NY 原油 チャート画像は 株式会社みんかぶ Win-Station(R) によるものです 当該画像の著作権は 同社に帰属します 昨晩のNY 原油 (5 月限 ) は 続伸 前日比 1.95ドル高の1バレル6 8.47ドルで取引を終えた 20 14 年 12 月 2 日以来およそ3 年 4 ヶ月ぶりの高値を付けた 米エネルギー情報局 (EIA) 週間在庫統計で 増加が予想されていた原油在庫が前週から減少 ガソリンなど製品在庫も減少した事や サウジアラビアが原油価格を 80~100ドル近辺に引き上げたい意向 ( 減産延長示唆 ) だと報じられた事などが材料視された 石油輸出国機構 (OPEC) 加盟国とロシアなどの主要産油国は20 日 サウジで閣僚会合を開く 需給改善に向け協調減産の継続を再確認するとの見方も買いを誘った 協調減産の延長はサウジが示唆したほか 6ヶ月間の延長が選択肢の一つとして取り上げられている 短期的な協調減産のほか 産油国は超長期的な協調的枠組みについても協議を進めている 1
国際エネルギー機関(IEA) 月報 国際エネルギー機関 (IEA) は13 日公表した月報で 石油輸出国機構 (O PEC) と非加盟産油国が ( 協調減産を通じて ) 世界の原油在庫を望ましい水準に引き下げる役割を達成したようだと分析 さらに 供給抑制が続いた場合には 石油市場が逼迫する可能性を示唆した 月報は 先進国の原油在庫が協調減産により 5 月にも過去 5 年間の平均水準まで減少する可能性があると予想 OPECに代わって 目標達成 を宣言する立場にはないが われわれの見通しに間違いなければ 達成はほぼ確実だろう と指摘した さらに 先進国の原油在庫が過去 5 年間の平均を4300 万バレル上回る水準になったと説明 今年の非 OPEC 加盟国の産油量が米国の増産により 日量 1 80バレルの大幅増加になるとしても 150 万バレルの増加が見込まれる世界の需要を満たすのには十分でないとの見方を示した 石油輸出国機構(OPEC) 月報 石油輸出国機構 (OPEC) 月報では 3 月の加盟国の産油量が 前月比日量 20 万 1000バレルの減の同 319 5 万 8000バレル 今年の世界石油需要が 前年比同 1 63 万バレル増の同 9863 万バレルで 前月から同 3 万バレルの上方修正 また 経済協力開発機構 (OECD) 加盟国の2 月の石油在庫は前月比 17 40 万バレル減の28 億 5400 万バレルだった 2
石油輸出国機構(OPEC) 月報 石油輸出国機構 (OPEC) 月報によると 2017 年の原油需要は世界全体で日量 9,7 07 万バレル 前年比 1.7% 増となる一方 供給はOPEC および非 OPEC 産油国による協調減産の影響で 同 9,659 万バレル 同 0.8% 増となった この結果 2017 年の需給バランスは 需要超過 供給不足に転換した 2018 年は需要が前年比 1.7% 増の日量 9,870 万バレル 非 OPEC 産油国の生産量等が同 2.9% 増の同 6,610 万バレル前後の予測 OPEC 生産量が1~3 月期実績の同 3,213 万バレル前後で推移すれば 需給は大きく緩む事はない見通し シェール増産 一方 価格上昇に伴いシェールを始めとする米国産原油の増産傾向は続いている OPECやロシアなどの生産国の減産に対して シェールの増産の構図の中 6 月 22 日には OPEC 総会が開催される 現行の協調減産の見直しと 2019 年の協調協議が議題 各国に減産に対しての温度差があり 再び 抜け駆け増産競争となるなら 供給過剰に陥る恐れがあるだけに 話し合いの内容と 今後の減産順守率に注目が集まる 3
今後の見通し 戦略 1 シリアへの米 英 仏による爆撃は 事前にロシア シリアに告知されたピ ンポイントの限定的なものであった ため シリア情勢に関する地政学リス クは 北朝鮮リスク同様 一服してい るものの マーケットは 中東の地政 学リスクを警戒したままの状況だ 5 月 12 日に期限が切れるイラン への経済制裁解除の延長問題や イス ラエル米大使館のエルサレム移転に 伴うトランプ大統領のイスラエル訪 問を控えて サウジ VS イラン イ スラエル VS イラン 米国 VS ロシ ア などの対立構図が それぞれ激化 する可能性が材料視されている 5 月にはイラクで連邦議会選挙 またクルディ スタン地域でも議長選と議会選がある イスラム教発祥の地であるサウジは イスラエルを国家承認しておらず 関係 の正常化はイスラエルが 1967 年の中東戦争で占領したアラブの土地から撤 退することが条件との立場を長年取ってきたが サウジアラビアのムハンマド ビン サルマン皇太子は 4 月 2 日付の米誌アトランティックに掲載されたイン タビュー記事で