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本日のメニュー シラバス 学習教材 創薬化学 Ⅰ 第 1 回 化学と仲良くなるためにあなたならどうする? シラバスと教材 シラバス 10. カルボン酸 12. アミン 11.α 位の反応全 15 回 講義と演習 ひょっとするとSGD? 中間テストなし期末テスト95% 演習や課題など5% 自己学習教材 http://www1.jiu.ac.jp/~naka/s1 2011/shakyo.pdf 1 2 目的 ( ビジョン ) と目標 目的 ( ビジョン ) おぼろげなもので構わない 目標 具体的なゴール ( 行動 ) 例えば 患者さんから信頼される薬剤師になるために鎮痛薬の特徴を説明できるようになる! あなたが化学を学ぶのはなぜですか? ( 有機 ) 化学は薬学をつなぐ なぜDA が二重らせんになる? タンパク質の二次構造はどうしてできる? クスリは受容体にどのように結合する? 水素結合 なぜアミド型局所麻酔薬は作用時間が長い? 古い油脂はなぜ酸価が高い? 脂肪酸合成や β 酸化はなぜ炭素 2 個ずつ? 有機化学反応 ( 創薬化学 Ⅰで学ぶ ) 4

( 有機 ) 化学は薬学をつなぐ 化学と仲良くなるために あの人と仲良くなりたいな と思ったときなたあなたならどうします? あの人と仲良くなって下さい と言われたときあなたならどうします? 5 6 その 1: 名前を知る IUPAC 名 ( 正式な名前?) 慣用名 ( ニックネーム?) 命名してみよう 構造式 化合物名 7 8

IUPAC 名 炭素数 + 官能基名 (+ 置換基名 ) 1 主官能基を見分ける 2 主官能基を含み最も長い炭素数を数える 置換基を見分ける 4 できるだけ小さくなるように番号を付ける 慣用名 エチレン ethylene tert ブチルアルコールル tert butyl alcohol p クレゾール p cresol ホルムアルデヒド formaldehyde アセトアルデヒド acetaldehyde ベンズアルデヒド benzaldehyde アセトン acetone 9 10 その 2: 性質 性格を知る どんな反応がおこるか? 何性か? 酸性 中性 塩基性 どこで反応がおきる? 反応とは結合が切れたり 結合ができたりすること! どんな反応がおこる? 11 12

反応のおこりやすいところ 結合の切れやすいところ電気陰性度の偏り σ 結合とπ 結合 プラスとマイナスの間プラスイオン マイナスイオン π 結合 δ+ δ- どこで結合が切れやすいか? どの結合が最も切れやすい? どこがδ+ or δ- 1 14 水に溶かしたとき カルボン酸 酸性酸性 炭酸 酸性 官能基 フェノール 酸性 アルコールル 水水 中性 アルデヒド ケトン 中性 アミン 塩基性 相対的な性質 塩化水素と水を混ぜると 水を 水と臭化メチルマグネシウムを混ぜると 相手によって酸にも塩基にもなる! 15 16

まとめ 化学と仲良くなるために 名前を知りましょう! 性格を知りましょう! 相手により性格が変わることを知りましょう! 創薬化学 Ⅰ 第 2 回 本日のメニュー 先週の復習化学と仲良くなるために カルボン酸とその誘導体 (p.08 p.12) 命名法 17 18 IUPAC 名 炭素数 + 官能基名 (+ 置換基名 ) 1 主官能基を見分ける 2 主官能基を含み最も長い炭素数を数える 置換基を見分ける 4 できるだけ小さくなるように番号を付ける 命名してみよう 構造式 化合物名 19 20

宿題の答え合わせ 電気陰性度の差が大きい結合は切れやすい 電気陰性度の大きい方が δ- 単結合よりも多重結合 カルボン酸とその誘導体 カルボン酸酸性! カルボン酸誘導体 カルボン酸から創られるもの中性! 21 22 H C H 酢酸 H 身の回りのカルボン酸たち R CH H CH H C H 2 CH 酢酸イソブチルケイヒ酸エチルアミノ酸 ( シナモンのにおい ) ( バナナのにおい ) CH H CH CH CH H CH クエン酸 H CH H C 酒石酸 ( ワインにはいっている ) 非ステロイド抗炎症薬 SAIDs CH H 吉草酸 ( 足のにおい ) H PGE 2 アスピリンロキソニンアラキドン酸 H H CX CH CH CH CH 脂肪 トリアシルグリセロール ( トリグリセリド TG) 脂肪酸とグリセリンのトリエステル CH CH CH パルミチン酸 パルミトレイン酸 オレイン酸 古い油脂は酸価 ( 酸性 ) が高い! 水と反応し 脂肪酸とグリセリンに分解する 詳しくは次回以降! 2 24

仲良くなる第一歩 命名法 1 カルボン酸 (carboxylic acid) 鎖状カルボン酸アルカン名 +oic acid 2 個ある場合アルカン名 +dioic acid 環に直結したカルボン酸環の名前 +carboxylic y acid 仲良くなる第一歩 命名法 2 カルボン酸塩化物 (acyl chloride) 鎖状カルボン酸塩化物アルカン名 +oyl chloride 環に直結したカルボン酸塩化物環の名前 +carbonyl chloride 25 26 仲良くなる第一歩 命名法 カルボン酸無水物 (anhydride) 対称な鎖状カルボン酸無水物アルカン名 +oic anhydride 対称な環に直結したカルボン酸無水物環の名前 +carboxylic anhydride 仲良くなる第一歩 命名法 4 エステル (ester) 鎖状エステル酸素置換基名アルカン名 +oate 環に直結したエステル酸素置換基名環の名前 +carboxylate 27 28

仲良くなる第一歩 命名法 5 アミド (amide) 鎖状アミドアルカン名 +amide 環に直結したアミド環の名前 +carboxamideb d 窒素に置換基があるアミド 置換基名アミドの名前 仲良くなる第一歩 命名法 6 ニトリル (nitrile) 鎖状ニトリルアルカン名 +nitrile 環に直結したニトリル環の名前 +carbonitrileb l 29 0 もっと仲良くなるために 慣用名 (p.09) 酢酸 (acetic acid):acetyl cloride, acetic anhydride, ethyl acetate, acetamide ギ酸 (formic acid) 安息香酸 (benzoic acid) ) コハク酸 (succinic acid) マロン酸 (malonic acid) ) シュウ酸 (oxalic acid) まとめ どこが変化するかを意識しよう 命名も反応も同じ 類似と相違が大事 マクマリー p.12 問題 10 1, 10 を解き方を示しながら解いてみよう! 1 2

