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2018年 租税法基礎答練1回

. 減価償却の仕組みを理解する 60 定率法 定額法など減価償却の方法を理解しましょう. 有価証券の整理をする 68 有価証券一覧表に 購入売却のつど その取引内容を記載していくと 決算業務の際に便利です. 受取配当金を集計する 78 有価証券の整理後 受取配当金と源泉所得税を集計し 申告書作成の準

実務特集1. 寄附修正 Ⅰ はじめに グループ法人税制 100% グループ内の法人間での譲渡損益の繰り延べ 100% グループ内の法人間の寄附 ( 以上 2010 年 11 月号 ) 100% グループ内の法人間の寄附 ( 寄附修正 ) 支配関係 完全支配関係の判定 100% グループ内の法人のステ

【問】適格現物分配に係る会計処理と税務処理の相違

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利益積立金額第 10 章税法上の資本の部 第 2 節利益積立金額 利益積立金額とは 法人の所得の金額のうち留保されているものをいう ( 法 21 十八 ) この利益積立金額は 法人の所得として課税済みの金額であり それが株主等に配当等された場合には二重課税の調整を要し また 特定同族会社の留保金課税

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企業会計の利益 法人税法上の所得金額 売上原価販売費一般管理費営業外費用特別損失 売上 営業外収益特別利益 損金の額原価費用損失の額 益金の額 ( 収益の額 ) 当期純利益所得の金額 2 益金の額に算入すべき金額とは何か益金の額に算入すべき金額とは 法人税法の規定や他の法令で 益金の額に算入する 又

このため 法人税法の取扱いでは 収益の計上時期について各法人の任意の取扱いに委ねるのではなく 課税の公平の観点からこれを統一的に取扱うこととしている すなわち 法人が商品等を販売した場合には それによる収益は商品等の 引渡しがあった日 に収益に計上することとしている つまり 商品等の買主への引渡しと

欄記載要領注意事項 役員給与の損金不算入額 8 加算 の 10 1 と 留保 2 に記載します ロ納税充当金で消却した場合この明細書には記載しないで 別表五 ( 一 ) において 前期から繰り越された 仮払税金 の 減 2 にその消却した金額を 印を付して記載するとともに 納税充当金 27 の 減

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3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

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余金の額の減少に伴うものを除きます 以下同じです ) 若しくは利益の配当又はいわゆる中間配当 ( 資本剰余金 の額の減少に伴うものを除きます 以下同じです ) を した場合には その積立金の取崩額を 減 2 に記載するとともに 繰越損益金 26 の 増 3 の金額に含まれることになります なお この

別表五(一) 利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書

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Z-64-A 簿記論〔第一問〕-解 答-

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作成する申告書 還付請求書等の様式名と作成の順序 ( 単体申告分 ) 申告及び還付請求を行うに当たり作成することとなる順に その様式を示しています 災害損失の繰戻しによる法人税 額の還付 ( 法人税法 805) 仮決算の中間申告による所得税 額の還付 ( 法人税法 ) 1 災害損失特別勘

「平成20年版 法人税申告書の記載の手引」別表五(一)

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

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精算表 精算表とは 決算日に 総勘定元帳から各勘定の残高を集計した上で それらに修正すべき処理 ( 決算整理仕訳 ) の内 容を記入し 確定した各勘定の金額を貸借対照表と損益計算書の欄に移していく一覧表です 期末商品棚卸高 20 円 現金 繰越商品 資本金 2

株 主 各 位                          平成19年6月1日

第1章 簿記の一巡

損金経理と積立金経理の違い ( 圧縮超過額がない場合の基本構造 ) 例 A 社は 50の国庫補助金を得て 100で機械を取得した なお A 社の経常利益は 100 である * 仕訳の違い ( 単位 : 百万円 ) 損金経理積立金経理 補助金受贈と機械取得時の仕訳 ( 両者とも同じ ) 現金預金 50

に相当する金額を反映して分割対価が低くなっているはずですが 分割法人において移転する資産及び負債の譲渡損益は計上されませんので 分割法人において この退職給付債務に相当する金額を損金の額とする余地はないこととなります (2) 分割承継法人適格分割によって退職給付債務を移転する場合には 分割法人の負債

平成23年度税制改正の主要項目

法人による完全支配関係下の寄附金 1.100% グループ内の法人間の寄附 ( 法法 372) 現行税制上では 寄附金は支出法人では損金計上限度額を超える部分が損金不算入 受領法人では益金算入です 平成 22 年度税制改正により 100% グループ内での支出法人では寄附金全額を損金不算入とし 受領法人

