図表 1 民間最終消費支出と雇用者報酬 11 (22 年第 1 四半期 ~218 年第 3 四半期 =1) 18 実質民間最終消費支出実質雇用者報酬 ( 四半期 ) 2:1 4:1 6:1 8:1 1:1 12:1 14:1 16:1 18:3 18:1

Similar documents
このジニ係数は 所得等の格差を示すときに用いられる指標であり 所得等が完全に平等に分配されている場合に比べて どれだけ分配が偏っているかを数値で示す ジニ係数は 0~1の値をとり 0 に近づくほど格差が小さく 1に近づくほど格差が大きいことを表す したがって 年間収入のジニ係数が上昇しているというこ

共働きは 収入源の分散化や世帯所得の増加をもたらすことから 基本的には消費に対する自由度を高めるものと予想される つまり 配偶者収入も含めて 収入が消費に結びつきやすくなる可能性があるということだ しかし 実際には 共働き世帯が増加しているにも拘わらず 家計は消費に対して慎重になっているようだ 世帯

Microsoft PowerPoint

平成30年版高齢社会白書(概要版)(PDF版)


シニア層の健康志向に支えられるフィットネスクラブ

Microsoft PowerPoint 榔本è−³äººè³⁄挎.pptx

いずれも 賃金上昇率により保険料負担額や年金給付額を65 歳時点の価格に換算し 年金給付総額を保険料負担総額で除した 給付負担倍率 の試算結果である なお 厚生年金保険料は労使折半であるが 以下では 全ての試算で負担額に事業主負担は含んでいない 図表 年財政検証の経済前提 将来の経済状

1 / 5 発表日 :2019 年 6 月 18 日 ( 火 ) テーマ : 貯蓄額から見たシニアの平均生活可能年数 ~ 平均値や中央値で見れば 今のシニアは人生 100 年時代に十分な貯蓄を保有 ~ 第一生命経済研究所調査研究本部経済調査部首席エコノミスト永濱利廣 ( : )

2. 繰上げ受給と繰下げ受給 65 歳から支給される老齢厚生年金と老齢基礎年金は 本人の選択により6~64 歳に受給を開始する 繰上げ受給 と 66 歳以降に受給を開始する 繰下げ受給 が可能である 繰上げ受給 を選択した場合には 繰上げ1カ月につき年金額が.5% 減額される 例えば 支給 開始年齢

親と同居の未婚者の最近の状況(2016 年)

2 / 6 不安が生じたため 景気は腰折れをしてしまった 確かに 97 年度は消費増税以外の負担増もあったため 消費増税の影響だけで景気が腰折れしたとは判断できない しかし 前回 2014 年の消費税率 3% の引き上げは それだけで8 兆円以上の負担増になり 家計にも相当大きな負担がのしかかった

図表 1 人口と高齢化率の推移と見通し ( 億人 ) 歳以上人口 推計 高齢化率 ( 右目盛 ) ~64 歳人口 ~14 歳人口 212 年推計 217 年推計

2019 年 6 月 経営 Q&A 回答者 永浦労務管理事務所 特定社会保険労務士永浦聡 外国人材の受入れ対策講座 ~ 受入れ時の留意点と必要な手続き ~ Question 当社は コンビニエンスストアを数店舗経営しています 先日 ハローワークでアルバイトを募集したところ 応募者の中に 2 名の外国

Microsoft PowerPoint - ★グラフで見るH30年度版(完成版).

Microsoft Word - 55_3

Microsoft Word - 80_2

税・社会保障等を通じた受益と負担について

生活福祉研レポートの雛形


2019年度はマクロ経済スライド実施見込み

Ⅰ 調査目的 中小企業で外国人労働者を雇用する例が広くみられるようになっている 背景には生産年齢人口の減少だけではなく 海外展開や訪日観光客の受け入れといった中小企業経営の国際化もある 人手不足への対応として導入が進んだ外国人労働者であるが しだいに企業の成長や事業展開に欠かせなくなってきていると考

タイトル

平成29年版高齢社会白書(全体版)

2 外国人労働者の属性 (1) 国籍別にみると 中国 ( 香港等を含む 以下同じ ) が全体の 57.4% を占め 次いで フィリピンが 15.0% となっている また ベトナムについては対前年同期比で 62 人 (52.1%) 増加しており 同 181 人 (4.2%) を占めている 図 1 別表

Microsoft PowerPoint - 08macro2_1.ppt

別紙2

親と同居の壮年未婚者 2014 年

Economic Trends    マクロ経済分析レポート

共働き・子育て世帯の消費実態(1)-少子化でも世帯数は増加、収入減で消費抑制、貯蓄増と保険離れ

共働き世帯の増加の背景とその消費支出への影響

推計結果 - 1 -

平成 年 2 月 日総務省統計局 労働力調査 ( 詳細集計 ) 平成 24 年 10~12 月期平均 ( 速報 ) 結果の概要 1 Ⅰ 雇用者 ( 役員を除く ) 1 1 雇用形態 2 非正規の職員 従業員の内訳 Ⅱ 完全失業者 3 1 仕事につけない理由 2 失業期間 3 主な求職方法 4 前職の

