組織 日本整形外科学会学会診療診療ガイドラインガイドライン委員委員会アキレス腱断裂ガイドラインガイドライン委員委員会診療ガイドラインガイドライン策定組織 < 日本整形外科学会 > 理事長越智隆弘行岡病院骨 関節センター長 < 日本整形外科学会学会診療診療ガイドラインガイドライン委員委員会 > 担当理

Size: px
Start display at page:

Download "組織 日本整形外科学会学会診療診療ガイドラインガイドライン委員委員会アキレス腱断裂ガイドラインガイドライン委員委員会診療ガイドラインガイドライン策定組織 < 日本整形外科学会 > 理事長越智隆弘行岡病院骨 関節センター長 < 日本整形外科学会学会診療診療ガイドラインガイドライン委員委員会 > 担当理"

Transcription

1 アキレス腱断裂診療ガイドライン 編集日本整形外科学会学会診療診療ガイドラインガイドライン委員委員会アキレス腱断裂ガイドラインガイドライン策定委員策定委員会 この診療ガイドラインは単行本 アキレス腱断裂診療ガイドライン として出版されています

2 組織 日本整形外科学会学会診療診療ガイドラインガイドライン委員委員会アキレス腱断裂ガイドラインガイドライン委員委員会診療ガイドラインガイドライン策定組織 < 日本整形外科学会 > 理事長越智隆弘行岡病院骨 関節センター長 < 日本整形外科学会学会診療診療ガイドラインガイドライン委員委員会 > 担当理事 松下隆 帝京大学医学部教授 委員長 四宮謙一 東京医科歯科大学大学院教授 < アキレス断裂ガイドラインガイドライン策定委員策定委員会 > 委員長 伊藤博元 日本医科大学整形外科教授 ( 責任者, 総括担当 ) 委員 阪本桂造 昭和大学整形外科教授 ( 予防 予後担当 ) 高倉義典 奈良県立医科大学整形外科教授 ( 総括担当 ) 帖佐悦男 宮崎大学医学部整形外科教授 ( 診断担当 ) 成田哲也 日本医科大学武蔵小杉病院整形外科助教授 ( 病因 病態担当 ) 南郷明徳 南郷整形外科院長 ( 疫学担当 ) 古府照男 東邦大学医療センター佐倉病院整形外科教授 ( 治療担当 ) < 文献査読委員委員会 >( 五十音順 ) 疫学 伊藤博志, 窪田誠, 佐藤栄一, 竹内良平病因 病態 飯沢典茂, 橋口宏, 森淳診断 河原勝博, 園田典生, 山本恵太郎治療 林光俊予防 予後 石黒洋, 稲垣克記, 中村正則, 野村将彦, 宮澤洋

3 日本整形外科学会学会診療診療ガイドラインガイドライン出版出版にあたって 日本整形外科学会理事長越智隆弘 近年, 診療現場で医師に求められることが大きく変わってきた. 高いレベルの医療が求められることは言うまでも ない. そして, その前段階として患者に正確な診療情報を伝え, 患者が主体となって診療内容を選択することが求め られる. このプロセスを欠かすと医師自身が窮地に陥ることがある. 診療の場で 先生にお任せします 私に任せて おきなさい という会話は昔のこととなった. 当面する疾患に対する診療法に関して, 明確な科学的根拠に沿って分かり易く説明するのは医師の義務となっ た. その内容として, 症状改善の確率, 合併症発生の確率, 治療費などが正確な根拠のもとで表現される必要があ る. 診療に関する説明は医師間で共通でなくてはならない. 病診連携などの目的で患者を他施設に紹介する時に も, 関わった各医師の説明が食い違っていれば, 根拠の少ない説明をした医師が責められることもある. 医師が共通して納得する診療情報をいかにして作るか. 先端的な科学論文内容で裏打ちされた内容であれば専 門医の間での異論は生じない. しかも国際的評価にも妥当とされる高いレベルの診療内容であるはずだ. そのよう な背景のもと, 主要疾患の診療内容に関するエビデンスに基づく診療ガイドライン作成が求められ, 日本整形外科 学会 ( 日整会 ) 診療ガイドライン委員会では日常の整形外科診療で頻繁に遭遇する疾患や重要度が高いと思われる 11 疾患を選び, 診療ガイドラインの作成を平成 14 年度にスタートさせた. 11 疾患のうち 腰椎椎間板ヘルニア, 頚椎症性脊髄症, 大腿骨頚部 / 転子部骨折, 軟部腫瘍診断, 頚 椎後縦靱帯骨化症 の 5 疾患が先行して出版され, 引き続き 前十字靱帯 (ACL) 損傷, 上腕骨外側上顆炎, 骨 関節術後感染予防 の 3 つの診療ガイドラインが出版され, この度 アキレス腱断裂 を新たに上梓することになっ た. 更に将来, 同内容を分かり易くまとめた患者向けガイドラインを出版して診療情報を医師と患者間で広く共有す る手がかりにしたいとの希望もあり, その実現に向けて新たな委員会が設置され, 出版への取り組みが鋭意進行し ていることをお伝えしたい. 遠からず診療現場で, 医師が医師向けガイドラインを, そして患者と家族が同内容の患 者向けガイドラインを手に診療内容の選択をする姿が予想される. そのように重要な意味のある診療ガイドラインであるが, 本書出版にあたり各診療領域の代表的な先生方が先端 的な論文的根拠を整理してまとめ, 多くの方々の御尽力により完成に到った. 多大な時間とエネルギーを注いで下さ った日整会や関連学会の委員, 査読委員など, 御世話下さった多くの方々に改めて御礼を申し上げたい. 本書が医療現場での医師と患者の相互信頼を深め, 高いレベルの整形外科診療が円滑に進められる一助にな ることを確信している 年 5 月

4 序文 日本整形外科学会診療ガイドライン委員会委員長四宮謙一 日本整形外科学会は事業の一環として, 整形外科疾患の診療ガイドラインの作成を平成 14 年度から開始し, 平成 17 年にまず5 疾患, 続いて平成 18 年に3 疾患の診療ガイドラインが完成し, 今回新たに1 疾患が仲間に加わることとなった. これで,11 疾患のうち9 疾患の診療ガイドラインを世に送り出すことができた. 一般的に診療ガイドラインとは質の高い新しい情報に基づいて医療を提供するのに役立つ素材であり, 患者と主治医がより良い解決策を探って行こうとするときに, その手引きとして傍らに置いておく資料である. 今日, 診療ガイドラインを出版するにあたり, 診療ガイドラインを個々の患者に短絡的に当てはめてはならないことをまず強調したい. 本診療ガイドラインは, 広範囲な科学論文の検索から, 疾患の専門医たちによる厳密な査読をおこない, 信頼性と有益性を評価したうえで作成された. 論文のエビデンスを根拠とする推奨レベルには特に多くの議論を費やした. その結果, 当初, 推奨度はAの 強く推奨する からDの 推奨しない の4 段階としていたが, 項目によっては科学的論文数が不十分であったり, 結論の一致を見ない項目があるために, その推奨レベルとして (I) レベル (I): 委員会の審査基準を満たすエビデンスがない, あるいは複数のエビデンスがあるが結論が一様でない を新たに追加した. このような項目に関しては, 整形外科専門家集団としての委員会案をできるだけその項目中に示すように努力した. 近年の医学の進歩に伴い, 従来からおこなわれてきた治療法は今後劇的に変化する可能性がある一方で, 種々の治療法が科学的根拠に基づくことなく選択されている. さらにわが国ではさまざまな民間療法が盛んにおこなわれており, なかには不適切な取り扱いを受けて大きな障害を残す例も認められている. このように不必要な治療法, 公的に認められていない治療法, 特に自然軽快か治療による改善か全く区別のつかないような治療法に多くの医療費が費やされている現状は, 早急に改善されるべきと考えられる. 今回作成された診療ガイドラインは, 現在の治療体系を再認識させるとともに, 有効で効率的な治療への第一歩であると考えられる. しかし, 科学的な臨床研究により新たな臨床知見が出現する可能性もあり, 今後定期的に改訂を試みなければならない. 倫理規定を盛り込んだ前向きな臨床研究をおこなう必要を強く実感する. このように, 科学的根拠に基づいてより良い診療ガイドラインを作成し続けることは, 患者の利益, 医学発展, 医療経済の観点から日本整形外科学会の責務であると考えている 年 5 月

5 前文 はじめにアキレス腱断裂診療ガイドラインを日本整形外科学会の事業の一つとして作成した. 診療ガイドラインとは 特定の臨床状況のもとで, 適切な判断や決断を下せるように支援する目的で体系的に作成された文書 を指す. 診療ガイドラインはevidence-based medicine(ebm) の手順に則って作成し, 同一時期に誰がエビデンスを検索しても同じ結果が得られるように, エビデンスの入手方法, エビデンスの質の評価, 勧告の決定法などを明記する必要がある. 現在, この手法は世界的に最も広く用いられている方法であるが, 実際上は診療にあたって汎用されている診断手法等では, 未だ十分なエビデンスが得られていない部分も存在するため, 専門家の主観的判断を組み入れざるをえない場面が少なくない. このアキレス腱断裂診療ガイドラインにおいても, 以前からの診療で一般的に用いられている診療方法には, エビデンスの質が高くない文献が認められている. しかし, 質の高いエビデンスが集積されるたびに今回作成された診療ガイドラインを改訂することにより, 将来に向かってより質の高いガイドラインにすることは可能であると考える. 一般に, 診療ガイドラインはすべての患者を対象とすることはできず, 平均的な患者に対応するものであり, 理論的にも60~95% の患者をカバーするものとされている. 本ガイドラインでは, スポーツ選手や高齢者のアキレス腱断裂も取り上げており, 少しでも多くのアキレス腱断裂患者をカバーするように配慮したつもりである. 本委員会の基本的姿勢として, このガイドラインに示されていない診療法などを否定するものではないが, 本ガイドラインは医療者と患者をつなぐ重要な情報手段としてとらえることが重要であろうと考えている.

6 前文 アキレス腱断裂の概念アキレス腱 ( 踵骨腱 ) は下腿の腓腹筋とヒラメ筋が形成する人体中最大で最強の腱で, 踵骨 ( 踵骨隆起 ) に停止する. 起立 歩行などの運動に際して緊張と弛緩を繰り返し, 疾走する場合に大きな張力がかかるといわれている. スポーツ中の受傷が多く, 急に疾走しようとした際や, 踏ん張ろうとした際, 跳躍などの際に断裂し, 疼痛や断裂感を自覚することが少なくない. 蹴られた, ぶつかったと表現されることも多く, 足を接地しても踏み返しのできない特有の歩容と受傷のエピソードでアキレス腱断裂の存在が推測できる. 治療法は保存療法, 手術療法のいずれにもかかわらず臨床成績は良好で, 早期運動復帰と筋力の早期回復とを目指した治療が行われている. アキレス腱断裂は非常に発症頻度の高いスポーツ外傷で, 国民の健康志向に伴う運動機会の増加や, スポーツ活動への参加, さらに高齢化社会の到来などとも関連して, 受傷する機会も増えているものと思われる. 診断についても画像機器の進歩により詳細が明らかになりつつあり, 治療法についても, 保存療法か手術療法かなどの選択肢が多様化してきている. また, 情報化社会の到来により多くの情報の氾濫による混乱などを回避し, さまざまな民間療法や誤解, さらに独善的といえる手技手法などに対して, エビデンスに基づいた正しい方向性を示すための診療ガイドラインを作成することにより, 有効で効率的な診療の助けになると考えた.

7 前文 策定組織 (1) ) 委員会 日本整形外科学会診療ガイドライン委員会 担当理事松下隆委員長四宮謙一 (2) ) 委員 アキレス腱断裂ガイドライン策定委員会 委員長伊藤博元日本医科大学整形外科教授 ( 責任者, 総括担当 ) 委員阪本桂造昭和大学整形外科教授 ( 予防 予後担当 ) 高倉義典奈良県立医科大学整形外科教授 ( 総括担当 ) 帖佐悦男宮崎大学医学部整形外科教授 ( 診断担当 ) 成田哲也日本医科大学武蔵小杉病院整形外科助教授 ( 病因 病態担当 ) 南郷明徳南郷整形外科院長 ( 疫学担当 ) 古府照男東邦大学医療センター佐倉病院整形外科教授 ( 治療担当 ) (3) ) 文献査読委員 ( 五十音順 ) 疫学 伊藤博志, 窪田誠, 佐藤栄一, 竹内良平病因 病態 飯沢典茂, 橋口宏, 森淳診断 河原勝博, 園田典生, 山本恵太郎治療 林光俊予防 予後 石黒洋, 稲垣克記, 中村正則, 野村将彦, 宮澤洋

8 前文 文献検献検索法 本ガイドラインでは, 文献検索に関して対象を英語および日本語として, 英語論文は MEDLINE, 日本語論文は医 学中央雑誌から,1980 年以降 2003 年 2 月までの範囲でアキレス腱断裂の論文を選択した. 研究デザインはエビデンススケール ( 表 1) に沿って,MEDLINE では case series(evidence level 7: 以下,EV level と 表記 ) 以上, 医学中央雑誌では会議録と症例報告を除く条件で検索 ( 検索式, 表 2) を行った. 原則的に EV level 6 (case-control study) 以上を中等度のエビデンスありと規定したが, 必要に応じて EV level 7 も採択した. それは外傷 性疾患であるアキレス腱断裂は, エビデンスレベルの高い前向きの研究が行いにくいこと, また EV level 7 の文献に もガイドラインとして重要な事象が存在している可能性が否定できないと考えたからである. 該当件数は英語論文 378 件, 日本語論文は 349 件の計 727 件であった. 英語論文は疫学, 病因 病態, 診断, 治療, 予防 予後の章毎に責任者に該当論文を振り分け, 疫学 55 件, 病 因 病態 131 件, 診断 226 件, 治療 258 件, 予防 予後 88 件, その他 88 件が一次選択された ( 表 3, 各章ごとの重複を 含む ). 引き続き, 各章責任者によりアブストラクトフォームの作成 ( 二次選択文献 ) に移行した. また, 日本語論文 の 349 件は南郷委員 175 件, 阪本委員 174 件を担当として, 同じくアブストラクトフォームの作成 ( 二次選択文献 ) を行 った ( 表 4). 二次選択文献数は疫学 22 件 ( 英 16/ 和 6), 病因 病態 24 件 ( 英 20/ 和 4), 診断 63 件 ( 英 43/ 和 20), 治療 76 件 ( 英 38/ 和 38), 予防 予後 32 件 ( 英 19/ 和 13), 合計 217 件 ( 英 136/ 和 81) となった. さらに委員会での論議を積み 重ねていく過程で, 本ガイドラインにおける最終的な収載文献数は疫学 10 件 ( 英 8/ 和 2), 病因 病態 5 件 ( 英 5/ 和 0), 診断 51 件 ( 英 35/ 和 16), 治療 76 件 ( 英 38/ 和 38), 予防 予後 34 件 ( 英 25/ 和 9), 合計 176 件 ( 英 111/ 和 65) に絞り込ま れた. これらの採用された文献から, 各章の Q&A ごとに科学的記述を含めた推奨度 ( 推奨 Grade, 表 5) と要約を作成し て, 質問に対する回答とその根拠を記述し委員会全体で内容について吟味したうえで記載した. 表 1 エビデンステーブル Level 内容 1 全体で 100 例以上の RCT の MA または SR 2 全体で 100 例以上の RCT 3 全体で 100 例未満の RCT の MA または SR 4 全体で 100 例未満の RCT 5 CCT および Cohort Study 6 Case-Control Study 7 Case Series 8 Case Report 9 分析的横断研究 10 記述的横断研究 11 その他 RCT:randomized-controlled trial, MA:meta-analysis, SR:systematic review, CCT:controlled clinical trial 表 2 検索式 <MEDLINE>

9 S1 S2 S3 S4 ACHILLES(2N)(RUPTURE? + INJUR?) ACHILLES TENDON(L)injuries ACHILLES TENDON/DE AND (RUPTURE/DE + TENDON INJUREIES/DE) S1:S3 < 医学中央雑誌 > #1 アキレス腱断裂 /AL or アキレス腱損傷 /AL #2 ( アキレス /AL or achilles/al or Achilles/AL) and ( 断裂 /AL or 創傷と損傷 /TH or 損傷 /AL or 腱損傷 /TH or 腱断裂 /AL or 破裂 /TH or rupture/al or Rupture/AL) 表 3 該当件数と一次選一次選択分担総件数 727 件 海外文献 (MEDLINE) 378 件 1. 疫学 55 件 : 南郷委員 2. 病因 病態 131 件 : 成田委員 3. 診断 分類 226 件 : 帖佐委員 4. 治療 258 件 : 古府委員 5. 予後 予防 88 件 : 阪本委員 6. その他 ( 上記分野で抽出されなかった文献 ) 16 件 : 南郷委員 国内文献 ( 医学中央雑誌 ) 349 件 : 南郷委員 (175 件 ) 阪本委員 (174 件 ) 海外文献の件数は各章毎の重複あり 表 4 二次選択文献 ( アブストラクトフォーム作成 ) 総作成数 217 件 ( 英 136+ 和 81) 1. 疫学 22 件 ( 英 16+ 和 6) 2. 病因 病態 24 件 ( 英 20+ 和 4) 3. 診断 分類 63 件 ( 英 43+ 和 20) 4. 治療 76 件 ( 英 38+ 和 38) 5. 予後 予防 32 件 ( 英 19+ 和 13) 追加検索 (2004/1 月 6 月 ) 成田委員 テーマ : アキレス腱 コレステロール 血清脂質アキレス腱 透析 腎疾患アキレス ( 腱 ) 副腎皮質ホルモン (steroid) アキレス腱断裂 アキレス腱炎 該当件数 :MEDLINE 364 件 ( 初回検索との重複を含む ) 表 5 推奨度 Grade 内容内容補足 A 行うように強く推奨する強い根拠に基づいている 質の高いエビデンス (level1~4) が複数ある

10 B 行うように推奨する中等度の根拠に基づいている 質の高いエビデンス (level1~4) が 1 つ, または中程度の質の高いエビデンス (level5,6) が複数ある C D I 行うことを考慮してもよい弱い根拠に基づいている 推奨しない否定する根拠がある 推奨する基準を満たさない 中程度の質のエビデンス (level5,6) が少なくとも 1 つあるか, 委員会の設定した基準以下であるが,evidence level 7 の論文が複数あり, この事象が臨床的に有用である 肯定できる論文がないか, 否定できる中等度までの質のエビデンスが少なくとも 1 つある 委員会の審査基準を満たすエビデンスがない, あるいは複数のエビデンスがあるが結論が一様でない

11 前文 問題点科学的エビデンスの高いガイドライン作成には, 基本となる論文のエビデンスレベルの高さと質およびその論文数によると考えられる. アキレス腱断裂は外傷であり, 質の高いランダム化比較試験 (randomized-controlled trial: RCT) を行うことはほとんど不可能に近く, その結果としてエビデンスレベルの高い論文数は少ないと言わざるをえない. また診断に関しては, 臨床的に最も多く用いられて信頼度の高い診断手法は1957 年と1962 年の論文であり, そのエビデンスはlevel 9となる. 本来はこれらの論文は検索期間外であり, エビデンスレベル以下であるが採択論文として記載した. このように一般臨床で重要な事象は, 委員会で討議したうえで委員会案として必要に応じて採択し, その旨を各章毎の はじめに に明確に記載することとした. さらに推奨グレードに関しては,Grade C( 行うことを考慮しても良い. 弱い根拠に基づいている ) の根拠を一部拡大解釈した. 内容補足として, 中程度の質のエビデンス (lebel 5,6) が少なくとも1つある以外に, 委員会の設定した基準以下であるがlevel 7の論文が複数あり, この事象が臨床的に有用である場合にGrade Cとして推奨した. 以上のように多少の問題点も存在しているが, 現状のアキレス腱断裂診療のガイドラインとして有用な指標となり得ると考えられる.

