発酵食品を利用した食生活の工夫 ずれも目標値を満たしていない状態である 5) 野菜は ビタミン ミネラルおよび食物繊維など体の機能を正常に働かせる上で必要な栄養成分を多く含んでおり 健康づくりや病気の予防に優れた効果を発揮するものである 6) 日本人の食生活において 発酵食品は既に定着している食品で

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1 栄養成分表示を活用してみませんか? 媒体の内容 1 ページ 導入 ねらい : 栄養成分表示 とは 食品に含まれているエネルギー及びたんぱく質 脂質 炭水化物 食塩相当量などを表示したものであることを理解する 栄養成分表示を見たことがありますか? と問いかけ 普段から栄養成分表示を見ているか 見て

小学校 第○学年 学級活動(給食)指導案

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日本スポーツ栄養研究誌 vol 目次 総説 原著 11 短報 19 実践報告 資料 45 抄録


2 お好み焼は約半数が 家庭で作る派 お店派 は約 4 割 1 年以内に食べたことのあるお好み焼 についての問い ( 複数選択 ) において 家庭で作る関西お好み焼 を選んだ人が約半数の 55.5% 次いで多かったのが お好み焼店などの外食店で食べるお好み焼( 持ち帰り含む ) ( 以下 お店 )

青年期を対象とした携帯食事手帳システムの提供 目 次 1. 目的 1 2. 携帯食事手帳システムの概要 1 (1) システムの基礎データ 1 (2) 利用方法 1 (3) 確認できる情報 1 3. 携帯食事手帳利用の手引き 2 (1) 携帯食事手帳 (QRコード) 3 (2) 料理選択の仕方 4 (


識及び技能を活用して総合的に学習できるような教材である 家庭の食事や給食について振り返ってバランスよく食品を組み合わせて食事をとる大切さを理解させたり, 体に必要な栄養素の種類と働きを知り 1 食分の献立を考えさせたりする 栄養バランスを考えた 1 食分の献立を計画することは, 小学校での 2 年間

小学生のカルシウム摂取量に寄与する食品の検討 小学生のカルシウム摂取量に寄与する食品の検討 小川瑞己 1 佐藤文佳 1 村山伸子 1 * 目的 小学生のカルシウム摂取の実態を把握し 平日と休日のカルシウム摂取量に寄与する食品を検討する 方法 2013 年に新潟県内 3 小学校の小学 5 年生全数 3

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【0513】12第3章第3節

スライド 1

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2009年(平成21年)12月●日

日常的な食事に関する調査アンケート回答集計結果 ( 学生 ) 回収率 平成 30 年 12 月 1 日現在 134 人 問 1 性別 1 2 男性女性合計 % 97.0% 100.0% 3.0% 男性 女性 97.0% 問 4 居住状況 家族と同居一人暮らし

第2章 調査結果の概要 3 食生活

第 3 部食生活の状況 1 食塩食塩摂取量については 成人男性では平均 11.6g 成人女性では平均 10.1gとなっており 全国と比較すると大きな差は見られない状況にあります 図 15 食塩摂取量 ( 成人 1 日当たり ) g 男性

Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%

保健機能食品制度 特定保健用食品 には その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をすることができる 栄養機能食品 には 栄養成分の機能の表示をすることができる 食品 医薬品 健康食品 栄養機能食品 栄養成分の機能の表示ができる ( 例 ) カルシウムは骨や歯の形成に 特別用途食品 特定保健用

実践内容 (1) 視点 1 教育活動全体で推進できるよう 指導体制を整備し 食に関する指導の充実 を図る 1 食育全体計画の整備既存の食育全体計画を見直し 教科 学級活動における食に関する指導の時間を確保するとともに 栄養教諭とのティーム ティーティング ( 以下 TT) についても明記した また

2) エネルギー 栄養素の各食事からの摂取割合 (%) 学年 性別ごとに 平日 休日の各食事からのエネルギー 栄養素の摂取割合を記述した 休日は 平日よりも昼食からのエネルギー摂取割合が下がり (28~31% 程度 ) 朝食 夕食 間食からのエネルギー摂取割合が上昇した 特に間食からのエネルギー摂取

第 4 章 地域における食育の推進 1 栄養バランスに優れた 日本型食生活 の実践 ごはんを中心に 魚 肉 牛乳 乳製品 野菜 海藻 豆類 果物 茶など多様な副食などを組み合わせて食べる 日本型食生活 は 健康的で栄養バランスにも優れている 農林水産省では 日本型食生活 の実践等を促進するため 消費

[ 原著論文 ] メタボリックシンドローム該当者の年齢別要因比較 5 年間の健康診断結果より A cross primary factors comparative study of metabolic syndrome among the age. from health checkup resu

gh 第 6 学年 3 組家庭科学習指導案 単元名 : わたしは料理家 ~ おすすめ給食献立を考えよう ~ 朝食から健康な 1 日の生活を 男子 15 名 女子 14 名計 29 名 指導者 T1 宮地仁美 ( 学級担任 ) T2 須山明香 ( 栄養教諭 ) 題材について 小学校学習指導要領家庭科第

