N=4) に経口液剤として [ 14 C] レゴラフェニブ 120mg を投与した際の血漿 尿及び糞便中の代謝物について検討した 本試験における薬物動態の成績を表 に要約した 表 健康被験者に [ 14 C] レゴラフェニブ (120mg) を単回経口投与した際の血漿中レゴラフェニブ及び代謝物の総放射能の薬物動態学的パラメータ ( 算術平均値 ±SD) ( 試験 12436) Arithmetic mean ± standard deviation Regorafenib M-2 M-5 M-7 Total 14 C AUC(0-144) 48.0± ± ± ± ±32.7 [mg-eq h/l] C max [mg-eq/l] 1.95± ± ± ± ±0.86 t max [h] 1 ( ) 3.13 ( ) 2.75 ( ) 3.5 ( ) 2 ( ) Source: , A59022, Table 6-6 単回投与後の血漿中の主代謝物は M-2 であった M-5 及びグルクロン酸抱合体 M-7 の血漿中濃度は低かった 4 種の代謝物 (M-1 M-3 M-4 及び M-8) は血漿中に微量検出された AUC(0-144) を用いた血漿中総放射能に対する平均の相対的寄与率は 未変化体で 57% M-2 で 29% M-5 で 6% 及び M-7 で 3% であった ( 参照 ) 尿中に検出された主代謝物はグルクロン酸抱合体 (M-7 及び M-8) であり 全尿中放射能の 88%~94% を占めた ( 参照 )

135 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 106 of 171 糞便中に検出された主成分は未変化体であり 総投与量の平均 47% を占めた M-7 及び M-6 は糞便中総放射能に寄与したがその量の変動幅は大きかった (M-6 で投与量の 10%~25% M-7 で 0.03%~14%) 投与量の 3% 未満が糞便中に M-3 及び M-4 として回収された すなわち 糞便中総放射能の 98% を超える量が未変化体又は既知代謝物のいずれかに同定された 試験 において 代謝物 M-2 及び M-5 を単回及び反復投与後の血漿検体を用い評価した 代謝物 M-4 は定常状態における薬物曝露量の 10% 未満であったことから M-4 は主代謝物ではないと判断し その後の試験では測定しなかった M-2 及び M-5 の定常状態における血漿中濃度は これらが未変化体と同様の in vitro 薬理活性を有することを考慮し 薬物動態試験において測定した 試験 で得られた血漿中濃度推移を図 に示した 単回投与後の主代謝物 M-2 及び M-5 の血漿中濃度は未変化体の濃度より低値であったが 1 日 1 回 160mg の反復投与後では これらの代謝物の濃度は未変化体の濃度と同様のレベルであった ( 図 参照 ) 排泄 レゴラフェニブは 単回経口投与後 20 時間 ~40 時間の消失半減期で血漿中から消失した ( 試験 11650) 複数のピークが 24 時間を超えてしばしば出現するために 試験 を含むいくつかの試験においては消失半減期を正確に推定できない場合があったものの 得られた推定値は概して 20 時間 ~30 時間の範囲で一定であった 患者を対象にした試験では試料採取期間を投与後 4 日間としたのに対し 健康被験者試験では 7 日間又はそれ以上の期間採取したため 健康被験者を対象とした試験では長い消失半減期 ( 平均値 ) を示す傾向がみられた 代謝物 M-2 の消失半減期は未変化体と同様の値であった 代謝物 M-5 の消失半減期は長く 平均で約 60 時間 (40 時間 ~100 時間 ) であった 単回投与後の M-5 の濃度は低値であったため 消失半減期は反復投与後のデータから算出した レゴラフェニブは 未変化体及び代謝物として尿及び糞便中に排泄された [ 14 C] レゴラフェニブ 120mg の経口投与後の総放射能の腎からの消失は 投与量の約 19% を占め 一方 投与量の約 71% が未変化体及び代謝物として糞便中から回収された ( 試験 12436) 総放射能の累積排泄率を表 に示した 放射能の数日にわたる継続的な排泄は 未変化体及び代謝物の腸肝循環に起因すると考えられた

136 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 107 of 171 表 健康被験者に [ 14 C] レゴラフェニブ 120mg を経口液剤として経口投与した際の尿及び糞便中の累積排泄率 ( 試験 12436) Arithmetic mean±sd (range) Amount excreted Unit Urine (N=4) Feces (N=4) Urine plus feces (N=4) A E(0-12) % 4.90±1.12 ( ) Not determined 4.90±1.12 ( ) A E(0-24) % 7.60±1.13 ( ) 3.98±6.61 ( ) 11.6±6.74 ( ) A E(0-48) % 12.2±1.18 ( ) 23.1±19.7 ( ) 35.2±18.9 ( ) A E(0-72) % 15.1±3.01 ( ) 39.8±11.4 ( ) 54.8±9.44 ( ) A E(0-96) % 16.6±3.23 ( ) 46.3±8.84 ( ) 63.0±5.78 ( ) A E(0-120) % 17.6±3.39 ( ) 56.4±9.70 ( ) 74.0±6.55 ( ) A E(0-144) % 18.2±3.54 ( ) 63.2±4.85 ( ) 81.4±3.57 ( ) A E(0-168) % 18.6±3.60 ( ) 65.7±6.13 ( ) 84.3±4.14 ( ) A E(0-192) % 18.9±3.66 ( ) 67.8±5.41 ( ) 86.6±3.70 ( ) A E(0-216) % 19.0±3.70 ( ) 69.0±4.86 ( ) 88.0±3.07 ( ) A E(0-240) % 19.1±3.70 ( ) 69.7±4.59 ( ) 88.8±2.91 ( ) A E(0-264) % 19.2±3.70 ( ) 70.7±3.89 ( ) 89.9±3.02 ( ) A E(0-288) % 19.3±3.73 ( ) 71.2±3.81 ( ) 90.5±3.01 ( ) Source: , PH-36734, Table Cumulative % Dose Excreted urine feces total Time (hours) Source: , PH-36734, Table 9-3 図 健康被験者に [ 14 C] レゴラフェニブ 120mg を投与後の尿及び糞便中の総放射能の平均累積排泄率 ( 試験 12436)

137 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 108 of 171 表 及び図 に示したように 放射能の尿中排泄は投与後 72 時間までにほぼ完了した 一方 糞便中への排泄は投与後 144 時間まで続いたが その後の排泄率に増加がみられず ほぼ一定の値を示した 尿中排泄は 錠剤にて 120mg 又は 160mg を投与した際の定常状態 (Day 21) においても検討した ( 試験 11650) 投与量の約 1.6%( 平均値 ) が M-8 として 又約 6.8% が M-7 として 24 時間までに回収された これらの結果は マスバランス試験で得られた結果 ( 投与された放射能の 7.6% が単回投与後 24 時間に排泄された ) と一致した 160mg( 錠剤 ) 投与後の排泄率は M-8 で 0.5% M-7 で 1.9% であった 試験 及び 11650(120mg 投与時 ) で得られた排泄率を表 に示した 表 レゴラフェニブ 120mg を経口液剤として単回投与 ( 試験 12436) 又は錠剤として反復投与 ( 試験 11650) した際の未変化体及び代謝物の尿中排泄率 (%) Arithmetic mean Study Study Study Feces (0-288h) sd Urine (0-288h) sd Urine (0-24h) ss Regorafenib 47.1 n.d. n.d. M-7 (parent glucuronide) M n.d. n.d. M n.d. n.d. M n.d. n.d. M-8 (M-2 glucuronide) n.d Total * Source: , A59022,Table 6-21 and , PH-36733,Table /9 n.d.:not detected * calculated by medical writer 薬物動態の時間依存性 レゴラフェニブ 160 mg反復投与時における未変化体の薬物動態 レゴラフェニブの消失半減期 (20 時間 ~40 時間 ) から 1 日 1 回反復投与した際には蓄積することが推察されることから 用量漸増試験 ( 試験 11650) 及び日本人がん患者を対象にした試験 ( 試験 13172) において薬物動態の時間依存性について検討した 両試験においてレゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回 21 日間投与した Day 1 及び Day 21 における薬物動態学的パラメータを表 に示した

138 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 109 of 171 表 レゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回単回投与及び反復投与した際の定常状態における薬物動態の比較 ( 幾何平均値 %CV)( 試験 試験 11650) Parameter Units N Study N Study AUC d (Day 1) mg h/l (84.2) (35.2) AUC(0-24) ss (Day 21) mg h/l (68.5) (43.3) C max (Day 1) mg/l (108) (42.6) C max,ss (Day 21) mg/l (77.0) (43.8) t ½ (Day 1) h (29.9) (57.7) t ½ ss(day 21) h (26.2) (45.4) R LIN [AUC(0-24) md /AUC Day 1] (56.5) (17.2) R AAUC [AUC(0-24) md/auc(0-24) Day 1] (64.6) (36.0) R AC max [C max,ss/c max,day 1] (78.3) (40.9) Source: , A51164, Table 9-5 and , PH-36733, Table 9-11 and Table 9-12 R Lin が 1 に近いことから 蓄積の程度が本薬の消失半減期から予想されたものと同様であり 吸収又は消失に時間依存性の変化はみられなかった 定常状態における平均 C max は単回投与後の値の約 2 倍であった QT 試験 ( 試験 14814) 第 Ⅱ 相臨床試験 ( 試験 と試験 11726) において 160mg 1 日 1 回反復投与 Day 21 における薬物動態プロファイルが得られた また中国人がん患者を対象とした試験 ( 試験 14996) においても例数が限られたものであったが (N=2) 薬物動学的パラメータが得られた これらの結果を表 に要約した これらの薬物動態成績は 試験 で得られた成績と同様であった また 試験 におけるレゴラフェニブ 100mg 連日投与時の R Lin は 1.27 であった ( 表 ) 表 レゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回反復投与した際の定常状態 ( サイクル 1 Day 21) における薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV) ( 試験 試験 試験 試験 14996) Study (n=25) Study (n=8) Study a Study Individual data (n=2) a AUC(0-24) ss (mg h/l) 53.8 (46.5) b 27.0 (38) 58.3 (34) 72.0; 34.9 C max,ss (mg/l) 3.99 (34.3) 2.51 (41) 4.49 (33) 5.87; 2.78 T max (h) c 3.17 (0-24.1) 4 (0-48) 3 (0.5-12) 4; 3 Source: Module , PH-36866, Table 9-22; Module , A51601, Table 9-7; Module , A55873, Table 11-7; Module , A51600, Table 9-2 a Day 15 b AUC(0-t last) ss; N = 24 c median (range) 反復投与時における代謝物の薬物動態 M-2 及び M-5 の蓄積はレゴラフェニブより大きかった レゴラフェニブ 160mg を単回及び反復投与した試験 及び試験 で得られた成績を表 及び表 に示した