創薬化学 Ⅰ 第 回 本日のメニュー カルボン酸の構造カルボニル基 + 水酸基 カルボン酸の性質水素結合求核アシル置換反応酸性 カルボン酸の酸性に影響を与えるもの カルボキシ基 カルボン酸の構造 カルボニル基と水酸基が直結している 電荷の偏りはどうなっているか? 電気陰性度に注目 4 カルボン酸誘導体の構造 カルボニル基 +ヘテロ原子 どこで切れやすいか? カルボン酸の性質 (p.12~) 1 水素結合をする (p.1) 沸点が高くなる水に溶けやすくなる 2 求核試薬で置換される 求核アシル置換反応 (p.18, 次回以降 ) 酸性である (p.14) 5 6

水素結合をする! 酸素に結合した水素がある 水素供与体水素供与体 酸素 ( 非共有電子対 ) がある 水素受容体 沸点が高くなる (p.1) 二量体になる 本来の分子量より重くなる 水に溶けやすい 水と水素結合する 二量化する! H C H H 水素結合 水素結合 CH アミドも水素結合をする 第 1 級アミド 第 2 級アミドは水素結合をする α ヘリックス β シートに重要 (p.51, p.514) 7 8 カルボン酸は酸性! H + を出せる物質のことを酸というを酸 ( ブレンステッド ローリーの定義 ) アルカリと反応して H 2 と塩が生成する アルコールとカルボン酸 なぜアルコールより酸性が強いのか? その1: H 結合の切れやすさ 塩化水素 硫酸 硝酸 ( 鉱酸 ) より弱い酸 炭酸 フェノールより強い酸酸 幅広い酸性度 (p.14, 表 10 2) 9 40

アルコールとカルボン酸 なぜアルコールより酸性が強いのか? その2: 共役塩基 (H + を除いた部分 ) の安定性 共役塩基が安定だとなぜ酸性? 共役塩基が安定 = たくさん! 共役塩基がたくさん=H H + がたくさん! H + がたくさん= 酸性が強い! カルボン酸は共役塩基が共鳴できる 安定! 41 42 いろいろな酸の強さ (p.14) 表 10 2 は覚えましょう! p.20 表 1 4 p.244 表 8 1も覚えましょう! 酸性度に影響する要因 脂肪族カルボン酸の場合 電子を引きつける原子 置換基が結合する 酸が強くなる 電子を与える原子 置換基が結合する 酸が弱くなる 効果はカルボキシ基に近いほど強い 4 44

脂肪族カルボン酸の例 マクマリー有機化学概説 p.14 ウォーレン有機化学上 p.196 酸性度に影響する要因 芳香族カルボン酸の場合 電子を引きつける原子 置換基が結合する 酸が強くなる 電子を与える原子 置換基が結合する 酸が弱くなる 45 46 芳香族カルボン酸の例 http://www2.lsdiv.harvard.edu/labs/evans/pd f/evans_pka_table.pdf _ p 参考 水素結合をする カルボン酸は酸性 まとめ 電子求引基 電気陰性度の大きい原子に置換すると酸性は強くなる 芳香族化合物の求電子置換反応の反応性と比較しよう (p.155, 156) 47 48

創薬化学 Ⅰ 第 4 回 本日のメニュー カルボン酸の合成法多くは既に習っていた! カルボン酸の反応 1 酸としての反応 カルボン酸の反応 2 求核アシル置換反応置換反応が元になっている! 酸化と還元 有機化合物において 酸化 (oxidation) とは ( 酸素 ) が増える または H 2 ( 水素 ) が減る 還元 (reduction) とは ( 酸素 ) が減る または H 2 ( 水素 ) が増える 雑 ) 酸化酵素 : オキシダーゼ (oxidase) 還元酵素 : レダクターゼ (reductase) 49 50 有機化学 Ⅰ の復習 アルコール アルデヒド ケトン カルボン酸の関係をまとめると 第 1 級アルコールアルデヒドカルボン酸 第 2 級アルコールケトン 第 級アルコール カルボン酸 カルボン酸は 2 個の酸素と結合 アルデヒド アルコールはルは 1 個の酸素と結合 実際には カルボン酸は 個 アルデヒドは2 個 アルコールは 1 個の酸素と結合している 51 52

カルボン酸は酸化度が高い! 合成法 1 酸化度の低いものを酸化するとできる! 還元では出来ない 合成法 2 同じ酸化度のものから合成する! カルボン酸誘導体から合成する 合成法 より酸化度の高いものから合成する 酸化して合成する アルカン ( 芳香族 ) の酸化 (p.160, p.16) アルケンの酸化 (p.115) アルコールの酸化 (p.251, p.16) アルデヒドの酸化 (p.277, p.17) 過去に勉強済み! 復習しておきましょう 5 54 カルボン酸誘導体から合成する カルボン酸誘導体の加水分解 (p.0) 加水分解 ) H 2 を加え二つ以上に分かれる ) 2 酸化度の高いものから合成する C 2 は4 個の酸素と結合 二酸化炭素とGrignard 試薬の反応 (p.17) ニトリルは 2 段階の反応 (p.17, p.7) H 2 の付加によるアミドの生成 & 加水分解 参考 ) ケトンと Grignard 試薬の付加反応 (p.292) 55 56

カルボン酸の反応 : その 1 試薬が塩基性の場合 酸として働く ah, H (p.14, p.24) カルボン酸の塩は求核性! + RC - a + は求核性を持つハロゲン化アルキルと反応し エステルが生成する (p.24) Grignard 試薬 (CH MgBr): 求核性 & 塩基性 問 ) この反応は何反応? 57 58 カルボン酸の反応 : その 2 試薬が中性 ~ 酸性の場合 求核試薬と置換する ( 求核アシル置換反応 ) アルコール + 酸 (Fischerエステル合成, p.24) 切れやすい結合 &δ + と δ - 中性 ~ 酸性で切れやすい結合は カルボニル基の炭素と水酸基の酸素 SCl 2 (p.2) 2 なぜ 中性 ~ 酸性では酸として働かない? 59 60

