第 1 回北海道道路メンテナンス会議 日時 : 平成 26 年 6 月 11 日 ( 水 ) 15:30~17:00 場所 : 札幌第 1 合同庁舎講堂 ( 札幌市北区北 8 条西 2 丁目 ) 議事次第 (1) 開会 1) 設立趣旨について 資料 1 2) 会議規約について 資料 2 (2) 議長挨拶 (3) 議事 1) 道路インフラの老朽化に関する動きについて 資料 3 2) 各道路管理者における道路保全の取り組み状況について 開発局 資料 4 北海道 資料 5 札幌市 資料 6 NEXCO 資料 7 3) 今後の取り組みについて 地方公共団体への支援について財政支援 資料 8 技術支援 資料 9 老朽化に関する広報活動について 資料 10 4) その他 (4) 閉会
資料 1 北海道道路メンテナンス会議 設立趣意書 我が国の道路施設等は 高度経済成長期における集中的な整備等を経て順次ストックとして蓄積され その機能を発揮してきたところである 今後 これらの補修や更新を行う必要性が急激に高まってくることが見込まれており 国 地方とも厳しい財政状況にあるなか いかに的確に対応するかが重要な課題となっている 一方 国 地方公共団体 高速道路会社等の道路管理者は 道路の種別等に応じ 道路施設の新設 改築を適切に行うとともに 整備したストックを適切に維持し 必要に応じて修繕 更新することにより 安全かつ円滑な交通に支障が及ばないように取り組む責務があることから すべての道路管理者が情報を共有し 連携して対応していくことが必要不可欠である このため 北海道内における道路施設等の維持管理 修繕 更新等を効果的 効率的に行うべく 交通上密接な関連を有する道路管理者が相互に連絡 調整を行い 道路施設の点検結果や修繕計画等を共有 協力することにより 円滑な道路管理を促進し 道路施設等の予防保全 老朽化対策の強化を図ることを目的として 北海道道路メンテナンス会議 を設置する
資料 2 北海道道路メンテナンス会議規約 ( 案 ) ( 名称 ) 第 1 条本会議は 北海道道路メンテナンス会議 ( 以下 会議という ) と称する ( 目的 ) 第 2 条本会議は 道路法第 28 条の2の規定に基づき設置するもので 北海道内の道路管理を効果的に行うため 各道路管理者が相互に連絡調整および協議を行うことにより 円滑な道路管理の促進を図ることを目的とする ( 組織 ) 第 3 条本会議は 本目的に関係ある官公署等をもって組織する ( 事業 ) 第 4 条本会議は第 2 条の目的を達成するために次の事業を行う (1) 道路施設の維持管理等に係る意見調整 情報共有に関すること (2) 道路施設の点検 修繕計画等の把握 調整に関すること (3) 道路施設の損傷事例や技術基準等の共有に関すること (4) その他 道路の管理に関して議長が認めた事項 ( 構成 ) 第 5 条本会議は 会議と地方会議より構成する ( 会議 ) 第 6 条会議は 会議 幹事会より構成する (1) 議長は 北海道開発局建設部道路計画課長とし 本会議を代表するとともに会務を総括する (2) 幹事長は 北海道開発局建設部道路維持課道路保全対策官とする (3) 会議は 議長がこれを招集する また 議長は必要に応じ幹事長の出席を求めることができる (4) 幹事会は 幹事長がこれを招集する (5) 委員 幹事については 別紙に定める通りとするが 必要に応じ他の関係者の出席を求めることができる (6) 議長は 本会の会務に関し必要に応じ 学識経験を有する者等で構成される機関を設け 意見を聞くことができる (7) 議長は 個別課題等についての検討 調整を行うため 専門部会 を設置することができるものとする -1-
資料 2 ( 地方会議 ) 第 7 条地方会議は 開発建設部単位に設置することを基本とし 必要に応じ分割して開催することができる 地方会議は 会議と幹事会より構成する (1) 議長は 開発建設部次長 ( 道路担当 ) とし 地方会議を代表するとともに会務を総括する (2) 会議は 必要に応じ議長がこれを招集する (3) 幹事長は 開発建設部道路整備保全 ( 工務 ) 課長とする (4) 幹事会は 必要に応じ幹事長がこれを招集する (5) 委員 幹事については 別紙に定める通りとするが 必要に応じ他の関係者の出席を求めることができる (6) 地方会議は 必要に応じ別途規約を定めることができる ( 事務局 ) 第 8 条事務局は 会議の円滑なる運営にあたるとともに議事録を整理する (1) 会議の事務局は 北海道開発局建設部道路維持課におく (2) 地方会議の事務局は 開発建設部道路整備保全 ( 工務 ) 課におく ( その他 ) 第 9 条本規約に定めるもののほか 必要な事項は議長が会議に諮って定める ( 附則 ) 本規約は 平成 26 年 6 月 日から施行する -2-
資料 3 道路インフラの老朽化に関する動き 1 老朽化を巡る現状 ➁ メンテナンスサイクルを確定 ➂ メンテナンスを回す仕組みを構築 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
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1 老朽化を巡る現状 (1) 道路インフラの現状 (2) 地方公共団体の現状 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 2
(1) 道路インフラの現状ー橋梁の高齢化 全国 人と同じく橋も高齢化し 10 年後には 50 歳以上の橋梁が全体の 4 割以上を構成 人と橋の年齢分布 (60,000) 12,000 (40,000) 8,000 (20,000) 4,000 0 20,000 40,000 60,000 ( 千人 ) 50 歳以上 44%( 現在 ) 48%(10 年後 ) 日本の人口 90 歳以上 85~89 歳 80~84 歳 75~79 歳 70~74 歳 65~69 歳 60~64 歳 55~59 歳 50~54 歳 45~49 歳 40~44 歳 35~39 歳 30~34 歳 25~29 歳 20~24 歳 15~19 歳 10~14 歳 5~9 歳 0~4 歳 日本の橋 ( 橋 ) 50 歳以上の橋 18%( 現在 ) 10 年後は 43% に 人口分布 : 平成 22 年国勢調査人口等基本集計 ( 総務省統計局 ) 橋 : 道路局調べ (H25.4) 東日本大震災の被災地域は一部含まず都道府県 政令市は 地方道路公社を含む 3