139 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 110 of 171 表 レゴラフェニブ 160mg を反復投与した際の代謝物 M-2 の薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV)( 試験 試験 11650) Units N Study N Study AUC (Day 1) mg (301) (48.4) h/l AUC(0-24) ss (Day 21) mg (213) (69.3) h/l C max (Day 1) mg/l (389) (64.3) C max,ss (Day 21) mg/l (214) (78.2) t ½ (Day 1) h (27.7) (55.0) t ½ (Day 21) h ( (28.2) R LIN [AUC(0-24) md/auc Day 1] (112) (21.3) R AAUC [AUC(0-24) md/auc(0-24) Day 1] (137) (35.4) R AC max [C max,ss/c max,day 1] (131) (47.8) Source: , A51164, Table 9-5 and , PH-36733, Table 9-13 表 レゴラフェニブ 160mg を反復投与した際の代謝物 M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV)( 試験 試験 11650) Units N Study N Study AUC(0-t last) sd (Day 1) mg (112) (96.2) a h/l AUC(0-24) ss (Day 21) mg (459) (82.9) h/l C max (Day 1) mg/l (167) (88.1) C max,ss (Day 21) mg/l (414) (88.9) t ½ (Day 1) h (78.2) - NC t ½ (Day 21) h (33.7) - NC R LIN [AUC(0-24) md /AUC Day 1] (62.1) - NC R AAUC [AUC(0-24) md /AUC(0-24) Day 1] (109) (73.2) R AC max [C max,md/c max,day 1] (80.5) (66.5) Source: , A51164, Table 9-5 and , PH-36733, Table 9-15 NC:not calculated (insufficient data) a AUC(0-t last) 両代謝物の AUC 及び C max の平均値は試験間で異なった 特に試験 におけるばらつきは大きかったが M-2 及び M-5 の R Lin はそれぞれ約 2.5 及び約 4 であり 両代謝物は非線形性の蓄積を示した 試験 の血漿中濃度推移を図 に示した 単回投与後の両代謝物 (M-2 及び M- 5) の血漿中濃度は未変化体の濃度より低値であったが Day 21 では血漿中未変化体濃度とほぼ同じレベルであった

140 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 111 of Plasma concentration (geo. mean [mg/l]) Regorafenib BAY (M2) BAY (M5) Time [h] 図 レゴラフェニブ 160mgを 1 日 1 回 21 日間単回及び反復投与した際の血漿中レゴラフェニブ及び代謝物濃度 ( 幾何平均値 N=9)( 試験 11650) 試験 の 160mg 投与時の定常状態におけるレゴラフェニブ M-2 及び M-5 のそれぞれの平均 C max(3.9mg/l 3.3mg/L 及び 2.9mg/L) を たん白結合率により補正すると C max,ss はレゴラフェニブ M-2 及び M-5 で それぞれ約 40nM 12nM 及び 3nM であった したがって レゴラフェニブと代謝物が同等の活性を有すると仮定しても 未変化体が薬理活性の主因子であると考えられる ( 参照 ) ピーク / トラフ比は未変化体及び代謝物で小さかった 試験 の 160mg 投与群におけるレゴラフェニブ M-2 及び M-5 に対する平均 PTF は それぞれ 及び 0.83 であった すなわち 未変化体及び代謝物の消失半減期は長く いくつかの血漿中濃度ピークがみられ 投与期間中の定常状態における未変化体及び代謝物濃度の変動は小さいものであった 健康被験者とがん患者の薬物動態成績の比較 健康被験者を対象にレゴラフェニブ 160mg を投与した際の薬物動態成績は 相対的バイオアベイラビリティを検討した試験 ( 試験 12437) ケトコナゾールとの相互作用試験 ( 試験 12435) リファンピシンとの相互作用試験 ( 試験 15524) 及び食事の影響を検討した試験 ( 試験 14656) で得られた レゴラフェニブ 160mg を単回投与時の薬物動態の成績は試験を通しておおむね一致していた ( 表 ) がん患者における 160mg 単回投与及び反復投与時の薬物動態成績は 試験 試験 及び試験 で得られた 試験 では反復投与時の結果のみ得られた がん患者では試験内及び試験間の両方で薬物動態のばらつきが大きかった 健康被験者の AUC の CV は 31%~39% であったが がん患者の CV は 26%~84% であった がん患者の AUC の幾何平均値 34.6mg h/l~117mg h/l に比べ健康被験者の AUC の幾何平均値は 41.8mg h/l~

141 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 112 of mg h/l であった がん患者を対象とした 2 試験 ( 試験 及び 14996) における C max( 幾何平均値 ) は 健康被験者でみられた C max( 幾何平均値 ) 比べ高値を示した 表 レゴラフェニブ 160mg を単回投与した際の健康被験者及びがん患者の薬物動態学的パラメータの比較 ( 幾何平均値 %CV) Healthy Volunteers Studies Study No. N AUC [mg h/l] C max [mg/l] (39.1) 2.01 (35.1) (36.5) 1.53 (34.4) (31.4) 1.93 (28.0) a (34.2) 1.23 (40.6) Cancer Patient Studies Study No. N AUC [mg h/l] C max [mg/l] (35.2) 2.53 (42.6) (64.7) b 2.98 (36.9) (84.2) 1.37 (108) c (38.3) d 2.51 (41.0) e Source: , PH-36717, Table 9-1; , PH-36716, Table 9-1; , PH-36525, Table 9-1; , PH-36595, Table 9-1; , PH-36733, Table 9-11; , A51600, Table 9-2; , A51164, Table 9-5; , A51601, Table 9-7 All doses were taken as single doses with a light or low-fat meal unless otherwise indicated a 4 40mg tablets administration under fasted conditions b N = 8 c Cycle 1, Day 21 d AUC(0-24) ss e C max,ss 内因性因子の影響 母集団薬物動態解析 ( R-8731 参照 ) 併合解析 ( Integrated analysis of factors that may affect the PK 参照 ) 対象患者集団におけるレゴラフェニブの薬物動態と年齢 性別 体重 腎機能 肝機能及び民族の内因性因子との関係について 試験 の母集団薬物動態解析において評価した 更にがん患者を対象とした複数の臨床試験 ( 試験 11650: 欧米人 試験 13172: 日本人 試験 14996: 中国人 試験 11726: 欧米人 試験 14596: 韓国人 ) から得られたデータを用いた併合解析でも評価を行った また試験 及び試験 の成績を用い 腎機能 ( 試験 11650) 及び肝機能 ( 試験 11651) が本薬の薬物動態に与える影響について検討した いずれの内因性因子も レゴラフェニブ及び主代謝物の曝露量との関係において明確な関連性は認められなかったことから 年齢 性別 体重 腎機能 肝機能及び民族に基づく用量調整は不要であると判断した 年齢 試験 の母集団薬物動態解析において レゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態に対する年齢の影響は認められなかった また この結果は第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験データの併合解析でも確認された

142 Figure: Linear plot of Regorafenib AUC in steady state after 160mg od versus age [years] - Phase I-II studies 臨床薬理試験 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 113 of 171 併合解析において 65 歳以上の被験者におけるレゴラフェニブ及び主代謝物の定常状態での AUC(0-24) ss 及び C max,ss は 65 歳未満の被験者と同様の値を示した ( 表 ) 表 レゴラフェニブ 160mg を反復投与した際の定常状態における年齢群別の薬物動態学的パラメータ ( 第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験データ 幾何平均値 %CV) Regorafenib M-2 M-5 Units < 65yr (N=44) 65yr (N=16) < 65yr (N=25) 65yr (N=13) < 65yr (N=25) 65yr (N=13) AUC(0-24) ss mg h/l 46.2 (62.9) 43.0 (83.2) 22.2 (148) 29.2 (247) 14.5 (458) 30.6 (1043) C max,ss mg/l 3.54 (50.2) 3.03 (85.1) 1.66 (105) 1.96 (255) 1.12 (297) 1.92 (917) Source: , Integrated analysis of factors that may affect the PK, Table 2.4/1 図 に AUC(0-24) ss と年齢との関係 ( 各被験者の個別値 ) を示した AUC(0-24) ss と年齢に関連はみられなかった また 代謝物 M-2 及び M-5 についても同様の結果が得られた Source: , Integrated analysis of factors that may affect the PK, Figure 3.4/1 図 レゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回反復投与した際のレゴラフェニブの AUC(0-24) ss と年齢との関係 ( 第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験データ )

143 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 114 of 171 第 Ⅲ 相臨床試験 ( 試験 14387) のデータ 並びに第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験のデータのいずれにおいてもレゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態に対する年齢の影響は認められなかった 性差 試験 の母集団薬物動態解析において レゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態に対して影響を与える可能性のある共変量として性別が認められた 男性及び女性患者のレゴラフェニブ及び M-2 の薬物動態に差は認められなかった M-5 に関しては 性別に加えて体重の影響が認められた 体重 ( 女性患者よりも男性患者の方が体重の中央値が高いこと ) と性別を併せた影響によって 標準的な男性患者に比べて標準的な女性患者の反復投与時の M-5 の平均血漿中濃度 (C av,md) は 77% 高値となった ( 男性 2.24mg/L に対して女性 3.95mg/L) 一方 男性患者及び女性患者の C av,md の 5~95 パーセンタイル範囲は それぞれ 0.241mg/L~10.0mg/L 及び 0.556mg/L~13.8mg/L であり ( 図 ) これらの範囲に比べて 標準的な男性患者と標準的な女性患者の差は非常にわずかであった 男女合わせた対象集団全体の C av,md の変動 (% CV) は約 100%( 平均値 ± 標準偏差 :3.99±4.00mg/L) であった Source: Module , R-8731, Figure 6:24 Range bar shows the 5 th to 95 th percentile of the entire range in the study split by sex. Other bars show the predicted C av,md in the range (5 th to 95 th percentile) of the covariate in the study, split by sex. Solid vertical line shows the typical female patient, dotted line shows typical male patient M: male; F: female 図 代謝物 M-5 の C av,md の変動に対する共変量の影響 ( 試験 14387)

144 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 115 of 171 第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験データの併合解析の結果においても女性患者の M-5 の平均曝露量が男性患者に比べて高いことが確認された ( 表 ) 表 レゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回反復投与した際のレゴラフェニブ及び代謝物の定常状態における男女別の薬物動態学的パラメータ ( 第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験データ : 幾何平均値 %CV) Units Regorafenib M-2 M-5 Male (N=40) Female (N=20) Male (N=28) Female (N=10) Male (N=28) Female (N=10) AUC(0-24) ss mg h/l 45.3 (72.3) 45.5 (60.3) 22.2 (176) 31.5 (181) 13.0 (424) 52.6 (996) C max,ss mg/l 3.33 (67.4) 3.54 (44.7) 1.58 (152) 2.36 (128) 0.91 (327) 4.04 (459) Source: , Integrated analysis of PK parameters, Table 2.4/13 レゴラフェニブ及び M-2 の薬物動態において性別による差は認められなかった 男性患者及び女性患者間に認められた M-5 の曝露量の差は M-5 の曝露量のばらつきが大きいこと 及び男性患者と女性患者の曝露量の範囲が大きく重なっていることから臨床的に意味のあるものではないと考えられる 体重 一般的に 体重の差は薬の分布容積の差に表れることが多く 薬物動態に影響を及ぼすことがある このため 低体重の患者では曝露量が高くなり 逆に高体重の患者では曝露量が低くなる可能性がある 試験 の母集団薬物動態解析において ベースライン時点の体重は レゴラフェニブの薬物動態に対して有意な影響を与えなかったが 体重の増加に伴い M-2 及び M-5 の曝露量の低下が認められた 対象集団全体の体重の 5~95 パーセンタイル (48.9kg 及び 100kg) における M-2 の C av,md の範囲は 対象集団全体の中央値を基点とした場合 +24% 及び -21% であり 体重は M-2 の曝露量に対して中程度の影響を示した M-2 の曝露量の全体的なばらつきに対する体重の影響は相対的に小さかった ( 図 )

