平成 28 年 9 月 3 級 FP 技能検定 / 実技試験 < 保険顧客資産相談業務 > 解答と解説 第 1 問 番号 問 1 問 2 問 3 正解 配点 3 点 4 点 3 点 < 問 1> 正解 1 1) が正しい 老齢基礎年金の年金額は 20 歳から 60 歳になるまでの 40

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の合計 ( ただし 20 歳以上 60 歳未満の期間 ) なお 保険料免除期間がある場合 本人は保険料を支払っていなくても 一定の期間が分子に加算される A さんの場合 保険料納付済月数は 国民年金保険料納付済期間 35 月 + 厚生年金保険被 保険者期間 398 月 + 厚生年金保険被保険者期間

平成 29 年 5 月 3 級 FP 技能検定 / 実技試験 < 保険顧客資産相談業務 > 解答と解説 第 1 問 番号 問 1 問 2 問 3 正解 配点 3 点 4 点 3 点 < 問 1> 正解 1 1) の語句の組み合わせが正しい 1 老齢基礎年金の年金額は 20 歳から 60

* 老齢基礎年金の額および付加年金の額 444 月 780,100 円 +200 円 138 月 749,200 円 480 月 < 問 2> 正解 2 1) 適切 国民年金基金には 47 都道府県に設立された 地域型基金 と 25 の職種別に設立された 職能型基金 の 2 種類があり 国民年金の第

第 2 問問 4 2 < 遺族に必要な生活資金等の総額 > 生活費 30 万円 50% 12 カ月 29 年 =5,220 万円 死亡整理資金( 葬儀費用等 ) 200 万円 緊急予備資金 300 万円 住宅ローンについては団体信用生命保険に加入しているので計算に含めない合計 5,220 万円 +2

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問 2 1 〇 3 〇問 ,347( 円 ) 21,459,005 ( 円 ) < 賃金低下率 > < 支給率 > 61% 以下 15% 65% 10.05% 70% 4.67% 75% 以上 0% 1 適切 適切 A さんが厚生年金保険の被保険者でなくなった 場合 妻 B さんは 60

18 歳で就職してから 20 歳になるまでの厚生年金保険被保険者期間 (20 月 ) は 老齢基礎年金の年金額には反映しない ただし 老齢厚生年金の年金額には反映 する < 問 2> 正解 3 1) 不適切 厚生年金保険の被保険者期間が 240 月 (20 年 ) 以上ある人が ( 昭和 24 年

問 3 1 〇 2 〇 3 問 4 18,244( 万円 ) 2 3,356 ( 万円 ) 3 4,620 ( 万円 ) 金基金に加入する場合は 国民年金の付加保険料の納付をやめる手続が必要となります ⅲ) 小規模企業共済制度 小規模企業共済制度は 個人事業主が廃業等した場合に必要となる生活資金を準

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

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第14章 国民年金 

国民年金基金は国民年金の第1号被保険者(自営業の方やフリーで働く方、およびその配偶者の方)の保険料を納めている方で、20歳以上60歳未満の方が加入することができます

20年度「応用課程・ビデオ問題」

5 事業用の車両等を売却 ( 譲渡 ) した場合の売却益 ( 譲渡益 ) 売却損 ( 譲渡損 ) については 事業所得とはならない 総合課税の譲渡所得 ( 土地 建物以外 ) の扱いになり 所有期間 (5 年超か以下か ) によって長期譲渡所得 短期譲渡所得に区分される 6 使用可能期間が1 年未満

例題 1 下記の事項につき ア ~ エのうち正しいものを 1 つ 選んでください 所得税および住民税の生命保険料控除 地震保険料控除についてア. 平成 23 年 12 月締結契約で 一般生命保険料の年間正味払込保険料が75,000 円の場合 この契約に係る所得税の生命保険料控除額は 38,750 円

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問 3 第 2 問 問 4 1ロ 2ト 3ヘ 1ロ 2ハ 3ヘ 4リ は 加給年金額は加算される 受給権者本人の厚生年金保険の被保険者期間が 20 年以上で 65 歳未満の配偶者がいる場合には加給年金額が加算される 3 適切 老齢厚生年金の繰上げ支給を請求する場合 老齢厚生年金の繰上げ支給の請求と同