反応機構を考える (p.18) カルボン酸類の反応は求核アシル置換反応応 求核アシル置換反応は付加反応 + 脱離反応 H C C Cl CH H C C Cl CH 脱離反応 H C C CH 四面体中間体 付加反応 カルボニル炭素の混成に注目! アルデヒド ケトンと比べよう! Cl カルボン酸の還元は 2 段階 カルボン酸の LiAlH 4 による還元 (p.22) 求核アシル置換反応 + 求核付加反応 付加反応 中和反応 カルボン酸 アルデヒド 第 1 級アルコール 61 62 まとめ カルボン酸は酸として働く酸 カルボン酸は求核アシル置換反応がおこる カルボン酸の還元は置換反応 + 付加反応 創薬化学 Ⅰ 第 5 回 本日のメニュー カルボン酸誘導体と水の反応 ( 加水分解 ) 酸塩化物 酸無水物 エステル アミド反応のおこり易さ基本は求核アシル置換反応 カルボン酸誘導体とアルコールの反応 カルボン酸誘導体とアミンの反応 カルボン酸誘導体と LiAlH 4 の反応 6 64

カルボン酸誘導体 カルボン酸誘導体は何性? ほぼ中性 カルボン酸と塩基性試薬の場合 カルボン酸は酸性だから中和反応がおこる! カルボン酸と中性 ~ 酸性試薬の場合 求核アシル置換反応がおこる! 中性のカルボン酸誘導体はどんな反応? とにかく求核アシル置換反応 カルボン酸誘導体は試薬が塩基性でも中性でも酸性でも求核アシル置換反応がおこる 求核アシル置換反応がおきた後で付加反応がおこることもある エステル アミドの還元エステルと Grignard 試薬の反応 ( 来週 ) 65 66 カルボン酸誘導体の加水分解 典型的な求核アシル置換反応塩基性 中性 酸性どの水溶液でも進行! 例えば酸塩化物の場合 (p.26) 求核性が高い方が速く進む H - は負電荷が求核性を持つ! H 2 は非共有電子対が求核性をもつ! 求核性 塩基性だから 塩基性が速い! 他の誘導体は p.28, p.0, p4 参照 どの条件がもっとも速く進む? 67 H H 中性 2 68

同じ反応でも速さは違う (p.19) 酸塩化物 酸無水物 エステル アミド酸無水物構造が異なる 反応のおこりやすさは? 脱離基比較 :Cl -, R C -, R -, R R - 脱離基の共役酸の酸性の順酸性 S 2 反応の脱離基と同じ考え方 (p.219) 反応性 = エネルギー (?) 基本的に 反応はエネルギーの高い方から低い方へ進行する 反応性が高い =エネルギーが高いエ 不安定 エネルギーが高いと小さい活性化エネルギーで十分 エネルギーが低いと大きい活性化エネルギーが必要 ネルギ 反応座標 69 70 生理化学 :ATP とアセチル CoA ATP: アデノシン三リン酸 (p.564) 高エネルギーリン酸結合二つリン酸無水物とエステル 相互変換 (p.19) 一般に エネルギーの高い方から低い方へ反応は進行する だから 反応性の高いものから低いものは合成できる アセチル CoA(p.565): 酢酸のチオエステル反応性高い H より SH の方が酸性! 酸塩化物 酸無水物 エステル 71 アミド 72

カルボン酸誘導体とカルボン酸塩 酸塩化物は酸無水物に酸無水物!(p.27) H C + C a Cl CH H C C H C C CH CH Cl + a + Cl 他の酸無水物の作り方 加熱脱水 カルボン酸誘導体とアルコール 酸塩化物 (p.26) 酸無水物 (p.28) はアルコールと反応してエステルに! 副生する酸を取り除くために塩基を併用 エステルは違うエステルにステルに!( エステル交換 ) 7 74 カルボン酸誘導体とアミン 酸塩化物 (p.26) 酸無水物 (p.28) エステルはアミンと反応してアミドに! 副生する酸を取り除くために塩基を併用 複数の求核剤がある場合 (p.28) 求核性を持つ官能基が複数あるとき 求核性の強い官能基から反応する 求核性の強い 塩基性の強い HCl 75 76

カルボン酸誘導体と LiAlH 4 エステルと LiAlH 4 でアルコール (p.1) エステル アルデヒド アルコール 求核アシル置換反応 + 求核付加反応 H C C LiAlH 4 + H C C H CH CH H LiAlH 4 カルボン酸誘導体と LiAlH 4 アミドと LiAlH 4 でアミン (p.4) アミド イミン ( イミニウムイオン ) アミン ( 準 ) 求核アシル置換反応 + 求核付加反応 C H2 H LiAlH 4 C H LiAlH 4 AlH + Al(H) C H2 2 H H H C C H + H CH H H C H H2 H C H2 H 77 78 まとめ 酸塩化物 酸無水物 エステル アミドの反応は求核アシル置換反応 反応性は以下の順番酸塩化物 > 酸無水物 > エステル > アミド LiAlH 4 によるエステルの還元は第 1 級アルコール アミドの還元はアミンが生成する 創薬化学 Ⅰ 第 6 回 本日のメニュー 先週の残り カルボン酸誘導体と LiAlH 4 エステルとGrignard 試薬の反応 ニトリルの反応加水分解 求核付加 + 求核アシル置換 LiAlH 4 との反応 付加反応 2 Grignard 試薬との反応 付加反応 エステルの加水分解 ( 補足 ) 79 80

カルボン酸誘導体と LiAlH 4 エステルと LiAlH 4 でアルコール (p.1) エステル アルデヒド アルコール 求核アシル置換反応 + 求核付加反応 カルボン酸誘導体と LiAlH 4 アミドと LiAlH 4 でアミン (p.4) アミド イミン ( イミニウムイオン ) アミン ( 準 ) 求核アシル置換反応 + 求核付加反応 81 82 エステルと Grignard 試薬 (p.2) エステルとGrignard 試薬で第 級アルコールエステル ケトン 第 級アルコール 求核アシル置換反応 + 求核付加反応 ニトリルの合成 求核付加反応による方法 求核置換反応による方法 (p.214, 5) 第 1 級アミドの脱水による方法 8 84

