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1 検討する具体的実施内容に ついて 1 ー 1) 1 ー 4) 1-5) 高日射反射塗料 ( 遠赤外線反射塗料 ) による位置検出技術検討 ライダーによる位置検出技術検討 磁気マーカと GPS による位置検出技術検討 3

1 ー 1) 高日射反射塗料による位置 経路特定技術 高日射反射塗料 ( 赤外線反射塗料 ) および赤外線カメラによる位置 経路特定技術の検討 アスファルトと同色の高日射反射塗料にて正着誘導線を敷設し アスファルト面と誘導線の温度差を遠赤外線カメラにて検出し 正着誘導線を認識する 高日射反射塗料線 赤外線カメラ ( 温度分解能 : 0.06 度 ) にて温度差を検出 遠赤外線の反射率が高いため アスファルト面より温度低下 4

1-2) LiDAR による位置 経路特定技術 MEMS スキャンミラー方式 3D ライダー LiDAR で取得できる情報 - センサに対する相対座標 x, y, z - レーザーの反射強度 強 反射強度 弱 近 距離 遠 5

1-2) LiDAR による位置 経路特定アルゴリズムの概要 ランドマーク用ポールの設置 - バス停または交差点部にレーザー光を反射する複数のランドマーク用ポールを設置 - 各ポールの設置時に RTK-GPS によりポールの位置座標を測位 ランドマーク用ポールに対する自車の相対位置検出 - 3D LiDAR によりランドマーク用ポールを認識し, 自車からポールまでの距離と方位から自車とポールとの相対位置を検出 - ランドマーク用ポールへの反射板取り付けパターンの違いから複数のポールを区別して認識 自車の傾き角算出 - 走行開始時の自車の向きとヨーレートセンサの累積値から現在の自車の向きを算出 自車位置の算出 - ポールのマップ座標 x, y, 自車に対するポールの相対座標 x, y, 自車の傾き角 θから自車のマップ座標 cx, cy を算出 - ランドマーク用ポール1 本から自車位置が算出可能 x y 1 = cos θ sin θ 0 sinθ cosθ 0 cx cy 1 x y 1 路側帯検出による正着制御 - バス停に近接した状態で 3D LiDAR により路側帯のエッジが検出可能な場合は 自車前方 5m の路側帯と自車側面との横方向の距離を基に正着制御 6

1-2) 自車位置の算出 x n, y n : マップ座標系におけるランドマークポールの位置 x n, y n : センサ座標系におけるランドマークポールの位置 θ: マップ座標系に対するセンサ座標系の傾き角 cx, cy : マップ座標系におけるセンサ ( バス ) の位置 x n y n1 = cos θ sin θ cx sin θ cos θ cy 0 0 1 座標系の回転平行移動 x n y n 1 RTK-GPSにより測位したポールの位置 x n, y n と LiDARにより測位したポールの位置 x n, y n の1 組からセンサ ( バス ) の位置 cx, cy を算出可能 7

1-2) 路側帯検出による正着制御 路側帯のエッジを認識 横偏差 (5m 先 ) 横偏差 バス停 バス 路側帯のエッジを認識 バス 路側帯 路側帯 8

1-3) 磁気マーカと GPS 車載センサを用いた正着制御法 正着走行軌跡上に磁気マーカを約 20m 間隔に設置 正着 ECUには目標正着走行軌跡座標を入力 車載の磁気センサECUでマーカ通過時の磁気マーカと車両の横ずれ量検出 磁気マーカ間の相対位置座標はIMUによる慣性航法による推定 目標走行軌跡座標と現在走行位置座標の偏差をゼロにするよう操舵をFB 制御 磁気マーカ間は IMU により相対的位置座標を算出 磁気マーカ 目標走行軌跡座標 9

1-3) 磁気マーカの特定法 ( マーカ通過時 ) について 磁気マーカ位置テーブル マーカ 座標 X 座標 Y 1 X1 Y1 2 X2 Y2 3 X3 X3 4 X4 X4 M 磁気マーカ通過時 GPS の測位情報とマーカ番号およびマーカテーブルより現在のマーカ番号と位置座標を検出 磁気マーカ 3 磁気マーカ 2 磁気マーカ 1 RTK-GPS にて磁気マーカ埋設点の座標を計測 (2~3cm 程度 ) 20m 磁気マーカ 4 GPS の測位誤差範囲 (±10m) 10

