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Part 3 この症例にこの装置 ( 矯正装置の使用実例 ) 下顎前突 乳歯列期 混合歯列期反対咬合, 中切歯の反対被蓋の改善 拡大床装置 (3 方向拡大床装置 ) 下顎前突における前歯部被蓋の改善を目的として拡大床装置を使用した症例 症例の概要 患者 : 歳 10 カ月, 女児 主訴 : 受け口と

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contents 序文 3 推薦の言葉 4 監著者 執筆者一覧 5 第 1 章 早期治療とは? 1 矯正歯科専門医が考える早期治療とは ( 里見優 ) はじめに これまでの早期治療に関する見解をまとめてみる 早期矯正治療に矯正歯科専門医が積極的でなかった理由 15

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(4) 学校の規則を守っていますか (5) いじめは, どんな理由があってもいけないことだと思いますか

Ⅱ 調査結果の概要

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3 睡眠時間について 平日の就寝時刻は学年が進むほど午後 1 時以降が多くなっていた ( 図 5) 中学生で は寝る時刻が遅くなり 睡眠時間が 7 時間未満の生徒が.7 であった ( 図 7) 図 5 平日の就寝時刻 ( 平成 1 年度 ) 図 中学生の就寝時刻の推移 図 7 1 日の睡眠時間 親子

表 6.1 横浜市民の横浜ベイスターズに対する関心 (2011 年 ) % 特に何もしていない スポーツニュースで見る テレビで観戦する 新聞で結果を確認する 野球場に観戦に行く インターネットで結果を確認する 4.

各質問項目の単純集計結果 設問 1. 性別 男性 女性 無回答 設問 2. 年齢 合計 ( 改 3) 代 代 代 代 代 1767

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発育状態調査 身長 身長 ( 平均値 ) は 前年度と比較すると 男子は 12~15 歳で前年度を上回り 女子は 5,6,8,9,14,16 歳で前年度を上回っている (13 年齢区分中 男子は増加 4 減少 6 女子は増加 6 減少 5) との比較では 男子は全ての年齢で 女子は 5,9 歳を除い

(3) 将来の夢や目標を持っていますか 平成 29 年度 平成 28 年度 平成

お子さんの成長にあわせ お母さんの食生活を見直してみませんか? お子さんの成長にあわせて あなたの食生活をかえるチャンスがあります 3 か月 か月 か月

発育状態調査 身長 身長 ( 平均値 ) を前年度と比較すると 男子は 5~8,10,11,16 歳で 女子は 7~12,15,17 歳で前年度を上回っている (13 年齢区分中 男子は増加 7 減少 4 女子は増加 8 減少 3) 全国平均と比較すると 男子は全ての年齢で 女子は 9~11 歳を除

第 9 回料理体験を通じた地方の魅力発信事業 ( 石川県 ) アンケート結果 1 属性 (1) 性別 (2) 年齢 アンケート回答者数 29 名 ( 参加者 30 名 ) 7 人 24% 22 人 76% 女性 男性 0 人 0% 0 人 0% 0 人 0% 0 人 0% 8 人 28% 2 人 7

2008/3/4 調査票タイトル : ( 親に聞く ) 子どものダイエットについてのアンケート 調査手法 : インターネットリサーチ ( ネットマイル会員による回答 ) 調査票種別 : Easyリサーチ 実施期間 : 2008/2/22 14:28 ~ 2008/2/22 21:41 回答モニタ数

(2) 体重 平成 25 年度の幼稚園 小学校 中学校及び高等学校における幼児 児童及び生徒の体重 ( 県平均値 以下同じ ) については次のとおりである 1 前年度との比較 ( 表 2) 男子の体重は 6 歳 11 歳 13~17 歳で 前年度の同年齢より.2~2. kg増加しており 最 も増加し

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている


Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%

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31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長

資料の調べ方 1-1 月 日 組名前点 あくりょく 1 下の表は,1 組と 2 組の男子の握力測定の記録です 1 番号握力 (kg) 番号握力 (kg)

項目 表 1 被験者背景 全体男性女性 人数 ( 人 ) 年齢 ( 歳 ) 40.0 ± ± ± 12.2 平均値 ± 標準偏差

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1. 実験の動機 ( きっかけ ) 碧南市から市外へ行くのには 必ず橋を通らないといけないということから 私達は橋に前々から興味がありました さらに 今年旅行で大きな橋をいくつか通ったことがきっかけで 橋の種類を調べてみると いろいろな種類の橋があることが分かったので どのような構造が いちばん強度