2. 年金額改定の仕組み 年金額はその実質的な価値を維持するため 毎年度 物価や賃金の変動率に応じて改定される 具体的には 既に年金を受給している 既裁定者 は物価変動率に応じて改定され 年金を受給し始める 新規裁定者 は名目手取り賃金変動率に応じて改定される ( 図表 2 上 ) また 現在は 少

平成27年版高齢社会白書(全体版)

労働力調査(詳細集計)平成24年平均(速報)結果の要約

3 世帯属性ごとのサンプルの分布 ( 両調査の比較 参考 3) 全国消費実態調査は 相対的に 40 歳未満の世帯や単身世帯が多いなどの特徴がある 国民生活基礎調査は 高齢者世帯や郡部 町村居住者が多いなどの特徴がある 4 相対的貧困世帯の特徴 ( 全世帯との比較 参考 4) 相対的貧困世帯の特徴とし

Microsoft Word - notes①1210(的場).docx

表紙

労働力調査(詳細集計)平成29年(2017年)平均(速報)結果の概要

01 公的年金の受給状況

フィリピンだが 年とベトナムやネパールからの留学生による就労がとりわけ大幅に増加している ( 図表 3 4) 在留資格が留学であっても 滞在費を賄う等の目的で 平常は週 28 時間 夏季 冬季 春季休みの間は 1 日 8 時間まで働くことが可能であり 日本語学校で勉強しながら就労する留学

2. 特例水準解消後の年金額以下では 特例水準の段階的な解消による年金額の変化を確認する なお 特例水準の解消により実際に引き下げられる額については 法律で定められた計算方法により年金額を計算することに加え 端数処理等の理由により203 年 9 月の年金額に所定の減額率を乗じた額と完全に一致するもの

外国人労働者の雇用実態に関するアンケート調査結果 速報版 平成 30 年 12 月 山形県商工労働部 1. 調査目的 県内における外国人労働者の実態等について調査を実施し 今後の外 国人材の活用施策の検討材料とする 2. 調査期間 平成 30 年 10 月中旬 ~11 月中旬 3. 調査対象 方法

雇用の現状_季刊版2014年夏号

29 歳以下 3~39 歳 4~49 歳 5~59 歳 6~69 歳 7 歳以上 2 万円未満 2 万円以 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 21 年度 211 年度 212 年度 213 年度 214 年度 215 年度 216 年度

Microsoft Word - 28概況(所得・貯蓄)(170929)(全体版・正)

2012 No

PowerPoint プレゼンテーション

人口 世帯に関する項目 (1) 人口増加率 0.07% 指標の説明 人口増加率 とは ある期間の始めの時点の人口総数に対する 期間中の人口増加数 ( 自然増減 + 社会増減 ) の割合で 人口の変化量を総合的に表す指標として用いられる 指標の算出根拠 基礎データの資料 人口増加率 = 期間中の人口増

150130【物価2.7%版】プレス案(年金+0.9%)

3.HWIS におけるサービスの拡充 HWISにおいては 平成 15 年度のサービス開始以降 主にハローワーク求人情報の提供を行っている 全国のハローワークで受理した求人情報のうち 求人者からインターネット公開希望があったものを HWIS に公開しているが 公開求人割合は年々増加しており 平成 27

図 3 世界の GDP 成長率の実績と見通し ( 出所 ) Capital in the 21st century by Thomas Piketty ホームページ 図 4 世界の資本所得比率の実績と見通し ( 出所 ) Capital in the 21st century by Thomas P

図表 29 非正規労働者の転職状況 前職が非正規労働者であった者のうち 現在約 4 分の 1 が正規の雇用者となっている 非正規労働者の転職希望理由としては 収入が少ない 一時的についた仕事だから が多くなっている 前職が非正規で過去 5 年以内に転職した者の現職の雇用形態別割合 (07 年 現職役

長野県の少子化の現状と課題

平成25年 国民生活基礎調査【所得票】 結果表一覧(案)

第 3 節食料消費の動向と食育の推進 表 食料消費支出の対前年実質増減率の推移 平成 17 (2005) 年 18 (2006) 19 (2007) 20 (2008) 21 (2009) 22 (2010) 23 (2011) 24 (2012) 食料

Ⅲ 結果の概要 1. シングル マザー は 108 万人我が国の 2010 年における シングル マザー の総数は 108 万 2 千人となっており 100 万人を大きく超えている これを世帯の区分別にみると 母子世帯 の母が 75 万 6 千人 ( 率にして 69.9%) 及び 他の世帯員がいる世

