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第 1 章調査の実施概要 1. 調査の目的 子ども 子育て支援事業計画策定に向けて 仕事と家庭の両立支援 に関し 民間事業者に対する意識啓発を含め 具体的施策の検討に資することを目的に 市内の事業所を対象とするアンケート調査を実施しました 2. 調査の方法 千歳商工会議所の協力を得て 4 月 21

5年以上1年未満 5年以上1年未満 3年以上3 15年以上2年未満 15年以上2年未満 1 2 スタスタ 2年以上2 2年以上 年以上3 3年以上3 資料2-4-2 男女別就業形態 弁護士の活動実態 25年以上3年未満 2

平成 29 年度下期新潟市景況調査 ( 本報告 ) Ⅳ テーマ別調査結果 93

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健康保険・船員保険          被保険者実態調査報告

若年者雇用実態調査

2 継続雇用 の状況 (1) 定年制 の採用状況 定年制を採用している と回答している企業は 95.9% である 主要事業内容別では 飲食店 宿泊業 (75.8%) で 正社員数別では 29 人以下 (86.0%) 高年齢者比率別では 71% 以上 ( 85.6%) で定年制の採用率がやや低い また

調査要領 1. 調査の目的 : 人口減少による労働力不足が懸念されるなかで 昨年 4 月には女性活躍推進法 ( 正式名称 : 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律 ) が施行されるなど 女性の社会進出がさらに進むことが期待されている そこで 女性の活躍に向けた取り組み状況について調査を実施す

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第 2 章 産業社会の変化と勤労者生活

事業所

①公表資料本文【ワード軽量化版】11月8日手直し版【1025部長レク⑤後】平成30年61本文(元データあり・数値1004版)

結  果  の  概  要

平成 年 2 月 日総務省統計局 労働力調査 ( 詳細集計 ) 平成 24 年 10~12 月期平均 ( 速報 ) 結果の概要 1 Ⅰ 雇用者 ( 役員を除く ) 1 1 雇用形態 2 非正規の職員 従業員の内訳 Ⅱ 完全失業者 3 1 仕事につけない理由 2 失業期間 3 主な求職方法 4 前職の

23 歳までの育児のための短時間勤務制度の制度普及率について 2012 年度実績の 58.4% に対し 2013 年度は 57.7% と普及率は 0.7 ポイント低下し 目標の 65% を達成することができなかった 事業所規模別では 30 人以上規模では8 割を超える措置率となっているものの 5~2

平成 21 年経済センサス 基礎調査確報集計結果 (2) 産業分類別 - 従業者数 ( 単位 : 人 %) 北海道 全国 従業者数従業者数 (*2 (*2 A~S 全産業 A~R 全産業 (S 公務を除く )

2 外国人労働者の属性 (1) 国籍別にみると 中国 ( 香港等を含む 以下同じ ) が全体の 57.4% を占め 次いで フィリピンが 15.0% となっている また ベトナムについては対前年同期比で 62 人 (52.1%) 増加しており 同 181 人 (4.2%) を占めている 図 1 別表

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26公表用 栃木局版(グラフあり)(最終版)

3.HWIS におけるサービスの拡充 HWISにおいては 平成 15 年度のサービス開始以降 主にハローワーク求人情報の提供を行っている 全国のハローワークで受理した求人情報のうち 求人者からインターネット公開希望があったものを HWIS に公開しているが 公開求人割合は年々増加しており 平成 27

平成29年度     地域経済動向調査      調査報告書

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親と同居の壮年未婚者 2014 年

図表 1 金融や貯蓄への関心

(2) 予定される行動計画導入方法 ( 問 21 で 2 策定に向けて検討中である と答えた方へ ) 付問 1 一般事業主行動計画は どのような方法で導入する予定ですか ( はいくつでも ) 次世代育成支援対策推進法に基づく 一般事業主行動計画 を策定に向け検討中の事業所で どのような方法で導入する

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雇用の現状_季刊版2014年夏号

< 業種別 > 2 製造業主要判断 の推移 製造業 29/ /3 見込 /6 予想 < 製造業 > 当期 は 8.0( 前期比 -1.7) 当期 は 9.1( 同 -8.9) 当期 は 5

