Microsoft Word - CPTカタログ.doc

Similar documents
所所を除く未固結土を対象とする 得られる地盤情報 コーン貫入抵抗 (q t ) 周面摩擦抵抗 (f s ) 間隙水圧 (u) 上記 3つの深度分布が得られる 以下にCPT 結果から推定できる主な地盤定数を示す N 値.341I c 1.94(.1q t -.2) ( I c) for

土の三軸圧縮試験

土木建設技術シンポジウム2002

PowerPoint プレゼンテーション

<926E906B8E9E2D958282AB8FE382AA82E882CC8C9F93A22E626376>

<94F E4F8EB25F >

<4D F736F F D E682568FCD AB937982CC88EA8EB288B38F6B8E8E8CB12E646F63>

H23 基礎地盤力学演習 演習問題

4. 粘土の圧密 4.1 圧密試験 沈下量 問 1 以下の問いに答えよ 1) 図中の括弧内に入る適切な語句を答えよ 2) C v( 圧密係数 ) を 圧密試験の結果から求める方法には 圧密度 U=90% の時間 t 90 から求める ( 5 ) 法と 一次圧密理論曲線を描いて作成される ( 6 )

Microsoft PowerPoint - 1.せん断(テキスト用)

<4D F736F F D E682568FCD CC82B982F192668BAD93785F F2E646F63>

<4D F736F F D20332E874192B789AA8B5A89C891E E592CB8CE52E646F6378>

15_layout_07.indd

<4D F736F F D2081A E682568FCD926E94D592B28DB E94D589FC97C78C7689E62E646F63>

<897E8C F80837D A815B838B81458FE395948ECE95C7817B8145>

マンホール浮き上がり検討例

目 次

・ノンブルは、仮なので、通しセンター・ノンブル-123-の形式とする

杭の事前打ち込み解析


<88AE3289F188CF88F589EF E786264>

液状化判定計算(道示編)V20-正規版.xls

Microsoft PowerPoint - fuseitei_6

土層強度検査棒 計測データ例 kn/ m2 45 滑り面の可能性ありとした箇所の条件 : 地下水に飽和していること 及び SS 試験で 100kg 以下で自沈する箇所であること 土層強度検査棒による地盤強度計測結果グラフ 粘着力 計測値 30 T2 O5 25 M4 M3 20 滑り面

<4D F736F F D20926E94D58D488A C F95B BC8FE9816A2E646F63>

6. 現況堤防の安全性に関する検討方法および条件 6.1 浸透問題に関する検討方法および条件 検討方法 現況堤防の安全性に関する検討は 河川堤防の構造検討の手引き( 平成 14 年 7 月 ): 財団法人国土技術研究センター に準拠して実施する 安全性の照査 1) 堤防のモデル化 (1)

第 Ⅰ 部 Excel VBA による一次元圧密 FE 解析 1. 軟弱地盤の長期沈下と二次圧密慣用的一次元圧密解析は, 標準圧密試験結果を利用し実際地盤の圧密沈下量とその発生時間を予測する.1 日間隔で載荷する標準圧密試験では, 二次圧密の継続中に次の載荷段階の荷重が載荷される. 圧密期間を長くす

土の段階載荷による圧密試験

Microsoft PowerPoint - 知財報告会H20kobayakawa.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - zairiki_3

構造力学Ⅰ第12回

Microsoft PowerPoint - 2_6_shibata.ppt [互換モード]

<4D F736F F D208E9197BF A082C68E7B8D A815B82CC8D5C91A28AEE8F C4816A2E646F63>

Microsoft PowerPoint - H24 aragane.pptx

<4D F736F F F696E74202D C CC89C88A B8CDD8AB B83685D>

地盤工学会北海道支部技術報告集第 5 5 号平成 27 年 1 月於室蘭市 新たなフォールコーン試験装置の開発とその応用 北海道大学工学部 学生会員 渡辺葉子 北海道大学工学研究院国際会員田中洋行 1. はじめに船舶の大型化, あるいは航路の維持新設によって毎年大量の土砂が発生している これらの浚渫

パソコンシミュレータの現状

土量変化率の一般的性質 ❶ 地山を切土してほぐした土量は 必ず地山の土量 1.0 よりも多くなる ( 例 ) 砂質土 :L=1.1~2.0 粘性土 :L=1.2~1.45 中硬岩 :L=1.50~1.70 ❷ 地山を切土してほぐして ( 運搬して ) 盛土をした場合 一般に盛土量は地山土量 1.0