(1) 道路インフラの現状ー橋梁の高齢化 北海道と全国 全国では 10 年後には 50 歳以上の橋梁が全体の 4 割以上を構成 北海道では 10 年後には 50 歳以上の橋梁が全体の 3 割弱を構成 (20 年後は 5 割以上を構成 ) 北海道と全国の橋の年齢分布 5,000 (60,000) 12,000 4,000 (40,000) 8,000 3,000 2,000 (20,000) 4,0001,000 0 20,000 40,000 60,000 ( 橋 ) ( 千人 ) 50 歳以上 50 歳以上の橋 44%( 現在 ) 6%( 現在 ) 48%(10 年後 ) 27%(10 年後 ) 53%(20 年後 ) 北海道の橋日本の人口 90 歳以上 85~89 歳 80~84 歳 75~79 歳 70~74 歳 65~69 歳 60~64 歳 55~59 歳 50~54 歳 45~49 歳 40~44 歳 35~39 歳 30~34 歳 25~29 歳 20~24 歳 15~19 歳 10~14 歳 5~9 歳 0~4 歳 全国の橋日本の橋 ( 橋 ) 50 歳以上の橋 18%( 現在 ) 10 年後は 43% に 北海道の橋 : 開発局調べ (H25.4) 全国の橋 : 道路局調べ (H25.4) 東日本大震災の被災地域は一部含まず都道府県 政令市は 地方道路公社を含む 4
(1) 管理者別の道路延長と橋梁数 全国 日本では 全橋梁約 70 万橋のうち約 50 万橋が市町村道 日本の道路種別と延長割合 約 8,300km 約 23,200km 約 31,900km 約 129,300km 約 1,020,300km 高速自動車国道 ( 約 0.7%) 直轄国道 ( 約 1.9%) 線補助国道 ( 約 2.6%) 道路都道府県道 ( 約 10.7%) 市町村道 ( 約 84.1%) 自動車専用道路幹生活道 道路種別別橋梁数 高速自動車国道約 14,000 橋 ( 約 2%) 橋梁 (2m 以上 ) 市町村道約 70 万橋約 520,000 橋 ( 約 75%) 路直轄国道約 30,000 橋 ( 約 4%) 補助国道約 30,000 橋 ( 約 4%) 都道府県道約 100,000 橋 ( 約 15%) 合計約 1,213,000km (100.0%) 道路局調べ ( H25.4 ) 四捨五入により端数調整している 道路局調べ ( H25.4 ) 5
(1) 管理者別の道路延長と橋梁数 北海道 北海道では 全橋梁約 3 万橋のうち約 2 万橋が市町村道 日本の道路種別と延長割合 道路種別別橋梁数 約 700km 高速自動車国道 ( 約 0.8%) 約 6,700km 直轄国道 ( 約 7.4%) 約 11,800km 都道府県道 ( 約 13.1%) 自動車専用道路 幹線道路 高速自動車国道約 800 橋 ( 約 3%) 直轄国道約 3,600 橋 ( 約 12%) 約 71,000km 市町村道 ( 約 78.8%) 生活道路 市町村道約 20,000 橋 ( 約 68%) 橋梁 (2m 以上 ) 約 3 万橋 都道府県道約 5,000 橋 ( 約 18%) 合計約 90,100km(100.0%) 開発局調べ ( H24.4 ) 四捨五入により端数調整している 開発局調べ ( H25.4 ) 北海道管内に補助国道なし 6
(1) 通行規制橋梁の増加 地方公共団体管理橋梁では最近 5 年間で通行規制等が 2 倍以上に増加 地方公共団体管理橋梁の通行規制等の推移 (2m 以上 ) ( 橋 ) 2,500 2,000 2 倍以上に増加 1,764 1,874 2,012 2,104 1,500 1,313 1,000 977 500 0 H20 H21 H22 H23 H24 H25 道路局調べ ( H25.4 ) 東日本大震災の被災地域は一部含まず都道府県 政令市は 地方道路公社を含む メインケーブルの破損 主桁の腐食やコンクリート床版の剥離により通行規制を実施している事例 7
(2) 地方公共団体の現状 ( 技術者 点検方法 ) 町の約 5 割 村の約 7 割で橋梁保全業務に携わっている土木技術者が存在しない地方公共団体の橋梁点検要領では 遠望目視による点検も多く ( 約 8 割 ) 点検の質に課題あり 市区町村における橋梁保全業務に携わる土木技術者数 市区 N=391 町 N=367 0 人 (14%) 0 人 (46%) 1~5 人 (55%) 1~5 人 (52%) 6 人 ~ (31%) 0 人 1~5 人 6 人 ~ 6 人 ~ (2%) 地方公共団体が用いている橋梁点検要領の点検方法 約 8 割が 遠望目視等 市町村 173 団体 全部材近接目視 38 22% 村 N=90 0 人 (70%) 1~5 人 (30%) 6 人 ~ (0%) 遠望目視など 135 76% 道路局調べ (H25.10) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 道路局調べ ( H24.7 ) 点検の質が問題となった事例 ある市において 遠望目視で点検した約 50 橋を対象に 第三者機関が近接目視による点検を実施したところ 約 3 割で点検結果が異なっていた 8
2 メンテナンスサイクルを確定 ( 道路管理者の義務の明確化 ) 省令 告示 定期点検基準の体系 メンテナンスサイクルにおける定期点検基準の内容 9
1. 省令 告示 定期点検基準の体系 1 省令 告示で 5 年に 1 回 近接目視を基本とする点検を規定 健全性の診断結果を 4 つに区分 ( トンネル 橋などの構造物に共通 ) 2 点検方法を具体的に示す定期点検基準を策定 ( トンネル 橋などの構造物毎 ) 3 市町村における円滑な点検の実施のため 主な変状の着目箇所 判定事例写真等を加えたものを定期点検要領としてとりまとめ ( トンネル 橋などの構造物毎 ) 法令 定期点検基準の体系 道路法 政令 省令 告示 H26.3.31 公布 7. 1 施行 定期点検基準定期点検要領 H25.9.2 施行 維持 点検 措置を講ずることを規定 トンネル 橋及び 損傷 腐食その他の劣化その他の 健全性の診断結果を 4 段階に区分 異状が生じた場合に道路の構造又は交通に大きな支 障を及ぼすおそれのあるものについて定期点検を規定 5 年に1 回 近接目視を基本として実施 健全性の診断結果を 4 段階に区分 構造物の特性に応じ省令 告示に沿った具体的な点検方法 主な変状の着目箇所 判定事例写真等 ( トンネル 橋などの構造物 ) 構造物に共通の規定 ( トンネル 橋などの構造物 ) 各構造物毎に策定 10
道路法の改正 (H25.9.2 施行 ) < 道路法 > 道路の維持又は修繕を定める 第四十二条道路管理者は 道路を常時良好な状態に保つように維持し 修繕し もつて一般交通に支障を及ぼさないように努めなければならない 2 道路の維持又は修繕に関する技術的基準その他必要な事項は 政令で定める 3 前項の技術的基準は 道路の修繕を効率的に行うための点検に関する基準を含むものでなければならない 11
