5 事業用の車両等を売却 ( 譲渡 ) した場合の売却益 ( 譲渡益 ) 売却損 ( 譲渡損 ) については 事業所得とはならない 総合課税の譲渡所得 ( 土地 建物以外 ) の扱いになり 所有期間 (5 年超か以下か ) によって長期譲渡所得 短期譲渡所得に区分される 6 使用可能期間が1 年未満

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税法実務コース 所得税 学習スケジュール 回数 学 習 テ ー マ 内 容 第 1 章 テーマ1 所得税の仕組みテーマ2 所得税額の計算テーマ3 非課税所得 所得税の仕組み 税額計算 所得税が課税されないものについて学習します テーマ1 各種所得金額の計算の概要テーマ2 利子所得テーマ3 配当所得

スライド 1

FX取引に係る確定申告について

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

スライド 1

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

平成 28 年度市民税 県民税申告の手引き 申告書を提出しなければならない人平成 28 年 1 月 1 日現在 幸手市内に住所を有する人 (1 月 2 日以降に幸手市に転入した人は従前の住所地で申告を行ってください ) ただし 次に該当する人は この申告をする必要はありません 1 平成 27 年分の

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(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

必要経費の考え方 所得の種類によって 名前は異なるが 内容としては 必要経費 にあたるものを示していると考える ( 例 ) 配当所得の場合 株式取得の借入金利子給与所得の場合 給与所得控除額雑所得 ( 公的年金 ) の場合 公的年金等控除額譲渡所得の場合 取得費用などの他 特別控除額一時所得の場合

平成19年度市民税のしおり

平成19年度分から

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

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Microsoft Word - 個人住民税について(2018~2022)


妙高市 税に関するWEBページ

Microsoft Word - 個人住民税について


妙高市 税に関するWEBページ

所得控除 雑損控除 医療費控除 社会保険料控除等 旧生命保険料控除 旧個人年金保険料控除 ( 実質損失額 - 総所得金額等の合計額 10%) 又は ( 災害関連支出の金額 -5 万円 ) のうち いずれか多い方の金額医療費の実質負担額 -(10 万円と総所得金額等の 5% のいずれか低い金額 ) 限

2018年 租税法基礎答練1回

平成19年度税制改正.xls

相続税の改正 -平成23年度税制改正大綱

(1) 所得階級別人員 区 分 給与所得者 所得者別内訳 雑所得者 他の区分に該当しない所得者 人人人人人人人人人 70 万円 以下 25,319 1,201 20,012 54, ,063 6, , 万円 12,048 2,039 8,935 22,

退職金についての市県民税はどうなるの? 私は平成 28 年 4 月に退職しました 勤続 30 年で退職金は 2,100 万円ですがこの退職 金に対する市県民税はいくらですか 通常の市県民税の課税は前年中の所得に対し翌年課税されるしくみになっていますが 退職金に対する課税については 他の所得と分離して

個人市民税 控除・税率等の変遷【市民税課】

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

Z-64-A 簿記論〔第一問〕-解 答-

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Ⅰ 年の中途で行う年末調整の対象となる人 年末調整は 原則として給与の支払者に 給与所得者の扶養控除等 ( 異動 ) 申告書 ( 以下 扶養控除等申告書 といいます ) を提出している人について その年最後に給与の支払をする時に行うことになっていますので 通常は12 月に行うこととなりますが 次に掲

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

平成16年度

第5回基礎問題小委員会 礎5-4

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Q1 市県民税 ( 住民税 ) とはどんな税金ですか? A1 その年の1 月 1 日現在 市内に住所がある個人に対し 前年中の所得 ( 給与 年金 営業 不動産 譲渡などの所得 ) に応じて課税されます また その年の1 月 1 日現在市内に住所がなくても 市内に事務所 事業所又は家屋敷があれば課税

平成16年度

配当所得 配当所得の金額 = 収入金額 - 元本取得のための ( 源泉徴収前 ) 借入金の利子 原則 支払い時に源泉徴収 確定申告によって精算 総合課税 申告不要あり 株式の配当 株式投資信託の収益分配金 保険会社から受け取る基金利息など 申告分離課税あり 例外 非課税株式投資信託の特別分配金 (