ニトリルの加水分解 ニトリルを加水分解するとカルボン酸 (p.6) ニトリル アミド カルボン酸 求核付加反応 + 求核アシル置換反応 ニトリルと LiAlH 4 ニトリルとLiAlH 4 で第 1 級アミン (p.7) ニトリル イミンアニオン 第 1 級アミン 求核付加反応 2 異性化 2 85 4 2 2 86 ニトリルと Grignard 試薬 エステルの加水分解 酸性 ニトリルとGrignard 試薬でケトン (p.7) 求核付加反応 + イミンの加水分解 酸性条件では可逆的である pka 15.74 pka 15.54 + + 87 求核試薬と反応 平衡を右に傾けるには? H 2 を増やす! アルコールを増やすと ルを増やすと 反応は左へ進む! フィッシャーエステル合成 求核試薬と反応 エネルギ 反応座標 88

エステルの加水分解 塩基性 塩基性条件では不可逆的である 求核試薬と反応 エネルギ 酸として働く まとめ エステルとLiAlH 4 で第 1 級アルコール アミドと LiAlH 4 でアミン ニトリルとLiAlH 4 で第 1 級アミン エステルとGrignard 試薬で第 級アルコール ニトリルと Grignard 試薬でケトン エステル加水分解は条件で異なる 反応座標 89 90 まとめ カルボン酸とその誘導体 カルボン酸は酸性 それ以外は中性酸性 カルボン酸に限らず 電子求引基 or 電気陰性度の大きい原子が置換すると酸性 up カルボン酸は塩基性条件では酸として働く カルボン酸 & 誘導体は求核アシル置換反応 LiAlH 4, Grignard 試薬は 2 度反応する 命名法は語尾に注意! 慣用名も大事です 創薬化学 Ⅰ 第 7 回 本日のメニュー 今日からアミン 仲良くなるために 名前を知ろう! 性質を知ろう! 91 92

アミンとは? アンモニア (H ) の水素が炭素に置換 H H H C H H C CH H C CH H H H H CH H H C H H C CH CH H C H H H CH 環状になっているものもある アンモニウム 窒素は4 本まで結合をもてる結合が4 本になった場合にはアミンではなくアンモニウムという! 窒素はプラスイオンとして存在する 参考 ) プラスイオンは~ニウムイオンという! オキソニウム (H + ) ニトロニウム( 2+ ) など 9 94 アミン アンモニウムを探そう! 生理活性物質が多い! H H H Me H C Me Me H Me Me H 2 H アミノ酸アドレナリンアセチルコリン H 2 H H 2 Me H H ニコチンヒスタミンセロトニン (5-HT) H H H H H 2 CH H H CH モルヒネアニリンアデニンチミン 95 アドレナリン ニコチン セロトニン (5 HT) H H ヒスタミン モルヒネ H アセチルコリン H C CH ムスカリン H C H 2 H CH H 2 H CH H 2 H CH H H ムスカリン 96

仲良くなる第一歩 命名法 1 アミン (amine) 鎖状アミンアルカン名 + 位置番号 +amine 2 個ある場合アルカン名 +diamine 窒素上に複数のアルキル基がある場合 置換基名アミン名 環に直接アミンが結合した場合環の名前 +aminei H 2 H H 2 H 2 H H C CH C CH H 2 pentan-2-amine cyclopropanamine -methylpropan-1-amine ethane-1,2-diamine 97 仲良くなる第一歩 命名法 2 アミン以外の官能基がある場合優先順位はほぼ最低 (P.590) 置換基として考える amino 環の中にアミンがある場合慣用名を用いる! 98 暗記も必要 (P.92) 複素環アミンは慣用名を覚えよう! どんな医薬品 生体成分に含まれる構造か? 薬理学 生理化学 生薬学 カタカナで記憶するのが苦手な人は構造式! アミンの分類方法 族と級の二つの分類法 族 : 窒素に結合している炭素の種類脂肪族 or 芳香族 級 : 窒素に結合している炭素の数第 1 級 第 2 級 第 級 第 4 級アンモニウム H H 2 H H CH H CH H C C CH H H CH 2 CH CH CH H H CH H C CH H CH CH 2 CH 99 100

アミンの性質 (P.92) 塩基性を示す 三角すい構造をとっている窒素はsp 混成 沸点が高い水素結合をするから 塩基性である非共有電子対があるから H C 求核性がある ( 次回以降やります ) 非共有電子対があるから CH CH Lewisの塩基 : 電子対を与えられるもの Brønsted Lowry の塩基 :H + を受入れるもの 強さはpKb(P.9) であらわす pkb( 塩基性度 ):H + を受取る能力小さいほど強い塩基 101 102 いろんなアミンの pkb 族で異なる塩基性 表 12 1(P.94) は可能であれば覚えましょう 級が違っても塩基性は大きく変わらない 族が違うと塩基性が大きく変化する! 脂肪族アミンは芳香族アミンより強塩基! 脂肪族アミン非共有電子対が共鳴できない! 非共有電子対は局在化 塩基性は強い!! 芳香族アミン非共有電子対が共鳴できる! 非共有電子対は非局在化塩基性は脂肪族アミンより弱い 10 104

思い出そう! 酸性は 共役塩基の負電荷 ( マイナス ) が局在化すると弱く 非局在化すると強い 他の含窒素化合物 アミド窒素の非共有電子対に塩基性はありません!(P.95)( ) やっぱり重要な共鳴! 塩基性は 非共有電子対が局在化すると強く 非局在化すると弱い 酸と塩基は反対の作用だから 強くなる要因や弱くなる要因は逆になる! 窒素上の非共有電子対は p 軌道に収容 105 106 まとめ アミンは生体内 医薬品でよくみられる構造! アミンのもっとも大きな特徴は塩基性! ( 塩基性は酸性の反対!) 族による分類が性質を知る上で重要! 創薬化学 Ⅰ 第 8 回 本日のメニュー アミンの合成還元するか アミンから合成するか? アミンの性質 アミンの反応塩基としての反応と求核試薬としての反応 第 4 級アンモニウムの反応脱離基としての反応 107 108

アミンの合成法 還元するか? アミンから合成するか? 窒素のある官能基を還元 ニトロ基 アミド基 シアノ基 イミノ基 ニトロ基の還元 (P.400) 芳香族のニトロ基を H 2 / 触媒またはFe, HClで還元すると芳香族第 1 級アミンが生成する 2 触媒 2 2 ハロゲン化アルキルとアミンの置換反応 + 2 2 H 2 / 触媒は多重結合があると使えない Fe, HCl は酸に弱い官能基があると使えない 109 110 アミド ニトリルの還元 (P.96) アミドを LiAlH 4 で還元するとアミンが生成する 2 4 イミノ基の還元 (P.98) イミノ基を H 2 / 触媒またはaBH Cで還元するとアミンが生成する 2 触媒 ニトリルを LiAlH 4 で還元すると第 1 級アミンが生成する 111 112

