労働 採用の情報 2017 年 7 月 JR 東日本ハ ーソネルサーヒ ス PIW (1 2018 年卒採用の振り返り ) 今回の労働 採用の情報では 2018 年卒採用における学生 企業の動向を振り返っていきます 2018 年卒採用においては 経団連の指針により 2017 年卒採用と同様 広報解禁が3 月 選考解禁が 6 月のスケジュールとなりました 2019 年卒採用についても 経団連が2018 年卒採用同様のスケジュールで据え置く旨の報道がされており 2018 年卒採用の動きを押さえることが重要となります 今回は データを基に2018 年卒採用の動向を紹介いたします 振り返りや次年度採用の参考にしていただければと思います 1. 採用活動の設計について 採用活動における各機能 出所 : リクルート新卒採用セミナー ~2017 年卒採用の中間報告と 2018 年卒採用の展望 ~ まず 前段として採用活動の設計の基本について ご説明いたします 採用活動には 情報提供機能 情報収集機能 動機形成機能 対象選別機能 の4つの機能があります 採用活動は 求める人材に対してこれら4つの機能を組み合わせながらアプローチして進めて行く必要があります 具体的なプロセスは以下のとおりとなります 1 事業戦略やこれまで活躍してきた人材の要件と照らし合わせて 求める人材要件 を固める 2ターゲット学生に対して 様々な広報媒体を組み合わせて企業情報を効果的に伝達 (= 情報収集 情報提供 ) し 志望度を向上させて本エントリーを促し 母集団形成を行う 3 会社説明会や面接等の機会を通じて学生の入社意欲を向上させる (= 動機形成 ) 4 選考に参加した母集団の中から 求める人材要件 と照らし合わせて採用したい人材を見極める (= 対象選別 ) 採用活動の設計においては ターゲット学生に対していつ どこで どんな情報を提供すれば学生の志望度向上につながるのかをしっかりと見極める必要があります 次項では 18 採用の学生動向をご紹介いたします - 1
2. 学生の動向について エントリー 説明会等の参加時期 出所 : マイナビ 就職モニター調査 データより作成上のグラフは 3 月広報解禁後の 企業エントリー ( プレエン ) エントリーシート提出 合同企業説明会参加 個別企業セミナー参加 の活動時期について 18 卒と17 卒のデータを比較したグラフになります 広報解禁直後の3 月前半の 企業にエントリーシートを提出した 個別企業セミナーに実際に参加した 割合が昨年より上昇しています このデータから 学生の就職活動の動き出しが早期化し プレ期の早い段階から志望企業を絞り込み 3 月の広報解禁後は志望企業に対して狙い撃ちをしている動きが予想されます また エントリーシートの提出ピークは4 月前半に来ています 3 月前半にエントリーシートを提出した企業の書類選考結果が3 月後半には判明し 4 月前半に持ち駒 ( 受験企業 ) を補充する目的での応募行動が早くも見られていたといえます 17 卒では 4 月前半 ~ 後半にかけてエントリーシートを提出 5 月以降に持ち駒補充の位置づけの応募行動がある程度あったため 約 1ヶ月の早期化となりました 以上より 学生は広報解禁前に既に志望企業の絞込みを行っており 3 月に入るとすぐにエントリーシートの提出を活発に行うなど 応募行動の早期化が発生していたといえます インターンシップの参加状況と入社先企業決定のタイミングについて 出所 : マイナビ 2018 年卒マイナビ大学生広報活動開始前の活動調査 (2017 年 3 月 ) - 2
出所 : マイナビ 18 年卒就職モニター調査 5 月 それでは 学生は広報解禁前のプレ期にどのようにして志望企業の絞り込みを行っていたのでしょうか グラフから分かるように インターンシップへの参加率 参加者数が伸びています 特に 秋から冬にかけて業界研究 企業研究の目的で1day 等の短期間インターンシップに参加する学生が増えた傾向があり 企業選びの方法としてプレ期に実施するインターンシップの役割が高くなっていることが分かります また 入社予定企業を決めるにあたっても インターンシップ参加時 と回答する学生が理系を中心に多くいることが分かります 学生にとって インターンシップは単なる就業経験の機会ではなく プレ期の就職活動における業界研究 企業研究の場として活用されているといえるでしょう 3. 企業の動向について 18 卒採用における採用予定数と各採用フェーズごとの開始時期 (%) 16 卒採用実績データ =100 とする 出所 : マイナビ 2018 年卒マイナビ企業新卒採用予定調査 - 3