Shokei College Investigation into the Physical Condition, Lifestyle and Dietary Habits of the Members of a Boy s Soccer Team and their Families (1) Ph

スライド 1

2214kcal 410g 9.7g 1 Point Advice

ウ食事で摂る食材の種類別頻度野菜 きのこ 海藻 牛乳 乳製品 果物を摂る回数が大きく異なる 例えば 野菜を一週間に 14 回以上 (1 日に2 回以上 ) 摂る人の割合が 20 代で 32% 30 代で 31% 40 代で 38% であるのに対して 65 歳以上 75 歳未満では 60% 75 歳以

お子さんの成長にあわせ お母さんの食生活を見直してみませんか? お子さんの成長にあわせて あなたの食生活をかえるチャンスがあります 3 か月 か月 か月

私の食生活アセスメント

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2. 栄養管理計画のすすめ方 給食施設における栄養管理計画は, 提供する食事を中心とした計画と, 対象者を中心とした計画があります 計画を進める際は, それぞれの施設の種類や目的に応じて,PDCA サイクルに基づき行うことが重要です 1. 食事を提供する対象者の特性の把握 ( 個人のアセスメントと栄

1. 腸内は腸内でも 大腸の奥の健康 まで意識したことがない人が約 6 割! 一方で約 8 割が自分の腸内環境を気にしており 約 7 割が 自分の腸内は劣化していると思う と回答 Q. あなたは 大腸の奥の健康について意識したことがありますか?( 単数回答 n=600) 日常生活において 大腸の奥の

活実態と関連を図りながら重点的に指導していきたい また, 栄養教諭による給食献立の栄養バランスや食事によるエネルギー量を基盤として, グループごとに話合い活動を取り入れるなどの指導の工夫を行いたい また, 授業の導入にアイスブレイクや, カード式発想法を取り入れることにより, 生徒が本気で語ることが

平成 29 年度食育活動の全国展開委託事業報告書 ( 食生活と農林漁業体験に関する調査 ) 平成 30 年 2 月

第 9 回料理体験を通じた地方の魅力発信事業 ( 石川県 ) アンケート結果 1 属性 (1) 性別 (2) 年齢 アンケート回答者数 29 名 ( 参加者 30 名 ) 7 人 24% 22 人 76% 女性 男性 0 人 0% 0 人 0% 0 人 0% 0 人 0% 8 人 28% 2 人 7

4. 題材の評価規準 題材の評価規準 については, B 日常の食事と調理の基礎 (2),(3), D 身近な消費生活 と環境 (1) の 評価規準に盛り込むべき事項 及び 評価規準の設定例 を参考に設定して いる 家庭生活への関心 意欲 態度 お弁当作りに関心をもち, おか 生活を創意工夫する能力

特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会 報告書46~63ページ


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Q1. あなたが 普段健康のために積極的に摂取している栄養成分 控えている栄養成分をお答えください ( 単数回答 ) n=1000 積極的に摂っている栄養成分 TOP5 積極的に摂っているどちらとも言えない摂取を控えている 水分 61.7% 34.1% 4.2% たんぱく質 44.7% 48.4%

給食の時間における食に関する指導事例 ( 小学校第 6 学年 ) 1 主題戦争中の食事を体験しよう 2 関連教科等 単元名社会科 長く続いた戦争と人々のくらし 3 献立名麦ごはん めざし みそ汁 たくわん 4 ねらい戦争中の食糧不足の食事を通して 食糧不足の時代と今の時代の食生活の違いが分かる <

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2 11. 脂肪 蓄 必 12. 競技 引退 食事 気 使 13. 日 練習内容 食事内容 量 気 使 14. 競技 目標 達成 多少身体 無理 食事 仕方 15. 摂取 16. 以外 摂取 17. 自身 一日 摂取 量 把握 18. 一般男性 ( 性. 一日 必要 摂取 把握 19. 既往歴 図

平成24年度高齢者の健康に関する意識調査結果 食生活に関する事項

NRC 日本人の食 調査とは 2 日本人の食の嗜好や食生活 に関する調査で 本篇は Part5 外 中 等の利 です 本篇で紹介する調査データは 月 &5 月調査と 月調査の2つです 4 月 &5 月調査は 外 中 の利 意識 を 11 月調査は 外食 中食の利 実態

給食の時間における食に関する指導事例 ( 中学校第 3 学年 ) 1 主 題 納豆ネバネバで NEVER ザ 生活習慣病! ~ 発酵食品を食べよう ~ 2 関連教科等 単元名 理科 食べられなかったものはどうなるか 3 献立名 セルフ手巻きご飯 ( 麦ご飯 ) 一食納豆 ツナサラダ 焼き海苔 豚汁