アミンの性質 アミンは塩基性と求核性を持つ! どちらも非共有電子対にもとづく! 相手が酸性だと塩基として働く 相手が酸性でないと求核試薬として働く 塩基としての反応 酸 (H +, 空軌道 ) との反応酸 塩基中和反応酸と反応して アンモニウム塩が生成する 11 114 求核試薬としての反応 ハロゲン化アルキルとの反応 (P.214, 97) 求核置換反応 アミンの生成 アルデヒド ケトンとの反応 (P.290, 98) 求核付加反応 イミンの生成 カルボン酸誘導体との反応 (P.26, 401) 求核アシル置換反応 アミドの生成 ハロゲン化アルキルとの反応 アミンはハロゲン化アルキルと反応し より大きい級のアミンが生成する (P.97) 第 1 級 ~ 第 級アミンの性質は良く似ている 反応が1 回で止まらない (P.97) 115 116

アルデヒド ケトンとの反応 アルデヒドとアミンが反応するとイミン カルボン酸誘導体との反応 カルボン酸誘導体とアミンが反応するとアミド 酸塩化物 酸無水物 エステルの 種 還元的アミノ化 (P98) (P.98) アルデヒド ケトンから一気にアミン 水素のないアミンは反応できない! 117 118 アミンが脱離基になる! アミンは脱離基として不十分 (P.219) 第 4 級アンモニウムになると脱離基になる! Hofmann 脱離という!(P.401) E2 脱離である Hofmann 脱離 (P.401) 置換基の少ないアルケンが主生成物 119 120

まとめ アミンは主として還元で合成する アミンの主な反応は求核反応 第 4 級アンモニウムは Hofmann 脱離 創薬化学 Ⅰ 第 9 回 本日のメニュー アミンの反応 ( その 2) 亜硝酸との反応 ジアゾニウム塩の形成 ジアゾニウム塩の反応ジアゾカップリング Sandmeyer 反応 121 122 ジアゾニウム塩の合成 第 1 級アミンと亜硝酸 (H 2 ) が反応するとジアゾニウム塩が生成する (P.402) ニトロソ体の合成 第 2 級アミンと亜硝酸が反応すると ニトロソ体が生成する ニトロソニウムイオンと反応した後 脱水 芳香族第 級アミンと亜硝酸が反応すると C ニトロソ体が生成する 12 124

ジアゾニウム塩の安定性 芳香族のジアゾニウム塩は比較的安定 共鳴できる! ジアゾニウム塩の反応 脱 2 によりカルボカチオン (C + ) が生じる 脂肪族のジアゾニウム塩は不安定である 共鳴できない 125 126 ジアゾニウム塩の反応 Sandmeyer 反応 (P.402) 求核置換反応脱 2により生じるアリールカチオンに対する求核置換反応 配向性無関係 ハロゲン化ベンゼンの合成 HCl, CuClでCl 化 HBr, CuBr で Br 化 (P402) (P.402) ai で I 化 (P.402) 一般に銅触媒存在下で行う 127 128

ベンゾニトリルの合成 KC, CuC で C 化 (P.40) フェノールの合成 Cu 2, Cu( ) 2, H 2 で H 化 (P.40) ニトリルは様々な官能基へ変換できる 129 10 様々な置換ベンゼンの合成 置換ベンゼンを原料に 1 ニトロ化 ニトロベンゼン ( 求電子置換反応 ) 2 還元 アニリン ジアゾ化 ジアゾニウム塩 4 Sandmeyer 反応 ( 求核置換反応 ) ジアゾニウム塩の反応 (P.40) ジアゾカップリング 求電子置換反応ジアゾニウム塩は求電子試薬として働く求電子置換反応 配向性を考える 芳香族第 1 級アミンの確認試験 : 津田試薬 11 12

まとめ ジアゾニウム塩は求電子試薬! 脱窒素により求核試薬に! Sandmeyer 反応は様々な置換ベンゼンの合成に使える! 創薬化学 Ⅰ 第 10 回 本日のメニュー 複素環アミン 芳香族複素環アミンピリジンとピロール その他の含窒素化合物 1 14 複素環アミン 複素環 : 炭素以外の原子を含む環構造 複素環アミン : 環の中に窒素原子をもつ 慣用名を用いるので覚えましょう! 脂肪族と芳香族に分類できる 芳香族複素環アミン 複素環アミンのうち 芳香族性を示すものヒュッケル則 芳香族性を示す条件平面 環状 共役分子 (4n+2)π 電子 ピリジン ピロール ピリミジン イミダゾールピロピリミジンル 芳香族化合物の性質をもつ! 炭素上で求電子置換反応がおこる!! 15 16

ピロール (P.404) ベンゼンの C=C をに変換した化合物 窒素 1 個 5 員環 6π 電子 非共有電子対はπ 結合の代わり 塩基性を示さない ピロールは塩基性を示さない 塩基性を示すのは非共有電子対! ピロールの非共有電子対は p 軌道にある 芳香族になるために使われている! Cf) p 軌道はπ 結合をつくる軌道! 17 18 ピロールとベンゼンの反応性 ピロールは求電子置換反応が起こりやすいピロールのπ 電子は6 個 原子は5 個 1 原子に1.2 電子 ベンゼンより電子密度 up π 過剰芳香族複素環化合物 反応が起こるのは 2 位! 共鳴を考えよう ピリジン (P.406) ベンゼンの CH をに変換した化合物 窒素 1 個 6 員環 6π 電子 非共有電子対はC H 結合の代わり 塩基性を示す 19 140

ピリジンは塩基性 塩基性を示すのは非共有電子対! ピリジンの非共有電子対は sp 2 混成軌道にある 芳香族になるために使われていない! 塩基性を示す! ピリジンとベンゼンの反応性 ピリジンは求電子置換反応が起こりにくいピリジンのπ 電子は6 個 原子は6 個 1 原子に1 電子 ベンゼンと同じ は電気陰性度大 C 上の電子密度 down π 欠如芳香族複素環化合物 反応が起こるのは 位! 共鳴を考えよう 141 142 イミダゾールは?(P.407) ピロールやピリジンを含む化合物 ベンゼンの CH をに C=C をに変換窒素 2 個 5 員環芳香族性あり (6π 系 ) 非共有電子対は p軌道とsp 2 混成軌道 14 144