<4D F736F F F696E74202D E94D58B9393AE82F AC82B782E982BD82DF82CC8AEE E707074>

第1章 単 位

<4D F736F F D208D5C91A297CD8A7793FC96E591E6328FCD2E646F63>

Microsoft Word - 数学表紙_0727修正

Microsoft PowerPoint - suta.ppt [互換モード]

積粘土と同様に上下で低く 中央で高い弓形分布を示す 図 () の I L は 長田 新庄 門真で 1 以上を示し 東大阪地域の沖積粘土の特徴である超鋭敏性が伺える ただし 鴫野の I L はかなり低い 図 (3) () の c v は 先の w L が反映されているが 特に新庄の中央部の圧縮性が高い

<4D F736F F D CA8E86816A94AD90B AEE8F8082C982C282A282C42E646F63>

平成 31 年度 神戸大学大学院工学研究科博士課程前期課程入学試験 市民工学専攻 専門科目 ( 一 ): 数学 問題用紙の枚数 ページ番号 数学 2 枚 1, 2 数学 解答用紙の枚数 4 枚 ただし, 計算用紙を 1 枚配付 試験日時 : 平成 30 年 8 月 20 日 ( 月 ) 13:00

NC L b R

<8E9197BF2D375F8DC489748FF389BB82CC8C9F93A295FB964081A695CF8D5882C882B52E786477>

Q = va = kia (1.2) 1.2 ( ) 2 ( 1.2) 1.2(a) (1.2) k = Q/iA = Q L/h A (1.3) 1.2(b) t 1 t 2 h 1 h 2 a

3.7.2 試験ため池の既存堤体は施工方法が不明であることが多く 締固め不足の状態も想定される 締固め不足が原因で大規模地震時にすべり破壊が発生する可能性があるため 現況を適切に把握することが重要である (1) 土質試験 (a) 土質試験項目レベル2 地震動に対する耐震性能の照査に必要な土質試験は


札幌市地質・土質調査業務共通仕様書(土質調査)

Microsoft PowerPoint - 20_08_09_™n‚wŁÏ„`Š\‚ª_’¼flö_›¬flŠ.ppt

<4D F736F F F696E74202D EBF97CD8A7793C1985F816991E F18D758B608E9197BF816A>

2 図微小要素の流体の流入出 方向の断面の流体の流入出の収支断面 Ⅰ から微小要素に流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅰ は 以下のように定式化できる Q 断面 Ⅰ 流量 密度 流速 断面 Ⅰ の面積 微小要素の断面 Ⅰ から だけ移動した断面 Ⅱ を流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅱ は以下のように

Microsoft Word - H25地盤支部(山木)

集水桝の構造計算(固定版編)V1-正規版.xls

材料の力学解答集

<4D F736F F D E93788C9A927A8AEE916290DD8C768E6D88EA8E9F8E8E8CB181468AEE967B96E291E C882B5816A>

Microsoft PowerPoint - 水と土の科学④

Microsoft PowerPoint kiban_web.pptx

01宅地液状化沈下(161008)

国土技術政策総合研究所 研究資料

問題 2-1 ボルト締結体の設計 (1-1) 摩擦係数の推定図 1-1 に示すボルト締結体にて, 六角穴付きボルト (M12) の締付けトルクとボルト軸力を測定した ボルトを含め材質はすべて SUS304 かそれをベースとしたオーステナイト系ステンレス鋼である 測定時, ナットと下締結体は固着させた

山岳トンネルの先進ボーリング調査

Microsoft Word - 建築研究資料143-1章以外

POWER-直接基礎Ⅱの出力例(表形式)

Microsoft Word - 報告書2012(笠間)

<95F18D908F912E4F5554>

参 考 1. 工事請負契約書 2. 建設分野で使われるおもな単位 3.SI 単位換算率表

Microsoft PowerPoint - elast.ppt [互換モード]

untitled

Microsoft Word - SAUSE report ver02(です、ます).doc

Microsoft Word - H25地盤支部(山木)