★外国人公表資料【完成版】

CW6_A3657D13.indd

Microsoft PowerPoint - 09macro2_1.pptx

高齢社会は危機かチャンスか

目次 第 1 章調査概要 調査の目的 調査の方法... 1 第 2 章分析内容 世帯主年齢階級別の世帯数割合 世帯主年齢階級別の等価可処分所得 世帯主年齢階級別の等価所得 拠出金の内訳 世帯主年齢階級別

2019 年 5 月 経営 Q&A 回答者 永浦労務管理事務所 特定社会保険労務士永浦聡 外国人材の受入れ対策講座 ~ 外国人労働者の現状 ~ Question 当社は 地方都市でホテルを数軒経営しています 法律の改正もあり 今後日本には外国人労働者が増えてくるというニュースを新聞 テレビ等で目にし

個人消費の回復を後押しする政策以外の要因~所得の減少に歯止め、節約志向も一段落

(2) 高齢者の福祉 ア 要支援 要介護認定者数の推移 介護保険制度が始まった平成 12 年度と平成 24 年度と比較すると 65 歳以上の第 1 号被保険者のうち 要介護者又は要支援者と認定された人は 平成 12 年度末では約 247 万 1 千人であったのが 平成 24 年度末には約 545 万

平成13年8月29日

秋田県における個人預金貯金の動向

Microsoft Word - ev001.docx

拡大する企業収益景気回復に伴い 企業の経常利益は大幅に改善している 経常利益の増加を受け 当期純利益も増加が続き その分配先である内部留保 ( フロー ) が大きく増 双方の税 社会保険料の負担が増加傾向にあることを踏まえた上で 継続的な賃金上昇によって 可処分所得の増加を実現させて消費を喚起し 成

<4D F736F F D2095BD90AC E937890C590A789FC90B382C98AD682B782E D5F E646F63>

統計トピックスNo.92急増するネットショッピングの実態を探る

★外国人公表資料本文

外国人労働者の現状 資料 1

公 的 年金を補完して ゆとりあるセカンドライフを実 現するために は 計 画 的 な 資金準備 が必要です 老後の生活費って どれくらい 必要なんですか 60歳以上の夫婦で月額24万円 くらいかな? 収入は 公的年金を中心に 平均収入は月額22万円くらいだ 月額2万の マイナスか いやいやいや 税

図表 II-39 都市別 世帯主年齢階級別 固定資産税等額 所得税 社会保険料等額 消 費支出額 居住コスト 年間貯蓄額 ( 住宅ローン無し世帯 ) 単位 :% 東京都特別区 (n=68) 30 代以下 (n=100) 40 代

A History of Nursery Center Policy in Post-War Japan: Why the Child Welfare Law Was Revised in 1997

相対的貧困率の動向: 2006, 2009, 2012年

ふくい経済トピックス ( 就業編 ) 共働き率日本一の福井県 平成 2 2 年 1 0 月の国勢調査結果によると 福井県の共働き率は % と全国の % を 1 1 ポイント上回り 今回も福井県が 共働き率日本一 となりました しかし 2 0 年前の平成 2 年の共働き率は

第 7 章財政運営と世代の視点 unit 26 Check 1 保有する資金が預貯金と財布中身だけだとしよう 今月のフロー ( 収支 ) は今月末のストック ( 資金残高 ) から先月末のストックを差し引いて得られる (305 頁参照 ) したがって, m 月のフロー = 今月末のストック+ 今月末

取材時における留意事項 1 撮影は 参加者の個人が特定されることのないよう撮影願います ( 参加者の顔については撮影不可 声についても収録後消去もしくは編集すること ) 2 参加者のプライバシーに配慮願います 3 その他 (1) 撮影時のカメラ位置等については 職員の指示に従ってください (2) 参

2. 男女別の無償労働の貨幣評価額無償労働の貨幣評価額を男女別にみると ( 図表 2-2) 2006 年時点の女性の構成比は OC 法では 80.5% RC-S 法では 83.7% RC-G 法では 84.7% となっている また 時系列では 女性の構成比が次第に低下してきていることが分かるが これ

相対的貧困率等に関する調査分析結果について

2018年夏のボーナス見通し

<4D F736F F D E937897FB8F4B96E291E882CC914F94BC959495AA82CC89F0939A>

ポイント 〇等価尺度法を用いた日本の子育て費用の計測〇 1993 年 年までの期間から 2003 年 年までの期間にかけて,2 歳以下の子育て費用が大幅に上昇していることを発見〇就学前の子供を持つ世帯に対する手当てを優先的に拡充するべきであるという政策的含意 研究背景 日本に

要 旨 2009 年の年金財政検証によると 標準的な厚生年金世帯 であれば 世代間格差はあるものの 将来世代においても 平均寿命 (60 歳時点の平均余命 ) まで生存すれば 負担した保険料の 2.3 倍の給付が受けられる見通しであることが明らかにされた これはこの倍率の分母である負担に事業主負担が