1-3) 磁気マーカ MI 磁気センサによる横偏差検出 400 300 磁束密度 (mg) 200 100 0-100 -200-300 X 方向 -400-300 -200-100 0 100 200 300 磁石中心からの距離 (mm) X Y 1. 0 Φ100.0 ワイヤ通電電極 ピックアップコイル電極 基板 MI センサ アモルファスワイヤ ヒ ックアッフ コイル 磁束密度 (mg) 800 700 600 500 400 300 200 100 0-300 -200-100 0 100 200 300 磁石中心からの距離 (mm) 磁気マーカ特性 Y 方向 11

1-3) MI センサによる横偏差検出性能 2015 年度の成果 : 実道にて ±0.5cm の検出性能を確認 本年度 磁気マーカ形状 傾き角度の検出法検討 出力 (mg) 1200 800 400 計測値 (mm) 0-400 -800-1200 210 180 150 120 90 60 30 磁気マーカ 5 個通過時の X 方向センサ出力 0 2 4 6 8 10 0 距離 (m) 0 30 60 90 120 150 180 210 マーカ位置 (mm) センサ 3 センサ 4 出力 (mg) 150 100 50 1 回目 2 回目 3 回目 0-50 -100-150 0 2 4 6 8 10 誤差 (mm) 25 20 15 10 5 0-5 -10-15 -20-25 距離 (m) 勾配 3 0 30 60 90 120 150 180 210 マーカ位置 (mm) 1 回目 2 回目 3 回目 センサユニット センサユニット横位置検出特性 12

2 ロバストな正着アルゴリズムの検討 障害物回避を含めた正着制御アルゴリズムの検討 27 年度に開発した目標軌跡算出法に危険ポテンシャル法による障害物回避目標軌跡を付加したロバストな正着制御アルゴリズムの検討 正着制御の目標軌跡を再算出 危険ポテンシャル法による目標衝突回避軌跡 初期の目標正着軌跡 障害物 正着制御 衝突回避制御 正着制御 13

正着制御の基本アルゴリズム 正着制御開始 正着のための目標制御軌跡算出 停車位置 正着制御開始位置 本提案の位置検出技術により, 車両の現在位置座標 (x,y) を取得 現在位置での目標偏差 e 2 (x) の算出 目標軌跡 x, y e 2 x Path Following 制御則により,e 2 - y 0 とするハンドル角の指令値を算出 バス停 x y O 指令値に基づきハンドルを操舵 14

危険ポテンシャル法による軌跡算出 Risk level Risk level リスクポテンシャル : ドライバが左右側壁や車両周辺の物体などから受ける危険感覚を指数関数表記したもの リスクポテンシャルが最少になる走行軌跡を算出 Risk from a vehicle obstacle Risk from side wall Risk from lane line Risk potential field 15

実施方法 公募項目 1 テストベンチでの検討 検討内容 1) 高日射反射塗料による位置検出検討 1) 4) 5) 項 2) 画像認識による位置検出検討 3) レーザ光路面反射パターンによる位置検出の検討 4) ライダーの点群データによる位置検出検討 5) 磁気マーカと GPS による位置検出検討 屋外アスファルト平面路に実験施設を設置 通常環境下での性能評価 雨天 夜間等での性能評価 台車又はバスを使用 2) 3) 項机上にて認識アルゴリズム等の方法論を検討する 2 実車検討 上記位置検出法の内 実現性の高い位置検出法について実車による正着制御を評価する テラス型バス停における正着性能評価 ア障害物がない場合の正着制御性評価イ手動にて障害物回避した場合の正着制御性 3 ロバストな正着制御アルゴリズムの検討 危険ポテンシャル法による正着制御アルゴリズム検討 テラス型バス停における正着時のシミュレーションモデルの作成およびシミュレーション評価 16

本年度の OUTPUT 目標 1. 白線等有色線以外の位置検出位置検出技術 5 種類の検出技術について調査および実験評価を通じ 性能 コスト 課題について整理をおこない 実用化すべき技術の絞り込みをはかる 位置検出技術 位置検出性能 保守性 ロバスト性 ( 自然環境変化 ) 1) 高日射反射塗料 2) 画像パターン認識 3) レーザ光反射率パターン 4) レーザレーダによるポイントクラウド方式 5) 磁気マーカ +GPS コスト ( インフラ 車両 ) 車載センサ実用化 2. ロバストな正着制御アルゴリズムの検討正着実験およびシミュレーションを通じ 正着に対する障害物回避時の制御性能および正着に対する限界領域を見極める 17

履行体制図 内閣府 再委託 : 愛知製鋼 ( 株 ) 磁気マーカおよび MI センサユニットの開発 先進モビリティ 1 位置検出技術 2 ロバストな正着制御アルゴリズム 外注 : アトミクス ( 株 ) 高日射反射塗料による誘導性敷設 協力 : 大阪産業大学金子助教 危険ポテンシャル軌跡生成技術 18