道路法等の改正に伴う政令 (H25.9.2 施行 ) < 道路法施行令 > 道路の維持 修繕に関する技術的基準等を定める 第三十五条の二法第四十二条第二項の政令で定める道路の維持又は修繕に関する技術的基準その他必要な事項は 次のとおりとする 一道路の構造 交通状況又は維持若しくは修繕の状況 道路の存する地域の地形 地質又は気象の状況その他の状況 ( 次号において 道路構造等 という ) を勘案して 適切な時期に 道路の巡視を行い 及び清掃 除草 除雪その他の道路の機能を維持するために必要な措置を講ずること 二道路の点検は トンネル 橋その他の道路を構成する施設若しくは工作物又は道路の附属物について 道路構造等を勘案して 適切な時期に 目視その他適切な方法により行うこと 三前号の点検その他の方法により道路の損傷 腐食その他の劣化その他の異状があることを把握したときは 道路の効率的な維持及び修繕が図られるよう 必要な措置を講ずること 2 前項に規定するもののほか 道路の維持又は修繕に関する技術的基準その他必要な事項は 国土交通省令で定める 12
道路法施行規則の一部を改正する省令 < 維持管理に係る省令の規定 > 道路の維持又は修繕に関する技術的基準等を定める 第四条の五の二令第三十五条の二第二項の国土交通省令で定める道路の維持又は修繕に関する技術的基準その他必要な事項は 次のとおりとする 一トンネル 橋その他道路を構成する施設若しくは工作物又は道路の附属物のうち 損傷 腐食その他の劣化その他の異状が生じた場合に道路の構造又は交通に大きな支障を及ぼすおそれがあるもの ( 以下この条において トンネル等 という ) の点検は トンネル等の点検を適正に行うために必要な知識及び技能を有する者が行うこととし 近接目視により 五年に一回の頻度で行うことを基本とすること 二前号の点検を行つたときは 当該トンネル等について健全性の診断を行い その結果を国土交通大臣が定めるところにより分類すること 三第一号の点検及び前号の診断の結果並びにトンネル等について令三十五条の二第一項第三号の措置を講じたときは その内容を記録し 当該トンネル等が利用されている期間中は これを保存すること 13
健全性の診断結果の分類に関する告示 トンネル等の健全性の診断結果の分類に関する告示等を定める トンネル等の健全性の診断結果については 次の表に掲げるトンネル等の状態に応じ 次の表に掲げる区分に分類すること 区分 状態 Ⅰ 健全構造物の機能に支障が生じていない状態 Ⅱ 予防保全段階 構造物の機能に支障が生じていないが 予防保全の観点から措置を講ずることが望ましい状態 Ⅲ 早期措置段階 構造物の機能に支障が生じる可能性があり 早期に措置を講ずべき状態 Ⅳ 緊急措置段階 構造物の機能に支障が生じている 又は生じる可能性が著しく高く 緊急に措置を講ずべき状態 14
メンテナンスサイクルにおける定期点検基準の内容 点検 部材の状態を把握 ( 腐食 亀裂 ゆるみ ひび割れ等 ) 点検の質を確保する上でのポイント 点検の頻度 方法 行う者 点検の着目箇所 診断 部材の健全性を診断するとともに 構造物単位での診断の結果もとりまとめる 診断のポイント 健全性の診断の手順 着目する変状の種類 措置 道路の効率的な維持及び修繕が図られるよう措置 記録 定期点検の結果 措置の結果を記録する 記録のポイント 記録方法 内容 保存期間 点検基準の内容 項目 適用範囲 定期点検の頻度 の方法 を行う者 健全性の診断手順 部材単位 構造物単位 措置 記録 ( 参考 ) 変状の種類と判定の単位 点検調書 15
3 メンテナンスを回す仕組みを構築 ( 予算 体制 技術 ) メンテナンス会議 について 地方公共団体に対する財政的支援について 地方公共団体を対象とした研修の充実について 16
メンテナンス会議 について 地方公共団体の三つの課題 ( 人不足 技術力不足 予算不足 ) に対して 国が各都道府県と連携して 支援方策を検討するとともに それらを活用 調整するため メンテナンス会議 を設置 現状の問題点 地方公共団体における三つの課題 ( 人不足 技術力不足 予算不足 ) により 点検が進まない 点検結果の妥当性確認ができない 適切な修繕等が実施できない 新たな対応案 国が各都道府県と連携し メンテナンス会議 を設置 メンテナンス業務の地域一括発注を実施 道路メンテナンス技術集団 の技術支援調整を実施するなど 各種支援制度の活用 調整等を協議会がマネジメント メンテナンスを回す仕組みの概念図 メンテナンス会議 が様々な支援策をマネジメント ( 事務局 : 国の事務所 県 ) が様々な支援策をマネジメント ( 都道府県ごとに設置 ) 技術力不足 技術支援調整 道路メンテナンス技術集団 ( 仮称 ) 地方公共団体向け研修の充実 修繕等代行 跨道橋の点検受託等 人不足 メンテナンス業務の地域一括発注 点検結果の確認 ( 一定の品質確保 ) 支援実施状況や配分方針の共有 活用する支援メニューの調整優先順位を踏まえた点検計画の調整 予算不足 健全度 ( 点検結果 ) 重要度に応じたさらなる重点配分 道路メンテナンス技術集団 ( 仮称 ) の支援を受けた点検等 大規模修繕を対象とした新たな支援制度の検討 17
地方公共団体に対する財政的支援について 点検を適正に実施している地方公共団体に対し 健全度や重要度に応じた交付金の重点配分や 複数年にわたり集中的に実施する大規模修繕 更新を支援する補助制度を検討 現状の問題点 橋梁等の修繕費用は増加する一方 交付金の全体額はほぼ横ばいで推移 限られた予算を効率かつ効果的に用いるためには 健全度や重要度 ( 緊急輸送道路 跨道橋 跨線橋等 ) の高い箇所に 今まで以上に資源を投入する必要 現行の防災 安全交付金では 複数年にわたり集中的に実施する大規模修繕 更新事業への支援が困難 新たな対応案 防災 安全交付金については 定期点検結果に基づく橋梁等の修繕 更新事業などに特化した整備計画に対して重点配分 健全度や重要度に応じた交付金のさらなる重点配分 複数年にわたり集中的に実施する大規模修繕 更新を支援する補助制度を検討 橋梁修繕関係の予算が年々増加 ( 交付金による執行等 ) ( 国費 ) 1,500 億円 1,000 億円 500 億円 351 億円 1.2 倍 418 億円 1.6 倍 680 億円 1.7 倍 ( 補正 :418 億円 ) ( 当初 :738 億円 ) 1,156 億円 H22 当初 H23 当初 H24 当初 H24 補正 +H25 当初 計数は社会資本整備総合交付金および防災 安全交付金 地域自主戦略交付金の総額 H22 H23 H24 は 各年度の交付金執行調査による H25 は 橋梁修繕関係等に特化した整備計画 (72 計画 ) に対する配分額の合計値 H25 については 橋梁修繕関係等に特化した整備計画 (72 計画 ) 以外の整備計画の中で実施するものもある 18