縮合複素環 (P.407) 縮合複素環を含む医薬品 ベンゼンとピロールがくっつくと インドール ベンゼンとピリジンがくっつくと キノリンイソキノリン 他にもピリミジンとイミダゾールでプリンなどたくさんあります H H インドールキノリンイソキノリンプリン 145 146 含窒素化合物いろいろ 塩基性を示す官能基 酸性を示す官能基 まとめ ピリジンは塩基性 ピロールは塩基性でないピ ベンゼンと比べ ピリジンは反応性が低く! ピロールは反応性が高い! 複素環アミンは医薬品や生体成分に多く含まれる! 147 148

アミンまとめ IUPAC 命名法ではアミンの優先順位は低い アミンの主な性質は塩基性と求核性 脂肪族アミンは芳香族アミンに比べ塩基性 主にアミンは還元で合成する 第 4 級アンモニウム塩は Hofmann 脱離 Sandmeyer 反応は珍しい求核置換反応 ピリジンは塩基性 ピロールは塩基性ではない 複素環アミンは慣用名 創薬化学 Ⅰ 第 11 回 本日のメニュー 予定変更総合演習の関係で順番変更! 官能基について既成概念をぶち壊せ! 酸性 塩基性を中心に 149 150 官能基 官能基とは能力能 ( 性質 ) を示す置換基のこと酸性塩基性求電子性求核性電子求引性電子供与性 演習 11 酸性の強い順に並べなさい 1. 炭酸 硫酸 酢酸 2. 酢酸 フェノール 塩化水素. アンモニア 水 フェノール 4. 硫酸 アンモニア エタノエタノール 5. エタノール フェノール 炭酸 151 152

酸になる官能基 既成概念をぶち壊せ! 酸とは H + を出せる化合物 ということは H を持つ化合物は全て酸になりうる! アミンも酸!! 炭素酸 窒素酸 酸素酸酸素酸 炭素に結合した水素が酸として働くと 炭素酸 窒素に結合した水素が酸として働くと 窒素酸 酸素に結合した水素が酸として働くと 酸素酸 この中で最も強い酸は? 15 154 酸素酸が最強 酸素酸が最も強い酸酸 電気陰性度の差を比較する 電子求引基が結合 酸が強くなる条件 酸素 = 酸の素 共鳴 ( 非局在化 ) できる置換基が結合 155 156

演習 22 酸性の強いのはどちらか? 酸の強さと pka 酸の強さを表す指標 pka= log 10 Ka と と 2 2 と 2 と とと と 2 2 2 と 157 酸が強い = 酸が酸として働いている 反応は右に偏っている 酸は電離して H + がたくさん出る Kaが大きい pkaは小さい 158 酸の強さと共役塩基の強さ 強酸の共役塩基は弱塩基 酸の強さ :pkaで表現 pka= log 10 Ka 共役塩基の強さ :pkb で表現 pkb= log 10 Kb ところで pka+ pkb= 14 なので pka が小さければ pkb は大きい pka が分かれば充分!! pka が小さければ pkbは大きい 強酸 弱塩基 例 ) 塩化水素 (HCl) と塩化ナトリウム (acl) 逆も成り立つ! pka が大きければ pkb は小さい 例 ) 水 (H 2 ) と水酸化ナトリウム (ah) 159 160

酸の強さの表現法 Ka が大きいほど酸が強い pka が小さいほど酸が強い 共役塩基のpKaが大きいほど酸が強い 共役塩基が安定なほど酸が強い 問題として pkaの小さい順に並べなさい = 酸の順に並べなさい pkaの大きい順に並べなさい = 酸の順に並べなさい 共役塩基のpKaが小さい順に並べなさい = 酸の順に並べなさい 共役塩基が安定な順に並べなさい = 酸の順に並べなさい 161 162 pka の使い方 pkaは比較して使う! pka の小さい化合物 = イオンになりやすい pkaの大きい化合物 =イオンになりにくい イオン率 反応の進む方向が分かる pka を比較すると反応の進む方向が分かるる pka の小さい化合物はイオンになりやすく pkaの大きい化合物はイオンになりにくい! pka の大きい化合物ができる方向に進む! 16 164

まとめ 水素があれば酸になる 酸は電子求引基 非局在化で強くなり 電子供与基 局在化で弱くなる pka を比較すると反応の進む方向が分かる 創薬化学 Ⅰ 第 12 回 本日のメニュー 創薬化学 Ⅰ 最後のテーマカルボニル化合物のα 置換反応と縮合反応 新しく結合を作るには プラスの原子とマイナスの原子 ケト エノール互変異性新しいマイナス性の炭素の作り方 カルボニル化合物の α 位ハロゲン化反応 165 166 カルボニル化合物の反応 アルデヒド ケトンは主に求核付加 α 位の置換反応 (P60) カルボニル化合物は触媒存在下 ハロゲン分子と反応し α 位がハロゲン化される カルボン酸誘導体は主に求核アシル置換 第 第 4の反応 α 位の置換反応 縮合反応 167 168

α 位での縮合反応 (P71) アルデヒドは触媒存在下 もう一分子のアルデヒドと反応しアルドールを生成する 新しい結合ができるには 新しい結合はプラスの原子とマイナスの原子の間でできる ハロゲン化を詳しく見てみると アルドール反応 169 170 マイナスの炭素 アルドール反応を詳しく見てみると ケト エノール互変異性 (P57) α 位に水素を持つカルボニル化合物は エノール形との間で速い平衡がある ハロゲン化もアルドール反応も鍵はマイナスの炭素 エノール形は不安定で 僅か (P58) すぐにケト形へ戻ろうとする! 171 172

α 位の炭素はマイナス性 エノール形からケト形の変化を詳細に考える エノール化は酸で触媒される! 鍵はカルボニル酸素の塩基性 (P58) 最初に酸素がプロトン化される 触媒される = 活性化エネルギーが低くなる! α 位はマイナスになる 17 174 塩基でも触媒される! 鍵はα 位水素の酸性!(P59) 最初に脱プロトン化がおこる α 位は置換される エノール形はケト形に戻ろうとしている! α 位はδ+ の水素と反応する C H( 炭素酸 )+カルボニル( 電子求引基 ) 普通のC H よりも酸性が強い 他に δ+ があれば 水素以外とも反応する! 175 176

