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きょういちことじ
5 years ago
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1 第 28 回もしもし医学セミナー 2015 年 7 月 11 日 (NTT 東日本関東病院カンファレンスルーム ) 乳がんの診断と治療について副院長外科部長針原康

2 乳がんはどのくらい増えているの? 乳がんの疫学

3 本邦における主要死因別死亡者数の推移悪性新生物心疾患脳血管疾患肺炎 ( 誤嚥性肺炎 ) 結核悪性新生物が 1 位でさらに増加している

4 本邦における癌の部位別罹患者数 (2014 年 ) 乳癌は罹患者数では女性で 1 番目となる

5 本邦における癌の部位別死亡者数 (2014 年 ) 乳癌は死亡者数では女性で 5 番目となる

6 本邦における癌の部位別罹患者数の推移乳癌の罹患者数は増加しつつある

7 本邦における癌の部位別死亡者数の推移乳癌の死亡者数も増加しつつある

8 本邦における癌の部位別生存率乳癌は生存率が高いので罹患者数は多くても死亡者数は少ない

9 乳がん罹患率の国際比較

10 乳がん罹患率の国際比較 (1997 年 ) 日本人の乳癌は欧米人と比較すると少ないが急速に増えている

11 乳癌の原因は遺伝それとも環境? 遺伝的な要因? 環境的な要因?

12 ハワイ移住日本人の乳癌罹患率の推移 (1970 年のデータでの比較 ) 乳癌罹患率 ( /10 万人 / 年 ) 日本在住の日本人 13.0 ハワイ在住日本人一世 35.9 ハワイ在住日本人二世 57.2 ハワイ在住の白人 66.2 乳癌の発症には環境要因が大きく関与する

13 乳癌になりやすい人とは?

14 乳癌のリスク因子危険因子相対危険度女性 ( 男性に対して ) 183 反対側の乳がんの既往 6.0 未婚 3.0 乳がんの家族歴 ( 母, 姉妹 ) 2.8 初潮年齢 (11 歳以下 ) 1.9 初産年齢 (30 歳以上, 未産を含む ) 1.7 閉経年齢 (55 歳以上 ) 1.6 肥満 ( 肥満指数 1.2 以上 ) 1.4 女性ホルモンが乳癌の増悪因子である

15 日本の乳がんの特徴 40 歳代後半と60 歳代に罹患率の山があること

16 女性の年齢別がん罹患率 (2010 年 ) 日本の乳癌では 40 歳代後半と 60 歳代に山がある

17 乳がんの年齢別罹患率と死亡率乳がん罹患率乳がん死亡率本邦の乳癌の年齢的な特徴は変わらずに急速に罹患数が増加している

18 本邦における癌の年齢別罹患率 ( 女性 ) 乳癌は比較的若い年齢層で大きな割合を占める

19 本邦における乳癌の年齢分布 Kurebayashi J et al Breast Cancer 2015; 22: 日本の乳癌では 40 歳代後半と 60 歳代に山がある

20 年齢別乳がん罹患率の国際比較 (1997 年 ) 欧米では 40 代や 60 代にはっきりとした山は認められない

21 齢調整死亡率(人口万対)10 主要国における乳癌の死亡率の動向 30 U.K. 25 年イタリアオーストラリアフランスノルウェーフィンランドスペインシンガポールデンマークオランダベルギーニュージーランドスイスカナダ U.S. スウェーデン香港日本 0 '53-57 '58-62 '63-67 '68-72 '73-77 '78-82 '83-87 '88-92 '93-97 ( 年 ) 大島明ほか編がん統計白書 - 罹患 / 死亡 / 予後 ( 篠原出版新社 ),303, 2004 欧米では乳癌の死亡者数は減少の傾向がある

22 本邦における乳がん死亡者数の推移日本では乳癌の死亡者数はまだ増加傾向にある

23 乳がんの進行度別 10 年生存率乳癌は進行していると生存率が低下する早期発見

24 乳がん検診受診率の国際比較日本の乳がん検診の受診率は低い

25 本邦におけるがん検診受診率日本の乳がん検診の受診率は低いながらも徐々に増加している

26 乳がん検診の都道府県別受診率都道府県ごとの乳がん検診受診率も公表さている

27 マンモグラフィー検診率の高いこと治療法の進歩 ( 抗がん剤治療を積極的に施行することを含めて ) が欧米の乳癌死亡率低下に寄与しているといわれている

28 乳腺の解剖と乳がんの発生

29 乳腺の構造

30 乳癌の発生と進展乳癌は細い乳管の壁から発生する

31 乳がんの診断契機

32 本邦における乳癌の診断契機 Kurebayashi J et al Breast Cancer 2015; 22: 腫瘤触知有症状での検査無症状で検査その他不明乳癌検診受診率の増加により無症状での検査による診断が増加している

