断面の諸量

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p tn tn したがって, 点 の 座標は p p tn tn tn また, 直線 l と直線 p の交点 の 座標は p p tn p tn よって, 点 の座標 (, ) は p p, tn tn と表され p 4p p 4p 4p tn tn tn より, 点 は放物線 4 p 上を動くこと

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座標軸以外の直線のまわりの回転体の体積 ( バウムクーヘン分割公式 ) の問題の解答 立体の体積の求め方 図 1 の立体の体積 V を求める方法を考えてみる 図 1 図 1 のように 軸の から までの長さを 等分する そして とおく とすると となる 図 1 のように のときの 軸に垂直な平面 に

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第1章 序論

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二等辺三角形の性質 (2) 次の図の の大きさを求めなさい () = P=Q P=R Q 68 R P (2) (3) 五角形 は正五角形 = F 50 F (4) = = (5) === = 80 2 二等辺三角形の頂角の外角を 底角を y で表すとき y を の式で表しなさい y 2-5-2

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1/10 平成 29 年 3 月 24 日午後 1 時 37 分第 5 章ローレンツ変換と回転 第 5 章ローレンツ変換と回転 Ⅰ. 回転 第 3 章光速度不変の原理とローレンツ変換 では 時間の遅れをローレンツ変換 ct 移動 v相対 v相対 ct - x x - ct = c, x c 2 移動

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断面の諸量 建設システム工学科高谷富也

断面 次モーメント 定義 G d G d

座標軸の平行移動 断面 次モーメント 軸に平行な X Y 軸に関する断面 次モーメント G X G Y を求める X G d d d Y 0 0 G 0 G d d d 0 0 G 0

重心 軸に関する断面 次モーメントを G G とし 軸に平行な座標軸 X Y の原点が断面の重心に一致するものとする G G, G G X Y ここで G Y 0, G 0より X G, G

断面 次モーメント 定義 軸に関する断面 次モーメント d d 軸に関する断面相乗モーメント d

座標軸の平行移動 断面 次モーメント X Y 軸に関する断面 次モーメント X Y XY が既知の場合 軸に関する断面 次モーメント を求める d Y 0 d Y d Yd d G 0 0 X 0 X 0 d X 0 d X d Xd d G 0 0 Y 0 Y 0

断面 次モーメント d 座標軸の平行移動 d X Y d 0 0 XYd Yd Xd d 0 0 0 0 G G XY 0 X 0 Y 0 0 座標軸 X Yの原点が断面の重心と一致する場合には G であるので X 0 Y 0 XY 0 0 X G Y 0

座標軸の回転 断面 次モーメント 原点を共有し かつ α の角をもって交わる 組の直交座標軸 および X Y に関する断面 次モーメントの関係を調べる X cos sin, Y sin cos 上式の関係を用いれば 次式が得られる sin cos X Y d d dsin sin cos d dcos cos sin sin

座標軸の回転 断面 次モーメント X cos sin, Y sin cos Y X d cos sin d XY d cos cos sin d d sin sin cos sin cos sin sin cos XYd d cos sin d cos sin d cos sin d sin cos

座標軸の回転 断面 次モーメント 原点を共有し かつ α の角をもって交わる 組の直交座標軸 および X Y に関する断面 次モーメントの関係を調べる X cos sin, Y sin cos 上式の関係を用いれば 次式が得られる Y d cos sin sin X X d sin cos sin Y XY XYd sin cos X Y X Y XY

断面の主軸 断面 次モーメント Y d cos sin sin X X d sin cos sin Y XY XYd sin cos 上式より は α の関数である すなわち 座標軸の回転角の大きさによって 新しい座標軸に関する断面 次モーメントは異なる ある直交座標軸のうち これに関する断面 次モーメントが極大または極小になるような軸を 主軸と言う 主軸に関する断面 次モーメントを主断面 次モーメントと言い これを で表す

断面の主軸 断面 次モーメント 任意のお互いに直角な 軸 に関する より 主軸の方向および主断面 次モーメント を求める 今 が仮に主断面 次モーメントとすれば その方向は次式より定められる cos sin sin cos cos 0 sin cos 0 tan d X d 0 n tan

断面 次モーメント 断面の主軸 今 が 0 となる α を求めると 次式が得られる cos sin sin cos cos 0 これより 主軸に対する断面相乗モーメント は 0 となる =0 として 次式を解けば 主断面 次モーメントが求められる Y d cos sin sin X X d sin cos sin Y XY XYd sin cos,