特別障害者控除同居特別障害者寡婦控除特別寡婦控除寡夫控除 障害者控除に該当する場合のうち 障害の程度が身体障害者手帳 1 級または2 級の方や療育手帳 AまたはAの場合 また精神障害者手帳 1 級の場合等 納税者の配偶者その他の親族 ( 扶養親族や配偶者控除を受ける配偶者に限る ) が特別障害者でか

退職金についての市県民税はどうなるの? 私は平成 28 年 4 月に退職しました 勤続 30 年で退職金は 2,100 万円ですがこの退職 金に対する市県民税はいくらですか 通常の市県民税の課税は前年中の所得に対し翌年課税されるしくみになっていますが 退職金に対する課税については 他の所得と分離して

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ていたものと推定されるので 所定の手続により, 雇用保険から基本手当を 150 日分 受給することができる < 問 3> 正解 3 1) 不適切 老齢厚生年金は 65 歳からの受給が原則であるが 男性の場合 昭和 36 年 4 月 1 日以前生まれの人は 65 歳前から特別支給の老齢厚生年金を受給す

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所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

個人市民税 控除・税率等の変遷【市民税課】

平成 28 年度市民税 県民税申告の手引き 申告書を提出しなければならない人平成 28 年 1 月 1 日現在 幸手市内に住所を有する人 (1 月 2 日以降に幸手市に転入した人は従前の住所地で申告を行ってください ) ただし 次に該当する人は この申告をする必要はありません 1 平成 27 年分の

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< 所得控除の詳細 > 1 所得控除額計算一覧表 控除名 控除の詳細 控除額町県民税 控除額 参考 所得税 次の イ と ロ のい 次の イ と ロ のい ずれか多い方の金額 ずれか多い方の金額 災害や盗難等により 本人や本 イ ( 損害金額 - 保険 イ ( 損害金額 - 保険 雑損控除 人と同一

する場合, 特別支給の老齢厚生年金 ( 基本月額 ) は, 総報酬月額相当額 ( 標準報酬月額とその月以前 1 年間に受けた標準賞与額を 12 等分した額との合計額 ) との間で調整が行われる いわゆる在職老齢年金と言われるもので 基本月額と総報酬月額相当額との合計額が 28 万円 ( 平成 29

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 16,490 円 ( 平成 29 年度 ) 付加保険料月額 400

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

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所得控除 所得控除とは個人の実情にあった税金を負担していただくために 所得金額から差し引くものです (1) 人的控除人的控除に該当するかどうかは 前年 12 月 31 日の現状によって判定されます ただし その判定の対象となる人が前年中にすでに死亡している場合には その死亡時の現状によって判定されま

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(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 15,250 円 ( 平成 26 年度 ) 付加保険料月額 400

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一発合格!FP 技能士 3 級完全攻略実戦問題集 年版 別冊 FP 技能士 3 級 2018 年 9 月実施試験 解答 & 解説 実技試験個人資産相談業務 ( 金融財政事情研究会 ) 問題 解答 解説 第 1 問問 1 1 1) 適切 医療費の一部負担金等の額が自己負担限度額を超える場合

Ⅰ 年の中途で行う年末調整の対象となる人 年末調整は 原則として給与の支払者に 給与所得者の扶養控除等 ( 異動 ) 申告書 ( 以下 扶養控除等申告書 といいます ) を提出している人について その年最後に給与の支払をする時に行うことになっていますので 通常は12 月に行うこととなりますが 次に掲

強制加入被保険者(法7) ケース1

あなたと生計を一にする配偶者やその他の親族が受け取る公的年金等から引き落とされている国民健康保険 料 後期高齢者医療保険料 介護保険料はあなたの控除の対象とはなりませんので御注意ください 5 生命保険料控除 地震保険料控除 について それぞれ該当する欄に昨年中に支払った金額を記入し 以下の計算方法に