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2008 年度下期未踏 IT 人材発掘 育成事業採択案件評価書 1. 担当 PM 安村通晃 PM( 慶應義塾大学環境情報学部教授 ) 2. 採択者氏名 チーフクリエータ : 苅米志帆乃 ( 筑波大学大学院図書館情報メディア研究科 ) コクリエータ : なし 3. プロジェクト管理組織 株式会社ゴーガ

2 夜食 毎日夜食をとっている者は では 22.5%( 平成 23 年 23.9%) であり で % と割合が高い では 18.3%( 平成 23 年 25.2%) であり 40 歳代で割合が高い 図 夜食の喫食状況 (15 歳以上 性別 年齢階級別 )

2015 1,200 A B J 一般社団法人 J ミルク牛乳乳製品の知識改訂版 001

72 豊橋創造大学紀要第 21 号 Ⅱ. 研究目的 Ⅲ. 研究方法 1. 対象 A B

食育って, ご存知ですか? 食育とは 生きる上での基本であって, 知育, 徳育及び体育の基礎となるべきもの 様々な経験を通じて 食 に関する知識と 食 を選択する力を習得し, 食育の推進に取り組んでいます! 28 年 ( 平成 2 年 )3 月に 福山市食育推進計画,213 年 ( 平成 25 年

肥満と栄養cs2-修正戻#20748.indd

調査概要 (1) 調査実施方法 : 各施設内でアンケート調査を配布し 対象者の自記式による記入後に回収 (2) 調査時期 : 2017 年 1 月 ~3 月 (3) 調査対象者 : 特養 ( 南さいわい ):83 人 特養 ( こむかい ):14 人計 97 人 (4) 回収数 : 特養 :42 人

う について知り ご飯のたき方を理解する 6 おいしいみそ汁の作り方の秘密を調べよう だしの有無やみそ汁の具の種類や切り方によってみそ汁の味や作り方が違うことを理解する 7 8 ご飯とみそ汁を作る計画を立てよう みそ汁の具の組み合わせや切り方 入れる順番等を考え ごはんとみそ汁を同時にできるように時

平成 29 年度広島県立庄原特別支援学校食に関する年間指導計画小学部重複障害学級 遊びの指導 生活単元学習 給食の食材や献立について知る 正しい手洗いを身に付ける 協力して配膳ができる 給食の食材や献立について知る バランスよく, 何でも食べる 必要な水分を上手に摂取する 食後の片付けができる しっ

第 3 4 学年 ( 複式学級 ) 学級活動指導案 平成 26 年 6 月 11 日 ( 水 ) 第 5 校時指導者教諭 ( 学級担任 ) 養護教諭 1 題材 バランスよく食べよう ( 第 3 学年及び第 4 学年 (2) 日常の生活や学習への適応及び健康安全キ食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい

~「よい夫婦の日」、夫婦間コミュニケーションとセックスに関する実態・意識調査~

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いますが 一つの大きな特徴があります それは 発酵食品 を多く摂っているということです 発酵食品とは何か 一般に微生物や酵素の働きによって加工された食品のことです ですので チーズやヨーグルト ( 牛乳等を乳酸菌が発酵 ) パン( 小麦等をイースト菌が発酵 ) アンチョビ ピクルス 紅茶などが発酵食

表 6.1 横浜市民の横浜ベイスターズに対する関心 (2011 年 ) % 特に何もしていない スポーツニュースで見る テレビで観戦する 新聞で結果を確認する 野球場に観戦に行く インターネットで結果を確認する 4.

表 5-1 機器 設備 説明変数のカテゴリースコア, 偏相関係数, 判別的中率 属性 カテゴリー カテゴリースコア レンジ 偏相関係数 性別 女性 男性 ~20 歳台 歳台 年齢 40 歳台

( 国内流通製品 ) XMプロテインモリンガ +ホエイプロテインサプリメントシェイクタンパク質は アミノ酸の基本構成から成る複雑な分子です 人間のからだはこのタンパク質を必須アミノ酸に分解し 細胞に吸収させています その後 細胞内でアミノ酸が筋肉の構築や効果的な酵素反応を起こすタンパク質に再構築され

Ⅵ ライフステージごとの取り組み 1 妊娠期 2 乳幼児期 (0~5 歳 ) 3 学童期 (6~12 歳 ) 4 思春期 (13~19 歳 ) 5 成年期 (20~39 歳 ) 6 壮年期 (40~64 歳 ) 7 高年期 (65 歳以上 ) ライフステージごとの取り組み ( 図 )

アンケート調査 報道関係者各位 平成 23 年 11 日 16 日 住信 SBI ネット銀行株式会社 ~ ダイエットに関するする意識調査 ~ ダイエットをしている人 % 体重体重が気になりだしたになりだした年齢年齢 男女平均 38 歳 住信 SBI ネット銀行株式会社 (URL:http

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第2次帯広市食育推進計画(名古屋市パクリ)

