[ 表 1 教員の ICT 活用指導力 調査の 回答率 及び 回答率 の増減 ] し指導できる C 活用を指導できる DA モラルを指導教材研究に活用 B 活用し指導できる E 校務に活用 C 活用を指導できる (%) H24 増減 H23 H24 増減 H23 H23H24 H24 増減 H23

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Transcription:

CMS(NetCommons) を活用した学校ホームページ作成による校務支援 企画研究部研究員西山慶美 要約信頼される開かれた学校づくりを実現するために 学校ホームページによる情報発信が求められる一方で 校務の情報化としても重要な項目である学校ホームページの作成 更新に関われる教職員が少なく 情報発信が進んでいない現状がある 本研究では 情報発信と校務の情報化を推進するために 誰もが容易に学校ホームページを作成 更新できるCMS(NetCommons) システムを導入し 多くの教職員が学校ホームページ作成 更新に関われる方法について考察する キーワード :NetCommons 校務の情報化 学校ホームページ 1 はじめに (1) 現状学校ホームページは 信頼される開かれた学校づくりを校務の情報化によって実現する手段である 平成 23 年 7 月 5 日学校運営の改善の在り方等に関する調査研究協力者会議 子どもの豊かな学びを創造し 地域の絆をつなぐ~ 地域とともにある学校づくりの推進方策 ~ には 学校と地域の人々との 協働 を一層深めていく ためには まず学校のことを地域の人々に知ってもらい 関心を持ってもらうことがスタート であり 学校から地域の人々への積極的な情報公開が重要 であると記されている 積極的な情報公開の例 として 学校ホームページの開設用のICT 活用 が挙げられている また 平成 22 年 7 月 20 日文部科学省 学校評価ガイドライン でも 積極的な情報提供 として ホームページを活用した情報提供 が挙げられている その中で 学校ホームページは 誰もが比較的容易にアクセスできることから 幅広い人々に対して情報を提供することが可能 であり 大量の情報を一度に提供できることから 人々の多様な関心に対応することができるといった特徴があり 積極的に利用することが望まれ ている 学校ホームページを作成 更新する教職員の現状について 文部科学省実施 学校における教育の情報化の実態等に関する調査 の 教員のICT 活用指導力 調査 ( 表 1) を示す E 校務にICTを活用する能力 において 4わりにできる 3ややできる と答えた教職員の割合 ( 以下 回答率 とする ) は 京都府で平成 23 年度から平成 24 年度にかけて 0.1 ポイント減少 ( 全国平均は 1.3 ポイント増加 ) している 全国平均では教材研究 指導の準備 評価などでの ICT 活用も校務でのICT 活用も 回答率 は同程度増加しているのに対し 京都府では 教材研究 指導の準備 評価などでICTを活用する能力について 回答率 が増加している一方 校務でICTを活用する能力について 回答率 が減少している現状が分かる

[ 表 1 教員の ICT 活用指導力 調査の 回答率 及び 回答率 の増減 ] し指導できる C 活用を指導できる DA モラルを指導教材研究に活用 B 活用し指導できる E 校務に活用 C 活用を指導できる (%) H24 増減 H23 H24 増減 H23 H23H24 H24 増減 H23 H24 増減 H23 H24 増減 67.5 1.6 62.8 63.7 全国 0.9 73.3 78.1 74.8 79.7 1.5 1.6 74.2 65.1 75.5 67.5 1.3 1.6 62.8 63.7 0.9 72.1 0.5 69.5 68.0 全体 1.5 76.7 81.7 76.7 82.5 0.0 0.8 79.2 71.6 79.1 72.1 0.1 0.5 69.5 68.0 1.5 78.8 0.0 77.5 76.3京 小学校 1.2 82.8 86.2 83.1 86.5 0.3 83.2 78.8 82.2 78.8 1.0 0.0 77.5 76.3 1.2 71.0 1.2 66.5 64.3都 中学校 2.2 77.1 80.2 76.7 81.4 0.4 1.2 78.6 69.8 78.2 71.0 0.4 1.2 66.5 64.3 2.2 59.0 0.5 58.7 56.9府 高校高等学校 1.8 66.4 75.8 66.1 76.5 0.3 0.7 74.1 59.5 75.3 59.0 1.2 0.5 58.7 56.9 1.8 69.2 2.0 66.8 61.0 特支特別支援学校 5.8 67.1 78.0 67.2 78.5 0.1 0.5 76.8 67.2 75.1 69.2 1.7 2.0 66.8 61.0 5.8 A 教材研究 指導の準備 評価などにICTを活用する能力 E 校務にICTを活用する能力 京都みらいネットでは 各教育機関にてネットワーク担当者が機関内のネットワークを管理することになっている 平成 25 年 5 月の京都みらいネット説明会にて実施したアンケートによると 50.3% の学校でネットワーク担当者がホームページ担当者を兼任している ( グラフ1) 特に 校務でのICT 活用について 回答率 が増加していない小学校や特別支援学校では 兼任している担当者の割合が高い [ グラフ 1 ネットワーク担当者とホームページ担当者の兼任状況 ] 0% 20% 40% 60% 80% 100% 小学校 中学校 40 18 18 34 兼任している 高等学校 20 28 兼任していない 特別支援学校 6 3 全体 84 83 ( 数字は回答数 ) また 学校ホームページの作成 更新について困っている点として 次のような意見が挙げられていた 更新する時間がとれない 担当できる教員が少ない 分からないことを校内の他の教員に聞けない 引き継ぎができない (2) 課題校務の情報化の視点から学校ホームページ作成の課題を挙げると 学校ホームページ作成には専門的な知識が必要な部分もあるため ネットワークの管理から学校ホームページの更新までを 1 人の教員が担当していることである さらに 学校の様子を日常的に発信するために学校ホームページを頻繁に更新していこうとすると その負担は膨大なものになる その一方で 学校ホームページは 掲載する情報が古くならないよう適宜ホームページを更新 する 体制を整備すること が要求されている ( 学校評価ガイドライン )