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第 11 表の 1 平成 25 年度個人の市町村民税の納税義務者等に関する調 所得割のみを納める者 納税義務者 ( 人 ) 所得割額 ( 千円 ) 給与所得者営業等所得者農業所得者その他の所得者給与所得者営業等所得者農業所得者その他の所得者 1 下 関 市

株式等の譲渡(前年からの繰越損失を譲渡所得及び配当所得から控除)編

< 所得控除の詳細 > 1 所得控除額計算一覧表 控除名 控除の詳細 控除額町県民税 控除額 参考 所得税 次の イ と ロ のい 次の イ と ロ のい ずれか多い方の金額 ずれか多い方の金額 災害や盗難等により 本人や本 イ ( 損害金額 - 保険 イ ( 損害金額 - 保険 雑損控除 人と同一

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

(3) 市町村民税の特別徴収義務者に関する調 ( ロ ) 年金特徴に係る分 特別徴収義務者数 ( 単位 : 人 千円 ) 納税義務者数 特別徴収税額 特別徴収税額の内訳 (b)+(c) 納税義務者数うち均等割のみ (a) 所得割額 (b) 均等割額 (c) 高知市 9 19,810 3,962 60

平成13年度 住民税のしおり

3 ページ 4 ページ 5 ページ 5 6 ページ 7 ページ 8 ページ 8 ページ 9 ページ 10 ページ 2

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住民税 所得税の税率国から地方への税源移譲に伴い 平成 19 年度から住民税所得割の税率が 10% に統一され 所得税の税率が 4 段階から 7 段階の累進税率に改正されています 住民税については平成 19 年度分 ( 平成 19 年 6 月納付分 ) 所得税については平成 19 年分 ( 平成 1

株式等の譲渡(前年からの繰越損失を譲渡所得及び配当所得等から控除)編


[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

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平成 31 年度 ( 平成 30 年分 ) 所得控除 雑損控除 納税義務者又はその者と生計同一の配偶者 その他親族が有する資産について 災害 盗難 横領によ る住宅 家財 現金の損害一定額 控除計算 A B いずれか多い方の金額 A:( 損失額 - 保険金等による補てん額 )-( 総所得金額等の合計

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地震保険料 寡婦控除寡夫控除 あなたやあたなと生計を一にする配偶者その他の親族が所有している居住用家屋 生活用動産を保険や共済の目的とする契約で かつ 地震 噴火又は津波等を原因とする火災 損壊等による損害の額を補てんする保険金や共済金が支払われる地震保険 また平成 18 年末までに結んだ保険期間

一発合格!FP 技能士 3 級完全攻略実戦問題集 年版 別冊 FP 技能士 3 級 2018 年 9 月実施試験 解答 & 解説 実技試験個人資産相談業務 ( 金融財政事情研究会 ) 問題 解答 解説 第 1 問問 1 1 1) 適切 医療費の一部負担金等の額が自己負担限度額を超える場合

著作権について 本冊子は著作権法で保護されている著作物であり 本冊子の使用に関しては 以下の点にご注意くださ い 本冊子の著作権は 創企株式会社に属します 創企株式会社の許可なく 本冊子の全部又は一部をいかなる手段においても複製 転載 流用 転売 する事を禁じます 創企株式会社の許可なく 本冊子から

第 2 問問 4 2 < 遺族に必要な生活資金等の総額 > 生活費 30 万円 50% 12 カ月 29 年 =5,220 万円 死亡整理資金( 葬儀費用等 ) 200 万円 緊急予備資金 300 万円 住宅ローンについては団体信用生命保険に加入しているので計算に含めない合計 5,220 万円 +2

給与所得控除 給与収入の金額控除額 162 万 5,000 円以下 65 万円 162 万 5,000 円超 180 万円以下収入金額 40% 180 万円超 360 万円以下収入金額 30% + 18 万円 360 万円超 660 万円以下収入金額 20% + 54 万円 660 万円超 1,00

市 県民税 ( 住民税 ) 市民税は 県民税と合わせて住民税と呼ばれ 住民のみなさんがそれぞれの税の負担能力に応じて分担し合うという性格をもつ税金で 個人が負担する個人市民税と 会社などが負担する法人市民税があります 市民税には 均等の額によって納めていただく均等割と 個人の所得に応じて納めていただ