12 前文 委員会のコメント本ガイドラインの収載期限外の論文であるが,2005 年にエビデンスレベルのきわめて高いアキレス腱断裂の治療に関するRCTのmeta-analysis(Ev level 1) が発表された. 本ガイドラインの内容と方向性は異なるものではないが, 参考としてその結果 ( 要旨 ) を以下に紹介する. 800 例の分析の結果, 切開腱縫合術は非手術例に比して再断裂のリスクはきわめて低いが, 感染, 癒着, 感覚障害の合併症のリスクは高くなる. 経皮的縫合術は, 切開縫合術に比して合併症の発生率は低い. 術後の装具療法により早期の可動域訓練を行うことは, キャスト固定法に比して合併症の発生率は低い 文献 1) AF00682 Khan RJ, Fick D, Keogh A, Crawford J, Brammar T, Parker M. Treatment of acute achilles tendon ruptures. A meta-analysis of randomized, controlled trials. J Bone Joint Surg Am. 2005;87(10):

13 第 1 章疫学 はじめに アキレス腱断裂は 30 歳以降の男性に多く発生し, スポーツ活動中に受傷することの多い外傷とされている. こうし たアキレス腱断裂の疫学的事柄をエビデンスに基づいて検証し, 診療ガイドラインの疫学の章を構築するべく文献を 調査した. リサーチクエスチョンに対する回答は採択文献中に明示された内容で裏付けられなければならない. 疫学につい ては当初は 7 つのリサーチクエスチョンが提案されたが, 採択された 22 件の文献からは十分なエビデンスのある回答 を導き出せないクエスチョンがいくつかあった. 対象となる一次選択 55 文献を再度検討し, 最終的に 3 つのリサーチク エスチョンとなった. それらは (1) アキレス腱断裂の発生数はどのくらいか. 発生数に経年的変化があるか. (2) アキレス腱断裂受傷の好発年齢はどのくらいなのか. また性差, 左右差, 季節性はあるか. (3) アキレス腱断裂はスポーツ活動中の受傷が多いのか. また, どのようなスポーツで多く受傷するのか. である. 当初リサーチクエスチョンとして掲げられた事柄としては, ほかに, 遺伝性の関与があるか否か, 利き足と受 傷側の関係はどうか, 肥満との関連があるか, 両側同時受傷例の頻度はどうか といった設問があったが, 今 回は検討できなかった. アキレス腱断裂についてその治療方法や治療成績を報告した文献は多い. しかし, そうした文献では多くの症例 を調査対象としながら, 症例の背景について統計学的処理を加えて疫学的根拠を示したものは少ない. 一方, アキ レス腱断裂症例の疫学調査そのものを目的とした研究となると, 海外にも少なく, 本邦にはなかった. さらに, 疫学 的研究方法はほとんど後方視的なものであった. 今回採択された文献は地域あるいは国といった広域の症例を調査した欧州の研究が多かった. こうした状況を踏 まえたうえで, 採択文献のなかから得られた本章の結論としての 要約 ではあるが, 従来エビデンスが不明瞭であ ったり, 詳細な統計学的裏付けが示されないまま教科書的に述べられていた疫学的記述を否定するような事実はほ とんどなかった. しかし, 要約 の Grade には強い根拠に基づくと言える Grade A はなく, 中等度の根拠に基づくとされ る Grade B 以下だけとなり, 今後の課題として残った. なお, 疫学の章においては取り上げる内容から, リサーチクエスチョンに対する 推奨 としての提示は相応しくな いと考え, すべて 要約 として示した. 本章のまとめ本邦では大規模な調査によって集計されたアキレス腱断裂受傷者の疫学的研究報告がなく, 本章の 要約 は海外の統計調査研究が主体となって導き出されたものとなった. アキレス腱断裂は人口 10 万人に対して6~37 人程度の発生があり, 国や地域による差異が大きい. 発生数は近年増加の傾向にある. 年齢は30~40 歳代で最も多く受傷している. 従来, 性差は男性に多いとされているが, 男性に多い傾向は認めるものの断定し得ない. 受傷側は左側にやや多い. 受傷の季節的偏りは明確でない. スポ ツ活動中の受傷が多く, 特に若年者にその傾向が顕著であり, 高齢層は日常活動中での受傷が多い. スポーツ種目ではバドミントン, バレーボール, サッカー, テニスなど球技やラケット使用競技での受傷頻度が高い 今後の課題整形外科医としてその治療の任にあたることの多いアキレス腱断裂は, スポーツ参加人口の急速な増加と社会の高齢化により, 発生が増加していることがわかった. それゆえ, アキレス腱断裂についての診断法, 治療法, 予後の

14 改善を目指すとき, 疫学的調査の重要性は高まっている. 現在までの疫学的研究はほとんどが後向き研究で, 論文のエビデンスレベルはどうしても低いものが多くなっている. 長期間に渡る前向きな疫学的調査研究は多大の困難を伴うことが推測されるが, 本邦でも広域の住民を対象に実施される調査研究が行われることを期待する. 今後, そうした研究結果に裏付けられたアキレス腱断裂診療ガイドラインへと発展することが望まれる. これにより今回言及し得なかった受傷についての遺伝的要素の関与の有無, 利き足と受傷側の関係, 肥満度の関与, 両側同時受傷例の頻度なども含めた, より多くの興味深い疫学的疑問が解明できるであろう.

15 第 1 章疫学 Research Question 1 アキレス腱断裂の発生数はどのくらいか. 発生数に経年的年的変化があるか Grade I Grade 要約 欧米の発生数の報告では人口 10 万人あたり 6.3 人から 37.3 人と, 国あるいは地域で異なっている. Grade B 発生数は変化しており近年増加傾向にある. 本邦では発生数についての報告はない. 背景 目的頻度の高い外傷と言われるアキレス腱断裂であるが, その裏付けとしての発生数を知ることを目的とした. 近年の発生数の変化についても検討する. 解説 フィンランドのOulu 大の報告では,1979~1990 年では人口 10 万人あたりアキレス腱断裂発生が4.2 人であったが,1991~2000 年では10 万人あたり15.2 人と増加した (AF00022, EV level 7). 南東フィンランドでの報告では1986~1996 年の発生数は10 万人あたり8.6 人で, 近年にかけて有意に増加していたが次第に安定化傾向にあるとしている (AF00077, EV level 7). スコットランドの報告では1981 年の発生数が10 万人あたり4.7 人に対し,1994 年では6.3 人と有意に増加していた (AF00107, EV level 6). 22 万人のデンマークの州における集計では1984 年の発生数は10 万人に18.2 人であった.1996 年には10 万人あたり37.3 人と有意に増加していることが示されている (AF00138, EV level 7). スウェーデンの人口 23 万人の都市では1950~1973 年の調査と比較して1987~1991 年ではアキレス腱断裂症例数が増加していることを指摘している (AF00168, EV level 6). 文献 1) AF00022 Pajala A, Kangas J, Ohtonen P, Leppilahti J. Rerupture and deep infection following treatment of total Achilles tendon rupture. J Bone Joint Surg Am. 2002;84-A(11): ) AF00077 Nyyssönen T, Lüthje P. Achilles tendon ruptures in South-East Finland between , with special reference to epidemiology, complications of surgery and hospital costs. Ann Chir Gynaecol. 2000;89(1): ) AF00107 Maffulli N, Waterston SW, Squair J, Reaper J, Douglas AS. Changing incidence of Achilles tendon rupture in Scotland: a 15-year study. Clin J Sport Med. 1999;9(3): ) AF00138 Houshian S, Tscherning T, Riegels-Nielsen P. The epidemiology of Achilles tendon rupture in a Danish county. Injury. 1998;29(9): ) AF00168 Möller A, Astron M, Westlin N. Increasing incidence of Achilles tendon rupture. Acta Orthop Scand. 1996;67(5):

16 第 1 章疫学 Research Question 2 アキレス腱断裂受傷裂受傷の好発年齢はどのくらいなのか. また, 性差, 左右差, 季節性はあるか Grade B Grade I Grade 要約 受傷好発年齢は30~40 歳代であり,50 歳以上の年齢層にもう一つ小さなピークがある. 若年層ではスポーツによる受傷が多いが, 高齢層にはスポーツ以外の日常活動中の受傷が多い. 男女の発生比率は差がないとするものから, 女性 1に対し男性 6.3までさまざまであり, 男性に多い傾向はあるものの断定し得なかった. また女性は男性より受傷年齢が高い. Grade C 左右差では右 41~45% に対し左 52~59% とやや左に多い. Grade Grade I 発生の季節性があるとは言えない. 背景 目的アキレス腱断裂はスポーツ活動中に自家筋力によって発症することが多いとされているが, その好発年齢, 性差, 左右差, 季節的偏りを検証する. 解説 人口 92,000 人の地域で, すべてのアキレス腱断裂症例の手術を担当するフィンランドの都市中核病院での1986~1996 年の集計では,93 例の受傷時平均年齢は44 歳, 中央値 42 歳であり,40~44 歳が最多であった. スポーツによる受傷は若年者に多かった.65 歳 ~69 歳に第 2のピークがあった. 男女の比率は 3.4:1であり, 右 47 例, 左 48 例と左右差は見られていない. 受傷月は1,2,10 月に多かった (AF00077, EV level 7). 1980~1995 年のスコットランドでのアキレス腱断裂例 4,201 例の統計からは, 男性では受傷時年齢が30 ~39 歳で最多であり,60 歳以降にもう一つの発生数増加域があった. 女性は60 歳から増加していた. 男女比は1.7:1とやや男性に多く, 統計学的には季節的偏りを認めなかった (AF00107, EV level 6). 1984~1996 年のデンマーク5 病院で調査した718 例では, 受傷時平均年齢が42.1 歳であり, このうち30~ 49 歳が62% であった.50~59 歳にも小さな発生のピークが見られた. 若年層の受傷原因はスポーツによるものが多かった. 男女比は3:1と男性に多かった. 季節的には春と秋のスポーツシーズンに多かった (AF00138, EV level 7). デンマークで1978~1995 年の18 年間にアキレス腱断裂を受傷した213 例の調査からは, 受傷年齢の中央値が41 歳であった. 男女比は2.8:1であった. 左側が57% と多かった (AF00159, EV level 6). スウェーデンMalmöの1987~1991 年の153 例に対する調査では40 歳代に発生の大きなピークがあり,80 歳代に小さなピークがあった. スポーツによる受傷はその平均年齢が37 歳と若く, 一方, スポーツ以外での受傷は平均 56 歳で両者間に有意差を認めた. 男女比は6.3:1と男性に多かった. 受傷時平均年齢は男性 42 歳, 女性 52 歳で有意差を認めている. スポーツによる受傷は男性に多かった (AF00168, EV level 6). フィンランドOulu 市 5 病院での1979~1994 年の16 年間の統計からは,110 断裂例の平均年齢が40 歳であった. 男女比 5.5:1と男性が多く, 左側が52.6% であった. 本報告でも非スポーツ受傷者の年齢が高く, 平均 53 歳であり, スポーツでの受傷者は38 歳であった (AF00169, EV level 7). ブダペスト国立外傷センターの報告では,1972~1985 年に治療した292 例の平均受傷年齢は35.2 歳で, 男女比は4.8:1であった. また, 左右差はスポーツによる受傷例では左側が59% であった. 季節性についてスポーツによる受傷例の71%, スポーツ以外の原因による受傷例の60% が夏に受傷していた (AF00277, EV level 6).

17 本邦の244 例の調査報告では, 年齢は30~50 歳に多く, 若年層でスポーツによる受傷が多かった. 男女比が1.1:1で性差がなかった. 左側受傷が57.8% であった. 季節では春に多かった (AJ00111, EV level 7). 文献 1) AF00077 Nyyssönen T, Lüthje P. Achilles tendon ruptures in South-East Finland between , with special reference to epidemiology, complications of surgery and hospital costs. Ann Chir Gynaecol. 2000;89(1): ) AF00107 Maffulli N, Waterston SW, Squair J, Reaper J, Douglas AS. Changing incidence of Achilles tendon rupture in Scotland: a 15-year study. Clin J Sport Med. 1999;9(3): ) AF00138 Houshian S, Tscherning T, Riegels-Nielsen P. The epidemiology of Achilles tendon rupture in a Danish county. Injury. 1998;29(9): ) AF00159 Levi N. The incidence of Achilles tendon rupture in Copenhagen. Injury ;28(4): ) AF00168 Möller A, Astron M, Westlin N. Increasing incidence of Achilles tendon rupture. Acta Orthop Scand. 1996;67(5): ) AF00169 Leppilahti J, Puranen J, Orava S. Incidence of Achilles tendon rupture. Acta Orthop Scand. 1996;67 (3): ) AF00277 Józsa L, Kvist M, Bálint BJ, Reffy A, Järvinen M, Lehto M, Barzo M. The role of recreational sport activity in Achilles tendon rupture. A clinical, pathoanatomical, and sociological study of 292 cases. Am J Sports Med. 1989;17(3): ) AJ00111 中山正一郎, 三馬正幸, 杉本和也ほか. アキレス腱断裂の年齢別の特徴について. 中部日本整形外科災害外科学会誌.1996;39(6): コメント本邦の報告中, 剣道家の43 症例について左が41 例 95% と著しく偏った発生を報告している (AJ00159, EV level 7). 補足文献 1) AJ00159 園畑素樹, 忽那龍雄, 石井孝子ほか. 中高年剣道選手のスポーツ傷害. 九州スポーツ医 科学会誌.1994;6:

18 第 1 章疫学 Research Question 3 アキレス腱断裂はスポーツはスポーツ活動中活動中の受傷受傷が多いのか. また, どのようなスポーツで多く受傷受傷するのか Grade B 要約 アキレス腱断裂をスポーツ活動中に受傷したのは 60~81% の症例であり, スポーツによる受傷が多いことが示された. 国による競技人口の差異を考慮せずに言えば, 球技, ラケット競技での受傷が多く, 種目別にはバドミントン, バレーボール, サッカー, テニスなどの球技およびラケット使用競技での発生頻度が高い. 背景 目的スポーツ活動中のアキレス腱断裂受傷が多いとされている. これを検証し, 発生頻度の高い種目を明らかにする. 解説 人口 92,500 人のフィンランドの都市において, この地域のアキレス腱断裂手術がすべて行われる中核病院での集計では, スポーツによる受傷が95 肢中 59 肢で62% であり, 種目ではバレーボールが最多で, サッカー, バドミントンが続いていた. 球技が95 例中 49 例 (52%) であった (AF00077, EV level 7). デンマークの人口 22 万の地域にある5 病院での調査では,718 例中 74.2% がスポーツによって発生し, その93% は球技およびラケット競技での受傷であった. スポーツによる533 例中バドミントンが246 例 (46.3%) と最も多かった. 次いでサッカー 124 例 (23.3%), ハンドボール83 例 (15.6%) の順であった (AF00138, EV level 7). 同じくデンマークのFrederiksberg 市において18 年間に発生した213 例の検討では, バドミントンが49.7%, ハンドボール6.8%, サッカー 5.2% であった (AF00159, EV level 6). スウェーデンでの153 例の調査では, スポーツによる受傷が全体の2/3であった. 競技種目別にはバドミントン50 例, サッカー 19 例, テニス12 例の順に多かった (AF00168, EV level 6). フィンランドのOulu 市の報告では, アキレス腱断裂 110 例中, スポーツによるものが90 例 (81%) であり, さらにこのうち88% は球技によるもので, バレーボール22 例 (24%), バドミントン20 例 (22%), サッカー 15 例 (17%) であった (AF00169, EV level 7). ブダペスト外傷センターの報告では, アキレス腱断裂 292 例中スポーツ活動で断裂したのは173 例 (59.2%) であり, 他の腱断裂より有意にスポーツによるものが多かった. 受傷時のスポーツ種目はフットボール33.5%, 陸上競技 16.2%, バスケットボール13.3% の順であった (AF00277, EV level 6). 244 例のアキレス腱断裂症例を調べた本邦の報告では, スポーツによる受傷症例が185 例 (76%) で, 最も症例の多かったスポーツはバレーボールの49 例, 次いでバドミントン29 例, テニス23 例であった (AJ00111, EV level 7). 文献 1) AF00077 Nyyssönen T, Lüthje P. Achilles tendon ruptures in South-East Finland between , with special reference to epidemiology, complications of surgery and hospital costs. Ann Chir Gynaecol. 2000;89(1): ) AF00138 Houshian S, Tscherning T, Riegels-Nielsen P. The epidemiology of Achilles tendon rupture in a Danish county. Injury. 1998;29(9):651-4.

19 3) AF00159 Levi N. The incidence of Achilles tendon rupture in Copenhagen. Injury. 1997;28(4): ) AF00168 Möller A, Astron M, Westlin N. Increasing incidence of Achilles tendon rupture. Acta Orthop Scand. 1996;67(5): ) AF00169 Leppilahti J, Puranen J, Orava S. Incidence of Achilles tendon rupture. Acta Orthop Scand. 1996;67 (3): ) AF00277 Józsa L, Kvist M, Bálint BJ, Reffy A, Järvinen M, Lehto M, Barzo M. The role of recreational sport activity in Achilles tendon rupture. A clinical, pathoanatomical, and sociological study of 292 cases. Am J Sports Med. 1989;17(3): ) AJ00111 中山正一郎, 三馬正幸, 杉本和也ほか. アキレス腱断裂の年齢別の特徴について. 中部日本整形外科災害外科学会雑誌.1996;39(6):

20 第 2 章病因 病態病態 はじめに アキレス腱断裂発生の病態を調査するにあたって, 当初その項目として, 臨床的観点から 加齢と腱変性の関 与, 損傷形態としての完全または不全断裂の比率, 受傷様式と肢位, 準備運動の有無と量, 運動開始か らの時間, 柔軟性, 基礎疾患, 石灰沈着との関連, 再発例の原因 などが挙げられたが, これらの多くにおいて evidence-based の研究の存在しないことが判明した. 受傷機転と様式に関しては, 例えば剣道における後足の受傷のように, 特異性を認めるスポーツ種目や動作など 臨床上よく経験するところではあるが, それらは case report にとどまり, リサーチクエスチョンとして挙げることができ なかった. また, 診療上指導する機会の多いストレッチングを中心とした準備運動の有無と量や, 受傷のスポーツ動 作開始からの時間等に関した論文は皆無であった. 文献総件数 727 件のうち, 病因 病態に関する 131 論文のサマリーを査読し, その後, 副腎皮質ホルモン等のキー ワードにより若干の追加査読を行い,24 文献を採択した. 採択文献のなかから, 信頼性の高いリサーチクエスチョン として, (1) アキレス腱の肥厚はアキレス断裂の危険因子となりうるか. (2) アキレス腱断裂の発生には, 基盤に必ず腱の変性が存在するか. (3) アキレス腱断裂を誘発する可能性のある薬物はあるか. の 3 点においてのみリサーチクエスチョンとすることとした. 本章のまとめアキレス腱断裂の病態に関するリサーチクエスチョンは前述の3 項目となった. 一般的にアキレス腱断裂の基盤には腱の変性が存在すると考えられており, これを示唆する1つの臨床所見に腱の肥厚がある. 近年では超音波検査を用いて非断裂側アキレス腱の前後径を計測し対照群と比較する試みがなされており (case-control study), アキレス腱断裂群の腱は肥厚していることが判明している. また, 肥厚腱には高率に限局性結節性変化等が存在していたことからも, 腱の肥厚は退行性変化を表していると考えられる. 断裂腱に組織学的に腱の変性を示唆する所見があるという報告からも, アキレス腱断裂における腱の変性の存在は明らかで, アキレス腱断裂は腱の退行性変性を基盤に発生すると考えられる. また, 副腎皮質ホルモンの局所および全身投与等, 薬剤のなかにはアキレス腱断裂を誘発する可能性のある物質が存在すると考えられている. 副腎皮質ホルモンがその誘発因子となった可能性が高いことに言及した報告は主に症例報告にとどまり, 現時点ではエビデンスが低いと考えられ, 今回はリサーチクエスチョンとして挙げることができなかった. しかしながら, アキレス腱断裂を誘発する可能性の高い薬物としてfluoroquinoloneやciprofloxacin 等の抗菌剤は, 報告からは信頼性が高く (case-control study), これらについては誘発物質と断定して良いと考える. 今後の課題 日常診療上遭遇する副腎皮質ホルモンの局所 全身投与の影響 1),2),3),4),5),6), または腎透析の影響 7), 血清コレ 8),9) ステロール値の影響等の文献は現時点ではそのほとんどが症例報告にとどまってはいるが, アキレス腱損傷発 生の誘因として濃厚と考えられ, 今後の組織的な調査を要すると考えられる. 文献 1) AF00649 Haines JF. Bilateral rupture of the Achilles tendon in patients on steroid therapy. Ann Rheum Dis.