したがって 1 人の教員の力で学校ホームページによる情報発信を頻繁に行っていくことは難 しいということが課題であり 学校組織全体が関われる体制づくりをすることが求められる (3) 本研究について京都府総合教育センターでは 京都府教育情報ネットワークシステム ( 以下 京都みらいネット という ) に接続している教育機関に NetCommons でのCMS( コンテンツ マネジメント システム ) を提供している NetCommons は国立情報学研究所が次世代情報共有基盤システムとして開発し ブラウザから容易にホームページを作成 更新できるCMSである 学校ホームページに NetCommons を導入することで校務の情報化を推進し 多くの教職員が学校ホームページ作成 更新を担当できるように支援する方法について考察したい (4) 先行事例 NetCommons は 多くの学校や教育機関で導入されており NetCommons 実例でわかるサイト構築 では 一般公開用ウェブサイトとして使う 方法の実践事例として 広島市立瀬野小学校のウェブサイトや大子町教育ポータルサイトが挙げられている これらのウェブサイトでは 複数の担当者が更新に携わっている また 学校への支援の事例として 埼玉県立総合教育センターや北海道教育研究所等 各教育委員会等で NetCommons に関する研修会が実施されている 埼玉県立総合教育センターでは インターネット上に演習テキストを掲載しており 操作レベル等に合わせて複数レベルの研修が実施されている 2 CMS(NetCommons) を活用した学校ホームページ作成の支援 (1) 現状 NetCommons の特徴としては 簡単にホームページを更新できる点 ページ毎に誰が更新を行うのか設定できる点が挙げられる この特徴を生かすことで 校内で複数の教職員が学校ホームページ作成に携わる体制づくりが可能になると考えられる 京都みらいネットでは 希望する学校毎にCMSサイトを設置しており 管理者である校長の指示で 各学校のホームページ担当者が学校の状況にあったサイトを構築できる環境を整えている (2) 学校への支援方法 CMS(NetCommons) の操作説明会 平成 25 年度に ホームページ担当者向けに実習を伴う説明会を2 回行った 1 回目の説明会で は モジュールの設置方法や日誌への記事投稿等の基本的な操作について実習した 2 回目の説 明会では 会員管理やルーム管理等の校内での分業を実現するための管理 [ 図 1 ] 機能の設定について実習した 各回とも30 名定員として説明会を実施し たが 定員を超える申込があり 関心の高い様子がうかがえた 1 回目の説明会では 実習用ホームページのグループスペースを各学校 ホームページに見立てて操作説明を行った ( 図 1) 参加者には 主担 権 限を持つIDを配付し ルーム内での お知らせ モジュールの設置や日 誌への記事投稿を体験してもらった ブラウザ上でワープロソフトを操作 するのと同じ感覚で ホームページ作成ができると実感してもらうことに