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第 2 章 我が国における IT 関連産業及び IT 人材の動向 1. IT IT IT 2-1 IT IT 大分類 A 農業, 林業 B 漁業 C 鉱業, 採 業, 砂利採取業 D 建設業 E 製造業 F 電気 ガス 熱供給 水道業 G 情報通信業 H 運輸業, 郵便業 I 卸売業, 小売業 J

2017年 北陸3県後継者問題に関する企業の実態調査

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自動的に反映させないのは133 社 ( 支払原資を社内で準備している189 社の70.4%) で そのうち算定基礎は賃金改定とは連動しないのが123 社 (133 社の92.5%) となっている 製造業では 改定結果を算定基礎に自動的に反映させるのは26 社 ( 支払原資を社内で準備している103

関東地方の者が約半数を占める (45.3%) 続いて近畿地方 (17.4%) 中部地方 (15.0%) となっている 図表 2-5 地域構成 北海道 東北関東中部近畿中国四国九州 沖縄総数 (%) 100.0% 8.9% 45.3%

Ⅰ 調査の概要 1. 調査の目的 本調査は 今後の公的年金制度について議論を行うにあたって 自営業者 被用者 非就業者を通じた横断的な所得に関する実態を総合的に把握し その議論に資する基礎資料を得ることを目的とする なお 本調査は 平成 22 年公的年金加入状況等調査 の特別調査として 当該調査の調

平成 25 年 3 月 19 日 大阪商工会議所公益社団法人関西経済連合会 第 49 回経営 経済動向調査 結果について 大阪商工会議所と関西経済連合会は 会員企業の景気判断や企業経営の実態について把握するため 四半期ごとに標記調査を共同で実施している 今回は 2 月下旬から 3 月上旬に 1,7

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3 特許保有数 図表 Ⅰ-3 調査対象者の特許保有数 Ⅱ. 分析結果 1. 減免制度 (1) 減免制度の利用状況本調査研究のヒアリング対象の中小企業が利用している法律別の減免制度の利用状況を 図表 Ⅱ-1 に示す 企業数は延べ数でカウントしている 図表 Ⅱ-1 減免制度の利用状況 この結果から 産業

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1 教育研修費用総額と従業員 1 人当たりの教育研修費用 (1)1 社当たりの教育研修費用総額 1 社当たりの教育研修費用総額は 2014 年度は予算額 5,458 万円 ( 前回調査 5,410 万円 ) 同実績額 4,533 万円 ( 同 4,566 万円 ) であり 2015 年度は予算額 5

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一企業当たりの事業所数は 14. 事業所 ( 前年度差.6 事業所減 ) 常時従業者数 499 人 ( 前年度比.8% 減 ) 売上高は 23.4 億円 ( 同 2.9% 減 ) 製造企業の一企業当たりの売上高は 億円 ( 前年度比 3.9% 減 ) 営業利益は 1 億円 ( 同.6%