来る条件とした また本工法は がけに近接して施工する場合 掘削及び混合 攪拌から 転圧 締固め施工時 施工に伴うがけへの影響を避けることが難しいので がけに影響を与えず施工出来る場合を条件とした 具体的にはバックホー等の施工機械を がけに近接配置して施工することを避けるとともに 特にがけ近接部分の転

Microsoft Word - 4_構造特性係数の設定方法に関する検討.doc

Microsoft Word - 1B2011.doc

はじめに

第 2 章地盤調査 1. 一般事項 (4.1.1)~(4.1.3) (4.1.3) 適用範囲及び種別 ( 地盤調査 ) (ⅰ) ボーリング (ⅱ) サンプリング (ⅲ) サウンディング (ⅳ) 地下水調査 (ⅴ) 載荷試験 ( 土質調査 ) (ⅰ) 物理試験 (ⅱ) 変形 強度試験 2.

講義「○○○○」

1. 空港における融雪 除雪対策の必要性 除雪作業状況 H12 除雪出動日数除雪出動回数 H13 H14 H15 H16 例 : 新千歳空港の除雪出動状況 2. 検討の方針 冬季の道路交通安全確保方策 ロードヒーティング 2

<8D5C91A28C768E5A8F91836C C768E5A8F A2E786C73>

<4D F736F F D E93788C9A927A8AEE916290DD8C768E6D88EA8E9F8E8E8CB181468AEE967B96E291E82E646F6378>

三軸試験による礫混じり堤体材料の力学特性の評価 名城大学大学院 学生会員牧田祐輝 中島康介 名城大学 国際会員小高猛司板橋一雄 建設技術研究所 国際会員李圭太 中部土質試験協同組合正会員 坪田邦治 加藤雅也 1. はじめに河川堤防の浸透時のすべり破壊に対する安定性評価には, 室内三軸試験で得られる強

Microsoft Word 締固め

はじめに

耐雪型歩道柵 (P 種 )H=1.1m ランク 3 ( 基礎ブロック ) 平成年月日

スライド 1

< B795FB8C6094C28F6F97CD97E12E786477>

Microsoft PowerPoint - zairiki_10

IT1815.xls

新潟県中越沖地震を踏まえた地下構造特性調査結果および駿河湾の地震で敷地内の揺れに違いが生じた要因の分析状況について

PowerPoint プレゼンテーション

<4D F736F F D CA8E A985F95B68DEC90AC977697CC81698EA DB91E8816A A2E646F63>

強度のメカニズム コンクリートは 骨材同士をセメントペーストで結合したものです したがって コンクリート強度は セメントペーストの接着力に支配されます セメントペーストの接着力は 水セメント比 (W/C 質量比 ) によって決められます 水セメント比が小さいほど 高濃度のセメントペーストとなり 接着

西松建設技報

スライド 1

既存構造物がある場合の基礎地盤の液状化対策案 国土交通省の 都市防災推進事業 ( 市街化液状化対策事業 ) と連動して住宅地域を囲む周辺道路 下水 ( ライフライン ) の液状化対策と協同して住宅地の液状化対策を実施する 対策工法 WG ( 加倉井 中井 秋葉 田村 畑中 ) 都市防災推進事業 (

<4D F736F F D2089CD90EC92E F18D F90978C605F2E646F63>

- 14 -

Transcription:

新しい地盤調査法のすすめ CPT( 電気式静的コーン貫入試験 ) による地盤調査 2002 年 5 月 ( 初編 ) 2010 年 9 月 ( 改訂 ) 株式会社タカラエンジニアリング

1. CPT(Cone Peneraion Tesing) の概要日本の地盤調査法は 地盤ボーリングと標準貫入試験 ( 写真 -1.1) をもとに土質柱状図と N 値グラフを作成する ボーリング孔内より不攪乱試料を採取して室内土質試験をおこない土の物理 力学特性値を求める ボーリング孔を利用して地下水の性状 地盤の変形特性 地盤の弾性波速度等を求めるのが一般的手法となっています 地盤は複雑なので よい設計 施工を行うためには綿密な地盤調査が必要ですが ボーリング調査法はこのように手間が ( コストも ) 掛かるので 十分な調査が行えていないケースも多いと思います CPT( 写真 -1.2) は 電気式コーンを静的に貫入して地盤の抵抗や間隙水圧等のデータを連続的に採取する調査法です これらのデータ分析から土質柱状図 換算 N 値 物理 力学特性を求めます ( 図 -1.1) また 地盤の透水係数 弾性波速度も同時に求めることもできます CPTはボーリング調査と比べて調査 試験速度は数倍 コストは半分以下とコストパフォーマンスが高く 欧米では主要な地盤調査法となっています 山地から海岸までの距離が短い我が国では 玉石や砂礫層の介在する場合があるので C PTのみでの調査を完結することは難しいかもしれませんが ボーリング調査と上手に組み合わせることにより 調査の低廉化と高度化を進めることができます 写真 -1.1 ボーリング ( 標準貫入試験 ) 写真 -1.2 CPT( 電気式静的コーン貫入試験 )