平成14年度社会保障給付費(概要)

Microsoft PowerPoint - 09macro2_1.pptx

最近の高齢者の消費動向について

Microsoft PowerPoint - ライフプランニング HP公表用.ppt

経済見通し

Microsoft PowerPoint - 13模擬講義.pptx

- 調査結果の概要 - 1. 改正高年齢者雇用安定法への対応について a. 定年を迎えた人材の雇用確保措置として 再雇用制度 導入企業は9 割超 定年を迎えた人材の雇用確保措置としては 再雇用制度 と回答した企業が90.3% となっています それに対し 勤務延長制度 と回答した企業は2.0% となっ

<4D F736F F D2095BD90AC E937890C590A789FC90B382C98AD682B782E D5F E646F63>

おカネはどこから来てどこに行くのか―資金循環統計の読み方― 第4回 表情が変わる保険会社のお金

2. 消費税率引き上げが個人消費に与える影響 (1)1997 年度の消費増税時のレビュー ~ 大きかった駆け込み需要の影響消費税は 89 年 4 月に税率 3% で導入され 97 年 4 月に 5% に引き上げられた 89 年度の導入時は従来の物品税廃止によって自動車など耐久財の多くが実質減税となっ

年の家族 2-1 世帯モデル設定本章では 3 つの社会変化をもとに世帯モデルを以下のように設定する 1 専業主婦世帯 ( 標準モデル世帯 ) 平均的な男性賃金で 45 年間厚生年金に加入した夫と 45 年間専業主婦の夫婦 2 生涯単身男性世帯 平均的な男性賃金で 45 年間厚生年金に加

米国の給付建て制度の終了と受給権保護の現状

2. 年金改定率の推移 2005 年度以降の年金改定率の推移をみると 2015 年度を除き 改定率はゼロかマイナスである ( 図表 2) 2015 年度の年金改定率がプラスとなったのは 2014 年 4 月の消費税率 8% への引き上げにより年金改定率の基準となる2014 年の物価上昇率が大きかった

Transcription:

第 12 号 公益社団法人日本経済研究センター Japan Center for Economic Research 218 年 11 月 22 日公表 将来不安が貯蓄率を押し上げ 労働参加の高まりは消費に結びつかず 短期経済予測班 : 堂本健太 山田祐太郎 < 監修 > 短期経済予測主査 : 西岡慎一総括 : 宮﨑孝史 ポイント 今回の景気回復局面では 雇用者報酬の伸びに比べて 個人消費の伸びが低く 貯蓄率が上昇している 雇用者報酬の増加は 1シニア層 (6 歳以上男女 ) 2 共働き女性 (3-64 歳 ) 3 外国人の雇用者増加が主因である これらの層の労働参加は 貯蓄や海外送金を主な目的としており 所得の増加が消費の増加に結びつきにくい 1 シニア層では これまで貯蓄を十分に蓄積してこなかった者の労働参加が多い 長寿リスクが高まっていることも所得を貯蓄に振り向ける動機となっている可能性がある 2 共働き女性では 団塊ジュニア世代の労働参加が多い この世代は 男性の賃金が伸び悩んでおり 貯蓄の蓄積ペースが遅い 配偶者の所得補填が動機となっている 3 外国人労働者の多くは 母国への送金を就業の動機としており 所得が国内の消費に波及しにくい いずれの層も消費を控える背後には将来不安がある 労働参加を内需の活性化に結びつけるためにも 雇用制度改革や社会保障改革など将来不安の解消に向けた取り組みが重要である はじめに 所得増加が消費に結びつかず 今回の景気回復局面では 個人消費が緩やかな伸びにとどまっている 民間消費支出の伸びは 雇用者報酬の伸びを下回っており 貯蓄率が上昇している ( 図表 1 2) 最近の消費額は簡単な消費関数による推計値を大きく下回っている点からも 最近の消費の伸びは 過去のパターンに比べて過小であるといえる 1 ( 図表 3) 以下では 消費の伸びが所得の伸びを下回る背景について述べる 1 内閣府 (218) の消費関数を参考に 以下の通り推計した なお Engle-Granger 検定の結果 これらの変数間に共和分関係が存在することを確認している ln.73 ln.24 ln.4 (34.4) (13.2) (2.37).89,DW.2 推計期間 :1998 年 1-3 月期 ~218 年 7-9 月期 カッコ内の値は t 値 は内閣府 国民経済計算 の実質民間最終消費支出 ( 季節調整値 ) は内閣府 国民経済計算 の実質雇用者報酬 ( 季節調整値 ) は日本銀行 資金循環統計 の家計金融資産残高 ( 内閣府 国民経済計算 の家計最終消費支出デフレーター < 除く持家の帰属家賃 > を用いて実質化 ) は 214 年 1-3 月期に 1 をとるダミー変数 (214 年 4 月の消費増税による駆け込み需要 ) -1-

