2010解答.indd

Size: px
Start display at page:

Download "2010解答.indd"

Transcription

1 有機化学 Ⅳ 2010 年度期末試験解答 文責 : みみみさん 遅くなってすみません だいたい授業プリントと教科書から抜粋してこねくりまわしてつくりました調子に乗ってごちゃごちゃ書いてる部分多いですがほんと全部覚える必要はなくて大事なところだけ押さえとけば単位は来るはずですでも結構がんばって書いたので読めばためになると思うよ 思うよ 1 語句説明 (1) 二次代謝産物とは例 : 生命にとって必須の分子である炭水化物 タンパク質 脂質および核酸を変換しまた合成する経路はすべての生物種においてほぼ共通であり そのような経路に含まれる化合物は一次代謝産物と呼ばれる それに対し 自然界で限られた生物種 あるいは限られたグループの生物にのみ分布するような化合物の代謝経路が存在する それらの化合物は二次代謝産物と呼ばれており 種の個性の表現となっている 一次代謝と対立させて説明するしかないと思います 二次代謝は " 生物種によって固有 " ということですあと細かい情報としては 条件によっては生産されない ほとんどの場合 生産する生物における機能や存在意義は未解明である ( 防御としての毒性 フェロモン 誘引または警戒させるための色素など わかりやすい機能を持つものも存在 ) 薬理活性天然物の大部分を生み出している 一次代謝産物と二次代謝産物の分類は便宜的なものであり 厳密に区別できない化合物も多い 二次代謝産物の生合成原料は一次代謝に由来しているなど (2) 生合成単位とは例 : 二次代謝に必要な生合成原料は一次代謝由来であるが その数は少なく 限られた数の部品から非常に多くのものをつくることができる 天然物の炭素窒素骨格を生成するのに頻繁に用いられる生合成単位は8つほどあり 以下のものである C 1 :L- メチオニンに由来し SAM の形に変換されてからメチル基として結合する C 2 : アセチル CoA に由来し ポリケタイドなどではより反応性の高いマロニル CoA に変換された後導入される C 5 : イソプレン単位 メバロン酸(MVA 経路 ) あるいはデオキシキシルロースリン酸 (MEP 経路 ) に由来 テルペノイドをつくる C 6 C 3 : フェニルプロピル単位 シキミ酸からつくられる L- フェニルアラニンあるいは L- チロシンからアミノ基が消失して生成 C 6 C 2 N:L- フェニルアラニンあるいは L- チロシンからカルボキシル基が消失 ( 脱炭酸 ) して生成 インドール -C 2 N:L- トリプトファンから脱炭酸して生成 C 4 N: ピロリジン環に見られる L- オルニチンからカルボキシル基 α - アミノ基が消失して生成 C 5 N: ピペリジン環に見られる C 4 N と同様に L- リジンからカルボキシル基 α - アミノ基が消失して生成 こーんな書かなくても絶対に丸もらえるけど8 種のユニットの構造式 ( 初回授業プリント参照 ) と由来と何になるかっていうのは覚えといて損はないと思います だいたいこれらの組み合わせしか出てきてないので とくに前半の4つは重要です逆に 複雑な化合物の構造式を見たときにどこがどの単位由来なのかわかるようにしておくとかなり強いです

2 2(1)B:L- フェニルアラニン反応 : PAL=Phenylalanine ammonia-lyase で 文字通りこの反応を触媒する酵素ですあとチロシンから生成する経路もなくはないんですが チロシンの脱アミノ化が行えるのは植物の中でもイネ科だけなので p-coumaric acid はフェニルアラニンから生成すると覚えておきましょう 脱アミノ基 水酸化です (2) フェノール性水酸基が一電子酸化され 不対電子の非局在化が起こります 解答としては下の A, B, C, D 4つを書くことになります この4つの共鳴構造のうちの2つの組み合わせによっていろいろな種類のリグナンができてきます 結合してから芳香族性の回復とかが起こります ここでは下の3つから選んで書いておけばいい のですが pinoresinol なんか対称性あって簡単そうですけどヘテロ二量化なので残念です 左 2つのどちらかにしましょう ちなみに3つ全部書かせるという問題が過去に1 回出てます フェノールが一電子酸化されてラジカルになる ( 共鳴 ) ラジカル同士で結合を形成 これがフェノール酸化的縮合反応です この反応自体はわりと頻繁に出てきます

3 (3)podophyllotoxin はリグナン つまりフェニルプロパン単位の二量体であり 右図の太線部分に C6C3 が組み込まれているわけです 縮合によって生成した結合としては と の2 通りが考えられますが 共鳴構造を思い出すと下側のユニットにおいて の部分にラジカルが来ることはないので 答えは の結合となります (4) = p-coumaroyl-coa まず 開始基質の p-coumaroyl-coa に 3 分子の malonyl-coa が結合してポリケタイド鎖が伸長します ここまでは同じです resveratol: アルドール反応によりケト鎖が環化し さらに加水分解と脱炭酸が起こって末端のチオエステル基が炭素ごと失われます ( これはスチルベン類に一般的な特徴 ) 仕上げとしてアルドール反応の段階で生じた水酸基が脱離し またケト基のエノール化が起こって3 本の二重結合が生成し芳香環が形成されます naringenin-chalcone:resveratol に比べれば単純です 末端のケト基が Claisen 縮合して環を作り エノール化によって芳香環となります 3 化合物 (G) はモルヒネです なんとなくの形くらいは覚えておきましょう (1) Papaver somniferum (2) チロシン2 分子が前駆体です 1 分子が脱炭酸 酸化されて dopamine になり もう1 分子はアミノ基転移反応で窒素原子が失われてから脱炭酸しアルデヒドになります これらが Mannich 型反応により縮合して生成物の (S)-norcoclaurine ができます アミノ基転移反応 アミノ酸とケト酸間でのアミノ基の交換反応 PLP 依存性 アミノ酸生合成における最も一般的な窒素原子の導入法であり また逆にアミノ酸から窒素を除去する一般的な方法でもあります PLP ピリドキサールリン酸 pyridoxal P の略 アミノ基転移反応において補酵素の役割をします さらに アミノ酸の脱炭酸も PLP 依存性の反応です Mannich 反応 Sciff 塩基と一緒に理解しておきましょう 新しい C-N 結合ができる反応です アミノ窒素の非共有電子対がカルボニル炭素に対して求核付加反応し 次いで脱水により C=N 結合ができます この縮合生成物は Sciff 塩基と呼ばれ プロトン化されて求電子性のイミニウムイオンとなり エノラートアニオンや芳香環上の活性化された炭素を求核剤として縮合 (Mannich 反応 ) し N-C-C という形ができます 初回授業プリント参照ここでは dopamine の N がアルデヒドの C と結合して さらにその C が dopamine の芳香環と接続しています でもその細かい電子の動きとかは書けなくてもいいんじゃないかなーと思いますさすがに

4 (3) たぶん最初の構造の書き換えがいちばん重要です 実はただのフェノール酸化的縮合反応です 4 化合物 (K) は stevioside で ステビア ( キク科 ) の配糖体成分ですがとくに覚えなくていいと思います (L) の生合成機構 : イソプレンユニット4つからなるジテルペンです GGPP(geranylgeranyl PP) が折りたたまれて環化します (L) は上の (-)-copalyl PP です 下の (+)-coparyl PP は鏡像体で どちらになるかは folding によって決まるので閉環反応における立体的な位置関係が重要になってきます が 生成物から逆算する感じでいけると思います ( ここでは立体化学を云々言われてないので必要ないかもしれませんが ちゃんと書かせる問題が過去ありました ( _ `)) (M) の生合成機構 : 化合物 (M)= 3 番目の環の形成は書けるとして カチオンへの二重結合付加までも書けたとして W-M アルキル転位を思いつくのは難しいと思います 書けたらスゲーって感じです きっと しかもここも立体化学を気にする必要がありそうでめんどくさいです

5 5 化合物 (N) は benzylpenicillin(penicillin G) です ペプチドが出題されたのはここ 10 年ほどで初めてかも一見難しいけど単発の知識で行けるぶん楽です今年もペニシリン出るとは限りませんけど^ρ^ (1) 歪みのあるβ - ラクタム ( 環状アミド ) 環では 隣接した窒素の非共有電子対から通常受ける安定化効果がその立体的制約のために得られないので 歪みのない側鎖アミド官能基よりも加水分解を受けやすい ( 右図 ) (2) ペニシリンは細胞壁生合成の後期に関与するタンパク質( ペニシリン結合タンパク質 ) と結合することによりその抗細菌活性を発揮する 細菌の細胞壁を構成するペプチドグリカン鎖の架橋形成はアシル -D-Ala-D-Ala 中間体を含んでおり, その遷移状態において立体配座がペニシリン分子と非常に類似している 結果として ペニシリンは酵素活性部位を占有し 活性残基のセリン残基を介して結合 不可逆的な酵素阻害を引き起こして細胞壁生合成を停止させる したがって増殖する細胞は細胞膜の破裂と細胞内容物の欠損により死滅する 実際こんな詳しく書くのは無理なんで ペニシリンが細胞壁合成時のペプチドグリカン鎖の中間体と似てて 細胞壁合成酵素に基質アナログとして結合 酵素阻害 細胞壁合成停止 っていうのを押さえてればいいでしょう (3) β - ラクタム環が加水分解され 細胞壁生合成の酵素と結合できなくなってしまう (4) ペニシリンの生合成起源は L- アミノアジピン酸 ( リジン由来 ) L- システイン L- バリンである 非リボソーム依存型ペプチド合成が生じ ACV = (L- α -aminoadipyl)-l-cysteinyl-d-valine として知られるトリペプチドが生成する ACV は続いて単一の酵素によってイソペニシリン N に環化される イソペニシリン N の 6- アミノ基に結合した側鎖を置換することで ペニシリン G や他のペニシリン類を産生することができる 概要がわかってれば大丈夫と思います アミノ酸の名前は覚えなくても構造式から推測できたりします 非リボソーム依存型ペプチド合成酵素 (NRPS) 酵素上で直列に並んだモジュールの並び方がプロダクトのアミノ酸配列に対応している (I 型ポリケタイド合成酵素に類似 ) おつかれさまでした てすとがんばりましょー