CSR の 5 つの重要課題 食とスポーツで心と体の元気を応援 基本的な 考え 方 貢献するSDGs CSR の5 つの重要課題 の中心的対象となる SDGs の目標 食とスポーツを手掛ける企業として 食育活動 食文化の普及 スポーツの振興などを通して心と 体の健康づくりに貢献しています スポーツと

有り ) については, おもに食べる主食 は, パンが5 人, ごはんが3 人, コーンフレークが1 人, おもに食べる主菜 は, 肉, ハム, などが4 人, 豆腐, 納豆などが1 人, 食べないが3 人, おもに食べる副菜 は, みそ汁が4 人, 炒め物が2 人, サラダが1 人, 食べないが2

目次 1 嗜好調査用紙 2 集計結果報告 ごはん または おかゆ について お菜 について 食事全般 について 3 病院の献立の中で おいしかった料理 4 病院の献立の中で まずかった料理 5 ご意見 ご要望 嗜好調査日 平成 26 年 2 月 18 日 ( 火 ) 調査対象者 の入院患者 配布数

次世代ヘルスケア産業協議会第 17 回健康投資 WG 資料 6 職場における食生活改善の質の向上に向けて 武見ゆかり第 6 期食育推進評価専門委員会委員 ( 女子栄養大学教授, 日本栄養改善学会理事長 )

「高齢者の健康に関する意識調査」結果(概要)1

目次 < 栄養表示の特徴 > 栄養表示の特徴 1 < 健康 栄養政策と栄養表示の関係 > 健康 栄養政策と栄養表示基準 2 健康 栄養政策と栄養表示 3 健康 栄養政策と栄養表示の関係 4 21 世紀における国民健康づくり運動 ( 健康日本 21) の具体的な推進について 5 < 栄養表示の重要性の

食品には たんぱく質や脂質 炭水化物などの栄養成分が含まれています 私たちが健康な生活を送ることができるのは 食品から必要な栄養を必要な量とっているからです 食材を加熱すると 食材に天然に含まれている成分から新たな成分ができることがあります それによって 例えばパンを焼いたときの美味しそうな色 コー

FastaskReport

2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

②肥満 やせの状況 3 歳児における肥満児の割合は減少していました 成人男性の肥満は横ばいで 代女性の肥満は増加傾向がみられました 一方 20 代女性のやせは倍増しており 肥満だけでなく 子どもを産み育てる世代への支援が必要となります 20代 60代の肥満 BMI 25以上 の割合 肥満

(5) 食事指導食事指導は 高血圧の改善 耐糖能障害の改善 代謝異常の改善について 各自の栄養状況 意欲などに応じて目標をたて これを達成できるよう支援する形で行った 開始時点で 食事分析を行い 3ヶ月ごとに 2 回進捗状況を確認する面接を行った 1 年後に終了時点の食事分析を行った 各項目の値の増

30 代 ~50 代の女性の 99 がダイエット経験あり! 内 ダイエット成功者は 60 そのうち 90 がリバウンドを経験している 30 代 ~50 代の女性のダイエットの実態を調査したところ ほぼ全員の 98.6 の女性がダイエットの経験があると回答しました また ダイエットが成功したかどうかに

MELIC 講座参加者アンケート集計結果報告 講座名日時会場講師対象者参加者数使用データベース内容当日の様子 参加者の内訳 有価証券報告書 DB 活用セミナー 2011 年 12 月 8 日 ( 木 ) 16:30~18:00 メディアライブラリーセンター 2 階情報学習室 ( 株 ) プロネクサス

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無党派層についての分析 芝井清久 神奈川大学人間科学部教務補助職員 統計数理研究所データ科学研究系特任研究員 注 ) 図表は 不明 無回答 を除外して作成した 設問によっては その他 の回答も除外した この分析では Q13 で と答えた有権者を無党派層と定義する Q13 と Q15-1, 2 のクロ

平成 30 年度広島県立庄原特別支援学校食に関する年間指導計画小学部重複障害学級 食べ物と健康との関わりについて知ろう 給食について知ろう 学習 遊びの指 導 生活単元 給食の食材や献立について知る 正しい手洗いを身に付ける 協力して配膳ができる 食後の片付けができる しっかりかむ習慣を身に付け,

( ) 単元計画 ( 全 6 時間 ) 段階 主な学習活動と内容 指導上の留意点 配時 私たちが食べているものは, どこからきて 既習を想起できるように, 農業や いるか考える 水産業の学習内容を掲示しておく 給食の献立から調べた食料自給率から, 給食の献立から調べた食料自給率本つ気づいたことや疑問

◎公表用資料

Transcription:

山口県立大学学術情報第 6 号 看護栄養学部紀要通巻第 6 号 2013 年 3 月 発酵食品を利用した食生活の工夫 Improvement of eating habits by adding fermented foods 山崎あかね * 澄川朋子* 倉益望* 田中裕美子* 黒岩遥* 瀬川紀子** 盛岡のぞみ* 三上奈々 *** 佐々木亜希* 繁田真弓* 乃木章子* 長坂祐二* Akane Yamazaki, Tomoko Sumikawa, Nozomi Kuramasu, Yumiko Tanaka, Haruka Kuroiwa, Noriko Segawa, Nozomi Morioka, Nana Mikami, Aki Sasaki, Mayumi Shigeta, Akiko Nogi and Yuji Nagasaka 要旨本研究では 発酵食品と野菜を利用した手軽でアレンジしやすいレシピを考案し ヘルシークッキングを普段の食生活に取り入れることを学ぶ学習プログラムを開発した その学習プログラムを ダイエットを目的とした生活習慣改善セミナーにおいて実践し その効果を検討した 対象者は 生活習慣改善セミナーに参加した13 人 ( 女性 11 人 男性 2 人で 年齢 60.0±10.3 歳であった 学習プログラムは 調理実習 試食 クイズ形式の情報提供で構成した その結果 対象者の84.6% が家で作りたいという意欲を有し 実際には69.2% が調理を行っていた また 調理を行わなかった者は30.8% であったが その内の75% がこれから作ろうと思っていた 家庭で調理した料理の回数は 対象者の100% が 美味しい と感じたオクラのレンジチーズ焼きが延べ30 回と最も多かった 調理をした理由として 簡単 が100% 美味しい が66.7% と多数を占め 健康的 と回答した者は33.3% であったことから 行動を起こさせるためには対象者にとって有益性や利便性の高い情報を提供することが重要であり そのためにはレシピ開発側は健康面や栄養面に関することだけを考慮するのではなく 簡単に美味しく作ることができる料理を開発しなければならないと考えられた 今回の対象者は 食や健康に関心が高い集団であったため 調理実習後の家庭における調理の実施率が高いという結果が得られた 今後 食生活の改善を目標とする調理実習を開催する場合には 対象者の食や健康に対する関心度などを考慮し 尚且つ栄養バランスが良く簡単に調理できるレシピを考案した上で学習プログラムを構成する必要がある キーワード : 発酵食品 野菜 調理実習 生活習慣改善プログラム 緒言発酵とは 狭義には糖質が微生物によって無酸素的に分解される現象のことをいうが 一般には 酵母 細菌などの微生物が 有機化合物を分解してアルコール 有機酸 炭酸ガスなどを生じる過程のことを表す 発酵を利用して製造した食品を発酵食品といい 漬け物 味噌 醤油 納豆 鮨 酒 ワイン 焼酎 酢 ヨーグルト チーズなどがある 発酵食品は 食料を長期に保存するためにつくりだされた食品であるが 乳酸菌や酵母など微生物の働きを利用して酸味やアルコール うま味などを醸成し 食べ物を美味しくするものでもある 1) 最近では 発酵食品を作り出す微生物の機能性が 注目されており 代表的な乳酸菌は消化機能に良い影響を与える生菌で 有害微生物の生育を抑制すると言われている 2) また 米を蒸し それに麹菌を繁殖させた 麹 は もとの米と比べると栄養成分が高まり それまで蒸米になかった微量成分が新たに約 400 成分も蓄積されるという 更に麹菌は非常に優れた消化酵素も生産すると言われている 3) 健康日本 21 において 野菜摂取量の目標値は 1 日当たりの平均摂取量は350g 以上であり その内 120g 以上を緑黄色野菜で摂取するとされている 4) しかし 平成 22 年国民健康 栄養調査結果によると 成人の野菜類 緑黄色野菜 その他の野菜の摂取量は それぞれ平均 281.7g 93.3g 188.4gであり い * 山口県立大学看護栄養学部栄養学科 Department of Human Nutrition, Faculty of Nursing and Human Nutrition, Yamaguchi Prefectural University ** 山口県立大学大学院健康福祉学研究科 Graduate School of Health and Welfare, Yamaguchi Prefectural University *** 札幌医科大学医学部フロンティア医学研究所病態情報学部門 Sapporo Medical University Department of Biomedical Engineering 13