21 1983;42(6): ) AF00634 Dickey W, Patterson V. Bilateral Achilles tendon rupture simulating peripheral neuropathy: unusual complication of steroid therapy. J R Soc Med. 1987;80(6): ) AF00514 Hersh BL, Heath NS. Achilles tendon rupture as a result of oral steroid therapy. J Am Podiatr Med Assoc. 2002;92(6): ) AF00261 Newnham DM, Douglas JG, Legge JS, Friend JA. Achilles tendon rupture: an underrated complication of corticosteroid treatment. Thorax. 1991;46(11): ) AF00654 Chechick A, Amit Y, Israeli A, Horoszowski H. Recurrent rupture of the achilles tendon induced by corticosteroid injection. Br J Sports Med. 1982;16(2): ) AF00646 Baruah DR. Bilateral spontaneous rupture of the Achilles tendons in a patient on long-term systemic steroid therapy. Br J Sports Med. 1984;18(2): ) AF00299 Spencer JD. Spontaneous rupture of tendons in dialysis and renal transplant patients. Injury. 1988;19(2): ) AF00378 Ozgurtas T, Yildiz C, Serdar M, Atesalp S, Kutluay T. Is high concentration of serum lipids a risk factor for Achilles tendon rupture? Clin Chim Acta. 2003;331(1-2): ) AF00103 Mathiak G, Wening JV, Mathiak M, Neville LF, Jungbluth K. Serum cholesterol is elevated in patients with Achilles tendon ruptures. Arch Orthop Trauma Surg. 1999;119(5-6):280-4.

22 第 2 章病因 病態病態 Research Question 1 アキレス腱の肥厚肥厚はアキレスはアキレス腱断裂の危険因子因子となりうるか Grade C 推奨 アキレス腱の肥厚は腱の退行性変化の存在を示唆し, かつアキレス腱断裂発生の危険因子となりうる. 背景 目的アキレス腱断裂の好発年齢のピークの1つは30 歳代と40 歳代にあり, その理由はアキレス腱の退行性変性にあると考えられているが, 明らかとなってはいない. 一般的に, アキレス腱の肥厚は退行性変性により生じ, 肥厚した腱は断裂に至りやすいと考えられている. 肥厚した腱は本当に断裂の危険性があるか否かを検討する. 解説 アキレス腱断裂患者の受傷側および健側の超音波検査を用いて長期的観察 (10~120ヵ月, 平均 63ヵ月 ) を行った報告によると, アキレス腱断裂患者 (n=70) の健側前後径を, 年齢および性別を合わせた対照群と比較した結果, 有意にアキレス腱断裂患者の健側前後径が大きかったことより, アキレス腱の肥厚はアキレス腱断裂の危険因子であると結論している. また, この患者の受傷側 24.3%, 健側 2.9% に, アキレス腱内に低エコー領域, 受傷側 14.3% に石灰化を認め, 対照群にはこれらを認めなかったことから, 基盤に腱の退行性変性があることを示唆している (AF00012, EV level 6). Nehrerらの報告によると,36 名のアキレス腱痛を有する患者の超音波検査による検討 ( 平均経過観察期間 48ヵ月 ) で, 当初臨床症状を有した48アキレス腱のうち, 後に断裂に至った7アキレス腱 (14.6%) のすべてが超音波検査でアキレス腱の肥厚ありと診断されており, このうちの4 腱 (57.1%) が高度の肥厚 ( 前後径 10mm 以上 ) と分類された. また5 腱 (71.4%) に超音波検査で限局性の結節性変化が存在したと述べ, アキレス腱の肥厚は腱の退行性変性を意味し, 断裂の危険因子であると結論している (AF00151, EV level 7). 文献 1) AF00012 Bleakney RR, Tallon C, Wong JK, Lim KP, Maffulli N. Long-term ultrasonographic features of the Achilles tendon after rupture. Clin J Sport Med. 2002;12(5): ) AF00151 Nehrer S, Breitenseher M, Brodner W, Kainberger F, Fellinger EJ, Engel A, Imhof F. Clinical and sonographic evaluation of the risk of rupture in the Achilles tendon. Arch Orthop Trauma Surg. 1997;116(1-2):14-8.

23 第 2 章病因 病態病態 Research Question 2 アキレス腱断裂の発生には, 基盤に必ず腱の変性が存在存在するか Grade 推奨 Grade C アキレス腱断裂は基盤に腱の変性が存在して発生すると考えられる. 背景 目的一般的にアキレス腱断裂の発生には, その基盤に腱の変性が存在すると考えられている. 臨床において慢性のアキレス腱炎などの腱の変性が示唆される症例が, 後に断裂に至った等を経験することから, 変性した腱は断裂に至りやすいと推測されるが, 明確な回答は得られていない. 腱断裂には腱変性が必須か否かを組織学的に検証する. 解説 Kannusらは,397アキレス腱を含む891 腱皮下断裂 (397アキレス腱,302 上腕二頭筋腱,40 長母指伸筋腱,82 大腿四頭筋腱,70 他 ) の手術時採取組織 ( 断裂から48 時間以内に採取 ) の病理組織像を, 年齢 性別を合わせた445 腱 ( 生前健康であり, 事故で死亡した屍体から採取 ) と比較検討 (case-control study) したところ, 対照の2/3に健康組織構造が見られたのに対して, 断裂腱のすべてに健康組織構造が見られず (p<0.001), hypoxic degenerative tendinopathy, mucoid degeneration, tendolipomatosis, calcifying tendinopathyなどの変性性変化を認めたと報告した (AF00256, EV level 6). このことから, アキレス腱断裂を含むすべての腱皮下断裂発生には基盤に何らかの腱変性が存在すると考えられる. しかしながら, 本報告は腱組織採取を断裂から48 時間以内としてはいるものの, 腱断裂発生前の病理組織像ではなく, この部分を含みおいて考える必要性を残している. 文献 1) AF00256 Kannus P, Józsa L. Histopathological changes preceding spontaneous rupture of a tendon. A controlled study of 891 patients. J Bone Joint Surg Am. 1991;73(10):

24 第 2 章病因 病態病態 Research Question 3 アキレス腱断裂を誘発するする可能性可能性のあるのある薬物はあるか Grade B 推奨 fluoroquinolone や ciprofloxacin などの抗菌剤は, アキレス腱断裂を誘発する可能性が考えられる. 背景 目的一般的に, 副腎皮質ホルモンなどのある種の薬剤は, アキレス腱断裂を含むアキレス腱障害発生の危険因子と考えられている. なかでも抗菌剤, 特に特殊環境下に投与される抗菌剤はアキレス腱断裂を誘発する可能性があるとする報告があり, アキレス腱断裂を含むアキレス腱障害発生と統計学的に有意に相関する薬剤を検討する. 解説 van der Lindenらはfluoroquinoloneとアキレス腱障害発生の相関をロジスティック回帰分析により, その相対リスクを検討した.60 歳以上においてfluoroquinolone 使用開始後 30 日以内にアキレス腱障害が発生し, 特にアキレス腱断裂の相対リスク (7.1) が高く, その理由は不明としながらもアキレス腱障害発生の危険因子であるとしている (AF00009, EV level 6). また,Chhajedらは肺移植患者におけるciplofloxacinの使用と, アキレス腱断裂を含むアキレス腱障害発生との相関を検討したところ,101 例の肺移植患者の22 例 (21.8%) がアキレス腱障害 ( うち6 例は断裂 ) を発生し, このうちの20 例 ( うち5 例は断裂 ) はciplofloxacinを使用しており, 様々な因子のなかで唯一 ciplofloxacin 使用のみがアキレス腱障害と相関したと報告している (AF00015, EV level 6). 文献 1) AF00009 van der Linden PD, Sturkenboom MC, Herings RM, Leufkens HG, Stricker BH. Fluoroquinolones and risk of Achilles tendon disorders: case-control study. BMJ. 2002;324(7349): ) AF00015 Chhajed PN, Plit ML, Hopkins PM, Malouf MA, Glanville AR. Achilles tendon disease in lung transplant recipients: association with ciprofloxacin. Eur Respir J. 2002;19(3):

25 第 3 章診断 はじめに 傷害の治療に際しては, 診断が重要であることはアキレス腱断裂においても例外ではない. 近年, 医療技術の発 展と医療機器の発達により超音波や MRI が診断の補助, 病態の把握や治療の経過観察用として用いられるようにな ってきた. 実際の臨床の現場では, アキレス腱断裂を疑う際には, 特徴的な受傷時のエピソードに加え, 局所所見で陥凹の 触知や,Simmonds Thompson squeezing test (Simmonds Thompson test) * などの理学的検査所見が参考にされ, ほとんどの症例において診断可能である. しかし, 正確な診断のために必要な医療面接 ( 問診 ) を含めた自覚症状, 他覚所見および各種の画像検査法について意義や必要性に関し, 科学的かつ合理的に考慮され, 実際に施行され ているとは言えないのが現状である. 本章においては, アキレス腱断裂診断のために, 医療面接での重要なエピソードは何か, 特徴的な局所所見は何 か, 信頼のおける理学的検査所見は何かなどを科学的に検討した. また, 画像検査法の必要性や意義について検 討し, 臨床に携わる整形外科医の診断時の参考になることを目的とした. アキレス腱断裂の診断に関するサイエンティフィックステートメントの作成にあたり, 計 7 つのリサーチクエスチョン を設定し, 診断に関与すると考えられる全論文約 727 編のアブストラクトを吟味し, リサーチクエスチョンに答えられる 価値のある論文 226 編 ( 英文 156 編, 和文 70 編 ) を選択した. リサーチクエスチョンに答える形で 7 つの 推奨 を作成し た. 最後に, これら 推奨 をもとに, アキレス腱断裂の診断のために 4 つのステップを提唱した. アキレス腱断裂の 診断 に関しては, 手術などの明らかな介入が得られる 治療 とは異なり,RCT(randomizedcontrolled trial) などを計画して施行することはきわめて困難であり,RCT などを有した論文は皆無であった. しかし, 過去の論文的知識や手法は, 先人達が患者を詳細に問診 ( 医療面接 ) し, 診察した結果から導き出され, 長年にわ たり数多くの臨床家の基盤となり診断に用いられてきた. 診断に関するこれらの論文は今回の検索範囲 (1980 年 ~2003 年 2 月以前 ) にすでに公表されており, しかもその 当時はエビデンスという概念はなかったので, そのエビデンスレベルは必ずしも高くない. しかし, これらの診断的手 法に基づき, アキレス腱断裂の診断および治療などがなされており, 多くの追試を受けた結果, 現在まで大変貴重な 論文として残っているので選択した. さらに, 診断に用いられてきたエピソード, 陥凹などの局所所見や理学的検査 所見に関する注意点や改善法の報告はあるが, それらを否定する論文もないことから, その学問的価値は大規模 RCT に比していささかも劣るものではない. したがって, 本章における各 推奨 のグレードはそれほど高いものには なっていない. また, 診断の場合はオリジナルな所見や検査法が重要となるため, 検索範囲を発表年までさかのぼ って検索した. *Simmonds Thompson test と記載した理由 : 発表年が Simmonds が 1957 年,Thompson が 1962 年であり, 文献上も Simmonds Thompson test と記載されているため. ただし,Thompson の文献では 1955 年の 11 月に著者が初めて注目したと述べているため Thompson Simmonds test と呼ばれることもある. 本章のまとめまず, すべての診断の鍵となりうる問診 ( 医療面接 ) は重要である. 受傷時の特徴的な表現 ( アキレス腱部を蹴られた, ボールをぶつけられた,pop 音の聴取など ) が挙げられ, これらを聞いただけでアキレス腱断裂と診断可能なほど特徴的なエピソードといえる. ついで, 受傷時の局所所見で陥凹の触知を認めれば断裂が示唆される. また, 断裂により生じた機能の喪失を診る徒手検査としてSimmonds test, Thompson testなどが挙げられ, 補助診断として有用である. 画像検査として, 単純 X 線検査,computed radiography(cr), 超音波検査,MRIなどが挙げられる. また, 単純 X 線写真はアキレス腱断裂の描出としての診断的価値は低いが, 骨折や骨棘障害などとの鑑別には重要である. 最

26 近のCRでは断裂状況のある程度の客観的把握が可能となった. また, これらの検査は補助診断として有益であり, 特にCR, 超音波,MRI 検査は治療方針や治療成績にも反映されるので, フォローアップの手段としての価値も見い出される. 診断に際しては, 医療面接と理学的所見のみで安易に診断を決めつけると, 骨折などを見逃したり, 歩行可能ということでアキレス腱断裂を見逃す危険性もある. したがって, 的確な問診や理学所見でほとんどのアキレス腱断裂の診断は可能であるが, 確定診断ができない場合には, 画像所見と併せて総合的な診断が必要である. アキレス腱断裂の診断のための4つのステップを以下に記載する. アキレス腱断裂の診断手順 4つのステップ First step: 医療面接 ( 問診 ) 受傷時の特徴的な表現 ( アキレス腱部を蹴られた,pop 音の聴取など ) はあるか. アキレス腱部痛はあるか. 階段昇降やつま先歩行は可能か. 跛行はあるか. Second step: 理学所見 断裂部の陥凹を触知するか. つま先立ちは可能か. 徒手検査 Simmonds Thompson test,knee flexion test(matles test) など は陽性か. Third step: 画像検査 確定診断がつかない場合や治療方針の決定に有用な検査法は何か. first choice: 単純 X 線検査 computed radiography(cr) second choice: 超音波検査 third choice:mri 治療方針や治療成績にも反映されるのでフォローアップの手段としての価値あり. Fourth step: 鑑別診断アキレス腱炎 アキレス腱周囲炎, アキレス腱付着部裂離骨折, アキレス腱付着部障害 ( 踵骨後部滑液包 炎, アキレス腱皮下滑液包炎, アキレス腱付着部炎 ), 腓腹筋挫傷 ( いわゆる肉離れ ) 腓腹筋内側頭筋腱移 行部の断裂 ( いわゆる tennis leg), 脛骨過労性骨膜炎 疲労骨折, 腓骨筋腱脱臼, 後脛骨筋腱炎 長母趾屈 筋腱炎など 今後の課題アキレス腱断裂の診断には, 特徴的な受傷時のエピソードに加え, 局所所見で陥凹の触知やSimmonds Thompson testなどの理学的検査所見が有用であり, ほとんどの症例において診断が可能である. 今後の課題として, 誤診する症例の実態や特徴を検討する必要がある. また, 診断法を科学的に統計処理するために, 受傷時のエピソード, 局所所見や理学的検査所見の診断時の敏感度や特異度の評価, 画像診断の必要性の有無などに関しては, 多施設共同での研究が必要と考える.

27 第 3 章診断 Research Question 1 医療面接 ( 問診 病歴 ) だけでアキレス腱断裂の診断は可能可能か Grade C 推奨 問診や病歴単独で, ある程度アキレス腱断裂を予想することは可能である. よって, 問診や病歴をしっかり聴取することは基本であり重要である. 背景 目的近年, アキレス腱断裂の診断に単純 X 線写真, 超音波検査,MRIなどの各種画像診断が用いられているが, あくまでも補助診断として用いるべきである. アキレス腱断裂に限らずあらゆる疾病を診断するにあたり, 問診や病歴をしっかり聴取することは基本であるので, 医療面接の有用性について検討する. 解説 1) ) 前駆症状 43 例中 10 例 (23.3%) や244 例中 46 例 (19%) に受傷前にアキレス腱部に何らかの異常を感じていたとの報告がある (AJ00068, EV level 7)(AJ00117, EV level 7). 前駆症状として歩行時や運動時の鈍痛, つっぱり感, 違和感という漠然とした愁訴が多く, 断裂前からアキレス腱部に変性や炎症の存在が疑われ, 予防の観点からは重要な徴候である. 2) ) 受傷時の表現 ( 蹴られた, ボールがあたったなど ) や断裂音 受傷時の表現として, アキレス腱部を後ろから棒でたたかれたと思った, 後ろから蹴られた, ボールをぶつけられたような衝撃を感じた, ポーン という音 (pop 音 ) を聴取した ブチッ という切れた音を自覚した などが挙げられ, これらを聞いただけでアキレス腱断裂と診断可能なほど特徴的なエピソードといえる. また, 足がつった, 熱い感じがした, あまり強い痛みは感じなかった, という異った表現をすることもある (AF00564, EV level 9)(AF00666, EV level 9)(AJ00117, EV level 7)(AJ00231, EV level 7). 3) ) 疼痛や跛行 自覚症状としてはアキレス腱部痛があるが, 疼痛は著しい場合と軽度の場合があり, 症例によっては独歩で来院することもありうる. 走ること, 階段昇降やつま先歩行は不可能になるが, ベタ足歩行は可能である. このため, まれに断裂を見逃されることがあるので注意を要する (AF00564, EV level 9) (AF00666, EV level 9)(AJ00231, EV level 7). 文献 1) AJ00068 笠次良爾, 杉本和也, 中山正一郎, 高倉義典. バレーボールにおけるアキレス腱断裂について 受傷機転を中心に. 臨床スポーツ医学.1999;16(3): ) AJ00117 中山正一郎. スポーツによる下肢の傷害アキレス腱の断裂. 保健の科学.1996;38(7): ) AF00564 Leppilahti J, Orava S. Total Achilles tendon rupture. A review. Sports Med. 1998;25(2): ) AF00666 Popovic N, Lemaire R. Diagnosis and treatment of acute ruptures of the Achilles tendon. Current concepts review. Acta Orthop Belg. 1999;65(4): ) AJ00231 萬納寺毅智. アキレス腱断裂. 臨外.1990;45:

28 第 3 章診断 Research Question 2 アキレス腱断裂の診断において, 特徴的な臨床所見臨床所見はあるか Grade C 推奨 受傷時にアキレス腱部に認められる陥凹や gap sign は特徴的な局所所見である. 歩行は可能な場合はあるがつま先立ちは不可能である.Simmonds test, Thompson test をはじめ各種徒手的検査を要す.2 つ以上の臨床的検査法でアキレス腱断裂を示唆された場合, 診断は確実と考えられる. 背景 目的アキレス腱断裂の三大徴候は,(1) アキレス腱のレリーフが消失し陥凹 (Delle) を触知,(2) つま先立ちは不可能,(3)Simmonds test, Thompson test 陽性が一般的に挙げられてきた. ただし, 歩行可能例も存在し, 足底筋腱を触知し部分断裂と見誤ることもあり, 安易な診断は要注意である. 解説 1) ) 局所所見 ( 陥凹と gap sign, 圧痛と腫脹, 足関節底屈節底屈とつまとつま先立先立ち ) 新鮮アキレス腱断裂の受傷時における絶対的テストは陥凹触知である. しかし, 周囲の腫脹によりマスクされることもあり陳旧例では認められないことが多い. また, その周囲に皮下出血斑を認めることもある. しかし, 断裂部位や経過時間により, 断裂部の陥凹の有無だけで診断すると誤診をすることもありうる (AF00251, EV level 9)(AF00478, EV level 9)(AF00677, EV level 9). アキレス腱断裂により足関節底屈筋力は低下し, つま先立ちが不能になる. しかし, 足底筋, 趾屈筋および後脛骨筋は正常に働くため自動的な足関節底屈は可能であるので注意を要す. 完全断裂においても1/3で歩行は可能であり足底筋腱を触知し部分断裂と見誤らないようすることが重要である (AF00679, EV level 9)(AJ00055, EV level 9)(AJ00117, EV level 7)(AJ00231, EV level 7). 100 例 102 足において断裂部の自発痛 100%, 圧痛 100%, 腫脹 80%, 皮下出血は25% に認め, 両足つま先立ちは98.1% で不可能であったが, 歩行は36.3% に可能であった (AJ00263, EV level 7). 2) 検査 a)simmonds test, Thompson test, Simmonds Thompson test Simmondsによるsqueezing testの原法は腹臥位で膝伸展位にて足関節は台の端から出し, 下腿を squeeze ** ( 圧搾, 搾りだす ) し, 足関節が底屈しなければアキレス腱が断裂していることが示唆されると報告された (AF00481, EV level 9). また, 健側と比較すべきとされている. Thompson testの原法は立て膝をつき膝 90 屈曲位で足関節は台の端から出し自然下垂位をとり, 下腿後面中 1/3 部位をsqueezeし, 底屈しなければ陽性と紹介されている (AF00479, EV level 9). Thompsonはアキレス腱断裂患者 19 例全例で陽性であったと報告した (AF00480, EV level 7). しかし, この方法では完全断裂やヒラメ筋成分の損失がなければ陽性に出ないこともあり, 陳旧例では陰性となりやすい (AF00478, EV level 9). 現在では,Simmonds Thompson testは腹臥位で膝伸展または屈曲位で施行すると表現され, 偽陽性を減少させる観点から重力が加わる膝屈曲位で施行されている文献が多い. **squeezeに対する適切な訳語がないのが現状であるため上記のように記載した. b)knee flexion test (Matles test) 腹臥位で台の端から足部を出し, 足関節を底屈位にしたまま自動運動で膝を90 まで屈曲させる. 正常では底屈位を保持できるが, 中間位や軽度背屈位に落ち込んだら陽性であり, 新鮮例および陳旧例