Microsoft Word - 化学系演習 aG.docx

Microsoft Word - 化学系演習 aG.docx 有機化学反応の基礎 () 芳香族化合物 ) 芳香族化合物の性質 ベンゼンに代表される芳香族化合物は 環構造を構成する原子すべてが p 軌道をもち 隣同士の原子間で p 軌道が重なり合うことができるので 電子が非局在化 ( 共鳴安定化 ) している 芳香族性をもつため 求電子付加反応ではなく求電子置換反応を起こしやすい 全ての炭素が sp ² 混成 π 結合 p 軌道 π 電子がドーナツ状に分布し 極めて安定

More information

官能基の酸化レベルと官能基相互変換 還元 酸化 炭化水素 アルコール アルデヒド, ケトン カルボン酸 炭酸 H R R' H H R' R OH H R' R OR'' H R' R Br H R' R NH 2 H R' R SR' R" O R R' RO OR R R' アセタール RS S

官能基の酸化レベルと官能基相互変換 還元 酸化 炭化水素 アルコール アルデヒド, ケトン カルボン酸 炭酸 H R R' H H R' R OH H R' R OR'' H R' R Br H R' R NH 2 H R' R SR' R O R R' RO OR R R' アセタール RS S 官能基の酸化レベルと官能基相互変換 還元 酸化 炭化水素 アルコール アルデヒド, ケトン カルボン酸 炭酸 ' ' ' '' ' ' 2 ' ' " ' ' アセタール ' チオアセタール -'' ' イミン '' '' 2 C Cl C 二酸化炭素 2 2 尿素 脱水 加水分解 ' 薬品合成化学 小問題 1 1) Al 4 は次のような構造であり, ( ハイドライドイオン ) の求核剤攻撃で還元をおこなう

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 酵素 : タンパク質の触媒 タンパク質 Protein 酵素 Enzyme 触媒 Catalyst 触媒 Cataylst: 特定の化学反応の反応速度を速める物質 自身は反応の前後で変化しない 酵素 Enzyme: タンパク質の触媒 触媒作用を持つタンパク質 第 3 回 : タンパク質はアミノ酸からなるポリペプチドである 第 4 回 : タンパク質は様々な立体構造を持つ 第 5 回 : タンパク質の立体構造と酵素活性の関係

More information

練習問題

練習問題 生物有機化学 練習問題 ( はじめに ) 1 以下の各問題中で 反応機構を書け ということは 電子の流れを曲がった矢印を用いて説明せよ ということである 単純に生成物を書くだけでは正答とはならない 2 で表される結合は 立体異性体の混合物であることを表す 3 反応式を表す矢印 ( ) に書かれている試薬に番号が付いている場合 1. の試薬 を十分に反応させた後に 2. の試薬を加えることを表す 例えば

More information

Microsoft Word - 化学系演習 aG.docx

Microsoft Word - 化学系演習 aG.docx 有機化学反応の基礎 (4) 脱離反応 (1) 脱離反応 (E1 と E2 反応 )--- ハロゲン化アルキルの例脱離生成物と安定性原子上のプロトン () と電気陰性度の大きな原子を含む脱離基が脱離し π 結合を形成する 脱離基 Xの結合している炭素 (α 位 ) とその隣の炭素 (β 位 ) からXが脱離するので β 脱離とも呼ばれる ザイツェフ則 ( セイチェフ則 ): 多置換アルケン ( 安定性が高い

More information

第6回 糖新生とグリコーゲン分解

第6回 糖新生とグリコーゲン分解 第 6 回糖新生とグリコーゲン分解 日紫喜光良 基礎生化学講義 2018.5.15 1 主な項目 I. 糖新生と解糖系とで異なる酵素 II. 糖新生とグリコーゲン分解の調節 III. アミノ酸代謝と糖新生の関係 IV. 乳酸 脂質代謝と糖新生の関係 2 糖新生とは グルコースを新たに作るプロセス グルコースが栄養源として必要な臓器にグルコースを供給するため 脳 赤血球 腎髄質 レンズ 角膜 精巣 運動時の筋肉

More information

スライド 1

スライド 1 タンパク質 ( 生化学 1) 平成 29 年 4 月 20 日病態生化学分野 分子酵素化学分野教授 山縣和也 生化学 1のスケジュール 4 月 20 日 講義開始 6 月 1 日 中間試験 9 月 25 日 生化学 1 試験 講義日程 内容は一部変更があります 講義資料 ( 山縣 吉澤分 ): 熊本大学病態生化学 で検索 ID: Biochem2 パスワード :76TgFD3Xc 生化学 1 の合否判定は

More information

Dr, Fujita

Dr, Fujita 免疫組織化学染色における抗原賦活の原理について考える 東京医科大学病理学講座 藤田浩司 はじめにパラフィン切片により証明される抗原の種類は, この十数年のうちに飛躍的に増加した. 元来, 免疫組織化学法は凍結切片やアセトンを用いた固定により抗原温存を図っていたが, 現在ではホルマリン固定材料のパラフィン切片によっても多くの抗原の同定が可能となった. その理由には, 1) ホルマリン固定に抵抗性の抗原を認識するモノクローナル抗体の開発

More information

相模女子大学 2017( 平成 29) 年度第 3 年次編入学試験 学力試験問題 ( 食品学分野 栄養学分野 ) 栄養科学部健康栄養学科 2016 年 7 月 2 日 ( 土 )11 時 30 分 ~13 時 00 分 注意事項 1. 監督の指示があるまで 問題用紙を開いてはいけません 2. 開始の

相模女子大学 2017( 平成 29) 年度第 3 年次編入学試験 学力試験問題 ( 食品学分野 栄養学分野 ) 栄養科学部健康栄養学科 2016 年 7 月 2 日 ( 土 )11 時 30 分 ~13 時 00 分 注意事項 1. 監督の指示があるまで 問題用紙を開いてはいけません 2. 開始の 相模女子大学 学力試験問題 ( 食品学分野 栄養学分野 ) 2016 年 7 月 2 日 ( 土 )11 時 30 分 ~13 時 00 分 注意事項 1. 監督の指示があるまで 問題用紙を開いてはいけません 2. 開始の合図があったら 問題用紙 解答用紙の指定の箇所に受験番号 氏名を必ず記入してください 3. これは 学力試験の問題用紙です 問題の本文は 食品学分野は 2ページ (4 題 ) 栄養学分野は2ページ

More information

有機化合物の反応9(2018)講義用.ppt

有機化合物の反応9(2018)講義用.ppt 有機化合物の反応 ( 第 9 回 ) 創薬分子薬学講座薬化学部門 金光卓也 ハロゲン化アルキルの反応性 l S N 1 と S N 2 の特徴の復習 l S N 1=Unimolecular Nucleophilic Substitution 単分子求核置換反応 l S N 2=Bimolecular Nucleophilic Substitution 二分子求核置換反応 1 反応速度 l S N

More information

第6回 糖新生とグリコーゲン分解

第6回 糖新生とグリコーゲン分解 第 6 回糖新生とグリコーゲン分解 日紫喜光良 基礎生化学講義 2014.06.3 1 主な項目 I. 糖新生と解糖系とで異なる酵素 II. 糖新生とグリコーゲン分解の調節 III. アミノ酸代謝と糖新生の関係 IV. 乳酸 脂質代謝と糖新生の関係 2 糖新生とは グルコースを新たに作るプロセス グルコースが栄養源として必要な臓器にグルコースを供給するため 脳 赤血球 腎髄質 レンズ 角膜 精巣 運動時の筋肉

More information

2. PQQ を利用する酵素 AAS 脱水素酵素 クローニングした遺伝子からタンパク質の一次構造を推測したところ AAS 脱水素酵素の前半部分 (N 末端側 ) にはアミノ酸を捕捉するための構造があり 後半部分 (C 末端側 ) には PQQ 結合配列 が 7 つ連続して存在していました ( 図 3

2. PQQ を利用する酵素 AAS 脱水素酵素 クローニングした遺伝子からタンパク質の一次構造を推測したところ AAS 脱水素酵素の前半部分 (N 末端側 ) にはアミノ酸を捕捉するための構造があり 後半部分 (C 末端側 ) には PQQ 結合配列 が 7 つ連続して存在していました ( 図 3 報道発表資料 2003 年 4 月 24 日 独立行政法人理化学研究所 半世紀ぶりの新種ビタミン PQQ( ピロロキノリンキノン ) 理化学研究所 ( 小林俊一理事長 ) は ピロロキノリンキノンと呼ばれる物質が新種のビタミンとして機能していることを世界で初めて解明しました 理研脳科学総合研究センター ( 甘利俊一センター長 ) 精神疾患動態研究チーム ( 加藤忠史チームリーダー ) の笠原和起基礎科学特別研究員らによる成果です

More information

セリン OH 基は極性をもつ 親水的である トレオニン OH 基は極性をもつ 親水的である チロシン OH 基は極性をもつ 親水的である 解離してマイナスの電荷を帯びる 4 側鎖 アラニン 疎水的である グリシンの次に単純 グリシン もっとも単純な構造のアミノ酸 α 炭素が不斉炭素でないので唯一立体

セリン OH 基は極性をもつ 親水的である トレオニン OH 基は極性をもつ 親水的である チロシン OH 基は極性をもつ 親水的である 解離してマイナスの電荷を帯びる 4 側鎖 アラニン 疎水的である グリシンの次に単純 グリシン もっとも単純な構造のアミノ酸 α 炭素が不斉炭素でないので唯一立体 生物化学概論 Ⅰ シケプリ セントラルドグマ DNA は情報を担っている分子ではありますが それ自体は何の機能も持ちません 情報は RNA に写し取られ rrna やtRNA のように RNA として機能するか あるいは mrna として情報が写し取られ リボソームがこの情報をもとにタンパク質を合成して はじめて機能を持った分子が作られます 情報の流れは常に DNA RNA タンパク質と流れていき

More information

タンパク質の合成と 構造 機能 7 章 +24 頁 転写と翻訳リボソーム遺伝子の調節タンパク質の構造弱い結合とタンパク質の機能

タンパク質の合成と 構造 機能 7 章 +24 頁 転写と翻訳リボソーム遺伝子の調節タンパク質の構造弱い結合とタンパク質の機能 タンパク質の合成と 構造 機能 7 章 +24 頁 転写と翻訳リボソーム遺伝子の調節タンパク質の構造弱い結合とタンパク質の機能 タンパク質の合成 セントラル ドグマによると 遺伝子が持つ情報は タンパク質を合成することで発現 (Expression) される それは 2 段階の反応で進行する DNA 転写 (Transcription) DNA の塩基配列から mrna の塩基配列へ染色体の