MR通信H22年1月号

Microsoft Word 役立つ情報_税知識_.doc

配当所得は 他の所得と総合し 累進税率を適用して税額を計算しますが 一定の上場株式等の配当等については 他の所得と分離して税額を計算する申告分離課税を選択することができます ただし 申告分離課税を選択すると 配当控除を受けられず 確定申告をする一定の上場株式等の配当等の全てについて総合課税とするか

給与所得控除 給与収入の金額 控 除 額 162 万 5,000 円以下 65 万円 162 万 5,000 円超 180 万円以下 収入金額 40% 180 万円超 360 万円以下 収入金額 30% + 18 万円 360 万円超 660 万円以下 収入金額 20% + 54 万円 660 万円

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

税金読本(3-2)住民税(所得割)の計算方法と納税

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

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3 特別徴収義務者の指定及び特別徴収税額の決定手続 5. 給与所得に係る特別徴収義務者の指定等 ( 法 3の4) 市町村は 特別徴収の方法によって個人の住民税を徴収しようとする場合には 当該年度の初日においてその納税義務者に対して給与の支払いをする者のうち 所得税の源泉徴収義務がある者を 当該市町村

所得税算出の流れ Q&A 通信の所得税の流れを詳しく教えてください 改めて以下の図版を見てください は収入から引かれる金額です 引かれる金 額の算出の計算方法をこれから解説します 1 支払金額 ( 給料 賞与 ) 2 給与所得控除後の金額 A 給与所得 所得税算出の流れ B 課税所得 D 所得税 E

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

CONTENTS 第 3 章税額控除と申告 納付 1 外国での税額や配当所得がある場合 75 ~ 住宅借入金等特別税額控除 ~ 80 ~その他の税額控除 ~ 86 2 変動所得と臨時所得 92 3 所得税の申告 納付 97 4 申告 納付手続きと国税処分 不服申立て 101 このコースは, 平成 2

上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 平成 26 年 1 月 1 日 ~ 平成 49 年 12 月 31 日 平成 50 年 1 月 1 日 ~ % (

以下の表のように計算されます 総 所 得 金 額 所得控除 課税総所得金額 退職所得金額 雑 損控除額 課税退職所得金額 山林所得金額 土地等に係る事業所得等の金額 土地建物等に係る譲渡所得金額 医療費 社会保険料 小規模企業共済等掛金 生命保険料 地震保険料 配偶者 配偶者特別 課税山林所得金額

計算してみましょう あなたの個人住民税はいくらになりますか? 高知市に住む T さんの場合 ( サラリーマン ) 家 族 妻 ( パートタイム労働者 収入 120 万円 : 所得 =120 万円 -65 万円 =55 万円 ) 子 人大学生 中学生 収 入 万円 社会保険料 万円 新生命保険料 万円

株式等の譲渡(特定口座の譲渡損失と配当所得等の損益通算及び翌年以後への繰越し)編

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第 1 章 図 所得の種類 15

土地建物等の譲渡(マイホームの売却による譲渡損)編

2018 年版 初めての 年末調整セミナー 概要編 ハッピーニャーゴ 担当講師 : 平賀信幸 社会保険労務士ファイナンシャルプランナー (CFP 1 級 FP 技能士 )

あなたと生計を一にする配偶者やその他の親族が受け取る公的年金等から引き落とされている国民健康保険 料 後期高齢者医療保険料 介護保険料はあなたの控除の対象とはなりませんので御注意ください 5 生命保険料控除 地震保険料控除 について それぞれ該当する欄に昨年中に支払った金額を記入し 以下の計算方法に

イ税務署へ確定申告書を提出し 所得税の住宅ローン控除の適用を受けている 退職所得 山林所得がある方 所得税の平均課税の適用を受けている方は 住宅ローン控除申告書を提出することにより控除額が大きくなる場合があります 申告書を提出される方は3 月 15 日 ( 月 ) までに申告してください 申告しなけ