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ⅱ カフェイン カテキン混合溶液投与実験方法 1 マウスを茶抽出液 2g 3g 4g 相当分の3つの実験群と対照群にわける 各群のマウスは 6 匹ずつとし 合計 24 匹を使用 2 実験前 8 時間絶食させる 3 各マウスの血糖値の初期値を計測する 4 それぞれ茶抽出液 2g 3g 4g 分のカフェ

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() 実験 Ⅱ. 太陽の寿命を計算する 秒あたりに太陽が放出している全エネルギー量を計測データをもとに求める 太陽の放出エネルギーの起源は, 水素の原子核 4 個が核融合しヘリウムになるときのエネルギーと仮定し, 質量とエネルギーの等価性から 回の核融合で放出される全放射エネルギーを求める 3.から

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結果の概要

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Ⅵ ライフステージごとの取り組み 1 妊娠期 2 乳幼児期 (0~5 歳 ) 3 学童期 (6~12 歳 ) 4 思春期 (13~19 歳 ) 5 成年期 (20~39 歳 ) 6 壮年期 (40~64 歳 ) 7 高年期 (65 歳以上 ) ライフステージごとの取り組み ( 図 )

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問 3 問 2 で と回答した方は 上記対策で何を見て知ったか ( 複数回答可 ) % 問 4 問 2で と回答した方は 下記対策で利用したいまたは既に利用しているものは 問 4 何か ( 複数回答可 ) 特定健診 特定保健指導対策 10 (41.9%) がん ( 婦人

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目 次 [Ⅰ] 調査方法 2 [Ⅱ] 地域区分図 3 [Ⅲ] アンケート調査票 4~5 [Ⅳ] 第 2 回不動産市況 DI 調査結果の概要 6 [Ⅴ] 設問ごとの回答内訳 [-1] 設問 2,3( 住宅地価格 ) 7~9 [-2] 設問 2,3( 商業地価格 ) 10~12 [-3] 設問 2,3(

初めて親となった年齢別に見た 就労状況 ( 問 33 問 8) 図 97. 初めて親となった年齢別に見た 就労状況 10 代で出産する人では 正規群 の割合が低く 非正規群 無業 の割合が高く それぞれ 22.7% 5.7% であった 初めて親となった年齢別に見た 体や気持ちで気になること ( 問

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(3) 生活習慣を改善するために

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世の中の人は信頼できる と回答した子どもは約 4 割 社会には違う考え方の人がいるほうがよい の比率は どの学年でも 8 割台と高い 一方で 自分の都合 よりみんなの都合を優先させるべきだ は 中 1 生から高 3 生にかけて約 15 ポイント低下して 5 割台にな り 世の中の人は信頼できる も

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,995,972 6,992,875 1,158 4,383,372 4,380,511 2,612,600 2,612, ,433,188 3,330, ,880,573 2,779, , ,

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

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2) エネルギー 栄養素の各食事からの摂取割合 (%) 学年 性別ごとに 平日 休日の各食事からのエネルギー 栄養素の摂取割合を記述した 休日は 平日よりも昼食からのエネルギー摂取割合が下がり (28~31% 程度 ) 朝食 夕食 間食からのエネルギー摂取割合が上昇した 特に間食からのエネルギー摂取

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◎公表用資料

小学校の結果は 国語 B 算数 A で全国平均正答率を上回っており 改善傾向が見られる しかし 国語 A 算数 B では依然として全国平均正答率を下回っており 課題が残る 中学校の結果は 国語 B 以外の教科で全国平均正答率を上回った ア平成 26 年度全国学力 学習状況調査における宇部市の平均正答

最初に 女の子は皆子供のとき 恋愛に興味を持っている 私もいつも恋愛と関係あるアニメを見たり マンガや小説を読んだりしていた そしてその中の一つは日本のアニメやマンガだった 何年間もアニメやマンガを見て 日本人の恋愛について影響を与えられて 様々なイメージができた それに加え インターネットでも色々

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Transcription:

咀嚼力に関する研究 Ⅰ 概要群馬県高等歯科衛生士学院の生徒 51 名に協力していただき オクルーザルフォースメーター ( 咬合力測定器 ) を用いて咬合力を測定し 歯型から歯列幅を測定した そしてその測定結果と 生活様式や口腔の状況についてのアンケートの結果について考察した 歯列幅と咬合力に直接の相関は見られなかったが 食べ物と咬合力 叢生と咬合力についてはある程度の差を確認することができた Ⅱ 研究動機小学生のころ 弟たちに比べ噛み切る力が弱かった私は 親によく 小さいころに硬いものを食べなくて顎が小さいから噛む力が弱いんだ と言われていた 比べてみると私の家の兄弟間では噛む力が強い弟の歯列幅のほうが大きく 確かに噛む力と顎の幅が関係しているように見えた また 現代人は食生活の変化により 食事のときの咀嚼回数が減り 顎が小さくなり 噛む力も昔に比べ劣ってきていると言われている そこで 歯列の大きさと噛む力には関係があるのではないかと考え 咀嚼力と関係があるのは何なのか調べてみることにした Ⅲ 研究方法 1 文献研究噛む大切さを訴えてロッテなどが全国で実施しているイベント しっかりかんで健康家族 と筑波大学の鈴木正成教授 ( 運動栄養学 ) のグループが取り組んでいる ガムカムダンベル体操 の 3 歳から97 歳までの2064 人の参加者を対象とした調査によると 噛む力は幼児期から年齢とともに上昇し 男女とも40 代でピークを迎えその後降下しているが 噛む力が強い人ほど明らかに握力も強いことが分かり ダンベル体操によって咀嚼力が向上したという結果が報告されている また 山口県立大学の眞竹昭宏主教授は 男性の顔面の形態計測値 ( 耳珠間幅 下顎角幅など ) は咬合力と相関があるという論文を発表している 2 実験方法 (1) 前橋市歯科医師会より借用した歯科用咬合力計 オクルーザルフォースメーター ( 図 1) を用いて 群馬県高等歯科衛生士学院の生徒 51 名の咬合力を測定した 上記の鈴木教授の実験では 被験者に 1 分間ガムを噛んでもらい そのガムの中に残る糖分濃度の濃さで咀嚼力を測っていた つまり この実験では 効率よく噛めること= 咀嚼力が高いこと としていた しかし 糖度の濃さと咀嚼力の強さの判断基準がわからないことなどから 今回私は咀嚼力を咬合力に図 1

置き換えて実験してみることにした (2) 咬合力を測定してもらった生徒の歯の石膏模型を用いて 歯列の幅を測定した 歯列の幅を考える基準としては歯槽基底長径や歯槽基底幅径などの 4 つの項目があるが 今回の実験での歯列の幅の基準は ノギスで測定することができる歯列弓幅径 ( 歯列の幅 ) と歯列弓長径 ( 歯列の奥行き ) ( 図 2) を用いることとし 数値の比較をした (3) 咬合力と関係があるのではないかと予想される握力を測定してもらい 生活習慣や口腔の状況についてはアンケートで調査した 図 2 Ⅳ 実験結果と分析 1 測定結果 アンケート集計 回答数 51 人 1 現在運動をしているか 運動はしていない 27 運動経験あり 19 現在も運動している 5 2 朝食の摂取状況 毎日食べる 40 ぬく事もある 6 食べない 5 3 乳児期は母乳か哺乳瓶か 母乳 40 哺乳瓶 10 混合 1 4 硬いものをたべていたか よく食べていた 42 食べていない 9 5 口呼吸か鼻呼吸か 口呼吸 7 鼻呼吸 43 (1) 測定平均値測定人数 51 人 歯列弓幅径 上顎 41.4 cm 下顎 3.44 cm 歯列弓長径 上顎 3.57 cm 下顎 3.00 cm 咬合力 41.4kg 握力 26.7kg (2) むし歯 むし歯あり 35 人 むし歯なし 16 人 平均本数 2.24 本 (3) 叢生出現率 12 人 23.59%

2. 結果の分析 (1) 握力と歯列弓幅径 長径の関連まず歯列弓幅の大きい順に並べて基準のグラフとし 歯列の幅 握力 咬合力と比較してみた 咀嚼力と握力の間に関係があるとするならば 握力と咬合力 握力と歯列幅の間にも何らかの関係があるのだろうと予測を立てたが 特に関係は見られなかった cm 4.5 4.0 3.5 3.0 歯列弓幅径上下平均 ( 歯列の幅 ) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 cm 4 3.5 3 2.5 2 歯列弓長径上下平均 ( 歯列の奥行き ) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121314151617 1819202122232425262728293031323334 353637 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 kg 100 咬合力平均 50 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10111213141516171819202122232425262728293031323334353637 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 kg 握力平均 3 1 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51