More information

Microsoft Word -

Microsoft Word - 有機化学 III 解答例と解説 I. ame the following compounds in English according to the IUPAC system nomenclature. R,S designation is required for question (e). (3,3,3,3,6 points) 5-phenylhexanal 2-ethyl-3-butenoic

More information

木村の有機化学小ネタ 糖の構造 単糖類の鎖状構造と環状構造 1.D と L について D-グルコースとか L-アラニンの D,L の意味について説明する 1953 年右旋性 ( 偏光面を右に曲げる ) をもつグリセルアルデヒドの立体配置が

木村の有機化学小ネタ   糖の構造 単糖類の鎖状構造と環状構造 1.D と L について D-グルコースとか L-アラニンの D,L の意味について説明する 1953 年右旋性 ( 偏光面を右に曲げる ) をもつグリセルアルデヒドの立体配置が 糖の構造 単糖類の鎖状構造と環状構造.D と L について D-グルコースとか L-アラニンの D,L の意味について説明する 9 年右旋性 ( 偏光面を右に曲げる ) をもつグリセルアルデヒドの立体配置が X 線回折実験により決定され, 次の約束に従い, 構造式が示された 最も酸化された基を上端にする 上下の原子または原子団は中心原子より紙面奥に位置する 左右の原子または原子団は中心原子より紙面手前に位置する

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション アミノ酸代謝 (1) 平成 30 年度 6 月 14 日 1 限病態生化学分野 吉澤達也 アミノ酸代謝 アミノ酸の修飾 食物タンパク質 消化吸収 分解 タンパク質 (20 種類 +α) 遊離アミノ酸 生合成 アミノ酸の生合成 ( 栄養学的非必須アミノ酸 ) 窒素 分解 炭素骨格 非タンパク質性誘導体 ( 神経伝達物質 ホルモン アミノ糖など ) 尿素サイクル 代謝中間体 尿素 糖質 脂質 エネルギー

More information

biosynthesis

biosynthesis 天然物の合成生物学 阿部郁朗 東京大学大学院薬学系研究科 はじめに学生時代 モルヒネやペニシリンなどの薬用天然物に魅せられ 薬学部の三川潮先生 海老塚豊先生の研究室の門をたたいて以来 30 年 一貫して天然物の生合成研究に取り組んできた 生物がこうした多様な二次代謝産物を生産するのは何故か? どのようにしてあの複雑な構造を作り上げるのか? 生物の巧妙なものづくりの仕組みを解き明かし さらに我々にとって都合の良いように利用

More information

▲ アミノ酸・ペプチド・たんぱく質

▲ アミノ酸・ペプチド・たんぱく質 アミノ酸とペプチド アミノ酸 ペプチド 1 1 アミノ酸の構造 その名の通り アミノ酸はアミノ基がついた酸 ( カルボン酸 ) である たんぱく質中では 20 種類のアミノ酸が見出されているが いずれもα 位の炭素にアミノ基が置換されているα-アミノ酸 2 N α- アミノ酸 2 γ 2 β 2 α である 今後は α は省略する の部分 ( 側鎖 ) に塩基性部分を持つ塩基性アミノ酸 酸性部分を持つ酸性アミノ酸

More information

Microsoft Word - 問題解答.doc

Microsoft Word - 問題解答.doc 第 15 章例題 1 以下に示す化合物に正しい IUPAC 名を付けなさい 3) 4) C 3 N C3 2 5) 3 C m- ブロモクロロベンゼン p- ブロモアニリン 3)2,6- ジブロモフェノール 4)1,2,3,5- テトラメチルベンゼン 5)3- メチルブチルベンゼン 例題 2 次の名前に相当する構造を書きなさい (a) 3-メチル 1,2-ベンゼンジアミン (b) 1,3,5-ベンゼントリオール

More information

Microsoft PowerPoint マクロ生物学9

Microsoft PowerPoint マクロ生物学9 マクロ生物学 9 生物は様々な化学反応で動いている 大阪大学工学研究科応用生物工学専攻細胞動態学領域 : 福井希一 1 生物の物質的基盤 Deleted based on copyright concern. カープ分子細胞生物学 より 2 8. 生物は様々な化学反応で動い ている 1. 生命の化学的基礎 2. 生命の物理法則 3 1. 生命の化学的基礎 1. 結合 2. 糖 脂質 3. 核酸 4.

More information

細胞の構造

細胞の構造 大阪電気通信大学 5/8/18 本日の講義の内容 酵素 教科書 第 4 章 触媒反応とエネルギーの利用 酵素の性質 酵素反応の調節 酵素の種類 触媒の種類 無機物からなる無機触媒と有機物からなる有機触媒がある 触媒反応とエネルギーの利用 1 無機触媒の例 過酸化水素水に二酸化マンガンを入れると過酸化水素水が分解して水と酸素になる 2 有機触媒の例 細胞内に含まれるカタラーゼという酵素を過酸化水素水に加えると

More information

スライド 1

スライド 1 ミトコンドリア電子伝達系 酸化的リン酸化 (2) 平成 24 年 5 月 21 日第 2 生化学 ( 病態生化学分野 ) 教授 山縣和也 本日の学習の目標 電子伝達系を阻害する薬物を理解する ミトコンドリアに NADH を輸送するシャトルについて理解する ATP の産生量について理解する 脱共役タンパク質について理解する 複合体 I III IV を電子が移動するとプロトンが内膜の内側 ( マトリックス側

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 26 (2012) 25. ゲノム解析による有用生薬成分の微生物生産 鮒信学 Key words: ポリケタイド, 生合成, アルカロイド 静岡県立大学食品栄養科学部 食品生命科学科 緒言植物や微生物の二次代謝産物である天然有機化合物は, その多様な化学構造のため生理活性を有するものが多い. 人類は, 生薬 ハーブ, 食品有効成分として, 天然有機化合物から多大な恩恵を受けてきた.

More information

10 高分子化学 10.1 高分子序論炭素分子が共有結合で結びついていると 高分子化学物という 例えば ポリエチレンや PET ナイロン繊維などの人工物やセルロース たんぱく質などの生体化合物である 黒鉛は高分子に数えないのが普通である 多くの高分子は 小さな繰り返しの単位が 結びつき 高分子となっ

10 高分子化学 10.1 高分子序論炭素分子が共有結合で結びついていると 高分子化学物という 例えば ポリエチレンや PET ナイロン繊維などの人工物やセルロース たんぱく質などの生体化合物である 黒鉛は高分子に数えないのが普通である 多くの高分子は 小さな繰り返しの単位が 結びつき 高分子となっ 10 高分子化学 10.1 高分子序論炭素分子が共有結合で結びついていると 高分子化学物という 例えば ポリエチレンや PET ナイロン繊維などの人工物やセルロース たんぱく質などの生体化合物である 黒鉛は高分子に数えないのが普通である 多くの高分子は 小さな繰り返しの単位が 結びつき 高分子となっている 例えば ポリエチレンは エチレン分子が単位となって 結びついている こうしたエチレン自身をモノマーと呼び

More information

生物時計の安定性の秘密を解明

生物時計の安定性の秘密を解明 平成 25 年 12 月 13 日 生物時計の安定性の秘密を解明 概要 名古屋大学理学研究科の北山陽子助教 近藤孝男特任教授らの研究グループは 光合 成をおこなうシアノバクテリアの生物時計機構を解析し 時計タンパク質 KaiC が 安定な 24 時 間周期のリズムを形成する分子機構を明らかにしました 生物は, 生物時計 ( 概日時計 ) を利用して様々な生理現象を 時間的に コントロールし 効 率的に生活しています

More information

1 編 / 生物の特徴 1 章 / 生物の共通性 1 生物の共通性 教科書 p.8 ~ 11 1 生物の特徴 (p.8 ~ 9) 1 地球上のすべての生物には, 次のような共通の特徴がある 生物は,a( 生物は,b( 生物は,c( ) で囲まれた細胞からなっている ) を遺伝情報として用いている )

1 編 / 生物の特徴 1 章 / 生物の共通性 1 生物の共通性 教科書 p.8 ~ 11 1 生物の特徴 (p.8 ~ 9) 1 地球上のすべての生物には, 次のような共通の特徴がある 生物は,a( 生物は,b( 生物は,c( ) で囲まれた細胞からなっている ) を遺伝情報として用いている ) 1 編 / 生物の特徴 1 章 / 生物の共通性 1 生物の共通性 教科書 p.8 ~ 11 1 生物の特徴 (p.8 ~ 9) 1 地球上のすべての生物には, 次のような共通の特徴がある 生物は,a( 生物は,b( 生物は,c( ) で囲まれた細胞からなっている ) を遺伝情報として用いている ) を利用していろいろな生命活動を行っている 生物は, 形質を子孫に伝える d( ) のしくみをもっている

More information

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル 60 秒でわかるプレスリリース 2007 年 12 月 17 日 独立行政法人理化学研究所 免疫の要 NF-κB の活性化シグナルを増幅する機構を発見 - リン酸化酵素 IKK が正のフィーッドバックを担当 - 身体に病原菌などの異物 ( 抗原 ) が侵入すると 誰にでも備わっている免疫システムが働いて 異物を認識し 排除するために さまざまな反応を起こします その一つに 免疫細胞である B 細胞が

More information

生物学入門

生物学入門 第 2 章生命の化学的基礎 生物を構成している元素は 地球上の物質を構成している元素と何ら異なることはない 化学で学んできたこと これから学ぶことが 生物学を理解するための基礎となる 化学の詳しいことは 化学科のおこなう講義や実習に任せることにして ここでは生物学を学ぶために必要な 最低限のことを学ぶことにする 1. 水の性質 生体を構成している分子の中で 割合が一番多いのは 水 である 生体に占める水の割合はおよそ

More information

1,2,3,4- テトラヒドロイソキノリン -5,8- ジオン系 抗腫瘍活性天然物の部分合成による新規制がん剤の創製 S ynthesis of 1,2,3,4-Tetrah yd roisoqui noline -5,8-diones as Tri c yclic Model of Anti ca