地方公共団体を対象とした研修の充実について メンテナンス体制を強化するため 地方公共団体の職員や民間企業の社員も対象とした研修を充実現状の問題点 地方公共団体の技術力が不十分 研修のカリキュラムが体系化されていない ( 地方整備局等が各々実施 ) 現在 技術事務所等において年間約 400 人を対象に研修を実施しているが 地方公共団体からは更なる実施を求める声がある 新たな対応案 点検 ( 維持管理関係 ) 研修橋梁 トンネルの維持管理に関する研修については 初級 中級 特論の 3 段階を準備し 研修を実施 ( 初級 ) 各地方整備局技術事務所において 地方公共団体の受け入れ枠を確保し 実務的な点検の実施に重点を置いた研修を実施 (1000 人 5 年間 ) ( 中級 ) 国土交通大学校において 直轄国道の点検 修繕 等が実施できるレベルの研修を実施 ( 特論 ) 国土交通大学校において 疲労 塩害 アルカリ 骨材反応などの特殊現象について その発生や対応を理論を含めて研修を実施 中級 特論は地方公共団体も受講可能 100% 80% 60% 40% 20% 0% 国に求める支援内容 28% 国における技術的助言 支援を実施する体制の充実 48% 講習会 研修会の実施 市区町村 24% 専門家の斡旋 派遣及び助言 86% 社会資本整備総合交付金等による財政支援 58% 点検 計画策定等の積算基準 ( 歩掛 ) の整備 38% 点検マニュアル類の整備 1% その他 複数回答有 ( 有効回答数 1,630) 出典 : 道路局調べ (H24.7) 19
資料 4 道路インフラの老朽化に関する取り組みについて 北海道開発局 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 1
道路インフラの老朽化に関する取り組み 2 点検 診断の実施 橋梁 トンネル 道路附属物等における各種点検要領に基づく 点検 診断の実施 橋梁長寿命化修繕計画の策定 平成 26 年 3 月に策定された 橋梁長寿命化修繕計画 に基づく 計画的な修繕工事の実施
点検 診断の実施 橋梁 トンネル 道路附属物等 各点検要領における点検 診断を実施 橋梁点検トンネル点検横断歩道橋点検 標識点検 ( 標識部 ) 標識点検 ( 柱部 ) 照明点検 3
橋梁長寿命化修繕計画 目次 4 1. 橋梁長寿命化修繕計画の背景と目的 2. 管内の橋梁の状況 3. 代表的な損傷事例 4. 予防保全の取り組み 5. 長寿命化修繕計画の基本方針 6. 長寿命化修繕計画 7. 長寿命化修繕計画による効果
1. 橋梁長寿命化修繕計画の背景と目的 5 背景 日本の道路橋は 昭和 30 年代に始まる高度経済成長期を中心に大量 に建設され これら道路橋の多くは建設後約 40 年 ~50 年が経過し 更に 管理橋梁の多くが 急速に高齢化が進む状況となっています 目的本計画は 定期点検による橋梁の状態の把握 予防的な修繕および計画的な架け替えを着実に進め 橋梁の長寿命化と修繕 架け替えに係る費用の縮減を図りつつ 重要な道路ネットワークの安全性 信頼性を確保することを目的とします
2. 管内の橋梁の状況 6 橋梁数 北海道開発局の橋梁の現況 (H25.4 現在 ) 管理橋梁数 鋼橋 RC 橋 PC 橋 混合橋 橋梁数 延長 (m) 橋梁数 延長 (m) 橋梁数 延長 (m) 橋梁数 延長 (m) 橋梁数 延長 (m) 3,622 259,804 1,867 166,732 246 4,808 1,450 66,224 59 22,040 ( 橋長 2m 以上 ) ( 上部工形式別割合 ) 混合橋 1.6% PC 橋 40.0% 全橋梁 3622 橋 鋼橋 51.5% RC 橋 6.8%
2. 管内の橋梁の状況 北海道開発局が管理する橋梁は3,622 橋ありますが (H25.4 現在 ) そのうち 1955 年から1973 年にかけての高度経済成長期に建設された橋は全体の約 50% を占めます 今後 高齢化する橋梁が一斉に増加すると見込まれることから 集中的な損傷の発生や多額の修繕 架け替えが必要となることが懸念されます ( 建設年別の橋梁数分布 ) 140 120 100 15m 以上 15m 未満 累積 100% 80% 橋梁数 80 60 60% 40% 累積 40 20 20% 0 0% 1930 1935 1940 1945 1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 高度経済成長期 (1955~1973 年 ) 7
2. 管内の橋梁の状況 8 橋梁の年齢の構成 北海道開発局が管理する建設後 50 年以上経過した橋梁数の全管理橋梁数に 占める割合は 現在の 14%(498 橋 ) から 20 年後には 59% まで急激に増加します 経過年数別橋梁割合 建設後 50 年以上の橋梁数の増加 10 年未満, 284 橋, 8% 50 年以上, 499 橋, 14% 現在 498 橋 10 年後 1518 橋 20 年後 2129 橋 10~19 年, 670 橋, 18% 20~29 年, 537 橋, 15% [ 2013 ] 30~39 年, 611 橋, 17% 40~49 年, 1021 橋, 28% その他, 86% 50 年以上, 14% その他, 58% 50 年以上, 42% その他, 41% 50 年以上, 59% [ 2013 ] [ 2023 ] [ 2033 ]
2. 管内の橋梁の状況 定期点検の実施状況 ( 橋梁 ) 北海道開発局では 3,622 橋の管理橋梁を日常のパトロール車による道路巡回と点検要領に基づく 原則 5 年に1 回の頻度の橋梁定期点検を実施しています 橋梁定期点検は 橋梁点検車や高所作業車などを使って 橋梁の損傷状態を目視により確認し 記録しています 道路巡回状況 近接目視による点検 高所作業車による点検 橋梁点検車による点検 9
2. 管内の橋梁の状況 10 橋梁の損傷状況 平成 25 年度の管理橋梁 3,622 橋のうち 平成 24 年度までに 3,525 橋の点検が 完了し 866 橋が補修が必要とされる C E と判定されています このうち C 判定 の橋梁は 道路の通行上には支障ありませんが 橋を長くもたせるためには 予 防的に次回点検までに補修を実施する必要があります また E 判定の橋梁につ いては 点検後速やかに補修する必要があります 対策区分別の橋梁数 S 34 橋 1% M 200 橋 6% E 4 橋 0% C 862 橋 24% A 309 橋 9% 点検済橋梁数 3,525 橋 (H24 年度末 ) B 2116 橋 60%
