閑話休題 漸化式の解法
基本形 ( 等差数列, 等比数列, 階差数列 ) 等差数列 : d 等比数列 : r の一般項を求めよ () 3, 5 () 3, () 5より数列 は, 初項 3, 公差の等差数列であるので 5 3 5 5 () 数列 は, 初項 3, 公比 の等比数列であるので 3 階差数列 : f の一般項を求めよ 3, より のとき k k 3 3 において, を代入すると 33 となるので,は で成立 3
最重要型 ( p q) の一般項を求めよ 4, 3 4, 3 3 3 与式を変形すると したがって, ゆえに, 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 別解 ここから, 丁寧に置き換えしてもよい 別解 3とおくと 3 3, また, 3 したがって, ゆえに, 3 3 上の解答の式変形は, 次数下げという方法です 3 3 (*) で式変形できるので, 3 3 と, 3 3 となるので 3 3 3 3 この式の右辺の 3 3 のように, に (*) を使い, 3 3 3 3 3 3 3 後は, 何度もこれを繰り返し用いて変形していく の右辺の 3 は (*) を使う 次数下げは, 数 Ⅲの極限で使うときがきます この変形は, 理系の人はできるようにしましょう の係数が のときは, 等差数列です 勘違いしないように! 3
3 分数型 ( r ) p q の一般項を求めよ, 3, 3 より, 0は自明 の両辺の逆数をとると, 3 とおくと, 3, 3 となるので, 3 3 3 3 3 ここがポイント! 置き換えると, 最重要型 の漸化式に帰着できます r 漸化式 p q 工夫するポイント 逆数をとる と のタイプの漸化式に帰着できる 4
3 指数型 ( p q ) の一般項を求めよ 6, 3 6, 3 の両辺を3 3 33 3 とおくと,, 3 3 3 3 3 3 となるので, 3 3 3 3 で割ると 3 3 3 3 3 ここがポイント! 置き換えると, 最重要型 の漸化式に帰着できます 漸化式 p q 工夫するポイント q で両辺をわる と のタイプの漸化式に帰着できる 5
4 整式型 ( ( ) p q ) の一般項を求めよ,, - より ( ) 3 とおくと 3, 3 より ゆえに, 3,4 より 4 ここがポイント! にして, 差をとる 別解 階差数列を用いる のとき k k 置き換えると, 最重要型 の漸化式に帰着できます 4 5 5より, となるので, 5は, で成り立つ 6
漸化式 p f p の次式 p p こういう風に工夫すると, 解けるタイプの漸化式に帰着できるんですね - p のように, 次式の整式であっても同様の方針で解けます 3 () 3, 3 3,,3, f f 3 3 ( ) 3 (3 ) 33 これが, すべての自然数で成り立つとき 3 3 3 3 f ( ) 3 4 4 () f 3 f f f 3 p 関係式 3, 3 3,,3, を満たす数列 答えよ () f とおく このとき, f f を 満たす定数, を求めよ () 一般項 を求めよ 5 f 3 4 5 3 3 4 4 について, 各問に 7
5 3 項間漸化式 ( p q ) の一般項を求めよ, 5, 5 6,,3,, 5, 5 6,,3, ⅰ x 5x60 この 次方程式を, 特性方程式 という xx30 ( または, 固有方程式 という) x,3 3 3 3 ⅰⅱより, ⅱ 3 3 3 5 3 53 3 3 3 式を引いて, 3 3 項間漸化式 p q が次の,3 のように式変形できるとする 3 項間漸化式の特性方程式の仕組みの説明です と 3 を変形すると 3 3 となるが, と 3 は同じ式となるとき, と 3 の各項の係数を比較して これより,, p q を 解とする x の 次方程式は x pxq 0 x px q となる この 次方程式を解けば3の式の, が求まる この 次方程式は, 元の漸化式から簡単に作れる! p q x x px q x 8
の一般項を求めよ, 4, 4 4,,3,, 4, 4 4,,3, x 4x40 x 0 x 重解 両辺を で割って とおくと, したがって, 特性方程式 の解 ( 特殊解 ) が重解 一通りの変形しかできない! でも, この漸化式は指数型の漸化式です 9
三項間漸化式の解き方 ( 別解 ) A B p q を満たす数列,, 関係式 A, B, p q,,3, x pxq xx0 x, ⅰ B A ⅱ B A B A ⅰⅱより, B A 式を引いて, B A B A B A B A B A B A 答 について, 次の ()() について, それぞれ一般項を求めよ ただし, x px q の 解を, とする (), が異なる 解のとき (), が重解のとき 0