やさしい税金教室

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

スライド 1

(1) 所得階級別人員 区 分 給与所得者 所得者別内訳 雑所得者 他の区分に該当しない所得者 人人人人人人人人人 101,854 4,401 83, ,004 1, ,147 11, , 万円 48,089 6,650 38,697 47,71


給与の所得金額の算出速算表 収入金額 給与所得の金額 0 ~ 650, ,000 ~ 1,618,999 収入金額 -650,000 1,619,000 ~ 1,619, ,000 1,620,000 ~ 1,621, ,000 1,622,000 ~ 1,6

スライド 1

雑 ( その他 ) 生命保険の個人年金 原稿料 講演料 シルバー人材センターからの配分金など 他のいずれにも該当しない所得です なお シルバー人材センターからの配分金は 家内労働者等の必要経費の特例が受けられます 総合課税の譲渡土地 建物等以外の資産 ( ゴルフ会員券 貴金属等 ) の譲渡から生じる

第 5 章 N

STEP2 前年の収入等を入力 給与収入 給与収入がある方は 給与所得の源泉徴収票の 支払金額 欄に記載している金額を入力します 給与収入がない方は入力不要です 源泉徴収票が複数枚ある方は それぞれの 支払金額 を合算して入力します ただし 源泉徴収票の摘要欄に 前職給与, 円 等の記載がある方 (

町・県民税は次のように計算されます

Transcription:

FP3 級試験のポイント < タックスプランニング > 所得税は国が課税する国税であり 納税義務者と担税者が同一人の直接税である また納 付税額は自分で確定させる申告納税方式である 1. 所得税の基本事項 1 所得税の基本原則は 個人単位課税 暦年単位課税 応能負担の 3 つの原則から成り立 っている 2 所得税の考え方は 収入金額 必要経費 = 所得金額 という方法で計算し この所 得金額に税率を掛けることによって税額を計算する 3 給与所得者の通勤手当 (1ヶ月あたり10 万円以内 ) や出張旅費 ( ただし 通常必要と認められるものに限る ) や生活用動産 (1 個あたり30 万円以上の貴金属 書画 骨董品などは除く ) の譲渡 遺族が受け取る遺族年金 雇用保険の失業給付金などは 社会通念上またはその他の理由により所得税が課税されない非課税所得である 4 所得税では 個人ごとの担税力 ( 税金の支払い能力 ) を考慮し 所得が大きいほど税率が 高くなる超過累進課税率が採用されている 5 長期譲渡所得 ( 土地 建物以外 ) および一時所得は総合課税の対象であり それぞれの 金額に 1/2 を掛けて総所得金額に算入する 2. 各種所得 (10 種類 ) の内容 1 利子所得は 原則は総合課税であるが現在は 一律 20% の源泉分離課税 ( 所得税 15% 住民税 5%) であり 原則として確定申告をする必要はない 2 配当所得の金額を計算するとき 株式等を借入金で取得している場合には その借入金 の利子 ( 負債の利子 ) を収入金額から差し引くことができる 3 不動産所得とは 土地や建物などの貸付けによって得られる所得のことであり 例えばア パートの貸付による所得などがこれにあたる 尚 その貸付が事業的規模であるかどうか は問われない 4 従業員に社宅等を貸し付ける場合 下宿等で食事を供する場合 有料駐車場で保管責任 を伴う場合は 不動産所得とはならない 事業所得 ( または雑所得 ) となる 1