重きを置いた 2 回目の説明会では 実習用ホームページのパブリックスペースを各学校ホームページに見立てて 操作説明を行った ( 図 2 3) 参加者には 管理者 権限を持つIDを配付し 主担 や 一般 の権限を持つID 作成をしてもらった その上で ルーム管理を行い ルームと権限の関係について実習した それぞれの学校の業務分担にあった形で応用できる知識を提供することに重きを置いた [ 図 3 ] [ 図 2 ] (3) 参加者の反応 1 回目の説明会では CMS(NetCommons) サイトを公開していない学校 ( 既に利用申請をしている学校を含む ) のホームページ担当者を対象とした 学校としては49 校の参加があり そのうち 小学校 4 校 中学校 1 校 高等学校 5 校 特別支援学校 2 校の計 12 校から新規にC MS(NetCommons) サイト利用申請があった 2 回目の説明会では 既にCMS(NetCommons) サイトを構築している学校のホームページ担当者を対象とした 事後のアンケートでは 次のような意見が寄せられた 管理者 IDの扱いや会員管理について 改めて見直す機会となった 権限設定をして サイト運営について分担したい 承認機能を利用して 掲載記事の決裁を行っていきたい 会員管理について適切な管理ができているのか不安に思っていたことが解消できた 来年度に向けて サイト運営の方法を見直したり 校内研修を行ったりしていきたい 3 CMS(NetCommons) を利用したウェブサイトの運用事例 (1) 事例京都府総合教育センターは 6つの部で組織され ホームページではCMS(NetCommons) サイトを活用したウェブサイト構築を行っている 具体的には 各部の担当するルームを作成し日誌を設置しており その更新を各部担当者に任せている また 研修講座実施後に研修講座について掲載するページを作成し 各部担当者が研修講座の様子を記事として投稿している 運用方法としては 企画研究部で作成した 事務手続き手順 と CMS(NetCommons) 操作手順 日誌記事の作成方法 の計 3 種のマニュアルを全所員で共有し 日誌記事の承認はホームページ管理者が一括で行っている

(2) 更新状況とアクセス数 今までは 1 人の担当者が行っていた更新作業を平成 25 年 6 月より各部に分担したことにより 成果物や研修講座報告等の情報提供がより迅速に行えるようになった ( 表 3) [ 表 3 各部による記事投稿件数 ] 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 各部担当ページ 1 8 16 6 0 8 1 3 0 3 3 研修講座報告 19 5 1 5 3 2 0 0 0 特に 研修講座報告については 講座終了後すぐに記事を作成 公開することができ 受講者の関心も得やすい ( グラフ2) 今後は次年度の受講を考える際にも役立つと考えられる さらに 各部が更新作業に携わることより 所員のホームページを利用した広報活動への関心が高くなった ホームページでの情報公開が 当たり前 であるという意識が広がったようである [ グラフ2 研修講座報告 ( 記事投稿件数とアクセス数 ) ] 500 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 458 19 記事投稿数アクセス数 264 214 203 230 145 171 5 5 104 96 1 3 2 0 0 0 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 25 20 15 10 5 0 4 考察 運用事例から 学校ホームページの作成を複数の担当者で分担することの利点として 次の 4 点が挙げられる 学校全体として積極的な情報発信が行える 学校全体が関わることにより情報発信に対して関心が高まる 学校ホームページの更新に関して 特定の担当者への負担が減る 多くの教職員が校務の情報化の推進に関わる 説明会では 学校ホームページの作成を複数の担当者で分担する体制づくりを考えるきっかけを提供することができた また 学校ホームページの運用に合わせて NetCommons の操作について説明したことにより 参加者が自校の学校組織に合わせた運用方法を考えることができた したがって 学校への支援方法の第一歩として 次年度以降もこのような説明会を行っていきたい

今後の説明会の内容として 表のような展開も考えられる 目的内容学校ホームページ作成 更新に学校ホームページの作成手順書の作成学校全体で取り組む体制づくりサイトポリシーの作成プライバシーポリシーの作成学校ホームページ更新の評価保護者や地域からの評価を知るためのアンケート作成アクセス数の集計やその状況の分析 このように様々な内容の説明会を実施し 校務の情報化の推進を支援するとともに 説明会の 効果を検証することにより 学校ホームページの作成 運用モデルを作成したい 参考資料 平成 23 年 7 月 5 日学校運営の改善の在り方等に関する調査研究協力者会議 子どもの豊かな学びを創造し 地域の絆をつなぐ~ 地域とともにある学校づくりの推進方策 ~ 平成 22 年 7 月 20 日文部科学省 学校評価ガイドライン 平成 23 24 年度文部科学省実施 学校における教育の情報化の実態等に関する調査 新井紀子 平塚知真子 松本太佳司 ネットコモンズ公式マニュアル私にもできちゃった! NetCommons 実例でわかるサイト構築 株式会社近江科学社 2011 176ページ 埼玉県立総合教育センター 情報教育推進 NetCommons 活用研修会テキスト 2013 http://www.center.spec.ed.jp/?page_id=207 北海道教育研究所附属情報処理教育センター 研修講座報告 H25 NetCommons 2013 http://www.ipec.hokkaido-c.ed.jp/seminar/h25/nc/