(2) 食べ物と咬合力アンケートで 小さいころから硬いものを食べていた と答えた人と 食べていない と答えた人とを分けて咬合力 握力を比較したところ 食べていたと答えた人の咬合力のほうが 5.6kN 高く 硬いものを食べることと咬合力の間には関係があることがわかった しかし 握力ではあまり差は見られなかった 小さいころから硬いものを食べていた人は 特に成長期に顎の筋肉を鍛えることができたため 咬合力が高くなったのではないだろうか kg 硬いものを食べたかと咬合力 4 39.3 食べなかった食べた 3 33.7 3 26.3 25.7 2 1 1 咬合力平均 握力平均 また 硬いものを食べている人のほうが歯列幅も大きいのではないかと予想したが 硬いものを食べていた人の歯列幅の平均値 3.1cm 食べていなかった人の平均値 3.0cm と あまり差は見られなかった (3) 叢生 ( 歯並びが悪いこと ) と咬合力歯型の測定をしたときに叢生が見られた人とそうでない人の数値を比較したところ 叢生が見られた人はどの場所でも全体的に歯列幅が小さかった 咬合力も叢生がない人に比べ 5.51kN も小さいことがわかった 叢生の有無と歯列の大きさ叢生の有無と咬合力 握力 cm 叢生なし叢生あり kg 叢生なし叢生あり 5 45 4.17 42.7 4.03 4 40 37.2 3.51 3.58 3.52 35 4 3.23 3.06 30 3 25.9 2.83 24.9 25 3 20 2 上顎幅下顎幅上顎奥行き下顎奥行き 15 咬合力平均握力平均 (4) むし歯の有無と咬合力意外なことに むし歯がある人のほうが咬合力 握力ともに強かった スポーツ選手にはむし歯が少ないと聞いているため むし歯があるとかみ合わせが悪くなったりして咬合力が落ちると予想していたが 全く逆の結果となった kg むし歯の有無と咬合力 握力 歯列の大きさ 4 42.8 38.5 3 3 24.8 26.1 2 1 1 咬合力平均 握力平均 むし歯なし むし歯あり

調査人数が少ないのが原因かもしれない (5) 母乳か哺乳瓶か母乳で育った人と哺乳瓶で育った人とを比較した これは 主に哺乳瓶で育った私と 母乳で育った弟の違いを考えて加えた項目であるが 歯列幅 咬合力 握力と どの値をとってもまったく差が見られなかった (6) 運動経験と咬合力運動をしていない人 運動をしていたことがある人 今でも運動を継続している人の 3 パターンに分けて比較したところ 運動をしていない人と運動をしていたことがある人の間には差が見られなかった しかし 運動を続けている人は 歯列幅と咬合力の間にきれいな相関関係が見て取れた また握力と歯列幅の間にも関係があるようにも見える 全体的な差としては やはり運動している人のほうが握力が強く 咬合力も少し高かった 50 40 30 20 10 0 母乳か哺乳瓶課の違い歯列幅 (cm) 咬合力 (kn) 握力 (kg) 3.6 3.7 42.041.0 25.9 25.5 歯列幅平均咬合力平均握力平均 母乳 運動経験と握力 咬合力 37.61 38.14 35.91 3 哺乳瓶 25.6525.78 28.50 咬合力平均握力平均 運動 1 運動 2 運動 3 運動なし群握力 3 3 2 1 1 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50 過去運動群握力 3 1 運動継続群握力 3 1 運動なし群咬合力 1 10 8 6 過去運動群咬合力 1 10 8 6 1 10 8 6 運動継続群咬合力

Ⅴ まとめデータを比較した結果 咬合力と歯列幅の間に直接的な関係は見られなかったが 小さい頃から硬いものを食べていた人は咬合力が大きいことがわかった これは 眞竹教授の論文にもあるように 咬合力は構造上の関係ではなく 顎のまわりの筋肉によって決定されるのではないか ということと一致する つまり噛む習慣をつけて筋肉を鍛えれば咬合力はあがるということになる しかし 歯列幅が小さい叢生の人の咬合力が小さいという結果と 運動をしている人の中では 歯列の幅と咬合力との間に相関関係が見られたことから 私は 歯列幅は筋肉ほどではないが 何らかの形で咬合力に影響する要素なのではないかと思う 今回の実験の反省点は 調査する人数が少なかったことと オクルーザルフォースメータに最大値の記録機能がないこと オクルーザルフォースメータに慣れていなかったことでデータが不十分だったことである 次回機会があれば 咬合力についてもっと深く研究してみたいと思う Ⅵ 謝辞 参考文献 協力前橋市歯科医師会 群馬県高等歯科衛生士学院の松本先生をはじめとする先生方 生徒の皆さんにはお忙しいところ 快くご協力いただきありがとうございました 参考文献しっかり噛んで健康家族 http://kk.kyodo.co.jp/iryo/news/0106kamu.html 鈴木教授の論文内容要旨 http://www.kyusyu-id.ac.jp/kid/library/doctor/2003/yousi/k071.html