33 乳がん発生部位別頻度頭側 29.8% 46.9% A C 内側 B E D 外側 5.9% 12.8% E =5.3% 乳癌は外側上方に多い

34 本邦における乳癌の腫瘍径 ( 診断時 ) Kurebayashi J et al Breast Cancer 2015; 22: 腫瘍径 (cm) 検診率の上昇に伴い腫瘍径 2cm 以下の症例が増加している

35 本邦における乳癌の転移リンパ節個数 Kurebayashi J et al Breast Cancer 2015; 22: 転移リンパ節個数検診率の上昇に伴いリンパ節転移なしの症例が増加している

36 本邦における乳癌の進行度 (Stage) Kurebayashi J et al Breast Cancer 2015; 22: 検診率の上昇に伴い早期乳癌 (Stage0&1) の症例が増加している

37 乳がんはどうやって診断するの?

38 乳がんの診断法視診触診マンモグラフィー ( 乳腺レントゲン撮影 ) 超音波検査穿刺吸引細胞診組織診 ( 外科的生検, 針生検 ) (MRI, 造影 CT) 視触診画像で発見して病理学的に確認する

39 マンモグラフィ (MMG) とその特徴内外斜位方向撮影 (MLO;mediolateral oblique) スピクラの著明な腫瘍陰影腫瘍陰影と悪性微細石灰化頭尾方向撮影 (CC;craniocaudal) 痛みが我慢できる最大限まで圧迫する低エネルギー X 線を用いた乳房専用の X 線撮影のことで乳腺などの軟部組織と腫瘍のごくわずかな X 線吸収値の差を描出して病巣を診断良好な画像を得るためには乳房を適度に圧迫することが必要となる触知できない早期の乳癌 ( 小さい腫瘍石灰化した微細な乳癌 ) も高感度に検出可能である MLO と CC の 2 方向撮影を行って補完し立体像を組み立てて診断するマンモグラフィ検診が導入されている

40 乳房超音波検査 ( エコー ) とその特徴探触子 ( プローブ ) 被験者に直接接触して超音波を送受信する部分撮影法低エコー腫瘍像の中に多数の微細輝点がみえる乳房に 5~15MHz の超音波をあて乳房内部からの反射波をとらえて画像化し病巣内部を診断するマンモグラフィ (MMG) に比べて非触知乳癌や非浸潤癌の検出能はやや劣るが小さい浸潤癌の検出能や病巣内部の質的診断に優れる MMG に比べ乳腺が密な閉経前女性の微小乳癌の検出能に優れる X 線被曝の心配がなく安全かつ容易に行える囊胞内癌の乳頭方向への乳管内進展患者さんの負担の少ない検査であるがマンモグラフィーと補い合う検査法である

41 穿刺吸引細胞診とその特徴専用の吸引ピストルを用いた細胞採取線維腺腫 :2 相性のある細胞群がシート状になっている癌 : 細胞質が明るく核が濃染した大型の細胞が集塊状にみられる ( 左と同倍率 ) 超音波ガイド下での細胞採取細い針 ( 通常 21~23 ゲージ程度 ) を腫瘍に穿刺して細胞塊を吸引しこれをスライドガラスに吹きつけて染色し細胞学的な良性悪性所見を顕微鏡で検査する方法侵襲が少なく手技が簡単であるが診断に必要な細胞量を採取するためには習熟を要す硬癌や小葉癌は診断成績が低下しやすい非触知例や腫瘍が小さい場合は超音波ガイド下での採取が行われる細い針で細胞を採取する検査