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第 1 問 会社員のAさん (50 歳 ) は 妻 Bさん (50 歳 ) 長男 Cさん (19 歳 ) および長女 Dさん (15 歳 ) との4 人暮らしである Aさんは 今年 4 月に長男 Cさんが大学に入学したことを機に 生命保険の見直しを考えている Aさんは その前提として 自分が死亡した

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老齢基礎年金 老齢基礎年金を受けられる方 老齢基礎年金は 原則として受給資格期間が 25 年 (300 ヵ月 ) 以上ある方が 65 歳になったときから受けられます 受給資格を満たしているときは 本人の希望により 60 歳から 70 歳までの間で年金を受け始める年齢を変更することができます (17

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相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算


国民年金基金は国民年金の第1号被保険者(自営業の方やフリーで働く方、およびその配偶者の方)の保険料を納めている方で、20歳以上60歳未満の方が加入することができます

市県民税所得課税証明書から年間所得金額を見る場合 平成 年度 ( 平成 年分 ) 市県民税所得課税証明書 住所 羽生市 134 番地 1 氏名 羽生田羽生子 所得の区分 所得金額 所得の区分 所得金額 総所得金額 330,000 所得控除金額 1,500,000 合計所得金額 330,000 課税標

ったと判断します なお 一時的に認定基準月額以上の収入がある月があっても 認定基準年額を超えるまでの間は認定できます また 勤務した月の給与が翌月以降に支払われる場合でも 原則 勤務月の収入として取扱います 継続して認定できる事例 認定基準月額未満であるので 継続して認定できます 認定基準月額以上の

平成 31 年度 ( 平成 30 年分 ) 所得控除 雑損控除 納税義務者又はその者と生計同一の配偶者 その他親族が有する資産について 災害 盗難 横領によ る住宅 家財 現金の損害一定額 控除計算 A B いずれか多い方の金額 A:( 損失額 - 保険金等による補てん額 )-( 総所得金額等の合計


平成19年度分から

配当所得 配当所得の金額 = 収入金額 - 元本取得のための ( 源泉徴収前 ) 借入金の利子 原則 支払い時に源泉徴収 確定申告によって精算 総合課税 申告不要あり 株式の配当 株式投資信託の収益分配金 保険会社から受け取る基金利息など 申告分離課税あり 例外 非課税株式投資信託の特別分配金 (

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基本テキスト 2

最適年金.xls

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現在公的年金を受けている方は その年金証書 ( 請求者及び配偶者 請求者名義の預金通帳 戸籍謄本 ( 受給権発生年月日以降のもの ) 請求者の住民票コードが記載されているもの ( お持ちの場合のみ ) 障害基礎年金 受給要件 障害基礎年金は 次の要件を満たしている方の障害 ( 初診日から1 年 6か

公的年金からの特別徴収制度の見直しについて ( 平成 28 年 10 月以降適用 ) 公的年金からの特別徴収制度の見直しが行われ 平成 28 年 10 月以降に実施 される特別徴収より 下記のとおり制度が改正されました 1 特別徴収税額の算定方法の見直し 年間の公的年金からの特別徴収税額の平準化を図

特別障害者一人につき 75 万円を所得から控除することができます 障害者控除は 扶養控除の適用がない16 歳未満の扶養親族を有する場合においても適用されます ⑶ 心身障害者扶養共済掛金の控除 P128 条例の規定により地方公共団体が実施するいわゆる心身障害者扶養共済制度による契約で一定の要件を備えて

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本書の特徴 本書は FP3 級実技 ( 保険 ) 試験合格を支援します 1 実技 という名称に戸惑うかもしれませんが 出題形式は三者択一問題のみ (3 つの選 択肢から 1 つの解答を選ぶ形式 ) です 解答方式はマークシート ( 正解番号を鉛筆で塗りつぶす方式 ) です 2 問題数はテーマごとに


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(12) 1 適切 (13) 2 不適切 債券の信用格付がダブルB 格 ( BB 格) 相当以下である場合 一般に 投機的格付とされる (14) 2 不適切 オプション取引において 将来の一定期日または一定期間内に 株式などの原資産を特定の価格 ( 権利行使価格 ) で買う権利のことを コール オプ