第三章:保育士の就業・就職行動と意識

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調査結果のポイント 従業員採用状況について 平成 28 年度 (H28.4 ~ H29.3) は 計画どおり もしくは計画より多く採用した と回答した企業が69% 採用計画について 29 年度 (H29.4 ~ H30.3) は 28 年度実績と比較し 増やす と回答した企業と 減らす と回答した企

~~~ 目 次 ~~~ 1 労働力状態 1 2 就業者数 2 3 産業別就業者数 4 4 教育 5 5 夫婦の労働力状態 6 6 外国人の就業者数 7 統計表 ( 表 1~9) 8 数値の見方 総数には分類不詳を含む このため 各項目の合計と一致しない場合がある 割合は 特に注記のない限り分母から不

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正 島根 公表資料(1P)

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ふくい経済トピックス ( 就業編 ) 共働き率日本一の福井県 平成 2 2 年 1 0 月の国勢調査結果によると 福井県の共働き率は % と全国の % を 1 1 ポイント上回り 今回も福井県が 共働き率日本一 となりました しかし 2 0 年前の平成 2 年の共働き率は

①-1公表資料(本文 P1~9)

イ 産業構造 ( ア ) 市内総生産 市内総生産は 増減はあるものの概ね横ばいです 産業部門別では第 3 次産業 が 8 割以上を占めています 第 3 次産業は 成長率の推移からみても 市内総生 産の成長に寄与しているといえます 産業 3 部門別生産額 ( 単位 : 億円 ) 第 1 次産業 第 2

(2) 男女別の公的年金加入状況平成 22 年 11 月末における 20~59 歳の男子の公的年金加入状況をみると 第 1 号被保険者が 979 万 6 千人 ( 男子人口に対し 29.5%) が 2,262 万 1 千人 ( 同 68.2%) が 11 万 3 千人 ( 同 0.3%) であり (

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( 様式第 1 号 ( 共通 )) 共通事項 1 キャリアアップ管理者 情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 企業全体で常時雇用する労働 者

5. 退職一時金に係る就業規則のとりまとめ 退職一時金に係る就業規則の提供があった企業について 退職一時金制度の状況をとりまとめた なお 提供された就業規則を分析し 単純に集計したものであり 母集団に復元するなどの統計的な処理は行っていない 退職一時金の支給要件における勤続年数 退職一時金を支給する

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緑の雇用 事業を開始するまでは 林業の新規就業者数は年平均約 2 千人程度でしたが 事業 を開始した以後は約 3 千 4 百人に増加し 平成 22 年度には 4,013 人となっています ( 図 ) 2

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(3) お住まいはどちらですか?( 単身赴任の場合は家族の居住地 ) 住まいは 名古屋市内 が 40.8% 名古屋市外 が 59.2% である 図 36 住まい 名古屋市外 59.2 n=191 名古屋市内 40.8 (4) ご家族 家族は 核家族 ( 二世代 子どもと親のみ ) が 49.7% と

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2. 中途採用をしたことがあるか 中途採用をしたことがある企業は 全体の 95% で あった 調査対象を 右表の 7 つの業種グループに 分類してそれぞれの傾向を分析すると 建設業 運 輸業 サービス業ではすべての企業が中途採用をし たことがあると回答した その他の業種グループで も 9 割前後の企

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1 15 歳以上人口の就業状態 富山県の 15 歳以上人口 人のうち 有業者は 人 ( 全国 6621 万 3 千人 ) と 平成 24 年と比べると 人減少しています 有業率 (15 歳以上人口に占める有業者の割合 ) についてみると 59.5%( 全国 5

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テレワーク制度等 とは〇 度テレワーク人口実態調査 において 勤務先にテレワーク制度等があると雇用者が回答した選択枝 1 社員全員を対象に 社内規定などにテレワーク等が規定されている 2 一部の社員を対象に 社内規定などにテレワーク等が規定されている 3 制度はないが会社や上司などがテレワーク等をす