29 とも可能なサインである. しかし, 膝関節の障害で自動屈曲できない例では不可で, ポリオ, 脳性麻痺, 筋萎縮症などが原因でアキレス腱の緊張低下時には偽陽性となることもある (AF00478, EV level 9). c)hyperdorsiflexion sign 腹臥位で膝 90 屈曲位とし, 他動的に足関節に背屈強制を加えると, 断裂側は過背屈位を呈す (AF00137, EV level 9). d)needle test (O'Brien test) 腹臥位で, 無菌操作として踵骨上縁から10cm 近位部の腓腹部正中やや内側に25ゲージの針を刺入し, 針先がアキレス腱を貫通せず腱内に留まるように抵抗を感じるまで刺入する. 次にゆっくりと他動的に足関節の背屈底屈を交互に行い, 針の中心の動きを記録する. 腱の状態が正常では足の軸の動きと針の軸の動きが正反対の方向を示す. 針の軸の動きがないか, 足の動きの軸と同じ方向に針の軸が動けばアキレス腱の連続性の途絶を示唆する所見である. 10 症例のThompson testとの比較検討を行い,thompson testは腓腹筋筋腱移行部断裂, アキレス腱部分断裂, アキレス腱完全断裂を混同してしまうため2 例の偽陽性を認めたが,Needle testは認めなかったと報告している (AF00339, EV level 7). しかし, 侵襲性のある検査で推奨はできない. e)copeland test( ( 水銀柱血圧計を用いてのいての診断法 ) 腹臥位で膝屈曲位 90 とし水銀柱血圧計を下腿中央部に巻き100mmHgの圧を加えた状態で準備をし, 他動的に足関節を背屈させて測定を行う. 正常では35~60mmHgの圧上昇を認めるが, アキレス腱断裂では圧変化を認めない.Calf squeeze testを数値化したものと考えられ有用な検査になりうると思われる (AF00267, EV level 9). 3) ) 臨床的検査法の比較 174 症例のprospective studyで, 非麻酔下と麻酔下に各々の臨床的検査法 ( アキレス腱 gap 部の触診, Calf squeeze test, Matles test, Copeland test, O'Brien test) を用い比較した.Gap 部の触診の sensitivityは非麻酔下で0.73が麻酔下で0.81に増加した.copeland test, O'Brien testのsensitivityは0.8 であった.Calf squeeze testでは0.96, Matles testでは0.88 有意に有用性を認めた. 臨床的検査法で2つ以上がアキレス腱断裂を示唆された場合には診断は確実と考えられる (AF00131, EV level 5). 文献 1) AF00251 Murtagh J. Ruptured Achilles tendon. Aust Fam Physician. 1991;20(10): ) AF00478 Matles AL. Ruptured of the tendon Achilles--Another diagnostic sign. Bull Hosp Joint Dis. 1975;36 (1): ) AF00677 Maffulli N. Current concepts in the management of subcutaneous tears of the Achilles tendon. Bull Hosp Jt Dis. 1998;57(3): ) AF00679 Kuwada GT. Diagnosis and treatment of Achilles tendon rupture. Clin Podiatr Med Surg. 1995;12 (4): ) AJ00055 林光俊, 石井良章. スポーツ医学における MR 画像の応用 臨床への応用部位別下腿 ( アキレス腱 ). 臨床スポーツ医学臨増.2000;17: ) AJ00117 中山正一郎. スポーツによる下肢の傷害アキレス腱の断裂. 保健の科学.1996;38(7): ) AJ00231 萬納寺毅智. アキレス腱断裂. 臨外.1990;45: ) AJ00263 林光俊. アキレス健皮下断裂の保存的治療. 日本整形外科学会雑誌.1988;62(5): ) AF00481 SIMMONDS FA. The diagnosis of the ruptured Achilles tendon. Practitioner. 1957;179(1069): ) AF00479 THOMPSON TC. A test for rupture of the tendo achillis. Acta Orthop Scand. 1962;32: ) AF00480 THOMPSON TC, DOHERTY JH. Spontaneous rupture of tendon of Achilles: a new clinical diagnostic test. J Trauma. 1962;2: ) AF00137 Davies MS, Peereboom J, Saxby T. Hyperdorsiflexion sign in tears of the tendo Achillis. Foot Ankle Int. 1998;19(9):647.

30 13) AF00339 O'Brien T. The needle test for complete rupture of the Achilles tendon. J Bone Joint Surg Am. 1984;66(7): ) AF00267 Copeland SA. Rupture of the Achilles tendon: a new clinical test. Ann R Coll Surg Engl. 1990;72 (4): ) AF00131 Maffulli N. The clinical diagnosis of subcutaneous tear of the Achilles tendon. A prospective study in 174 patients. Am J Sports Med. 1998;26(2):

31 第 3 章診断 Research Question 3 アキレス腱断裂の診断においてにおいて画像診像診断は必要必要か Grade B Grade C 推奨 アキレス腱断裂においては問診および臨床所見において特徴的なサインがあり, 多くの場合においてその診断は可能であり, 絶対的な必要性はないが, 画像所見を追加することによりその精度は増してその有用性は高い. 保存療法や手術療法におけるアキレス腱の修復状態を画像的に把握することにより, 機能訓練を含めた後療法を進めるうえで有用性がある. 背景 目的アキレス腱断裂において特徴的な画像所見はX 線 (CR), 超音波検査,MRI 検査に関するそれぞれの報告がされており, 画像診断の有用性について検討する. また, 超音波検査やMRIにより経時的なアキレス腱の修復状態を把握することにより, 特に保存療法における後療法を進めるうえでの有用性について検討する. 解説 超音波はsoft-tissue radiography (STR) やCTと比べてアキレス腱損傷の診断に有用である.39 症例 (16 ~70 歳 ) の実際の手術所見と比較し, 超音波では検査結果と手術所見がすべて一致していた. 超音波ではさらに腱の非連続性や腫脹, 断裂による部分的な肥厚を同定することができた (AF00263, EV level 6). アキレス腱を含めた軟部組織の損傷に対し, 診断に最も良い検査法は,MRIと超音波である. 特に超音波は費用も安く, 迅速に検査可能であり, あらゆる方向や姿勢で検査可能である (AF00292, EV level 9). X 線写真 (CR) では, 付着部裂離骨折や骨棘障害との鑑別ができ,Kager's sign 陽性はアキレス腱断裂の指標の一つとなりうる (AF00224, EV level 5). MRIや超音波検査は, アキレス腱断端の状態を把握でき, 客観性や再現性もあることから治療方針の決定に有用である. また, 後療法を進めるうえでも有用である (AF00314, EV level 6). その場合には, 簡便かつ再現性のある超音波検査のほうが第一選択で,MRIは補助的な検査となる(AF00666, EV level 9). アキレス腱断裂において保存療法を行った70 例に対し, 経時的に超音波検査で足関節を運動 ( 動態検査 ) させながらの評価観察を行った報告では, 足関節の底背屈運動による腱の動態を3 段階に分類し, 後療法 ( 特にスポーツ復帰時期 ) の判断材料として超音波検査の経時的測定は有用であった (AJ00043, EV level 7). 文献 1) AF00263 Kälebo P, Goksör LA, Swärd L, Peterson L. Soft-tissue radiography, computed tomography, and ultrasonography of partial Achilles tendon ruptures. Acta Radiol. 1990;31(6): ) AF00292 Kaplan PA, Anderson JC, Norris MA, Matamoros A Jr. Ultrasonography of post-traumatic softtissue lesions. Radiol Clin North Am. 1989;27(5): ) AF00224 Cetti R, Andersen I. Roentgenographic diagnoses of ruptured Achilles tendons. Clin Orthop Relat Res. 1993;(286):

32 4) AF00314 Quinn SF, Murray WT, Clark RA, Cochran CF. Achilles tendon: MR imaging at 1.5 T.Radiology. 1987;164(3): ) AF00666 Popovic N, Lemaire R. Diagnosis and treatment of acute ruptures of the Achilles tendon. Current concepts review. Acta Orthop Belg. 1999;65(4): ) AJ00043 林光俊, 石井良章, 渡辺敬子, 山川忠弘. 外傷治療の Controversies 腱 靱帯損傷アキレス腱新鮮皮下断裂新鮮アキレス腱皮下断裂の保存療法超音波所見による検討を主として. 整形外科別冊. 2000;37:

33 第 3 章診断 Research Question 4 アキレス腱断裂の診断で単純 X 線検査の有用性有用性はあるか Grade B Grade 推奨 X 線単純写真で, アキレス腱断裂そのものの描出は不可能であるが, 特徴的なサインによりアキレス腱断裂は示唆される. Grade I 付着部裂離骨折は否定できる. 背景 目的整形外科分野での画像診断のなかで最も基本的な診断法は,X 線単純検査でありシンプルで廉価である. アキレス腱断裂と決めつけて手術をしたら付着部裂離骨折であったという教訓的症例の報告も散見される. また, 軟線撮影は軟部組織損傷の描出に優れており, アキレス腱断裂を生じた際にも特徴的な画像を呈することが多い. 軟線撮影は無菌的に酸素ガスを使用していたが, 近年はCRの普及により, さらにアキレス腱の描出が鮮明になってきた. 特徴的な画像を含めて検討する. 解説 1) アキレス腱断裂の診断に単純 X 線検査は必要必要か 骨の脆弱性が出現する高齢者のアキレス腱断裂では, 踵骨での裂離骨折である可能性があり, 高齢者ではX 線検査は施行する必要性がある (AF00223, EV level 8). 2) 単純 X 線写真でアキレスでアキレス腱断裂の診断は可能可能か a) 単純 X 線写真 ( 図 1) 正常足関節側面像において透亮像として見られる後方の三角部がKager's triangleである. 三角部の前縁は長母趾屈筋であり, 長趾屈筋と後脛骨筋は長母趾屈筋よりも前方に存在するため, 側面像では脛骨や腓骨と重なり描出されない. 三角部の後縁はアキレス腱で下縁は踵骨である. 側面像でアキレス腱の損傷の程度まで決定することは不可能であるが, アキレス腱断裂ではこの三角部が消失するか不明瞭となる (Kager's sign 陽性 )(AF00356, EV level 7). アキレス腱断裂と足関節骨折, 足関節捻挫, 正常患者らとの単純 X 線写真で比較検討し, アキレス腱断裂 60 例全例がKager's sign 陽性,7 例 (12%) がToygar's angle 減少,29 例 (48%) がArner's sign 陽性,47 例 (78%) が腱肥厚 (7~16mm, 平均 12.2mm) を認めた. アキレス腱断裂時はKager's sign 陽性が診断の指標になりうる (AF00224, EV level 5). (1)Kager's triangle: アキレス腱前縁, 踵骨の上縁および趾屈筋腱の後縁で結ばれた脂肪組織で満たされている三角形の部分である. アキレス腱断裂時には, シャープな輪郭が消失し, 不明瞭でギザギザ状を呈し, 範囲が狭まるいわゆる network-like shadow がKager's sign 陽性である. (2)Toygar's angle: 後方の皮膚表面のカーブ :150 以下で異常 ( アキレス腱断裂 ) が示唆される. (3)Arner's sign 陽性 : アキレス腱踵骨付着部周囲は断裂した腱が踵骨より遠ざかるカーブを描き, その近位では前方へと移動するため, 腱と皮膚線とが平行に見えない状態を表す. b) ゼロラジオグラフィー (xeroradiography xeroradiography) 無菌的に酸素ガスを使用することで, 詳細さを増し診断を容易とした. 正常では踵骨からアキレス腱, 下腿三頭筋との連続性を明確に描写する. 撮影条件は膝関節 30 屈曲位で足関節を最大底屈位, 底屈 30 ( 自然下垂位 ), 底屈 0 の3 枚を撮影する. 断裂部に無菌的に3~4mLの酸素ガスを注入し, コントラストを増強させる (AJ00265, EV level 7).

34 Kager's triangleの異常が最も良い断裂有無の指標であった (AJ00255, EV level 7). xeroradiographyは軟部組織損傷の描出に優れている. 筋腱移行部の損傷に関しては健側との比較が必要であり, 部分断裂の場合は屈曲および伸展像を撮影することが重要である. アキレス腱断裂の重症度はKager's triangleの不明瞭度に比例している. 本来この部位は正常な脂肪組織で満たされており, 損傷時は血液や浮腫によって不明瞭となる. 重度のアキレス腱断裂時に認める皮膚との離解や腫脹 (Toygar's sign) は高頻度には認められない.xeroradiographyは,(1) 軟部組織損傷の初期診断,(2) 臨床的に病変が疑われる場合の評価,(3) 治療後のfollow-upの評価に適している (AF00361, EV level 9). c)computed computed radiography 断裂状況 ( 断裂形式 断裂範囲 ) のある程度の客観的把握が可能である. 観察すべきポイントとして calcaneus spurの解離の有無, アキレス腱輪郭の不鮮明化, 腱不連続性の程度やKager's triangleのx 線透過度減少などが挙げられる. 通常のフィルム増感紙法より優れている (AJ00262, EV level 6). アキレス腱は正常では均一なdensityで連続性のある明瞭なレリーフとして描出されるが, 新鮮アキレス腱断裂例ではアキレス腱の緊張が失われ末梢断端前縁は軽度前方へ突出して腱の幅は増大し, 断裂部を中心に陰影は不均一になり, 腱のレリーフならびにKager's triangleは断裂による血腫や浮腫のためやや不鮮明になる. 血腫や浮腫のため断端が明瞭に描出されない場合があり,CRのみでの断裂状況を把握するには限界を認める. 陳旧例では断端の位置および離開した断端に連続する索状瘢痕組織の存在を客観的に観察することが可能である. 足関節の肢位によるアキレス腱断裂部の変化により, この観察で固定肢位を設定できうる (AJ00230, EV level 7). 図 1 アキレス腱断裂の単純 X 線像 K:Kager's triangl. アキレス腱前縁, 踵骨の上縁および趾屈筋腱の後縁で結ばれた脂肪組織で満たされている三角形の部分 K (+):Kager's sign 陽性. シャープな輪郭が消失し, 範囲が狭くなり不明瞭となる T:Toygar's angle. 後方の皮膚表面のカーブ :150 以下で異常 A:Arner's sign 陽性. アキレス腱踵骨付着部周囲は断裂した腱が踵骨より遠ざかるカーブを描き, その近位では前方へと移動し, 腱と皮膚線とが平行に見えない状態 文献 1) AF00223 Michael S, Banerjee A. Apparent tendon achilles rupture in the elderly: is routine radiography necessary? Arch Emerg Med. 1993;10(4): ) AF00356 Lieber GA, Lemont H. The posterior triangle of the ankle: determination of its true anatomical boundary. J Am Podiatry Assoc. 1982;72(7):363-4.

35 3) AF00224 Cetti R, Andersen I. Roentgenographic diagnoses of ruptured Achilles tendons. Clin Orthop Relat Res. 1993;(286): ) AJ00265 金子勝, 小泉慶一, 茂原重雄ほか. ゼロラジオグラフィーによるアキレス腱皮下断裂の診断と治療法の選択. 関東整形災害外科学会雑誌.1987;18(2): ) AJ00255 矢野英雄. 足部の外傷 アキレス腱断裂新鮮例の保存的治療. 骨折 外傷シリーズ.1988;9: ) AF00361 Bock E, Colavita N, Cotroneo AR, Danza FM. Xeroradiography of tenomuscular traumatic pathologic conditions of the limbs. Diagn Imaging. 1981;50(5): ) AJ00262 是永建雄, 藤川隆夫, 蜂屋順一ほか. アキレス腱皮下断裂の MRI および CR 診断. 日本磁気共鳴医学会雑誌.1988;8(3): ) AJ00230 森戸俊典, 浅井浩, 奥田良樹ほか. アキレス腱皮下断裂に対する Computed radiography の有用性について. 日本足の外科研究会雑誌.1990;11:87-90.

