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妊娠 出産 不妊に関する知識の普及啓発について 埼玉県参考資料 現状と課題 初婚の年齢は男女とも年々上昇している 第一子の出生時年齢も同時に上昇している 理想の子ども数を持たない理由として 欲しいけれどもできないから と回答する夫婦は年々上昇している 不妊を心配している夫婦の半数は病院へ行っていない

附帯調査

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平成 26 年 3 月 28 日 気象庁 特別警報の認知度等に関する調査結果 ( 概要 ) I 調査の概要 1 目的 国民の特別警報に対する認知度 理解度を把握し 今後の特別警報の運用や利活用の促進 当庁 の周知 広報活動に資するための資料の収集 2 調査内容 (1) 特別警報の認知状況 (2) 特

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最初に あなたの働く目的は何ですか? という質問をしたところ 20~50 代のすべての年代において 生活 家族のため と答えた人が最も多かった その割合は 20 代が 63.6% 30 代が 74.0% 40 代が 83.8% 50 代が 82.5% だった また 全年代共通で 第 2 位が 自由に

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Transcription:

LGBT 等性的マイノリティに関する意識調査 企画 運営 : 公益財団法人京都市男女共同参画推進協会 監修 : 特定非営利活動法人虹色ダイバーシティ

調査の概要 目次 調査結果 まとめ

< 背景と目的 > 国内外で性の多様性を認める動きが広がっ 調査概要背景と目的 ている 学生の街である京都の地域社会において LGBT 等性的マイノリティ当事者の支援者を増やすために 若い世代の LGBTに対する理解度やカミングアウトに対する意識を調査し 支援の輪を広げるための課題やニーズを把握する

< 調査概要 > (1) 調査対象市内大学に在籍する学生 青少年活動センター利用者 調査概要対象 方法 (2) 調査方法大学の講義やセンターの講座内で LGBT 等性的マイノリティに関するアンケートを配布 回収 (3) アンケート実施期間及び開催校数期間 : 平成 27 年 10 月 ~12 月開催数 :7 大学及び 1 センター回収数 :640

調査概要アンケート内容 < アンケート項目全 10 問 > LBGT 等の基礎用語について 当事者に対する認識と差別的言動の有無 カミングアウトに対する意識について LBGT に関する社会の理解について 性自認 < アンケート実施の注意点 > 回収者を限定し アンケート用紙の慎重な取り扱いを徹底した 性自認 ( 自分の自覚する性別 ) を問う項目には 答えたくない場合は無記入でかまいません と記載した

アンケート調査結果と解析

Q1. 聞いたことのある言葉にチェックをつけてください ( 複数回答可 ) 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 (%) 88.9 60.0 L G B T 94.4 94.4 73.5 テ セィ性性ク 的的セシマ少クュイ数シテアノ者ュ ィルリア性マテル的イィママノ イイリノノテリリィ 96.4 98.4 94.4 レズビアン ゲイ 94.4 バイセクシュアル 85.8 94.4 94.4 64.5 トランスジェンダー 性同一性障害 96.4 LGBT などの性的マイノリティ当事者 LGBT などの性的マイノリティ当事者以外 レズビアン ゲイ 性同一性障害 は 90% を超える認知度 LGBT トランスジェンダー が 60% 台であるのは比較的新しい用語であるため認知が低いと思われる 当事者の方が理解度が高いが それでも 100% ではなく 当事者であっても情報を得るのが難しい状況が伺える

Q2.LGBT( ) の言葉の意味はわかりますか? 同性愛や性同一性障がいを含む性のあり方が少数派の人たちのこと わかる 53.0% わからない 46.7% 無回答 0.3% LGBT の意味がわかると回答した人は過半数の 53.0% であった Q1 では 聞いたことがあ る人が 60.9% であったので 聞いたことがある人はほぼ意味まで理解している 最近の 新聞 テレビ等のメディアで用語解説されているのが浸透していると思われる