イ適用税率別の数と税割課税額税割は資本金の額により適用する税率を決めているので 適用税率別に集計することで資本規模による違いがわかります 税割の税率は標準税率 9.7%(12.3%) と制限税率 12.1%(14.7%) の 2 段階です 9.7% の税率は資本金の額が 1 億円以下のや資本金を有し

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業種別の概況 教養 技能教授業 事業所数 7 万 9509 事業所 ( 前年比 6.7%) 従業者数 25 万 6477 人 ( 前年比 2.8%) 年間売上高 9328 億円 ( 前年比 3.0%) 教養 技能教授業務の事業従事者数 33 万 7230 人 ( 前年比 4.4%) 教養 技能教授業

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第 2 章 専門サービス業 ( 社会保険労務士事務所 ) の現状と課題

2-1 社会保険労務士の現状 (1) 社会保険労務士の就業者数及び就業状況 ( 全国 ) 平成 17 年国勢調査の抽出調査票による就業者の職業 ( 小分類 ) など抽出詳細集計によると 社会保険労務士の就業人口は 平成 12 年の国勢調査において 1,568 人であり 平成 17 年の国税調査では 13,481 人と増加しており 5 年間の就業人口の増加率は 3.1% である ( 図表 2-1 参照 ) 図表 2-1 社会保険労務士の就業者数総数 ( 人 ) 男性 ( 人 ) 女性 ( 人 ) 13,481 10,564 2,917 平成 17 年国勢調査より作成 図表 2-2 社会保険労務士の就業状況 雇用者役員雇人のあ雇人のな総数常雇臨時雇る事業主い事業主 2,355 2,231 124 567 3,213 7,346 役員 雇人のある 雇人のない 常雇 臨時雇 業主 業主 54% 18% 17% 24% 4% 1% 平成 17 年国勢調査より作成 - 9 -

また 就業状況から 雇人のない業主 が全体の半数以上を占めている こ れは 比較的規模の小さい事業所が多いことによると思われる ( 図表 2-2 参 照 ) 2-2 社会保険労務士の課題 近年 就業形態の多様化や個別労働紛争の急増などを背景として 社会保険労務士業務においても裁判外紛争解決手続き代理業務が追加されるなど社会保険労務士を取り巻く環境が大きく変化していることから 全国社会保険労務士会連合会では 社会保険労務士の収入等経営形態や顧問契約先事業所の業種 規模 勤務先での処遇等にどのような変化が生じてきたのか また社会保険労務士はどのように対応してきたのか その実態と課題を明らかにし社会保険労務士の将来像を描き出すことを目的として 全国の開業 法人 勤務等全ての社会保険労務士を対象に平成 20 年度に社会保険労務士基本調査 ( 以下 実態調査 という ) を実施した 本調査研究資料では 全国社会保険労務士会連合会了解の元 人材育成等に関係する一部のデータを提示することとする なお 本資料の詳細については 月刊社会保険労務士 2009.8 を参照していただきたい (1) 社会保険労務士事務所の事業規模 実態調査によると 社会保険労務士事務所の事業規模は 社会保険労務士本人の みで開業している ( 従業員数 0 人 ) が半数近く占めている ( 図表 2-3 参照 ) 図表 2-3 社会保険労務士の事業所規模 0 人 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 6 人 ~9 人 10 人以上計 実数 ( 人 ) 1,751 1,004 422 273 132 106 152 70 3,910 44.8% 25.7% 10.8% 7.0% 3.4% 2.7% 3.9% 1.8% 100.0% 3.4% 7.0% 2.7% 3.9% 1.8% 0 人 1 人 2 人 10.8% 44.8% 3 人 4 人 5 人 25.7% - 10 -

(2) 社会保険労務士の年齢 ( 開業者 ) 構成実態調査結果から 社会保険労務士の開業年数を図表 2-4 に示す また 年齢構成を図表 2-5 に示す 図表 2-4 より社会保険労務士の開業年数を見ると 1~3 年未満から 10~15 年未満までが総じて高い数値となっており 特に 5~10 年未満が最も高い数値となっている この傾向は平成 13 年においても平成 20 年においても変わらない傾向となっている 年齢構成と男女比を図表 2-5 よりみると 男性の年代別構成比に比較し 女性の 30 代から 50 代までの 3 層はいずれも高い 業務の中での IT 対応など男性よりも積極的で社会保険労務士業界における女性の活動の活発と存在感の高まりが見て取れる 1 年未満 1~3 年未満 図表 2-4 社会保険労務士の開業年数単位 (%) 3~5 年未満 5~10 年未満 10~15 年未満 15~20 年未満 20~25 年未満 25~30 年未満 30 年以上 平成 20 年 8.8 12.8 12.0 21.4 14.1 8.4 7.1 5.1 9.2 平成 13 年 9.7 11.2 10.3 17.8 13.4 11.0 8.0 6.2 11.6 1 年未満 1~3 年未満 3~5 年未満 5~10 年未満 10~15 年未満 15~20 年未満 20~25 年未満 25~30 年未満 30 年以上 無回答 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 平成 20 年度 8.8% 12.8% 12.0% 21.4% 14.1% 8.4% 7.1% 5.1% 9.2% 0.9% 平成 13 年度 9.7% 11.2% 10.3% 17.8% 13.4% 11.0% 8.0% 6.2% 11.6% 0.7% - 11 -