36 第 3 章診断 Research Question 5 アキレス腱断裂の診断で超音波超音波検査の有用性有用性はあるか Grade B 推奨 アキレス腱の断裂の診断において超音波検査 (US) は非侵襲的かつ簡便な検査である. 完全断裂の診断においてその診断率は高い. また部分断裂やアキレス腱炎などの診断や保存的治療の経過観察において臨床的な有用性がある. 背景 目的超音波検査は筋や腱損傷において, 肢位を任意に変化させた状態で構造を観察することが容易で装置の移動が可能な点で優れている. 今回はアキレス腱断裂の診断を含めアキレス腱周囲における疾患について超音波の有用性を検討する. 解説 1) ) 有用性の評価 足関節の肢位を変えることにより断裂部の観察が可能で, 医療費の患者負担を考慮すると超音波検査が最も有用である. しかし, 断裂腱の形態の描出では精度が劣り,calcaneus spurの解離が存在する場合や, 骨折の有無を調べる目的には不適である (AJ00262, EV level 6). 2) ) 使用装置 アキレス腱の診断においては27 編の論文では3.5~13MHzの周波の探触子 ( プローブ ) が使用されている. そのなかで使用頻度が高かったのは7.5MHzの探触子であった. 3) ) 解剖 正常アキレス腱は連続性を持つ均一な線維状の低エコーである. 矢状断では均一な線維構造で内部は 6~8 本の特徴的な波状の線を認め, コラーゲン線維と粗な結合組織と筋膜に挟まれた状態になり, 厚さは4~9mmであった. 踵骨に近くなるとKager's triangleという組織 ( 腱より低エコー ) によって境界され, 横断像では高エコーとして描出され, 周囲との差はなく半月様の形態 (half-moon-shaped) で内部は蜂の巣様 (honeycomb pattern) で描出される (AJ00218, EV level 7)(AF00225, EV level 7)(AF00234, EV level 6)(AF00264, EV level 6). 4) ) 超音波検査の有用性 術前の超音波検査と手術所見を比較検討した報告でその有用性が報告されている. アキレス腱に障害を持つ79 症例で完全断裂の26 症例中 25 例, 部分断裂の11 症例中 8 症例, アキレス腱周囲炎の40 症例中 33 症例においては術前の超音波診断と術中所見は一致した (AF00124, EV level 7). オーバーユース障害のある30 名 34 肢を対象とした報告では, 術前 10 例の断裂との診断で11 例が手術で確認された. アキレス腱周囲炎などの炎症性の所見を28 例確認して27 例が手術で確認され,sensitivity は0.96であった (AF00207, EV level 7). 超音波検査によりアキレス腱を検査した後, 手術を行って確認しえた26 例 (14~61 歳, 平均年齢 40 歳 ) において92% の精度で完全断裂と不完全断裂または腱炎を鑑別できた (AF00063, EV level 7). 超音波検査の結果に従い6 例で手術を行い, その所見は超音波検査によるものとほぼ同じであった (AF00311, EV level 7). 30 名 37 肢の患者に対して ( 男性 19 名, 女性 11 名. 平均年齢 35 歳 ) 術前の超音波検査診断は, 術中のア

37 キレス腱断裂の評価に有用であった. 感度が0.94, 特異性は1で正確性は0.95であった (AF00234, EV level 6). 無症状の対照群, 慢性アキレス腱炎, アキレス腱部分断裂におけるアキレス腱微小断裂の発生率, 発生部位を検証した報告では, 無症状の対照群で,28% の症例に単独,5% に複数の微小断裂もしくは微小欠損が認められた. 発症部位は近位部 2/3に多く認められた (AF00105, EV level 6). アキレス腱損傷の診断の正確性の検討では, アキレス腱損傷患者 73 名に対しての超音波検査でのアキレス腱の腫脹, アキレス腱の形態異常, アキレス腱断裂, アキレス腱周囲炎, 組織的変化を認めない機能的障害の診断の敏感度 0.72, 特異度 0.83であった (AF00264, EV level 6). プロスポーツ選手などのアキレス腱断裂危険因子群で微小断裂の早期発見に役立つことも報告されている (AF00105, EV level 6). 以上の結果により, 超音波検査はアキレス腱の走行異常 ( 断裂 ) やアキレス腱周囲の損傷を診断するのに有用である. また, アキレス腱周囲の痛みに対し特殊な検査や治療を行う前に超音波検査を行うことが望ましい. 5) ) 鑑別診断 アキレス腱断裂, アキレス腱部分断裂, アキレス腱炎, 踵骨後部滑液包炎, アキレス腱皮下滑液包黄色腫, ガングリオン, 長母趾屈筋炎などが超音波にて鑑別可能であったとの報告がある (AF00118, EV level 7). 後向き研究として, アキレス腱断裂, アキレス腱周囲炎, アキレス腱断裂, アキレス腱の石灰化, 滑液包炎, 脂肪腫, 異所性骨化についてアキレス腱 ( 健側と患側 ) を調べ, 超音波検査はアキレス腱の痛みの診断に有用な検査であった (AF00051, EV level 6). 6) 断裂のエコーのエコー像 12 例全例受傷後 48 時間以内に,5MHzプローブを用いた超音波検査を行い, 低エコーの欠損像として認められた. 断裂部断端は血腫により不鮮明であり, 断裂部には高エコーを呈する部位が存在し, 断裂部末梢側断端は肥厚した変性様の不整なエコーパターンを呈した. 断端部中枢側は正常の約 2 倍に肥厚していた.3 症例で,Kager's triangleに不均一なエコーパターンが認められた. 超音波検査はアキレス腱断裂において有用である (AF00286, EV level 7). 新鮮例ではびまん性に腫脹, 全体に低エコー, 断裂局所は腱内不整線状低エコーと血腫の存在を反映した低エコーの腫瘤が認められた. 陳旧例では腫大した腱内に低エコー領域 ( 貯留した液体, 肉芽腫 ) を描出できた (AJ00090, EV level 9). 断裂部は低エコーであり両断端部は高エコーとして描出され, 腱の連続性は認めない. 陳旧例では足関節の背屈で引き延ばされ細くなり, 最大底屈で断裂部が縮小する傾向であった. 断裂部の大部分は不規則な高エコーとして描出された. アキレス腱断端の状態を把握でき, 治療方針の決定 ( 客観性や再現性あり ) や後療法を進めるうえでも有用である (AJ00187, EV level 7). 7) 断裂のスクリーニング アキレス腱痛がある患者に対してアキレス腱断裂につながると思われる臨床所見と超音波検査所見を検討した報告では, アキレス腱の肥厚をnormal (<6mm), minimal (6~8mm), moderate (8~10mm), high grade (>10mm) に分類し, アキレス腱の所見をdiffuse, circumscribed, inhomogenousで描出した. その結果, 初回調査時に72 肢のうち33 肢で超音波検査所見の肥厚や変化を認め,48±8ヵ月の経過観察期間中に7 例のアキレス腱断裂が発生した. 超音波検査はアキレス腱の肥厚や性状を検査するには有用で, 将来に起こるアキレス腱断裂を予測しうるものとなる (AF00151, EV level 7). 8) 経過観察におけるにおける超音波超音波の利用 アキレス腱断裂において保存療法を行った70 例に対して経時的に超音波検査で観察を行った報告では, 受傷後 16 週までは断裂部が狭小した砂時計型を呈するが,20 週あたりから断裂部を中心に肥厚を呈し, 全体として徐々に紡錘形への変化を認めた. また, 経過中に6 例の異常所見も認めている (AJ00043, EV level 7). 超音波検査はアキレス腱断端の状態を把握でき, 客観性や再現性もあることから治療方針の決定に有用である. また, 後療法を進めるうえでも有用であった (AJ00187, EV level 7).

38 文献 1) AJ00262 是永建雄, 藤川隆夫, 蜂屋順一ほか. アキレス腱皮下断裂の MRI および CR 診断. 日本磁気共鳴医学会雑誌.1988;8(3): ) AJ00218 加藤健, 出淵肇, 藤巻有久ほか. アキレス腱断裂における超音波検査の利用. 日本整形外科超音波研究会会誌.1991;3(1): ) AF00225 O'Reilly MA, Massouh H. Pictorial review: the sonographic diagnosis of pathology in the Achilles tendon. Clin Radiol. 1993;48(3): ) AF00234 Kälebo P, Allenmark C, Peterson L, Swärd L. Diagnostic value of ultrasonography in partial ruptures of the Achilles tendon. Am J Sports Med. 1992;20(4): ) AF00264 Kainberger FM, Engel A, Barton P, Huebsch P, Neuhold A, Salomonowitz E. Injury of the Achilles tendon: diagnosis with sonography. AJR Am J Roentgenol. 1990;155(5): ) AF00124 Paavola M, Paakkala T, Kannus P, Järvinen M. Ultrasonography in the differential diagnosis of Achilles tendon injuries and related disorders. A comparison between pre-operative ultrasonography and surgical findings. Acta Radiol. 1998;39(6): ) AF00207 Lehtinen A, Peltokallio P, Taavitsainen M. Sonography of Achilles tendon correlated to operative findings. Ann Chir Gynaecol. 1994;83(4): ) AF00063 Hartgerink P, Fessell DP, Jacobson JA, van Holsbeeck MT. Full- versus partial-thickness Achilles tendon tears: sonographic accuracy and characterization in 26 cases with surgical correlation. Radiology. 2001;220(2): ) AF00311 Laine HR, Harjula AL, Peltokallio P. Ultrasonography as a differential diagnostic aid in achillodynia. J Ultrasound Med. 1987;6(7): ) AF00105 Gibbon WW, Cooper JR, Radcliffe GS. Sonographic incidence of tendon microtears in athletes with chronic Achilles tendinosis. Br J Sports Med. 1999;33(2): ) AF00118 Wang CL, Shieh JY, Wang TG, Hsieh FJ. Ultrasonographic assessment of posterior heel pain. J Formos Med Assoc. 1999;98(1): ) AF00051 Blankstein A, Cohen I, Diamant L, Heim M, Dudkiewicz I, Israeli A, Ganel A, Chechick A. Achilles tendon pain and related pathologies: diagnosis by ultrasonography. Isr Med Assoc J. 2001;3(8): ) AF00286 Maffulli N, Dymond NP, Capasso G. Ultrasonographic findings in subcutaneous rupture of Achilles tendon. J Sports Med Phys Fitness. 1989;29(4): ) AJ00090 辰野聡, 西岡真樹子, 青柳裕, 宮本幸夫. 超音波診断 update スクリーニングから精査の時代へ 臓器別腱 靱帯. 臨放.1998;43(11): ) AJ00187 西本慎作, 保脇淳之, 菊池啓ほか. アキレス腱断裂と修復の超音波画像. 日本足の外科学会雑誌.1993;14: ) AF00151 Nehrer S, Breitenseher M, Brodner W, Kainberger F, Fellinger EJ, Engel A, Imhof F. Clinical and sonographic evaluation of the risk of rupture in the Achilles tendon. Arch Orthop Trauma Surg. 1997;116(1-2): ) AJ00043 林光俊, 石井良章, 渡辺敬子, 山川忠弘. 外傷治療の Controversies 腱 靱帯損傷アキレス腱新鮮皮下断裂新鮮アキレス腱皮下断裂の保存療法超音波所見による検討を主として. 整形外科別冊. 2000;37:

39 第 3 章診断 Research Question 6 アキレス腱断裂の診断で MRIの有用性有用性はあるか Grade B 推奨 MRI 検査はアキレス腱断裂の診断において必須な検査と支持する論文は存在しない. 臨床所見や超音波検査などを施行すればかなりの症例が診断可能と思われる. しかし, より詳細な軟部組織の情報や治療における経時的変化を詳細に把握する場合においては有用な検査である. 背景 目的 MRIは非侵襲的で軟部組織における診断および評価においては非常に有効な検査である. アキレス腱断裂の診断において, その必要性ならびに有用性を検討する. 解説 1) ) 有用性の評価 CRとMRIの比較検討で, 断裂部の情報はMRIでより詳細に得ることが可能であった.MRIの利点は, 矢状断像で断裂部位や周囲の状態を描出可能なことである. また保存療法経過におけるアキレス腱の状態の把握を容易にし, 再断裂を予防すると同時に, ギプス固定や運動負荷を行うための客観的情報を提供する (AJ00262, EV level 6). CTと超音波検査での評価では偽陰性の症例が見られ,MRIは他の検査法に比べてアキレス腱の術前診断として有用である (AF00257, EV level 7). MRIはアキレス腱断端の状態を把握でき, 客観性や再現性もあることから治療方針の決定や後療法を進めるうえで有用である (AF00314, EV level 6). 2) ) 解剖 MRIにおいてアキレス腱はT1 強調画像 (T1WI) およびT2 強調画像 (T2WI) にて均一な低信号として描出される. 通常直径は1cm 未満である. 横断像では半月様の形態で後方に凸の状態である.Kager's triangleはfat pad 像であり,T1 強調画像で高信号として描出される (AF00254, EV level 6)(AJ00055, EV level 9). 3) 断裂の所見 MRIにおけるアキレス腱の完全断裂の所見は, アキレス腱の連続性の消失, 近位および遠位に腱が収縮した状態である. また, その周囲に液体の貯留を認める. 部分断裂では腱は腫脹し紡錘状を示し, 部分断裂部の部分に血液や液体を伴い信号強度が増加する (AF00254, EV level 6). 新鮮例ではT1WIで中間信号,T2WIで高信号を呈し, 陳旧例ではT1WIで一部高信号を含む低 ~ 中間信号,T2WIで高信号である(AJ00055, EV level 9). また, 新鮮例以外では断裂腱の著明な肥厚を認め, 肥厚の形態は亜急性でdumbbell 型,6ヵ月以降の陳旧例でspindle 型を呈する傾向がある. 断裂部の形態の詳細な描出はCRより優れている. 断裂部位で T1WIおよびT2WIともに高信号となるのは,Kager's triangleの脂肪層が一部移動して断裂部を埋めるためである. 受傷からの治癒過程におけるアキレス腱の形状をdumbbell type (28 例 ), tubular type (1 例 ), spindle type(7 例 ) で分類した報告では,spindle typeの肥厚が治癒良好な慢性期の像であったとしている (AJ00262, EV level 6).

40 4) ) 診断 MRIでアキレス腱に異常を認めた88 名 94 肢の患者を対象とした研究では,36% に腱断裂を認め, 対照群の7% に比べ多かった. 内容は腱内断裂 (61%), 不完全断裂 (17%), 混合断裂 (9%) 完全断裂 (13%) であった (AF00098, EV level 6). MRIにおけるアキレス腱部分損傷の病型を分類し, 治療法の選択に有用であるかを評価した報告では, 慢性的なアキレス腱部の疼痛や同部の受傷歴のある28 症例 (14~82 歳 ) をtype I( 炎症反応 ),type II ( 変性 ),type III( 不完全断裂 ),type IV( 完全断裂 ) の4つに分類して13 例に手術を施行したところ,MRI では手術所見と画像所見がほぼ一致していたが,CTや超音波検査での評価では偽陰性の症例が見られた.MRIは他の検査法に比べてアキレス腱の術前診断として有用である(AF00257, EV level 7). 正常アキレス腱と損傷アキレス腱をMRIで比較検討した報告では, 正常アキレス腱は平滑で低輝度, 不全断裂例はアキレス腱内に高輝度領域を認めた. アキレス腱完全断裂では腱の不連続を認め, 再断裂のない手術症例は手術部での輝度の連続性を認めた. 慢性アキレス腱炎ではアキレス腱のびまん性肥厚を認めた. 以上より,1.5TのMRIによるアキレス腱の検査は, アキレス腱損傷の診断, 治療法, リハビリの進行を決定するうえで有用である (AF00314, EV level 6). 文献 1) AJ00262 是永建雄, 藤川隆夫, 蜂屋順一, ほか. アキレス腱皮下断裂の MRI および CR 診断. 日本磁気共鳴医学会雑誌.1988;8(3): ) AF00254 Ferkel RD, Flannigan BD, Elkins BS. Magnetic resonance imaging of the foot and ankle: correlation of normal anatomy with pathologic conditions. Foot Ankle. 1991;11(5): ) AJ00055 林光俊, 石井良章. スポーツ医学における MR 画像の応用 臨床への応用部位別下腿 ( アキレス腱 ). 臨床スポーツ医学臨時増刊号.2000;17: ) AF00098 Haims AH, Schweitzer ME, Patel RS, Hecht P, Wapner KL. MR imaging of the Achilles tendon: overlap of findings in symptomatic and asymptomatic individuals. Skeletal Radiol. 2000;29(11): ) AF00257 Weinstabl R, Stiskal M, Neuhold A, Aamlid B, Hertz H. Classifying calcaneal tendon injury according to MRI findings. J Bone Joint Surg Br. 1991;73(4): ) AF00314 Quinn SF, Murray WT, Clark RA, Cochran CF. Achilles tendon: MR imaging at 1.5 T. Radiology. 1987;164(3):

41 第 3 章診断 Research Question 7 アキレス腱断裂と鑑別鑑別すべきすべき疾患疾患とそのとその鑑別鑑別点はあるか Grade I 推奨 アキレス腱断裂の鑑別疾患については, 鑑別に有用とのエビデンスが得られている臨床所見はない. 背景 目的上記の疾患はいずれも下腿後面を中心に病変が存在しており, 時としてその鑑別に苦慮することがある. これらの疾患について臨床症状や検査所見の違いを明確にできうるかを検討する. 解説 アキレス腱断裂との鑑別が必要なものにはアキレス腱炎, アキレス腱周囲炎, アキレス腱付着部裂離骨折, アキレス腱付着部障害 ( 踵骨後部滑液包炎, アキレス腱皮下滑液包炎, アキレス腱付着部炎 ), 腓腹筋筋挫傷 ( いわゆる肉離れ ), 腓腹筋内側頭筋腱移行部の断裂 ( いわゆるtennis leg), 脛骨過労性骨膜炎, 疲労骨折, 腓骨筋腱脱臼, 後脛骨筋腱炎, 長母趾屈筋腱炎などが挙げられる (AF00118, EV level 7)(AF00564, EV level 9)(AJ00231, EV level 7). アキレス腱断裂との臨床症状の違いを詳細に検討したエビデンスが得られている研究は認めなかったが, 疾患の定義から当然臨床症状の違いは存在する. 各々の疾患について概説する. アキレス腱炎やアキレス腱周囲炎は, 典型的なオーバーユースによる障害である. 腱炎は腱実質内に病変が存在し, 腱周囲炎は腱を包むパラテノンの炎症で起こる. 腱炎は腱への高い伸張負荷により腱の微少損傷が発生し, これに対する修復反応として炎症が生じたものであり, 腱周囲炎はアキレス腱のねじれや緊張により生じたものである. 超音波検査において腱炎では腱実質の腫大を認め, 腱周囲炎は周囲組織の肥厚や腫脹, 水腫による低エコー像がみられる.MRIにおいては慢性的なアキレス腱炎では腱実質の肥大と腱内に不規則な高信号変化を認める (AJ00001, EV level 9). アキレス腱付着部裂離骨折は骨が脆弱化している中高年において生じることがある. 鑑別にはX 線検査が必要である (AF00223, EV level 8). 踵骨後部滑液包炎は踵骨後上方隆起の後方への突出が病因と考えられ, アキレス腱の内側付着部に圧痛を認める. アキレス腱皮下滑液包炎は踵骨の後外側部が靴の圧迫を受け生じる. 踵骨後部滑液包炎を合併しやすく骨性隆起と軟部組織の肥厚によるpump bumpを呈する. アキレス腱付着部炎は踵骨後方隆起に骨棘の形成やアキレス腱内に石灰沈着を伴うこともある (AJ00092, EV level 9). 腓腹筋筋挫傷 ( いわゆる肉離れ ) や腓腹筋内側頭筋腱移行部の断裂 ( いわゆるtennis leg) は, アキレス腱部より近位での損傷で圧痛を認める. 他動的な腓腹筋のストレッチで疼痛が誘発される. 鑑別には Thompson testが有用である. 脛骨過労性骨膜炎はいわゆるシンスプリントで脛骨中 1/3~ 下 1/3の後内側に繰り返し負荷が加わることにより発症し, 同部位の圧痛を認める. 脛骨疲労骨折はランニングやジャンプの繰り返しにより脛骨に反復負荷が加わり発症する. 脛骨上 1/3と下 1/3の後内側に起こる疾走型と中 1/3 前方に発生する跳躍型に分類される. 鑑別にはX 線写真やMRIが有用である. 腓骨筋腱脱臼は外傷によって上腓骨筋支帯が断裂して生じ, 外果後方の疼痛や圧痛を認める. 抵抗下に足関節を背屈して外反させると, 腓骨筋腱が腱溝を逸脱して外果に乗り上げる現象を認める. 後脛骨筋腱炎や長母趾屈筋腱炎は, 内果後方の疼痛や圧痛を認める. 後脛骨筋腱炎では抵抗下に足関節を内反して底屈させると疼痛は誘発され, 長母趾屈筋腱炎では抵抗下に母趾を屈曲させると疼痛は誘発されることが多い (AJ00352, EV level 9).