145 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 116 of 171 Source: Module , R-8731, Figure 6:23 Range bar shows the 5 th to 95 th percentile of the entire range in the study. Other bars show the predicted C av,md in the range (5 th to 95 th percentile) of the covariate in the study. Solid vertical line shows the typical patient 図 代謝物 M-2 の C av,md の変動に対する共変量の影響 ( 試験 14387) M-5 の曝露量に対する体重の影響は比較的大きく 性別の影響が加わることで女性患者の血漿中濃度は相対的に高くなった 男性患者よりも女性患者の体重の中央値 ( 男性患者 76.0kg に対して女性患者 64.5kg) は低値であったため 性別と体重が互いに影響を増大させたと考えられる ( 参照 ) しかしながら 曝露量における全体的な変動が大きいことから 体重の影響は臨床的に重要なものではないと考えられた 第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験データの併合解析では 単回投与後又は定常状態のいずれにおいても レゴラフェニブの AUC 又は C max と体重に明らかな関連は認められなかった 体重と定常状態の AUC(0-24) ss の個別値の散布図を図 に示した 高体重の被験者では曝露量が増加する傾向を示したが AUC(0-24) ss のばらつきは大きいものであった この傾向は 高体重の被験者では分布容積が大きくなり 全体の曝露量は低下すると予測したものと相反するものであり M-2 及び M-5 に関する母集団薬物動態解析の結果とも相反するものであった また 安全性の概括評価 (2.5.5 参照 ) においても高 BMI の患者の方が有害事象が少なかった これは第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験の併合解析で認められた体重の増加に伴う曝露量の見かけの増加には 臨床的な意味はないことを示している 同様の結果は C max についてもみられた また代謝物 M-2 及び M-5 の曝露量もばらつきが大きく 体重に依存する傾向はみられなかった 第 Ⅲ 相臨床試験 ( 試験 14387) のデータ 並びに第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験のデータのいずれにおいてもレゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態に対する臨床的に意味のある体重の影響は認められなかった

146 Figure: Linear plot of Regorafenib AUC in steady state after 160mg od versus baseline weight [kg] - Phase I-II studies 臨床薬理試験 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 117 of 171 Source: Module , Integrated analysis of factors that may affect the PK, Figure 3.4/7 図 レゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回反復投与した際のレゴラフェニブの AUC(0-24) ss と体重との関係 ( 第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験データ ) 腎機能 レゴラフェニブは主として肝代謝により排泄されるため 腎機能がレゴラフェニブの薬物動態に直接影響を及ぼすことは考えにくいが 腎障害が腎以外からの本薬の薬物消失に影響を与えるその他の生理学的変化と関連する可能性はある 試験 の母集団薬物動態解析において レゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態に対する糸球体濾過量の影響は認められなかった ( R-8731 参照 ) また この結果は試験 の成績においても確認された 試験 の薬物動態解析では MDRD 式により評価した腎機能で 正常腎機能 (egfr 90mL/min/1.73m 2 ) と軽度腎機能障害 (60 egfr<90ml/min/1.73m 2 ) に分類した 中等度腎機能障害 (30 egfr<60ml/min/1.73m 2 ) に分類された被験者は 3 例未満であったことから この群のデータは解析に含めなかった 結果を表 に示した 軽度の腎機能障害患者と正常腎機能患者の AUC(0-24) ss 又は C max,ss に差はみられなかった

147 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 118 of 171 表 レゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータと腎機能の関係 [ 試験 幾何平均値 (%CV)] Parameter Regorafenib Unit 160mg tablets MDRD stage normal (N=18) [range] 160mg tablets MDRD stage mild (N=10) [range] Ratio (%) (mild/normal) 90% CI AUC(0-24) ss mg h/l 53.0 (72.2) [ ] C max,ss mg/l 3.74 (52.6) [ ] M-2 AUC(0-24) ss mg h/l 49.4 (99.3) [ ] C max,ss mg/l 3.23 (87.1) [ ] M-5 AUC(0-24) ss mg h/l 55.9 (196) [ ] C max,ss mg/l 3.44 (185) [ ] Source: , PH-36733, Table (69.6) [ ] 3.14 (60.6) [ ] 51.8 (54.2) [ ] 3.30 (53.3) [ ] 72.5 (59.2) [ ] 4.41 (68.0) [ ] 90.8 [59.0;140] 84.1 [59.4;119] 105 [64.1;172] 102 [64.9;161] 130 [63.4;265] 128 [63.3;260] 第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験の併合データを用いて探索的に解析したところ egfr 値と AUC(0-24) ss の間に明らかな関係はみられなかったが ( 図 ) これらの被験者を腎機能別に層別化したところ 腎機能の低下に伴いレゴラフェニブの曝露量が増加する傾向を示した ( 表 ) 図 に示したように 各腎機能群間の AUC(0-24) ss は重なり合っており egfr とレゴラフェニブの AUC(0-24) ss の間にはわずかな関連性しかみられなかった (Spearman 相関係数 = ) がん患者を対象とした併合解析において 正常腎機能患者の平均 AUC(0-24) ss は約 38mg h/l であり 健康被験者 ( 正常腎機能 ) でみられた 50mg h/l~60mg h/l よりも低い値であった ( 表 ) 代謝物 M-2 及び M-5 についても同様のプロットを作成した ( 図 及び図 ) 未変化体と比べ より大きなばらつきがみられたが egfr との関係に明らかな傾向はみられなかった

148 Figure: Linear plot of Regorafenib AUC in steady state after 160mg od versus baseline egfr [ml/min/1.73m2] - Phase I-II studies 臨床薬理試験 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 119 of 171 表 腎機能で層別したレゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回 21 日間投与した際の定常状態におけるレゴラフェニブの薬物動態学的パラメータ ( 第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験データ 幾何平均値 %CV) Normal (=>90mL/min/1.73m 2 ) N=32 Mild impairment (60 - <90mL/min/1.73m 2 ) N=20 Moderate impairment (30 - <60mL/min/1.73m 2 ) N=8 AUC(0-24) ss (mg 38.2 (75.8) 51.7 (55.1) 64.8 (36.5) h/l) C max,ss (mg/l) 3.02 (66.8) 3.71 (52.5) 4.32 (39.1) t 1/2,ss (h) 32.1 (103) a 35.0 (63.9) b 29.0 (56.6) c Source: , Integrated analysis of factors that may affect the PK, Table 2.4/25 a N = 29 b N = 16 c N = 7 Source: , Integrated analysis of factors that may affect the PK, Figure 3.4/13 図 レゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回 21 日間投与した際の egfr とレゴラフェニブの AUC(0-24) ss との関係 ( 第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験データ )

149 Figure: Linear plot of M-2 AUC in steady state after 160mg od versus baseline egfr [ml/min/1.73m2] - Phase I-II studies Figure: Linear plot of M-5 AUC in steady state after 160mg od versus baseline egfr [ml/min/1.73m2] - Phase I-II studies 臨床薬理試験 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 120 of 171 Source: , Integrated analysis of factors that may affect the PK, Figure 3.4/14 図 レゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回 21 日間投与した際の egfr と代謝物 M-2 の AUC(0-24) ss との関係 ( 第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験データ ) Source: , Integrated analysis of factors that may affect the PK, Figure 3.4/15 図 レゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回 21 日間投与した際の egfr と代謝物 M-5 の AUC(0-24) ss との関係 ( 第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験データ )

150 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 121 of 171 第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験データの解析から 軽度又は中等度の腎機能障害患者においてレゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 の曝露量は増加しないこと示された また この結果は第 Ⅲ 相臨床試験 ( 試験 14387) の母集団薬物動態解析によっても支持された 肝機能 第 Ⅲ 相臨床試験 ( 試験 14387) の母集団薬物動態解析において 肝機能に関連する数種の変数の影響を評価した 評価した変数 ( ベースライン時点の総ビリルビン ALT AST アルカリホスファターゼ及び肝機能分類 ) のうち ビリルビン値のみにレゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態に対する影響が認められた しかしながら 基準値上限を上回るビリルビン値を有する被験者数は限られていた (95 パーセンタイル値 :1.2mg/dL 最大値 :1.8mg/dL) 共変量解析の結果から ベースライン時点のビリルビン高値がレゴラフェニブ M-2 及び M-5 の曝露量の増加と相関することが示唆された しかしながら M-5 に対するベースライン時点のビリルビン値の影響はわずかであった 対象集団全体でのベースライン時点のビリルビン値範囲の 5~95 パーセンタイル (0.2mg/dL~1.2mg/dL) におけるレゴラフェニブ反復投与後 21 日目の平均血漿中濃度 (C av,md) の範囲は 対象集団全体の中央値を基点として 約 -14%~+18% の範囲であった 対象集団全体の C av,md の 5~95 パーセンタイル範囲は 1.57mg/L~5.51mg/L であり レゴラフェニブの変動に対する患者ごとのビリルビン値の相対的な寄与は レゴラフェニブの曝露量の全体的な変動 (5~95 パーセンタイルの範囲で約 -50%~+80%) と比べて相対的に小さかった ( 図 ) Source: Module , R-8731, Figure 6:22 Upper bar shows the 5th to 95th percentile of the entire range in the study. Lower bar shows the predicted C av,md in the range (5th to 95th percentile) of the covariate in the study. Vertical line shows the typical patient. BIL0: total bilirubin at baseline 図 レゴラフェニブの C av,md の変動に対する共変量の影響 ( 試験 14387)

151 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 122 of 171 試験 の結果を用いて母集団薬物動態解析の結果を補足した 試験 において レゴラフェニブ 100mg を単回投与した際の薬物動態をコホート 3( 非 HCC 患者 ) と HCC 患者の拡大コホート (Child-Pugh A 及び Child-Pugh B) とで比較した レゴラフェニブ 100mg を単回経口投与 ( サイクル 1 の Day 1) した際のレゴラフェニブ並びに代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値及び %CV) を表 表 及び表 に示した AUC(0-t last) 及び C max は HCC 患者及び非 HCC 患者 ( コホート 3) で同様の値を示した 表 肝機能で層別したレゴラフェニブ 100mg 投与後のレゴラフェニブの薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV)( 試験 11651) Cohort 3 (n=10) HCC Child-Pugh A (n=14) HCC Child-Pugh B (n=4) AUC(0-t last) (mg h/l) 32.7 (37.9) 26.8 (67.5) 33.0 (112) AUC(0-24) (mg h/l) 15.7 (41.6) 15.5 (75.3) 22.1 (72.0) AUC (mg h/l) 43.7 (34.9) b 45.2 (84.3) c 57.7 (30.9) d C max (mg/l) 1.25 (30.7) 1.38 (97.9) 1.42 (76.1) t ½ (h) 31.6 (32.5) b 25.2 (52.0) c 45.3 (79.7) d t max (h) a 5 (2 48) 3 (2 24) 3 (2 10) Source: Module , PH-36984, Table 7-6 a median (range); b N = 5; c N = 9; d N = 3 表 肝機能で層別したレゴラフェニブ 100mg 投与後の M-2 の薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV)( 試験 11651) Cohort 3 (n=10) HCC Child-Pugh A (n=14) HCC Child-Pugh B (n=4) AUC(0-t last) (mg h/l) 11.3 (47.4) 8.84 (122) 13.4 (194) AUC (mg h/l) 12.8 (37.0) b 15.3 (69.9) c NC d C max (mg/l) (51.2) (154) (129) t ½ (h) 24.8 (28.6) b 24.0 (56.3) c NC d t max (h) a 10 (2 48) 3 (2 24) 10 (8 24) Source: Module , PH-36984, Table 7-7 a median (range); b N = 5; c N = 10; d N = 2 NC not calculated 表 肝機能で層別したレゴラフェニブ 100mg 投与後の M-5 の薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV)( 試験 11651) Cohort 3 (n=10) HCC Child-Pugh A (n=13) HCC Child-Pugh B (n=4) AUC(0-t last) (mg h/l) (111) 1.02 (122) (587) C max (mg/ L) (118) (110) (352) t max (h) a 48 (24-48) 47 (4-49) 35 (24-47) Source: Module , PH-36984, Table 7-8 a median (range) レゴラフェニブ 100mg 投与後の薬物動態成績からは 肝機能障害 (Child-Pugh 分類 ) が未変化体及び主代謝物の薬物動態に影響を及ぼさないことが示唆された

