B型肝炎

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肝臓の細胞が壊れるる感染があります 肝B 型慢性肝疾患とは? B 型慢性肝疾患は B 型肝炎ウイルスの感染が原因で起こる肝臓の病気です B 型肝炎ウイルスに感染すると ウイルスは肝臓の細胞で増殖します 増殖したウイルスを排除しようと体の免疫機能が働きますが ウイルスだけを狙うことができず 感染した肝

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ダクルインザ・スンベブラの使用経験とこれからの病診連携

1. ウイルス性肝炎とは ウイルス性肝炎とは 肝炎ウイルスに感染して 肝臓の細胞が壊れていく病気です ウイルスの中で特に肝臓に感染して肝臓の病気を起こすウイルスを肝炎ウイルスとよび 主な肝炎ウイルスには A 型 B 型 C 型 D 型 E 型の 5 種類があります これらのウイルスに感染すると肝細胞

目次 1. 肝臓の病気 2. 肝炎ウイルスとは 3. ウイルス性肝炎とは 4. 急性肝炎 5. 慢性肝炎 6. 肝硬変 7.A 型肝炎 8.B 型肝炎 9.C 型肝炎 10.B 型肝炎の治療 11.C 型肝炎の治療 12. 予防方法 13. 肝炎の医療費助成制度 14. おわりに 1

第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

第 4 章感染患者への対策マニュアル ウイルス性肝炎の定義と届け出基準 1) 定義ウイルス感染が原因と考えられる急性肝炎 (B 型肝炎,C 型肝炎, その他のウイルス性肝炎 ) である. 慢性肝疾患, 無症候性キャリア及びこれらの急性増悪例は含まない. したがって, 透析室では HBs

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り感染し 麻薬注射や刺青なども原因になります 輸血の安全性や医療環境の改善によって 医原性の感染は例外的な場合になりました 日本では約 100 万人の B 型肝炎ウイルスキャリアがいます その大部分は成人で, 昔の母子感染を含む小児期の感染に由来します 1986 年から B 型肝炎ウイルスキャリアの

始前に出生したお子さんについては できるだけ早く 1 回目の接種を開始できるように 指導をお願いします スムーズに定期接種を進めるために定期接種といっても 予防接種をスムーズに進めるためには 保護者の理解が不可欠です しかし B 型肝炎ワクチンの接種効果は一生を左右する重要なものですが 逆にすぐに効

血液疾患治療における B 型肝炎ウイルス再活性化 = がん治療 = Hepatitis B virus : HBV HBV 再活性化とは HBVを有する患者に化学療法薬や免疫抑制薬での治療を施行すると これらが誘引となってHBVの増殖が生じること

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情報提供の例

群馬県 C 型慢性肝炎 インターフェロン治療 地域連携シート 監修 : 群馬大学附属病院 肝疾患診療連携拠点病院 - 1 -

B型肝炎ウイルスのキャリアで免疫抑制・化学療法を受ける患者さんへ

平成 24 年 ₇ 月 15 日発行広島市医師会だより ( 第 555 号付録 ) 免疫血清部門 尿一般部門 病理部門 細胞診部門 血液一般部門 生化学部門 先天性代謝異常部門 細菌部門 B 型肝炎に関する最近の話題 ~ 免疫抑制によるB 型肝炎ウイルスの再活性化 を中心に~ 検査 1 科血清係 1

C型肝炎の薬について

遡及調査にて77日前の献血時のHBVウイルス血症が確認できた急性B型肝炎の一例


感染 発症 ALT 血清 IgG 抗体 糞便中 HAV 血液中 HAV 糞便中 IgA 抗体 血清 IgM 抗体 月 A 型肝炎ウイルス感染時の各指標の変動 B 型急性肝炎の経過 HBc 抗体陽性 14 7 HBV-DNA 陽性 HBs 抗原陽性 HBc 抗体

針刺し切創発生時の対応

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診療情報を利用した臨床研究について 虎の門病院肝臓内科では 以下の臨床研究を実施しております この研究は 通常の診療で得られた記録をまとめるものです この案内をお読みになり ご自身がこの研究の対象者にあたると思われる方の中で ご質問がある場合 またはこの研究に 自分の診療情報を使ってほしくない とお