図表 1 民間最終消費支出と雇用者報酬 11 (22 年第 1 四半期 ~218 年第 3 四半期 =1) 18 実質民間最終消費支出実質雇用者報酬 16 14 12 1 98 96 94 92 ( 四半期 ) 2:1 4:1 6:1 8:1 1:1 12:1 14:1 16:1 18:3 18:1 ( 資料 ) 内閣府 国民経済計算 32 31 3 ( 兆円 ) 実績値 - -1-1 (%) 図表 2 貯蓄率 ( 四半期 ) -2 94:1 97:1 :1 3:1 6:1 9:1 12:1 1:1 18:3 18:1 ( 注 ) 貯蓄率 =1- 消費性向 ( 名目民間最終消費支出 / 名目雇用者報酬 ) ( 資料 ) 内閣府 国民経済計算 図表 3 民間最終消費支出の実績 推計値 ( 左 ) と両者の乖離 ( 右 ) ( 兆円 ) 2 推計値乖離 ( 実績値 - 推計値 ) 1 1 29 28 27 ( 四半期 ) 26 2:1 4:1 6:1 8:1 1:1 12:1 14:1 16:1 18:1 18:3 ( 資料 ) 内閣府 国民経済計算 日本銀行 資金循環統計 より推計 - -1-1 ( 四半期 ) -2 2:1 4:1 6:1 8:1 1:1 12:1 14:1 16:1 18:1 18:3 雇用増が所得を押し上げ 最近の家計所得の増加は 雇用者数の増加を主因としている 今回の回復局面を世界金融危機前の いざなみ景気 (22 年 2 月 -28 年 2 月 ) の時期と比較すると 賃金の伸びによる所得の増加幅は限定的である一方 雇用者数の伸びが大きい ( 図表 4) 雇用者数の増加は 1 シニア層 (6 歳以上男女 ) 2 ミドルエイジ女性 (3-64 歳女性 ) 3 外国人によるものである 2 ( 図表 ) それぞれの層の所得増加が消費の伸びに結びついてないことが 最近の貯蓄率上昇の背景として考えられる (12 ( 初年次からの累積寄与度 年第 4 四半期からの累積寄与度 % ポイント %) 8. ポイント ) 1 いざなみ景気今次景気拡張局面 6. 実質賃金要因 8 ( 世界金融危機前 ) 雇用者数要因 4. 6 実質雇用者報酬 2. 4. 2-2. 図表 4 実質雇用者報酬の変動要因 時間当たり実質賃金要因一人当たり労働時間要因 -4. -2 雇用者数要因実質雇用者報酬 -6. -4 12:4 2 3 13:4 4 14:4 6 7 1:4 12 13 16:4 14 1 17:4 16 18:2 17 ( 資料 ) 内閣府 国民経済計算 厚生労働省 毎月勤労統計 総務省 労働力調査 (213 年から17 年の変動 万人 ) 3 日本人 2 外国人 2 1 1 - 図表 雇用者数の属性別変動 総計 1-34 3-64 6 歳以上 1-34 3-64 6 歳以上 男性 女性 ( 資料 ) 総務省 労働力調査 人口推計 国勢調査 厚生労働省 外国人雇用状況の届出状況について より推計 2 外国人労働者の年齢階級別内訳は 総務省 人口推計 国勢調査 から得られる定住外国人の人口構成と年齢階級別の就業率に基づき 男女別の外国人労働者数を推計した -2-