152 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 123 of 171 試験 において 160mg 1 日 1 回反復投与後 15 日目の血漿中トラフ濃度を欧米人の Child-Pugh A の HCC 患者から収集した レゴラフェニブ及び代謝物 M-2 のトラフ濃度 ( 幾何平均値 ) は 試験 の非 HCC 患者から得られた反復投与後 21 日目のトラフ濃度と同様の値を示した ( 表 ) 試験 では反復投与後 15 日目にトラフ濃度測定用の検体を採取していることから M-5 については定常状態に到達していないと考えられ M-5 のトラフ濃度は試験 に比べ低かった 表 レゴラフェニブ 160mg を単回投与した際のレゴラフェニブ及び代謝物の血漿中トラフ濃度 ( 幾何平均値 %CV)( 試験 及び試験 11650) Units Child-Pugh A (Study 14596) Cycle 1, Day 15 N = 20 Control Patients (Study 11650) Cycle 1, Day 21 Regorafenib mg/l 1.77(95) 1.40(57) M-2 mg/l 1.11(156) 1.31(76) M-5 mg/l 0.859(145) 1.19(92) Source: , A51601; , PH 第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験の併合データを用いてレゴラフェニブの薬物動態に対する肝機能の影響の可能性を評価した 薬物動態学的パラメータと肝機能検査値 (ALT AST 総ビリルビン 間接ビリルビン及びアルカリホスファタ ゼ ) の関連について解析した 併合した多くの被験者については Child-Pugh 分類がなされていないため肝機能検査値を用いた ベースラインの AST 値及び ALT 値を基に層別した際 正常上限値の 1.5 倍 ~3 倍の値を示す群の被験者は 5 例のみであった これらの被験者ではベースラインにおける AST 値及び ALT 値が正常値上限の 1.5 倍未満の被験者に比べて 薬物動態に顕著な差はみられなかった 肝機能の測定値に基づくレゴラフェニブの薬物動態学的パラメータの要約を表 に示した 表 レゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回 21 日間反復投与した際の肝機能別の第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験におけるレゴラフェニブの薬物動態学的パラメータ ( 幾何平均値 %CV) Index of Hepatic Function N AUC(0-24) ss (mg h/l) C max,ss (mg/l) ALT/AST (123) 4.03(72.6) times ULN ALT/AST > 3 times ULN Source: , Integrated analysis of factors that may affect the PK, Table 2.4/22 図 図 図 図 及び図 に それぞれ総ビリルビン 間接ビリルビン ALT AST 及びアルカリホスファタ ゼとレゴラフェニブの AUC(0-24) ss との関係を示した いずれの検査値もレゴラフェニブ又は代謝物の AUC(0-24) ss 又は C max,ss のいずれとも明らかな関連を示さなかった レゴラフェニブの AUC(0-24) ss とアルカリホスファタ ゼの関係において わずかに負の相関傾向がみられたが レゴラフェニブの曝露量は検討したいずれの肝機能検査値とも相関しなかった

153 Figure: Linear plot of Regorafenib AUC in steady state after 160mg od versus baseline Total Bilirubin [mg/dl] - Phase I-II studies 臨床薬理試験 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 124 of 171 Source: , Integrated analysis of factors that may affect the PK, Figure 3.4/22 図 レゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回 21 日間反復投与した際の総ビリルビンとレゴラフェニブの AUC(0-24) ss との関係 ( 第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験データ )

154 Figure: Linear plot of Regorafenib AUC in steady state after 160mg od versus baseline Indirect Bilirubin [mg/dl] - Phase I-II studies Figure: Linear plot of Regorafenib AUC in steady state after 160mg od versus baseline ALT [U/L] - Phase I-II studies 臨床薬理試験 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 125 of 171 Source: , Integrated analysis of factors that may affect the PK, Figure 3.4/31 図 レゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回 21 日間反復投与した際の間接ビリルビンとレゴラフェニブの AUC(0-24) ss との関係 ( 第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験データ ) Source: , Integrated analysis of factors that may affect the PK, Figure 3.4/40 図 レゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回 21 日間反復投与した際の ALT とレゴラフェニブの AUC(0-24) ss との関係

155 Figure: Linear plot of Regorafenib AUC in steady state after 160mg od versus baseline AST [U/L] - Phase I-II studies Figure: Linear plot of Regorafenib AUC in steady state after 160mg od versus baseline Alkaline Phosphatase [U/L] - Phase I-II studies 臨床薬理試験 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 126 of 171 Source: , Integrated analysis of factors that may affect the PK, Figure 3.4/49 図 レゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回 21 日間反復投与した際の AST とレゴラフェニブの AUC(0-24) ss との関係 ( 第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験データ ) Source: , Integrated analysis of factors that may affect the PK, Figure 3.4/58 図 レゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回 21 日間反復投与後のアルカリホスファタ ゼとレゴラフェニブの AUC(0-24) ss との関係 ( 第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験データ )

156 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 127 of 171 レゴラフェニブ 100mg 単回投与時のレゴラフェニブ及び代謝物の曝露量は 軽度肝機能障害患者 (Child-Pugh A) と正常な肝機能を有する患者で同様であった また 中等度肝機能障害患者 (Child-Pugh B) の限られた例数の単回投与データにおいても 正常な肝機能を有する患者と比べてレゴラフェニブ 100mg 単回投与時の曝露量の変化がないことが示唆された さらに 第 Ⅲ 相臨床試験の母集団薬物動態解析の結果は レゴラフェニブ 160mg 1 日 1 回反復投与においてもこの結果が当てはまることを示した 評価した肝機能パラメータのうち ベースライン時点のビリルビン値のみがレゴラフェニブ及び M-2 の曝露量に対してわずかな影響を有するパラメータとして特定された しかしながら 曝露量の全体的なばらつきが大きいことから この影響は臨床的に意味があるものとは考えられなかった 薬物動態の民族差比較 レゴラフェニブの薬物動態を民族間で比較するため 製剤 投与量及び投与スケジュールの観点から比較可能と考えられた国内外の第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 臨床試験を併合解析し 民族差を検討した 本剤単回投与時及び反復投与時におけるレゴラフェニブ未変化体並びに代謝物 M-2 及び M-5 の薬物動態を民族間で比較するため 投与量及び投与スケジュールの観点から比較可能と考えた国内外の第 Ⅰ 相臨床試験 ( 試験 13172: 日本人 試験 11650: 欧米人 試験 14996: 中国人 ) 及び第 Ⅱ 相臨床試験 ( 試験 11726: 欧米人 試験 14596: 韓国人 ) の成績を併合し 民族差を検討した なお 主代謝物 M-2 及び M-5 は in vitro 試験において種々のキナーゼを阻害することが示されている ( 参照 ) 循環血中の未変化体及び主代謝物濃度 並びにそれぞれの遊離型濃度を考慮すると 本剤の抗腫瘍効果には未変化体の寄与が大きく 代謝物の寄与は部分的と考えられる ( 参照 ) 1. 単回投与時における未変化体及び代謝物の薬物動態 ( 試験 13172: 日本人 試験 11650: 欧米人 試験 14996: 中国人 ) レゴラフェニブ 160mg を単回投与した際の未変化体並びに代謝物 M-2 及び M-5 の AUC( 個別値 ) を図 に C max( 個別値 ) を図 に示した なお 試験 11650( 欧米人 ) においては 代謝物 M-5 の t 1/2 を推定するための採血ポイントが十分でなかったため AUC の算出はできなかった 欧米人被験者 ( 試験 11650) 日本人被験者 ( 試験 13172) 及び中国人被験者 ( 試験 14996) のいずれの民族においても 未変化体及び代謝物の AUC 及び C max に比較的大きな個体間変動がみられ 特に日本人の個体間変動は欧米人と比べ大きかった 日本人 ( 試験 13172) と欧米人 ( 試験 11650) で未変化体及び代謝物 M-2 の AUC 及び C max を比較すると 日本人における個別値の分布は欧米人の分布と重なっているものの 日本人の曝露量の幾何平均値は欧米人に比べ低い値を示した

157 Figure: Plot of Regorafenib AUC at first dose after 160 mg versus study - Phase I-II studies Figure: Plot of M-2 AUC at first dose after 160 mg versus study - Phase I-II studies Figure: Plot of M-5 AUC at first dose after 160 mg versus study - Phase I-II studies 臨床薬理試験 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 128 of 171 レゴラフェニブ 代謝物 M-2 代謝物 M-5 AUC(μg h/l) AUC(μg h/l) AUC(μg h/l) 図 がん患者を対象にレゴラフェニブ 160mg を単回投与した際の AUC( 個別値 ) Source: , Integrated analysis of factors that may affect the PK parameters, Figure 3.1/37, Figure 3.1/38 and Figure 3.1/39 試験 11650: 欧米人 ( 未変化体 :N=6 M-2:N=8 M-5: データなし ) 試験 13172: 日本人 ( 未変化体 :N=15 M-2:N=15 M-5:N=13) 試験 14996: 中国人 ( 未変化体 :N=8 M-2:N=9 M-5:N=3)

158 Figure: Plot of Regorafenib CMAX at first dose after 160 mg versus study - Phase I-II studies Figure: Plot of M-2 CMAX at first dose after 160 mg versus study - Phase I-II studies Figure: Plot of M-5 CMAX at first dose after 160 mg versus study - Phase I-II studies 臨床薬理試験 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 129 of 171 レゴラフェニブ Cmax(μg/L) Cmax(μg/L) Cmax(μg/L) 代謝物 M-2 代謝物 M-5 図 がん患者を対象にレゴラフェニブ 160mg を単回投与した際の C max ( 個別値 ) Source: , Integrated analysis of factors that may affect the PK, Figure 3.1/40, Figure 3.1/41 and Figure 3.1/42 試験 11650: 欧米人 ( 未変化体 :N=12 M-2:N=12 M-5:N=12) 試験 13172: 日本人 ( 未変化体 :N=15 M-2:N=15 M-5:N=13) 試験 14996: 中国人 ( 未変化体 :N=9 M-2:N=9 M-5:N=9)