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所得税算出の流れ Q&A 通信の所得税の流れを詳しく教えてください 改めて以下の図版を見てください は収入から引かれる金額です 引かれる金 額の算出の計算方法をこれから解説します 1 支払金額 ( 給料 賞与 ) 2 給与所得控除後の金額 A 給与所得 所得税算出の流れ B 課税所得 D 所得税 E

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給与の所得金額の算出速算表 収入金額 給与所得の金額 0 ~ 650, ,000 ~ 1,618,999 収入金額 -650,000 1,619,000 ~ 1,619, ,000 1,620,000 ~ 1,621, ,000 1,622,000 ~ 1,6

Q1 社会保険とはどのような制度でしょうか 会社などで働く人たちが収入に応じて保険料を出し合い いざというときの生活の安定を図る目的でつくられた制度のことで 一般的に健康保険や厚生年金保険のことを 社会保険 といいます 健康保険法第 1 条では 労働者の業務外の事由による疾病 負傷若しくは死亡又は出

国民年金基金にご加入いただいたみなさまへ

点及び 認定された日以降の年間の見込みの収入額のことをいいます ( 給与所得等の収入がある場合 月額 108,333 円以下 雇用保険等の受給者の場合 日額 3,611 円以下であること ) また 被扶養者の年間収入には 雇用保険の失業等給付 公的年金 健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれます

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平成 28 年 9 月 3 級 FP 技能検定 / 実技試験 < 保険顧客資産相談業務 > 解答と解説 第 1 問 番号 問 1 問 2 問 3 正解 1 2 1 配点 3 点 4 点 3 点 < 問 1> 正解 1 1) が正しい 老齢基礎年金の年金額は 20 歳から 60 歳になるまでの 40 年間保険料を支払った場合に 満額の年金額がもらえるしくみで 未納期間等がある場合には その分年金額が減額され る 具体的な計算式は 下記の通りである 保険料納付済月数 ( 注 2) 満額の老齢基礎年金 ( 注 1) 480 月 ( 注 1) 平成 28 年度価額では 780,100 円 ( 注 2) 国民年金の保険料納付済期間 厚生年金保険の被保険者期間 共済組合の加入期間 の合計 ( ただし 20 歳以上 60 歳未満の期間 ) また 保険料免除期間がある場合 次の期間が分子に加算される 平成 21 年 3 月以前 : 全額免除月数 1/3+3/4 免除月数 1/2+ 半額免除月数 2/3+ 1/4 免除月数 5/6 平成 21 年 4 月以降 : 全額免除月数 1/2+3/4 免除月数 5/8+ 半額免除月数 3/4+ 1/4 免除月数 7/8 A さんの場合 保険料納付済月数は 国民年金の保険料納付済期間 290 月 + 保険料納付 予定期間 127 月 =417 月で 平成 21 年 3 月以前に保険料全額免除期間が 27 月ある 年金額 ( 平成 28 度価額 ) は 次のようになる 417 月 +27 月 1/3 780,100 円 =692,339 円 480 月 < 問 2> 正解 2 1) 適切 国民年金基金は 国民年金の第 1 号被保険者の老齢基礎年金に上乗せする年金を 支給する任意加入の年金制度で 掛金の額は 加入者が選択した給付の型や口数 加入 時の年齢 性別で決まる 1