1 余生に備えるシニア層シニア層の雇用者数は 213-17 年で約 1 万人増加しており なかでも 6-69 歳の伸びが大きい ( 図表 6) 6-69 歳の労働力率も上昇している ( 図表 7) これには 老齢厚生年金の支給開始年齢が 213 年から順次引き上げられていることが背景にある 高年齢者雇用安定法 の改正により 定年引き上げが促進されるほか 継続雇用制度が拡充されていることもシニア層の就業意欲を高めている 6 4 3 2 1 ( 万人 ) 7 歳以上 7-74 歳 6-69 歳 ( 出所 ) 総務省 労働力調査 図表 6 シニア層の雇用者数 213 年 217 年 図表 7 シニア層の労働力率 (%) 6-69 歳 4 7 歳以上 4 3 3 2 2 1 1 21 3 7 9 11 13 1 17 ( 出所 ) 総務省 労働力調査 シニア層の所得増加の一部は貯蓄にまわっている 6-69 歳の勤労者世帯の可処分所得は 稼働所得 ( 働いて得られる所得 ) がある分 無職世帯の 2 倍に上る これに対して 勤労者世帯の消費支出は無職世帯と大差ない ( 図表 8) 無職世帯が貯蓄を取り崩して消費する一方 勤労者世帯は貯蓄を増やしている こうした勤労者世帯が増加していることが マクロでみた貯蓄率の上昇につながっている 6-69 歳の勤労者世帯は 無職世帯と比べて貯蓄が少ない傾向にある 金融広報中央委員会によると 年金支給時に最低準備しておく金融資産残高 は 28 万円とされている 勤労者世帯では この金融資産残高に満たない世帯の割合が 6 割を超えている ( 図表 9) 6-69 歳の層では 余生のための貯蓄を準備する必要がある世帯が多く 所得を稼いでも消費を増やしづらい状況にある 図表 8 6-69 歳の一人当たり家計収支 (21-17 年平均 ) ( 万円 / 月 ) 14 12 1 8 6 4 2-2 -4 勤労者世帯 無職世帯 可処分所得消費支出貯蓄純増 ( 注 ) 二人以上世帯の計数を世帯人員で除して算出 ( 資料 ) 総務省 家計調査 図表 9 6-69 歳の貯蓄高階級分布 (217 年 ) (%) 3 勤労者世帯 3 年金支給時に無職世帯など 2 最低準備しておく 2 金融資産残高 28 万円 1 1 ( 注 ) 二人以上世帯を対象とし 無職世帯など には 世帯主が会社役員等の世帯 を含む ( 資料 ) 総務省 家計調査 金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査 -3-

平均余命が伸びていることも貯蓄の必要性を高めている 217 年の 6 歳時点の平均余命は約 22 年 (217 年 : 男女単純平均 ) に達しており 9 歳以上まで生きる割合も男性で 28% 女性で 3% と高い ( 図表 1) 2 年前の 1997 年で男性 18% 女性 38% 1 年前の 27 年で男性 24% 女性 48% であったことを踏まえると 長寿リスクは相応に速いテンポで高まっている こうした余生の長期化も貯蓄 消費のライフサイクルを変化させ シニア層の貯蓄性向を高める一因となっている可能性がある 3 2 2 1 1 図表 1 6 歳時点の寿命分布 ( 左 : 男性 右 : 女性 ) (%) (%) 3 1997 年 27 年 217 年 1997 年 27 年 217 年 2 2 1 1 ( 資料 ) 厚生労働省 簡易生命表 2 共働きの動機は配偶者の所得補填共働き女性が増加している 3-64 歳の女性雇用者数は 213-17 年の間で約 1 万人増加し そのうち約 3 分の 2 が配偶者を持つ女性である ( 図表 11) この年齢層の男性のうち約 9 割が就業していることを踏まえると 共働き女性が増加しているといえる この結果 共働き世帯は 22 年の 9 万世帯から 217 年には 12 万世帯へと増加し 専業主婦世帯を凌駕している ( 図表 12) 共働き世帯への転換による所得増加は消費よりも貯蓄にまわる傾向がある 家計調査によると 共働き世帯の可処分所得は専業主婦世帯よりも平均して 9 万円ほど多いが 家計支出は 3 万円ほど多いに過ぎない ( 図表 13) 収入階級別で比較しても 共働き世帯の消費性向は専業主婦世帯よりも押しなべて低い ( 図表 14) したがって 共働き世帯の増加は マクロの貯蓄率を高める方向に作用する 3 図表 11 女性雇用者の変動内訳 (213 年から17 年の変化幅 万人 ) 12 内訳 1 8 6 4 2 3-64 歳女性 配偶者あり ( 注 ) 配偶者なしは 未婚 と 死別 離縁 の合計 ( 資料 ) 総務省 労働力調査 配偶者なし 図表 12 共働き世帯と専業主婦世帯 ( 万世帯 ) 1,3 1,2 1,1 共働き世帯専業主婦世帯 1, 9 8 7 6 22 8 11 14 17 ( 注 ) 共働き世帯 = 夫婦とも非農林業雇用者の世帯 専業主婦世帯 = 夫が非農林業雇用者かつ妻が非労働力人口もしくは完全失業者の世帯 211 年は 震災の影響で一部都道府県の計数が欠落しているため省略 ( 資料 ) 総務省 労働力調査 3 三浦 東 (217) でも 共働き世帯の増加が近年の貯蓄率上昇の一因とされている -4-