A, B, p q,,3, x 0 x 重解 ⅰ B A 両辺を x pxq で割ると B A B A C 定数 C と おく とおくと A C, A C A したがって, C A C B A B A A B A B B A 答 B 先ほどの例題 ex の結果からわかることがある それは, p q 3 項間漸化式 この漸化式の特性方程式 を満たす数列 x px q が (Ⅰ) 異なるつの解, を持つとき の一般項は, + (Ⅱ) 重解 を持つとき の形になるということである
先ほど, 説明した内容を使うと非常に簡単に答えを導き出せます の一般項を求めよ, 5, 5 6,,3, 解答 ( 特殊解を用いた方法 ), 5, 5 6,, 3, x 5x60 xx30 x,3 一般項は, A B 3 AB より, B 3, A A3B 5 したがって, とおける 答 3 3 3 3 特性方程式の解を, A B となる 後は,, とすると, 一般項は A B を求めるだけで ある A, B を求める際には,, の条件を使えばよい の一般項を求めよ, 4, 4 4,,3, 解答, 5, 5 6,, 3, x 4x40 x 0 x 重解 一般項は, AB とおける AB より, A, B 0 AB 4 したがって, 答 特性方程式の解を 重解 とすると, 一般項は A B となる 後は, A, B を求めるだけである A, B を求める際には,, の条件を使えばよい
6 連立漸化式 の一般項を求めよ,,3, 5 解法 A より に代入して 4 3 特性方程式 x 4x3 x3, A3 Bとおける AB A3, B 73AB したがって, 33 3 連立方程式をとくように, 一文字消 去すればよい ( ここでは, を 消しています あとは, 三項間漸化式 連立漸化式,, 3, かつ 3のように式変形できるとする 連立方程式を解くときに, 一文 3 より これを,3 へ代入 ( ) ( ) あとは,3 項間漸化式なので解けます 字消去して解く方法があります それと同じ感覚で解いた方法です 3
解法 B p q( p ) に ⅰ を代入して p q( p ) ( p ) ( p ) q pq pq p pq pq,,3,, 3( ) ( ) 3 ⅱ 3 4 より, 3 4 3 連立漸化式,, 3, p q( p) を満たす p, q を求める もし, この形を満たす p, q が存在すれば, 左辺と, 右辺のカッコの中身が同じ形式となるので解くことができます 後は,を に代入して, p, q を求めていきます この解き方は, 問題に誘導が付いていることがあるが, 誘導なしでも出来るようにしておきましょう 4
7 逐次代入型 の一般項を求めよ,,,3, () (),,,3,,,,3, ( ) ( )( ) 3 ( )( ) 3 ( )( ) 3! 3 3 3 3 5 4 3 3 3 5 4 3 ( ),,,3, 本問は + を満たす漸化式より + 逐次この関係式を用いて解いていきます ( ) ( ) 本問は 3 を満たす 漸化式より逐次この関係式を用いて解いていきます, 3 3,, 3 4 3, 3, 5 4 3 漸化式 ( 逐次代入 ) 与えられた漸化式を何度も用いて, 初項まで次数 ( 右下の添え字 ) を下げていきながら解きていきます 5
7 分数型 頻度は低い 数列 は,,, 5 3 3 で定義されている () とおくとき, r となる 定数,, r ( ) を求めよ () 数列 の一般項を求めよ (3) 数列 の一般項を求めよ,,, 5 3 3 とおくと, 5 33 5 3 3 3 5 3 5 3 3 5 33 3 3 3 3 5 5 = より 5 3 3 5 33 33 かつ- となればよい 5 5 3 3x, は-x の解となる -x(5 x) 33x x,3 5 x 5, 3, 3 5 3, 3 3 より, 3 3 3 より, 3 3 3 (3 ) 3 3 5 3 3 6
これは, 分数型の漸化式の一般化です,, c d 3 項間漸化式 さらに,, とおいたとき, とおけ, は,の, つまり, このタイプの漸化式は, 特性方程式 を解いた解を用いて, x x cx d を x でおいた式になります 解けるタイプの漸化式に帰着できるのです とおくと, となるので 仕組み c,, d とおくと, c d c d c d c d c d c d c d c d d c c より c d c d d かつ- となればよい c c d d かつ- となればよい c c xd, は-x の解となる xc xd x -x -x x c xd x c xd x xcx dx x xc cx d 7