1,2,3,4- テトラヒドロイソキノリン -5,8- ジオン系 抗腫瘍活性天然物の部分合成による新規制がん剤の創製 S ynthesis of 1,2,3,4-Tetrah yd roisoqui noline -5,8-diones as Tri c yclic Model of Anti ca 1,2,3,4- テトラヒドロイソキノリン -5,8- ジオン系 抗腫瘍活性天然物の部分合成による新規制がん剤の創製 S ynthesis of 1,2,3,4-Tetrah yd roisoqui noline -5,8-diones as Tri c yclic Model of Anti cancer Natural Products along with C ytotoxicity Pro

More information

有機化学I 小テスト4 回答                  担当:石川勇人

有機化学I 小テスト4 回答                  担当:石川勇人 有機化学 I 小テスト 担当 : 石川勇人 問題 1: 次に示す化合物を IUPAC 命名法にしたがって命名せよ C 2 C 2 CC 2 CC C 2 CC 2 C 2 C 2 C 回答の指針 : 有機化合物の命名法である IUPAC の命名法に従う 以下解説する 7 8 9 C 2 9 8 7 6 5 3 2 1 C 2 CC 2 CC 1 2 3 5 6 上記の化合物について命名する際は まず

More information

7-1(DNA配列から遺伝子を探す).ppt

7-1(DNA配列から遺伝子を探す).ppt DNA 配列の中から遺伝子を探す Blast 解析.6 Query DNA 塩基配列アミノ酸配列 DNA 塩基配列をアミノ酸配列に変換アミノ酸配列 DNA 塩基配列をアミノ酸配列に変換 データベース DNA 塩基配列アミノ酸配列アミノ酸配列 DNA 塩基配列をアミノ酸配列に変換 DNA 塩基配列をアミノ酸配列に変換 1. 2. 3. TATGGCTTA---- T G L TATGGCTTA----

More information

これまで がん細胞および昆虫細胞に対する細胞毒性活性 抗ボウフラ活性 植物病原性カビに対する抗カビ活性 植物生長調節活性を調べています これらの研究は 植物性食品を含む植物の機能評価 リグナン骨格を持つ新農薬 医薬開発につながるものです 今後は リグナン類の生物活性の発現メカニズム研究も行っていく予

これまで がん細胞および昆虫細胞に対する細胞毒性活性 抗ボウフラ活性 植物病原性カビに対する抗カビ活性 植物生長調節活性を調べています これらの研究は 植物性食品を含む植物の機能評価 リグナン骨格を持つ新農薬 医薬開発につながるものです 今後は リグナン類の生物活性の発現メカニズム研究も行っていく予 教授 : 山内聡 研究テーマ I リグナン類の立体異性体の合成と生物活性 II 酵母還元生成物を利用した天然物有機化合物の合成 研究テーマ I リグナン類の立体異性体の合成と生物活性食品性植物を含む植物は 多くの有機化合物を作り出す能力を持っています リグナン類は ベンゼン環部分 (C6) と 3 つの炭素鎖 (C3) の C6-C3 単位が 2 3 単位結合したもので 食品性植物を含む多くの植物が作り出す

More information

酵素

酵素 3 酵素 1. はじめに生体内のほとんどの化学変化は酵素 (enzyme) というタンパク質によって触媒される 近年, タンパク質以外の物質が生体内で触媒作用を発揮する例が見つかっている 例えば, 一部の RNA( リボ核酸 ) には, 触媒作用がある 2. 酵素のはたらき方 (1) 酵素作用のモデル酵素と結びつき変化を受ける物質を基質 (substrate) という 基質は酵素分子の表面の特定の部位

More information

CHEMISTRY: ART, SCIENCE, FUN THEORETICAL EXAMINATION ANSWER SHEETS JULY 20, 2007 MOSCOW, RUSSIA Official version team of Japan.

CHEMISTRY: ART, SCIENCE, FUN THEORETICAL EXAMINATION ANSWER SHEETS JULY 20, 2007 MOSCOW, RUSSIA Official version team of Japan. CEMISTRY: ART, SCIENCE, FUN TEORETICAL EXAMINATION ANSWER SEETS JULY 20, 2007 MOSCOW, RUSSIA 1 Quest. 1.1 1.2 2.1 3.1 3.2 3.3 3.4 Tot Points Student code: Marks 3 3 2 4.5 2 4 6 24.5 7 1.1.1 構造 プロパンジアール

More information

ドリル No.6 Class No. Name 6.1 タンパク質と核酸を構成するおもな元素について述べ, 比較しなさい 6.2 糖質と脂質を構成するおもな元素について, 比較しなさい 6.3 リン (P) の生体内での役割について述べなさい 6.4 生物には, 表 1 に記した微量元素の他に, ど

ドリル No.6 Class No. Name 6.1 タンパク質と核酸を構成するおもな元素について述べ, 比較しなさい 6.2 糖質と脂質を構成するおもな元素について, 比較しなさい 6.3 リン (P) の生体内での役割について述べなさい 6.4 生物には, 表 1 に記した微量元素の他に, ど 1 微視的生物学 生化学 1.1 生物を構成する元素 (element) 生物を構成する主要元素の種類と, おもな微量元素とその役割の概略について説明できる 地球上には 100 種類以上の元素があり, そのうち生体を構成する元素の種類は限られていて, 約 20 種類である 主要元素としては水素 (H), 炭素 (C), 窒素 (N), 酸素 (O) の 4 元素で, これらで, 生体を構成するタンパク質や核酸,

More information

学位論文要旨 北里大学大学院薬学研究科薬科学専攻生命薬化学研究室 氏名木浦和哉印 題目 ナルトレキソンからメセンブランへの変換および中間体の誘導体を用いたメセンブラン アナログのオピオイド受容体に対する親和性の検討 1. 背景 目的 Gタンパク質共役受容体に属するオピオイド受容体には (MOR) (

学位論文要旨 北里大学大学院薬学研究科薬科学専攻生命薬化学研究室 氏名木浦和哉印 題目 ナルトレキソンからメセンブランへの変換および中間体の誘導体を用いたメセンブラン アナログのオピオイド受容体に対する親和性の検討 1. 背景 目的 Gタンパク質共役受容体に属するオピオイド受容体には (MOR) ( 学位論文要旨 北里大学大学院薬学研究科薬科学専攻生命薬化学研究室 氏名木浦和哉印 題目 ナルトレキソンからメセンブランへの変換および中間体の誘導体を用いたメセンブラン アナログのオピオイド受容体に対する親和性の検討 1. 背景 目的 Gタンパク質共役受容体に属するオピオイド受容体には (MOR) (KOR) (DOR) の3つのタイプが存在し タイプ選択的リガンドに関する数多くの研究が為されてきた

More information

平成20年度 神戸大学 大学院理学研究科 化学専攻 入学試験問題

平成20年度 神戸大学 大学院理学研究科 化学専攻 入学試験問題 化学 Ⅰ- 表紙 平成 31 年度神戸大学大学院理学研究科化学専攻入学試験 化学 Ⅰ 試験時間 10:30-11:30(60 分 ) 表紙を除いて 7 ページあります 問題 [Ⅰ]~ 問題 [Ⅵ] の中から 4 題を選択して 解答しなさい 各ページ下端にある 選択する 選択しない のうち 該当する方を丸で囲みなさい 各ページに ( 用紙上端 ) と ( 用紙下端 ) を記入しなさい を誤って記入すると採点の対象とならないことがあります

More information

New Color Chemosensors for Monosaccharides Based on Azo Dyes

New Color Chemosensors for Monosaccharides Based on Azo Dyes New olor hemoenor for Monocchride ed on zo Dye 著者 : Nicol Diere nd Joeph R. Lkowicz 雑誌 : rg.lett. 1, 3 (4), 3891-3893 紹介者 : 堀田隼 1 年 1 月 7 日 ボロン酸の性質 1 ci-ジオールと環状エステルを形成する 環状エステルを形成すると ボロン酸の酸性度が高まる btrct

More information

第1回 生体内のエネルギー産生

第1回 生体内のエネルギー産生 第 1 回生体内のエネルギー産生 日紫喜光良 基礎生化学 2018.4.10 1 暮らしの中の生化学と関連した事象 発酵 発酵食品の製造 酒造 代謝 エネルギー 栄養 栄養素 代謝異常 糖尿病 肥満 2 健康についての疑問は生化学に関連 コラーゲンをたくさんとると肌がぷりぷりになる? ご飯さえ食べなければ太らない ( 糖質ダイエット?) か? 3 教科書 リッピンコットシリーズイラストレイテッド生化学

More information

上原記念生命科学財団研究報告集, 29 (2015)

上原記念生命科学財団研究報告集, 29 (2015) 上原記念生命科学財団研究報告集, 29 (2015) 25. マンノペプチマイシンアグリコンの短段階合成法の確立 布施新一郎 Key words:mrsa,vre, マンノペプチマイシン, 不斉アルドール反応, グアニジン * 東京工業大学大学院理工学研究科応用化学専攻分子機能設計講座 緒言 MRSA や VRE 等の重要抗生物質に対する耐性を獲得したグラム陽性菌の出現は医療現場において深刻な問題であり,

More information

4 章エネルギーの流れと代謝

4 章エネルギーの流れと代謝 4 章エネルギーの流れと代謝 細胞代謝と自由エネルギー 自発的反応 分解反応 = 起こりやすい反応 熱の放出 エネルギー減少 合成反応 = 起こりにくい反応 熱を加える ΔG エネルギー増加 +ΔG CO 2 + H 2 O A B ΔG > 0 エネルギー的に不利 S P ΔG < 0 エネルギー的に有利 光 熱 A 光合成 B ΔG > 0 + ΔG < 0 = ΔG < 0 S P 有機分子

More information

第1回 生体内のエネルギー産生

第1回 生体内のエネルギー産生 第 1 回生体内のエネルギー産生 日紫喜光良 基礎生化学 2014.4.15 1 暮らしの中の生化学と関連した事象 発酵 発酵食品の製造 酒造 代謝 エネルギー 栄養 栄養素 代謝異常 糖尿病 肥満 2 健康についての疑問は生化学に関連 スポーツ飲料の成分の科学的根拠は? コラーゲンをたくさんとると肌がぷりぷりになる? ご飯を食べなければ太らないか? 3 教科書 Champe PC, Harvey

