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ことも認められています 施行日前 ( 平成 26 年 3 月 31 日以前 ) にリース契約を締結し リース資産の引渡しを行ったリース取引についてこの特例により賃貸借処理を行っている場合には 旧税率の 5% が適用されます 3. 資産の貸付け に関する経過措置指定日の前日 ( 平成 25 年 9 月


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第一問 -50 点 - 問 1 (25 点 ) (1) について (15 点 ) 概要 次の規定の適用を受ける場合には 納税義務が課されることとなる 1. 課税事業者の選択 2. 特定期間における課税売上高による納税義務の免除の特例 3. 新設法人の納税義務の免除の特例 4. 特定新規設立法人の納税

23-24

課税売上割合 消費税の課税売上割合の計算は 次の算式により計算します 課税売上割合が 95% 以上と未満では 仕入税額 控除の計算方法が変わってくるため算定する必要があります 課税売上割合 = 課税売上 ( 税抜 )/( 非課税売上 + 課税売上 )( 税抜 ) 消費税の課税売上割合が 95% 以上

与等の支払者 ) から毎年最初に給与等の支払を受ける日の前日までに 次に掲げる事項を記載した申告書を 当該給与等の支払者を経由して その給与等に係る所得税の納税地 第一章第五節 の所轄税務署長に提出しなければならない ( 法 1941 措法 41の162 41の172 規 731) ( 一 ) 当該

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はじめに 令和元 (2019) 年 10 月 1 日から消費税率が10% に引き上げられることに合わせて 食品と新聞に対して8% の軽減税率が導入されます そのため 消費税率は8% と10% の複数税率になります 食品や新聞を取り扱っている事業者は 軽減税率や複数税率への対応が必要となりますが 売上

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[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

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1 章 事業者免税点制度の適用要件の見直し の改正内容 前々期の課税売上高が 1,000 万円以下であっても 前期の事業年度開始の日から 6 ヵ月間の課税売上高 ( 2) が 1,000 万円を超えた場合は 当期から 課税事業者となります 適用時期 : 平成 25 年 1 月 1 日以降に開始する事

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第1回 消費税率引上げに向けての経過措置の対応

12-1 納付情報登録依頼を作成する 納付情報登録依頼を作成し 受付システムに送信します なお 以下の手続は 帳票を作成し 送信すると同時に納付情報登録も完了するため 納付情報登録依頼の作成は不要です 源泉所得税及復興特別所得税 ( 自主納付分 ) 印紙税納付計器使用請求書及び印紙税税印押なつ請求書

消費税率引上げ時期の変更に伴う対応について 消費税関係 資料 1 税率引上げ関係 軽減税率関係 軽減税率財源確保関係 転嫁対策 改正前 1 税率引上げ時期 : 平成 29 年 4 1 ( 税制抜本改 法で規定 ) 2 請負契約等に係る経過措置の指定 : 平成 28 年 軽減税率実施時期

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Q3. 資本金 500 万円で豊中市内の従業員が 60 人の法人です 均等割の金額を教えてください 豊中市の税率 ( 市町村によって違います ) 資本金等の額 * 従業者数 ( 豊中市内 ) 税額 ( 年額 ) * 50 億円超 10 億超 ~50 億円以下 1 億超 ~10 億円以下 1 千万超

原則課税申告書本表 ( 原則計算方式 ) 税率が 3% 5% の取引がある場合 項目 金額 課税標準額 1 付表 1 の1[ 課税標準額 (D)] 消費税額 2 付表 1 の2[ 消費税額 (D)] 控除過大調整税額 3 付表 1 の3[ 控除過大調整税額 (D)] 控除税額控除対象仕入税額 4 付

d 凡例 文中 文末引用の条文等の略称は 次のとおりである 法令改正法 所得税法等の一部を改正する法律 ( 平成 28 年法律第 15 号 ) 改正令 消費税法施行令等の一部を改正する政令 ( 平成 28 年政令第 148 号 ) 改正省令 消費税法施行規則等の一部を改正する省令 ( 平成 28 年

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step.2 課税売上高の合計を計算する します step.21 欄の内容を転記します 表ロ 1~3 欄にそれぞれ記入します step.22 を転記します 表ロ 4~6 欄にそれぞれ記入します step.23 容を転記します 表ロ 7~9 欄にそれぞれ記入します step.24 その他の所得に係る収