Q3. LGBT などの性的マイノリティ ( ) は人口の何パーセントぐらいだと思いますか? 同性愛や性同一性障がいを含む性のあり方が少数派の人たちのこと 約 0.1%(1,000 人に一人 ) 45.0% 15.3% 38.3% 1.4% 約 1%(100 人に 1 人 ) 約 5%(20 人に1 人 ) 無回答 正答 約 1% と回答した人が 45.0% で最多 正答の約 5%(20 人に 1 人 ) を選んだのは 38.5% で あった 全年代を対象とした 淀川区区民意識調査 (2015 虹色ダイバーシティ ) では正 答が 21.3% だったので 今回の調査対象者である若年層の方が理解度が高いと言える

LGBT などの性的マイノリティが人口の 5 パーセント (20 人に 1 人 ) であると正しく答えられた人はどのような人か? LGBT の言葉の意味がわかると答えた人 LGBT の言葉の意味がわからないと答えた人 正答 約 5%(20 人に 1 人 ) 22.4 52.5 約 1%(100 人に 1 人 ) 38.9 51.8 約 0.1%(1,000 人に一人 ) 8.6 23.1 0 10 20 30 40 50 60 質問 3 で LGBT の言葉の意味を知っていると答えた人の半数以上が人口の割合について正答して おり 大学等の授業や新聞 テレビのニュースでしっかり解説されている影響ではないかと思 われる より詳細に解析すると 当事者であると回答している人の約 3 割が誤答であった 自分以外の当事者に安全に出会う機会が少なく 孤立感があるのではないかと懸念する (%) (%)

Q4. 今までに体験したり 見聞きしたりしたもの 誰かを同性愛者でないかと噂する 0 10 20 30 40 50 60(%) しばしばある たまにある ほとんどない 8.4 22.2 22.2 25.1 42.6% 34.2 38.9 61.1% LGBT などの性的マイノリティ当事者 LGBT などの性的マイノリティ当事者以外 まったくない 11.1 24.2 わからない 5.6 7.6 テレビの話題として 同性愛者は気持ち悪い などと言う 0 10 20 30 40 50(%) しばしばある 38.9 3.8 同性愛者ではないのかという噂については当事者が 61.1% 非当事者で 42.6% が しばしば たまに と回答しており 当事者の方がより敏感である 差別的発言についても同様に当事者の方がより多くを経験している たまにある 17.3 22.2 ほとんどない 5.6 31.5 まったくない 22.2 34.2 わからない 11.1 13.3

Q4. 今までに体験したり 見聞きしたりしたもの 女らしくない 男らしくない というような否定的な言動 0 10 20 30 40 50 60(%) しばしばある たまにある 23.1 38.9 42.0 55.6 LGBT などの性的マイノリティ当事者 ほとんどない 5.6 15.5 LGBT などの性的マイノリティ当事者以外 まったくない 9.6 わからない 9.6 宴会芸として女装やオネエタレントの真似をする 0 10 20 30 40 50(%) しばしばある 27.8 8.9 たまにある 33.3 25.3 ほとんどない 5.6 16.5 性に関する差別的言動についての質問 4 項目全てにおいて 当事者の方が非当事者より敏感である これは虹色ダイバーシティの職場における調査の傾向とも合致している 非当事者が差別的意図なく 何気なく言っている言葉に当事者が傷ついている状況が浮かび上がる まったくない わからない 16.7 16.7 13.8 35.3

(%) Q5. あなたの身近な人 ( 家族 友人 知人 ) などから LGBT などの性的マイノリティであると打ち明けられた場合 あなたの気持ちに近いものにチェックをしてください ( 複数回答可 ) 過半数が おどろくが 話を聞く 理解したいと思う 今まで通り接する であった 理解できない 距離をおきたい 等の否定的な反応を選択する人は 10% 未満であり 受け身ながら受容の姿勢が多数派である ポジティブな反応は性自認 女性の方が総じて多く これは他の調査でも同様である 性的マイノリティに理解ある男性のロールモデルが少ないことが影響しているのではないかと考えられる 信頼してくれてうれしいと思う 応援したいと思う という より積極的な受容の姿勢を見せたのは約 4 割である こうした声を 見える化 することで当事者の生きづらさを緩和することができるのではないだろうか 71.6 0.6 38.6 1.9 56.1 3.4 38.3 0.9 66.3 9.2 78.2 0.6 43.7 0.8 60.5 2.2 46.8 0.3 75.4 7.8 67.4 0.4 28.6 3.6 49.6 6.3 24.1 2.2 51.3 10.7 0 20 40 60 80 100 おどろくが 話を聞くおどろいて 話を聞かない信頼してくれてうれしいと思う距離をおきたいと思う理解したいと思う理解できないと思う応援したいと思う応援したいと思わないいままで通り接するわからない全体女性男性