図表 13 共働き世帯と専業主婦世帯の家計収支 (217 年 ) 共働き世帯 (A) ( 万円 / 世帯 ) 専業主婦 (A)-(B) 世帯 (B) 可処分所得 49.7 4. 9.2 世帯主収入 44.1 4.7-1.6 配偶者収入 13.8. 13.8 非消費支出等 -8.2 -.3-2.9 家計支出 33.6 3.4 3.2 貯蓄純増 12.8 8.3 4. ( 注 ) 共働き世帯は夫婦のみ有業者 専業主婦世帯は夫のみ有業者の世帯 ( 資料 ) 総務省 家計調査 図表 14 年間収入階級別の平均消費性向 (%) 11 共働き世帯 1 専業主婦世帯 9 8 7 6 ( 注 ) 専業主婦世帯は 二人以上勤労者世帯のうち有業者 1 人の世帯 ( 資料 ) 総務省 全国消費実態調査 (214 年 ) 共働き女性の増加は 配偶者の所得補填を目的としている面がある 共働き世帯の増加は 3-44 歳あるいは 4-4 歳で大きい ( 図表 1) これは 1972 年前後に生まれたいわゆる団塊ジュニアを中心とした世代に相当する この世代の賃金カーブは上の世代に比べて下方にシフトしており 所得が抑制されている ( 図表 16) この結果 貯蓄高も上の世代より少ない ( 図表 17) したがって 共働きを志向する女性は 配偶者の生涯所得の伸び悩みを見越した所得補填を動機としており 消費には結びつきにくい可能性がある 14 12 1 8 図表 1 共働き世帯数の変動 ( 女性の年齢階層別 ) (213 年からの変化幅 万世帯 ) 6 歳以上 -64 歳 4-4 歳 3-44 歳 1-34 歳計 6 4 2-2 213 14 1 16 17 ( 注 ) 夫婦とも非農林業雇用者の世帯 ( 資料 ) 総務省 労働力調査 図表 16 賃金カーブ ( 男性 所定内給与 ) ( 調査年における2-24 歳男性の所定内給与 =1) 22 2 18 16 2, 2, 1, 図表 17 年齢階級別の貯蓄高 ( 万円 / 世帯 ) 194-4 年生まれ 19-64 年生まれ 196-74 年生まれ 197-84 年生まれ 14 12 1 8 ( 資料 ) 厚生労働省 賃金構造基本統計調査 194-49 年生まれ 19-9 年生まれ 196-69 年生まれ 197-74 年生まれ 197-79 年生まれ 1, 3 歳未満 3-39 歳 4-49 歳 -9 歳 6-69 歳 ( 注 ) 二人以上の世帯 ( 資料 ) 総務省 全国消費実態調査 --

3 外国人労働者の賃金は国内へ還流せず外国人労働者も増加している 213-17 年の間に外国人労働者は約 6 万人増加し 雇用者に占める外国人労働者の割合は 2% へと上昇している ( 図表 18) 外国人労働者の所得も 経済全体の雇用者報酬の押し上げに寄与している 4 近年増加した外国人労働者は 技能実習 や 資格外活動 ( 留学生のアルバイト ) など 就労以外の目的による在留者が半分を占める ( 図表 19 2) 外国人留学生のアルバイト人数は 留学ビザの取得件数を大幅に上回るペースで増えており 外国人留学生の多くが就労している ( 図表 21) 14 12 1 ( 万人 ) 図表 18 外国人労働者数 図表 19 増加した外国人労働者の在留資格別内訳 資格外活動 31.2% その他 3.3% 専門的 技術的分野 18.9% 8 6 4 213 年 17 年約 6 万人増加 2 21 3 7 9 11 13 1 17 ( 注 )8 年以降 外国人雇用状況の届出が義務化 ( 資料 ) 厚生労働省 外国人雇用状況報告 (6 年まで ) 外国人雇用状況の届出状況について (8 年から ) 技能実習 21.6% ( 注 ) その他 は 特定活動 分類不明 を含む ( 資料 ) 厚生労働省 外国人雇用状況の届出状況について 身分に基づく在留資格 2.% 分類 専門的 技術的分野 身分に基づく在留資格 ( 永住者 定住者 日本人 永住者の配偶者など ) 技能実習 資格外活動 ( 留学生のアルバイトなど ) 特定活動 図表 2 外国人労働者の内訳 ( 資料 ) 厚生労働省 内閣府公表資料より作成 定義 就労目的での在留が認められており 在留資格の範囲内で報酬を受ける活動が可能 活動制限がないため 就労が可能 国際貢献を目的に 開発途上国などの外国人を受け入れ OJT を通じて技能を移転する制度 労働関係法令などの適用下で就労が可能 17 年 11 月より 受入期間が最長 年 ( 従来 3 年 ) に延長され 対象職種が拡大された ( 介護 など ) 在留資格の本来の目的を阻害しない範囲内 (1 週間当たり 28 時間以内 ) で 就労が可能 経済連携協定 (EPA) に基づく外国人看護師 介護福祉士候補者 ワーキングホリデーなど ( 万人 ) 3 留学ビザでの在留人数 3 留学生のアルバイト数 2 2 1 1 図表 21 外国人留学生とアルバイト状況 213 14 1 16 17 ( 注 ) 在留人数は各年 6 月末と12 月末の平均 アルバイトは1 月末の人数 ( 資料 ) 厚生労働省 外国人雇用状況の届出状況について 法務省 在留外国人統計 4 雇用者報酬は国民概念であるため 外国人労働者が居住者であればその賃金が計上される 内閣府の定義では 居住者たる個人とは 主として当該領土内に 6 ヵ月以上の期間居住しているすべての個人をいい 国籍のいかんを問わない とされている 日本で就労ビザを獲得するには一定期間の滞在を前提とした在留資格が必要であり 大多数は居住者と定義されると考えられる したがって 外国人労働者の賃金の多くは雇用者報酬に計上されていると推察される 国民経済計算や国際収支統計では 外国人留学生は滞在期間にかかわらず非居住者 ( 母国の居住者 ) と定義される しかし 217 年時点で外国人留学生の賃金は 2,74 億円程度と推計され ( 下記 ) 32 億円とされる非居住者への雇用者報酬支払い ( 日本銀行 財務省 国際収支統計 ) を大幅に上回る したがって 外国人留学生の賃金も多くは雇用者報酬に計上されていると推察される 外国人留学生の賃金 = 外国人留学生のアルバイト人数 平均労働時間 平均時給 外国人留学生のアルバイト人数 : 厚生労働省 外国人雇用状況の届出状況について 平均労働時間 : 日本学生支援機構 平成 27 年度私費外国人留学生生活実態調査 平均時給 : 厚生労働省 賃金構造基本統計調査 -6-

