2018年度の雇用動向に関する道内企業の意識調査

Similar documents
2015年度の雇用動向に関する群馬県内企業の意識調査

イノベーション活動に対する山梨県内企業の意識調査

人手不足に対する企業の動向調査(2017年10月)

人手不足に対する企業の意識調査(2017年1月)

リオおよび東京五輪に対する埼玉県内企業の意識調査

人手不足に対する企業の動向調査

2016年度の雇用動向に関する静岡県内企業の意識調査

人手不足に対する企業の動向調査

人手不足に対する企業の動向調査

北陸3県、法人税改革に対する企業の意識調査

人手不足に対する企業の動向調査(2017年7月)

個人消費活性化に対する長野県内企業の意識調査

ニュースリリース 中小企業の雇用 賃金に関する調査結果 ( 全国中小企業動向調査 2013 年 月期特別調査 ) 年 4 月 8 日株式会社日本政策金融公庫総合研究所 3 割の企業で正社員は増加 3 社に 1 社で給与水準は上昇 従業員数 2013 年 12 月において

マイナンバー制度に対する多摩地区企業の意識調査

企業における喫煙に関する意識調査

マイナンバー制度に対する宮崎県企業の意識調査

平成 29 年度下期新潟市景況調査 ( 本報告 ) Ⅳ テーマ別調査結果 93

消費税増税後の仕入・販売単価に関する東北6県企業の動向調査

個人消費活性化に対する九州企業の意識調査

2017年 北陸3県後継者問題に関する企業の実態調査

中小企業の雇用・賃金に関する調査結果(全国中小企業動向調査(中小企業編)2015年10-12月期特別調査)

マイナンバー制度に対する企業の意識調査

女性登用に対する企業の意識調査(2017年)

農業法人等における雇用に関する調査結果

四国地区 社長出身大学分析(2018年)

調査要領 1. 調査の目的 : 人口減少による労働力不足が懸念されるなかで 昨年 4 月には女性活躍推進法 ( 正式名称 : 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律 ) が施行されるなど 女性の社会進出がさらに進むことが期待されている そこで 女性の活躍に向けた取り組み状況について調査を実施す

2 継続雇用 の状況 (1) 定年制 の採用状況 定年制を採用している と回答している企業は 95.9% である 主要事業内容別では 飲食店 宿泊業 (75.8%) で 正社員数別では 29 人以下 (86.0%) 高年齢者比率別では 71% 以上 ( 85.6%) で定年制の採用率がやや低い また

新電力会社(登録小売電気事業者)の実態調査2018年

国内企業22万社の融資等の保全状況実態調査

平成 25 年 3 月 19 日 大阪商工会議所公益社団法人関西経済連合会 第 49 回経営 経済動向調査 結果について 大阪商工会議所と関西経済連合会は 会員企業の景気判断や企業経営の実態について把握するため 四半期ごとに標記調査を共同で実施している 今回は 2 月下旬から 3 月上旬に 1,7

イノベーション活動に対する企業の意識調査

スライド 1

マイナンバー制度に対する企業の意識調査

中途採用実態調査(2018年上半期実績、2019年度見通し)

結果概要 Ⅰ 人手不足への対応について 1. 人員の過不足状況について 社 % 不足している 1, 過不足はない 1, 過剰である 合計 2, 全体では 半数以上の企業が 不足している と回答 n =2,

第 70 回経営 経済動向調査 公益社団法人関西経済連合会 大阪商工会議所 < 目次 > 1. 国内景気 2 2. 自社業況総合判断 3 3. 自社業況個別判断 4 4. 現在の製 商品およびサービスの販売価格について 8 参考 (BSI 値の推移 ) 11 参考 ( 国内景気判断と自社業況判断の推

結果概要 Ⅰ 人手不足への対応について 1. 人員の過不足状況について ( 前年調査比較 ) 社 % 不足している 1,336(1,319) 55.6(50.3) 内円 : 平成 27 年調査 外円 : 平成 28 年調査 n =2,405 過不足はない過剰である無回答合計 955(1,195) 3