針生検 (core needle biopsy) とその特徴三次元 MMG ガイド下針生検の例 ( 腹臥位 ) Biopsy Gun

マンモグラフィ (MMG) で腫瘤や広い微細石灰化像を伴う非触知病変の質的診断に用いられる

)MMG ガイド下の針生検が一般化した当初は Tru-cut タイプ針 (14 ゲージ ) が主に用いられていたが針先を陰圧にして

42 針生検 (core needle biopsy) とその特徴三次元 MMG ガイド下針生検の例 ( 腹臥位 ) Biopsy Gun と Tru-cut タイプ針 (14 ゲージ ) 細胞診より太い針を病変に刺入して組織片を採取し病理組織診断を行う方法マンモグラフィ (MMG) で腫瘤や広い微細石灰化像を伴う非触知病変の質的診断に用いられる外科的生検より侵襲が少ないなどの利点をもつが採取検体が微小なため場合によっては診断に限界が生じる最近では三次元 ( ステレオ )MMG ガイド下の針生検が一般化した当初は Tru-cut タイプ針 (14 ゲージ ) が主に用いられていたが針先を陰圧にして 1 回で多数の検体が採取できるマンモトーム ( 別項参照 ) が開発され本邦でも急速に普及している専用の針で細い組織を採取する検査採取検体の肉眼像および標本撮影 ( 石灰化の有無の確認 )

43 MRI( 造影水平断 )

44 MRI( 造影矢状断 )

45 乳がんはどうやって治療するの?

46 乳癌の治療法 ( 集学的治療 ) 手術治療放射線治療化学療法 ( 抗癌剤治療 ) 内分泌療法 ( ホルモン療法 ) 分子標的薬治療 ( ハーセプチン ) 上記の治療法を症例ごとに得られた情報と世界的なガイドライン (St. Gallen など ) に基づいて, 最も良い効果が得られるように組み合わせて治療する.

47 乳がんの治療について微小転移を伴っている可能性によって局所治療 ( 手術放射線照射 ) や全身治療 ( ホルモン剤抗がん剤 ) を合わせて行う必要があります局所治療全身治療手術放射線療法ホルモン剤抗がん剤乳癌はある時点からは全身病として扱うのが適当である局所治療のみでよいか全身治療が必要かを様々な因子から推定する ( ガイドライン ) ハーセプチン治療

48 乳癌の手術療法術式の選択 ( 縮小化 )

49 定型的乳房切除術 ( ハルステッド手術大胸筋を合併切除する )

50 胸筋温存乳房切除術 ( 大胸筋を合併切除しない )

51 乳房温存療法 ( 乳輪乳頭を温存する部分切除 )

52 乳房温存療法の利点と問題点利点問題点乳房残存乳房内再乳房の形を切除術発の心配がない失う乳房乳房の形が残存乳房内再発温存療法残る ( 変形あり ) の危険がある放射線治療が必要

53 本邦における乳癌治療の術式 Kurebayashi J et al Breast Cancer 2015; 22: 乳房温存療法胸筋温存乳房切除術単純乳房全摘術定型的乳房切除術乳房温存療法は 2007 年以降約 60% で一定している

54 腋窩郭清の合理的な省略センチネルリンパ節生検

センチネルリンパ節生検 (SLNB) SLNB:Sentinel lymph node biopsy SLNB の結果と治療方針手術 SLN の同定と摘出手術中の迅速検査同定不能腋窩リンパ節郭清転移あり転移なしセンチネルリンパ節 (SLN) 色素の注入腋窩リンパ節郭清郭清省略手術後の検査転移あり転移なし

55 センチネルリンパ節生検 (SLNB) SLNB:Sentinel lymph node biopsy SLNB の結果と治療方針手術 SLN の同定と摘出手術中の迅速検査同定不能腋窩リンパ節郭清転移あり転移なしセンチネルリンパ節 (SLN) 色素の注入腋窩リンパ節郭清郭清省略手術後の検査転移あり転移なし腫瘍 SLN とは : 癌からのリンパ管流が最初に流れ着くリンパ節癌が最初に転移するリンパ節と考えられる SLNB の方法 : 色素法 RI 法腋窩リンパ節郭清 or 腋窩の放射線照射 or 化学内分泌療法経過観察 SLNB 適応の目安 : 腫瘍の大きさが 3cm 以下で触診や画像診断でリンパ節転移陰性と考えられる症例

56 色素法にて同定されたセンチネルリンパ節センチネルリンパ節

57 本邦における腋窩リンパ節郭清 ( センチネルリンパ節生検 ) Kurebayashi J et al Breast Cancer 2015; 22: 腋窩リンパ節郭清センチネルリンパ節生検臨床的にリンパ節転移がないと考えらえる症例にセンチネルリンパ節生検を行うセンチネルリンパ節生検の導入により腋窩リンパ節郭清症例は減少した