2-3. 上記 2-2 以外の利用目的は以下の通りです 利用目的対応する利用者情報の項目 (1) 当社のサービスに関連して 個人を識別できない 端末情報形式に加工した統計データを作成するため ログ情報 Cookie 及び匿名 ID 位置情報 (2) 当社又は第三者の広告の配信又は表示のため 端末情報

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平成 30 年度改正版 平成 30 年 6 月 1 日から平成 31(2019) 年 5 月 31 日までの間に終了する事業年度に ついては 減免割合が 2/6 に変更となりましたので 30 年度改正版をご使用くださ 1 減免の対象 ( 変更はありません ) 詳細は次ページをご覧ください 1 資本金

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Transcription:

インターネット等を通した役務の提供に係る消費税の改正概要 1. 改正時期平成 27 年 10 月 1 日以後の取引から改正 2. 従来の消費税の取扱い日本の消費税は 日本国内の取引 ( 国内取引 ) だけに課税する制度ですので 日本国外での取引 ( 国外取引 ) には課税されません インターネット等を通してソフトウェア等をダウンロードにより購入する場合 そのソフトウェアを提供する場所 ( サーバーの設置場所等 ) が海外であれば国外取引とされ 日本の消費税は課税されないこととなっていました また ソフトウェアを提供する場所 ( サーバーの設置場所等 ) が国内であれば国内取引とされ 国外で役務の適用を受けることが明かな場合については輸出免税とされてきました 3. 今回の消費税の改正要点消費税における国内取引と国外取引を区別する基準を 内外判定 といいますが この内外判定の基準が今回改正され インターネット等を通した役務の提供についての 国内取引 の定義が 役務の提供を行う者の役務の提供に係る事業所等の所在地 役務の提供を受ける者の住所等 となりました つまり インターネット等を通した役務の提供について 役務の提供を受ける者の本店又は主たる事務所が日本にあれば 全て消費税が課税されることになりました また 逆に日本の事業者が日本からソフトウェア等 ( 電子書籍等を含みます ) をインターネット等を通して海外へ配信する場合は 国内取引ではなくなり 消費税は課税対象外 ( 不課税 ) となりました 以上により 平成 27 年 10 月 1 日以後 次のようになります インターネット等を通した国外からのソフト 課税対象外 ( 不課 課税 ウェア等の提供 税 ) インターネット等を通した国外へのソフトウェア等の提供 課税 ( 輸出免税 )

( 注 ) 役務の提供を受ける者の本店又は主たる事務所が日本にあれば課税 ということですので 国内に本店がある法人の海外支店に対して インターネットを介してソフトウェア等を提供した場合は 提供者が国内 国外いずれの事業者であっても国内取引に該当し消費税が課税されます ( 国税庁作成の 国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し等に関するQ&A の 問 12 参照) 4. 改正対象となる 電気通信利用役務の提供 の内容今回の改正対象となる 気通信利用役務の提供 とは 資産の譲渡等のうち 電気通信回線を介して行われる著作物の提供その他の電気通信回線を介して行われる役務の提供であって 他の資産の譲渡等の結果の通知その他の他の資産の譲渡等に付随して行われる役務の提供以外のものをいう ( 消費税法 21 八の三 ) とされています 具体的には 対価を得て行われる取引で 以下のようなものが該当します ( 法 21 八の三 基通 5-8-3) インターネット等を介して行われる電子書籍 電子新聞 音楽 映像 ソフトウェア ( ゲームなどの様々なアプリケーションを含みます ) の配信 顧客に クラウド上のソフトウェアやデータベースを利用させるサービス 顧客に クラウド上で顧客の電子データの保存を行う場所の提供を行うサービス インターネット等を通じた広告の配信 掲載 インターネット上のショッピングサイト オークションサイトを利用させるサービス ( 商品の掲載料金等 ) インターネット上でゲームソフト等を販売する場所を利用させるサービス インターネットを介して行う宿泊予約 飲食店予約サイト ( 宿泊施設 飲食店等を経営する事業者から掲載料等を徴するもの ) インターネットを介して行う英会話教室など なお 通信そのもの 又は その電気通信回線を介する行為が他の資産の譲渡等に付随して行われるものは 電気通信利用役務の提供 に該当しませんので 内外判定基準や課税方式はこれまでと変更ありません したがって 以下のような取引は 電気通信利用役務の提供 には該当しません 電話 FAX 電報 データ伝送 インターネット回線の利用など 他者間の情報の伝達を単に媒介するもの ( いわゆる通信 ) ソフトウェアの制作等 ( 著作物の制作を国外事業者に依頼し その成果物の受領や制作過程の指示をインターネット等を介して行う場合がありますが 当該取引も著作物の制作という他の資産の譲渡等に付随してインターネット等が利用されているものですので 電気通信利用役務の提供に該当しません ) 国外に所在する資産の管理 運用等 ( ネットバンキングを含む )