More information

Microsoft PowerPoint - DNA1.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - DNA1.ppt [互換モード] 生物物理化学 タンパク質をコードする遺伝子 (135~) 本 PPT 資料の作成には福岡大学機能生物研究室のホームページを参考にした http://133.100.212.50/~bc1/biochem/index2.htm 1 DA( デオキシリボ核酸 ) の化学的特徴 シャルガフ則とDAのX 線回折像をもとに,DAの構造が予測された (Watson & Crick 1953 年 ) 2 Watson

More information

ナノの技術をバイオに応用

ナノの技術をバイオに応用 本日まで お試し期間 なので 出席は取りません 現代生物学概論 2 遺伝子 ( プログラム ) と蛋白質 ( ナノマシン ) 先進理工学科 化学生物学研究室 准教授 生体機能システムコース 瀧真清 1 本日の概要 : 蛋白質生合成の全スキーム D から蛋白質への情報の流れ アミノ酸から蛋白質への物質の流れ 転写 D 本日は詳細は省略 アミノアシル tr 合成酵素 (RS) 翻訳 mr コドンーアンチコドンの対合

More information

鎖状立体制御概論 ここでは鎖状立体制御の考え方の基本をざっくりとまとめておきます 有機化学では 考え方の習得 は 図を書いて他人に説明できる ことを意味しますので 図を何回も書くことが習得の近道となります 習得 はつまるところ 体得 です 有機化学が 好き なだけではなく 上達する ことや 研究でき

鎖状立体制御概論 ここでは鎖状立体制御の考え方の基本をざっくりとまとめておきます 有機化学では 考え方の習得 は 図を書いて他人に説明できる ことを意味しますので 図を何回も書くことが習得の近道となります 習得 はつまるところ 体得 です 有機化学が 好き なだけではなく 上達する ことや 研究でき 鎖状立体制御概論 ここでは鎖状立体制御の考え方の基本をざっくりとまとめておきます 有機化学では 考え方の習得 は 図を書いて他人に説明できる ことを意味しますので 図を何回も書くことが習得の近道となります 習得 はつまるところ 体得 です 有機化学が 好き なだけではなく 上達する ことや 研究できるようになる ためには 遷移状態の考え方を体得しけなければなりません これ無しでは いつまでたっても空論を語ることしかできなくなってしまいます

More information

Chap. 1 NMR

Chap. 1   NMR β α β α ν γ π ν γ ν 23,500 47,000 ν = 100 Mz ν = 200 Mz ν δ δ 10 8 6 4 2 0 δ ppm) Br C C Br C C Cl Br C C Cl Br C C Br C 2 2 C C3 3 C 2 C C3 C C C C C δ δ 10 8 6 4 δ ppm) 2 0 ν 10 8 6 4 δ ppm) 2 0 (4)

More information

検討の結果 ジクロロジピリンニッケル錯体とベンジルアミンとの Buchwald Hartwig アミネーション反応を行うと 窒素が導入されたアザコロールとジアザポルフィリンが生成することを見いだした ( 図 3) 2 また 硫化ナトリウムとの反応により硫黄が導入されたチアコロールおよびジチアポルフィ

検討の結果 ジクロロジピリンニッケル錯体とベンジルアミンとの Buchwald Hartwig アミネーション反応を行うと 窒素が導入されたアザコロールとジアザポルフィリンが生成することを見いだした ( 図 3) 2 また 硫化ナトリウムとの反応により硫黄が導入されたチアコロールおよびジチアポルフィ ポルフィリンの新合成化学と機能探求 名古屋大学大学院工学研究科 忍久保洋 1. はじめにポルフィリンは光合成反応において中心的な働きをなすクロロフィルなど自然界で重要な機能をもつ色素の基本骨格である ポルフィリンは光学的 電子的に優れた特性をもつため π 電子共役系として非常に重要な位置を占めている このため ポルフィリンの物性や機能性に関する研究は古くから盛んに行われてきている しかし 華やかな機能の反面

More information

生理学 1章 生理学の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 按マ指 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 鍼灸 (1734) E L 1-3. 細胞膜につ

生理学 1章 生理学の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 按マ指 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 鍼灸 (1734) E L 1-3. 細胞膜につ の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 (1734) 1-3. 細胞膜について正しい記述はどれか 1 糖脂質分子が規則正しく配列している 2 イオンに対して選択的な透過性をもつ 3 タンパク質分子の二重層膜からなる 4

More information

スライド 1

スライド 1 生化学への導入 平成 30 年 4 月 12 日 病態生化学分野教授 ( 生化学 2) 山縣和也 生化学とは 細胞の化学的構成成分 およびそれらが示す化学反応と代謝機序を取り扱う学問 ハーパー生化学 生化学 1 生化学 2 生化学 炭水化物 / 糖 脂質 アミノ酸について勉強します 糖 脂質生化学 2 脂質 アミノ酸 核酸 生化学 1 生化学と医学は密接に関係する 炭水化物 脂質 生化学 蛋白質 核酸

More information

スライド 1

スライド 1 基礎無機化学第 回 分子構造と結合 (IV) 原子価結合法 (II): 昇位と混成 本日のポイント 昇位と混成 s 軌道と p 軌道を混ぜて, 新しい軌道を作る sp 3 混成 : 正四面体型 sp 混成 : 三角形 (p 軌道が つ残る ) sp 混成 : 直線形 (p 軌道が つ残る ) 多重結合との関係炭素などでは以下が基本 ( たまに違う ) 二重結合 sp 混成三重結合 sp 混成 逆に,

More information

有機合成化学

有機合成化学 21 章アミンおよびその誘導体 アミン類 ( 医薬品 ) ( 抗うつ剤 ) ダイエットピル N Cl ドリエル ( エスエス製薬 ) 抗ヒスタミン剤の眠気を利用 p1166 リン酸オセルタミビル ( タミフル ) 抗インフルエンザウイルス剤 タミフル (tamiflu: リン酸オセルタミビル ) はスイスロシュ社によって製造されている抗インフルエンザウイルス剤 作用機序は ノイラミニダーゼ (Neuraminidase)

More information

Microsoft PowerPoint - プレゼンテーション1

Microsoft PowerPoint - プレゼンテーション1 本日のメニュー シラバス 学習教材 創薬化学 Ⅰ 第 1 回 化学と仲良くなるためにあなたならどうする? シラバスと教材 シラバス 10. カルボン酸 12. アミン 11.α 位の反応全 15 回 講義と演習 ひょっとするとSGD? 中間テストなし期末テスト95% 演習や課題など5% 自己学習教材 http://www1.jiu.ac.jp/~naka/s1 2011/shakyo.pdf 1 2

More information

スライド 1

スライド 1 Detection of bound phenolic acids: prevention by ascorbic acid and ethylenediaminetetraacetic acid of degradation of phenolic acids during alkaline hydrolysis ( 結合フェノール酸の検出 : アルカリ加水分解中のアスコルビン酸と EDTA によるフェノール酸の劣化防止

More information

Microsoft Word - レポート模範例.docx

Microsoft Word - レポート模範例.docx 生物学レポート ヒトとウシのヘモグロビン α 鎖と酵素タンパク質 trypsin について 一次構造と高次構造を調べ比較する 畜産学科 1 年学籍番号 00000000 氏名藍愛子 提出日 :2012 年 6 月 27 日 1 はじめに レポートの課題説明に記述されていた このレポートの課題は以下のように要約される 大学でそれぞれの科目を学習する大きな目的と意義は ある学問体系の中で 何がわかっていて

More information

スライド 1

スライド 1 解糖系 (2) 平成 24 年 5 月 7 日生化学 2 ( 病態生化学分野 ) 教授 山縣和也 本日の学習の目標 解糖系の制御機構を理解する 2,3-BPG について理解する 癌と解糖系について理解する エネルギー代謝経路 グリコーゲン グリコーゲン代謝 タンパク質 アミノ酸代謝 トリアシルグリセロール グルコース グルコース 6 リン酸 アミノ酸 脂肪酸 脂質代謝 解糖系 糖新生 β 酸化 乳酸

More information

<4D F736F F F696E74202D C8B4089BB8D8795A882CC94BD899E A>

<4D F736F F F696E74202D C8B4089BB8D8795A882CC94BD899E A> I. 有機化合物の反応 (3) 1. 芳香族化合物 2. 芳香環における求電子置換反応 3. 置換基効果と配向性 4. 種々の化合物の合成反応 5. 置換基と酸 塩基の強さ I. 有機化合物の反応 (3) 1. 芳香族化合物 1. 芳香族化合物 ベンゼン,C 6 H 6 3 つの sp 2 混成軌道 結合を形成 すべての原子は同一平面上にある 正六角形, C ー C ー C = 120 残りの p

More information

解糖系でへ 解糖系でへ - リン酸 - リン酸 1,-2 リン酸 ジヒドロキシアセトンリン酸 - リン酸 - リン酸 1,-2 リン酸 ジヒドロキシアセトンリン酸 AT AT リン酸化で細胞外に AT 出られなくなる 異性化して炭素数 AT の分子に分解される AT 2 ホスホエノール AT 2 1

解糖系でへ 解糖系でへ - リン酸 - リン酸 1,-2 リン酸 ジヒドロキシアセトンリン酸 - リン酸 - リン酸 1,-2 リン酸 ジヒドロキシアセトンリン酸 AT AT リン酸化で細胞外に AT 出られなくなる 異性化して炭素数 AT の分子に分解される AT 2 ホスホエノール AT 2 1 糖質の代謝 消化管 デンプン 小腸 肝門脈 AT 中性脂肪コレステロール アミノ酸 血管 各組織 筋肉 ムコ多糖プリンヌクレオチド AT 糖質の代謝 糖質からの AT 合成 の分解 : 解糖系 と酸化的リン酸化嫌気条件下の糖質の分解 : 発酵の合成 : 糖新生 糖質からの物質の合成 の合成プリンヌクレオチドの合成 : ペントースリン酸回路グルクロン酸の合成 : ウロン酸回路 糖質の代謝 体内のエネルギー源

More information

応用有機化学基礎論

応用有機化学基礎論 供与と逆供与 前期遷移金属と NR 2, OR カルボニル アルケン 一酸化炭素 ( カルボニル CO) 代表的な p 受容性配位子塩基性 求核性低い (Lewis acid adducts, H 3 B-CO) 遷移金属と錯体形成 2 電子供与 金属 炭素 s- 結合形成 逆供与 (back-bonding) p- 受容性 配位様式 terminal birding ML 5 錯体 (d 6 )