58 放射線療法手術と同様に局所療法の範疇

59 乳房温存療法における乳房照射接線対向 2 門照射 Wedge フィルター内側 Wedge フィルター接線照射 + 電子線 boost 照射外側推奨線量乳房 : 45Gy/25 回 /5 週から 50.4Gy/28 回 /5.5 週腫瘍床 ( 電子線 boost 照射 ): 10Gy/5 回 /1 週乳房全体を照射野とし癌遺残の疑いのあるものは腫瘍床への追加照射 (boost) を考慮する線源は 60 Coγ 線や 4~6MVX を使用し肺への照射野を少なくするために接線対向 2 門照射を行う線量を均一にするために Wedge や補償フィルターを併用する参考資料 : 標準的な乳房温存療法の実施要項の研究班 : 乳房温存療法ガイドライン ( 金原出版 ),2005 ほか

60 本邦における術後放射線治療 Kurebayashi J et al Breast Cancer 2015; 22: 乳房温存療法後の放射線照射乳房切除後の放射線照射

61 術後の補助療法 ( 全身療法 ) ホルモン療法化学療法ハーセプチン治療

62 微小転移と術後補助療法の意義臨床的な癌を手術で摘出した時点では既に全身に臨床的には発見できない微小転移すなわち潜在がんが存在する可能性があると考えられています微小転移 ( 潜在がん ) 画像検査では分からないが全身に存在する可能性がある臨床がんの摘出術後補助療法は目に見えないレベルで体に回っている癌 ( 潜在癌 ) を叩きつぶす

63 補助療法選択のための情報 ( 全身病のリスク = 再発リスクの評価 ) ホルモン感受性の有無腋窩リンパ節転移の有無組織学的異型度ハーセプテスト脈管侵襲の有無腫瘍の大きさ ( 径 2cm) 年齢 (35 才 ) Ki67( 細胞分裂数 ) 遺伝子診断 (OncotypeDx, MammaPrint)

64 乳癌サブタイプとそれに応じた治療法の選択乳癌の個別化治療

65 遺伝子解析の結果

66 ホルモン感受性ハーセプテスト =Luminal B 型 =HER2-enriched 型 =Luminal A 型 =Basal-like 型遺伝子解析の代わりに病理組織の免疫組織染色によりほぼ同様に分類できる

67 =Luminal B =HER2-enriched Ki67>30% Liminal B =Luminal A =Basal-like Ki67( 細胞分裂数 ) を含めてLuminal Bを分類する考え方が広く受け入れられている

68 Luminal A Luminal B HER2-enriched Basal-like

70 本邦における術後補助療法 Kurebayashi J et al Breast Cancer 2015; 22: 抗がん剤治療ホルモン療法ハーセプチン治療放射線治療抗癌剤治療の必要な症例が減少している

71 乳癌のホルモン療法ホルモン感受性陽性の場合に適応となるエストロジェンレセプター (ER) プロゲステロンレセプター (PgR) 5 年間が基本であるが症例によっては 10 年をお勧めすることもある

72 乳がんホルモン療法の作用機序 LHRH アゴニスト視床下部脳下垂体卵巣摘除閉経前 LH, FSH ACTH 副腎閉経後卵巣抗エストロゲン剤アンドロゲンエストロゲンエストロゲン乳がんアロマターゼ阻害剤

73 乳がんの化学療法 ( 抗がん剤治療 )

74 乳がん補助化学療法の効果術後に抗癌剤治療を行うことで再発のリスクを 40% 軽減できる

75 本邦における乳癌抗癌剤治療 Kurebayashi J et al Breast Cancer 2015; 22: アントラサイクリン系抗がん剤タキサン系抗がん剤

76 乳癌は治るの? ( 乳癌の治療成績 )

77 乳癌の病期 ( 進行度 ) 腫瘍の大きさ (T:tumor) 腋窩リンパ節転移の有無 (N:lymph node) 遠隔転移の有無 (M:metastasis) 早期乳癌腫瘍の大きさが2cm 以下で, 腋窩リンパ節転移を認めないもの

78 乳癌の病期 (Stage) 分類 /TNM 分類腫瘤転移 N0 T0 T1 T2 T3 T4 病期 0 該当せず病期 I Tis 非浸潤癌 M0 N1 N2 病期 IIA 病期 IIB 病期 IIIA 浸潤癌 N3 病期 IIIB 病期 IIIC M1 病期 IV 日本乳癌学会編 : 臨床病理乳癌取扱い規約第 15 版 ( 金原出版 ), 11, 2004