3. 代表的な損傷事例 厳しい条件下の道路では 顕著な損傷が発生します 凍害 による損傷積雪寒冷地域においては 凍害 によるコンクリートの損傷が問題となります とりわけ 北海道は 冬期の1 日の中での温度差が大きい事から 凍害による損傷を受けやすい環境にあります なお これらの損傷を補修する際には その他の損傷との関連を正しく評価するための十分な調査を行い 適切な補修を実施する必要があります 凍害による床版の剥離 凍害による床版の剥離 冬期に コンクリート中の水分が凍結 融解することにより コンクリート内部の水分の膨張などで コンクリートにひび割れや表面の剥離が生じ 徐々に劣化させる現象 11
12 3. 代表的な損傷事例 厳しい条件下の道路では 顕著な損傷が発生します 塩害 による損傷日本海側は海水飛沫や飛来塩分の強い地域が多く その影響を受けるため 橋梁は厳しい環境下に置かれています 実際 コンクリート桁に塩害 が発生している例が見られ その影響を詳細調査などで把握し 必要な措置を実施する必要があります 海水飛沫や飛来塩分の多い地域 海からの飛来塩分などに含まれる塩化物イオンがコンクリート内に入ることにより鉄筋が腐食 膨張し コンクリートにひび割れや剥離を生じさせる現象 上図は 点検結果から塩害による損傷が疑われる橋梁
13 4. 予防保全の取り組み 早めに治して長く持たせる取組が必要 予防保全の効果 予防保全を行うことで橋梁の長寿命化が図れ ライフサイクルコストの縮減が 可能となります 定期点検定期点検 現在 事後保全事後保全 損傷が深刻化損傷が深刻化してから対応してから対応 床版打換床版打換 架け替え (60 ( 平均年程度 60 年 ) ( 床版を例にした場合 ) 転換 損傷が発生して損傷が発生してから対応するから対応する対症療法型 コンクリートの修繕 ( ( 床版打換 ) ) 架け替えサイクルが長くなる 今後 予防保全予防保全 損傷が深刻化損傷が深刻化する前から対応 補修 補強補修 補強 架け替え 劣化の進行を予測劣化の進行を予測した上で適切なした上で適切な修繕を行う修繕を行う予防保全型 損傷が軽微な段階で対策工を実施することにより 橋梁機能の長寿命化を図る 50 年 ( 想定 )
4. 予防保全の取り組み 早めに治して長く持たせる取組が必要 予防保全の取り組み例定期的な点検により 早期に損傷を発見し 大規模な補修や架替に至る前に対策を実施しています 一般国道 275 号篠津川橋 ( 当別町 ) 昭和 41 年建設 (47 年経過 ) 平成 22 年度補修 床版の損傷 炭素繊維接着補強 床版の損傷の対策が遅れると 長期に亘り交通規制を要する 床版取替え が必要な状況に至ります 損傷が深刻化する前に 下面からの 炭素繊維接着 による対策を実施しました もし対応が遅れると 舗装が陥没 床版の損傷が深刻化 舗装が陥没 交通規制による 床版取替え 14
4. 予防保全の取り組み 早めに治して長く持たせる取組が必要 予防保全の取り組み例定期的な点検により 早期に損傷を発見し 大規模な補修や架替に至る前に対策を実施しています 一般国道 334 号日の出大橋 ( 斜里町 ) 昭和 49 年建設 (39 年経過 ) 平成 21 年度補修 主桁の塩害による損傷 表面被覆 電気防食による補修 塩害による損傷の対策が遅れると 鉄筋の腐食 コンクリートの剥落が進行し 架け替え が必要になります 損傷が深刻化する前に 塩分浸入防止のため 表面被覆 を 鉄筋腐食 コンクリート剥落抑制のため 電気防食 を実施しました もし対応が遅れると 塩害による損傷が進行し 危険な状況に 15
5. 長寿命化修繕計画の基本方針 計画対象橋梁と計画期間 計画の対象橋梁は 現在 北海道開発局が管理する橋梁のうち 橋長 2m 以上の橋梁 3,622 橋を対象とします 計画期間は H25~29 年度の5 年間とします 長寿命化修繕計画 の策定方針 従来の 事後保全型 から 予防保全型 の管理へ転換することにより橋梁の長寿命化を図ります 長寿命化修繕計画は H24 年度までに実施した橋梁定期点検の結果を基礎データをして策定します 計画の内容は 定期点検 補修 更新とします C 判定橋梁の補修計画の流れ 橋梁点検 1 ~ 4 年目 5 年目 C 判定 詳細設計 関係機関と協議 工事実施 2 回目点検 詳細設計関係機関と協議 工事実施 2 回目点検 16
6. 長寿命化修繕計画 17 基本方針に基づき 長寿命化修繕計画を作成し 計画的に実施します H25~29 年度までの点検 補修計画橋梁の箇所数は下記の表の通りです 定期点検により 毎年新たに対策が必要な橋梁が発見されるため 長寿命化修繕計画 は 最新の点検結果に基づき毎年見直します ( フォローアップ ) 点検 修繕橋梁数 ( 年度別 ) H25 計画 H26 計画 H27 計画 H28 計画 H29 計画 点検計画橋梁数 866 785 631 622 681 補修計画橋梁数 211 216 199 95 31 今後 (H25 年度以降 ) の橋梁定期点検による新たな C,E 判定橋梁の補修及び架替え橋梁は含まない
7. 長寿命化修繕計画による効果 早期発見 早期修繕により 施設の安全性を確保し 長寿命化 ライフ サイクルコストの縮減が可能となる 予防保全 点検道路施設を計画的に管理するため 35 30 25 20 15 10 長寿命化 ライフサイクルコスト縮減 床版防水伸縮装置交換 (15 年毎 ) 床版防水伸縮装置交換 (15 年毎 ) 補修 補強 定期点検等により健全度を把握 5 0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 塗装塗替 (10 年毎 ) 経過年数 ( 年 ) コンクリート床版ひびわれ注入 (35 年毎 ) 床版防水 伸縮装置交換 コンクリート床版ひびわれ注入 損傷がより深刻化する前の軽微なうちに対策を実施 18
北海道における 道路保全に関する取組について 北海道建設部土木局道路課
北海道の取組 1. 北海道橋梁長寿命化修繕計画 の策定 北海道が管理する橋梁を対象に平成 22 年 3 月 策定 2. 市町村支援について 市町村道橋梁について 関係情報の共有と 長寿命化修繕計画 の適正 円滑で早期の策定を図ることを目的として 平成 19 年度に 橋梁長寿命化連絡会 を各建設管理部に設立し 毎年講習会を実施し 市町村に対する技術的支援を実施 1
北海道橋梁長寿命化修繕計画 について
北海道橋梁長寿命化修繕計画 の背景と目的 背景 北海道が管理する道路橋は平成 21 年 4 月現在で5,154 橋 これらの多くが高度経済成長期に建設され 今後 急速に高齢化が進むことから 修繕や架替えにかかる費用が大きな財政負担となることが予想され 今後の重要課題となっている < 築造年代別橋梁数 > 3