ワークス採用見通し調査

[2] ブラック だと思う条件 / 調査 調査 ブラック だと思う条件について とのの双方に尋ね 調査データの比較を行った 最も数値が高い項目は両者とも 残業代が支払われない で ともに 8 割近くが選択 ( 78.4% 78.5%) 続いて セクハラ パワハラがある も数値が高く の 7% の 6

< 業種別 > D.I. 2 製造業主要判断 D.I. の推移 製造業 30/ /9 見込 /12 予想 < 製造業 > 当期 は 24.5( 前期比 +0.8) と景況感は横ばいであった

<4D F736F F D CD CC88DB8E9D814188C092E882D682CC8EE682E DD82C98AD682B782E98BD98B7D B F578C768C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

道内メーンバンク調査(2015年)

熊本県メーンバンク調査

- 調査結果の概要 - 1. 改正高年齢者雇用安定法への対応について a. 定年を迎えた人材の雇用確保措置として 再雇用制度 導入企業は9 割超 定年を迎えた人材の雇用確保措置としては 再雇用制度 と回答した企業が90.3% となっています それに対し 勤務延長制度 と回答した企業は2.0% となっ

熊本商工会議所 製本第四四半期(HP・報道機関用)

2017年 後継者問題に関する企業の実態調査

社団法人日本生産技能労務協会

熊本商工会議所 製本第四四半期(HP用)

新規株式上場意向調査2019

PowerPoint プレゼンテーション

1 教育研修費用総額と従業員 1 人当たりの教育研修費用 (1)1 社当たりの教育研修費用総額 1 社当たりの教育研修費用総額は 2014 年度は予算額 5,458 万円 ( 前回調査 5,410 万円 ) 同実績額 4,533 万円 ( 同 4,566 万円 ) であり 2015 年度は予算額 5

労働力調査(詳細集計)平成24年平均(速報)結果の要約



ワークス採用見通し調査(新卒:2020年卒)

Microsoft Word - ₥+ èª¿æŁ»ï¼›ï¼“çŽºè¡¨å¾„èª¤åŁŠä¿®æŁ£.docx

平成29年度     地域経済動向調査      調査報告書

第4回中国進出企業実態調査

2. 中途採用をしたことがあるか 中途採用をしたことがある企業は 全体の 95% で あった 調査対象を 右表の 7 つの業種グループに 分類してそれぞれの傾向を分析すると 建設業 運 輸業 サービス業ではすべての企業が中途採用をし たことがあると回答した その他の業種グループで も 9 割前後の企

目次. 独立行政法人労働政策研究 研修機構による調査 速報値 ページ : 企業調査 ページ : 労働者調査 ページ. 総務省行政評価局による調査 ページ

雇用の現状_季刊版2014年夏号

記者配布資料大阪経済記者クラブ会員各位 平成 30 年 5 月 9 日 中堅 中小企業の経営課題に関するアンケート調査 結果について お問合先 大阪商工会議所経済産業部 ( 山田 西田 ) TEL: 調査概要 調査目的 : 中堅 中小 小規模企業の業況や経営課題 賃上げ 補助

滋賀県内企業動向調査 2018 年 月期特別項目結果 2019 年 1 月 滋賀銀行のシンクタンクである しがぎん経済文化センター ( 大津市 取締役社長中川浩 ) は 滋賀県内企業動向調査 (2018 年 月期 ) のなかで 特別項目 : 働き方改革 ~ 年次有給休暇の取得

調査結果 1. 働き方改革 と聞いてイメージすること 男女とも 有休取得 残業減 が 2 トップに 次いで 育児と仕事の両立 女性活躍 生産性向上 が上位に 働き方改革 と聞いてイメージすることを聞いたところ 全体では 有給休暇が取りやすくなる (37.6%) が最も多く 次いで 残業が減る (36

東京23区信用金庫 預金積金・貸出金調査

新規文書1

スライド 1

国内主要112行の第2四半期決算(中間期)預金・貸出金等実態調査

女性活躍による中小企業の生産性向上の余地

太陽光関連業者の倒産動向調査

②H2904 県内の雇用情勢(完成1)

第1回「若手社員の仕事・会社に対する満足度」調査   

第7回 福島県内企業のメーンバンク実態調査

(Taro-\222\262\215\270\225[.A4\207B.jtd)