More information

Microsoft PowerPoint - 有機元素化学特論11回配布用.pptx

Microsoft PowerPoint - 有機元素化学特論11回配布用.pptx フッ素化合物の沸点比較 80 80.5 323 フッ素の異常性 ハロゲン - リチウム交換 n-buli R 3 C X R 3 C Li X =, Br, I n-buli R 3 C R 3 C Li フッ素化学入門日本学術振興会フッ素化学第 155 委員会三共出版 2010 ISB 4782706286 フッ素の異常性の原因となる性質 含フッ素生理活性物質 創薬科学入門久能祐子監修佐藤健太郎著オーム社

More information

有機合成化学

有機合成化学 22 章ベンゼンの置換基の反応性ベンゼンの芳香族性に関しては,15 章参照求電子置換反応に関しては,16 章参照 解熱鎮痛薬 COOH OCOCH 3 OH アスピリン NHCOCH 3 アセトアミノフェン CH 3 CH 3 CO 2 H CO 2 H H 3 CO ナプロキセン イブプロフェン 22-1 フェニルメチル炭素の反応性 : ベンジル共鳴による安定化 ベンゼンは,Lewis 酸のような触媒を加えない限り,

More information

Slide 1

Slide 1 転写 1. タンパク合成における RNA の役割酵素誘導 2. RNA ポリメラーゼ鎖型への結合転写開始鎖延長転写終結真核生物の RNA ポリメラーゼ 3. 原核生物における転写制御プロモーターカタボライト ( 異化代謝産物 ) 抑制オペロン 4. 転写後修飾プロセシング RNA ポリメラーゼ ( 鎖型への結合 ) プロモーターに特異的に結合 大腸菌の代表的なプロモーターのセンス鎖の配列 RNA ポリメラーゼ

More information

<4D F736F F D B82C982C282A282C482512E646F63>

<4D F736F F D B82C982C282A282C482512E646F63> サンプル条件および固定化分子の選択 Biacoreの実験ではセンサーチップに固定化する分子をリガンド それに対して結合を測定する分子をアナライトと呼びます いずれの分子をリガンドとし アナライトとするかは 実験系を構築する上で重要です 以下にサンプルに適したリガンド アナライトの設計方法やサンプルの必要条件などをご紹介します アナライト リガンド センサーチップ (1) タンパク質リガンドとしてもアナライトとしても用いることができます

More information

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効 60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - がんやウイルスなど身体を蝕む病原体から身を守る物質として インターフェロン が注目されています このインターフェロンのことは ご存知の方も多いと思いますが 私たちが生まれながらに持っている免疫をつかさどる物質です 免疫細胞の情報の交換やウイルス感染に強い防御を示す役割を担っています

More information

B. モル濃度 速度定数と化学反応の速さ 1.1 段階反応 ( 単純反応 ): + I HI を例に H ヨウ化水素 HI が生成する速さ は,H と I のモル濃度をそれぞれ [ ], [ I ] [ H ] [ I ] に比例することが, 実験により, わかっている したがって, 比例定数を k

B. モル濃度 速度定数と化学反応の速さ 1.1 段階反応 ( 単純反応 ): + I HI を例に H ヨウ化水素 HI が生成する速さ は,H と I のモル濃度をそれぞれ [ ], [ I ] [ H ] [ I ] に比例することが, 実験により, わかっている したがって, 比例定数を k 反応速度 触媒 速度定数 反応次数について. 化学反応の速さの表し方 速さとは単位時間あたりの変化の大きさである 大きさの値は 0 以上ですから, 速さは 0 以上の値をとる 化学反応の速さは単位時間あたりの物質のモル濃度変化の大きさで表すのが一般的 たとえば, a + bb c (, B, は物質, a, b, c は係数 ) という反応において,, B, それぞれの反応の速さを, B, とし,

More information

ヒトゲノム情報を用いた創薬標的としての新規ペプチドリガンドライブラリー PharmaGPEP TM Ver2S のご紹介 株式会社ファルマデザイン

ヒトゲノム情報を用いた創薬標的としての新規ペプチドリガンドライブラリー PharmaGPEP TM Ver2S のご紹介 株式会社ファルマデザイン ヒトゲノム情報を用いた創薬標的としての新規ペプチドリガンドライブラリー PharmaGPEP TM Ver2S のご紹介 株式会社ファルマデザイン 薬剤の標的分子別構成 核内受容体 2% DNA 2% ホルモン 成長因子 11% 酵素 28% イオンチャンネル 5% その他 7% 受容体 45% Drews J,Science 287,1960-1964(2000) G 蛋白質共役受容体 (GPCR)

More information

Microsoft PowerPoint - protein1.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - protein1.ppt [互換モード] 生物物理化学 1 セントラルドグマ (central doguma) DA から蛋白質が作られるまでの道筋 フランシス クリックが提唱した 原核生物と真核生物では 若干関与するタンパク質が異なるが 基本的には同じメカニズムで転写 翻訳 タンパク合成が行われる 原核生物 : 核膜が無い ( 構造的に区別出来る核を持たない ) 細胞 ( これを原核細胞という ) から成る生物で 細菌類や藍藻類がこれに属する

More information

<4D F736F F F696E74202D A E90B6979D89C8816B91E63195AA96EC816C82DC82C682DF8D758DC03189BB8A7795CF89BB82C68CB48E AA8E E9197BF2E >

<4D F736F F F696E74202D A E90B6979D89C8816B91E63195AA96EC816C82DC82C682DF8D758DC03189BB8A7795CF89BB82C68CB48E AA8E E9197BF2E > 中学 2 年理科まとめ講座 第 1 分野 1. 化学変化と原子 分子 物質の成り立ち 化学変化 化学変化と物質の質量 基本の解説と問題 講師 : 仲谷のぼる 1 物質の成り立ち 物質のつくり 物質をつくる それ以上分けることができない粒を原子という いくつかの原子が結びついてできたものを分子という いろいろな物質のうち 1 種類の原子からできている物質を単体 2 種類以上の原子からできている物質を化合物という

More information

2019 年度大学入試センター試験解説 化学 第 1 問問 1 a 塩化カリウムは, カリウムイオン K + と塩化物イオン Cl - のイオン結合のみを含む物質であり, 共有結合を含まない ( 答 ) 1 1 b 黒鉛の結晶中では, 各炭素原子の 4 つの価電子のうち 3 つが隣り合う他の原子との

2019 年度大学入試センター試験解説 化学 第 1 問問 1 a 塩化カリウムは, カリウムイオン K + と塩化物イオン Cl - のイオン結合のみを含む物質であり, 共有結合を含まない ( 答 ) 1 1 b 黒鉛の結晶中では, 各炭素原子の 4 つの価電子のうち 3 つが隣り合う他の原子との 219 年度大学入試センター試験解説 化学 第 1 問問 1 a 塩化カリウムは, カリウムイオン K + と塩化物イオン Cl - のイオン結合のみを含む物質であり, 共有結合を含まない ( 答 ) 1 1 b 黒鉛の結晶中では, 各炭素原子の 4 つの価電子のうち 3 つが隣り合う他の原子との共有結合に使われ, 残りの 1 つは結晶を構成する層上を自由に移動している そのため, 黒鉛は固体の状態で電気をよく通す

More information

中分子環状ペプチドの有機合成から多様な生物活性への展開 東北大学薬学研究科 土井隆行 医薬品探索を目的とするコンビナトリアルライブラリーの合成は, これまで含ヘテロ環化合物を中心に行われてきた しかし, これらを基にした化合物ライブラリーは医薬品探索に必要となるケミカルスペースを十分にはカバーされな

中分子環状ペプチドの有機合成から多様な生物活性への展開 東北大学薬学研究科 土井隆行 医薬品探索を目的とするコンビナトリアルライブラリーの合成は, これまで含ヘテロ環化合物を中心に行われてきた しかし, これらを基にした化合物ライブラリーは医薬品探索に必要となるケミカルスペースを十分にはカバーされな 中分子環状ペプチドの有機合成から多様な生物活性への展開 東北大学薬学研究科 土井隆行 医薬品探索を目的とするコンビナトリアルライブラリーの合成は, これまで含ヘテロ環化合物を中心に行われてきた しかし, これらを基にした化合物ライブラリーは医薬品探索に必要となるケミカルスペースを十分にはカバーされないことが指摘されている 一方, 天然の二次代謝産物から単離 構造決定される生物活性化合物は, 非常にユニークな構造を有するものが数多くあり,

More information

EC No. 解糖系 エタノール発酵系酵素 基質 反応様式 反応 ph 生成物 反応温度 温度安定性 Alcohol dehydrogenase YK エナントアルデヒド ( アルデヒド ) 酸化還元反応 (NADPH) 1ヘプタノール ( アルコール ) ~85 85 で 1 時

EC No. 解糖系 エタノール発酵系酵素 基質 反応様式 反応 ph 生成物 反応温度 温度安定性 Alcohol dehydrogenase YK エナントアルデヒド ( アルデヒド ) 酸化還元反応 (NADPH) 1ヘプタノール ( アルコール ) ~85 85 で 1 時 解糖系 エタノール発酵系酵素 EC No. 基質 反応様式 反応 ph 温度安定性 生成物 反応温度 Glucokinase YK1 グルコース 7.5~11.0 2.7.1.2 リン酸転移反応 80 で1 時間保温しても活性低下は認められない * エタノールキット使用酵素 グルコース6リン酸 ~80 Glucose phosphate isomerase YK1 グルコース6リン酸 6.0~9.0

More information

スライド 1

スライド 1 ハロゲン化アルキル (alkyl halide) ハロゲン化アルキルの命名法 ハロゲン化アルキルの合成 アルコールからの合成 ハロゲン化アルキルの反応 Grignard( グリニャール ) 試薬求核置換反応 (SN2 反応,SN1 反応 ) 脱離反応 (E2 反応,E1 反応 ) ハロゲン化アルキルの命名法 (1) 段階 1: 最も長い炭素鎖を見つけて, 母体を決める. 多重結合がある場合には, 母体の炭素鎖はそれを含むものでなければならない.