北海道橋梁長寿命化修繕計画 の背景と目的 目的 建設後 50 年を経過する橋梁は 2010 年現在で183 橋 (3%) 2020 0 年には 1,133 橋 (22%) さらに20 年後で 2,462 橋 (48%) となり急速に橋梁の高齢化が進行 < 橋齢の推移 > 橋梁を合理的かつ効率的に維持管理することで安全で円滑な交通を確保するとともに 維持管理コストの縮減や平準化を図っていくことを目的に 公共土木施設長寿命化検討委員会を設置し 北海道橋梁長寿命化修繕計画 を平成 22 年 3 月に策定 4
橋梁長寿命化修繕計画の基本方針 予防保全型の維持管理 定期的な点検と小規模な修繕を繰り返し行うことで健全度を維持しながら長寿命化を図る予防保全型の維持管理を実施 本計画は長期的な視点に立って維持管理費の平準化やライフサイクルコストの縮減を図るため アセットマネジメント ( 資産管理 ) の考え方を導入した橋梁マネジメントシステム (BMS) により策定 < アセットマネジメントのイメージ > 5
投資分析結果 予防保全型のコスト縮減効果 橋梁の点検結果及び各橋梁の諸元を基に 橋梁マネジメントシステムで算出された今後 60 年間の橋梁補修に必要な総額は 大規模補修 更新 では 約 2 兆 5 千億円となるが 予防保全 ( LCC 最小 とほぼ同様 ) では約 9 千億円となり 試算結果では約 1/3のコストに縮減 <60 年間における累積投資総額 > 6
修繕工事の計画 修繕工事の優先順位 計画期間 予算上の制約を考慮して 第三者被害を及ぼす可能性のある橋梁 ( 跨道橋 跨線橋等 ) や橋長 100m 以上などの規模の大きな橋梁 ( 重要橋梁 ) を優先的に実施 本計画は H22~H23は準備期間として H24~H33 を本格的な計画期間としている 現 10 ヶ年計画は 重要橋梁 336 橋を優先的に予防保全管理へ移行できるように策定 7
橋梁点検の状況 橋梁点検の実施 北海道の 橋梁点検 維持管理要領 に則り 定期的(5 年に1 回 ) に橋梁の点検を行い損傷度を把握 点検結果は電子化を図り 今後の管理維持のため基礎資料として蓄積 橋梁点検の進捗状況は 平成 17 年度 :1 巡目完了 平成 22 年度 :2 巡目完了 現在 3 巡目 損傷度判定区分 径間 躯体別の部材単位ごとに 下記の 5 段階で損傷度を判定 8
鋼桁の腐食及び塗装劣化 代表的な損傷例 塗装の劣化が鋼材腐食の要因となるため 適切な時期での塗装塗り替えは 重要な予防措置 点検では 詳細な調査まで必要な橋梁は少ないが 経過観察すべき橋梁は多い状況 床版のひび割れ 遊離石灰 架設年次の古い床版には防水層が設置されておらず 雨水が床版の微少なひび割れに浸入し ひび割れ拡大や鉄筋の腐食をまねきやすい状況 ひび割れが床版の下面まで達すると雨水と一緒に出てきたコンクリート中の水酸化カルシウムが空気中の二酸化炭素と結びつき 遊離石灰となって現れる劣化が顕著 9
これまでの取り組み 修繕工事の取り組み 重要橋梁 336 橋については 本計画に基づき 橋梁修繕工事を54 橋実施 (H25 年度末現在 ) 取組事例 < 旭川深川線神納橋 > 主桁の塗装の劣化 < 古平神恵内線大雪崩橋 > 塗装の振り替え 橋脚のひび割れひび割れ補修 10
市町村の取組について
市町村の橋梁に対する取組 市町村管理橋梁の現状 (H25.4.1 現在 ) 市町村管理橋梁 7,333 橋のうち 点検実施橋梁が7,220 橋 (98%) 長寿命化計画策定橋梁が4,863 橋 (66%) 要修繕橋梁 1,674 橋のうち 修繕済橋梁が59 橋 (4%) 平成 26 年度の取組 平成 25 年度までに道内全市町村が橋梁長寿命化修繕計画を策定 修繕計画に基づく修繕事業が平成 26 年度以降本格化する予定 15m 以上の市町村橋梁について ( 平成 25 年 4 月 1 日現在 ) 項目 橋梁数 割合 摘要 管理橋梁 7,333 - 内点検実施橋梁 7,220 98% 割合 =7,220/7,333 内長寿命化計画策定橋梁 4,863 66% 割合 =4,863/7,333 要修繕橋梁 1,674 - 修繕済橋梁 59 4% 割合 =59/1,674 国土交通省 HPから 12
札幌市における道路保全に 関する取り組みについて 札幌市建設局土木部道路維持課
札幌市の概況 1. 地勢 行政区域面積 1,121.12 km2 市街化区域面積 250.17 km2 [ 平成 25 年 3 月 31 日現在 ] 総人口 1,936,639 人 [ 平成 26 年 4 月 1 日現在 ] 世帯数 926,038 世帯 [ 平成 26 年 4 月 1 日現在 ] ( 単位 :1,000 人 ) 2,000 1,500 1,000 500 0 高度経済成長期 S47 札幌オリンピック S25 S30 S35 S40 S45 S50 S55 S60 H2 高度経済成長期以降も人口増加は続いたが H27 をピークに減少の見込み 人口世帯数 H7 H12 H17 H23 H26 ( 単位 :100ha) 26 25 25 24 24 23 23 22 22 21 21 市街化区域面積の推移 平成 16 年頃まで開発行為等により 市街化区域が拡大 S45 S53 S60 H3 H10 H16 H19 H22 1
2. 道路管理延長及び橋梁管理数 [ 平成 25 年 4 月 1 日現在 ] 5,580.1Km 橋梁数 1,264 橋 うち道道 288.7km うち市道 5,291.4km ( 単位 :km) ( 単位 : 橋 ) 6,000 1,400 5,000 1,200 4,000 1,000 800 3,000 2,000 1,000 道道市道管理延長橋梁数 600 400 200 0 S50 S52 S54 S56 S58 S60 S62 H1 H3 H5 H7 H9 H11 H13 H15 H17 H19 H21 H23 H25 0 2
道路維持管理基本方針とは 道路維持管理基本方針 は 市民や道路利用者の安全 安心な生活を将来にわたり確保するとともに 社会的要請や施設状態などを踏まえつつ 良好な道路サービスを継続的に提供していくための考え方や取組方針である 平成 22 年 (2010 年 )3 月策定 3