図 -1.1 CPT 調査例

2. CPTを利用するメリット ボーリング柱状図は1m 毎 30cm 長さの土質試料を観察して作成するのに対し CPT による土質柱状図は数 cm ピッチの機械的データをコンピュータ処理して作成するので ヒューマンエラーや薄層を見落とすこともありません N 値では正当な強度評価ができないような軟弱地盤も適切に評価できます 地盤の物理 力学特性を連続的に評価できるので ( 図 -1.1) 室内土質試験 原位置試験の省略によるコストダウンが可能です 地下水位 透水係数 弾性波速度 (P 波 S 波 ) 等のデータ採取も同時進行できるので ボーリング孔による原位置試験より時間 コストを大きく節約できます 3. CPTの規格 CPT( 国内基準では 電気式静的コーン貫入試験 ) は 地盤工学会基準 (JGS 1435-2003) で定められており コーンは鋼製で先端角 60 先端部の底面積 10 cm 2 間隙水圧測定用フィルターはコーンが直線になる位置から he=33mm 以内に設置 コーンの外径はh=300mm まで同じとする 貫入速度は 20±5mm/sec データの取り込みは貫入量 100mm 以下の間隔で行うことが規定されています 図 -3.1 コーンの形状と寸法 実施に用いる電気式コーンは オランダの GeoMil Fugro スウェデンの Geoech 米国の Verec 社などのもので コーン構造は一般に図 -3.2 のようになっています 貫入装置は 20mm/sec の一定速度で貫入するように設定されています 貫入深さの測定は 貫入装置に取り付けられた変位計により貫入量をデータロガーに取り込む装置となっています データ取り込みは貫入量 20mm 毎と JGS の規格 (100mm) より十分細かくできます

図 -3.2 電気式コーンの構造 4. CPTの解析と利用 4.1 データから得られる情報電気式静的コーン貫入試験から得られるデータは先端抵抗 (q c ) 周面摩擦(f s ) ならびに間隙水圧 (u) です この値を既往の研究成果と対比することにより 次の情報を把握することができます 1) 地盤の土層構成 2) 土の分類 3) 相対密度 (D r ) 4) 換算 N 値 5) 非排水せん断強度 (C u ) または一軸圧縮強度 (q u ) 6) 細粒分含有率 (F c ) 7) 過圧密比 (OCR) さらに コーン貫入中に発生する間隙水圧の消散 TEST を行うことにより 次の情報も得ることができます

8) 地下水位の位置 9) 土の圧密係数 (C v ) 10) 透水係数 (K) 4.2 先端抵抗の補正コーンには 間隙水圧測定のためのフィルターが設置されています 貫入時にフィルター部分に間隙水圧 uが作用するため 測定される先端抵抗に影響を与えます このことから 測定先端抵抗は 間隙水圧の影響を考慮して補正した値を用います A = + N q qc u 1 (4-1) AT q : 補正先端抵抗 (kpa) q c : 測定先端抵抗 (kpa) u : 間隙水圧 (kpa) A N : フィルター部分を除いた有効断面積 A T : コーン本体の断面積 図 -4.1 先端抵抗補正概念図砂質土は透水性が高くuの値も小さいのでq c とq のいずれを用いても実用上問題とはなりませんが 粘性土の場合 q c 値が小さくuの値は大きいので 式 (4-1) による補正が必要となります 4.3 地下水位一般に 透水性の高い砂質土では間隙水圧と静水圧が等しくなります したがって 貫入時に測定した間隙水圧より地下水位が求まります 透水性の低い粘性土の場合は 間隙水圧の消散を待つことにより静水圧を求めることができます 4.4 間隙水圧消散 TEST 間隙水圧消散 TEST は 任意の深度でコーンの貫入を一時停止して 過剰間隙水圧の消散状況を測定します 通常 間隙水圧の少なくとも 50 パーセントが消散するまで測定を継続します この時間 50 は 地層の側方圧密係数と透水係数によって支配されます 間隙水圧消散試験結果は 縦軸に総間隙水圧を 横軸に測定経過時間を対数軸としたグラフ上に示します 間隙水圧は 消散試験を十分長い時間実施すれば 静水圧に収束します