α 位の重水素化 アルデヒド ケトンを重水素 Dで標識した酸性水溶液中 (D + ) で処理すると α 位の重水素化が進行する! 酸性条件 (P.62) α 位のハロゲン化 * 酸性条件下のハロゲン化は 1 回で止まる * カルボニル酸素の塩基性が下がるから! *2 位でハロゲン化が起きる 177 178 塩基性条件 α 位のハロゲン化 ヨードホルム反応 メチルケトンをもつ化合物の場合 メチルケトン確認反応! 2 + 黄色い沈殿 * 塩基性条件下のハロゲン化は徹底的 *α 位水素の酸性が上がるから! * 徹底的にヨウ素化 CI * ケトンなのに置換反応がおこる! * CHI ( ヨードホルム ) はフェノール位の酸性 179 180

まとめ エノール エノラートイオンは超重要 ケト エノール互変異性は酸性でも塩基性でも触媒される エノールは求電子試薬と反応する アルデヒド ケトンを D + で処理すると α 位の重水素化が進行する! ハロゲン化は条件によって違う生成物 創薬化学 Ⅰ 第 1 回 本日のメニュー ケト エノール互変異性でおこること ( その 2) 二重結合の異性化カルボニル基 α 位の異性化 ( ラセミ化 ) カルボニルα 位水素の酸性度 エノールとエノラートイオンの反応性 181 182 二重結合の異性化 β 位に二重結合があると異性化がおこるがおる エノールと二重結合が共役する α 位だけでなくγ 位にもマイナスができる! 不斉炭素の異性化 ( ラセミ化 ) α 位に不斉炭素があるとラセミ化する α 位の炭素の混成は sp sp 2 となる 不斉炭素の消失! 18 184

カルボニル α 位の酸性度 カルボニル α 位の水素は酸性を示すカルボニル基 電子求引基 酸を強める 構造から カルボン酸と類似構造? 2 種のエノラートイオン C エノラートイオンと エノラートイオン 安定性は原子の性質に依存する! 酸素のほうがマイナスになりやすい! エノラートが安定で C エノラートが不安定 C エノラートイオンのほうが反応性が高い! 185 186 α 位水素の酸性度 P.65 表 11 1は覚えましょう!(pKa を写す ) なぜ この順番?(1) アルデヒド >ケトン>エステル電子求引基と電子供与基をチェック! pka を知っていると とても便利とても便利! 187 188

なぜ この順番?(2) 1, ジケトン>ケトン電子求引基をチェック! α 位が酸性だから 塩基によりエノラートイオンが生成する ( 第 12 回 p10 参照 ) 平衡はどっちよりか?( 第 11 回 p15 参照 ) 189 190 実際どのくらい出来る? 効率よくエノラートイオンを作る pka を使って考える K K + - + - 2 2 弱い酸の共役塩基 ( 強塩基 ) が必要! 一般にカルボニル α 位の pka は17~25 pkaが25より大きい酸の共役塩基 H (5), H 2 (5) の共役塩基 H 2-, H - 良く使われる塩基 ah 2,aH,LDA(lithium LDA(lithiumdiisopropyl amide) 191 192

合成上の注意点 エノラートイオンは不安定 エノラートイオンで存在 酸性の水素があるとエノールになる エノールはケトンに戻る 弱い酸の共役塩基は不安定 酸性の水素があると元に戻る 溶媒として水やアルコールは使えないルは使えない 慎重に操作をする必要がある エノール vs エノラートイオン どちらもカルボニル α 位がマイナスになる カルボニルα 位でプラスと反応する どちらが反応性が高いか? エノラートイオンは反応性が高い (P66) 19 194 エノラートイオンは反応性 高 ハロゲン化アルキルと反応する!(P66) まとめ ケト エノール互変異性で異性化する性! α 水素は酸性である! 弱酸の共役塩基は強塩基! エノラートイオンはケトンと強塩基でつくる! エノラートイオントイオン 強塩基は水 アルコールにルに弱い ( 不安定 ) 酸性の水素に注意! 195 196

創薬化学 Ⅰ 第 14 回 本日のメニュー マロン酸エステル合成エノラートイオンの不安定さを克服した方法おまけ ) アセト酢酸エステル合成 エノラートイオンは反応性 高 ハロゲン化アルキルと反応する!(P66) 酸性の水素に注意! 198 水に注意 溶媒として水やアルコールは使えない マロン酸エステル マロン酸 (malonic acid) のエステル 2 2 二つのカルボニル基に挟まれている 酸性が強い (pka=1) 弱い塩基でエノラートイオンにできる! CH CH 2 a:ch CH 2 H(pKa=16) アルコールが使えるルが使える! 199 200

マロン酸エステルのアルキル化 エノラートイオンのアルキル化 (P68) (P.68) アルキル化は最大 2 回までできる! (P.68) (α 位水素がなくなるまで ) 加水分解すると脱炭酸がおこる 加水分解でジカルボン酸ができる カルボン酸の β 位にカルボニル基があると自然に脱炭酸をおこす! (P.68) モノカルボン酸ができる!! + 2 201 202 マロン酸エステル合成 ハロゲン化アルキルからみて 2 炭素長いカルボン酸が合成できる アセト酢酸エステル マロン酸エステルの一方がケトンになったもの マロン酸エステルより強い酸 (pka=11) 例題マロン酸エステル合成を用いてオクタン酸を合成するには どんな臭化アルキルを用いればよいか良いか 類似のアルキル化がおこる! 20 204

アセト酢酸エステル合成 ハロゲン化アルキルからみて 炭素長いケトンが合成できる 例題アセト酢酸エステル合成を用いて2 ヘキサノンを合成するには どんな臭化アルキルを用いればよいか良いか まとめ エノラートイオンはハロゲン化アルキルと反応してアルキル化される マロン酸エステルやアセト酢酸エステルのエノラートイオンは安定である エステルを加水分解し β ケトカルボン酸とすると脱炭酸がおこる 205 206 創薬化学 Ⅰ 第 15 回 本日のメニュー カルボニル縮合反応 アルドール反応クライゼン反応マイケル反応 生体内でおこる反応 カルボニル化合物の特徴 プラス性のカルボニル炭素を持つ マイナス性の α 位炭素を持つ 同じ分子間で反応する可能性あり