2) 不適切 国民年金基金の老齢年金には 終身年金と確定年金があるが 終身年金は 65 歳支給開始 確定年金は 65 歳支給開始と 60 歳支給開始の型がある < 国民年金基金の給付の型 > A 型 B 型 Ⅰ 型 Ⅱ 型 Ⅲ 型 Ⅳ 型 Ⅴ 型 65 歳支給 65 歳支給 65 歳支給 65 歳支給 60 歳支給 60 歳支給 60 歳支給 終身年金 (15 年間保証 ) 終身年金 ( 保証期間なし ) 15 年確定年金 10 年確定年金 15 年確定年金 10 年確定年金 5 年確定年金 ( 注 )1 口目は終身年金 2 口目は終身年金 確定年金から選択 3) 適切 国民年金基金の掛金は 月額 68,000 円が限度で その全額が社会保険料控除とし て所得控除の対象となる < 問 3> 正解 1 1) の語句の組み合わせが適切 国民年金の第 1 号被保険者ならびに任意加入被保険者は 国民年金の定額保険料 ( 平成 28 年度は 月額 16,260 円 ) に月額 400 円の付加保険料を上乗せして納めることで 受給する年金額を増やすことができる 付加保険料を納付し 65 歳から老齢基礎年金を受け取る場合 老齢基礎年金の額に 200 円 付加保険料納付済期間の月数 の算式で計算した額が付加年金として上乗せされる 例えば 1 年間付加保険料 (400 円 12 月 =4,800 円 ) を納付すれば 付加年金は 200 円 12 月 =2,400 円となるので 2 年で元が取れるお得な制度だと言える なお 国民年金基金 に加入して掛金を納めた場合は 国民年金の付加保険料を納付することはできない 第 2 問 番号 問 4 問 5 問 6 正解 3 2 3 配点 4 点 3 点 3 点 < 問 4> 正解 3 3) が正しい 必要保障額 = 遺族に必要な生活資金等の総額 - 遺族の収入見込み金額 遺族に必要な生活資金等の総額 1 長男 C さん独立までの生活資金 :25 万円 70% 12 ヵ月 22 年 =4,620 万円 2 長男 C さん独立後の生活資金 :25 万円 50% 12 ヵ月 34 年 =5,100 万円 2

3 A さんの葬儀費用 :300 万円 4 A さん死亡後の住居費 ( 家賃 ) の総額 :4,500 万円 5 長男 C さんの教育資金および結婚援助資金 :1,500 万円 1+2+3+4+5=1 億 6,020 万円 (1) 遺族の収入見込み額 6 死亡退職金見込額と保有金融資産の合計額 :2,300 万円 7 A さん死亡後に妻 B さんが受け取る公的年金等の総額 :6,200 万円 6+7=8,500 万円 (2) 必要保障額 (1)-(2)=1 億 6,020 万円 -8,500 万円 =7,520 万円 < 問 5> 正解 2 1) 適切 団体信用生命保険とは 住宅ローンの返済中にローン契約者が死亡または高度障害になった場合 本人に代わって生命保険会社が その時点の住宅ローン残高に相当する保険金を債権者に支払い ローンが完済となるものである 契約者と保険金の受取人が ローン契約者ではなく金融機関となるのが特徴である 2) 不適切 遺族が遺族年金を受け取るためには 死亡した人と生計が同一で生計維持要件を満たす必要がある 生計維持要件とは 前年の収入が 850 万円未満もしくは所得が 655.5 万円未満である場合 ( この要件に該当しなくても近い将来 ( 概ね5 年以内に ) 該当することが見込まれる場合 ) をいう したがって 少しでも収入があると支給停止になるというのは不適切である 3) 適切 子の教育にかかる費用は進路により大きく異なる 希望する進路をもとに できるだけ具体的な金額で資産をすることが望ましいが まだ子が小さく不確定な場合は 統計データ等を参考に概算額を見積もって できるだけ早期に準備を開始するとよい < 問 6> 正解 3 1) 適切 < 問 4>より必要保障額は 7,520 万円となったが 現在加入している生命保険の死亡保険金額は 500 万円であり 不足していることが分かる 勤務先に保険期間 1 年の任意加入の団体保険があれば 割安の保険料で死亡保障が確保できる可能性がある それ以外にも 様々な選択肢の中からニーズに合致した商品を検討することが望ましい 2) 適切 学資 ( こども ) 保険とは 契約者が親 被保険者が子どもで 満期時や入学等の節目に祝金 ( 学資金 ) を受け取れる商品である 契約者である親が死亡した場合 以降の保険料が免除になるものが一般的である 3) 不適切 生命保険募集人に告知受領権はなく 募集人に対して傷病歴や現在の健康状態を告げても 告知義務を果たしたことにはならない 3