パレスチナ人とイスラエル人はそれぞれの土地を保有する権 利があると考える しかし すべの人が安定を確保し 正常な関係を築くため 和平合意が必要だ と語った また イスラエルとは共通の関心事が多くある 平和がもたらされれば イスラエルと湾岸協力会議 (GCC) 加盟国の間に多く の利益が生じるだろう と指摘 サウジとイスラエルの関係が深まりつつあるこ とが伺われる 裏を返せば イラン VS サウジ イスラエル の構図ができた と言う事で 米国 ロシアを巻き込み 中東の地政学リスクは波乱含みとなった と言えよう これが大口投機玉の買い居座りの背景だ 過去最高水準の買い越しが警戒され ているものの トランプ政権は オバマ前大統領が決めた核合意の見直しを求め ており イランへの経済制裁が再開されると 制裁解除に伴って増加していたイ ランの生産量が再び 落ち込むことで需給逼迫となる可能性がある 4
今後の見通し 戦略 2 更に 政情不安が続いて事実上の 破綻国家となっているベネズエラ の生産量は減少する一方で 減産が 免除されていたリビア ナイジェリ アの増産を相殺して余るほどの減 産となっており 利食い調整が入っ ても 押し目は買われやすい地合い となっている また テロ組織 IS( イスラム国 ) 勢力減退に伴い IS 打倒で一時的 にまとまっていた各国 各勢力の対 立が改めて激化している 特に サ ウジとイランの代理戦争が イラク シリア イエメン レバノンなどで 泥沼化しており 主要産油国の供給 障害に陥った場合 原油価格は 8 0-100 ドル台を目指してもお かしくないだろう シリア内戦がロシアとイランの 支援を受けたアサド政権の勝利に 向かう中 イラク イエメン レバ ノン ( ヒズボラ ) にシリアが加わる ことで イラン勢力にサウジが取り 巻かれるような状況で サウジの危機感は高まっている トランプ大統領は 反 イラン 親サウジ 親イスラエルの姿勢を明確にしており 北朝鮮問題が解決の 方向に急速に動いた場合 米国が中東情勢に注力する事で さらに規模の大きな 戦乱へと向かったり 反対に米国が自国優先主義で積極的関与しない事で 中東 情勢が一層の泥沼化へ陥るリスクが 需要の端境期にもかかわらず 原油価格を 高止まりさせている要因だ 原油価格が急落するとすれば 株価のクラッシュがあった場合 米国が産油国 となった事で 原油高に対する耐久力はついているが 原油高は物価高 米利上 げに繋がる 原油高に対する株価の耐久力にも注目したい 5
留意事項 商品先物取引 商品先物取引は 商品市場における相場の変動により損失が生じることのある取引です ( 通常取引では お客様が預託する証拠金の額に比べて取引金額が大きいため 損失の額が預託する証拠金の額を上回ることがあります ) お取引を始めるに際しては 契約締結前交付書面及び受託契約準則を熟読し 取引内容や仕組み リスク等を十分にご理解 ご確認のうえ ご検討下さいますようお願い致します 当社の取引証拠金の額に対する取引金額の割合は 商品や約定値段によって異なりますので現時点では明示できませんが 通常取引では概ね 20 倍 ~280 倍程度 損失限定取引では概ね 1~10 倍程度となります また お客様が最初に預託する取引証拠金の額は 各商品により異なり 通常取引の最高額は 1 枚当たり 187,500 円 損失限定取引の最高額は 1 枚当たり 4,530,000 円です ただし 通常取引は その後の相場の変動によっては追加の証拠金が必要になる場合がありますのでご注意ください 追加に必要となる証拠金の額は 商品や相場の変動によって異なります 建玉時及び決済時の取引手数料は商品や取引形態によって異なり 片道 1 枚あたりの取引手数料 ( 税込 ) は以下の通りです 対面取引 ( 通常取引 ) 1,274 円 ~11,664 円 対面取引 ( 損失限定取引 ) 1,965 円 ~16,329 円 コールセンター取引 オンライン取引 864 円 ~2,160 円 195 円 ~390 円 ( 上記の証拠金及び手数料は平成 30 年 3 月 30 日の帳入値をもって算出 ) 当社ディスクローズ資料は本支店および日本商品先物取引協会 ( ホームページ ) で閲覧でき ます お客様相談窓口 日産証券株式会社 CX 営業管理部 日本商品先物取引協会相談センター TEL:0120-050-633 URL:https://www.nisshokyo.or.jp/ 日産証券株式会社 ( 103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町 1-38-11) 関東財務局長 ( 金商 ) 第 131 号金融商品取引業者商品先物取引業者 加入協会日本証券業協会 日本商品先物取引協会 一般社団法人金融先物取引業協会 6