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平成20 年9月平成 20 年 ₉ 月 15 日発行広島市医師会だより ( 第 509 号付録 ) その結果がまとめられたことから 同月 17 日付けで 輸血療法の実施に関する指針 の一 部改正を行い通知しています 輸血前後の感染症マーカー検査の必要性 ( 指針改正箇所を抜粋 ) 本症は早ければ輸血

1.HBV 持続感染者の自然経過 HBV 持続感染者の病態は 宿主の免疫応答と HBV DNA の増殖の状態により 主に下記の 4 期に分類される HBV 持続感染者の治療に当たってはこのような自然経過をよく理解しておくことが必要である 1 免疫寛容期 immune tolerance phase

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要旨 平成 30 年 2 月 21 日新潟県福祉保健部 インターフェロンフリー治療に係る診断書を作成する際の注意事項 インターフェロンフリー治療の助成対象は HCV-RNA 陽性の C 型慢性肝炎又は Child-Pugh 分類 A の C 型代償性肝硬変で 肝がんの合併のない患者です 助成対象とな

日本肝臓学会肝炎診療ガイドライン作成委員会 ( 五十音順 ) 朝比奈靖浩 東京医科歯科大学消化器内科 大学院肝臓病態制御学 泉 並木 武蔵野赤十字病院消化器科 桶谷 眞 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患 生活習慣病学 熊田博光 虎の門病院肝臓センター 黒崎雅之 武蔵野赤十字病院消化器科 *

2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

肝疾患のみかた

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

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日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール

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C 型慢性肝炎に対するテラプレビルを含む 3 剤併用療法 の有効性 安全性等について 肝炎治療戦略会議報告書平成 23 年 11 月 28 日

肝疾患に関する留意事項 以下は 肝疾患に罹患した労働者に対して治療と職業生活の両立支援を行うにあたって ガイド ラインの内容に加えて 特に留意すべき事項をまとめたものである 1. 肝疾患に関する基礎情報 (1) 肝疾患の発生状況肝臓は 身体に必要な様々な物質をつくり 不要になったり 有害であったりす

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サーバリックス の効果について 1 サーバリックス の接種対象者は 10 歳以上の女性です 2 サーバリックス は 臨床試験により 15~25 歳の女性に対する HPV 16 型と 18 型の感染や 前がん病変の発症を予防する効果が確認されています 10~15 歳の女児および

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より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

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佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

B 型慢性肝炎キャリア ( 持続感染 ) の自然経過 -1 HBV 感染 10% 以下 ( 出生時 乳幼児期の感染 ) ウイルス排除 治癒 無症候期 肝炎期 ごく一部 強い肝炎が起こり 自分でウイルスを排除しようとする働きが起こる 排除できればウイルス排除へ できなければ慢性化するので 治療を開始す

はじめに 我が国の肝がん死亡者数は,2005 年頃を最多とし, その後はゆっくりと減少しつつあります しかし, いまだに年間死亡者数は 3 万人を超えており, 依然として対策が極めて重要な病気です 原因としては,C 型肝炎,B 型肝炎, 非アルコール性脂肪肝炎 (NASH: ナッシュ ) やアルコー

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1. 今回の変更に関する整理 効能 効果及び用法 用量 ( 添付文書より転載 ) 従来製剤 ( バイアル製剤 ) と製法変更製剤 ( シリンジ製剤 ) で変更はない 効能 効果 用法 容量 B 型肝炎の予防通常 0.5mL ずつ4 週間隔で2 回 更に 20~24 週を経過した後に1 回 0.5mL

C型肝炎の新規治療薬

2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に

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成 長 するに 従 い HBV に 対 する 免 疫 応 答 が 完 成 化 し 肝 炎 が 発 症 する HBV 感 染 肝 細 胞 が 排 除 され HBV DNA 量 が 減 少 する 成 人 期 までに 85~90%は HBe 抗 原 から HBe 抗 体 に 変 化 し(セロコンバージョン