159 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 130 of 171 t max 及び t 1/2 を民族間で比較したとき 未変化体の t max( 中央値 ) は日本人と欧米人で同様の値を示し それぞれ 4.0 時間及び 4.2 時間であった t 1/2( 幾何平均値 ) についても日本人と欧米人で類似した値を示し それぞれ約 27 時間及び約 28 時間であった 代謝物 M-2 の t max( 中央値 ) 及び t 1/2( 幾何平均値 ) についても 両民族間で類似した値を示し t max は日本人で 4.3 時間 欧米人で 6.0 時間 t 1/2 は日本人で約 25 時間 欧米人で約 22 時間であった 代謝物 M-5 の t max( 中央値 ) については両民族間でおおむね類似した値を示した ( 日本人 : 約 24 時間 欧米人 : 約 33 時間 ) 2. 反復投与時における未変化体及び代謝物の薬物動態 ( 試験 13172: 日本人 試験 11650: 欧米人 試験 14996: 中国人 試験 11726: 欧米人 試験 14596: 韓国人 ) レゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回 21 日間反復投与した際の未変化体並びに代謝物 M-2 及び M- 5 の AUC(0-24) ss( 個別値 ) を図 に C max,ss( 個別値 ) を図 に示した 未変化体の AUC(0-24) ss を日本人 ( 試験 13172) と欧米人 ( 試験 及び試験 11726) で比較したとき 幾何平均値では日本人被験者における曝露量は欧米人被験者に比し若干低い傾向を示したものの 個別値をみると欧米人で観察された曝露量の範囲内におおむね分布していた 代謝物 M-2 及び M-5 の AUC(0-24) ss は 未変化体と比べると大きな個体間変動を示し 日本人被験者 ( 試験 13172) における代謝物 M-2 及び M-5 の AUC(0-24) ss は欧米人 ( 試験 11650) に比し低い傾向を示したものの 個別値の分布や幾何標準偏差の値は 欧米人の値と大部分が重なっていた また C max,ss についても AUC(0-24) ss と同様の傾向がみられた 他のアジア人被験者 ( 試験 14596: 韓国人 試験 14996: 中国人 ) の成績を含めて考察すると 日本人被験者の AUC(0-24) ss 及び C max,ss はアジア人の個体間変動の範囲内であり 日本人を含むアジア人の曝露量は欧米人と大きな違いはないと考えられた t max( 中央値 ) を日本人と欧米人で比較したとき M-5 の t max は日本人 ( 試験 13172) で約 36 時間 (0.6 時間 ~73 時間 ) 欧米人 ( 試験 11650) で約 4 時間 (0.5 時間 ~24 時間 ) と 日本人で遅い t max が観察されたが 未変化体及び代謝物 M-2 の t max は両民族で類似する値であった また 未変化体及び代謝物 M-2 の t 1/2 についても両民族で類似する値を示した 本薬投与後の血漿中濃度推移において 腸肝循環によると考えられる複数の血漿中濃度ピークが観察された 代謝物 M-5 の吸収及び消失は 未変化体及び M-2 に比べ緩徐であるため 日本人被験者において 投与後 24 時間以降に観察された血漿中濃度ピークが最高血漿中濃度になった例があった

160 Figure: Plot of Regorafenib AUC in steady state after 160 mg versus study - Phase I-II studies Figure: Plot of M-2 AUC in steady state after 160 mg versus study - Phase I-II studies Figure: Plot of M-5 AUC in steady state after 160 mg versus study - Phase I-II studies 臨床薬理試験 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 131 of 171 レゴラフェニブ AUC(0-24)ss(μg h/l) AUC(0-24)ss(μg h/l) AUC(0-24)ss(μg h/l) 代謝物 M-2 代謝物 M-5 図 がん患者を対象にレゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回反復投与した際の定常状態における AUC(0-24) ss ( 個別値 ) Source: , Integrated analysis of factors that may affect the PK, Figure 3.3/37, Figure 3.13/38 and Figure 3.3/39 試験 11650: 欧米人 ( 未変化体 :N=25 M-2:N=17 M-5:N=17) 試験 11726: 欧米人 ( 未変化体 :N=14) 試験 13172: 日本人 ( 未変化体 :N=12 M-2:N=12 M-5:N=12) 試験 14596: 韓国人 ( 未変化体 :N=7 M-2:N=7 M-5:N=7) 試験 14996: 中国人 ( 未変化体 :N=2 M-2:N=2 M-5:N=2)

161 Figure: Plot of Regorafenib CMAX in steady state after 160 mg versus study - Phase I-II studies Figure: Plot of M-2 CMAX in steady state after 160 mg versus study - Phase I-II studies Figure: Plot of M-5 CMAX in steady state after 160 mg versus study - Phase I-II studies 臨床薬理試験 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 132 of 171 未変化体 Cmax,ss(μg/L) Cmax,ss(μg/L) Cmax,ss(μg/L) 代謝物 M-2 代謝物 M-5 図 がん患者を対象にレゴラフェニブ 160mg を 1 日 1 回反復投与した際の定常状態における C max( 個別値 ) Source: , Integrated analysis of factors that may affect the PK, Figure 3.1/40, Figure 3.1/41 and Figure 3.1/42 試験 11650: 欧米人 ( 未変化体 :N=25 M-2:N=17 M-5:N=17) 試験 11726: 欧米人 ( 未変化体 :N=14) 試験 13172: 日本人 ( 未変化体 :N=12 M-2:N=12 M-5:N=12) 試験 14596: 韓国人 ( 未変化体 :N=7 M-2:N=7 M-5:N=7) 試験 14996: 中国人 ( 未変化体 :N=2 M-2:N=2 M-5:N=2)

162 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 133 of 民族的要因による影響の受けやすさに関する考察 レゴラフェニブの薬物動態に関する民族的要因による影響の受けやすさについて 線形性 内因性因子の影響及び代謝の観点から以下のように考察した 線形性について 国外第 Ⅰ 相臨床試験 ( 試験 11650) において 錠剤による投与で 120mg~220mg の用量範囲の定常状態における AUC(0-24) を評価したところ AUC(0-24) ss は 220mg まで増量による増加を示したが その増加は用量比を下回るものであった 一方 C max については 120mg~160mg の用量範囲でほぼ一定の値を示し 増量による明らかな増加は認められなかった このことから 160mg の用量は おおむね用量依存的な増加が確認されている範囲の用量と考えられた また 160mg を超える用量においては 未変化体及び代謝物の曝露量の増加がわずかであるか もしくは増加しなかったことから 160mg の用量は 曝露量が急激に増加するような可能性の低い用量レベルと考えられる 内因性因子の影響について 日本人の曝露量は欧米人に比べ低い傾向がみられたが 曝露量に影響を及ぼす内因性因子は特定されていない 第 Ⅰ 相及び第 Ⅱ 相臨床試験の併合解析において 未変化体並びに代謝物 M-2 及び M-5 の曝露量 [AUC(0-24) ss 及び C max,ss] と内因性因子 ( 年齢 性別 体重 肝機能及び腎機能 ) との関係を検討したところ 薬物動態とこれらの内因性因子との間に明確な関係は認められず これまでのところ 薬物動態に影響を及ぼす因子は特定されていない 日本人で低い曝露量がみられた理由についは現時点で不明である また第 Ⅲ 相臨床試験 ( 試験 14387) では 日本人結腸 直腸癌患者においても全体の成績と同様の有効性及び安全性プロファイルが示されていることから 推奨用量における日本人と欧米人の曝露量の違いが臨床的に重要な影響を及ぼす可能性は低いと考えられる 代謝について レゴラフェニブは主に CYP3A4 と UGT1A9 を介して代謝される また 寄与は低いが CYP2J2 もレゴラフェニブの代謝に関与する これらの代謝酵素には臨床的に重要な遺伝多型や民族差を示唆する報告はない 以上より レゴラフェニブの薬物動態は民族的要因の影響を受けにくいものと考えられた 外因性因子の影響 レゴラフェニブは細胞増殖抑制型の抗がん薬である がん患者は多くの併用薬を服用することが多いと考えられるため 臨床上の薬物動態相互作用を特徴付けることは重要である 薬物相互作用は in vitro での代謝 / 阻害 / 誘導試験成績を用いて明らかにし いくつかの薬剤との薬物相互作用について臨床試験 (in vivo) で評価した なお 抗生物質による腸内細菌叢の低下は 消化管においてグルクロン酸抱合体の分解により生じる薬物の再吸収を低下させ 結果として曝

163 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 134 of 171 露量を減少させると考えられることから 腸内細菌叢を阻害する抗生物質との薬物間相互作用がある可能性は否定できない In vitro 相互作用データ CYP 及び UGT 分子種に対するレゴラフェニブの阻害作用又は誘導作用を示した in vitro 試験は に述べた CYP 分子種阻害 レゴラフェニブ その血漿中代謝物 M-2 及び M-5 は in vitro 試験で CYP 分子種に対する阻害作用を示した ( 表 及び表 ) レゴラフェニブは CYP2C8(K i=0.6μm) を強力に阻害し CYP2C9(K i=4.7μm) 及び CYP2B6 (K i=5.2μm) も阻害した CYP3A4(K i=11.1μm) 及び CYP2C19(K i=16.4μm) に対する阻害作用は中程度であった がん患者にレゴラフェニブ 160mg を反復投与すると 定常状態における最高血漿中濃度 (C max,ss) は 8.1μM となり CYP2C8 CYP2C9 及び CYP2B6 に対する Ki 値を超えており レゴラフェニブとこれら CYP 分子種の基質となる薬剤とを併用投与した場合 薬物相互作用を生じる可能性がある レゴラフェニブと NADPH 添加ヒト肝ミクロソームとの 15 分間プレインキュベーションでは CYP3A4 に対する有意な時間依存性の阻害作用はみられなかった CYP2D6 はレゴラフェニブにより軽度に阻害された (IC 50=38μM) CYP1A2 CYP2A6 及び CYP2E1 活性はレゴラフェニブにより変化しなかった 単一 CYP 分子種に対するレゴラフェニブの阻害強度は CYP2C8>CYP2C9 CYP2B6>CYP3A4 CYP2C19 の順であった 表 種々の CYP 分子種を介するプローブ基質の代謝に及ぼすレゴラフェニブの阻害作用 CYP isoform Substrate Enzyme source IC 50 [μm] K i [μm] 1A2 Phenacetin Human liver microsomes >50 n.d. 2A6 Coumarin Recombinant enzyme >50 n.d. 2B6 Bupropion Human liver microsomes C8 Amodiaquine Recombinant enzyme C9 Diclofenac Human liver microsomes 2.7 n.d. 2C9 Tolbutamide Recombinant enzyme n.d C19 Mephenytoin Recombinant enzyme D6 Dextromethorphan Human liver microsomes 37.7 n.d. 2E1 Chlorzoxazone Recombinant enzyme >50 n.d. 3A4 Testosterone Recombinant enzyme n.d A4 Midazolam Human liver microsomes - n.d. Source: , PH-34364, M-2 は CYP2C8(K i=1.0μm) 及び CYP2C9(K i=0.8μm 基質としてジクロフェナク存在下 ) を強力に阻害し CYP3A4(K i=4.0μm 基質としてテストステロン存在下 ) 及び CYP2D6(K i=7.8 μm) にも影響を及ぼした CYP2B6(IC 50=20μM) 及び CYP3A4(IC 50=22μM 基質としてミダゾラム存在下 ) では M-2 の軽度から中等度の阻害がみられた M-2 は CYP1A2 CYP2A6 CYP2C19