カルボニル縮合反応 二つのカルボニル化合物が一つになる反応 アルデヒド ケトンの場合アルドール反応 エステルの場合クライゼン縮合反応 α,β 不飽和カルボニル化合物がある場合マイケル反応 アルドール反応 (P.71) アセトアルデヒドをアルコールに溶かし ナトリウムエトキシドのような塩基で処理すると β ヒドロキシアルデヒドが生成する アルデヒド 2 個からアルドールル ( アルデヒド + アルコール ) ができるからアルドール反応! 210 アルドール反応の反応機構 アルデヒドの反応だから求核付加反応応 脱水してエノンになる β ヒドロキシアルデヒドはド α,β 不飽和アルデヒドになる (P.7, アセトアルデヒドで ) アセトアルデヒドとナトリウムエトキシドだから全部がエノラートイオンにはならない 酸または塩基で触媒される α,β 不飽和カルボニル化合物は何かと使える 211 212

分子内でおこると環ができる 分子内にカルボニルが 2 個ある場合 (P.7) Claisen 縮合 (P.74) 酢酸エチルに1 当量のナトリウムエトキシドを加えるとβ ケトエステルが生成する 5 員環 6 員環ができやすい 酢酸エチル2 個からアセト酢酸エチルが生成! アセト酢酸エチル合成の原料 21 214 Claisen 縮合の反応機構 エステルの反応だから求核アシル置換反応応 分子内でおこると環ができる Dieckmann 縮合 (P.75) 酢酸エチルとナトリウムエトキシドだから全部がエノラートイオンにはならない 5 員環 6 員環ができやすい 2 215 216

Michael 反応 (P.76) 共役付加反応のことを Michael 反応という 糖新生と解糖 : 生理化学 糖新生はアルドール反応 2 2-2 2- 糖新生 β 位で求核試薬が反応する 解糖 2 2-2 2- フルクトース二リン酸 解糖は逆アルドール反応 217 脂肪酸の合成 : 生理化学 脂肪酸の合成はクライゼン反応と還元 2 2 酢酸 マロン酸経路 : 生薬学 ポリケチドの合成 (Claisen 縮合と脱炭酸 ) ベンゼン環の構築 ( アルドール縮合とエノール化ル縮合とエノル化 ) + 2 220

まとめ カルボニル化合物は求核性 ( マイナス性 ) の炭素と求電子性 ( プラス性 ) の炭素を持つ アルドール反応は求核付加反応 クライゼン縮合は求核アシル置換反応 マイケル反応は共役付加反応 生体内でおこる様々な反応である カルボニル α 位での反応まとめ カルボニル α 位の水素は酸性 エノール エノラートイオンは α 位炭素が- α 位は種々の求電子試薬と反応する エノラートイオンはアルキル化に使える カルボニル縮合反応は生体内での炭素 炭素結合形成にもよくみられる 221 222 創薬化学 Ⅰ で学んだこと カルボン酸とその誘導体の性質と反応 アミンの性質と反応 カルボニル化合物の α 置換反応と縮合反応 有機化学の基本を学んだ プラスとマイナスで反応する 反応 = 結合ができる or 結合が切れる 安定 = たくさんある クスリは有機化合物 なぜ 薬学生は有機化学を学ぶのか学を学ぶ? ほとんどのクスリは有機化合物 薬剤師はクスリを詳しく知らなくてはならない クスリを知る = 有機化合物を知る ゲームで遊ぶ人は遊び方が分かれば プログラムの仕組みが分からなくても良い しかし ゲームを創る人はプログラムの仕組みが分からないと仕事にならない 22 224

( 有機 ) 化学の使い方 薬剤師として重要なことは 医薬品の構造を見て色々想像できる 酸性なのか 塩基性なのか 水に溶け易いのか 脂に溶け易いのか 体の中でどのように変化するのか 以前の薬とどこが違うか どこが似ているか どんな副作用が予想できるか 酸性か? 塩基性か? 酸性官能基の例 塩基性官能基の例 225 226 水溶性か? 脂溶性か? 有機化合物は炭化水素が基本 炭化水素は水に溶けにくい 脂溶性 身体の2/は水から出来ている クスリが効くには血中に溶けた方が良い 炭化水素は薬としては不都合 どうやって溶かすか? 水溶性を増す官能基をつける イオンにする ヒドロキシ基 水溶性を増す官能基 -H アミノ基 -H 2 カルボキシ基 -CH どれも水素結合が出来る 水も水素結合が出来る = 水と馴染みやすい 227 228

イオンに出来る置換基 カルボキシル基アルカリと塩をつくれる -C - a + アミノ基酸と塩をつくれる -H + - + Cl なぜイオンは水に良く溶けるのか? 電荷を消そうと水が集まってくるから! プラスイオンには酸素の非共有電子対 マイナスイオンには δ + になった水素 体内でどのように変化するか プロカインとプロカインアミドプ CH H 2 H 2 プロカイン CH H プロカインアミド 相違点 : エステルとアミド エステルとアミドの反応性の差 プロカイン 局所麻酔薬 プロカインアミド 抗不整脈薬 CH CH 229 20 H 1 ブロッカーの話 第 2 世代 H 1 ブロッカー 第 1 世代ジフェンヒドラミン クロルフェニラミン シプロヘプタジン Cl 構造を比較 類似点 Cl H H CH CH ジフェンヒドラミン H C CH クロルフェニラミン CH シプロヘプタジン 副作用 : 眠気 ( 中枢作用 ) 口渇 ( 抗コリン ) 21 CH CH H オロパタジン CH セチリジン フェキソフェナジン H C H C CH 22

副作用を軽減するには? 第 2 世代は第 1 世代の副作用を軽減する目的で開発されている! 一番の問題は眠気! 眠気をなくすには? 中枢作用がなくなればよい 脳に薬が行かなければ良い BBB( 血液 脳関門 ) を通過しなければ良い 水溶性を高くすれば良い! 2 第 2 世代 H 1 ブロッカー 構造を比較 相違点 Cl H CH セチリジン CH H C H C H CH フェキソフェナジン CH オロパタジン H 24 創薬化学 Ⅰ まとめ Input と utput 官能基が見分けられる = 化合物の性質がわかる! 水に溶け易い or 溶け難い 薬の効き方との関係 ( 中枢作用など ) 投与方法との関係 前にみたクスリと作用が似てる 副作用の予測 代謝経路の予測 ( 薬物相互作用 ) これからの薬剤師に必要! 25 わかると言うこと講義を聴いたり 教科書を読んで納得できる 自分の知識を他人に伝えられる 今までは Input テストは utput みんなの持っている知識を私に伝えてください 健闘を期待します! 26