国外事業者に依頼する情報の収集 分析等 国外の法務専門家等が行う国外での訴訟遂行等 著作権の譲渡 貸付け 5. 課税の方法インターネット等を通した国外からのソフトウェア等の提供 ( 電気通信利用役務の提供 を言います ) について 取引を次の二つに分けます 1 事業者向け電気通信利用役務の提供 2 消費者向け電気通信利用役務の提供まず 1 事業者向け電気通信利用役務の提供 についてですが 国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち 当該電気通信利用役務の提供に係る役務の性質又は当該役務の提供に係る取引条件等から当該役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるもの とされ 例えば 電気通信利用役務の提供のうち 取引当事者間において提供する役務の内容を個別に交渉し 取引当事者間固有の契約を結ぶもので 契約において役務の提供を受ける事業者が事業として利用することが明らかなもの をいいます つまり 事業者だけが契約対象となるような取引形態をいうようです 具体的な例として インターネットを介した広告の配信 インターネット上でゲームやソフトウェアの販売場所を提供するサービス クラウドサービス等の内で 取引当事者間において提供する役務の内容を個別に交渉し 取引当事者間固有の契約を結ぶもので 契約において役務の提供を受ける事業者が事業として利用することが明らかなものなどが挙げられています 2 消費者向け電気通信利用役務の提供 とは 1 事業者向け電気通信利用役務の提供 以外の全てです 1と2は課税方法が異なりますので 以下 個別に説明します (1) 事業者向け電気通信利用役務の提供 の場合国内でインターネット等を通した国外からのソフトウェア等の提供を受けた事業者が消費税を申告し 納税義務を負います ( 国税庁はこれを リバースチャージ方式 と呼んでいます ) ただし 国内で提供を受けた事業者は 原則として 納税義務を負うと同時に当該消費税の仕入税額控除も受けられますのでプラスマイナス0となり リバースチャージ方式による申告や納税はしなくてもよいことになっています 例外的ですが 一般課税により申告する事業者で その課税期間における課税売上割合が 95% 未満の事業者 である場合は

リバースチャージ方式による申告や納税が必要となります なお 国内において 事業者向け電気通信利用役務の提供 を行う国外事業者は 当該役務の提供に際し あらかじめ 当該役務の提供に係る特定課税仕入れを行う事業者が消費税を納める義務がある旨 を表示する必要があります この具体的な方法については 国税庁作成の 国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し等に関するQ&A の 問 21 をご参照ください その他 請求書等への記載でもかまわないかと思います 以上をまとめると次の表のようになります 一般課税により申告する事業者で その課税期間における課税売上割合が 95% 未満の事業者 リバースチャージ方式による申告と納税 上記以外の事業者 従来通り (2) 消費者向け電気通信利用役務の提供 の場合国外からのソフトウェア等の提供を行う事業者が消費税の申告と納税義務を負います 国内で 消費者向け電気通信利用役務の提供 を受けた事業者は 原則として 当分の間 仕入税額控除の適用は認められません ただし 登録国外事業者 から受けた 消費者向け電気通信利用役務の提供 については 仕入税額控除の適用が認められます 登録国外事業者 とは 消費者向け電気通信利用役務の提供 を行う課税事業者である国外事業者で 国税庁長官の登録を受けた事業者をいいます 登録国外事業者 は 国税庁ホームページで 当該事業者の氏名又は名称 登録番号及び登録年月日等について公表することとされており かつ 登録国外事業者 からの請求書等には その 登録番号 が記載されます 具体的なケースで言いますと 従来アマゾンやマイクロソフトなどのサイトからダウンロードしていたコンテンツやソフトについて 従来では消費税不課税であった取引が 平成 27 年 10 月 1 日より課税取引に変わり このアマゾンやマイクロソフトが 登録国外事業者 であれば 消費税の仕入税額控除が受けられるということになります 以上を 消費者向け電気通信利用役務の提供 を受ける国内事業者についてまとめると次の表のようになります 登録国外事業者 から受けた 消費者向け電気通信利用役務の提供 課税仕入 ( 仕入税額控除あり )

登録国外事業者 以外から受けた 消費者 向け電気通信利用役務の提供 課税仕入 ( 仕入税額控除適用なし ) 以上