5 事業用の車両等を売却 ( 譲渡 ) した場合の売却益 ( 譲渡益 ) 売却損 ( 譲渡損 ) については 事業所得とはならない 総合課税の譲渡所得 ( 土地 建物以外 ) の扱いになり 所有期間 (5 年超か以下か ) によって長期譲渡所得 短期譲渡所得に区分される 6 使用可能期間が1 年未満または 取得価額が10 万円未満の減価償却資産 ( 小額償却資産 ) は その取得価額の全額を必要経費とすることができる また 取得価額が10 万円以上 20 万円未満の減価償却資産 ( 一括償却資産 ) については 3 年間で取得価額の1/3 ずつを償却する方法を選択することができる 7 不動産所得 事業所得 または山林所得 ( 不 事 山 ) を事業として行っている事業主の親族が その事業に従事している場合 一定の要件を満たせば その親族に支払った給与の一定の額をその事業の必要経費に算入することができる ( 青色事業専従者給与 ) つまり 通常は必要経費として認められないものを認める制度である 8 給与所得の金額を計算する際には 勤務先からの収入金額から収入金額に応じた給与所得控除額 ( 最低 65 万円 いわゆるサラリーマンの必要経費 ) を控除する また年収 2000 万円以下の場合は 給与の支払者 ( つまり会社 ) が年末調整を行うことによって原則確定申告の必要はない 9 総合課税となる譲渡所得 ( 土地 建物以外 ) の特別控除額は 長期 短期の区別なく総額 で最高 50 万円である 10 一時所得とは 営利をも目的としない非継続的な所得のことであり 生命保険の満期一時 金 ( 返戻金 ) などが典型である ただし 年金方式で支払われる生命保険金 ( この場合は雑 所得 ) や宝くじの当選金 ( 非課税 ) などは一時所得とはならない 11 雑所得とは 他の所得に該当しない所得であり 年金形式で受け取る収入がその典型で ある 他には割引債の償還差益や作家以外の原稿料 ( 本業以外 つまり副業収入 ) などが これに該当する 12 退職所得 山林所得 譲渡所得 ( 土地 建物 株式等 ) は分離課税であり その金額は他 の所得とは合算されずに税額計算される 13 退職所得において 退職所得の受給に関する申告書を提出している場合は 超過累進課 税により所得税が源泉徴収される 確定申告の必要はない 退職所得控除額の計算式 は頻出問題であるため必ず暗記すること! 14 一方 退職所得の受給に関する申告書を提出していない場合は 収入金額に対して 20% 2

の所得税が源泉徴収される 税額の清算 ( 還付金をもらうため ) には確定申告が必要にな る 3. 損益通算 1 10 種類の所得のうち 一定の所得に赤字 ( ) がある場合は 他の黒字 (+) の所得の金 額と損益の通算ができる ただし損益通算の対象となる損失は不動産所得 事業所得 山 林所得 譲渡所得 ( 不 事 山 譲 ) の損失に限られる 2 貴金属等 (1 個あたり 30 万円を超えるもの ) や別荘などの生活に通常必要でない資産の 譲渡による損失については 損益通算できない 4. 所得控除 1 所得控除とは 社会政策の観点からや 納税者の個人的事情を考慮して税負担の調整を 図るため一定の額を課税標準から控除するものである 全部で 14 種類ある 2 医療費控除は 本人または本人と生計を一にする配偶者やその他の親族のための医療 費を 本人が支払った場合に控除される 医療費控除の問題は頻出のため控除額の計 算式は必ず覚えること! 3 医療費控除は年末調整では適用されない 適用を受けるためには 医療費の領収書など を添付して確定申告する必要がある 4 確定申告で ( 自営業者などが ) 国民年金保険料について社会保険料控除の適用を受ける 場合には 支払証明書の添付等が必要である 控除額は社会保険料の全額となる 5 地震保険料控除の控除額は 最高 5 万円である 尚 平成 18 年末までに締結した長期損 害保険契約については最高 1 万 5 千円まで控除できるが 地震保険と合わせて控除額は 最高 5 万円までとなる 6 配偶者控除は 本人に控除対象配偶者 ( 本人と生計を一にし 且つ 合計所得金額が 38 面円以下の配偶者 ) がある場合に控除される 控除額は 38 万円 (70 歳以上は 48 万円 ) 7 配偶者特別控除は 配偶者の合計所得金額が 38 万円超 76 万円未満で 納税者本人の 合計所得金額が 1000 万円以下である場合に控除される 控除額は配偶者の合計所得 金額に応じて 最高 38 万円 8 扶養控除は 扶養親族 1 人あたり 38 万円であるが 16 歳以上 23 歳未満の扶養親族は 3

