人口減少 少子高齢社会と税制 財政 加藤久和 ( 明治大学 ) @ 東京都税制調査会 (3..)
目次 - プレゼンの内容. 人口動向と将来推計 3- 全国 / 都道府県 / 東京都. 人口減少と経済社会への影響 - 経済成長の視点から 3. 税制 財政に関して -3 財政動向等 モデルによる将来推計
年 ( 第 回国勢調査 ) の総人口は,6 万人 4 年の総人口は, 万人 さらに 6 年には 億 万人と 億人を超えた 年の総人口は 億,6 万人 年 月の総人口 ( 推計 ) は 億, 万人 この 年間で約 4 万人の減少 ( 参考 ) 総人口は日本人人口と外国人人口の合計 年時点の外国人人口は 64. 万人 3
高齢化の進行 4
高齢化の進行 ( 続 ) 6 歳以上人口割合が % を超えたのは 年 4% を超えたのは 4 年であり その間の経過年数は 4 年 % から 4% の経過年数はドイツ 4 年 イタリア 6 年 アメリカ 年 イギリス 46 年 フランス 年 スウェーデン 年
6 年以前では合計特殊出生率は置換え水準を超えており 将来の人口増加が見込まれていた 年以降は継続的に人口の置換水準を合計特殊出生率が下回り 将来的には人口減少がもたらされることになる 出生率低下が一般に認識され始めた 年代後半よりも 年以上前 現在からすれば 3 年前から 実際に少子化が生じていたことになる... 3 3. 4 4. 4 4 3 6 6 3 6 6 6 3 3 3 3 図合計特殊出生率と置換え水準の推移合計特殊出生率静止粗再生産率戦後直後の合計特殊出生率は 4.4 6 年に戦後初めて. を割り込む 丙午による一時的な低下 (66 年 ) 年以降 恒常的に. を下回る. ショック ( 年 ) 年の.6 は過去最低水準 6 年.3
将来人口推計 ( 年 月推計 ) 出生率 (TFR) の仮定は.3( 前回は.6) 年生まれの生涯未婚率は.% 平均寿命は男 4. 年 女. 年 6 年の総人口 ( 外国人含む ) は,64 万人 6 年の 6 歳以上人口の割合は 3.% また 歳以上人口の割合は 6.%,,,,,,,,,, 3, 4 6 6 6 4 6 4 6 4 6 3 3 4 3 4 4 6 4 図将来推計人口の結果比較 年推計 6 年推計 年推計 年推計
参考 : 超長期シミュレーション ケース :6 年以降 TFR が.3 を維持されるケース ケース :TFR が 3 年に. まで直線的に上昇し 3 年以降. が維持されるケース ケース 3:TFR が 年に. まで直線的に上昇し 年以降. が維持されるケース ケース 4: ケース 3 に加え ~4 年にかけて男女 ~3 歳の層に毎年 万人ずつ 年間で合計 万人の海外からの移民が加わるケース ケース では総人口は減少を続け 年には,4 万人 年では,64 万人にまで減少し 現在の総人口のおよそ / 以下になる 一方 ケース では 年頃に 万人程度で またケース 3 では 4 年頃におよそ 万人で定常化する ケース と 3 では 総人口で 万人の差をもたらす ケース 4 は 年頃に 億 万人程度で定常に落ち着く 総人口 億人を維持することの意味は別として 出生率の回復と移民の受け入れによって 億人を維持することは可能となる
参考 : 超長期シミュレーション 長期的な高齢化の対策は出生促進策!
都道府県別人口 ( 国勢調査 ) ~ 年の 年間をみると, 東京都, 神奈川県, 千葉県など 都府県で人口増加,3 道府県で減少 人口増加率をみると, 東京都が 4.6% と最も高く, 次いで神奈川県 (.%), 千葉県 (.6%) などとなっている また, 人口減少率をみると, 秋田県が.% と最も高く, 次いで青森県 (4.4%), 高知県 (4.%) などとなっている
都道府県別人口増減率 ( 平成 年 ~ 年, 平成 年 ~ 年 ) 資料 : 総務省統計局 国勢調査
都道府県別 6 歳以上人口の割合 ( 平成 年, 年 ) 資料 : 総務省統計局 国勢調査
都道府県別推計人口 ( 日本の地域別将来推計人口 ) 3
都道府県別推計人口 ( 日本の地域別将来推計人口 ) 4
東京都の総人口の推移 東京都の総人口は 年の 6 万人から 年には 6 万人まで急増したが その後増加傾向は緩やかになった しかし 年以降再び増加し 年の 6 万人から 年では 36 万人となっている 総人口に占めるシェアは 年の.% から 6 年には.4% まで上昇したが その後やや低下し 年に.4% まで下がった その後 再び上昇し 年では.3% である
( 参考 ) 東京都の経済効率性 6
東京都の高齢化 東京都でも 6 歳以上人口割合は % を超えている! 年.% 年.% 年.4%
東京都の出生率
東京都の将来推計人口 東京都の総人口は 年の 36 万人から 年 33 万人へ増加するが その後減少に入り 3 年 6 万人 4 年 3 万人と推移する 全国の総人口に占めるシェアは 年の.3% から上昇し 年.% 4 年.% となる