4.5 土質分類 Roberson は三成分コーンの詳細なデータ分析から 基準化した先端抵抗 Q と コーン周面摩擦比 F r を用いて土質分類チャートを図 -4.2 のように提案しています Q q σ F vo s = r = 100 σ' vo q σvo Q : 基準化した先端抵抗 F r : コーン周面摩擦比 (%) f s : 周面摩擦 (kpa) q : 補正された先端抵抗値 (kpa) σ vo : 総土被り圧力 (kpa) σ vo : 有効土被り圧 (kpa) f (4-2) 式 (4-2) 式によって得られた Q と F r の交点を図 3-2 から求め その交点が含まれる領域 の番号が 土質性状タイプを示す番号となります 図 -4.2 土質分類チャート

4.6 換算 N 値 換算 N 値は Roberson や Jefferies&Davies らによって提案されている他 日本では實松 鈴木 時松らによっても提案 (4-3 式 ) されています ( 日本建築学会構造系論文集第 566 号 ) N c (1.34+ 0.0927I ) ( q 0.2) 1.94 c 0.341I c = (4-3) I 2 2 {( 3.47 logq ) + ( log F + 1.22) } 0. 5 c = r Q F r = = ( q σ ) σ v' s ( q σ ) 100 f v v N c : 換算 N 値 I c : 土質分類指数 F r : コーン周面摩擦比 (%) Q : 基準化した先端抵抗 σ vo : 総土被り圧力 (kpa) q: 補正先端応力 (kpa) σ vo: 有効被り圧力 (kpa) f s : 周面摩擦抵抗 (kpa) 4.7 非排水せん断強さ ( Su ) 粒径が細かく飽和した土の非排水せん断力の評価は 支持力理論にもとづいた次式で評価 されるのが一般的です S q σ vo u = (4-4) Nk S u : 非排水せん断強さ (kpa) q : 補正された先端抵抗値 (kpa) σ vo : 総有効土被り圧 N k : コーン係数 N k 20 15 10 5 0 0 50 100 150 200 塑性指数 I p 久里浜八郎潟出雲桑名扇島東雲玉野 コーン係数 N k は 図 -4.3( 地 盤調査法地盤工学会より転載 ) に 図 -4.3 わが国の海成粘土で得られたコーン係数 k ( せん断強さを qu/2 で求めた場合 )( 田中ら )

示す範囲にあります 4.9 細粒分含有率 鈴木 實松 時松らにより 式 4-5 が提案されています ( 日本建築学会構造系論文集第 566 号 ) 4.2 F c = I c (4-5) I c 2 2 {( 3.47 logq ) + ( log F + 1.22) } 0. 5 = r F c : 細粒分含有率 (%) I c : 土質分類指数 Q : 基準化した先端抵抗 F r : コーン周面摩擦比 (%) 4.10 過圧密比 ( OCR ) の評価 現在土が受けている応力が 今までに受けたことがある応力の最大値であるなら 土は正 規圧密状態といえます 過圧密状態の地盤とは 土が経験した最大の応力より現在の応力が 小さい状態をいいます 過圧密比 ( OCR ) は土の過圧密状態の程度を決定するために使われ る値で 以下に定義されます OCR ( σ ) vo = max σ vo (4-6) ( σ vo ) max : 土が経験した最大有効垂直土被り応力 σ vo = 現在の有効垂直土被り応力 過圧密土の場合 OCR>1となる 正規圧密土の場合 ( σ ) max =( σ ) であるからOCR= 1となる vo vo CPT より OCR を求める方法として Roberson,2009 は 式 4-7 を提案しています ( Q ) 1. 25 OCR = 0.25 (4-7) Q : 基準化した先端抵抗