道路維持管理基本方針の考え方 長期的な視点に立って 計画的かつ効率的な維持管理を実現するため 4 つの視点で取組みを進めるとともに 継続的な改善を図っていく 計画的かつ効率的な維持管理の実現に向けた 4 つの視点 Ⅰ 長寿命化の推進 橋梁などの大型構造物や劣化予測が可能な施設については 施設の長寿命化を推進し 既存ストックの有効活用を図る Ⅱ ライフサイクルコストの縮減 施設の規模や構造などの特性に応じて 最適な補修工法や時期等を定め ライフサイクルコストの縮減を図る Ⅲ Ⅳ 事業の平準化 事業効果の検証や計画の見直しなどを適宜行い 中長期的な予算や事業の平準化を図る 市民ニーズの反映 施設の管理目標や事業効果などを市民へ積極的に情報提供し 透明性の向上に努めるとともに 市民ニーズや社会的な要請を的確に捉え 維持管理行政に的確に反映する 4
基本方針に基づく施設別補修計画 札幌市道路維持管理基本方針 施設別補修計画 橋梁長寿命化修繕計画 幹線道路等舗装補修計画 補修計画 平成 22 年 (2010 年 )7 月策定平成 24 年 (2012 年 )3 月改定 平成 24 年 (2012 年 )3 月策定 5
橋梁長寿命化修繕計画 管理橋梁のグルーピング 橋梁長寿命化修繕計画の策定にあたり 札幌市が管理する全 1,256 橋 ( 平成 22 年度末時点 ) を 最も重要なグループ 1 次に重要なグループ 2 以下グループ 5 まで 橋梁の重要度に応じて 5 段階のグループに分け グループ 1,2 を 重要橋梁 グループ 3~5 を 一般橋梁 と位置づけました 重要橋梁 一般橋梁 グループ 適用条件 目標供用年数 維持管理レベル 1 JR 線 高速道路を跨ぐ 又は豊平川に架かる橋梁 ( 御料橋より下流 ) 100 年以上予防保全 (1) 2 3 4 5 1 に該当しない橋梁で 緊急輸送道路 都市計画道路上の橋梁 又は緊急輸送道路 都市計画道路を跨ぐ橋長 15m 以上の橋梁 12 以外の橋長 15m 以上の橋梁 12 以外の橋長 15m 未満の橋梁 ボックスカルバート橋など 100 年予防保全 (2) 60 年事後保全 6
管理橋梁のグルーピング図 H22 年度修繕計画 H23 年度計画策定 ( 対象 : 重要橋梁 247 橋 ) ( 対象 : 一般橋梁 1,009 橋 ) H23 年度修繕計画 ( 改訂版 ) ( 全 1,256 橋 ) 統合 維持管理レベル毎の標準補修工法 部材 予防保全 (1) 予防保全 (2) 事後保全 主桁 コンクリート表面被覆 + 断面修復断面修復 範囲小 断面修復 範囲大 鋼重防食塗装 (1 種ケレン ) 部分的塗装塗替え (3 種ケレン ) 部分的塗装塗替え (3 種ケレン ) 床版 コンクリート橋面複合防水 + ひびわれ注入橋面防水 + ひびわれ注入橋面防水 + ひびわれ注入 鋼重防食塗装 (1 種ケレン ) 部分的塗装塗替え (3 種ケレン ) 部分的塗装塗替え (3 種ケレン ) 下部工 コンクリート表面被覆 + ひびわれ注入ひびわれ注入ひびわれ注入 鋼重防食塗装 (1 種ケレン ) 部分的塗装塗替え (3 種ケレン ) 部分的塗装塗替え (3 種ケレン ) 7
修繕対象橋梁の選定 計画の対象期間平成 22 年度 (2010 年度 ) ~ 平成 31 年度 (2019 年度 ) の 10 年間 橋梁の重要度と健全度に応じた 5 つの分類毎に修繕対象橋梁を選定 450 橋 選定前 選定後 重要橋梁 247 橋 216 橋 一般橋梁 1,009 橋 234 橋 合計 1,256 橋 450 橋 健全度 悪 E 良 C B A 高 グループ 1 重要橋梁 一般橋梁 予防保全予防保全事後保全 グループ 2 5 年以内に補修を行う橋梁 劣化予測を行う橋梁 予防保全 重要度 グループ 3 グループ 4 緊急対策を行う橋梁 低 グループ 5 劣化予測を行う橋梁 事後保全 橋長 15m 未満で損傷が軽微か 健全な橋梁 検討対象検討対象外 単年度工事費 ( 億円 ) 累積工事費 ( 億円 ) 予防保全などの計画的な維持管理を基本とした長寿命化修繕計画の実施により 従来の事後保全的な維持管理と比較して 50 年間で約 2,900 億円 100 年間で約 3,200 億円のコスト縮減効果があると試算しています 400 350 300 250 200 150 100 50 0 2011 2018 2025 2032 2039 予防保全 ( 単年度 ) 事後保全 ( 単年度 ) 予防保全 ( 累計 ) 事後保全 ( 累計 ) 約 2,900 億円のコスト縮減 (50( 年間の累計 ) 2046 2053 2060 2067 2074 2081 2088 2095 約 3,200 億円のコスト縮減 (100( 年間の累計 ) 2102 2109 2116 2123 2130 2137 2144 2151 2158 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 8
幹線道路等舗装補修計画 計画策定の目的 適切な舗装補修を計画的に進めるために 管理道路約 5,600 kmのうち 特に重要である幹線道路等 ( 幹線道路及び緊急輸送道路 ) 約 570 kmを対象として 定期的な路面点検と適切な補修工法を行うことにより 舗装の延命化を図るとともにライフサイクルコストを縮減できるなど 計画的かつ効率的な舗装補修を実施することを目的として策定し たものである 図 - 幹線道路等舗装補修計画路線図 ( 約 570km ) 9
路線のグループ分けと管理目標 交通量によりグループ分けし グループ毎に 管理目標 ( 補修の目安 ) を設定している 計画対象路線 : 約 570km 総交通量大 (20,000 台 / 日以上 ) 総交通量小 (20,000 台 / 日未満 ) 大型車交通量大 (1,000 台 / 日 方向以上 ) グループ 1 123km(22%) グループ 3 63km(11%) 大型車交通量小 (1,000 台 / 日 方向未満 ) グループ 2 51km(9%) グループ 4 329km(58%) グループ 1 2 3 4 修繕の目安となる破損度合いひび割れ率わだち掘れ量平たん性 (IRI) 20% 25mm 5mm(7.1mm/m) 25% 30mm 6mm(8.5mm/m) 中長期シミュレーション 補修前 管理目標に基づき補修を行った場合 路面の劣化予測により 今後 50 年間の修繕費とライフサイクルコスト ( 修繕費 + 維持費 + 道路利用者費用 5) のシミュレーションを行った結果 修繕費は平準化すると年間約 9 億円と試算 費用 5,000 4,500 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 ( 単位 : 百万円 ) 5 道路利用者費用 : 車両走行費用と工事渋滞による時間損失費用を計上修繕費用 < 管理目標 ( 百万円 > ) 修繕 + 維持 + 道路利用者費用 ( 百万円 ) 9 億円 図 - 中長期のライフサイクルコスト年度 ( 平準化後 ) 10
km km