79 腫瘍径 (T 因子 ) ごとの生存曲線 NTT 東日本関東病院外科 2001/1-2014/12 n=951 Tis n=39 T1 n=434 T2 n=389 T3 n=55 T4 n=34 生存率 5 年 10 年 Tis 97.3% 97.3% T1 97.4% 93.0% T2 92.2% 85.0% T3 88.0% 80.1% T4 65.4% 56.1% 術後年数

80 リンパ節転移個数と生存曲線 NTT 東日本関東病院外科 2001/1-2014/12 n=951 N1 個 n=102 N0 n=667 N2 個 n=51 N3 個 n=24 N4 個以上 n=99 術後経過 ( 年 )

ステージ別生存曲線 NTT 東日本関東病院外科 2001/1-2014/12 n=951 Stage0 n=23

n=8 StageⅢB n=27 Stage Ⅳ n=13 生存率 5 年 10 年 Stage 0 95.

0% Stage ⅢA 83.8% 79.0% Stage ⅢB 73.0% 62.5% Stage ⅢC 64.3% N.

81 ステージ別生存曲線 NTT 東日本関東病院外科 2001/1-2014/12 n=951 Stage0 n=23 StageⅠn=359 StageⅡA n=339 StageⅢA n=64 StageⅡB n=118 StageⅢC n=8 StageⅢB n=27 Stage Ⅳ n=13 生存率 5 年 10 年 Stage % Stage Ⅰ 98.1% 94.0% StageⅡA 96.2% 90.9% Stage ⅡB 92.2% 82.0% Stage ⅢA 83.8% 79.0% Stage ⅢB 73.0% 62.5% Stage ⅢC 64.3% N.A. Stage Ⅳ 32.1% 21.4% ステージ Ⅰ( 早期乳がん ) の 10 年生存率は 94.0%( 他病死を含めて ) 術後経過 ( 年 )

82 早期発見が重要毎月 1 回の乳がんの自己検診と年 1 回の医療機関での乳がん検診をお勧めしています

83 乳がんの自己検診法乳房の形はどうか? Ⅰ. 鏡の前に立ち両腕の力をぬいて自然に下げたまま次のことを調べますイ ) 左右の乳房の形や大きさに変化がないかロ ) 乳房のどこかに皮膚のへこみや引き連れはないかハ ) 乳首がへこんだりただれができていないか Ⅱ. 両腕を上げた状態で Ⅰのイ ) ロ ) ハ ) と同じことを調べます ( しこりがあるとそこにへこみができたりひきつれができたりすることがあります形の変化左右差の有無と皮膚の変化の観察

84 乳がんの自己検診法乳房にしこりはないか? 手で押さえるように触診する Ⅲ. 仰向けに寝てあまり高くない枕あるいはタオルを折っ入れます左手を上に上げ頭の下に入れるようにします右手のゆびをそろえてのばしまず左乳房の内側を調べます Ⅳ. 右手を左乳房の内側 ( 乳首よりも内側 ) にのせ指の腹を胸の中央部に向かって柔らかくしかもしっかり滑らせるようにしまんべんなくしこりの有無を調べます Ⅴ. 同じ姿勢のまま左腕を自然な位置に下げ今度は乳房の外側 ( 乳首より外側 ) の部分を外から内に向かってしっかりと指を滑らせて調べます Ⅵ. 右乳房も同様です

85 乳がんの自己検診法ワキの下のリンパ節にしこりがないか? Ⅶ. 次に起き上がり右手の指をそろえてのばし左ワキの下に入れてしこりがあるかどうか指先で確かめます右のワキの下についても同様の方法で調べます乳首から異常な分泌物がでないか? Ⅷ. 左右の乳首を軽くつまんで乳を搾るようにし血液の混じった分泌物が出ないかどうかを確かめます

健康バンザイ！いなぎ講座乳癌の診断と治療について

健康バンザイ！いなぎ講座乳癌の診断と治療について健康バンザイ! いなぎ講座乳癌の診断と治療について稲城市立病院外科廣瀬盟子がんの部位別死亡率の推移 ( 女性 ) 乳がんで亡くなる患者は増えているがんの部位別罹患率の推移 ( 女性 ) 女性が罹るがんは乳がんが最も多い乳がんは 5 年生存率が最も高い早期に発見し適切な治療をすれば治ります乳がんはどんな病気? 乳房の解剖と乳がんの発生進展乳がんの発生部位小葉癌乳管癌非浸潤癌