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審査結果 平成 26 年 2 月 7 日 [ 販売名 ] 1 ヘプタバックス-Ⅱ 2 ビームゲン 同注 0.25mL 同注 0.5mL [ 一般名 ] 組換え沈降 B 型肝炎ワクチン ( 酵母由来 ) [ 申請者名 ] 1 MSD 株式会社 2 一般財団法人化学及血清療法研究所 [ 申請年月日 ]

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日産婦誌58巻9号研修コーナー

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2)HBV の予防 (1)HBV ワクチンプログラム HBV のワクチンの接種歴がなく抗体価が低い職員は アレルギー等の接種するうえでの問題がない場合は HB ワクチンを接種することが推奨される HB ワクチンは 1 クールで 3 回 ( 初回 1 か月後 6 か月後 ) 接種する必要があり 病院の

日本内科学会雑誌第98巻第12号

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厚生労働省班会議

都道府県単位での肝炎対策を推進するための計画を策定するなど 地域の実情に応じた肝炎対策を推進することが明記された さらに 近年の状況等を踏まえ 平成 28 年 6 月に基本指針の改正を行い 肝炎対策の全体的な施策目標を設定すること等が追記された 都は 肝炎をめぐる都内の状況や基本指針の改正を踏まえ

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患者さま情報 あなたのお名前 かかりつけ医 電話 : 調剤薬局 緊急時連絡先 ( ) 年 ( ) 月 ( ) 日からペグインターフェロン ( ペガシス ペグイントロン ) 注射を週 1 回 合計 ( ) 週間の予定で開始しま した 併用療法の場合は リバビリン ( コペガス レベトール ) という

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目次 1. 地域医療連携パスとは 肝疾患医療連携パスの運用方法について... 3 (1) 特長 (2) 目的 (3) 対象症例 (4) 紹介基準 (5) 肝疾患医療連携パスの種類 (6) 運用 3. 肝疾患医療連携パス... 7 (1) 肝疾患診断医療連携パス ( 医療者用 : 様式

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2018 年 10 月 4 日放送 第 47 回日本皮膚アレルギー 接触皮膚炎学会 / 第 41 回皮膚脈管 膠原病研究会シンポジウム2-6 蕁麻疹の病態と新規治療法 ~ 抗 IgE 抗体療法 ~ 島根大学皮膚科 講師 千貫祐子 はじめに蕁麻疹は膨疹 つまり紅斑を伴う一過性 限局性の浮腫が病的に出没

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方法について教えてください A 妊娠中の接種に関する有効性および安全性が確立されていないため 3 回接種を完了する前に妊娠していることがわかった場合には一旦接種を中断し 出産後に残りの接種を行うようにしてください 接種が中断しても 最初から接種し直す必要はありません 具体的には 1 回目接種後に妊娠

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AC 療法について ( アドリアシン + エンドキサン ) おと治療のスケジュール ( 副作用の状況を考慮して 抗がん剤の影響が強く残っていると考えられる場合は 次回の治療開始を延期することがあります ) 作用めやすの時間 イメンドカプセル アロキシ注 1 日目は 抗がん剤の投与開始 60~90 分

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診療ガイドラインに沿った 潰瘍性大腸炎の治療

自己免疫性肝炎 1. 概要中年以降の女性に好発し 慢性に経過する肝炎であり 肝細胞障害の成立に自己免疫機序が想定される 診断にあたっては 肝炎ウイルス アルコール 薬物による肝障害 および他の自己免疫疾患の基づく肝障害を除外する 2. 疫学好発年齢は 50~60 歳代であり 男 : 女 =1:6 と