中小企業のための「育休復帰支援プラン」策定マニュアル

四国地方 主要8行の預金・貸出金等分析(2017年第2四半期(中間期)決算)

長野県女性社長分析

職場環境 回答者数 654 人員構成タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % タイプ % % 質問 1_ 採用 回答 /654 中途採用 % 新卒採用 % タ


下関市立大学広報第72号

[ 調査の実施要領 ] 調査時点 製 造 業 鉱 業 建 設 業 運送業 ( 除水運 ) 水 運 業 倉 庫 業 情 報 通 信 業 ガ ス 供 給 業 不 動 産 業 宿泊 飲食サービス業 卸 売 業 小 売 業 サ ー ビ ス 業 2015 年 3 月中旬 調査対象当公庫 ( 中小企業事業 )

Microsoft PowerPoint

<4D F736F F D C698B4393AE8CFC92B28DB893C195CA8AE989E65F C89DB90C5816A2E646F63>

新潟県内企業のメーンバンク調査(第9回)

新潟県内企業のメーンバンク調査(第7回)

「平成20年夏季ボーナス支給予定に関するアンケート調査」集計結果

ヒューマンタッチ総研 Monthly Report 平成 27 年 11 月 ヒューマンタッチ総研 Monthly Report 平成 27 年 11 月 ヒューマンタッチ総研レポートでは 建設業に特化して人材関連の様々な情報 最新の雇用関連データを月に 1 回のペー スで発信していきます ご愛読い

スライド 1

第2回「若手社員の仕事・会社に対する満足度」調査 

(Microsoft PowerPoint \201y\221\3461\216l\224\274\212\372_\225\361\215\220\217\221HP\224\305\201z.pptx)

一企業当たりの事業所数は 14. 事業所 ( 前年度差.6 事業所減 ) 常時従業者数 499 人 ( 前年度比.8% 減 ) 売上高は 23.4 億円 ( 同 2.9% 減 ) 製造企業の一企業当たりの売上高は 億円 ( 前年度比 3.9% 減 ) 営業利益は 1 億円 ( 同.6%

第5回 「離婚したくなる亭主の仕事」調査

2. 有期契約労働者を雇用しているか 設問 1 パート アルバイト 契約社員 嘱託 派遣社員などの有期契約労働者を雇用していますか 選択肢 1 雇用している 2 雇用していないが 今後雇用する予定 3 雇用していないが 以前雇用していた 4 雇用しておらず 今後も雇用しない予定 全体

平成22年7月30日

従業員に占める女性の割合 7 割弱の企業が 40% 未満 と回答 一方 60% 以上 と回答した企業も 1 割以上 ある 66.8% 19.1% 14.1% 40% 未満 40~60% 未満 60% 以上 女性管理職比率 7 割の企業が 5% 未満 と回答 一方 30% 以上 と回答した企業も 1

< 業種別 > 2 製造業主要判断 の推移 製造業 29/ /3 見込 /6 予想 < 製造業 > 当期 は 8.0( 前期比 -1.7) 当期 は 9.1( 同 -8.9) 当期 は 5

調査の概要 少子高齢化が進む中 わが国経済の持続的発展のために今 国をあげて女性の活躍推進の取組が行なわれています このまま女性正社員の継続就業が進むと 今後 男性同様 女性も長年勤めた会社で定年を迎える人が増えることが見込まれます 現状では 60 代前半の離職者のうち 定年 を理由として離職する男

個人消費活性化に対する企業の意識調査

製造業3. 東北の産業構造 ( 製造業 ) (1) 製造業 1 概況 製造品出荷額等は 16 兆 7,600 億円で前年比 6.2% の増加 平成 26 年の東北地域の製造品出荷額等は 16 兆 7,600 億円で前年比 6.2% と3 年連続の増加となった また 全国に占める割合は5.5% と前年

Microsoft Word - H29 結果概要

Transcription:

札幌支店住所 : 札幌市中央区南 2 条西 9-1-17 TEL:011-272-3033( 代表 ) URL:http://www.tdb.co.jp/ 正社員採用予定の企業 4 年連続で 6 割超える ~ 調査開始以降最も高い水準に ~ はじめに人手不足が深刻化するなか 2017 年 12 月の有効求人倍率は 1.59 倍と 1974 年 1 月以来 43 年 11 カ月ぶりの高水準となった また 新規学卒者の就職内定率は 2017 年 12 月時点で 86.0%( 大卒 ) と 7 年連続で上昇し 1996 年に調査を開始して以来最高となっている さらに 政府では 働き方改革 を政策の重要な柱とするなか 国会での議論が活発化している そこで 帝国データバンク札幌支店は 2018 年度の雇用動向に関する道内企業の意識について調査を実施した 本調査は TDB 景気動向調査 2018 年 2 月調査とともに行った 調査期間は 2018 年 2 月 15 日 ~28 日 調査対象は道内 1131 社で 有効回答企業数は 518 社 ( 回答率 45.8%) 調査結果 ( 要旨 ) 1. 2018 年度に正社員の採用予定があると回答した企業の割合は 65.4% と前回調査を 4.1 ポイント上回り 4 年連続して 6 割を超え 調査開始以降最も高くなった 大企業 (85.3%) は前年を 2.3 ポイント上回り 6 年連続して 8 割を超えた 中小企業 (62.1%) は 2010 年以降 9 年連続して前年を上回る結果となった 2. 非正社員の採用予定があると回答した企業の割合は 53.1% と 3 年ぶりに増加 非正社員に対する採用意欲は強まってきた 3. 2018 年度の正社員比率は企業の 19.5% が 2017 年度より上昇すると見込む その要因では 業容拡大への対応 (42.6%) をあげる割合が高く 退職による欠員の補充 技術承継などを目的とした正社員雇用の増加 非正社員から正社員への雇用形態の転換 が続く 4. 従業員の働き方に対する取り組みでは 賃金の引き上げ が 51.5% でトップ 次いで 有給休暇の取得促進 長時間労働の是正 がいずれも 4 割台で続いた 1

1.2018 年度の正社員採用 採用予定あり が 4 年連続で 6 割超える 2018 年度 (2018 年 4 月 ~2019 年 3 月入社 ) の正社員 ( 新卒 中途入社 ) の採用状況について尋ねたところ 採用予定がある ( 増加する 変わらない 減少する の合計) と回答した企業は 65.4% と調査開始以降最も高く 前回調査 (2017 年 2 月実施 ) を 4.1 ポイント上回り 採用予定のある企業は 4 年連続で 6 割を超えた 他方 採用予定はない は 23.7% となり 前回調査を 4.6 ポイント下回った 規模別にみると 大企業 では 2018 年度に正社員の 採用予定がある と回答した企業は 85.3% で前回より 2.3 ポイント上回り 6 年連続して 8 割を超えた 68.3% の大企業が人手不足を感じているなか ( 1) 引き続き採用に積極姿勢であることが浮き彫りとなった また 中小企業は 62.1% で前回調査を 5.1 ポイント上回り 2010 年以降 9 年連続して前年を上回る結果となった 採用予定のある企業からは 技術職において定年退職者及び離職者の補充 高齢化に伴う業務継承などの考えで 若い人材の新卒採用 中途採用を推進している ( メンテナンス 警備 検査 ) など 正社員を採用することで技術の継承を図る声があった また 募集しているが 応募が非常に少ない ( 鉄鋼 非鉄 鉱業 ) や 積極的に募集するも採用に繋がらない ( 建設 ) といった採用現場の厳しさを反映する声も挙げられた 正社員採用について 採用予定がある 採用予定はない 2007 年度 56.4% 39.0% 4.6% 2008 年度 50.8% 44.6% 4.6% 2009 年度 36.4% 57.8% 5.8% 2010 年度 35.8% 56.4% 7.9% 2011 年度 40.2% 50.7% 9.2% 2012 年度 46.5% 46.3% 7.2% 2013 年度 52.8% 38.6% 8.6% 2014 年度 58.3% 33.0% 8.7% 2015 年度 61.0% 30.3% 8.6% 2016 年度 61.8% 28.3% 9.9% 2017 年度 61.3% 28.3% 10.4% 2018 年度 65.4% 23.7% 10.8% 注 : 採用予定がある は 増加する 変わらない 減少する の合計 1 帝国データバンク札幌支店 人手不足に対する道内企業の動向調査 (2018 年 1 月 ) (2018 年 3 月 27 日発表 ) 2