第 3 問 番号 問 7 問 8 問 9 正解 1 2 3 配点 3 点 3 点 4 点 < 問 7> 正解 1 1) が適切 退職所得の金額は ( 収入金額 - 退職所得控除額 ) 1/2 ( 勤続年数が 5 年以下の役員等に対して支払う退職手当等については 1/2 課税の適用はない ) で計算されるが 退職所得控除額は勤続年数に応じて 次のように計算する 勤続年数退職所得控除額 20 年以下 40 万円 勤続年数 20 年超 800 万円 +70 万円 ( 勤続年数 -20 年 ) ( 注 ) 勤続年数は 1 年未満の端数がある場合 切り上げて 1 年とする A さんの役員退職金は 5,000 万円で 役員在任期間 ( 勤続期間 ) が 29 年 6 ヵ月 30 年 なので 退職所得の金額は次のようになる [5,000 万円 -{800 万円 +70 万円 (30 年 -20 年 )}] 1/2=1,750 万円 < 問 8> 正解 2 終身保険において 契約者 死亡保険金受取人が法人 被保険者が役員 従業員の場合 終身保険料は全額 保険料積立金として資産計上する 1) 不適切 全額を定期保険料として損金算入している 2) 適切 3) 不適切 2 分の 1 を定期保険料として損金算入し 2 分の 1 を前払保険料として資産計上している < 問 9> 正解 3 1) 不適切 保険料払込満了時の払込保険料累計額は 7,500 万円 解約返戻金額は 7,900 万円となり 差額の 400 万円は雑収入として経理処理をする 2) 不適切 契約者貸付を利用できる上限は 利用時点での解約返戻金相当額の一定割合 (70 ~90%) である 3) 適切 長男 B さんが死亡した場合 死亡保険金受取人は法人となっており 借入金の返済や運転資金等に活用することができる 4

第 4 問 番号 問 10 問 11 問 12 正解 1 3 2 配点 3 点 3 点 4 点 < 問 10> 正解 1 1) の語句の組み合わせが適切 ⅰ) 青色申告をすることができる者は 不動産所得 事業所得または山林所得 ( ふ じ さん と覚えると良い ) を生ずべき業務を行う者である ⅱ) 事業所得や不動産所得を生ずべき事業を営む青色申告者は その所得に係る取引を正規の簿記の原則により記帳し その記帳に基づいて作成された貸借対照表 損益計算書その他の計算明細書を確定申告書に添付して 法定申告期限内に提出すれば 所得金額から青色申告特別控除として 最高 65 万円 を控除することができる なお 以上の要件に該当しない場合には 10 万円の青色申告特別控除が受けられる ⅲ) 青色申告者が適用を受けられる税務上の特典として 上記の青色申告特別控除 (65 万円 65 万円の適用を受けられないときは 10 万円 ) の適用のほか 青色事業専従者給与の必要経費算入 赤字が生じた場合には 翌年以後 3 年間 の繰越控除 ( 純損失の繰越控除 ) や 純損失の繰戻還付 ( 前年分の所得税還付 ) などがある < 問 11> 正解 3 1) 適切 配偶者控除は配偶者の合計所得金額が 38 万円以下 ( パートによる給与収入金額でいえば 103 万円以下 ) の場合に適用が受けられるが 青色事業専従者として給与の支払を受けている場合には 合計所得金額の多寡にかかわらず 配偶者控除の適用を受けることができない 2) 適切 扶養控除の対象となるのは 1 納税者と生計を一にしている親族 ( 配偶者を除く ) 216 歳以上 3 合計所得金額が 38 万円以下などの要件を満たした場合で 控除額は年齢等に応じて 次のようになっている 区分控除額一般の控除対象扶養親族 (16 歳以上 19 歳未満 23 歳以上 70 歳未満 ) 38 万円特定扶養親族 (19 歳以上 23 歳未満 ) 63 万円老人扶養親族 (70 歳以上 ) 同居老親等以外の者 48 万円同居老親等 ( 注 ) 58 万円 ( 注 ) 同居老親等とは 老人扶養親族のうち 納税者又はその配偶者の直系の尊属 ( 父母 祖父母など ) で 納税者又はその配偶者と常に同居している人をいう 設例の場合 長男 Cさんは 20 歳なので特定扶養親族に該当し 63 万円の扶養控除の適 5