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or 33 NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 2015 年第 2 版 NCCN.org NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) の Lugano

More information

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 (ICD10: C81 85, C96 ICD O M: 9590 9729, 9750 9759) 治癒モデルの推定結果が不安定であったため 治癒モデルの結果を示していない 203 10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) 71 68 50 53 52 45 47 1993 1997 1998 2001 2002 2006 2002 2006 (Period 法 ) 43 38 41 76

More information

5 月 22 日 2 手関節の疾患と外傷 GIO: 手関節の疾患と外傷について学ぶ SBO: 1. 手関節の診察法を説明できる 手関節の機能解剖を説明できる 前腕遠位部骨折について説明できる 4. 手根管症候群について説明できる 5 月 29 日 2 肘関節の疾患と外傷 GIO: 肘関節の構成と外側

5 月 22 日 2 手関節の疾患と外傷 GIO: 手関節の疾患と外傷について学ぶ SBO: 1. 手関節の診察法を説明できる 手関節の機能解剖を説明できる 前腕遠位部骨折について説明できる 4. 手根管症候群について説明できる 5 月 29 日 2 肘関節の疾患と外傷 GIO: 肘関節の構成と外側 日付 時限 4 月 10 日 2 変形性関節症 ( 総論 ) GIO: 変形性関節症について学ぶ SBO: 1. 変形性関節症の病態について説明できる 変形性関節症の成因について説明できる 変形性関節症のX 線所見を説明できる 4. 変形性関節症の治療について説明できる 4 月 17 日 2 骨 関節の炎症 (RA 感染症 ) GIO: 骨 関節感染症および関節リウマチを理解する SBO: 1. 化膿性骨髄炎を説明できる

More information

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 10 年相対生存率に明らかな男女差は見られない わずかではあ

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 10 年相対生存率に明らかな男女差は見られない わずかではあ (ICD10: C91 C95 ICD O M: 9740 9749, 9800 9999) 全体のデータにおける 治癒モデルの結果が不安定であるため 治癒モデルの結果を示していない 219 10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) 52 52 53 31 29 31 26 23 25 1993 1997 1998 01 02 06 02 06 (Period 法 ) 21 17 55 54

More information

博士論文 考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した 診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月 広島大学大学院総合科学研究科 向井秀文

博士論文 考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した 診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月 広島大学大学院総合科学研究科 向井秀文 博士論文 考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した 診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月 広島大学大学院総合科学研究科 向井秀文 目次 はじめに第一章診断横断的なメタ認知モデルに関する研究動向 1. 診断横断的な観点から心理的症状のメカニズムを検討する重要性 2 2. 反復思考 (RNT) 研究の歴史的経緯 4 3. RNT の高まりを予測することが期待されるメタ認知モデル

More information

心房細動1章[ ].indd

心房細動1章[ ].indd 1 心房細動は, 循環器医のみならず一般臨床医も遭遇することの多い不整脈で, 明らかな基礎疾患を持たない例にも発症し, その有病率は加齢とともに増加する. 動悸などにより QOL が低下するのみならず, しばしば心機能低下, 血栓塞栓症を引き起こす原因となり, 日常診療上最も重要な不整脈のひとつである. 1 [A] 米国の一般人口における心房細動の有病率については,4 つの疫学調査をまとめた Feinberg

More information

高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に

高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に 高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に関節疾患 5 位が骨折 転倒であり 4,5 位はいずれも運動器が関係している 骨粗しょう症のメカニズムの解明

More information

データの取り扱いについて (原則)

データの取り扱いについて (原則) 中医協費 - 3 2 5. 1. 2 3 データの取り扱いについて 福田参考人提出資料 1. 総論 1 費用効果分析で扱うデータ 費用や効果を積算する際は 様々なデータを取り扱う データを取り扱う際の考え方を整理しておく必要がある (1) 評価対象の医療技術及び比較対照の医療技術の 費用 と 効果 を別々に積算する 費用効果分析の手順 (2) 評価対象の医療技術と比較対照の医療技術との増分費用効果比の評価を行う

More information

医療事故防止対策に関するワーキング・グループにおいて、下記の点につき協議検討する

医療事故防止対策に関するワーキング・グループにおいて、下記の点につき協議検討する 大阪府立病院機構医療事故公表基準 1 公表の目的この基準は 府立 5 病院における医療事故の公表に関する取り扱いについて必要な事項を定めるものとする 病院職員は 次に掲げる公表の意義を正しく認識し 医療事故防止に努めるものとする (1) 病院職員が事故原因の分析や再発防止への取組みなどの情報を共有化し 医療における安全管理の徹底を図るため 自発的に医療事故を公表していくことが求められていること (2)

More information

Microsoft Word - cjs63B9_ docx

Microsoft Word - cjs63B9_ docx 日本人の年齢別推算糸球体濾過量 (egfr) の検討 ~ 協会けんぽ東京支部 76 万人の健診データから ~ 渋谷区医師会 望星新宿南口クリニック院長高橋俊雅 協会けんぽ東京支部保健グループ岡本康子 尾川朋子 目的 企画総務グループ馬場武彦 概要 推算糸球体濾過量 (egfr) は 慢性腎臓病 (CKD) の診断 治療に広く利用さ れているが 個々人の egfr を比較できる年齢別 egfr( 標準値

More information

対象 :7 例 ( 性 6 例 女性 1 例 ) 年齢 : 平均 47.1 歳 (30~76 歳 ) 受傷機転 運転中の交通外傷 4 例 不自然な格好で転倒 2 例 車に轢かれた 1 例 全例後方脱臼 : 可及的早期に整復

対象 :7 例 ( 性 6 例 女性 1 例 ) 年齢 : 平均 47.1 歳 (30~76 歳 ) 受傷機転 運転中の交通外傷 4 例 不自然な格好で転倒 2 例 車に轢かれた 1 例 全例後方脱臼 : 可及的早期に整復 石川県立中央病院整形外科 堀井健志高田宗知島貫景都菅沼省吾虎谷達洋引地俊文安竹秀俊 対象 :7 例 ( 性 6 例 女性 1 例 ) 年齢 : 平均 47.1 歳 (30~76 歳 ) 受傷機転 運転中の交通外傷 4 例 不自然な格好で転倒 2 例 車に轢かれた 1 例 全例後方脱臼 : 可及的早期に整復 骨折型 :Pipkin 分類 Pipkin. JBJS 39-A. 1957 Type 1 Type

More information

実地医家のための 甲状腺エコー検査マスター講座

実地医家のための 甲状腺エコー検査マスター講座 このコンテンツは 頸動脈エコーを実施する際に描出される甲状腺エコー像について 甲状腺の疾患を見逃さないためのコツと観察ポイントを解説しています 1 甲状腺エコー検査の進め方の目次です 2 超音波画像の表示方法は 日本超音波学会によって決められたルールがあります 縦断像では画面の左側が被検者の頭側に 右が尾側になるように表示します 横断像は 被検者の尾側から見上げた形で 画面の左側が被検者の右側になるように表示します

More information

untitled

untitled twatanab@oncoloplan.com http://www.oncoloplan.com I II - III IV Fig 3. Survival curves overall and according to response Bruzzi, P. et al. J Clin Oncol; 23:5117-5125 25 Copyright merican Society of Clinical

More information

BMP7MS08_693.pdf

BMP7MS08_693.pdf 106 第IX章 写真 1 胆囊捻転症症例 1 重症胆囊炎) ab cd a. 術中写真 1 b. 術中写真 2 c. 腹部超音波検査 d. 浮遊胆囊 Gross の分類 写真 2 胆囊捻転症症例 2 重症胆囊炎) ab c a. CT 胆囊壁の肥厚と造影不良(A) 胆囊周囲液体貯留(B) b. MRI T 2強 調 像 に お け る pericholecystic high signal 矢 印

More information

H29_第40集_大和証券_研究業績_C本文_p indd

H29_第40集_大和証券_研究業績_C本文_p indd 慢性腎臓病 (CKD) における危険因子としての食後高血糖の検討 独立行政法人国立病院機構千葉東病院臨床研究部 糖尿病研究室長関直人 はじめに 1. 研究の背景慢性腎臓病 (CKD) は 動脈硬化 腎機能低下 末期腎不全 心血管イベントなどの危険因子であることが報告されている (1) 一方で食後高血糖もまた 動脈硬化 心血管イベントの危険因子であることが報告されている (2) 食後高血糖の検出には持続血糖モニタリング

More information

スライド 1

スライド 1 感染と CRP 感染と CRP メニュー 1.Sepsis 1 診断的 価値 Intensive Care Med 2002 2 重症度 3 治療効果 予後判定 判定 Crit Care 2011 Infection 2008 2.ICU Patients 3.VAP Crit Care 2006 Chest 2003 Crit Care Med 2002 Heart & Lung 2011

More information

10035 I-O1-6 一般 1 体外衝撃波 2 月 8 日 ( 金 ) 09:00 ~ 09:49 第 2 会場 I-M1-7 主題 1 基礎 (fresh cadaver を用いた肘関節の教育と研究 ) 2 月 8 日 ( 金 ) 9:00 ~ 10:12 第 1 会場 10037

10035 I-O1-6 一般 1 体外衝撃波 2 月 8 日 ( 金 ) 09:00 ~ 09:49 第 2 会場 I-M1-7 主題 1 基礎 (fresh cadaver を用いた肘関節の教育と研究 ) 2 月 8 日 ( 金 ) 9:00 ~ 10:12 第 1 会場 10037 登録番号 演題番号 セッション区分 セッション名 日にち 時間 会場 10000 I-P2-2 ポスター 2 小児 2( 骨折合併症 骨端症 ) 2 月 8 日 ( 金 ) 17:30 ~ 17:55 ポスター会場 10001 I-O18-2 一般 18 脱臼 靱帯損傷 2 月 8 日 ( 金 ) 17:16 ~ 18:05 第 3 会場 10002 I-O5-1 一般 5 野球肘 1( 健診 )

More information

手関節骨折治療CI_f.indd

手関節骨折治療CI_f.indd 手関節骨折治療におけるデジタル C- アームとエコーの有用性 手関節骨折治療におけるデジタル C- アームとエコーの有用性 1 100 Central Depression 3 9 現在の橈骨遠位端骨折治療の方向性 監修にあたり QOL X 1 2 高精細 100 万画素イメージを用いた Central Depression 型橈骨遠位端粉砕骨折への挑戦 はじめに Angular Stability

More information

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 の相対生存率は 1998 年以降やや向上した 日本で

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 の相対生存率は 1998 年以降やや向上した 日本で 151 10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) 82 76 79 61 60 53 52 51 46 1993 1997 1998 2001 2002 2006 2002 2006 (Period 法 ) 44 40 43 Key Point 1 の相対生存率は 1998 年以降やや向上した 日本でパクリタキセル カルボプラチン併用療法が標準治療となった時期と一致する 0 1 2 3 4 5

More information

rihabili_1213.pdf

rihabili_1213.pdf Ⅰ 総 論 A モデル システム開発の研究検証結果より 九州労災病院 勤労者予防医療センター 豊永 敏宏 1 再就労とリハビリテーション 発症前に就業していた障害者の最大の QOL 生活の質 の獲得は再就労である そして それを支援するのが 障害者の QOL 向上を目的とするリハビリテーション医学である 図 1 リハビリテーション医学とは 日本リハビリテーション医学会作成 解説 脳卒中で緊急入院し

More information

2011ver.γ2.0

2011ver.γ2.0 Rehabilitation after Anterior Cruciate Ligament Reconstruction In any rehabilitation, the important factor is your belief. Without belief there can be no successful outcome. TABLE OF CONTENTS Continued

More information

要望番号 ;Ⅱ-183 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者学会 ( 該当する ( 学会名 ; 日本感染症学会 ) ものにチェックする ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 1 位 ( 全 8 要望中 ) 要望する医薬品

要望番号 ;Ⅱ-183 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者学会 ( 該当する ( 学会名 ; 日本感染症学会 ) ものにチェックする ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 1 位 ( 全 8 要望中 ) 要望する医薬品 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者学会 ( 該当する ( 学会名 ; 日本感染症学会 ) ものにチェックする ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 1 位 ( 全 8 要望中 ) 要望する医薬品 要望内容 成分名 ( 一般名 ) 販売名 会社名 国内関連学会 未承認薬 適応 外薬の分類 ( 該当するものにチェックする )

More information

課題名

課題名 急性期重度嚥下障害患者に対する完全側臥位法の有効性 研究責任者氏名長尾恭史 岡崎市民病院リハビリテーション室 副主任 共同研究者脳神経内科小林靖歯科口腔外科長尾徹看護局西嶋久美子 西暦 2017 年 6 月 15 日版数 1 目次 1. 実施計画の経緯 ( 背景 )... 1 2. 目的... 1 3. 研究対象者について... 1 3-1 選択基準... 1 3-2 除外基準... 1 3-3 中止基準...

More information

30 MEP潜時 CMCT 図3 MEP潜時とCMCT MEP潜時では86%で, CMCTでは59%で延長がみられた CMCT)を算出した2) 健常者に同様の検査を行っ 定後に不調や症状の悪化を訴える症例はなく, たデータを正常値(上肢CMCT:8.0±1.Oms, 検査による合併症は認めなかった 下肢CMCT:14.4±1.lms,上肢末梢潜時: 頚髄症の手術症例216例においてJOAスコア 12.9±0.7ms,下肢末梢潜時:23.4±1.0ms)と

More information

( 7 5) 虫垂粘液嚢胞腺癌の 1切除例 F g 5 H s t l g lf d g sshwdm s y s t d r m ( H E s t ) 考 型度粘液腫蕩で再発リスクが低い ) C I低異型度を示 察 す粘液産生腫蕩で 腫蕩成分を含む粘液が虫垂以外に 原発性虫垂癌は全大腸癌手術件数の 8 3 %で 大 存在する群(低異型度粘液腫蕩で再発リスクが高い ) 腸癌取扱い規約 却によると

More information

要望番号 ;Ⅱ 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1) 1. 要望内容に関連する事項 要望 者 ( 該当するものにチェックする ) 優先順位 学会 ( 学会名 ; 日本ペインクリニック学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 2 位 ( 全 4 要望中 )

要望番号 ;Ⅱ 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1) 1. 要望内容に関連する事項 要望 者 ( 該当するものにチェックする ) 優先順位 学会 ( 学会名 ; 日本ペインクリニック学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 2 位 ( 全 4 要望中 ) 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1) 1. 要望内容に関連する事項 要望 者 ( 該当するものにチェックする ) 優先順位 学会 ( 学会名 ; 日本ペインクリニック学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 2 位 ( 全 4 要望中 ) 成分名 ( 一般名 ) 塩酸リドカイン 販売名 0.5%/1%/2% キシロカイン 要望する医薬品要望内容 会社名 国内関連学会

More information

はじめに難聴の重症度をいくつかのカテゴリーに分類する意義は 難聴そのものの程度と それによってもたらされる障害を 一般的な言葉で表し 難聴に関する様々な記述に一定の客観性 普遍性を持たせることにあると考えられる 仮にこのような分類がないと 難聴に関する記述の際に数値を示すか あるいは定量的な裏付けの

はじめに難聴の重症度をいくつかのカテゴリーに分類する意義は 難聴そのものの程度と それによってもたらされる障害を 一般的な言葉で表し 難聴に関する様々な記述に一定の客観性 普遍性を持たせることにあると考えられる 仮にこのような分類がないと 難聴に関する記述の際に数値を示すか あるいは定量的な裏付けの 難聴対策委員会報告 難聴 ( 聴覚障害 ) の程度分類について 難聴対策委員会 担当理事内藤泰委員長川瀬哲明委員小林一女鈴木光也曾根三千彦原田竜彦米本清 1 はじめに難聴の重症度をいくつかのカテゴリーに分類する意義は 難聴そのものの程度と それによってもたらされる障害を 一般的な言葉で表し 難聴に関する様々な記述に一定の客観性 普遍性を持たせることにあると考えられる 仮にこのような分類がないと 難聴に関する記述の際に数値を示すか

More information

Microsoft Word - 博士論文概要.docx

Microsoft Word - 博士論文概要.docx [ 博士論文概要 ] 平成 25 年度 金多賢 筑波大学大学院人間総合科学研究科 感性認知脳科学専攻 1. 背景と目的映像メディアは, 情報伝達における効果的なメディアの一つでありながら, 容易に感情喚起が可能な媒体である. 誰でも簡単に映像を配信できるメディア社会への変化にともない, 見る人の状態が配慮されていない映像が氾濫することで見る人の不快な感情を生起させる問題が生じている. したがって,

More information

本研究の目的は, 方形回内筋の浅頭と深頭の形態と両頭への前骨間神経の神経支配のパターンを明らかにすることである < 対象と方法 > 本研究には東京医科歯科大学解剖実習体 26 体 46 側 ( 男性 7 名, 女性 19 名, 平均年齢 76.7 歳 ) を使用した 観察には実体顕微鏡を用いた 方形

本研究の目的は, 方形回内筋の浅頭と深頭の形態と両頭への前骨間神経の神経支配のパターンを明らかにすることである < 対象と方法 > 本研究には東京医科歯科大学解剖実習体 26 体 46 側 ( 男性 7 名, 女性 19 名, 平均年齢 76.7 歳 ) を使用した 観察には実体顕微鏡を用いた 方形 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 坂本和陽 論文審査担当者 主査副査 宗田大星治 森田定雄 論文題目 An anatomic study of the structure and innervation of the pronator quadratus muscle ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > 方形回内筋は浅頭と深頭に区別され, 各頭がそれぞれ固有の機能をもつと考えられている しかし,

More information

Microsoft Word - ①【修正】B型肝炎 ワクチンにおける副反応の報告基準について

Microsoft Word - ①【修正】B型肝炎 ワクチンにおける副反応の報告基準について 資料 1 B 型肝炎ワクチンの副反応報告基準について 予防接種法における副反応報告制度について 制度の趣旨副反応報告制度は 予防接種後に生じる種々の身体的反応や副反応が疑われる症状等について情報を収集し ワクチンの安全性について管理 検討を行うことで 広く国民に情報を提供すること及び今後の予防接種行政の推進に資することを目的としている 報告の義務 予防接種法第 12 条 1 項 ( 参考資料 1)

More information

P001~017 1-1.indd

P001~017 1-1.indd 1 クリアランスギャップの理論 透析量の質的管理法 クリアランスギャップ の基礎 はじめに標準化透析量 : Kt /V は, 尿素窒素クリアランス : K(mL/min), 透析時間 : t(min),urea 分布容積 体液量 (ml) から構成される指標であり, 慢性維持透析患者の長期予後規定因子であることが広く認識されている 1-3). しかし, 一方で Kt /V はバスキュラーアクセス (VA)

More information

であった まず 全ての膝を肉眼解剖による解析を行った さらに 全ての膝の中から 6 膝を選定し 組織学的研究を行った 肉眼解剖学的研究 膝の標本は 8% のホルマリンで固定し 30% のエタノールにて保存した まず 軟部組織を残し 大腿骨遠位 1/3 脛骨近位 1/3 で切り落とした 皮膚と皮下の軟

であった まず 全ての膝を肉眼解剖による解析を行った さらに 全ての膝の中から 6 膝を選定し 組織学的研究を行った 肉眼解剖学的研究 膝の標本は 8% のホルマリンで固定し 30% のエタノールにて保存した まず 軟部組織を残し 大腿骨遠位 1/3 脛骨近位 1/3 で切り落とした 皮膚と皮下の軟 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 藤代瞳 論文審査担当者 主査宗田大 副査星治 森田定雄 論文題目 Attachment area of fibres from the horns of lateral meniscus: anatomic study with special reference to the positional relationship of anterior cruciate

More information

インスリン局所注射部の 表在超音波検査について

インスリン局所注射部の 表在超音波検査について インスリン局所注射部の 表在超音波検査について 大阪労災病院 長友昌志中央検査部超音波室 良本佳代子金丸洋蔵山本浩司清原義幹狭間洋至岡野理江子久保田詞大橋誠糖尿病センター 演題発表に関連し開示すべき COI 関係にある企業等ありません インスリン注射治療中の糖尿病患者 皮下注射部が反応し硬結を形成 原因注射しやすい部位への集中注射注射時に痛みの少ない硬結部に集中 同一部位への集中穿刺 結果インスリン吸収の不安定化インスリン分解の亢進

More information

説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 関連する利害関係者の特定 プロセスの計画 実施 3. ISO 14001:2015への移行 EMS 適用範囲 リーダーシップ パフォーマンス その他 (

説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 関連する利害関係者の特定 プロセスの計画 実施 3. ISO 14001:2015への移行 EMS 適用範囲 リーダーシップ パフォーマンス その他 ( ISO/FDIS 14001 ~ 認証審査における考え方 ~ 2015 年 7 月 13 日 17 日 JAB 認定センター 1 説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 関連する利害関係者の特定 プロセスの計画 実施 3. ISO 14001:2015への移行 EMS 適用範囲 リーダーシップ

More information

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号 資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号 ;II-231) 1 医療上の必要性の基準に該当しないと考えられた品目 本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル

More information

づけられますが 最大の特徴は 緒言の中の 基本姿勢 でも述べられていますように 欧米のガイドラインを踏襲したものでなく 日本の臨床現場に則して 活用しやすい実際的な勧告が行われていることにあります 特に予防抗菌薬の投与期間に関しては 細かい術式に分類し さらに宿主側の感染リスクも考慮した上で きめ細

づけられますが 最大の特徴は 緒言の中の 基本姿勢 でも述べられていますように 欧米のガイドラインを踏襲したものでなく 日本の臨床現場に則して 活用しやすい実際的な勧告が行われていることにあります 特に予防抗菌薬の投与期間に関しては 細かい術式に分類し さらに宿主側の感染リスクも考慮した上で きめ細 2016 年 4 月 13 日放送 術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドラインのポイント 帝京大学外科教授福島亮治はじめにこのたび 日本化学療法学会と日本外科感染症学会が合同で作成した 術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドライン が公開されました この領域における これまでのわが国のガイドラインといえば 日本感染症学会 日本化学療法学会共同編集の 2001 年の抗菌薬使用の手引き 2005

More information

序 足は起立 歩行といった基本的な運動に直接的にかかわる器官であり, 外傷にさらされる機会が少なくない. 軽微な外傷と思われても, 慢性の足痛や足関節痛を後遺することがあり, 日常生活に支障をきたす. また, 先天性の変形のみならず, リウマチや変形性足関節症あるいは腫瘍性病変など様々な疾患によって

序 足は起立 歩行といった基本的な運動に直接的にかかわる器官であり, 外傷にさらされる機会が少なくない. 軽微な外傷と思われても, 慢性の足痛や足関節痛を後遺することがあり, 日常生活に支障をきたす. また, 先天性の変形のみならず, リウマチや変形性足関節症あるいは腫瘍性病変など様々な疾患によって 序 足は起立 歩行といった基本的な運動に直接的にかかわる器官であり, 外傷にさらされる機会が少なくない. 軽微な外傷と思われても, 慢性の足痛や足関節痛を後遺することがあり, 日常生活に支障をきたす. また, 先天性の変形のみならず, リウマチや変形性足関節症あるいは腫瘍性病変など様々な疾患によっても慢性の疼痛が生じる. これらは, 個人の身体的苦痛のみならず, 結果的には社会的あるいは経済的損失をも惹起する.