164 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 135 of 171 及び CYP2E1 の活性に影響を及ぼさなかった さらに M-2 と NADPH 添加ヒト肝ミクロソームとの 30 分間プレインキュベーションでは CYP3A4 に対する時間依存性の有意な阻害作用はみられなかった M-5 は CYP2C8(Ki=1.3μM) を強力に阻害し CYP2B6(IC 50=47μM) を軽度に阻害した M-5 は CYP1A2 CYP2A6 CYP2C9 CYP2C19 CYP2D6 CYP2E1 及び CYP3A4 の活性に影響しなかった さらに M-5 と NADPH 添加ヒト肝ミクロソームの 30 分間プレインキュベーションでは CYP3A4 に対する有意な時間依存性の阻害作用はみられなかった 単一 CYP 分子種に対する M-2 の阻害強度は CYP2C9 CYP2C8>CYP3A4 CYP2D6>CYP2B6 の順であった M-5 は CYP2C8 のみ強力に阻害した 表 代謝物 M-2 及び M-5: ヒト肝ミクロソームプールにおける種々の CYP 分子種を介するプローブ基質の代謝に及ぼす阻害作用 CYP isoform Substrate M-2 (BAY ) M-5 (BAY ) IC 50 [μm] K i [μm] IC 50 [μm] K i [μm] CYP1A2 Phenacetin >50 n.d. >50 n.d. CYP2A6 Coumarin >50 n.d. >50 n.d. CYP2B6 Bupropion 20 n.d. 47 n.d. CYP2C8 Amodiaquine CYP2C9 Diclofenac >50 n.d. CYP2C19 (S)-Mephenytoin >50 n.d. >50 n.d. CYP2D6 Dextromethorphan >50 n.d. CYP2E1 Chlorzoxazone >50 n.d. >50 n.d. CYP3A4 Midazolam 22 n.d. >50 n.d. CYP3A4 [ 13 C 6]Midazolam 12 n.d. >50 n.d. (30 min preincubation) CYP3A4 Testosterone >50 n.d. CYP3A4 Testosterone (30 min preincubation) Source , A57553, n.d. >50 n.d. ジヒドロピリミジン脱水素酵素 [ 14 C] フルオロウラシルの分解は ピリミジン異化作用に対する速度制限酵素であるジヒドロピリミジン脱水素酵素をヒト肝細胞質に添加して測定された レゴラフェニブ及びヒトにおける血漿中での主代謝物 M-2 及び M-5 は in vitro で [ 14 C] フルオロウラシルの生物学的変換に影響を及ぼさなかった (IC 50>20μM) レゴラフェニブ及び代謝物 M-2 及び M-5 はジヒドロピリミジン脱水素酵素に対して阻害作用を示さなかった CYP 分子種誘導 培養ヒト肝細胞においてレゴラフェニブを繰り返し曝露させても CYP1A2 及び CYP3A4 の誘導作用を示さなかった UDP- グルクロン酸転移酵素 (UGT) レゴラフェニブ及びその血漿中代謝物 M-2 及び M-5 は in vitro 試験で UDP- グルクロン酸転移酵素 (UGT)1A1 及び 1A9 に対して阻害作用を示した

165 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 136 of 171 UGT1A1 に対するレゴラフェニブの阻害作用は 2 種の基質 ( エストラジオール及びイリノテカンの活性代謝物の SN-38) を用いて検討した SN-38 のグルクロン酸抱合 (K i=3.1μm) と同様にエストラジオールの 3- グルクロン酸抱合 (K i=0.7μm) は共に強力に阻害された UGT1A9 に対するレゴラフェニブの阻害強度について UGT1A9 の選択的基質のプロポフォールを用いて検討した プロポフォールのグルクロン酸抱合はレゴラフェニブにより強力に阻害された (K i=2.1μm) レゴラフェニブは UGT1A4 UGT1A6 及び UGT2B7 のグルクロン酸抱合に対して阻害作用はみられなかった 複数の UGT により触媒されるアセトアミノフェンのグルクロン酸抱合及びエストラジオール 17- グルクロン酸抱合にも有意な阻害はみられなかった UGT1A1 活性は M-2(K i=0.6μm エストラジオール 3- グルクロン酸抱合 ;IC 50=1.6μM SN- 38 グルクロン酸抱合 ) 及び M-5(K i=1.1μm エストラジオール 3- グルクロン酸抱合 ;IC 50=2.0 μm SN-38 グルクロン酸抱合 ) の両方により強力に阻害された ( 表 ) さらに UGT1A9 の典型基質であるプロポフォールのグルクロン酸抱合は M-2(K i=4.3μm) で強力に阻害され M-5(IC 50=15.8μM) で中等度に阻害された M-2 又は M-5 はいずれも UGT1A4 UGT1A6 及び UGT2B7 によるグルクロン酸抱合を有意に阻害しなかった 複数の UGT により触媒されるエストラジオール 17- グルクロン酸抱合も両代謝物により有意に阻害されなかった ( 表 ) 表 ヒト肝ミクロソームにおける UGT 分子種を介するプローブ基質のグルクロン酸抱合に対するレゴラフェニブ M-2 及び M-5 の阻害作用 UGT isoform Substrate Regorafenib M-2 (BAY ) M-5 (BAY ) IC 50 [μm] K i [μm] IC 50 [μm] K i [μm] IC 50 [μm] K i [μm] Various Acetaminophen >100 n.d. n.d. n.d. n.d. n.d. Various Estradiol (estradiol 17-gluc) 45.6 n.d. > 5 n.d. > 5 n.d. 1A1 Estradiol (estradiol 3-gluc) A1 SN n.d. 2.0 n.d. 1A4 Trifluoperazine >100 n.d. > 25 n.d. > 25 n.d. 1A6 α-naphthol >100 n.d. > 50 n.d. > 25 n.d. 1A9 Propofol n.d. 2B7 3 -Azido-3 -deoxythymidine >100 n.d. > 25 n.d. > 25 n.d. n.d. = not determined Source: , PH-34036, and , PH-35818, 薬物トランスポーターに関する成績 薬物トランスポーターに対するレゴラフェニブの阻害作用の可能性を以下にまとめた in vitro 試験について に示した レゴラフェニブは P-gp の基質にならないことが in vitro 実験成績から示唆されたが レゴラフェニブが P-gp 輸送を阻害する可能性を検討した 2 種の異なる P-gp プローブ基質であるジゴキシン及びジピリダモールの細胞膜を介する排出率に対するレゴラフェニブの効果は IC 50 値 2.3±1.5μM であった したがって P-gp 基質とレゴラフェニブを併用投与した際 P-gp 基質の腸管からの吸収に影響を及ぼす可能性は否定できないと考えられる

166 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 137 of 171 レゴラフェニブは BCRP の基質でないことが実験結果から示唆されている しかしながら MDCKⅡ-BCRP 細胞を介するトポテカン (2μM) 及び PhIP(2μM) の排出に対して レゴラフェニブは濃度依存的に強力な阻害作用を示し IC 50 値はそれぞれ 44.8±25.5nM 及び 67.7±11.4nM であった レゴラフェニブは OATP1B1 及び OATP1B3 の基質ではない 10μM 又は 5μM までの濃度において OATP1B1 及び OATP1B3 に対する有意な阻害作用はみられなかった したがって OATP1B1 及び OATP1B3 に関するレゴラフェニブの薬物間相互作用の可能性は少ないと考える レゴラフェニブは 臨床でみられる C max,ss 濃度範囲 (10μM まで ) において OAT1 OAT3 及び OCT2 トランスポーターに対して阻害作用を示さなかった したがって レゴラフェニブは検討した OATP1B1 OATP1B3 OAT1 OAT3 及び OCT2 の基質及び阻害剤ではないことが示された しかしながら P-gp に対する阻害の可能性は否定できず また BCRP に対する強力な阻害作用があることが明らかになった In vivo 相互作用データ レゴラフェニブとその代謝阻害剤及び誘導剤との相互作用及びレゴラフェニブと他の化学療法剤との相互作用についてまとめた レゴラフェニブは主として CYP3A4 及び UGT1A9 により代謝される CYP2J2 の寄与は低かった 強力な CYP3A4 阻害剤のケトコナゾール及び強力な CYP3A4 及び UGT1A9 誘導剤であるリファンピシンのレゴラフェニブの薬物動態に対する影響は 2 つの試験で評価された ( 試験 12435: ケトコナゾール 試験 15524: リファンピシン ) UGT1A1 基質に対するレゴラフェニブの影響の可能性について レゴラフェニブ投与後にイリノテカン ( 代謝物 SN-38 は UGT1A1 の基質である ) を投与した臨床試験で探索的に検討した ( 試験 11656) UGT1A9 による代謝経路の阻害を評価するための UGT1A9 阻害剤を用いる臨床試験は実施しなかった 肝及び腎ミクロソームの両方において ニフルム酸の添加により M-7 の生成が顕著に抑制されたが 一般的に UGT 阻害の影響としての UGT 基質の蓄積は CYP3A4 阻害でみられる影響よりずっと小さいことが知られている 1) CYP2C8 CYP2C9 CYP2C19 及び CYP3A4 分子種に対するレゴラフェニブの影響を評価する臨床試験 ( 試験 12434) が実施された In vitro において レゴラフェニブは CYP2C8 又は CYP2C9 よりも CYP2B6 に対して弱い阻害作用を示した CYP2B6 で代謝される薬物の数が限られていることを考慮して CYP2B6 との相互作用は検討しなかった ケトコナゾールの影響 In vitro データから ヒトにおけるレゴラフェニブの第 Ⅰ 相酸化的代謝が主に CYP3A4 を介することが示された 多くの薬剤が CYP3A4 により代謝され 多くの薬物相互作用が CYP3A4 と関連するので 強力な CYP3A4 阻害剤であるケトコナゾールとの相互作用試験 ( 試験 12435) で評価した ( 参照 ) ケトコナゾール 400mg 反復投与後に 80 又は 160mg 用量のレゴラフェニブを併用投与した レゴラフェニブ 80mg 投与群 ( コホート 1) では レゴラフェニブを単独投与後 14 日間休薬し ケトコナゾール 400mg 反復投与した (7 日間 ) ケトコナゾール投与開始 5 日目にレゴラフェニブ 80mg を併用投与した

167 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 138 of 171 レゴラフェニブ 160mg 投与群 ( コホート 2) でも同様に レゴラフェニブを単独投与後 14 日間休薬し ケトコナゾール 400 mg反復投与した (18 日間 ) ケトコナゾール投与開始 5 日目にレゴラフェニブ 160mg を併用投与した CYP3A4 を介する相互作用は AUC 及び C max の幾何平均値の比及び比の 90%CI を計算することにより評価した 本試験のコホート 1( レゴラフェニブ 80mg) 及びコホート 2( レゴラフェニブ 160mg) におけるレゴラフェニブ M-2 及び M-5 のデータをそれぞれ表 及び表 に示した 表 レゴラフェニブ 160mg 単独投与及びケトコナゾールとの併用投与後の薬物動態学的パラメータの点推定値 (LS 平均値 ) 及び両側 90%CI(N=18)( 試験 12435) Analyte Ratio Parameter N CV (%) Estimated Ratio (%) 90% confidence interval (%) Regorafenib Regorafenib + Ketoconazole / AUC ; 146 Regorafenib C max ; 158 M-2 Regorafenib + Ketoconazole / AUC ; 6.46 Regorafenib C max ; 3.27 M-5 Regorafenib + Ketoconazole / AUC ; 9.26 Regorafenib C max ; 7.72 Source: , PH-36717, Table 9-5 レゴラフェニブ 160mg をケトコナゾールと併用投与した際 レゴラフェニブの平均 AUC は 33% 増加及び平均 C max は 40% 上昇した また M-2 の平均 AUC は 94% 低下し M-2 の平均 C max は 97% 減少した M-5 の平均 AUC は 93% 低下し M-5 の平均 C max は 93% 減少した 強力な CYP3A4 阻害剤であるケトコナゾールとの併用により 代謝物 M-2 及び M-5 の曝露量には著しい低下がみられたが レゴラフェニブの曝露量に対しては中等度から軽度の影響であった さらに これらの結果より in vitro ヒト肝ミクロソームやリコンビナント CYP によって得られた結果から レゴラフェニブの酸化代謝において 主要な役割を果たしているのは CYP3A4 であることが確認された (2.6.4 参照 ) 強力な CYP3A4 阻害剤 ( クラリスロマイシン イトラコナゾール ケトコナゾール ボリコナゾールなど ) に関しては レゴラフェニブ及び代謝物の定常状態の曝露量に対するこれらの薬剤の影響が評価されていないため レゴラフェニブとの併用を避けることが推奨される リファンピシンの影響 In vitro データから CYP3A4 がヒト肝ミクロソームにおけるレゴラフェニブの第 Ⅰ 相酸化的代謝の重要な酵素であることが明らかとなった レゴラフェニブの薬物動態に対する CYP3A4 誘導剤の影響を検討するため リファンピシン (UGT 及び P-gp 誘導剤でもある ) のレゴラフェニブの薬物動態に対する影響を評価した また レゴラフェニブの主代謝物 M-2 及び M-5 に対するリファンピシンの影響も評価した ( 試験 15524) レゴラフェニブ 160mg を単独投与して 14 日間休薬した後 リファンピンを 16 日間反復投与した リファンピシン反復投与開始後 6 日目にレゴラフェニブ 160mg を併用投与した レゴラフェニブ M-2 及び M-5 の薬物動態学的パラメータを表 に示した