図表 2-5 回答者の年齢構成と男女比 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70 歳 無回答 29 歳 39 歳 49 歳 59 歳 69 歳 以上 男性 ( 人 ) 19 345 580 802 783 628 14 女性 ( 人 ) 7 110 247 207 110 39 1 計 (3,892) 27 455 827 1,014 895 673 19 男性 N=3.171 女性 N=721 40.0% 35.0% 30.0% 男性 N=3171 女性 N=721 計 N=3910 25.0% 20.0% 15.0% 10.0% 5.0% 0.0% 20~29 歳 30~39 歳 40~49 歳 50~59 歳 60~69 歳 70 歳以上無回答 (3) 社会保険労務士の受託事業状況図表 2-6 より 社会保険労務士の受託している事業所の規模をみると 従業員数 10 人未満の事業規模の事業者が 53.4% と一番多く 逆に 10 人を超える事業所は 8.1% となっており 受託している事業所対象のほとんどが中小 零細企業となっている その一方で 平成 13 年度と平成 20 年度を比較してみると 従業員 50 人以上の受託事業所先が 6.7%(3.9%+2.8%) から 14.3%(6.2%+8.1%) と 倍以上多くなっていることから 従業員規模の大きい企業への業務拡大傾向が見られる ( 図表 2-6 参照 ) - 12 -

図表 2-6 社会保険労務士の総受託事業所従業員規模別割合 ( 全業種 ) ( 単位 %) 従業員規模 1~10 人 11~20 人 21 人 ~50 人 51 人 ~100 人 101 人以上 平成 20 年 53.4 19.6 12.8 6.2 8.1 平成 13 年 61.2 18.8 13.3 3.9 2.8 1~10 人 11~20 人 21 人 ~50 人 51 人 ~100 人 101 人 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 平成 20 年 53.4% 19.6% 12.8% 6.2% 8.1% 平成 13 年 61.2% 18.8% 13.3% 3.9% 2.8% (4) 社会保険労務士の受託している事業所の業種 図表 2-7 より 社会保険労務士の受託している事業所の業種については 製造 業 卸売業 土木 建設業 サービス業等が 20% 前後と多くなっている 図表 2-7 社会保険労務士の受託している事業所の業種 N=92,149 製造業 卸 小売業 金融 保険業 土木 建設業 運輸 通信業 サービス業 飲食 娯楽業 その他 19,167 15,204 1,751 17,785 5,437 17,324 4,792 10,689 20.8% 16.5% 1.9% 19.3% 5.9% 18.8% 5.2% 11.6 % - 13 -

飲食 娯楽業, 5.2% その他, 11.6% 製造業, 20.8% サービス業, 18.8% 卸 小売業, 16.5% 運輸 通信業, 5.9% 土木 建設業, 19.3% 金融 保険業, 1.9% (5) 受託している業務の範囲図表 2-8 より社会保険労務士が受託している業務の範囲を見ると 1 号 2 号 3 号すべて という人が 6 割と最も高く 平成 13 年度調査との比較では 主として 1 号 2 号 業務比率が降下し 主として 3 号 業務比が上昇している 業務の範囲 図表 2-8 受託している業務の範囲 ( 単位 %) 1 号 2 号 3 号全て 主として 1 号 2 号 主として 3 号 主として 1 号の 4~6 無回答 全体 N=3910 60.4 26.1 11.4 0.3 1.8 3 年未満 N=846 3~10 年未満 N=1307 10~20 年未満 N=882 20 年以上 N=841 53.1 22.7 20.9 0.5 2.8 60.4 24.3 13.6 0.3 1.4 63.9 28.3 6.6 0.2 0.9 64.6 29.6 3.0 0.1 2.1 平成 13 年 59.2 29.5 7.8 0.0 3.5-14 -