More information

Microsoft PowerPoint - ★総合判定基準JABTS 25ver2ppt.ppt

Microsoft PowerPoint - ★総合判定基準JABTS 25ver2ppt.ppt 2010/5/26 FAD C1 2 C3 C3 C4 C4 C4 C5 C3 C1 C3 C3 C3 C5 C4 C3 FAD C2 C2 FAD C3~C5 C2 C3 C C3 C2 C3 C1 C3 C1 C3 C1 C3 C2 C3 C2 C3 C2 乳癌検診におけるマンモグラフィと超音波検査の総合判定基準 ( 案 ) JABTS 検診班 背景 MMG と US 検診の要精査基準はすでに作成されている

More information

和歌山県地域がん登録事業報告書

和歌山県地域がん登録事業報告書 和歌山県地域がん登録事業の概要 和歌山県地域がん登録事業については 本県全域のがん罹患の実態を把握する唯一の方法であり 本県のがん対策推進の基礎資料として活用するため 実施主体である和歌山県と登録実務を担っている和歌山県立医科大学附属病院腫瘍センターがん登録室 ( 和歌山県地域がん登録室 ) が連携を図りながら 平成 23 年度から開始されたところである 当該事業の実施方法については 概ね図 Aのとおり

More information

インプラント周囲炎を惹起してから 1 ヶ月毎に 4 ヶ月間 放射線学的周囲骨レベル probing depth clinical attachment level modified gingival index を測定した 実験 2: インプラント周囲炎の進行状況の評価結紮線によってインプラント周囲

インプラント周囲炎を惹起してから 1 ヶ月毎に 4 ヶ月間 放射線学的周囲骨レベル probing depth clinical attachment level modified gingival index を測定した 実験 2: インプラント周囲炎の進行状況の評価結紮線によってインプラント周囲 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 MADI Marwa Ibrahim Khalil Ibrahim 論文審査担当者 主査和泉雄一 副査山口朗寺島達夫 論文題目 The Influence of different implant surface modifications on peri-implantitis progression and treatment ( 論文内容の要旨 ) ( 緒言

More information

~ 副腎に腫瘍がある といわれたら ~ 副腎腫瘍? そもそも 副腎って何? 小さいけれど働き者の 副腎 副腎は 左右の腎臓の上にある臓器です 副腎皮質ホルモンやカテコラミンと呼ばれる 生命や血圧を維持するために欠かせない 重要なホルモンを分泌している大切な臓器です 副腎 副腎 NEXT ホルモンって 何? 全身を調整する大切な ホルモン 特定の臓器 ( 内分泌臓器 ) から血液の中に出てくる物質をホルモンと呼びます

More information

10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4 10001 P1-089 ポスタービューイング 1 関節リウマチの治療 :DMARDs NSAIDs 4 月 26 日 ( 木 ) 13:20-14:40 - ポスター 展示会場ホール E B2 階 ホール E 10002 P2-041 ポスタービューイング 2 関節リウマチの治療評価と予測 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:40-14:00 - ポスター 展示会場ホール E B2 階 ホール

More information

表紙.indd

表紙.indd 教育実践学研究 23,2018 1 Studies of Educational Psychology for Children (Adults) with Intellectual Disabilities * 鳥海順子 TORIUMI Junko 要約 : 本研究では, の動向を把握するために, 日本特殊教育学会における過去 25 年間の学会発表論文について分析を行った 具体的には, 日本特殊教育学会の1982

More information

Exploring the Art of Vocabulary Learning Strategies: A Closer Look at Japanese EFL University Students A Dissertation Submitted t

Exploring the Art of Vocabulary Learning Strategies: A Closer Look at Japanese EFL University Students A Dissertation Submitted t Exploring the Art of Vocabulary Learning Strategies: A Closer Look at Japanese EFL University Students MIZUMOTO, Atsushi Graduate School of Foreign Language Education and Research, Kansai University, Osaka,

More information

4氏 すずき 名鈴木理恵 り 学位の種類博士 ( 医学 ) 学位授与年月日平成 24 年 3 月 27 日学位授与の条件学位規則第 4 条第 1 項研究科専攻東北大学大学院医学系研究科 ( 博士課程 ) 医科学専攻 学位論文題目 esterase 染色および myxovirus A 免疫組織化学染色

4氏 すずき 名鈴木理恵 り 学位の種類博士 ( 医学 ) 学位授与年月日平成 24 年 3 月 27 日学位授与の条件学位規則第 4 条第 1 項研究科専攻東北大学大学院医学系研究科 ( 博士課程 ) 医科学専攻 学位論文題目 esterase 染色および myxovirus A 免疫組織化学染色 4氏 すずき 名鈴木理恵 り 学位の種類博士 ( 医学 ) 学位授与年月日平成 24 年 3 月 27 日学位授与の条件学位規則第 4 条第 1 項研究科専攻東北大学大学院医学系研究科 ( 博士課程 ) 医科学専攻 学位論文題目 esterase 染色および myxovirus A 免疫組織化学染色の皮膚筋炎における診断的有用性 論文審査委員主査教授呉 繁夫 教授青木正志 教授相場節也 論文内容要旨

More information

理学療法学43_supplement 1

理学療法学43_supplement 1 1 2 3 運動器理学療法のトピックス 19 図 4 意識下における右膝関節内の感覚閾値 9 Dye SF, et al.: onsciousneurosensory mapping of the internal structures of the human knee without intraarticular anesthesia. Am J Sports Med, 26: 773 777,

More information

第2回神戸市サッカー協会医科学講習会(PDF)F.pptx

第2回神戸市サッカー協会医科学講習会(PDF)F.pptx 部位別発生率 障害 1000時間あたりの発生率 J群 0.65 0.2 Y群 0.51 J群では骨端症が圧倒的に多く Y群では腱炎や靭帯炎が多い 0.15 脊柱障害の発生率は J群Y群間での差はなかった 0.1 J群 Y群 0.05 0 脊 柱 肩 関 節 肘 関 節 2004年4月から2008年3月までの7年間に 下部組織に所属していた選手全員を対象 手 関 節 手 指 股 関 節 膝 関 節 下

More information

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の [web 版資料 1 患者意見 1] この度 高尿酸血症 痛風の治療ガイドライン の第 3 回の改訂を行うことになり 鋭意取り組んでおります 診療ガイドライン作成に患者 市民の立場からの参加 ( 関与 ) が重要であることが認識され 診療ガイドライン作成では 患者の価値観 希望の一般的傾向 患者間の多様性を反映させる必要があり 何らかの方法で患者 市民の参加 ( 関与 ) に努めるようになってきております

More information

情報提供の例

情報提供の例 145 ヒアルロン酸 2( 肝硬変 ) 平成 22 年 6 月 21 日新規 平成 26 年 9 月 22 日更新 平成 30 年 2 月 26 日更新 取扱い原則として 肝硬変に対するヒアルロン酸は認められない 取扱いを定めた理由 肝硬変 では 既に肝の線維化が認められるものであり ヒアルロン酸の測定は 疾患の経過観察の参考とならない 39 リウマトイド因子 (RF)

More information

1-A-01-胸部X線写真の読影.indd

1-A-01-胸部X線写真の読影.indd A B normal variant Keats Atlas of normal Roentgen variants that may simulate disease 1973 1207 normal variant borderlands Borderlands of normal and early pathological findings in skeletal radiography 1910

More information

jphc_outcome_d_014.indd

jphc_outcome_d_014.indd 喫煙のがん全体の罹患に与える影響の大きさについて ( 詳細版 ) 1 喫煙のがん全体の罹患に与える影響の大きさについて 本内容は 英文雑誌 Preventive Medicine 2004; 38: 516-522 に発表した内容に準じたものです 2 背景 喫煙とがんとの因果関係は既に確立しています 現在 日本人の大半は喫煙の害を既に認識しており 今後の予防の焦点は喫煙対策に向けられています 喫煙対策を効果的に実施していくためには

More information

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 八木茂典 論文審査担当者 主査 副査 大川淳 秋田恵一 森田定雄 論文題目 Incidence and risk factors for medial tibial stress syndrome and tibial stress fracture in hi

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 八木茂典 論文審査担当者 主査 副査 大川淳 秋田恵一 森田定雄 論文題目 Incidence and risk factors for medial tibial stress syndrome and tibial stress fracture in hi 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 八木茂典 論文審査担当者 主査 副査 大川淳 秋田恵一 森田定雄 論文題目 Incidence and risk factors for medial tibial stress syndrome and tibial stress fracture in high school runners ( 論文内容の要旨 ) 要旨目的ランナーにおけるシンスプリントと脛骨疲労骨折は発生頻度の高いスポーツ障害である

More information

2 片脚での体重支持 ( 立脚中期, 立脚終期 ) 60 3 下肢の振り出し ( 前遊脚期, 遊脚初期, 遊脚中期, 遊脚終期 ) 64 第 3 章ケーススタディ ❶ 変形性股関節症ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2 片脚での体重支持 ( 立脚中期, 立脚終期 ) 60 3 下肢の振り出し ( 前遊脚期, 遊脚初期, 遊脚中期, 遊脚終期 ) 64 第 3 章ケーススタディ ❶ 変形性股関節症ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー PT OT ビジュアルテキスト 姿勢 動作 歩行分析 contents 序ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー畠中泰彦 3 本書の使い方ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

More information

Minds_3章.indd

Minds_3章.indd 3 1 スコープとは 20 2 スコープの全体構成 20 3 スコープ作成のプロセス 21 4 クリニカルクエスチョンの設定 22 5 システマティックレビューに関する事項 25 6 推奨作成から最終化, 公開に関する事項 25 第 3 章 スコープ (SCOPE) 1 スコープとは スコープは, 診療ガイドラインの作成にあたり, 診療ガイドラインが取り上げる疾患トピックの基本的特徴, 診療ガイドラインがカバーする内容に関する事項,

More information

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会 第 3 章保健指導対象者の選定と階層化 (1) 保健指導対象者の選定と階層化の基準 1) 基本的考え方生活習慣病の予防を期待できる内臓脂肪症候群 ( メタボリックシンドローム ) の選定及び階層化や 生活習慣病の有病者 予備群を適切に減少させることができたかを的確に評価するために 保健指導対象者の選定及び階層化の標準的な数値基準が必要となる 2) 具体的な選定 階層化の基準 1 内臓脂肪型肥満を伴う場合の選定内臓脂肪蓄積の程度を判定するため

More information

がん登録実務について

がん登録実務について 平成 28 年度東京都がん登録説明会資料 2-1 がん登録届出実務について (1) 1. 届出対象 2. 届出候補見つけ出し 3. 診断日 4. 届出票の作成例示 東京都地域がん登録室 1 1. 届出対象 1 原発部位で届出 2 入院 外来を問わず 当該腫瘍に対して 自施設を初診し 診断あるいは治療の対象 ( 経過観察を含む ) となった腫瘍を届出 3 届出対象となった腫瘍を 1 腫瘍 1 届出の形で届出

More information

Part 1 症状が強すぎて所見が取れないめまいをどうするか? 頭部 CT は中枢性めまいの検査に役立つか? 1 めまい診療が難しい理由は? MRI 感度は 50% 未満, さらには診断学が使えないから 3

Part 1 症状が強すぎて所見が取れないめまいをどうするか? 頭部 CT は中枢性めまいの検査に役立つか? 1 めまい診療が難しい理由は? MRI 感度は 50% 未満, さらには診断学が使えないから 3 Part 1 画像に頼らない, 明日から使えるめまい診察伝授 1 めまい診療が難しい理由は? MRI 感度は 50% 未満, さらには診断学が使えないから 症例 1 症例 1 めまい 50 歳女性 起床時からめまいがあり, 改善しないため救急要請 搬送後にストレッチャーへ移動したとたん嘔吐 症状が続き非常に辛そうで, 問診はほとんどできない 身体所見を取ることも難しい バイタルサインは安定している

More information

( 様式乙 8) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 米田博 藤原眞也 副査副査 教授教授 黒岩敏彦千原精志郎 副査 教授 佐浦隆一 主論文題名 Anhedonia in Japanese patients with Parkinson s disease ( 日本人パー

( 様式乙 8) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 米田博 藤原眞也 副査副査 教授教授 黒岩敏彦千原精志郎 副査 教授 佐浦隆一 主論文題名 Anhedonia in Japanese patients with Parkinson s disease ( 日本人パー ( 様式乙 8) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 米田博 藤原眞也 副査副査 黒岩敏彦千原精志郎 副査 佐浦隆一 主論文題名 Anhedonia in Japanese patients with Parkinson s disease ( 日本人パーキンソン病患者における幸福感の喪失 ) 学位論文内容の要旨 目的 パーキンソン病 (PD) において 気分障害は非運動症状の中でも重要なものであり

More information

2012 年 2 月 29 日放送 CLSI ブレイクポイント改訂の方向性 東邦大学微生物 感染症学講師石井良和はじめに薬剤感受性試験成績を基に誰でも適切な抗菌薬を選択できるように考案されたのがブレイクポイントです 様々な国の機関がブレイクポイントを提唱しています この中でも 日本化学療法学会やアメ

2012 年 2 月 29 日放送 CLSI ブレイクポイント改訂の方向性 東邦大学微生物 感染症学講師石井良和はじめに薬剤感受性試験成績を基に誰でも適切な抗菌薬を選択できるように考案されたのがブレイクポイントです 様々な国の機関がブレイクポイントを提唱しています この中でも 日本化学療法学会やアメ 2012 年 2 月 29 日放送 CLSI ブレイクポイント改訂の方向性 東邦大学微生物 感染症学講師石井良和はじめに薬剤感受性試験成績を基に誰でも適切な抗菌薬を選択できるように考案されたのがブレイクポイントです 様々な国の機関がブレイクポイントを提唱しています この中でも 日本化学療法学会やアメリカ臨床検査標準委員会 :Clinical and Laboratory Standards Institute

More information

2009年8月17日

2009年8月17日 医師 2,000 人超の調査結果を多数掲載中です https://www.facebook.com/medpeer 2013 年 8 月 1 日 メドピア株式会社 マイコプラズマ感染症診断における迅速診断キットの使用状況 について 半数以上はキットを使用していない 医師約 6 万人が参加する医師専用サイト MedPeer ( メドピア https://medpeer.jp/) を運営するメドピア 株式会社

More information

7 1 2 7 1 15 1 2 (12 7 1 )15 6 42 21 17 15 21 26 16 22 20 20 16 27 14 23 8 19 4 12 6 23 86 / 230) 63 / 356 / 91 / 11.7 22 / 18.4 16 / 17 48 12 PTSD 57 9 97 23 13 20 2 25 2 12 5

More information

本文/開催および演題募集のお知らせ

本文/開催および演題募集のお知らせ 86 QOL S Masson Irritable Bowel Syndrome IBS Visual Analog Scale VAS IBS MRI S pelvic side wall W pelvic side wall PDS figure 過敏性腸炎様の症状を呈した直腸子宮内膜症の症例 87 図1 術前 MRI ゼリー法の結果 1 症例1の術前所見 症例の術前所見では に直腸子宮内膜症を疑う

More information

婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M

婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M 図 1 調査前年 1 年間の ART 実施周期数別施設数 図 4 ART 治療周期数別自己注射の導入施設数と導入率 図 2 自己注射の導入施設数と導入率 図 5 施設の自己注射の使用目的 図 3 導入していない理由 図 6 製剤種類別自己注射の導入施設数と施設率 図 7 リコンビナント FSH を自己注射された症例の治療成績は, 通院による注射症例と比較し, 差があるか 図 10 リコンビナント FSH

More information

セッション 6 / ホールセッション されてきました しかしながら これらの薬物療法の治療費が比較的高くなっていることから この薬物療法の臨床的有用性の評価 ( 臨床的に有用と評価されています ) とともに医療経済学的評価を受けることが必要ではないかと思いまして この医療経済学的評価を行うことを本研

セッション 6 / ホールセッション されてきました しかしながら これらの薬物療法の治療費が比較的高くなっていることから この薬物療法の臨床的有用性の評価 ( 臨床的に有用と評価されています ) とともに医療経済学的評価を受けることが必要ではないかと思いまして この医療経済学的評価を行うことを本研 助成研究演題 - 平成 22 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 加齢黄斑変性の治療の対費用効果の研究 柳靖雄 ( やなぎやすお ) 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻眼科 視覚矯正科講師 ( 助成時 : 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻眼科 視覚矯正科特任講師 ) スライド-1 まず始めに このような機会を与えていただきましたファイザーヘルスリサーチ振興財団の皆様と選考委員の先生方に感謝申し上げます

More information

さらに, そのプロセスの第 2 段階において分類方法が標準化されたことにより, 文書記録, 情報交換, そして栄養ケアの影響を調べる専門能力が大いに強化されたことが認められている 以上の結果から,ADA の標準言語委員会が, 専門職が用いる特別な栄養診断の用語の分類方法を作成するために結成された そ

さらに, そのプロセスの第 2 段階において分類方法が標準化されたことにより, 文書記録, 情報交換, そして栄養ケアの影響を調べる専門能力が大いに強化されたことが認められている 以上の結果から,ADA の標準言語委員会が, 専門職が用いる特別な栄養診断の用語の分類方法を作成するために結成された そ アメリカ栄養士会 (ADA) は, 絶えず言い続けているのであるが, 戦略的な計画は栄養士会としての優先的課題であり, それは委員会, ワーキンググループおよび作業部会が栄養士の専門性を向上させるために作成しているツールである 2002 年,ADA 品質管理委員会は, 食物 栄養の専門職の必要性を増大させるADA の戦略的計画を達成させる目的と, 彼らが市場で競争力がつくための援助をするために, 栄養ケアモデル

More information

2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果 2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果汁飲料 ) の飲用試験を実施した結果 アトピー性皮膚炎症状を改善する効果が確認されました なお 本研究成果は

More information

脊椎損傷の急性期治療

脊椎損傷の急性期治療 平成 26 年度業績評価委員会 本部 2014.9.25 13 臨床研究 第 1 期 : 頚椎ドック第 2 期 : 腰椎ドック第 3 期 : 腰痛 社会福祉施設の介護職職員における腰痛の実態調査 画像診断と予防対策 中部労災病院整形外科 湯川泰紹 加藤文彦 第 1 期 : 頚椎ドック 第 2 期 : 腰椎ドック 第 3 期 : 介護職者の腰痛検査 2 頚椎ドック : 単純 X 線 & MRI 対象