発酵食品を利用した食生活の工夫 ずれも目標値を満たしていない状態である 5) 野菜は ビタミン ミネラルおよび食物繊維など体の機能を正常に働かせる上で必要な栄養成分を多く含んでおり 健康づくりや病気の予防に優れた効果を発揮するものである 6) 日本人の食生活において 発酵食品は既に定着している食品ではあるが 野菜と組み合わせた新しい調理方法を工夫することにより 近年問題になっている野菜の摂取不足を解消することが期待できる 本研究では 発酵食品と野菜を利用した手軽でアレンジしやすいレシピを考案し ヘルシークッキングを普段の食生活に取り入れることを学ぶ学習プログラムを開発した その学習プログラムを ダイエットを目的とした生活習慣改善セミナーにおいて実践し その効果を検討した 方法 1. 対象者平成 24 年度山口県立大学山口サテライトカレッジ YPU( 山口県立大学 ) すこやかライフセミナー の参加者 20 名のうち 9 月 1 日 ( 土 ) に実施した学習プログラム 体を内側からキレイにする食事 の参加者および10 月 27 日 ( 土 ) の最終回に行ったアンケート調査に回答した13 名を対象とした YPU( 山口県立大学 ) すこやかライフセミナー は メタボリックシンドロームが気になる参加希望者が 生活習慣の改善に取り組むもので 平成 24 年 6 月 23 日 ( 土 )~ 10 月 27 日 ( 土 ) の期間中に月 1 回の割合で計 5 回開催したものである 対象者の性別は女性 11 名 男性 2 名で 介入時の年齢の平均値と標準偏差は60.0±10.3 歳であった 介入前のBody Mass Index(BMI) は24.1±2.3kg / m2あり 介入後は23.6±2.3 kg / m2であった 対象者にはプログラムの内容について十分な説明を行い 書面にて研究参加への同意を得た 2. 学習プログラムの構成 (1) 調理実習の献立の検討 体を内側からキレイにする食事 ~ 誰でもできる超簡単ヘルシークッキング~ をテーマとして 学習プログラムの到達目標を ヘルシークッキングを普段の食生活に取り入れること と設定し その達成のために必要な知識をマインドマップ を用いて抽出した 次に その知識を学習内容に取り入れら れる献立を考案し 料理のレシピを作成した (2) 学習プログラムの開発 1) イントロダクション (10 分 ) 調理実習の目的は ヘルシークッキングを普段の食生活に取り入れることであり 内容は発酵食品と野菜を利用した簡単にできる料理 5 品であること それぞれの料理の調理方法等を説明した 2) 調理実習 (35 分 ) 4 人ずつ5グループに分かれて 事前に決めておいた各グループの担当料理 (1 種類 5 食分 ) を調理した 3) 試食 (25 分 ) 料理のレシピを配布後 各グループで全種類の料理を試食し 料理やレシピについて自由に意見交換をした 4) まとめ (15 分 ) 試食後 発酵食品に関するリーフレットを配布し 説明を行った また ダイエットの基本について クイズ形式の講義を同時に実施した (3) アンケート調査発酵食品と野菜を利用したレシピを用いた調理実習を行ったことによる対象者の家庭での調理実施状況を明らかにし 考案したレシピの妥当性を検討するために セミナー終了時に調理実習 試食およびレシピ利用に関するアンケート調査を行った また セミナー参加者に対して生活習慣 ( 食意識 食態度 健康 運動 ) およびダイエットに関する知識 ( 運動 食事 間食 ) についてセミナー開始時と終了時にアンケート調査を行った 結果 1. 調理実習の献立の検討マインドマップ を用いて ヘルシークッキングを普段の食生活に取り入れるために必要な知識を検討した結果 1 簡単レシピ 2アレンジが可能な料理 3 発酵食品 4 野菜料理 5あまり知られていない調理方法がキーワードとして抽出された ( 図 1) これらの5つの条件を満たす料理として 発酵食品と野菜を組み合わせた料理を作成することとし レシピの検討と試作を行った結果 発酵食品を使用したドレッシング3 種類 ( 塩麹ヨーグルト 味噌ヨーグルト 梅ヨーグルト ) にオクラのレンジチー 14

山口県立大学学術情報第 6 号 看護栄養学部紀要通巻第 6 号 2013 年 3 月 ズ焼きと冷汁を加えた5 種類を調理実習の教材とすることに決定した (1) ドレッシング ( 塩麹ヨーグルト 味噌ヨーグルト 梅ヨーグルト ): 夏野菜を簡単に摂取するためにヨーグルトと他の発酵食品等を組み合わせた3 種類のドレッシングを紹介した (2) オクラのレンジチーズ焼き : 夏野菜を利用した1 品料理となり 更に夏場でも快適に料理ができるように熱を発生させにくい電子レンジ調理を紹介した (3) 冷汁 : 食欲が落ちやすい夏場に食べやすく1 品で炭水化物 タンパク質 野菜を摂取することができる料理として紹介した 実際に作られましたか という質問に対して はい と回答した人は女性 9 名 (81.8%) 男性 0 名 (0%) いいえ と回答した人は女性 2 名 (18.2%) 男性 2 名 (100%) であった ( 表 2) 表 2 実際に作ったか n=13 はいいいえ人 (%) 人 (%) 女性 9 81.8 2 18.2 男性 0 0 2 100 どの料理を作られましたか 回数をお答えください ( 表 2で はい と回答した人のみ ) という質問に対して 延べ回数 ( 人数 ) で示すと オクラのレンジチーズ焼き30 回 (9 名 ) 味噌ヨーグルトドレッシング9 回 (4 名 ) 塩麹ヨーグルトドレッシング6 回 (4 名 ) 冷汁 5 回 (4 名 ) 梅ヨーグルトドレッシング5 回 (1 名 ) という順であった ( 複数回答 )( 表 3) 図 1 学習内容を検討するために作成したマインドマップ 表 3 実際に作った料理 回数 n=9 オクラのレンジチーズ焼き 味噌ヨーグルトドレッシング 塩麹ヨーグルトドレッシング 梅ヨーグルトドレッシング 冷汁 延べ回数 30 9 6 5 5 2. 調理実習 試食およびレシピ利用に関するアンケート調査調理実習 試食およびレシピ利用に関するアンケートはプログラム最終回に実施し 参加した13 名 ( 女性 11 名 男性 2 名 ) から回答を得た ( 回収率 100%) 調理実習 試食をして作りたいと思われましたか という質問に対して はい と回答した人は女性 10 名 (90.9%) 男性 1 名 (50%) どちらでもない と回答した人は女性 1 名 (9.1%) 男性 1 名 (50%) であり いいえ という回答は得られなかった ( 表 1) 作られた理由は次のうちどれですか ( 表 2で は い と回答した人のみ ) という質問に対して 簡単 と回答した人は9 名 (100%) 美味しい と回答 した人は6 名 (66.7%) 健康的 と回答した人は 3 名 (33.3%) その他( 家族に食べてもらいたかっ た ) と回答した人は1 名 (11.1%) であった ( 複 数回答 )( 表 4) 表 4 作った理由 n=9 理由 人数 ( 人 ) 割合 (%) 簡単 9 100 美味しい 6 66.7 健康的 3 33.3 その他 1 11.1 表 1 調理実習 試作後に作りたいと思ったか n=13 はい いいえ どちらでもない 人 (%) 人 (%) 人 (%) 女性 10 90.9 0 0 1 9.1 男性 1 50.0 0 0 1 50.0 作らなかった理由は次のうちどれですか ( 表 2 で いいえ と回答した人のみ ) という質問に対して これから作ろうと思っている と回答した人 3 名 (75%) 時間がない と回答した人 1 名 (25%) 15