1 号 2 号 3 号すべて主として 1 号 2 号主として 3 号主として 1 号の 4~6 無回答 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 全体 N= 3910 60.40% 26.10% 11.40% 1.80% 3 年未満 N= 846 53.10% 22.70% 20.90% 2.80% 3~10 年未満 N= 1307 60.4% 24.3% 13.6% 1.4% 10~20 年未満 N= 882 63.9% 28.3% 6.6% 0.9% 20 年以上 N= 841 64.6% 29.6% 3.0% 2.1% 平成 13 年 (6) 希望研修内容 図表 2-9 より研修希望は 労務管理 就業規則作成 変更 賃金制度などが上 位だが ほとんどの項目について希望があり 幅広い需要が見込まれる 図表 2-9 希望研修内容 (N=1,792 複数回答可 ) ( 単位 : 人 ) 年金相談等の実務 548 賃金制度の実務 662 労働社会保険諸法令関係の実務 396 労務管理の実務事例 848 各種助成金の実務 545 就業規則の作成 変更の実務 712 ADR と特定社会保険労務士の義務 585 雇用管理 429 労働条件の決定 変更 590 厚生労働行政 181 安全衛生管理 377 労務監査の技法 616 その他 59-15 -

- 16 - このように社会保険労務士の実態をみると 個人開業が非常に多い一方で従業員規模の大きい企業への業務拡大傾向が見られるため 今後社会保険労務士事務所においては 従業者数を増加し法人としての業務展開をする可能性が示唆される さらに専門サービス業 ( 社会保険労務士事務所 ) の受託企業が 日本企業数の 99.7% を占める中小 零細企業であり その中小 零細企業が昨年度からの世界経済の急速な減速に伴い 製造業においては 元請け企業の減産を受け 業況は悪化している また 現在の企業状況を考えると 国内の会社企業数は平成 18 年では 151 万 6 千企業で 平成 13 年と比べると 10 万 2 千企業 (6.3%)( 年率 1.3%) の減少となっている ( 平成 18 年事業所 企業統計調査の概要より ) 一方 平成 21 年の社会保険労務士試験の出願者数は試験が始まった 1968 年度以降最多の 6 万 7745 人に上ったと連合会より発表された このような社会保険労務士の状況及び受託企業状況等からみても 社会保険労務士に課せられる新たな業務展開や現状業務の迅速かつ信頼性のある対応は非常に大きいと考えられるため 社会保険労務士としてのスキルアップを段階的かつ体系的に進めるための職業能力体系の整備がますます必要になっていると考えられる 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 年金相談等の実務賃金制度の実務労働社会保険諸法令関係の実務労務管理の実務事例各種助成金の実務就業規則の作成 変更の実務 ADR と特定社会保険労務士の義務雇用管理労働条件の決定 変更厚生労働行政安全衛生管理労務監査の技法その他

2-3 人材育成と人材確保 昭和 43 年の社会保険労務士制度創設以来 40 年の間に 社会保険労務士の業務範囲は格段に拡充された これに伴い法律専門家としての社会保険労務士の社会的責任と役割は一層重いものとなってきている 連合会では 労働 社会保険に関する法律 人事 労務管理の専門家として必要な基礎的な知識を習得するための新規入会者 開業準備者を対象とした階層別の集団研修や 全会員に対し5 年に1 度の受講を義務付ける倫理研修 労働社会保険諸法令の改正に関する実務知識を習得するための法令研修 現在社会問題となっている年金の相談に関する研修 個別労働関係紛争に関する研修 e-gov 電子申請システムの仕様が一部公開されたことによる労働社会保険諸法令の手続きの電子化研修等の数多くの研修を企画し 都道府県社会保険労務士会が中心となってこれら研修を実施している また新たな方針として 連合会では 研修のあり方について 体系的研修制度の構築を目指すこととしており 社会保険労務士が 国民に信頼されるにふさわしい労務管理及び社会保険の専門家であるために 段階的 体系的な研修による業務遂行能力向上のための取り組みをする準備を進めているところである この構想においては 専門家として求められる一定水準の業務遂行能力を習得すること 広範多岐にわたる社会保険労務士の専門業務について さらに専門性を高めるための研修を受講できる施策を講ずること 大学院等との連携等 人材育成分野に重点を置いた施策を講ずることとしている 以上のような背景のもと 社会保険労務士個人の資質向上を図ること そのための研修制度の充実は極めて重要な課題であり 今般の階層別研修等の項目による職務や仕事レベルでの社会保険労務士基本調査の細分化 さらに現状業務と照らし合わせた段階的かつ体系的な職務分析による業務整理は 今後効率的な人材育成と新たな事業展開を図る意味において大変有意義であったと考える 併せて 受託企業規模が拡大傾向にある中 適材適所の人材を確保するためにも 個々の社会保険労務士業務を体系 可視化した職業能力体系 ( モデルデータ ) の活用は 研修受講による個人のスキルアップについて当初の目的であった効果的な人材育成モデルへの展開への大きな要因となるものと期待するところである - 17 -