断面 次モーメント 断面の主軸 主断面 次モーメント が既知の場合 主軸と角度 α をなす図心軸 - に関する断面 次モーメント および相乗モーメント は次式となる cos sin XY sin sin cos

断面の主軸 X cos sin sin XY 断面 次モーメント 今 下左の 式を書き換えると 右式となる sin cos 上式より α を消去すれば次式を得る X XY XY X XY cos sin sin cos 座標軸 X, XY: 中心座標,0, 半径 XY の円 モールの慣性円と言う

例題 8. 図形の図心を求めよ ) 図のように z 軸を設定する解答 8 8 8 6 8 0 G z ) 破線で示すように二つの長方形 に分けて考える 3) 次式を用いると 0 =G z /=( + + + n n )/( + + + n ) z 0 =G /=( z + z + + n z n )/( + + + n ) 3.5 cm 3 8 8 8 8 0 z z G z.5 cm 3 80

例題 8.5 図形の図心を通る軸を z として z を求めよ 解答図 8.8に示す部分図形 について z z0 0 を用いる z z z 8 3.5 8 8 3.5 8 90.7 cm 8 3.5 8 8 3.5 8 6.7 cm

例題 Ⅰ 図形の図心を通る軸を z として 相乗モーメント z を求めて 主軸の方向および主断面 次モーメントを求めよ 解答 z 90.7 cm 6.7 cm z z z (8 ) (.5) (.5) (8 ) (.5) (.5) 0 cm

例題 図形の図心を通る軸を z として 相乗モーメント z を求めて 主軸の方向および主断面 次モーメントを求めよ 解答 z 90.7 cm 6.7 cm z 0 cm ( 0) z 90.7 6.7 z tan tan 30 96', 0 96' z z z 36.7, 90.7 90.7 6.7 90.7 6.7 0 36.7cm 90.7cm

例題 Ⅱ 図形の図心を通る軸を z として 相乗モーメント z を求めて 主軸の方向および主断面 次モーメントを求めよ 9, 00.83 cm, 77.9 7,333.33 cm,.09

演習問題 Ⅰ 図に示す Z 型断面の主軸の方向および主断面 次モーメントを求めなさい 9 5', 99 5', 79 cm, 98cm

演習問題 Ⅰ 解答 36 93, 080cm 3 3 33, 60cm 3 3 cm 8 6 7 08 0086 7 3,67 ( 3, 67), 080, 60 tan tan 9 5', 99 5',850 0,869, 080, 60, 080, 60 3, 67, 79cm 98cm

演習問題 Ⅰ 解答, 080cm,60cm 3,67cm モールの慣性円 9 5' 99 5', 79cm 98cm

演習問題 Ⅱ 図に示す Z 型断面の主軸の方向および主断面 次モーメントを求めなさい 8.8 cm,.8 cm, 55.07cm 6 33', 6 33' 55. cm, 6.9cm

演習問題 Ⅲ 図に示す Z 型断面の主軸の方向および主断面 次モーメントを求めなさい 86.7 cm,.7 cm, 35cm 8 3', 8 3' 360. cm, 38.3cm

演習問題 Ⅳ 図に示す断面の主軸の方向および主断面 次モーメントを求めなさい 6, 50.0 cm, 6,56.5 cm, 8,5cm 53', 77 07' 5,8 cm, 0, 000cm

演習問題 Ⅳ 解答 05 500 00 500 600 cm G G 000 5500,500 cm.500 5500, 750 cm 3 3 G G G.5 cm, G 7.5cm 3 3 50 500 X.5 00.5 500 6, 50cm Y XY 3 3 05 050 8.75 00 3.75 500 6,56.5cm 8.75.500 3.75.5500 8,5cm.

演習問題 Ⅳ 解答 XY tan 0.675 53', X 86, 06 60,56.3 8,5 86, 06 66, 06 Y 5,8, 0, 000 cm XY sin, 53' 0, sin 0より XY 0, 000 cm, 5,8 cm

演習問題 Ⅴ 図に示す断面の主軸の方向および主断面 次モーメントを求めなさい.53, 0.53 3.953559 0 cm,.550 cm 7 7

演習問題 Ⅴ 解答, 600 cm, G 0 cm, G 35, 000 cm 3 3 X Y GY GX X G 3.6 cm, YG 0cm cm cm 7 7. 0, 3.695 0, 0.50 7 7 0.50 tan 0.675 7 7.0 3.6950.53 cm 7 7 7 7 7. 0 3.695 0. 0 3.695 0 0.5 0.73750.8060590 7 7 3.9535590,.550 cm 7 7