出所 : マイナビ 2018 年卒マイナビ企業新卒採用予定調査 18 卒採用における企業動向について見ていきます 採用予定数については 全体平均で前年実績比 17.8% の増加となっております 近年 企業の採用意欲が非常に高く 学生優位の 売り手市場 が続いてきましたが 18 卒においてもその傾向は続いているようです 次に 採用フェーズごとの開始時期についてです 広報解禁直後の3 月に エントリー と エントリーシート受付 の開始時期のピークが来ており これは前年同様の傾向となりました ピークに変化があったのは エントリーシート結果通知 開始時期で 4 月から3 月に前倒しになりました これは 企業が書類選考を早めに進め 早期から優秀な学生を面接に呼び込んで接触をはかってきたこと示しています 面接 開始ピークが4 月であることは変わりありませんが 18 卒では3 月にも大きな山が来ており このデータからは企業が早期から学生との接触をはかり 学生の動機形成と選抜を行ってきたことが分かります 内々定出しについては ピークこそ6 月にありますが 実質的な選考は5 月中に終わらせており 6 月は正式な内々定通知の時期となっているのが現状のようです 18 卒採用における重点テーマと採用手法 出所 : ディスコ 2018 年卒 新卒採用に関する企業調査 - 採用方針調査 (2017 年 2 月調査 ) - 4
出所 : マイナビ 2018 年卒マイナビ企業新卒採用予定調査 最後に 18 卒において企業が重点的に取り組んだテーマと具体的な採用手法について考察します 17 卒より重点的に取り組んだテーマとしては 母集団の拡大 採用重点層への訴求 3 月より前 ( プレ期 ) のアプローチ が主な点として挙げられております 具体的に取り組んだ手法としては 体験型インターンシップ 学校訪問 が昨年と比べて高い伸び率を示しています 体験型インターンシップ については 秋 冬に1dayなどの短期間でインターンシップを実施し 文系についてはグループワークを通して仕事の進め方を模擬体験してもらう 理系については研究所 工場の見学を行うなど 早期から会社理解 仕事理解を促し 学生を囲い込む動きが見られました また 自社で実施するインターンシップ以外にも プレ期において各大学が実施した 業界研究セミナー キャリア教育セミナー 等の出展を増やすなど 早期からの露出を増やして母集団拡大と採用重点層へのアプローチ強化に努めたようです また 学校との結びつきを強める 学校訪問 が増加しているのも傾向です 特に理系については 大手企業を中心に推薦による意思決定が増えてきているため キャリアセンターや研究室を訪問して 推薦枠を確保すべく動いた企業が増えました - 5
4. まとめ 18 卒の採用市場としては 17 卒に引き続き売り手市場となり 就職活動の短期化 早期決戦化が進んだといえます 採用数を増やす企業が増加する中 3 月広報解禁からのスタートでは学生へのアプローチが遅れるため プレ期から秋 冬の短期間インターンシップの開催 大学への訪問強化など 様々な手を尽くしての学生獲得競争が激化しました 実質的な選考についても 早いところだと3 月から面接スタート 4 月には面接実施のピークがきていることから 5 月までに実質的な選考は終了し 6 月は形式的な内々定出しを行うという短期決戦の様相を呈しております 19 卒では 倫理憲章におけるインターンシップの日数制限が撤廃となって実施のハードルが下がるなど プレ期における広報施策の幅はさらに拡大していくと考えられます 次回は 今回の18 卒の振り返りを受け 19 卒採用市場の動向と対策についてご紹介していきたいと思います 採用コンサルティング アウトソーシングサービスのご案内 JEPS では 新卒 中途採用を問わず 採用計画の策定 戦略的な広報活動代行などのコンサルティングから 応募者のデータ入力 応募者管理 書類選考代行 選考会運営などの採用業務全般のアウトソーシングサービスを行っております ご興味のある会社様はぜひ下記までお問合せください お問合せ先 株式会社 JR 東日本パーソネルサービス HRD 事業本部コンサルティング事業部採用チーム :03-6304-5946 JR :058-5317 - 6