168 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 139 of 171 リファンピシンと併用投与した際 レゴラフェニブの AUC 及び C max は統計学的に有意に減少した ( それぞれ平均で約 50% 及び 20% の減少 ) 代謝物 M-2 については リファンピシン併用投与時の C max に上昇がみられたが (58%) 非併用時に対する併用時の AUC の比の 90%CI が 100% を含んでいたことから 併用の影響はないものと判断した レゴラフェニブをリファンピシンと併用投与した際 代謝物 M-5 の AUC では 3 倍を超える増加及び C max では 4 倍を超える増加がみられた 表 リファンピシンとの併用投与及び非併用投与後の薬物動態学的パラメータの点推定値及び両側 90%CI(N=22)( 試験 15524) Analyte Ratio Parameter N CV (%) Estimated Ratio (%) 90% confidence interval (%) Regorafenib Regorafenib + Rifampin / AUC [45.2 ; 56.2] Regorafenib C max [67.6 ; 95.5] M-2 Regorafenib + Rifampin / AUC [78.2 ; 106] Regorafenib C max [132 ; 188] M-5 Regorafenib + Rifampin / AUC [290 ; 456] Regorafenib C max [328 ; 533] Source: , PH-36716, Table 9-2 強力な CYP3A4 誘導剤のリファンピシン (600mg 9 日間投与 ) とレゴラフェニブ (Day 7 に 160mg 投与 ) の単回併用投与により レゴラフェニブの平均曝露量 (AUC) が約 50% 低下し 代謝物 M-5 の平均曝露量が 3 倍 ~4 倍増加したが 代謝物 M-2 の曝露量に変化はなかった CYP3A4 の他の強力な誘導剤 ( フェニトイン カルバマゼピン及びフェノバルビタールなど ) もレゴラフェニブの代謝を増進させる可能性がある 血漿中レゴラフェニブ濃度の減少は有効性の低下を生じる可能性があることから CYP3A4 の強力な誘導剤との併用は避けることとした CYP プローブ基質に及ぼすレゴラフェニブの影響 進行性固形がん患者を対象に CYP プローブ基質の薬物動態に及ぼすレゴラフェニブの影響を検討した ( 試験 12434) グループ A では ワルファリン 10mg オメプラゾール 40mg 及びミダゾラム 2mg( それぞれ CYP2C9 CYP2C19 及び CYP3A4 のプローブ基質 ) を低脂肪の朝食摂取後に経口投与し 7 日間の休薬後 レゴラフェニブ 160mg を 13 日間反復投与した 14 日目の低脂肪の朝食摂取後にレゴラフェニブとプローブ基質を併用投与した 血漿中薬物濃度測定用の血液は 1 日目及び 14 日目において投与後 120 時間まで採取した グループ B では ロシグリタゾン 4mg(CYP2C8 のプローブ基質 ) を低脂肪の朝食摂取後に経口投与し 血漿中薬物濃度測定用の血液を投与後 120 時間まで採取した 7 日間の休薬後 レゴラフェニブ 160mg を 13 日間反復投与し 14 日目の低脂肪の朝食摂取後にレゴラフェニブとロシグリダゾンを併用投与した レゴラフェニブ及びプローブ基質の血漿中濃度の測定用血液試料は投与後 120 時間まで採取した ロシグリタゾン :CYP2C8 基質 レゴラフェニブとロシグリタゾンの併用投与によってロシグリタゾン及び CYP2C8 代謝物である N- 脱メチルロシグリタゾンの薬物動態学的パラメータはほとんど変化しなかった これらの結果は レゴラフェニブが CYP2C8 基質であるロシグリタゾンの代謝物 N- 脱メチルロシグリタゾ

169 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 140 of 171 ンへの代謝に対して阻害作用はないことを示唆するものである 試験 で評価したすべての基質の中で CYP2C8 に関する阻害剤の濃度 / 阻害定数 ([I]/K i) が最大であったにも関わらず レゴラフェニブが阻害作用を示さなかったことは特に重要である 表 ロシグリタゾンの薬物動態に対するレゴラフェニブの影響 : 比の解析 ( 試験 12434) N = 15 subjects with advanced solid tumors Analyte Comparison Parameter N Rosiglitazone N-desmethyl rosiglitazone rosiglitazone+regorafenib / rosiglitazone alone rosiglitazone+regorafenib / rosiglitazone alone Source: Module , PH-36865, Table 8-4 Rosiglitazone alone: Cycle 1, Day -7 Rosiglitazone with regorafenib: Cycle 1, Day 14 Point estimate (Ratio) [%] 2-sided 90% confidence interval [%] AUC ( ) C max ( ) AUC ( ) C max ( ) ワルファリン :CYP2C9 基質 レゴラフェニブとワルファリンの併用投与によって S- ワルファリンの AUC AUC(0-t last) 及び C max はワルファリン単独投与時に比べそれぞれ 25% 19% 及び 26% 増加した これらの結果から レゴラフェニブは CYP2C9 による S- ワルファリンの代謝に対して弱い阻害作用を有する可能性が示唆された 一方で この阻害作用の可能性に関しては (1)AUC 比及び AUC(0-t last) 比の 90%CI の上限がほぼ同様であること (2)Day 14 と Day -7 の AUC の平均値の比 及び AUC(0-t last) の平均値の比が 20% 未満であること (3)AUC(0-t last) 比が 14 例の結果であるのに対して AUC 比は 8 例のみの結果によるものであることを考慮する必要がある レゴラフェニブとワルファリンの併用投与による 7-OH ワルファリンの AUC(0-t last) 及び C max はワルファリン単独投与時に比べそれぞれ 14% 及び 16% 増加した レゴラフェニブとワルファリン併用投与による 7-OH ワルファリン濃度の増加は グルクロン酸抱合を介した 7-OH ワルファリンの代謝低下によるものと考えられた In vitro の検討では レゴラフェニブ及びその代謝物 (M-2 及び M-5) は UGT1A1 活性の強力な阻害剤 [ エストラジオールを基質とした Ki 値 :0.7μ M( レゴラフェニブ ) 0.6μM(M-2) 及び 1.1μM(M-5)] であること 及び UGT1A1 は 7-OH ワルファリンのグルクロン酸抱合に関与していることが示されている 4)

170 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 141 of 171 表 ワルファリンの薬物動態に対するレゴラフェニブの影響 : 比の解析 ( 試験 12434) N = 15 subjects with advanced solid tumors Analyte Comparison Parameter N S- warfarin 7-OH warfarin warfarin+regorafenib / warfarin alone warfarin+regorafenib / warfarin alone Source: Module , PH-36865, Table 8-1 Warfarin alone: Cycle 1, Day -7 Warfarin with regorafenib: Cycle 1, Day 14 Point estimate (Ratio) [%] 2-sided 90% confidence interval [%] AUC ( ) AUC(0-t last) ( ) C max ( ) AUC (0-tlast) ( ) C max ( ) オメプラゾール :CYP2C19 基質 投与 6 時間後のオメプラゾールと 5-OH オメプラゾールのデータにおけるレゴラフェニブ投与前 ( オメプラゾール単独投与 ) と 160mg1 日 1 回投与後 ( レゴラフェニブとオメプラゾールの併用投与後 ) の 5-OH オメプラゾール / オメプラゾール比は同程度であり レゴラフェニブによる CYP2C19 の阻害はないことが示唆された これらの結果は レゴラフェニブが CYP2C19 基質であるオメプラゾールの 5-OH オメプラゾールへの代謝に対して阻害作用はないことを示唆するものである 表 オメプラゾールの薬物動態に対するレゴラフェニブの影響 : 比の解析 ( 試験 12434) N = 15 subjects with advanced solid tumors Comparison Parameter N omeprazole + regorafenib / omeprazole alone Ratio metabolite / parent conc. at 6 h post-dose Source: Module , PH-36865, Table 8-2 Omeprazole alone: Cycle 1, Day -7 Omeprazole with regorafenib: Cycle 1, Day 14 Point estimate (Ratio) [%] 2-sided 90% confidence interval [%] ( ) ミダゾラム :CYP3A4 基質 レゴラフェニブとミダゾラムの併用投与により ミダゾラムの AUC 及び C max はミダゾラム単独投与に比べそれぞれ 12% 及び 28% 増加した これらのデータにおけるレゴラフェニブ併用投与時のミダゾラムの曝露量の増加は 臨床的に意味のあるものではないと考えられた これらの結果はレゴラフェニブが CYP3A4 の阻害剤でないことを示唆するものであった レゴラフェニブとミダゾラムの併用投与による 1-OH ミダゾラムの AUC 及び C max は ミダゾラム単独投与時に比べそれぞれ 19% 及び 23% 増加した