Q6. LGBT などの性的マイノリティの人たちにとって日本社会は暮らしやすい社会だと思いますか? 0 20 40 60 80(%) 過ごしやすいと思う 2.0 11.1 やや過ごしやすい思う 0.0 6.7 LGBT などの性的マイノリティ当事者 あまり過ごしやすいと思わない 過ごしやすいと思わない 27.8 37.6 43.1 80.7% 61.1 88.9% LGBT などの性的マイノリティ当事者以外 わからない 0.0 10.2 日本は性的マイノリティにとって過ごしやすい社会だと 思わない あまり と思わない が当事者 非当事者で 8 割を超えており 当事者が困難な状況におかれていることは多くの人が感じている わからない と回答している非当事者が無関心層とならないために啓発を進める必要を感じる

Q7. LGBT などの性的マイノリティの人たちが暮らしやすい社会を つくるための取組は必要だと思いますか? やや必要だと思う 30% 必要だと思う 53% わからない 11% あまり必要だとは思わない 4% 必要ではない 1% 無回答 1% 性的マイノリティが暮らしやすい社会づくりのための取り組みは 必要 やや必要 を合わせて 83% であり 必要 を選択した人も 53% になった

Q8. どのような取組が必要だと思いますか? % 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 教育現場での啓発活動 (LGBTに関する講演会や授業など) 教育現場での啓発活動 (LGBT に関する講演会や授業など ) 50% 61% 社会制度の見直し ( パートナーシップ証明書 性別移行への配慮など ) 社会制度の見直し ( パートナーシップ証明書 性別移行への配慮など ) 64% 72% 行政による啓発活動 ( 広報誌やポスターによる発信 LGBT 支援宣言など ) 行政による啓発活動 ( 広報誌やポスターによる発信 LGBT 支援宣言など ) 21% 28% LGBTについての専門の相談機関 ( 電話相談や面接相談など ) LGBT についての専門の相談機関 ( 電話相談や面接相談など ) LGBTの人が安心して集まれるコミュニティスペース LGBT の人が安心して集まれるコミュニティスペース 17% 40% 44% 43% LGBT などの性的マイノリティ当事者 LGBT などの性的マイノリティ当事者以外 多くの人が必要だと感じている施策は 社会制度の見直し 63% 教育現場での啓発 50% コミュニティスペース 42% 相談機関 40% である 当事者と非当事者を比較すると 相談機関 は非当事者の 40% が必要と考えているのに対して 当事者は 17% である これは 虹色ダイバーシティの職場における調査でも同じ傾向であり 相談機関があっても使えないのではないかという懸念の現れだと考えられる 相談機関を作るのであれば 安心して利用できることをしっかり広報する必要があるだろう

Q9. 10. 回答者の属性及び性自認 Q9. あなたの属性にチェックを入れてください 答えたくない場合は無記入でかまいません 無回答 11.3% LGBT などの性的マイノリティ当事者ではない 85.9% LGBT などの性的マイノリティ当事者である 2.8% 性的マイノリティ当事者ではないと回答した人は 85.9% 当事者は 2.8%(18 人 ) 無回答が 11.3% であった 電通総研の 2015 年調査では 7.6% が当事者であり 海外の調査でも 3 10% であることから 自覚的な当事者は人口の数 % で これは本調査の数字とも合致すると思われる Q10. あなたの性自認 ( 自分の自覚する性別 ) にチェックを入れてください 答えたくない場合は無記入でかまいません 男性 35.0% 女性 55.8% X ジェンダー 中性 どちらとも言えない 3.1% その他 1.3% 無回答 4.8% 女性 55.8% 男性 35.0% であり 本調査は女性自認の回答者が多い X ジェンダーが 3.1%(20 人 ) と多めであるが 20 代で X ジェンダー 中性 どちらとも言えないに回答する人が多いのは 虹色ダイバーシティのアンケート調査でも同様である