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B 型肝炎とは太郎丸店 B 型肝炎とは HBV(DNA ウイルス ) が血液 体液を介して感染するものであり A~C 型の中で最も多く その 80% % はアジア系が占めている 日本でも日本でもキャリア (HBV 保有者 ) は約 130~150 150 万人いるとされている HBV の潜伏期間潜伏期間は 4~20 週間であり 発症すると症状としてであり 発症すると症状として発熱 黄疸 全身倦怠感 発熱 黄疸 全身倦怠感 食欲低下などの感冒様症状を呈する 経過 約 90% 臨床的治癒 70~80 80% 臨床的治癒 母子感染 約 10% 慢性肝炎肝硬変 20~30 30% 約 5%/ 年 肝癌 年齢 0 10 20 30 40 50 60 70 ウイルス量 105 copies/ml 以上 ALT 上昇を伴う肝炎の活動性増加がみられ 肝発癌リスク UP 60 代前後に癌化 (C 型肝炎より速い ) 感染後 多くは非多くは非活動性の無症候性キャリアとなり活動性の無症候性キャリアとなり 病変が進行して肝硬変 病変が進行して肝硬変 肝細 肝細胞癌に至るのは約その 1 割である である 成人の HBV 初感染では 通常は急性肝炎となりウイルスを排除して治癒する 検査 診断 HBV の遺伝子 DNA 抗原蛋白とそれに対する抗体の検査があり 病態の把握 治療効果予測や判定に有用であるである HBs 抗原 (+) HBV 感染状態 HBs 抗体 (+) 過去の HBV 感染 HBc 抗体 (+) 低抗体価 : 過去の HBV 感染 ( 多くの場合 HBs 抗体陽性 ) 高抗体価 :HBV 感染状態 ( ほとんどの場合 HBs 抗原陽性 ) IgM HBc 抗体 (+) 低抗体価 :B 型急性肝炎とその数ヵ月後 B 型慢性肝炎の急性増悪高抗体価 :B 型急性肝炎 HBe 抗原 (+) 血中 HBV が多い ( 感染力強い ) 肝炎例では肝炎の持続性 (HBV 増殖のマーカー ) HBe 抗体 (+) 多くは血中 HBV 少ない ( 感染力弱い ) 肝炎例は少ない HBVDNA 血中 HBV 量を示す ( 抗ウイルス効果の指標 )

他 腹部超音波検査 腫瘍マーカー (AFP PIVKA-Ⅱ) など 予防不活化ワクチン ( 成分ワクチン ) 接種する 対象者は下記の通りで 遺伝子組換えワクチン 1 バイアル (10μg) を筋肉内または皮下に接種する (10 歳以下の小児 乳幼児は半量 ) 通常は 初回 1 ヵ月後 6 ヵ月後の 3 回投与され 3 回投与で接種者の 91~96% % が HBs 抗体の陽転化がみられる HBs 抗体陽転率女 > 男 若年者 > 高齢者 HBs 抗体価副作用には重篤なものは特に報告されておらず アレルギー反応 接種部位の疼痛 掻痒感 倦怠感などがある 対象者 1 HBs 抗原 HBs 抗体陰性者 2 HBs 抗原陽性妊婦からの出生児新生児 幼児を対象とした感染防止 B 型肝炎母子感染予防策 3 HBV 感染ハイリスクグループ第一ハイリスクグループ HBV キャリアを配偶者とする者第二ハイリスクグループ 医師 看護師 検査技師などの医療従事者第三ハイリスクグループ 消防士 救急救命士 警察官 治療通常は 安静 食事療法 ( 高カロリー 高タンパク食 ) で自然治癒する ただし 肝炎が発症し長時間経過した症例や年齢 ウイルス量 炎症の程度 線維化の程度を評価し 自然経過で病態が進行する可能性が高い症例においては薬物治療を行う 35 歳未満ではしばしば自然経過で肝炎の鎮静化を認める ALT 値が正常範囲内にある無症候性キャリアは治療対象外 治療の目標 HBs 抗原の陰性化 ( 理想 ) HBe 抗原の陰性化 セロコンバージョン HBVDNA の減少 陰性化 ALT 値の正常化最終目標は発癌阻止 生存期間延長 QOL の改善