特定扶養親族にあたり 扶養控除額は 63 万円である 9 青色事業専従者として給与の支払いを受けている場合には 控除対象配偶者や扶養親族 に該当しないため 配偶者控除 扶養控除の適用を受けられない また配偶者特別控除 の適用もない 10 納税者には一律 38 万円の基礎控除がある 11 障害者控除 寡婦 ( 寡夫 ) 控除 勤労学生控除も控除額は原則 27 万円である 5. 税額控除 1 税額控除とは 税額計算で算出した所得税の合計額から直接控除するものであり 配当 控除 外国税額控除 住宅借入金等特別控除 ( 住宅ローン控除 ) 耐震改修特別控除など がある 2 上場株式の配当等については 配当控除の適用を受けるためには確定申告をする必要が ある つまり 申告不要制度 ( 源泉徴収 ) を選択した場合は適用されない 3 配当控除の金額は 課税総所得金額が 1000 万円以下の場合には 配当所得の金額 1 0% 課税総所得金額が 1000 万円超の場合には 1000 万円を超える部分に相当す る配当所得の金額 (A) 5%+( 配当所得の金額 (A)) 10% となる 4 住宅借入金等特別控除 ( 住宅ローン控除 ) の取得者についての適用要件には 6 ヶ月以内 に入居 返済期間が 10 年以上のローンであること 控除を受ける年の合計所得金額が 3 000 万円以下であることなどがある 6. 所得税の申告 納付 1 申告納税制度では 1 月 1 日から 12 月 31 日までの 1 年間の所得とそれに基づいて算出し た所得税額を 翌年の 2 月 16 日から 3 月 15 日までの間に確定申告および納付をすること が原則となっている 2 給与所得者 ( サラリーマン等 ) は 年末調整を受けるため 原則として確定申告を行う必要はないが 給与所得が2000 万円を超える人や 給与所得 退職所得以外の所得 ( つまり副業 ) が20 万円を超える人は確定申告を行う必要がある また 雑損控除 医療費控除 寄付金控除を受けようとする場合も確定申告が必要となる 3 死亡した者の確定申告を準確定申告といい 相続人は相続の開始があったことを知った 4

日 ( 死亡した日ではない!) の翌日から 4 ヶ月以内に 被相続人の確定申告をしなければ ならない 4 一定の帳簿を備え付け正確な記帳を行う者には 所得計算 申告 納付などの手続きにおいて数々の特典を与えられている これを青色申告制度といい 不動産所得 事業所得または山林所得が発生する業務を行っている人が 所管税務署長に申請書を提出し その承認を得ることにより 青色申告者となることができる 5 青色申告特別控除の控除額は原則 10 万円だが 正規の簿記の原則に従った方法 ( 複式簿記 ) により記録された会計帳簿をもとに 貸借対照表 (B/S) および損益清算書 (P/L) などを作成し これらを確定申告所に添付している場合には65 万円を控除することができる 6 青色申告者は 所得に赤字 (-) があった場合 翌年以降 3 年間 純損失の繰越控除を受 けることができる 7. 個人住民税 個人事業税 消費税 1 個人住民税には 都道府県民税と市町村民税があり 前年の所得をもとに課税される 2 個人住民税は その年の 1 月 1 日現在の住所地の市町村に納付する 年の途中で住所 の変更があっても その年については 変更前の市町村に納付する 3 住民税の納付手続きには 市町村からの納税通知書の交付による普通徴収の方法と 市町村に代わり給与の支払者 ( つまり会社等 ) が住民税を預かって納付する特別徴収の 方法がある 4 個人事業税は 個人が行う一定の事業所得または不動産所得に対して課税される た だし 不動産所得については 貸付規模が 5 棟 10 室 ( 事業的規模か否かの基準 ) 未満の 小規模である場合には課税されない 5 個人事業税には 年間 290 万円の事業主控除が認められている 尚 青色申告特別控 除の適用はない 6 消費税の税率 (5%) は国税 (4%) と地方消費税 (1%) とで構成されている 7 消費税は 国内における商品やサービスの消費に対して広く公平に課税されているが 消費の概念になじまないものや社会的な配慮から 土地の譲渡や貸付 住宅の貸付 社会保険医療などは非課税取引となっており この場合消費税は課税されない 5

8 消費税は 基準期間となる 1 年間の課税売上が 1000 万円以下である場合には 免税 事業者となり その課税期間の納税義務は免除される 9 個人事業者の消費税の申告 納付期間は 翌年の 1 月 1 日から 3 月 31 日までの間であ る 6