会社税務のてびき目次 平成 28 年度 法人税関係税制改正のポイント 1 1 法人税は何にかかるか? 3 2 収益は どの時点で計上するか? 8 3 配当金を受け取ったときは? 15 4 売上原価を求める方法 19 5 売却した有価証券の損益を求める 24 コラム 1 社長が会社にお金を貸していたら

連結貸借対照表 ( 単位 : 百万円 ) 当連結会計年度 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) 資産の部 流動資産 現金及び預金 7,156 受取手形及び売掛金 11,478 商品及び製品 49,208 仕掛品 590 原材料及び貯蔵品 1,329 繰延税金資産 4,270 その他 8,476

Microsoft Word - メルマガQ&A(23.8.1問2)利益剰余金の資本組入(父確認中)

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1―3

CONTENTS 第 1 章法人税における純資産の部の取扱い Q1-1 法人税における純資産の部の区分... 2 Q1-2 純資産の部の区分 ( 法人税と会計の違い )... 4 Q1-3 別表調整... 7 Q1-4 資本金等の額についての政令の規定 Q1-5 利益積立金額についての政

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第4期 決算報告書

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答 第 1 問 (20 点 ) 仕訳 1 組につき 4 点 仕 訳 借方科目金額貸方科目金額 1 仕 入 130,000 受 取 手 形 当 座 預 金 100,000 30,000 2 買掛金 500,000 売掛金当座預金 100, ,000 3 有価証券 490,000 現金 49

第一問 -50 点 - 問 1 (25 点 ) (1) について (15 点 ) 概要 次の規定の適用を受ける場合には 納税義務が課されることとなる 1. 課税事業者の選択 2. 特定期間における課税売上高による納税義務の免除の特例 3. 新設法人の納税義務の免除の特例 4. 特定新規設立法人の納税

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

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平成28年度 第143回 日商簿記検定 1級 会計学 解説

とともに 繰越損益金 26 の 増 3 の金額に含まれることになります なお この場合に会社法第 445 条第 4 項の規定により積み立てた剰余金の配当に係る利益準備金の額は 利益準備金 1 の 増 3 に記載します ⑸ 平成 22 年 10 月 1 日以後に適格合併に該当しない合併により完全支配関

第28期貸借対照表

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スライド 1

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

2. 中小企業のための主な優遇制度 注 : 各項目に付記している番号は 関連する参考資料です 番号に対応する資料名などは 5~6 ページに掲載していますのでご参照ください [1] 中小法人等 に適用される主な優遇制度 紙面の都合により ここでは制度の種類と それに関連する参考資料の番号を紹介していま

ワコープラネット/標準テンプレート

貸借対照表 平成 28 年 3 月 31 日現在 ( 単位 : 千円 ) 科 目 金 額 科 目 金 額 資産の部 負債の部 流動資産 (63,628,517) 流動負債 (72,772,267) 現金及び預金 33,016,731 買掛金 379,893 売掛金 426,495 未払金 38,59

貸借対照表 (2019 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 千円 ) 科目 金額 科目 金額 ( 資産の部 ) ( 負債の部 ) 流動資産 3,784,729 流動負債 244,841 現金及び預金 3,621,845 リース債務 94,106 前払費用 156,652 未払金 18,745

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

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会計上の当期利益 + 加算調整項目 - 減算調整項目 = 税法上の課税所得 加算調整項目 : 税法上の課税所得の方が大きくなるため, 会計上の利益に加算する項目 減算調整項目 : 税法上の課税所得の方が小さくなるため, 会計上の利益に減算する項目 < 申告調整項目 > 1 益金算入 会計上は収益とし

Microsoft Word - 6回引当金.doc

【表紙】

第 151 回日商簿記 2 級解答解説 第 1 問 実教出版株式会社 解答 仕 訳 借方科目金額貸方科目金額 現 金 8,500,000 車両減価償却累計額 760,000 1 商 品 6,100,000 本 店 17,640,000 車 両 3,800,000 2 その他有価証券 2,000,00

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野村アセットマネジメント株式会社 2019年3月期 個別財務諸表の概要 (PDF)

前期に販売した商品を当期に修理する場合 前期末に設定した商品保証引当金を取り崩 す つまり借方に商品保証引当金を 50,000 計上する 差額の 30,000 は商品保証費とする (3) 資本金 資本準備金の問題当座預金に払い込まれた金額は次のように計算される 2,000 株 4,000 = 8,0

1―3

営 業 報 告 書

科目 期別 損益計算書 平成 29 年 3 月期自平成 28 年 4 月 1 日至平成 29 年 3 月 31 日 平成 30 年 3 月期自平成 29 年 4 月 1 日至平成 30 年 3 月 31 日 ( 単位 : 百万円 ) 営業収益 35,918 39,599 収入保証料 35,765 3