発酵食品を利用した食生活の工夫 であった ( 複数回答 )( 表 5) この内 時間がないと回答した男性は夫婦で参加しており 配偶者の方は作ったと回答していた 表 5 作らなかった理由 n=4 人 (%) 時間がない 1 25 これから作ろうと思っている 3 75 試食した料理の味はいかがでしたか 思い出せる範囲でお答えください という質問に対して かなり美味しい やや美味しい と回答した人はオクラのレンジチーズ焼き13 名 (100%) 梅ヨーグルトドレッシング12 名 (92.3%) 冷汁 10 名 (76.9%) 味噌ヨーグルトドレッシング9 名 (69.2%) 塩麹ヨーグルトドレッシング8 名 (61.5%) であった どちらでもない と回答した人は塩麹ヨーグルトドレッシング3 名 (23.1%) 味噌ヨーグルトドレッシング2 名 (15.4%) 冷汁 2 名 (15.4%) であった やや美味しくない と回答した人は味噌ヨーグルトドレッシング1 名 (7.7%) であった かなり美味しくない と回答した人は冷汁 1 名 (7.7%) であった 尚 今回のアンケートは プログラム実施 2ケ月後のため 試作した味を覚えていない場合は 無回答 と回答するように促した 無回答は 塩麹ヨーグルトドレッシングが2 名 味噌ヨーグルトドレッシング 梅ヨーグルトドレッシングが各 1 名であった ( 表 6) 自由記述では 以下のような意見が出された ヨーグルトとの組み合わせで 美味しいものが作れるのにおどろきました 簡単なので今でも時々作っています 意識して活用するようになった 他のレシピも知りたいと思います 冷汁は以前より食べてみたかったので おいしく頂けて嬉しかったです オクラのレンジチーズ焼きのとうがらしがとても薄味の味を引き立てていたと思う できればきちんと食事ができる分量( 調理実習時間 ) があればと思いました ( 材料費負担しても良い ) もう少しおいしかったら良いと思う 野菜 はちみつ 納豆を食べること 3. 生活習慣 ( 食意識 食態度 健康 運動 ) およびダイエットに関する知識 ( 運動 食事 間食 ) に関するアンケート調査セミナー前後のアンケート ( 食意識 食態度 ) に関しては回答に記入漏れがあった1 名を除外した 食意識について (110 点満点 ) セミナー前は79.6 点 (72.3%) であったのに対しセミナー後は79.3 点 (72.1%) であり 食意識の得点はほぼ変化がなかった ( 表 7) 表 7 食意識について (110 点満点 )n=12 実施時期得点 (%) セミナー前 79.6 72.3 セミナー後 79.3 72.1 食態度について (70 点満点 ) セミナー前は53.8 点 (76.8%) であったのに対しセミナー後では57.3 点 (81.9%) となり食態度の得点は上昇傾向がみられた ( 表 8) 表 8 食態度について (70 点満点 )n=12 実施時期得点 (%) セミナー前 53.8 76.8 セミナー後 57.3 81.9 表 6 試食した料理の味はいかがでしたか n=13 料理名 塩麹ヨーグルトドレッシング 味噌ヨーグルトドレッシング かなり美味しいやや美味しいどちらでもないやや美味しくないかなり美味しくない無回答 人 (%) 人 (%) 人 (%) 人 (%) 人 (%) 人 (%) 1 7.7 7 53.8 3 23.1 0 0 0 0 2 15.4 3 23.1 6 46.2 2 15.4 1 7.7 0 0 1 7.7 梅ヨーグルトドレッシング 3 23.1 9 69.2 0 0 0 0 0 0 1 7.7 オクラのレンジチーズ焼き 10 76.9 3 23.1 0 0 0 0 0 0 0 0 冷汁 4 30.8 6 46.2 2 15.4 0 0 1 7.7 0 0 16