用を受けることができる 3) 不適切 高校生の二男 D さんは 17 歳なので 一般の控除対象扶養親族に該当し 38 万 円の扶養控除の適用を受けることができる < 問 12> 正解 2 2) が正しい 事業所得の金額:500 万円 一時所得の金額契約者 ( 保険料負担者 ) と満期保険金受取人が同一の養老保険 ( 保険期間 20 年 ) の満期保険金は 一時所得となる 一時所得の金額は 総収入金額 - 収入を得るために支出した費用 ( 正味払込済保険料 )- 特別控除 ( 最高 50 万円 ) で計算されるが 設例の場合 満期保険金 220 万円に対して 正味払込済保険料が 240 万円なので 一時所得の金額は赤字となる しかし 一時所得の赤字は損益通算の対象とならないので 事業所得の金額から差し引くことはできない ( 所得がなかったものとして取り扱われる ) 総所得金額したがって 総所得金額は 500 万円となる 第 5 問 番号 問 13 問 14 問 15 正解 1 2 1 配点 3 点 3 点 4 点 < 問 13> 正解 1 1) 適切 公正証書遺言は 作成された遺言書の原本が公証役場に保管されるため 紛失や 改ざんのおそれがなく 安全性が高い遺言といえる < 遺言の種類と特徴 > 遺言の種類 自筆証書遺言 公正証書遺言 秘密証書遺言 作成者 遺言者本人 公証人 遺言者本人 作成方法 本人が遺言の全文 日付 氏名等を書き ( パソコン等は不可 ) 押印する 本人が口述し 公証人が筆記する 本人が, 遺言書 ( パソコン等や代筆も可 ) に署名押印をして封印し, 公証人に提出する 証人 不要 2 人以上 2 人以上 保管 遺言者本人 原本は公証役場 原本を写 遺言者本人 した正本は遺言者本人 検認 必要 不要 必要 6

2) 不適切 死亡保険金の非課税限度額は 500 万円 法定相続人の数 で計算される 設例の場合 法定相続人の数は 妻 Bさん 長女 Cさん 二女 Dさんの 3 人なので 死亡保険金の非課税限度額は 500 万円 3 人 =1,500 万円となる 3) 不適切 契約者 (= 保険料負担者 ) および死亡保険金受取人を長女 Cさん 被保険者を Aさんとした場合 死亡保険金は一時所得として所得税 住民税の課税対象となるので 相続税における死亡保険金の非課税金額の規定を活用することはできない < 問 14> 正解 2 2) が正しい 相続税の基礎控除額は 3,000 万円 +600 万円 法定相続人の数 で算出される Aさんの相続における法定相続人は妻 Bさん 長女 Cさん 二女 Dさんの 3 人であるので 基礎控除額は 3,000 万円 +600 万円 3 人 =4,800 万円 である < 問 15> 正解 1 1) が正しい 相続税の計算において 相続税の総額 までは 誰がどのように相続するかにかかわらず 法定相続分通りに相続したものとみなして次の順序で計算する 1 課税価格の合計額本問では 金額を明らかにしていないが 課税遺産総額 ( 課税価格の合計額 - 基礎控除額 )1 億 7,000 万円が明記されており 基礎控除額 4,800 万円から逆算すると 2 億 1,800 万円となる 2 遺産に係る基礎控除額基礎控除額は 4,800 万円 ( 問 14 参照 ) である 3 課税遺産総額 2 億 1,800 万円 -4,800 万円 =1 億 7,000 万円 ( この金額が設問上の前提条件として記載されている ) 4 相続税の総額 妻 Bさんの相続税の総額の基となる税額 1 億 7,000 万円 1/2=8,500 万円 8,500 万円 30%-700 万円 =1,850 万円 長女 Cさん 二女 Dさんそれぞれの相続税の総額の基となる税額 1 億 7,000 万円 1/2 1/2=4,250 万円 4,250 万円 20%-200 万円 =650 万円 相続税の総額 1,850 万円 +650 万円 2 人 =3,150 万円 7