他方 採用予定のない企業からは 増員する企業体力がない ( 機械 器具卸売 ) のほか 仕事量が減りそうなため ( 広告関連 ) といった声が聞かれた 100 80 60 40 20 0 正社員の 採用予定がある 割合の推移 ~ 規模別 ~ 82.1 84.3 81.7 86.0 83.0 85.3 76.5 76.1 73.9 61.3 55.1 54.6 62.1 56.3 56.7 57.0 51.6 51.5 45.3 45.3 39.9 30.6 31.0 34.8 大企業 中小企業 2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 ( 年度 ) 2. 非正社員の採用予定企業は 3 年ぶりに増加 2018 年度 (2018 年 4 月 ~2019 年 3 月入社 ) の非正社員 ( 新卒 中途入社 ) の採用状況について尋ねたところ 採用予定がある ( 増加する 変わらない 減少する ) と回答した企業は 53.1% となった 非正社員の採用予定は 2016 年度以降 2 年連続で減少していたが ここにきて非正社員に対する採用意欲は強まってきた 企業からは 現在 仕事はあるがいつまで続くかわからない 先行きが不安な状況のため 長期に雇用することはリスクが高く 仕事のある期間だけ契約社員を雇うしか方法がない ( その他 サービス ) や 事務系の臨時職員を採用する方向 ( 建設 ) など仕事量の状況に応じて臨機応変に対応するために非正社員の採用をあげる声も聞かれた また 高齢化による退職者の交代要員が求人単価の低さで集まらない ( 運輸 倉庫 ) や 社員同様 応募そのものが大きく減少しており 非常に採用しにくい 賃金も含め再度募集方法を検討する ( 飲食料品 飼料製造 ) など現場での求人 採用の厳しさを指摘する意見も聞かれた 2007 年度 2008 年度 2009 年度 2010 年度 2011 年度 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 2017 年度 2018 年度 非正社員採用について 採用予定がある採用予定はない 50.5% 45.2% 31.6% 31.8% 34.2% 36.3% 43.3% 48.9% 51.3% 48.8% 43.2% 53.1% 41.4% 45.0% 59.9% 55.4% 53.1% 53.3% 45.2% 38.4% 38.4% 40.3% 41.9% 35.3% 8.1% 9.8% 8.6% 12.7% 12.7% 10.4% 11.5% 12.7% 10.2% 11.0% 14.9% 11.6% 注 : 採用予定がある は 増加する 変わらない 減少する の合計 3

他方 採用予定はない (35.3%) と回答した企業は 前回調査 (41.9%) より 6.6 ポイント減 少した 企業からは 非正社員の社員化を進めており非正社員の採用は控えている ( 金融 ) とい った声が聞かれた 3. 正社員比率 上昇する 企業は 19.5% 要因は 業容拡大への対応 が 42.6% 2018 年度の正社員比率について尋ねたところ 2017 年度と比較して 上昇する と回答した企業は 19.5% で 低下する (4.8%) を 14.7 ポイント上回った 正社 員比率が 上昇する 割合は 2010 年と比較して 10.5 ポイント上昇しており 2018 年度は雇用 形態において正社員化が一段と高まっていくとみられる 2018 年度の正社員比率が 上昇する と回答した企業に対して その要因を尋ね たところ 業容拡大への対応 が 42.6% と最も高かった 次いで 退職による欠員の補充 と 技術承継などを目的とした正社員雇用の増加 が 38.6% で並び 非正社員から正社員への雇用 形態の転換 (36.6%) も 3 割を超える企業が要因にあげていた また 労働契約法や労働者派遣 法など 法改正への対応 は 8.9% となった 正社員比率の上昇要因 ( 複数回答 ) 1 業容拡大への対応 42.6 2018 年度の正社員比率 7.5% 低下する 4.8% 上昇する 19.5% 2 退職による欠員の補充 38.6 3 技術承継などを目的とした正社員雇用の増加 38.6 4 非正社員から正社員への雇用形態の転換 36.6 5 人手不足による非正社員の減少で相対的に上昇 21.8 注 : 母数は有効回答企業 518 社 変わらない 68.1% 6 新規事業への参入 8.9 7 法改正への対応 ( 労働契約法 労働者派遣法など ) 8.9 8 内製化の推進 7.9 効率化 ( 機械化 システム化 ) による非正社員の削 9 2.0 減で相対的に上昇 10 業績低迷による非正社員の削減で相対的に上昇 0.0 その他 3.0 注 : 母数は 正社員比率が 上昇する と回答した企業 101 社 25 20 15 10 5 正社員比率 上昇する 割合 9.0 19.5 0 2010 2018 ( 年度 ) 4