山口県立大学学術情報第 6 号 看護栄養学部紀要通巻第 6 号 2013 年 3 月 ダイエットに関する知識 ( 食事 ) について (17 点満点 ) セミナー前は12.2 点 (71.5%) であったのに対しセミナー後では14.1 点 (82.8%) となりダイエットに関する知識の得点は上昇した ( 表 9) 表 9 ダイエットに関する知識 ( 食事 ) について (17 点満点 )n=13 実施時期得点 (%) セミナー前 12.2 71.5 セミナー後 14.1 82.8 考察 1. 学習プログラムの効果今回のプログラムでは 調理実習後に参加者の 84.6% が家で作りたいという意欲を有し 実際には 69.2% が調理を行っていた これらの参加者は 行動変容段階モデルの行動期に属すると考えられた 7) また 調理を行わなかった参加者は30.8% であり その理由として75% が これから作ろうと思っている と回答していることから 作りたいという意欲を起こすことはできており行動変容段階モデルの準備期に属すると考えられたことから 今後は行動に移す意欲を刺激する内容を検討する必要がある 7) 家庭で調理した料理の回数は オクラのレンジチーズ焼きが延べ30 回と最も多く 使用食材の種類が少なく簡単に作ることができ 1 品料理となる点が好評だったと推察された また ヨーグルトをドレッシングとして使用するなど 普段の食べ方とは異なる調理方法を提案したが ドレッシングも延べ 15 回調理されており数種類のレシピを提供することで参加者が各々の嗜好に合ったものを調理することができたのではないかと推察される 調理回数に関しては 調理実習参加者の100% が 美味しい と感じたオクラのレンジチーズ焼きが最も多く調理されているが 冷汁は76.9% が 美味しい と感じているにも関わらず 料理回数が少なかったのは使用食材の数や調理工程の複雑さが影響しているのではないかと考えられた 調理を行った理由として 簡単 が100% 美味しい が66.7% と多く 健康的 と回答した参加者は33.3% であり 行動を起こさせるには参加者にとって有益性や利便性の高い情報を提供することが重要であり そのためにはレシピ開発側は健康面や栄養面に関することだけを考えるのではなく 簡単に美味しく作ること ができる料理を開発しなければならないと考えられた 2. 学習プログラムの開発 実施に関する課題と今後の展望本来 食生活を改善するために行う調理実習は主食 主菜 副菜の揃った理想的な1 食分の料理を作ることで 実際の量や味 食品のバランスなどを参加者に体験してもらうことが望ましい 8) しかし 本学習プログラムに当てた時間は85 分と制限されており また5 回開催された内 調理実習を行ったのは1 回だけであったため プログラム内容としては十分ではなかった可能性がある 今回の参加者は セミナー前後で行うアンケート結果からも分かるように食や健康に関心が高い集団であったため 調理実習後の家庭における調理の実施率が高いという結果が得られた 今後 食生活の改善を目標とする調理実習を開催する場合には 対象者の食や健康に対する関心度などを考慮し 尚且つ栄養バランスが良く簡単に調理できるレシピを考案した上で学習プログラムを構成する必要がある 文献 1) 本田進一郎 : 農家が教える発酵食の知恵 農文協 p.17 2011 2) 浅野勉他 :Ⅵ 章食品の機能性 食べ物と健康 Ⅰ 食品学総論第 3 版 荒井綜一編 樹村房 p.118 2004. 3) 小泉武夫編 : 発酵食品学 東京 株式会社講談社 pp.322-323 2012 4) 健康日本 21 企画検討会 健康日本 21 企画策定検討会 :21 世紀における国民健康づくり運動 ( 健康日本 21) について報告書 健康日本 21 企画検討会 健康日本 21 企画策定検討会 pp.(1-3)-(1-4) 2000 5) 厚生労働省 平成 22 年度国民健康 栄養調査報告 :http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/ dl/h22-houkoku-01.pdf(2012.12.17 最終アクセス ) 6) 藤沢良知 : 子どもの心と体を育てる食事学 第一出版株式会社 p.15 2002 7) 岡﨑光子 : 三訂栄養教育論 株式会社光生館 p.33-34 2010 8) 松下佳代 足立己幸 : 高齢男性に対する実物大料理カードを用いた栄養教育の有効性に関する研究 栄養学雑誌 58(3) 109-124 2000 17