More information

<4D F736F F F696E74202D2091E682508FCD E836D8E5F82C6835E E8EBF205B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D2091E682508FCD E836D8E5F82C6835E E8EBF205B8CDD8AB B83685D> 生物有機化学 教科書 : マクマリー 生物有機化学生化学編 rganic and biological chemistrybiochemistry 生物 ( 生命 ) をより深く理解する 分子レベルで = 有機化学的に 地球の凄さ水 + 空気の世界 ( 2, 2 ) 水 : 酵素反応の溶媒 ( 反応の場を提供 ) ものを溶かす ( 物質によって溶解性は違う ) Why? 水 : 酵素反応の溶媒 (

More information

Microsoft Word - answer2013.doc

Microsoft Word - answer2013.doc ビギナーズ有機化学第二版 練習問題解答例 2013.3.20 作成 第 2 章 2.1 s 軌道電子 :1 種類のみで 対称な球形の電子分布をもつ p 軌道電子 :3 種類あり 互いに直交する方向性をもった電子分布をもつ 2.2 Li + B Mg Al 3+ S 2- l - a 陽子数 : 3 5 12 13 16 17 20 電子数 : 2 5 12 10 18 18 20 2.3 水素化物イオンは最外殻

More information

2004 年度センター化学 ⅠB p1 第 1 問問 1 a 水素結合 X HLY X,Y= F,O,N ( ) この形をもつ分子は 5 NH 3 である 1 5 b 昇華性の物質 ドライアイス CO 2, ヨウ素 I 2, ナフタレン 2 3 c 総電子数 = ( 原子番号 ) d CH 4 :6

2004 年度センター化学 ⅠB p1 第 1 問問 1 a 水素結合 X HLY X,Y= F,O,N ( ) この形をもつ分子は 5 NH 3 である 1 5 b 昇華性の物質 ドライアイス CO 2, ヨウ素 I 2, ナフタレン 2 3 c 総電子数 = ( 原子番号 ) d CH 4 :6 004 年度センター化学 ⅠB p 第 問問 a 水素結合 X HLY X,Y= F,O,N ( ) この形をもつ分子は 5 NH である 5 b 昇華性の物質 ドライアイス CO, ヨウ素 I, ナフタレン c 総電子数 = ( 原子番号 ) d CH 4 :6+ 4 = 0個 6+ 8= 4個 7+ 8= 5個 + 7= 8個 4 + 8= 0個 5 8= 6個 4 構造式からアプローチして電子式を書くと次のようになる

More information

KASEAA 52(1) (2014)

KASEAA 52(1) (2014) 解説 TRP チャネルがさまざまな 刺激に応答できる仕組み * 1 * 2 * * 48 1 1 1 1 49 図 2 哺乳類 TRP チャネルの構造 情報 A TRPA1 の電子顕微鏡単粒子解析 像, 図中破線部分は構造から予測した 細 胞 膜 の 界 面 の 位 置 を 示 す B TRPV1 のアンキリンリピート C TRPM7 の α-キナーゼドメイン D TRPM7 のコイルドコイルドメイン

More information

2017 年度一般入試前期 A 日程 ( 1 月 23 日実施 ) 化学問題 (63 ページ 74 ページ ) 問題は大問 Ⅰ Ⅳ までありますが 一部 他科目との共通問題となっています 大問 Ⅰ は 化学基礎 + 生物基礎 の大問 Ⅰ と共通の問題です 大問 Ⅱ は 化学基礎 + 生物基礎 の大問

2017 年度一般入試前期 A 日程 ( 1 月 23 日実施 ) 化学問題 (63 ページ 74 ページ ) 問題は大問 Ⅰ Ⅳ までありますが 一部 他科目との共通問題となっています 大問 Ⅰ は 化学基礎 + 生物基礎 の大問 Ⅰ と共通の問題です 大問 Ⅱ は 化学基礎 + 生物基礎 の大問 2017 年度一般入試前期 A 日程 ( 1 月 23 日実施 ) 化学問題 (63 ページ 74 ページ ) 問題は大問 Ⅰ Ⅳ までありますが 一部 他科目との共通問題となっています 大問 Ⅰ は 化学基礎 + 生物基礎 の大問 Ⅰ と共通の問題です 大問 Ⅱ は 化学基礎 + 生物基礎 の大問 Ⅱ と共通の問題です 63 必要があれば, 次の数値を使いなさい 原子量 H=1. 0,C=12,O=16,S=32

More information

記 者 発 表(予 定)

記 者 発 表(予 定) 1 平成 2 7 年 7 月 15 日 科学技術振興機構 (JST) Tel:03-5214-8404( 広報課 ) 千葉大学 Tel:043-290-2018( 広報室 ) 非天然化合物の人工生合成のための革新的な手法を開発 ポイント 特異性注 1) の高い人工の酵素活性の設計は難しく 特定の非天然化合物だけを生合成する経路の構築は困難であった 目的物を高い選択性で生産する人工生合成経路を構築する新手法

More information

学類のP( カリキュラム編成方針 ) 分析化学 Ⅰ 医薬品を含む化学物質を分析するための性質およびその背景を理解できる. 物質の構造 状態に関する基本的知識と技能を修得できる. 溶液での平衡から物質の溶液での性質が理解できる. 化学物質の性質に基づいて定性および定量分析をする手法について

学類のP( カリキュラム編成方針 ) 分析化学 Ⅰ 医薬品を含む化学物質を分析するための性質およびその背景を理解できる. 物質の構造 状態に関する基本的知識と技能を修得できる. 溶液での平衡から物質の溶液での性質が理解できる. 化学物質の性質に基づいて定性および定量分析をする手法について 学域名学類名 医薬保健学域創薬科学類 学類のディプロマ ポリシー ( 学位授与方針 ) コース ( 専攻 ) のディプロマ ポリシー ( 学位授与方針 ) 人類の健康増進や医薬品の創製につながる分野の研究者, 製薬企業における研究開発 情報提供などの業務に従事する者, 行政機関において衛生行政などに携わる者など, 多様な人材を養成する この基本方針に従い, 以下に示す人材養成目標に到達した者に, 学士

More information

Microsoft PowerPoint - プレゼンテーション1

Microsoft PowerPoint - プレゼンテーション1 A A RNA からタンパク質へ mrna の塩基配列は 遺伝暗号を介してタンパク質のアミノ酸の配列へと翻訳される trna とアミノ酸の結合 RNA 分子は 3 通りの読み枠で翻訳できる trnaは アミノ酸とコドンを結びつけるアダプター分子である (Ψ; プソイドウリジン D; ジヒドロウリジンどちらもウラシルが化学修飾したもの ) アミノアシル trna 合成酵素によって アミノ酸と trna

More information

<4D F736F F D20838C837C815B836789DB91E890E096BE2E646F6378>

<4D F736F F D20838C837C815B836789DB91E890E096BE2E646F6378> レポートについて 1. 課題 以下に記した手順に従って ヒトのヘモグロビンα 鎖タンパク質と酵素タンパク質 trypsin について その一次構造をタンパク質データベースにアクセスして調べ さらにその二次構造と三次構造を ProteinDataBank へアクセスして確認する 以上の経過と結果を いつ どこで調べたかを含めてその過程を記述し さらに検索結果である両タンパク質の一次構造 分子の形 (

More information

2012/10/17 第 3 章 Hückel 法 Schrödinger 方程式が提案された 1926 年から10 年を経た 1936 年に Hückel 法と呼ばれる分子軌道法が登場した 分子の化学的特徴を残しつつ 解法上で困難となる複雑な部分を最大限にカットした理論である Hückel 法は最

2012/10/17 第 3 章 Hückel 法 Schrödinger 方程式が提案された 1926 年から10 年を経た 1936 年に Hückel 法と呼ばれる分子軌道法が登場した 分子の化学的特徴を残しつつ 解法上で困難となる複雑な部分を最大限にカットした理論である Hückel 法は最 //7 第 3 章 ükel 法 Shrödnger 方程式が提案された 96 年から 年を経た 936 年に ükel 法と呼ばれる分子軌道法が登場した 分子の化学的特徴を残しつつ 解法上で困難となる複雑な部分を最大限にカットした理論である ükel 法は最も単純な分子軌道法だが それによって生まれた考え方は化学者の概念となって現在に生き続けている ükel 近似の前提 ükel 近似の前提となっている主要な近似を列挙する

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 細胞の情報伝達 (1) 何を学習するか細胞が環境からシグナル ( 刺激 ) を受けて 細胞の状態が変化するときに 細胞内でどのような現象が起きているか を知る分子の大変複雑な連続反応であるので 反応の最初の段階を中心に見ていく ( 共通の現象が多いから ; 疾患の治療の標的となる分子が多い ) これを知るために (2) リガンドの拡散様式 ( 図 16-3) リガンドを発現する細胞とこれを受け取る細胞との

More information

有機化合物の反応10(2018)講義用.ppt

有機化合物の反応10(2018)講義用.ppt 有機化合物の反応 ( 第 10 回 ) 創薬分子薬学講座薬化学部門 金光卓也 第 14 章 到達目標 l 共役ジエンの性質及びアルケンとの相違点について説明できる l 化学反応で用いられる 速度支配 熱力学支配 という用語の意味を説明できる l Diels-Alder 反応の特徴を具体例を用いて説明できる l 共役と有機化合物の色の関係について説明できる 14.1 共役化合物 共役 conjugation

More information

酸素を含む化合物

酸素を含む化合物 2012 年度 化学 第 23 回 第 24 回 ( 担当 : 野島高彦 ) 酸素を含む有機化合物 1 酸素を含む有機化合物 注射針を刺す際には, エタノールで肌を拭いて消毒する. 手指の殺菌には, エタノールのかわりに 2 プロパノールが用いられることもある. 医療器具の殺菌にはクレゾールの水溶液も用いられている. 殺菌消毒にはこれまでに様々な有機化合物が用いられてきた.19 世紀には開腹手術時にフェノールを殺菌剤として噴霧することによって死亡率低下が達成された.