4. 従業員の働き方に対する取り組み 賃金の引き上げ がトップ 現在 政府は 働き方改革 を政 策の重要な柱としており さまざ まな議論が進められている こう したなかで 企業が従業員の働き 方に対して どのような取り組み を行っているか尋ねたところ 賃 金規定の整備 改定などを含む 賃 金の引き上げ が 51.5% で最も高 かった 次いで 有給休暇の取得 促進 や時間外労働の上限規制な ど 長時間労働の是正 が 4 割台 で続いたほか 研修や OJT など 人 材育成の強化 や 各種手当の導 入 活用促進 が上位にあげられて いる 企業からは 働き手の希望に応じた採用 勤務時間設定を検討したい 一企業に縛られない働 き方も検討すべき ( サービス ) や 正規 非正規にかかわらず雇用環境の改善を図るため 社員 とその家族のための保険を会社として充実させる ( 専門商品小売 ) といった意見が聞かれる一方 働き方改革で 労働時間の短縮 給与の値上げをして 中小企業が今後生き残れるのか ( その 他の卸売 ) という意見も聞かれた 従業員の働き方に対する取り組み状況 ( 複数回答 上位 10 項目 ) 1 賃金の引き上げ ( 賃金規定の整備 改定など ) 51.5 2 有給休暇の取得促進 45.0 3 長時間労働の是正 ( 時間外労働の上限規制など ) 41.7 4 人材育成の強化 ( 研修 OJT など ) 31.1 5 各種手当の導入 活用促進 20.8 6 労働時間の柔軟化 ( 時短勤務など ) 18.9 7 高齢者の就労支援 18.3 8 メンタルヘルス対策の拡充 16.6 9 非正規雇用者の待遇改善 13.3 10 パワハラ セクハラ対策の拡充 12.0 注 : 母数は有効回答企業 518 社 5