東京都の高齢化 6 歳以上人口割合は 年で東京都.4% 全国 3.% 年では東京都 4.3% 全国.% 4 年では東京都 33.% 全国 36.% 東京都の 歳上人口割合は 年で.4% 年で.% 4 年で.4%
人口減少の経済社会への影響 労働力人口も減少し そのため経済成長が鈍化する ( 経済成長 ) 現役世代が負担をしている年金 医療などの社会保障制度が維持できなくなる ( 社会保障制度 ) 3 人口減少によって社会の活力が低下する等
経済成長と人口規模をめぐる議論 ( 一人あたり成長率とマクロの成長率 ) 一人あたりの経済成長率 = マクロの経済成長率 - 人口増加率 ~3 年の人口減少率は.4% と見込まれる したがって マクロの経済成長率が.% 程度であっても 一人あたりの経済水準は維持される? ( 人口規模と経済水準 ) 人口規模と規模 集積の経済 : 人口規模が多いほど 生産性の効率が高まり 規模 集積に対して収穫逓増のメカニズムが働くという議論 人口減少は生産の効率性を低下させる? 人口規模が多いほど 市場の規模も大きくなり かつ多様な産業が生まれる ニッチ市場は人口規模が大きく 多様なニーズを持つ消費者が存在することで成立するという議論
経済成長と人口変動の関係 3
労働力人口の見通し 図労働力人口と雇用者数の推移 労働力人口のピークは 年の 6,3 万人 6 4 3 労働力人口 雇用者数 労働力人口減少への対応と課題 高齢者 : 人的資本の更新 年金とのリンク 女性 : ワークライフバランス 出産 育児との両立 非正規雇用 男女間賃金格差 外国人 : 移民の可能性 4 平成 4 年雇用政策研究会報告書
貯蓄率の動向.. 6..% 図家計貯蓄率の推移 4.... 6. 4...%. 3 4 6 3 4 6 3 4 6 総貯蓄率 総投資率の推移.4 総投資率 (6SNA) 高齢化とともに経済全体の貯蓄率は低下する 貯蓄率の低下は投資のための資金を不足させ その結果として資本ストックの蓄積を鈍化させる.4.3 総投資率 (3SNA) 総貯蓄率 (6SNA) 総貯蓄率 (3SNA) わが国では国内投資を国内貯蓄でほぼまかなっている 海外からの投資をいかに呼びこむか.3.. 4 6 4 6 4 6 4 6
人口と技術進歩 人口規模が多いほど優れたイノベータを輩出するチャンスが高い 多くの人口がいるほど知的な交流の機会が増え これによって技術進歩が促される 人口規模と技術進歩の関係 人口減少に伴う労働力人口の減少により集団的な力が低下する効果 ( 規模の経済喪失効果 ) 若年労働力の減少により若年層が持つ創造性や積極性が全体として乏しくなる効果 ( 創造性喪失効果 ) 3 人口減少に伴い労働力以外の生産要素を相対的に多用することでさまざまな技術が生み出され 生産性が上昇する効果 ( 労働力節約促進効果 ) +>3? 6
図は ~ 年にかけての OECD に加盟している カ国のパネル データをもとに OECD が測定している生産性 ( 多要素生産性 ) と高齢化の関係を検証したものである 図は 横軸に 6 歳以上人口比率 縦軸に多要素生産性の進歩率をとって両者の関係を検証したものである その結果をみると 高齢化の進行は有意に生産性にマイナスの影響を与えていることがわかる このことから 供給面から見た経済成長の源泉としての生産性向上も このままの趨勢では期待できないことになる
人口減少 高齢化と財政 税収 歳入 労働力人口減 高齢化による個人所得課税の減少 経済成長鈍化に伴う法人課税の減少 歳出 人口減 ( 総数減 ) でも比例的に歳出が減少するわけではない 高齢化による社会保障関係費 ( 民生費 ) 等の増加 財政収支 赤字化?
高齢化の影響は所得よりも消費のほうが小さい 税財源としても消費の方が安定している 出所 : 内閣府 経済財政白書 年版 p.
高齢化は税収減につながるか? 3 道府県民税 市町村民税でも同様の結果
高齢化と社会保障 所得再分配 高齢化比率の高い地域ほど再分配係数は大きい 3 資料 : 厚生労働省 所得再分配調査 年
マクロ計量モデルによる財政 社会保障の将来予測 年までの SNA ベースの将来推計 推定期間は 年度から 年度 ( 年度データ ) モデルの内生変数は 6( 構造方程式 本 ) 外生変数は 日本の将来推計人口 ( 平成 4 年 月推計 ) の出生中位 死亡中位の推計値 物価上昇率 % 実質利子率 3% を外生的に設定 加藤久和 (3) 社会保障財政の将来展望 季刊社会保障研究 第 4 号 3
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参考 マイナス成長と積立金枯渇 平成年の財政再検証で仮定した経済成長率等ではなく 過去年 機械的試算④ も しくは年 同⑤ の平均的な成長率等を採用した場合 機械的試算④では 厚生年金の 積立金は3年に枯渇すると報告されている 平成年財政検証関連資料より 34
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シミュレーション 政府最終消費支出を毎年度%引き下げ 消費税率を将来的に%まで切り上げ 徹 底的な財政改革を進める 3