核酸アナログの長期投与による耐性株出現や妊娠を考慮 核酸アナログを控える 基本方針 35 歳未満 ステロイドリバウンド療法 IFN 療法短期的抗ウイルス療法 ( 急性増悪などで肝予備機能低下例 重症 劇症肝炎の場合 ) 35 歳以上 積極的な核酸アナログの投与耐性株の出現 アデホビル併用 インターフェロン α β(ifn (IFNα β) 抗ウイルス作用と抗腫瘍作用の 2 段階の効果をもつ 1 ウイルスの増殖 感染を抑える 2 ウイルスに感染した細胞ごと破壊する 肝細胞 肝炎ウイルス リンパ球 投与期間は 6 ヶ月が望ましいが 日本では 4 週間の短期が主体である 4w 投与後の HBe セロコンバージョン率は 12%(1 年後 )29%(2 2 年後 ) である また B 型では C 型のようにウイルスの完全排除は期待できない IFN の 1 回投与量は 成人で 3~10MIU の範囲内で週 3 回 小児では 3 ~10MIU/m 3 までを週 3 回が基本である IFN 治療開始時の年齢が 30 歳未満の場合 IFN 効果良好であるである 副作用としては としては 発熱 ( ほぼ必発 ) 全身倦怠 食欲不振 関節痛 吐き気 筋肉痛 脱毛 神経障害 ( 頭痛 めまい しびれ ) などがあるが これらは解熱鎮痛薬 ( インドメタシンなど ) の前投与により軽減する その他 精神症状 甲状腺炎 自己免疫疾患 心筋症 心不全 腎不全 間質性肺炎 ( 小紫胡湯との併用 ) なども報告されている 副作用は投与開始 1~4 週間に現れやすいため この期間は特に注意は必要である

核酸アナログ製剤 ( ラミブジン アデホビル エンテカビル ) ラミブジン核酸アナログ製剤は HBVDNA 量低値 ALT 高値 HBe 抗体陽性例で効果が期待できる ラミブジンの作用機序は HBV 感染細胞内で三リン酸化され逆転写酵素阻害により ウイルス DNA に取り込まれ DNA 伸長を停止させることによるためため ヒトの DNA 複製には影響しない 問題点としては ウイルス自体を殺すわけではないため 内服中止後 リバウンドにより肝機能悪化 重症化することがあることやことや YMDD 変異ウイルスの出現により 肝炎が再熱する例があることがあげられる アデホビルはラミブジン投与中の症例で かつ耐性菌が出現して ALT HBVDNA の再熱がみられる例でラミブジンとの併用という形で保険適用が許可されている エンテカビルは 35 歳以上の核酸アナログ未使用例における B 型肝炎に対する抗ウイルス薬としての第一選択となっている ただし 食事の影響により吸収率が低下するので空腹時に投与する必要がある NH 2 N O N HOH 2 C O H H S 対症療法 ( 副腎皮質ホルモン剤 漢方 グリチルリチン製剤 ) 1 強力ネオミノファーゲン C(SNMC SNMC) 主成分はグリチルリチンで ALT の低値安定化をもたらすが B 型慢性肝炎に対する治療効果の報告は少ない C 型では ALT の低値安定化 肝硬変 肝癌の抑制に有効との報告がある 日常診療では 肝炎活動性の高いときに 連日あるいは隔日で投与されることが多い 2 ウルソデオキシコール酸 (UDCA UDCA) 急性肝炎の遷延する高度黄疸例に対し その有効性が報告されている 3 小紫胡湯 ALT が低値を持続する例で投与する 肝硬変には適応外である 副作用として間質性肺炎に注意する IFN 併用禁忌!! C 型肝炎とは HCV(RNA ウイルス ) が輸血や透析などにより輸血や透析などにより血液血液を介して感染するを介して感染する B 型と異なり 母子感染率は低い (7% 7%) 潜伏期間 2~26 26 週間である