まとめ 2018 年度の雇用動向について 正社員の 採用予定がある 企業の割合は 65.4% で調査開始以降最も高くなった 大企業 では 85.3% で前回を 2.3 ポイント上回ったほか 中小企業 においても前回調査を 5.1 ポイント上回るなど 採用状況は企業規模にかかわらず上向いている また 非正社員の 採用予定がある 企業は 3 年ぶりに増加 非正社員に対する採用意欲も高まってきた 正社員比率の上昇を見込む企業は 2 割弱となり その要因として 4 割以上の企業が 業容拡大への対応 をあげるなど 2018 年度は雇用形態において正社員化が一段と高まっていくとみられる 総じて 2018 年度の企業の採用意欲は高水準での推移が続くと見込まれる 採用予定がある 増加する 正社員採用 変わらない 減少する 採用予定はない 2005 年度 65.3 23.4 34.5 7.4 29.3 5.5 475 2005 年 2 月調査 2006 年度 53.8 19.4 29.2 5.2 38.2 8.0 500 2006 年 2 月調査 2007 年度 56.4 20.0 28.1 8.3 39.0 4.6 505 2007 年 2 月調査 2008 年度 50.8 17.6 25.9 7.3 44.6 4.6 522 2008 年 3 月調査 2009 年度 36.4 10.6 18.0 7.7 57.8 5.8 583 2009 年 2 月調査 2010 年度 35.8 12.9 15.4 7.5 56.4 7.9 534 2010 年 2 月調査 2011 年度 40.2 16.4 19.2 4.6 50.7 9.2 590 2011 年 2 月調査 2012 年度 46.5 21.2 19.5 5.8 46.3 7.2 570 2012 年 3 月調査 2013 年度 52.8 26.3 21.0 5.5 38.6 8.6 547 2013 年 2 月調査 2014 年度 58.3 25.0 28.8 4.5 33.0 8.7 552 2014 年 2 月調査 2015 年度 61.0 24.1 31.4 5.6 30.3 8.6 557 2015 年 2 月調査 2016 年度 61.8 23.7 30.2 8.0 28.3 9.9 566 2016 年 2 月調査 2017 年度 61.3 24.4 27.7 9.1 28.3 10.4 537 2017 年 2 月調査 2018 年度 65.4 25.1 32.0 8.3 23.7 10.8 518 2018 年 2 月調査 母数は有効回答企業 有効回答数 (N) 調査年月 採用予定がある 増加する 非正社員採用 変わらない 減少する 採用予定はない 2005 年度 60.8 14.1 39.4 7.4 27.8 11.4 475 2005 年 2 月調査 2006 年度 50.4 11.0 33.4 6.0 36.2 13.4 500 2006 年 2 月調査 2007 年度 50.5 9.9 33.7 6.9 41.4 8.1 505 2007 年 2 月調査 2008 年度 45.2 7.1 29.9 8.2 45.0 9.8 522 2008 年 3 月調査 2009 年度 31.6 3.9 18.7 8.9 59.9 8.6 583 2009 年 2 月調査 2010 年度 31.8 5.1 19.3 7.5 55.4 12.7 534 2010 年 2 月調査 2011 年度 34.2 8.5 19.5 6.3 53.1 12.7 590 2011 年 2 月調査 2012 年度 36.3 8.4 21.8 6.1 53.3 10.4 570 2012 年 3 月調査 2013 年度 43.3 9.9 26.3 7.1 45.2 11.5 547 2013 年 2 月調査 2014 年度 48.9 13.8 29.9 5.3 38.4 12.7 552 2014 年 2 月調査 2015 年度 51.3 11.1 34.1 6.1 38.4 10.2 557 2015 年 2 月調査 2016 年度 48.8 9.7 31.8 7.2 40.3 11.0 566 2016 年 2 月調査 2017 年度 43.2 10.2 27.9 5.0 41.9 14.9 537 2017 年 2 月調査 2018 年度 53.1 11.0 34.6 7.5 35.3 11.6 518 2018 年 2 月調査 母数は有効回答企業 有効回答数 (N) 調査年月 6

企業規模区分 中小企業基本法に準拠するとともに 全国売上高ランキングデータを加え 下記のとおり区分 業界 大企業 中小企業 ( 小規模企業を含む ) 小規模企業 製造業その他の業界 資本金 3 億円を超える かつ 従業員数 300 人を超える 資本金 3 億円以下 または 従業員 300 人以下 従業員 20 人以下 卸売業 資本金 1 億円を超える かつ 従業員数 100 人を超える 資本金 1 億円以下 または 従業員数 100 人以下 従業員 5 人以下 小売業 資本金 5 千万円を超える かつ 従業員 50 人を超える 資本金 5 千万円以下 または 従業員 50 人以下 従業員 5 人以下 サービス業 資本金 5 千万円を超える かつ 従業員 100 人を超える 資本金 5 千万円以下 または 従業員 100 人以下 従業員 5 人以下 注 1: 中小企業基本法で小規模企業を除く中小企業に分類される企業のなかで 業種別の全国売上高ランキングが上位 3% の企業を大企業として区分注 2: 中小企業基本法で中小企業に分類されない企業のなかで 業種別の全国売上高ランキングが下位 50% の企業を中小企業として区分注 3: 上記の業種別の全国売上高ランキングは TDB 産業分類 (1,359 業種 ) によるランキング 内容に関する問い合わせ先 株式会社帝国データバンク札幌支店担当 : 香川 篠塚 柳澤 TEL 011-272-3933 FAX 011-272-3934 当レポートの著作権は株式会社帝国データバンクに帰属します 当レポートはプレスリリース用資料として作成しております 報道目的以外の利用につきましては 著作権法の範囲内でご利用いただき 私的利用を超えた複製および転載を固く禁じます 7