9,000 30 3,700km 30 50 40 50 30 40 30 1 30 H25 16% 2% 10% 22% 10 10 20 20 30 30 40 14% 1% 5% 17% 10 10 20 20 30 30 40 25% 40 50 27% 40 50 50 36% 50 25%
24%
2,110 240 17,600 1,870 12,600 2,110 30,200
2 230 16 500 230 16,500 10 1,000 240 17,600 360 1,600 150 2,600 1,230 4,800 130 3,600 1870 1,870 12,600 2,110 30,200
50 + +
40
40
24 11 25 6 24 25 6 24 25 9 4 25 9 4
1 2 3 4
地方公共団体への財政支援 資料 8
交付金制度の活用
交付金制度の活用 防災 安全交付金について 地方自治体が実施する次の取り組みを集中的に支援 地域住民の命と暮らしを守る総合的な老朽化対策及び事前防災 減災対策の取り組み 老朽化したインフラの長寿命化など計画的 戦略的な維持管理の取り組み 地震 津波や頻発する風水害 土砂災害に対する事前防災 減災対策 公共施設の耐震化等による安全性向上 密集市街地等の防災性の向上 防災公園の整備等 地域における総合的な生活空間の安全確保の取り組み 通学路の交通安全対策 道路の無電柱化 歩道 公園施設等の公共空間のバリアフリー化等 効果促進事業の活用によるハード ソフトの連携を通じた効果的な取り組み ハザードマップ作成 避難計画策定 避難訓練等 効果促進事業は全体事業費の 20% 目途 ( 社会資本整備総合交付金と同様 防災 安全対策の一層の充実のため 交付金の支援対象メニューを拡大 天井などの非構造部材まで含めた住宅 建築物の耐震化 既設エレベーターの安全確保 宅地の液状化対策等 平成 26 年度道路関係予算概算要求概要抜粋 道路ストックの総点検と地方公共団体への支援等による老朽化対策の推進 - 地方整備局等や研究機関が中心となって地方公共団体への技術支援を充実 - 橋梁の修繕 架替 撤去など老朽化対策に対する防災 安全交付金の重点配分等による財政的支援 修繕 更新の代行の実施
地方公共団体への財政支援 交付金の補助率及び自治体負担について 自治体におけるインフラ等の点検及び計画策定については H24 年度補正予算より創設された防災 安全交付金を活用し効果促進事業 (C 事業 ) で取り組んでいるところ 補助率は0.55 0.7( 自治体の財政力指数に応じて引き上げ ) H25 年度途中より点検 計画策定について 基幹事業 (A 事業 ) で可能となったところ 点検 計画策定後は基幹事業 (A 事業 ) で修繕 補修事業を実施 補助率は0.6 0.7( 自治体の財政力指数に応じて引き上げ ) 地方負担割合分 (0.4~0.3) については 自治体により各種地方債を充当している 充当率は各種地方債で異なるが 90~100%(~10% 分は一般財源で対応 ) H25 までは点検 計画策定等委託業務における地方負担 ( 裏負担 ) については 地方債を充当出来ないため一般 財源で対応 H25 年度より取り組んでいるストック総点検については 橋梁に限らずトンネル 舗装 道路附 属物 法面 盛土 擁壁等とストック量も大きいため 財政上の対応に苦慮していたところ
地方公共団体への財政支援 老朽化対策に係る地方財政措置 ( 地方債 ) について 1. 橋梁等の撤去費用 橋梁等の撤去費用について 制度改正により地方債の対象化 公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本的な方針等を定めた 公共施設等総合管理計画 に基づく撤去が対象 2. 修繕事業 道路等の補修 改修に係る事業であって 施設の延命化や機能強化に資する事業に要する経費 地方債の対象となるとの総務省見解 道路の修繕事業 が該当する旨を周知 3. 点検等経費 建設事業と一体の事業として認められる点検等については 地方債の対象となる旨 総務省より通知 具体的な運用について確認
資料 9 地方公共団体への技術支援 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
点検に係る講習会等の実施 点検に係る講習会の実施 平成 25 年度の取り組み 道路ストック総点検に関する説明会 開発局職員及び地方公共団体職員を対象に実施 道路ストックの総点検に関する説明会 開催日 : 平成 25 年 5 月 8 日 出席者 :114 市町村 (164 名 ) ほか計 193 名 平成 26 年度の取り組み トンネル等定期点検基準 ( 案 ) および要領 ( 案 ) に関する説明会 開催日 : 平成 26 年 4 月 17 日 ( 開発局研修センター ) 出席者 :51 市町村 説明会状況 道路ストックの総点検に関する現地説明会 開催日 : 平成 25 年 9~11 月 場所 : 全道 (13 箇所 ) 出席者 : 計 573 名 説明会の状況 法面点検講習状況 橋梁等点検基準 要領に関する説明会を各地方で開催予定 1
研修の実施について メンテナンス体制を強化するため 開発局職員に加えて 地方公共団体の職員も対象とした研修を実施 新たな研修 メンテナンスエキスパート ( 橋梁初級 ) 研修 10 月実施予定 国 15 名 地方公共団体 35 名 橋梁に関する基礎知識 維持管理 更新に係る点検要領の習得を目的 橋梁の損傷 補修補強 点検 設計等 ( 座学 ) 現場実習計 5 日間 メンテナンスエキスパート ( トンネル ) 研修 11 月実施予定 国 20 名 地方公共団体 10 名 トンネルに関する基礎知識 維持管理 更新に係る点検要領の習得を目的 トンネルの設計 施工 点検 補修等 ( 座学 ) 現場実習計 5 日間 メンテナンスエキスパート ( 土工 ) 研修 10 月実施予定 国 15 名 地方公共団体 35 名 道路土工に関する基礎知識 被災時の記録 保存に係る技術の習得を目的 道路土工の点検手法 被災事例 措置事例等 ( 座学 ) 現場実習計 5 日間 2
資料 10 老朽化に関する広報活動 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
老朽化に関する理解促進について 老朽化の現状や対策について 広く理解を深めるため 以下の取り組みを実施する予定 1. ホームページ (H26.6.6 開設済 ) 開発局 HP に 老朽化した道路施設の現状や 老朽化対策の取り組み状況等を蓄積 2. パネルの掲載 公共施設等において 老朽化した道路施設の事例や 老朽化対策に関するパネル展を開催 3. 現地見学会の開催 地方自治体職員をはじめ 地域住民や学生等を対象に現地見学会を開催 1