日本での感染者は約 150~200 万人とされており とされており 日本人患者の 7 割が遺伝子型 1b b 型にかかっている (IFN 難治性 ) 現在 50 万位しか治療をうけていない状況である 2b 10% 日本人の C 型肝炎ウイルスの遺伝子型 2a 20% 1b 70% 1b 型 = ウイルス量が多い 症状としては B 型肝炎同様 発熱 黄疸 全身倦怠感 食欲低下発熱 黄疸 全身倦怠感 食欲低下などのなどの感冒様症状感冒様症状がみられる 経過 約 30% 治癒 臨床的治癒 水平感染 慢性肝炎 肝硬変 肝癌 約 70% 30~40% 約 7%/ 年 年齢 0 10 20 30 40 50 60 70 30% % は自然治癒. 慢性化率は高く 劇症化はまれ 検査 診断 HCV 抗体量 HCV のコア抗原量 HCV-RNA 量の測定が行われる ただし HCV 抗体が検出されるのは発症後 2~6 ヶ月後が多く 初期の診断にはあまり役立たない 予防効果的なワクチンはなワクチンはなく く 医療行為における標準予防策の遵守 献血された血液やド ナーから提供された臓器の検査などが重要となる コンセンサス IFN とは? 治療安静 ビタミン補給は不要であるが 食事は肥満を避け 鉄分の過剰摂取を 遺伝子組換えで人工的に作った IFN 普通の IFN の 5 倍活性があ る C 型肝炎完治率 1

避けるよう指導する IFN-α C 型慢性肝炎の第一選択薬原則として ALT 異常で HCV 感染を認めるすべての成人が適応である 平成 17 年からスミフェロン注 ( 天然型 IFN-α) アドバフェロン注 ( コンセンサス IFN) の自己注射が 2 週間に一回の受診を条件に可能となった IFN 単独療法は リバビリン禁忌例および HCV-RNA RNA<100 KIU/mL に推奨される ( 投与期間制限なし ) また また リバビリンの副作用が出現しやすい 65 歳以上の高齢者や貧血 腎障害 糖尿病や高血圧の合併例でも選択肢となる 完全著効 ( ウイルス学的改善 組織学的改善 ) に至る症例は 30~40 40%. 残りは IFN 療法に無反応か 反応しても治療終了後に再熱する反応しても治療終了後に再熱する IFN 単独療法では 75 歳 リバビリン併用療法では 65~70 歳が上限と考えられている pegylated IFN PEG 修飾 ( メトキシポリエチレングリコールの共有結合 ) により体内停滞時間の延長 分子量増加による吸収遅延のために持続的に効果が現れる IFN は週 3 回通院する必要があるが Peg-IFN は週 1 回の投与ですむ処方例 PEG-IFN IFNα-2a( ペガシス ):180 180μg を皮下注. 週 1 回 48 週間投与 リバビリンリバビリンは核酸アナログ誘導体でプリンヌクレオプリンヌクレオチド類似物チド類似物である 適応となるのは IFN との併用による血中 HCV-RNA 量が高値の場合 または IFN 単独療法で無効又は再熱した場合で IFN と併用することで有効となる 副作用には催奇形性 貧血 再生不良性貧血 自殺企図催奇形性 貧血 再生不良性貧血 自殺企図などがある 保険適用は初回治療は高ウイルス量 (HCV-RNA : 100KIU/mL または 1Meq/mL 以上 ) のみであるが 再治療はウイルス量に関係なく使用可能 また リバビリンと併用できるのは保険適用上は IFN-α-2b PEGIFN-α-2b 2b( ( 皮下注 ) である 処方例 IFNα-2b( イントロン A):1 回 600 万 ~1000 万単位を筋注. 週 6 日 2 週間投与の後 週 3 回 46 週間投与レベトール (200mg):1 日 3~4C 分 2 経口投与連日 48 週間 対症療法肝庇護薬 (B 型参照 ) 処方例 ALT 値 100IU/L 以下 ウルソ 600mg/ 日分 3 以上 ウルソ 600mg mg/ 日分 3 + 強力ネオミノファーゲン C 40~100ml/ 日静注

瀉血療法鉄過剰には発癌作用があり 瀉血で肝癌抑制が期待される HCV 量には有意な影響を与えない 処方例初期瀉血 1 回量 200~400ml を 血清フェリチン値が 10ng/ml 以下に到達するまで 2 週おきに繰り返す維持瀉血血清フェリチン値が 20ng/ml 以下を保つように適宜追加する (3~6 ヶ月 ) リバビリン 現在ジェノタイプ 1 の高ウイルス量の患者さんで以上の完全治癒ができるようになってきている また 今年の 4 月から C 型肝炎の根治を目的とンターフェロン療法に対して医療費の公的な助が始まり国をあげての C 型肝炎に対する取り組されている も 6 割するイ成制度みがな