まとめ (1) LBGT 等の基礎用語 知識からわかること 若者世代を対象とした本調査の結果を全年代対象の 淀川区区民意識調査 (2015 虹色ダイバーシティ ) と比べると 若者世代は性的マイノリティに関する知識も理解度も高いと思われる メディアや大学等の授業で知識を習得していることに加えて 身近にカミングアウトしている友人がいることで関心が高まっているのかもしれない 但し 当事者であっても言葉の理解度が 100% ではなく 比較的新しい言葉が多い状況を踏まえると 正しい言葉と意味について社会全体で認知度を高める必要があると言える 例えば レズ という言葉には侮蔑的な意味が含まれるので レズビアン という言葉が推奨される 言葉は時代とともに進化していく ジェンダーの問題でも DV( ドメスティッス バイオレンス ) という言葉が使われるようになったことで 配偶者からの暴力が個人的な問題ではなく 社会的な問題 犯罪であるという認識が広まった 家庭内 地域 学校等の教育機関など全ての場所で性的マイノリティに関する正しい言葉と意味を理解し 使用することが当事者と当事者以外の相互理解の壁を乗り越える手掛かりとなる 誰かを同性愛者でないかと噂する等の差別的言動の経験の有無について 4 項目全てにおいて当事者の方が非当事者より多く経験している これは虹色ダイバーシティの職場における調査の傾向とも合致しており 非当事者が差別的意図なく 何気なく言っている言葉に当事者が傷ついている状況が浮かび上がる また 男らしさ 女らしさに関する否定的言動は 性自認が女性の方がやや敏感であり それよりさらに X ジェンダーの方が敏感である 社会的により弱い立場に置かれる側の視点を重視して施策を考える必要があるだろう

まとめ (2) カミングアウトに対する意識 身近な人 ( 家族 友人 知人 ) などから LGBT などの性的マイノリティであると打ち明けられた場合を想定した質問では 理解できない 距離をおきたい 等の否定的な反応を選択する人は少数であり 約 4 割が 信頼してくれてうれしいと思う 応援したいと思う という積極的な受容の姿勢を見せた 英語で LGBT の理解者 支援者 を意味するアライ (ally) につながるこうした声を 見える化 することで当事者の生きづらさを緩和することができる 受容に関するポジティブな反応は性自認 女性の方が総じて多く これは他の調査でも同様であることから 今後は性的マイノリティに理解ある男性のロールモデルが増えることも重要である 一方で 性的マイノリティについての全国調査 (2015 河口他 ) では 自分の子どもが同性愛者だったら 嫌だ どちらかといえば嫌だ との回答が 20 代で 55.3% であった 身近な人がそうだったら という戸惑いは 市井の当事者の姿が見えにくいことと 当事者の家族がどのように受容したらよいかという情報も不足していることが要因として考えられる 取り組みの必要性と誰もができるアクションついて アンケートでは大多数の人が何等かの取り組みが必要だと答えている 前述の全国調査では 同性婚の法制化に 賛成 やや賛成 は 20~30 代で 70% を超えている 若い世代は非常にポジティブだとも言えるが 社会制度が変われば自然に解決するのではないかと どこか他人事にしている気分はないだろうか 社会制度が変わっても身近な差別的言動は無くならないかもしれないし 逆に社会制度が変わらなくても自分の周囲から差別的言動を減らすよう働きかけることはできる 身近でできるアクションを提示する必要を感じる 家庭や地域 学校で LGBT 等性的マイノリティの理解者 支援者であるアライの輪を広げることが重要である 釜野さおり 石田仁 風間孝 吉仲崇 河口和也 2016 性的マイノリティについての意識 2015 年全国調査報告書 科学研究費助成事業 日本におけるクィア スタディーズの構築 研究グループ ( 研究代表者広島修道大学河口和也 ) 編