171 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 142 of 171 表 ミダゾラムの薬物動態に対するレゴラフェニブの影響 : 比の解析 ( 試験 12434) N = 15 subjects with advanced solid tumors Analyte Comparison Parameter N Midazolam 1-OH midazolam midazolam+regorafenib / midazolam alone midazolam+regorafenib / midazolam alone Source: Module , PH-36865, Table 8-3 Midazolam alone: Cycle 1, Day -7 Midazolam with regorafenib: Cycle 1, Day 14 Point estimate (Ratio) [%] 2-sided 90% confidence interval [%] AUC ( ) C max ( ) AUC ( ) C max ( ) 結論 :CYP プローブ基質に及ぼすレゴラフェニブの影響 これらの薬物動態データから CYP3A4 CYP2C8 CYP2C9 及び CYP2C19 のプローブ基質に対し レゴラフェニブは臨床的に問題となる薬物相互作用を考慮せずに併用投与できると考えられた mfolfox6 又は FOLFIRI との薬物相互作用 レゴラフェニブ 代謝物 M-2 及び M-5 は共に UGT1A1 及び UGT1A9 を介するグルクロン酸抱合を阻害する イリノテカンはその活性代謝物 SN-38 に代謝され 大部分は UGT1A1 を介して不活性のグルクロン酸抱合体代謝物に変換される レゴラフェニブ及び代謝物と SN-38 との薬物間で相互作用が起こる可能性が考えられたことから レゴラフェニブと mfolfox6( フルオロウラシル フォリン酸 オキサリプラチン ) 又は FOLFIRI( フルオロウラシル フォリン酸 イリノテカン ) との併用投与を評価する薬物相互作用試験を実施した ( 試験 11656) Day 1 に 85mg/m 2 オキサリプラチン (mfolfox6 投与群 ) を 2 時間静脈内点滴投与又はイリノテカン 180mg/m 2 (FOLFIRI 投与群 ) を 1.5 時間静脈内点滴投与 そして同時にフォリン酸 400mg/m 2 を 2 時間静脈内点滴投与した イリノテカンの点滴投与はフォリン酸の点滴投与の開始 30 分後に始めた オキサリプラチン / イリノテカンの点滴投与が終了次第 フルオロウラシル 400mg/m 2 を静脈投与し 直後にフルオロウラシル 2400mg/m 2 を 46 時間点滴投与した 投与開始 48 時間以内に 全 mfolfox6 又は FOLFIRI の投与を完了した 次コースは 2 週間後 すなわち Day 15~17 に投与した レゴラフェニブは サイクル 1~6 の Day 4~10 及び 18~24 において 160mg 1 日 1 回投与した サイクル 7 以降ではレゴラフェニブは 3 週間投与 /1 週間休薬スケジュールで投与した レゴラフェニブ M-2 及び M-5 の血漿中濃度測定用血液試料は サイクル 1 の Day 15 の mfolfox 又は FORFIRI 投与前及びサイクル 2 の Day 1~3 に さらにサイクル 2~6 の Day 1 及び Day 15 の mfolfox 又は FORFIRI 投与前に採取した 血漿中の総白金及び非結合型白金濃度 イリノテカン及び SN-38 濃度 並びに 5-FU 濃度測定用血液試料は サイクル 1 及びサイクル 2 の Day 1~3 の投与後に採取した

172 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 143 of 171 総白金及び非結合型白金 イリノテカン SN-38 及びフルオロウラシルについて評価した主なパラメータは AUC 及び C max であった 相互作用は AUC 及び C max の幾何平均値の比及び比の 90% CI を算出することにより評価した レゴラフェニブ mfolfox6 又は FOLFIRI 投与前におけるレゴラフェニブ及び代謝物の血漿中濃度は mfolfox6 群よりも FOLFIRI 群との併用時において高い傾向がみられた それぞれのレジメンにおいて サイクル 1~6 で採取された各 1 点の濃度データに基づくと サイクル 1 以降では明らかな蓄積はみられなかった 両群において大きなばらつきがみられ 変動係数は 78%~1,071%(N=7 以上の場合 ) であった イリノテカン :UGT1A1 基質 イリノテカン及び SN-38 はサイクル 1 に比べてサイクル 2 で有意に高い AUC を示した イリノテカンの AUC は レゴラフェニブの存在下で 28%(90%CI:107~154) 増加し SN-38 の AUC はレゴラフェニブの存在下で 44%(90%CI:112~185) 増加した イリノテカン及び SN-38 の C max 点推定値は それぞれ 122% 及び 91% であったが 比較的大きなばらつきがみられた これらの結果を表 に要約した 表 イリノテカン及び SN-38 の AUC 及び C max の比 ( サイクル 2/ サイクル 1) 及び 90%CI( 試験 11656) Parameter N AUC Ratio [90% CI] [%] N C max Ratio [90% CI] [%] Irinotecan [107;154] [80;185] SN [112; 184] [55;150] Source: , PH-36735, Table 9-11 オキサリプラチン 総白金及び非結合型白金の AUC 及び C max の比 ( サイクル 2/ サイクル 1) を表 に示した 総白金の平均 AUC 比 ( サイクル 2/ サイクル 1) はレゴラフェニブ投与後で 39% 増加した 但し ここで使用した AUC は外挿による推定部分は大きかったことから 結果の解釈には注意を払う必要があると思われる 総白金及び非結合型白金の C max 又は非結合型白金の AUC には差はみられなかった 表 総白金及び非結合型白金の AUC 及び C max に対する比 ( サイクル 2/ サイクル 1) 及び 90%CI( 試験 11656) Parameter N AUC Ratio [90% CI] [%] N C max Ratio [90% CI] [%] Total platinum [ ] [98-122] Unbound platinum [96-143] [96-147] Source: , PH-36735, Table 9-12

173 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 144 of 171 フルオロウラシル (5-FU) 5-FU について レゴラフェニブ +mfolfox6 レジメンのサイクル 1 及びサイクル 2 の間に AUC 及び C max の統計学的に有意な変化はみられなかった レゴラフェニブ +FOLFIRI レジメンについては 十分なデータがなく AUC は評価されなかったが C max には有意差はみられなかった 成績を表 に要約した 表 レゴラフェニブ +mfolfox6 及びレゴラフェニブ +FOLFIRI レジメンにおける 5- FU の AUC 及び C max に対する比 ( サイクル 2/ サイクル 1) 及び 90%CI( 試験 11656) Treatment N AUC Ratio [90% CI] [%] N C max Ratio [90% CI] [%] 5-FU (mfolox6) [69-164] [50-161] 5-FU (FOLFIRI) n.c [6-1387] Source: , PH-36735, Table 9-13 レゴラフェニブは主代謝物 M-2 及び M-5 と同様に UGT1A1 及び UGT1A9 を介したグルクロン酸抱合を阻害する 本試験では レゴラフェニブは サイクル 1~6 の Day 4~10 及び 18~24 において 160mg 1 日 1 回投与し イリノテカンは Day 1 及び Day 15 に投与した UGT1A1 の基質である活性代謝物 SN-38 に関して SN-38 の平均曝露量 (AUC) は約 44% 増加し イリノテカンの平均曝露量は約 28% 増加した この曝露量の増加についての臨床的な意味は不明である レゴラフェニブは FOLFIRI と併用投与された際の非結合型白金又は 5-FU の薬物動態 並びに mfolfox6 と併用投与された際の 5-FU の薬物動態には有意な影響を与えなかった バイオマーカー 分子バイオマーカー KRAS 変異の有無について 試験 及び試験 で評価した 試験 用量漸増試験 ( 試験 11650) では KRAS 変異の有無をベースライン時点の血漿から得られた DNA を用いて BEAMing 法で評価した 評価可能な被験者の血漿試料において 54%(20/37 例 ) が KRAS 変異型であった KRAS 変異の有無は PFS との有意な相関性はなく 小規模かつ打ち切り例が比較的多いレトロスペクティブな探索的遺伝子解析の結果からレゴラフェニブの有用性に対する KRAS 変異の有無の影響に関する確定的な結論は得られなかった また本試験は対照群を設定していなかったものの 本試験のデータは KRAS 変異の存在がレゴラフェニブの効果を妨げるものではないことを示唆するものであった 試験 試験 では 変異の情報をヒストリカル ( 既存 ) データ (KRAS) 並びにベースライン時点の血漿及び保存腫瘍組織検体の BEAMing 法 (KRAS PIK3CA 及び BRAF) による新たな解析によって入手した KRAS 変異に関するヒストリカルデータは すべての無作為化された患者の 96%(729/760 例 ) から得ることができ そのうち 59%(430/729 例 ) は KRAS 変異型 41%

174 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 145 of 171 (299/729 例 ) は KRAS 野生型であった BEAMing 法で検出した変異の頻度は 保存組織の BEAMing 法では KRAS 変異型 59% PIK3CA 変異型 12% BRAF 変異型 1.5% であり 血漿検体の BEAMing 法では KRAS 変異型 69% PIK3CA 変異型 17% BRAF 変異型 3.4% であった O BEAMing 法で検出された変異の結果は 保存組織の抽出 DNA 及び血漿の抽出 DNA で得られた結果の間で高い一致を示した ( 一致 :KRAS 76% PIK3CA 88% BRAF 97%) ヒストリカルデータの KRAS 変異データによる KRAS 変異の有無ごとの全生存期間 (OS) を評価した部分集団解析では いずれの KRAS 部分集団においても プラセボ群に比べ レゴラフェニブ群が優れていた KRAS 野生型では その傾向が強く認められた ( ハザード比 : % CI:0.476~0.895) KRAS 変異型では 野生型に比べてややベネフィットが弱かった ( ハザード比 : %CI:0.670~1.123) 同様の部分集団解析で無増悪生存期間 (PFS) を評価したところ KRAS 野生型及び KRAS 変異型の両部分集団においてプラセボ群に比べ レゴラフェニブ群が優れている傾向を示した [KRAS 野生型 ハザード比 :0.475(95%CI: );KRAS 変異型 ハザード比 :0.525 (95%CI: )]( 表 ) ベースライン時点の血漿及び保存腫瘍組織検体から得られた変異データに基づく部分集団解析でも同様に 評価したすべてのバイオマーカー部分集団においてプラセボ群と比べたレゴラフェニブ群の有効性を示す明らかな傾向が示唆された ( 表 )(BRAF の変異の割合が少なかったため BRAF の変異の有無に基づく相関解析は未実施である ) P これらの部分集団解析で認められたレゴラフェニブの臨床的有効性は 試験集団全体で認められたレゴラフェニブの臨床的有効性と同様であった ( 表 ) 本臨床試験はレゴラフェニブの臨床的有効性に対する KRAS 変異の影響を検討する目的としてデザインされたものではなく これらのバイオマーカーの部分集団解析はレトロスペクティブに実施した探索的なものであった O 本試験で検出された KRAS 変異の全体的な割合は公開データベースから得られる変異データに基づく予測よりも若干高かった その可能性としては 本解析では感度の高い包括的な測定方法を使用したことで血漿検体の DNA において 69% の KRAS 変異型が検出されたこと 及び KRAS 変異型の患者は抗 EGFR 治療に不適格であるため おそらく KRAS 変異型の患者が KRAS 野生型の患者に比べてより容易に臨床試験に組み入れられたことが説明として考えられる さらに 公開されている変異データは転移性疾患を有する患者のデータに限定されているわけではなく また結腸 直腸癌患者において最近説明されているような治療の結果獲得されたかもしれない KRAS 変異を反映しているものでもない 本試験で検出された BRAF 変異の全体的な割合は公開データベースから得られる変異データに基づく予測よりも若干低かった しかしながら BRAF 変異型の割合は公表された各種の結腸 直腸癌患者を対象とした試験ごとに大きく異なっており その割合は腫瘍部位に大きく依存することが報告されている また BRAF 変異は転移性結腸 直腸癌の予後不良因子と言われており 臨床試験に組入れ可能な BRAF 変異型腫瘍の患者は少ないと考えられる 公的な BRAF 変異データでは転移性疾患を有する患者のデータに限定されていない 本試験で検出された PIK3CA 変異の全体的な割合は公開データベースから得られる変異データとほぼ一致した KRAS 及び PIK3CA 変異の割合は 一部 ( 試験 の BEAMing 法で検出した KRAS-Q61H 変異の割合が予想よりも高かったことなど ) を除いて 公開データベースから得られる変異データとほぼ一致した P 意味のある部分集団解析を行うためには BRAF 変異の被験者数が不十分であった

175 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 146 of 171 表 各種遺伝子変異におけるレゴラフェニブの有効性 ( 試験 14387) Source: Source: Module , PH-36954, Table 10-5

176 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 147 of 171 表 試験 の全試験集団とバイオマーカー部分集団の臨床的有効性の比較 ( 試験 14387) Source: Source: Module , PH-36954, Table 10-4

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