More information

< F2D819A939C BB95A8816A81402E6A7464>

< F2D819A939C BB95A8816A81402E6A7464> 糖 糖 m( 2) nの一般式で表される化合物 単糖類 6 12 6 糖類の最小単位 加水分解しない グルコース ( ブドウ糖 ), フルクトース ( 果糖 ), ガラクトース 多糖類 加水分解で多数の単糖類を生じる糖類, デキストリン, グリコーゲン, セルロース 還元性なし ( 60) アミロース ( 20 ~ 25 %) 溶けやすい分子量 ( 数十万 ) 直鎖状 アミロペクチン ( 75 ~

More information

生物有機化学

生物有機化学 質問への答え 速い 書き込みが追い付かない 空欄を開いたことを言ってほしいなるべくゆっくりやります ただし 生化学をできるだけ網羅し こんなの聞いたことない というところをなるべく残さないようにと思っています 通常の講義よりは速いでしょう 試験では細かいことは聞きません レーザーポインターが見にくい アンカータンパク質の内側 外側とは? 細胞内と細胞外です 動画の場所 Youtube で Harvard

More information

2. 看護に必要な栄養と代謝について説明できる 栄養素としての糖質 脂質 蛋白質 核酸 ビタミンなどの性質と役割 およびこれらの栄養素に関連する生命活動について具体例を挙げて説明できる 生体内では常に物質が交代していることを説明できる 代謝とは エネルギーを生み出し 生体成分を作り出す反応であること

2. 看護に必要な栄養と代謝について説明できる 栄養素としての糖質 脂質 蛋白質 核酸 ビタミンなどの性質と役割 およびこれらの栄養素に関連する生命活動について具体例を挙げて説明できる 生体内では常に物質が交代していることを説明できる 代謝とは エネルギーを生み出し 生体成分を作り出す反応であること 生化学 責任者 コーディネーター 看護専門基礎講座塚本恭正准教授 担当講座 学科 ( 分野 ) 看護専門基礎講座 対象学年 1 期間後期 区分 時間数 講義 22.5 時間 単位数 2 単位 学習方針 ( 講義概要等 ) 生化学反応の場となる細胞と細胞小器官の構造と機能を理解する エネルギー ATP を産生し 生体成分を作り出す代謝反応が生命活動で果たす役割を理解し 代謝反応での酵素の働きを学ぶ からだを構成する蛋白質

More information

Microsoft Word

Microsoft Word 4610 アミン アミン アミンは -N 2,-N,-N の構造を持つ化合物類です.N 原子につくアルキル ( アリール ) の数により, 第一級アミン (-N 2 ), 第二級アミン (-N- ), 第三級アミン (-N ) があります. 代表的な化合物を図 1 に示します. 化合物例 第一級アミン 3 N 2 3 2 N 2 3 2 2 N 2 ( 3 ) 2 N 2 メチルアミンエチルアミンプロピルアミンイソプロピルアミン

More information

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形 AKT活性を抑制するペプチ ド阻害剤の開発 野口 昌幸 北海道大学遺伝子病制御研究所 教授 広村 信 北海道大学遺伝子病制御研究所 ポスドク 岡田 太 北海道大学遺伝子病制御研究所 助手 柳舘 拓也 株式会社ラボ 研究員 ナーゼAKTに結合するタンパク分子を検索し これまで機能の 分からなかったプロトオンコジンTCL1がAKTと結合し AKT の活性化を促す AKT活性補助因子 であることを見い出し

More information

医薬品設計学2013-8章.pptx

医薬品設計学2013-8章.pptx [] ( GABA, GABA 8-1 D 2 パミン O 2 受容体の遮断であり 開発された とくに / チアジン誘導体 ドーパミン D 2 受容体遮断 有効である 合成された am ine) やノルア ドレナ リン ア ドレ ナ 1) ンなどのカテコー 想りあるい ロフェノン系 ベンズアミド系 イミ 亡五 そののち. 2 位置換基と 10 位側鎖 その結果 フェノチアジン環 10 位 8-1-1

More information

スライド 1

スライド 1 1. 血液の中に存在する脂質 脂質異常症で重要となる物質トリグリセリド ( 中性脂肪 :TG) 動脈硬化に深く関与する 脂質の種類 トリグリセリド :TG ( 中性脂肪 ) リン脂質 遊離脂肪酸 特徴 細胞の構成成分 ホルモンやビタミン 胆汁酸の原料 動脈硬化の原因となる 体や心臓を動かすエネルギーとして利用 皮下脂肪として貯蔵 動脈硬化の原因となる 細胞膜の構成成分 トリグリセリド ( 中性脂肪

More information

第11回配布用

第11回配布用 07 年度有機化学 および演習第 回 (07.07.06) (06 年度以前入学者は有機化学序論 ) 担当山下誠居室 号館 0 階 03 号室 e-mail makoto@oec.chembio.nagoya-u.ac.jp 7/3( 木 ) 休講 7/5( 土 ) 限補講 @ 演習で解説してほしい問題は田浦先生 (taura@chembio.nagoya-u.ac.jp) と荒巻先生 (aramaki@chembio.nagoya-u.ac.jp)

More information

第3回 糖類(炭水化物)

第3回 糖類(炭水化物) 第 3 回糖類 ( 炭水化物 ) 日紫喜光良 基礎生化学 2014.5.13 1 概要 1 単糖分子の構造と性質 2 主な単糖 3 二糖 多糖 4 複合糖質 イラストレイテッド生化学第 7 章 ( 糖質とは?) ならびに 第 14 章 ( グリコサミノグリカンと糖タンパク質 ) の一部に相当 2 糖質 ( 炭水化物 ) の役割 エネルギー源 エネルギー貯蔵形態 デンプン グリコーゲン 細胞膜成分 糖タンパク質の原料

More information

7.6.2 カルボン酸の合成 è 酸化による合成 { 第一アルコールまたはアルデヒドの酸化 R Ä C 2 Ä! R Ä C Ä! R Ä C (7.104) [ 例 ]1-プロパノールを硫酸酸性の条件で二クロム酸カリウムを用いて酸化する 3C 3 C 2 C 2 + 2Cr 2 2Ä

7.6.2 カルボン酸の合成 è 酸化による合成 { 第一アルコールまたはアルデヒドの酸化 R Ä C 2 Ä! R Ä C Ä! R Ä C (7.104) [ 例 ]1-プロパノールを硫酸酸性の条件で二クロム酸カリウムを用いて酸化する 3C 3 C 2 C 2 + 2Cr 2 2Ä 7.6 カルボン酸 7.6.1 カルボン酸の物理的性質 è 沸点, 融点, 酸解離定数 構造 名称 融点 ( ) 沸点 ( ) 解離定数 C ギ酸 8.4 100.5 2.1 10 Ä4 C 3 C 酢酸 16.7 118 1.8 10 Ä5 C 3 C 2 C プロピオン酸 -21.5 141.1 1.3 10 Ä5 C 3 (C 2 ) 2 C 酪酸 -7.9 163.5 1.5 10 Ä5 C(C

More information

H30専門科目問題冊子表紙

H30専門科目問題冊子表紙 平成 30 年度大学院理学系研究科博士前期課程 ( 生物科学専攻 ) 第 1 次募集入学試験問題 専門科目 試験時間 :13:00~16:30 配点 ( 合計 ):400 点 問題は, 問題 I 問題 X まで, 全部で 10 題あります. 問題 I~ 問題 III ( 生化学 ( タンパク質化学を含む )) および 問題 IV~ 問題 VI( 分子細胞生物学 ( 遺伝学 発生生物学を含む )) は,

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 26 (2012) 3. 糸状菌の未利用遺伝子発現による天然物創出 大島吉輝 Key words: 糸状菌, 二次代謝物, 未利用遺伝子, エピジェネティクス 東北大学大学院薬学研究科医薬資源化学分野 緒言医薬品開発にとって重要な役割を果たしている糸状菌 ( カビ類 ) のゲノム解読が進むにつれ, 二次代謝物の生産に関わる多くの未利用生合成遺伝子の存在が明らかになってきた.

More information

脂質の分解小腸 脂肪分解とカルニチン < 胆汁 > 脂肪の乳化 < 膵液 膵液リパーゼ ( ステアプシン )> 脂肪酸 グリセリン 小腸より吸収吸収された脂肪酸は エステル結合により中性脂肪として蓄積されます 脂肪酸は 体内で分解されエネルギーを産生したり 糖質や余剰のエネルギー産生物質から合成され

脂質の分解小腸 脂肪分解とカルニチン < 胆汁 > 脂肪の乳化 < 膵液 膵液リパーゼ ( ステアプシン )> 脂肪酸 グリセリン 小腸より吸収吸収された脂肪酸は エステル結合により中性脂肪として蓄積されます 脂肪酸は 体内で分解されエネルギーを産生したり 糖質や余剰のエネルギー産生物質から合成され 脂質の分解小腸 脂肪分解とカルニチン < 胆汁 > 脂肪の乳化 < 膵液 膵液リパーゼ ( ステアプシン )> 脂肪酸 グリセリン 小腸より吸収吸収された脂肪酸は エステル結合により中性脂肪として蓄積されます 脂肪酸は 体内で分解されエネルギーを産生したり 糖質や余剰のエネルギー産生物質から合成されたりします それに関わるのがカルニチンです 1. カルニチンとは? カルニチン (carnitine)

More information

1 911 9001030 9:00 A B C D E F G H I J K L M 1A0900 1B0900 1C0900 1D0900 1E0900 1F0900 1G0900 1H0900 1I0900 1J0900 1K0900 1L0900 1M0900 9:15 1A0915 1B0915 1C0915 1D0915 1E0915 1F0915 1G0915 1H0915 1I0915

More information

受精に関わる精子融合因子 IZUMO1 と卵子受容体 JUNO の認識機構を解明 1. 発表者 : 大戸梅治 ( 東京大学大学院薬学系研究科准教授 ) 石田英子 ( 東京大学大学院薬学系研究科特任研究員 ) 清水敏之 ( 東京大学大学院薬学系研究科教授 ) 井上直和 ( 福島県立医科大学医学部附属生

受精に関わる精子融合因子 IZUMO1 と卵子受容体 JUNO の認識機構を解明 1. 発表者 : 大戸梅治 ( 東京大学大学院薬学系研究科准教授 ) 石田英子 ( 東京大学大学院薬学系研究科特任研究員 ) 清水敏之 ( 東京大学大学院薬学系研究科教授 ) 井上直和 ( 福島県立医科大学医学部附属生 受精に関わる精子融合因子 IZUMO1 と卵子受容体 JUNO の認識機構を解明 1. 発表者 : 大戸梅治 ( 東京大学大学院薬学系研究科准教授 ) 石田英子 ( 東京大学大学院薬学系研究科特任研究員 ) 清水敏之 ( 東京大学大学院薬学系研究科教授 ) 井上直和 ( 福島県立医科大学医学部附属生体情報伝達研究所准教授 ) 内山進 ( 大阪大学大学院工学研究科准教授 ) 2. 発表のポイント :

More information