More information

Microsoft PowerPoint - 【逸脱半月板】HP募集開始150701 1930 2108 修正反映.pptx

Microsoft PowerPoint - 【逸脱半月板】HP募集開始150701 1930 2108 修正反映.pptx 臨床研究 逸脱を伴う膝半月板損傷の滑膜幹細胞による治癒促進 への参加を希望される患者さんへ 本研究の対象は 半月板の逸脱を伴う膝半月板損傷 です 板の逸脱がない方は対象となりませんので ご注意ください 半月 逸脱した半月板のサイズが小さく セントラリゼーション ( 後述 ) をできない方も対象となりません 本研究の目的は滑膜幹細胞による治療の安全性の確認です この研究で安全性が確認された場合も 今後

More information

甲第 号 藤高紘平学位請求論文 審査要 ヒ二 A 日 奈良県立医科大学

甲第 号 藤高紘平学位請求論文 審査要 ヒ二 A 日 奈良県立医科大学 甲第 号 藤高紘平学位請求論文 審査要 ヒ二 A 日 奈良県立医科大学 論文審査の要旨及び担当者 報論告一環番一査号一日 l 日甲一第者 号 氏名 藤高紘平 委員長 教授 西尾健治 委員 教授川手健次 委員 ( 指導教員 ) 教授 田中康仁 主論文 Pathogenesis of Fifth Metatarsal Fractures in Colege Socer Players ( 和訳 ) 大学サッカー選手における第

More information

する 研究実施施設の環境 ( プライバシーの保護状態 ) について記載する < 実施方法 > どのような手順で研究を実施するのかを具体的に記載する アンケート等を用いる場合は 事前にそれらに要する時間を測定し 調査による患者への負担の度合いがわかるように記載する 調査手順で担当が複数名いる場合には

する 研究実施施設の環境 ( プライバシーの保護状態 ) について記載する < 実施方法 > どのような手順で研究を実施するのかを具体的に記載する アンケート等を用いる場合は 事前にそれらに要する時間を測定し 調査による患者への負担の度合いがわかるように記載する 調査手順で担当が複数名いる場合には 参考 : 様式 2( 記載例 ) ( 研究責任者 ) ( 本会倫理審査委員会 ) 西暦年月日 研究計画書 ( 第版 ) 公益社団法人富山県薬剤師会倫理審査委員会委員長様 計画者 ( 研究責任者 ) 所属 : 職名 : 氏名 : 印 1. 研究の名称 : 2. 研究の実施体制 研究責任者名所属職名役割及び責任 薬局管理薬剤師 研究分担者名 所属 職名 役割及び責任 薬局 薬剤師 病院 科 病院薬剤部

More information

要望番号 ;Ⅱ-286 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望

要望番号 ;Ⅱ-286 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望中 ) 要望する医薬品 成 分 名 ( 一般名 ) 販 売 名 会 社 名 国内関連学会 ロペラミドロペミンヤンセンファーマ株式会社

More information

早稲田大学大学院日本語教育研究科 修士論文概要書 論文題目 ネパール人日本語学習者による日本語のリズム生成 大熊伊宗 2018 年 3 月

早稲田大学大学院日本語教育研究科 修士論文概要書 論文題目 ネパール人日本語学習者による日本語のリズム生成 大熊伊宗 2018 年 3 月 早稲田大学大学院日本語教育研究科 修士論文概要書 論文題目 ネパール人日本語学習者による日本語のリズム生成 大熊伊宗 2018 年 3 月 本研究は ネパール人日本語学習者 ( 以下 NPLS) のリズム生成の特徴を明らかにし NPLS に対する発音学習支援 リズム習得研究に示唆を与えるものである 以下 本論文 の流れに沿って 概要を記述する 第一章序論 第一章では 本研究の問題意識 意義 目的 本論文の構成を記した

More information

Microsoft PowerPoint - 指導者全国会議Nagai( ).ppt

Microsoft PowerPoint - 指導者全国会議Nagai( ).ppt 大阪府豊中保健所 永井仁美 コッホ現象を診断したら 市町村長は ( 中略 ) 医師がコッホ現象を診断した場合 直ちに被接種者の居住区域を管轄する市町村長へ報告するよう協力を求めること ( 平成 7 年 月 7 日厚生労働省健康局長通知 ) 市町村長 都道府県知事 厚生労働大臣に報告 BCG による皮膚病変の推移 BCG 接種制度変更 森亨, 山内祐子.BCG 副反応としての皮膚病変の最近の傾向. 結核

More information

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習 ABC-123 臨床試験進行または再発胃癌患者に対するプラセボを対照薬とした無作為化二重盲検比較試験症例報告書 治験実施計画書番号 P123-31-V01 被験者識別コード 割付番号 治験実施医療機関名 ご自分の医療機関 お名前を記載して下さい 症例報告書記載者名 症例報告書記載者名 治験責任医師 ( 署名又は記名 押印 ) 治験責任医師記載内容確認完了日 印 2 0 年 月 日 1 症例報告書の記入における注意点

More information

本文/開催および演題募集のお知らせ

本文/開催および演題募集のお知らせ 80 QOL QOL VAS Score MRI MRI MRI Ra Rb MRI 81 お 名 前 VAS VAS Score 82 奥ほか 症例 手術時間 出血量 食事開始日 術後入院期間 分 ml 日 日 平均 SD 9 備考 排尿障害 創部感染 図 直腸子宮内膜症症例の MRI ゼリー法によ る画像所見 図 当院で直腸子宮内膜症に対して直腸低位前方切 除術を施行した症例の内訳 子宮内膜症では

More information

<4D F736F F D204E AB38ED2976C90E096BE A8C9F8DB88A B7982D1928D88D38E968D >

<4D F736F F D204E AB38ED2976C90E096BE A8C9F8DB88A B7982D1928D88D38E968D > Cooper Genomics 社 Serenity 検査について 検査概要 検査名称 :Serenity Basic / Serenty24 検査機関 :Cooper Genomics 社 ( イギリス ) 検査実施国 : イギリス検体 : 血液 10ml 検査対象 妊娠 10 週目以降 ( 採血時 ) で単胎または双胎妊娠の妊婦 Serenity Basic 検査項目 21 トリソミー ( ダウン症候群

More information

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください 課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください 課題研究の進め方 Ⅰ 課題研究の進め方 1 課題研究 のねらい日頃の教育実践を通して研究すべき課題を設定し, その究明を図ることにより, 教員としての資質の向上を図る

More information

がんの診療の流れ この図は がんの 受診 から 経過観察 への流れです 大まかでも 流れがみえると心にゆとりが生まれます ゆとりは 医師とのコミュニケーションを後押ししてくれるでしょう あなたらしく過ごすためにお役立てください がんの疑い 体調がおかしいな と思ったまま 放っておかないでください な

がんの診療の流れ この図は がんの 受診 から 経過観察 への流れです 大まかでも 流れがみえると心にゆとりが生まれます ゆとりは 医師とのコミュニケーションを後押ししてくれるでしょう あなたらしく過ごすためにお役立てください がんの疑い 体調がおかしいな と思ったまま 放っておかないでください な 各種がん 101 がんの診療の流れ この図は がんの 受診 から 経過観察 への流れです 大まかでも 流れがみえると心にゆとりが生まれます ゆとりは 医師とのコミュニケーションを後押ししてくれるでしょう あなたらしく過ごすためにお役立てください がんの疑い 体調がおかしいな と思ったまま 放っておかないでください なるべく早く受診しましょう 受診 受診のきっかけや 気になっていること 症状など 何でも担当医に伝えてください

More information

7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいにな

7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいにな 7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいになると予想される 医療ニーズに応じて適切に医療資源を投入することが 効果的 効率的な入院医療の提供にとって重要

More information

1)表紙14年v0

1)表紙14年v0 NHO µ 医師が治療により回復が期待できないと判断する 終末期 であると医療チームおよび本人 家族が判断する 患者の意志表明は明確であるか? いいえ はい 意思は文書化されているか? はい 患者には判断能力があるか? 医療チームと患者家族で治療方針を相談する 患者の意思を推量できる場合には それを尊重する はい はい 患者の意思を再確認する はい 合意が得られたか? はい いいえ 倫理委員会などで議論する

More information

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital 6459 8. その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May. 2017 EGFR 遺伝子変異検査 ( 院内測定 ) c-erbb/egfr [tissues] 基本情報 8C051 c-erbb/egfr JLAC10 診療報酬 分析物 識別材料測定法

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション RICE 処置 スポーツ外傷とスポーツ障害 スポーツ外傷 とは スポーツ活動中 身体に一回の大きな力が加わることによっておこる ケガ です 一方 スポーツ障害 とは 繰り返すスポーツ動作で身体の特定部位が酷使されることによっておこる 故障 です スポーツ障害 は別名 使い過ぎ症候群 と呼ばれます スポーツ外傷 ( ケガ ) スポーツ障害 ( 別名 使い過ぎ症候群 )( 故障 ) 骨折 捻挫 脱臼 肉ばなれなど

More information

診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認

診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認 血液内科 ( 専門医取得コース ) 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認骨髄穿刺 腰椎穿刺など外来 講義 研究会発表 症例検討 教授回診骨髄採取手術 外来 17:00~ 17:30~ 移植カンファレンス カンファレンス 抄読会 骨髄スメア検鏡会

More information

12_モニタリングの実施に関する手順書 

12_モニタリングの実施に関する手順書  12_ モニタリングの実施に関する手順書 静岡県立大学大学院薬食生命科学総合学府薬学研究院薬食研究推進センター版数 :1.0 版作成年月日 :2014 月 8 月 1 日 ( 最終確定 :2015 年 1 月 14 日 ) 1. 目的と適用範囲 本手順書は 当該研究において モニターが モニタリングを適切に実施するための手順 その他必要な事項を定めるものである 2. 実施体制及び責務 2.1 研究責任者の責務研究責任者は

More information

別紙様式 (Ⅴ)-1-3で補足説明している 掲載雑誌は 著者等との間に利益相反による問題が否定できる 最終製品に関する研究レビュー 機能性関与成分に関する研究レビュー ( サプリメント形状の加工食品の場合 ) 摂取量を踏まえた臨床試験で肯定的な結果が得られている ( その他加工食品及び生鮮食品の場合

別紙様式 (Ⅴ)-1-3で補足説明している 掲載雑誌は 著者等との間に利益相反による問題が否定できる 最終製品に関する研究レビュー 機能性関与成分に関する研究レビュー ( サプリメント形状の加工食品の場合 ) 摂取量を踏まえた臨床試験で肯定的な結果が得られている ( その他加工食品及び生鮮食品の場合 別紙様式 (Ⅴ)-1 機能性の科学的根拠に関する点検表 1. 製品概要商品名アサヒ凹茶 ( ぼこちゃ ) 機能性関与成分名りんごポリフェノール ( りんご由来プロシアニジンとして ) 表示しようとする本品には りんごポリフェノール ( りんご由来プロシア機能性ニジンとして ) が含まれるので 体脂肪が気になる方のお腹の脂肪を減らす機能があります 2. 科学的根拠 臨床試験及び研究レビュー共通事項 (

More information

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性 2018 年 12 月 19 日放送 急性胆管炎 胆嚢炎診療ガイドライン 2018 国際医療福祉大学消化器外科教授吉田雅博ガイドラインの作成経過急性胆道感染症 ( 急性胆管炎 急性胆囊炎 ) は急性期に適切な対処が必要であり 特に 急性胆管炎 なかでも重症急性胆管炎では急性期に適切な診療が行われないと早期に死亡に至ることもあります これに対し 2005 年に出版されたガイドライン初版によって世界に向けて診断基準

More information

<4D F736F F D F90D290918D64968C93E08EEEE1872E646F63>

<4D F736F F D F90D290918D64968C93E08EEEE1872E646F63> 1. 脊椎および脊髄について脊柱は 7 個の頚椎 12 個の胸椎 5 個の腰椎 5 個の仙椎が一体となった仙骨 および 3~5 個の尾椎により構成されています 脊柱は頭部および体幹を支える支持組織であり また可動性のある運動組織でもあります さらに 脊柱のほぼ中心に中枢神経である脊髄を納め これを保護しています 脊髄は脳とともに中枢神経系に属する神経組織です 全体の長さは約 40~45cm あり 断面は直径が約

More information

Microsoft PowerPoint - 薬物療法専門薬剤師制度_症例サマリー例_HP掲載用.pptx

Microsoft PowerPoint - 薬物療法専門薬剤師制度_症例サマリー例_HP掲載用.pptx 薬物療法専門薬剤師の申請 及び症例サマリーに関する Q&A 注意 : 本 Q&A の番号は独立したものであり 医療薬学会 HP にある 薬物療法専門薬剤師制度の Q&A の番号と関連性はありません 薬物療法専門薬剤師認定制度の目的 幅広い領域の薬物療法 高い水準の知識 技術及び臨床能力を駆使 他の医療従事者と協働して薬物療法を実践 患者に最大限の利益をもたらす 国民の保健 医療 福祉に貢献することを目的

More information

172 第 3 部附録と GRADE profiler の用語集 附録 H QUOROM から PRISMA へ 従来,RCT に関するメタアナリシス報告の質を向上させるため,QUOROM (The Quality of Reporting of Meta-Analyses: メタアナリシス報告の質

172 第 3 部附録と GRADE profiler の用語集 附録 H QUOROM から PRISMA へ 従来,RCT に関するメタアナリシス報告の質を向上させるため,QUOROM (The Quality of Reporting of Meta-Analyses: メタアナリシス報告の質 172 第 3 部附録と GRADE profiler の用語集 従来,RCT に関するメタアナリシス報告の質を向上させるため,QUOROM (The Quality of Reporting of Meta-Analyses: メタアナリシス報告の質 ) 声明が利用されてきた この声明は, メタ 111) アナリシス報告に関する 27 項目のチェックリストとフローチャートから構成されているものであるが,

More information

Special IssueMedical Care and Education in Tokushima : Their Present and Future Reviews Original Case report スポーツと腰痛 1 3 図1 2 腰椎分離症の病期分類 図1 5 成人発症新鮮腰椎分離症 陸上 五輪選手 断に難渋する謎の腰痛となることもある 図1 6は CT

More information

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱 第一総則 子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱 一目的 けいりこの法律は 子宮頸がんの罹患が女性の生活の質に多大な影響を与えるものであり 近年の子宮頸が んの罹患の若年化の進行が当該影響を一層深刻なものとしている状況及びその罹患による死亡率が高い 状況にあること並びに大部分の子宮頸がんにヒトパピローマウイルスが関与しており 予防ワクチンの 接種及び子宮頸部の前がん病変 ( 子宮頸がんに係る子宮頸部の異形成その他の子宮頸がんの発症前にお

More information

要望番号 ;Ⅱ-24 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 8 位 ( 全 33 要望中

要望番号 ;Ⅱ-24 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 8 位 ( 全 33 要望中 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 8 位 ( 全 33 要望中 ) 要望する医薬品 成 分 名 ( 一般名 ) 販 売 名 会 社 名 国内関連学会 amoxicillin-clabulanate

More information

018_整形外科学系

018_整形外科学系 整形外科学系 よき臨床医の育成を最優先し 幅広い分野で高度の整形外科医療を学べます 日本大学医学部附属3病院をはじめ 実践的で臨床教育にすぐれた関連病院が多数あり 多数の臨床経験を積むことができます 研究面では自由 創造性を重視して指導しています 国際性を尊重し 海外留学を奨励しています 龍 順之助 整形外科分野主任教授 関節班 日本有数の人工関節手術数 特に両側同時人工膝関節置換が世界的に有名 龍教授

More information

はじめに 転位の大きな大腿骨頚部骨折は, 高エネルギー外傷によっておこることや, 合併症の多い人におこることが多く, 治療も難しい

はじめに 転位の大きな大腿骨頚部骨折は, 高エネルギー外傷によっておこることや, 合併症の多い人におこることが多く, 治療も難しい ORIF or Arthroplasty for Displaced Femoral Neck Fractures in Patients Younger Than 65 Years Old An Economic Decision Analysis Eric Swart, MD et al. Investigation performed at the Department of Orthopaedic

More information

イルスが存在しており このウイルスの存在を確認することが診断につながります ウ イルス性発疹症 についての詳細は他稿を参照していただき 今回は 局所感染疾患 と 腫瘍性疾患 のウイルス感染検査と読み方について解説します 皮膚病変におけるウイルス感染検査 ( 図 2, 表 ) 表 皮膚病変におけるウイ

イルスが存在しており このウイルスの存在を確認することが診断につながります ウ イルス性発疹症 についての詳細は他稿を参照していただき 今回は 局所感染疾患 と 腫瘍性疾患 のウイルス感染検査と読み方について解説します 皮膚病変におけるウイルス感染検査 ( 図 2, 表 ) 表 皮膚病変におけるウイ 2012 年 12 月 13 日放送 第 111 回日本皮膚科学会総会 6 教育講演 26-3 皮膚病変におけるウイルス感染検査と読み方 川崎医科大学皮膚科 講師山本剛伸 はじめにウイルス性皮膚疾患は 臨床症状から視診のみで診断がつく例もありますが ウイルス感染検査が必要となる症例も日常多く遭遇します ウイルス感染検査法は多種類存在し それぞれに利点 欠点があります 今回は それぞれのウイルス感染検査について

More information

SE法の基礎

SE法の基礎 SE 法の基礎 近畿大学医学部奈良病院阪本貴博 本日の内容 Principle of MRI SE 法の基礎 MRI とは SE 法とは 縦緩和と横緩和 TR と TE コントラスト MRI とは Magnetic Resonance Imaging: 核磁気共鳴画像法 MRI に必要な 3 つの要素 N S + + + 静磁場 ( 磁石 ) 水素原子 電波 (RF) 静磁場と電波 (RF) を使って水素原子の様子を画像化している

More information

【1

【1 輸血拒否患者に対するマニュアル はじめに 2008 年 2 月 日本輸血 細胞治療学会 日本麻酔科学会 日本小児科学会 日本産婦人科学会および日本外科学会の輸血治療に関与する 5 学会合同で 宗教的輸血拒否に関するガイドライン が示された 本ガイドラインは過去の宗教的輸血拒否に関係する判例等を考慮しつつ 年齢や医療に対する判断能力等を考慮したものである 特に 15 歳未満または医療に対する判断能力がない場合に

More information

フレイルのみかた

フレイルのみかた 1フレイルとは? POINT OF STUDY フレイルの概念 高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し, 不健康を引き起こしやすい状態は Frailty と表現されており 1), 転倒や日常生活の障害, 要介護の発生, 死亡のリスクを増大させる要因となる. これまでは, 虚弱 や 老衰 などの用語で表現されることが多く, 心身が加齢により老いて衰え, 不可逆的な印象を与えることが懸念されてきた.

More information

3) 適切な薬物療法ができる 4) 支持的関係を確立し 個人精神療法を適切に用い 集団精神療法を学ぶ 5) 心理社会的療法 精神科リハビリテーションを行い 早期に地域に復帰させる方法を学ぶ 10. 気分障害 : 2) 病歴を聴取し 精神症状を把握し 病型の把握 診断 鑑別診断ができる 3) 人格特徴

3) 適切な薬物療法ができる 4) 支持的関係を確立し 個人精神療法を適切に用い 集団精神療法を学ぶ 5) 心理社会的療法 精神科リハビリテーションを行い 早期に地域に復帰させる方法を学ぶ 10. 気分障害 : 2) 病歴を聴取し 精神症状を把握し 病型の把握 診断 鑑別診断ができる 3) 人格特徴 専門研修プログラム整備基準項目 5 別紙 1 専門技能 ( 診療 検査 診断 処置 手術など ) 1 年目 1 患者及び家族との面接 : 面接によって情報を抽出し診断に結びつけるとともに 良好な治療関係を維持する 2. 診断と治療計画 : 精神 身体症状を的確に把握して診断し 適切な治療を選択するとともに 経過に応じて診断と治療を見直す 3. 疾患の概念と病態の理解 : 疾患の概念および病態を理解し

More information

...S.....\1_4.ai

...S.....\1_4.ai * ** ** * ** 20 10 19 61 19 31.1% 20 14 19 [ ] [ ] 13 [ ] [ ] 2007 U22 W 2008 W 114 [ ] J [ ] [ ] over use [ ] [ ] [10] [11][12][13] 19 O 61 20.4 115 1.20 18 23 19 10 10 12 22 [14] A [15] 1 PedscopeVTS120

More information