こうした外国人労働者は母国に所得を送金する傾向があり 所得が国内消費に波及する度合いは限定的とみられる 6 最近では ベトナムやフィリピン国籍の外国労働者が増加しており 労働者の送金額もこれらの国に向けたものが増えている ( 図表 22 23) ベトナム国籍の労働者では 217 年の年間賃金受取総額 ( 約 4, 億円 ) のうち 母国への送金額は約 2% に相当する 7 ( 図表 24) 14 12 1 8 6 4 2 図表 22 国籍別の外国人労働者 ( 万人 ) その他ネパールブラジルフィリピンベトナム中国 図表 23 国内労働者の海外への送金額 ( 億円 ) 6, その他北米, 4, 3, 2, 1, ベトナム 中国 フィリピン 計 213 14 1 16 17 26 9 12 1 ( 資料 ) 厚生労働省 外国人雇用状況の届出状況 ( 資料 ) 日本銀行 財務省 国際収支統計 図表 24 ベトナム国籍労働者の賃金推計額 (217 年 ) 17 人数 ( 割合 ) 賃金受取総額 技能実習生 1.6 万人 (43.9) 1,99 億円 留学生 9.9 万人 (41.) 1,378 億円 その他 3.6 万人 (1.1) 1,11 億円 計 24. 万人 (1.) 4,483 億円 217 年のベトナム宛労働者送金は約 9 億円であり 年間賃金の約 2% を母国への仕送りに充てている計算 ( 資料 ) 厚生労働省 外国人雇用状況の届出状況 賃金構造基本統計調査 総務省 国勢調査 労働力調査 日本政策金融公庫総合研究所 外国人材の活用に関するアンケート より推計 将来不安の解消を 雇用者数の増加は 1 シニア層 2 共働き女性 3 外国人労働者で生じ 経済全体の家計所得の増加に寄与してきた ただし それぞれの層で所得増加が消費の押し上げには直結していない とりわけ シニア層や共働き女性が消費を控える背後には将来不安がある これらの層の労働参加の高まりは アベノミクス期の大きな成果であったが 将来不安の解消なしには 労働供給と消費需要が相乗的に成長率を押し上げるには至らないことも示された 雇用制度改革や社会保障改革など将来不安の解消に向けた取り組みを進めていくことが重要である 6 外国人留学生の消費額は 国民経済計算上 民間最終消費支出 ( 個人消費 ) ではなく 非居住者家計の国内での直接購入 に計上される 7 国際収支統計における労働者送金は 居住者から非居住者の送金を対象としており 母国の居住者と定義される留学生の送金額は対象外である このため 留学生の送金額が捕捉されれば この割合は高まる可能性がある -7-

参考文献 内閣府 用語の解説 ( 国民経済計算 ) 内閣府 (218) 日本経済 217-218- 成長力強化に向けた課題と展望 - 三浦弘 東将人 (217) 共働き世帯の増加の背景とその消費支出への影響 日銀レビュー 217 年 9 月 堂本健太 研究生 ゆうちょ銀行より派遣山田祐太郎 研究生 東海旅客鉄道より派遣 ( 本稿に関するお問い合わせ : 研究本部短期予測班 3-626-773) 本稿の無断転載を禁じます 詳細は総務本部までご照会ください 公益社団法人日本経済研究センター 1-866 東京都千代田区大手町 1-3-7 日本経済新聞社東京本社ビル 11 階 TEL:3-626-771 / FAX:3-626-7924-8-