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

Ⅰ はじめに グループ法人税制 100% グループ内の法人間での譲渡損益の繰り延べ 100% グループ内の法人間の寄附 ( 以上 本号 ) 100% グループ内の法人間の寄附 ( 承前 ) 支配関係 完全支配関係の判定 100% グループ内の法人のステータス 100% グループ内の法人からの受取配当

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〔第一問〕―50点―

連結会計入門 ( 第 6 版 ) 練習問題解答 解説 練習問題 1 解答 解説 (129 頁 ) ( 解説 ) S 社株式の取得に係るP 社の個別上の処理は次のとおりである 第 1 回取得 ( 平成 1 年 3 月 31 日 ) ( 借 )S 社株式 48,000 ( 貸 ) 現預金 48,000

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

野村アセットマネジメント株式会社 平成30年3月期 個別財務諸表の概要 (PDF)

日商簿記2級 第1問 仕訳問題類題 解答セット

繰越損益金 26 欄記載要領注意事項 定により積み立てた剰余金の配当に係る利益準記載した金額を 当期の備金の額は 利益準備金 1 の 増 3 に記載増減 の 増 3 に 印します を付して記載します ( そ ⑷ 平成 22 年 10 月 1 日以後に適格合併に該当しの積立額は 翌期においない合併によ

法人税 faq

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

第 138 回日商簿記 3 級解答解説 第 1 問 実教出版株式会社 仕 訳 借 方 科 目 金 額 貸 方 科 目 金 額 1 売買目的有価証券 1,970,000 未 払 金 1,970,000 2 備品減価償却累計額 70,000 備 品 150,000 現 金 20,000 固定資産売却損

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)


PowerPoint プレゼンテーション

1. みなし配当とは? A Q1. みなし配当の定義とみなし配当が生じる取引について教えてほしい みなし配当とは 以下 1~6 の事由により法人が株主へ金銭等の交付を行った場合において その交付金銭等の合計額がその法人の資本金等の額又は連結個別資本金等の額のうち交付の基因となった株式に対応する部分を

連結の補足 連結の 3 年目のタイムテーブル B/S 項目 5つ 68,000 20%=13,600 のれん 8,960 土地 10,000 繰延税金負債( 固定 ) 0 利益剰余金期首残高 1+2, ,120 P/L 項目 3 つ 少数株主損益 4 1,000 のれん償却額 5 1,1

科目印収納科目一覧

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第10期

( 資産の部 ) ( 負債の部 ) Ⅰ 特定資産の部 1. 流動負債 366,211,036 1 年内返済予定 1. 流動資産 580,621,275 特定社債 302,000,000 信託預金 580,621,275 事業未払金 2,363, 固定資産 6,029,788,716 未払

128 Z E I K E I T S U S H I N 10. 3

第 3 期決算公告 (2018 年 6 月 29 日開示 ) 東京都江東区木場一丁目 5 番 65 号 りそなアセットマネジメント株式会社 代表取締役西岡明彦 貸借対照表 (2018 年 3 月 31 日現在 ) 科目金額科目金額 ( 単位 : 円 ) 資産の部 流動資産 負債の部 流動負債 預金

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2018年 租税法基礎答練1回

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

財務諸表 金融商品取引法第 193 条の 2 第 1 項の規定に基づき 当社の貸借対照表 損益計算書 株主資本等変動計算書及び附属明細表については 有限責任あずさ監査法人の監査証明を受けております 貸借対照表 科目 ( 資産の部 ) 流動資産 平成 27 年度末平成 28 年 3 月 31 日現在

Transcription:

第 66 回税理士試験 解答速報 法人税法 本解答は平成 28 年 8 月 12 日 12 時 30 分に学校法人大原学園が独自に作成したもので 予告なしに内容を変更する場合があります また 本解答は学校法人大原学園が独自の見解で作成 / 提供しており 試験機関による本試験の結果等について保証するものではありません 本解答の著作権は学校法人大原学園に帰属します 無断転用 転載を禁じます

本試験模範解答 法人税法 第一問 問 1 A 社の税務上の処理についての法的な理由 考え方 (20 点 ) 1 益金の額の意義 (2 点 ) 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上その事業年度の益金の額に算入すべき金額は 別段の定めがあるものを除き 資産の販売 有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供 無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係るその事業年度の収益の額とする 2 損金の額の意義 (2 点 ) 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上その事業年度の損金の額に算入すべき金額は 別段の定めがあるものを除き 次の額とする その事業年度の収益に係る売上原価 完成工事原価その他これらに準ずる原価の額のほか その事業年度の販売費 一般管理費その他の費用 ( 償却費以外の費用でその事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く ) の額その事業年度の損失の額で資本等取引以外のもの 3 税務処理 (16 点 ) カード発行時に会員から受け取る代金及び追加のチャージ代金は 換金及び払戻しは行われないことから権利が確定しているため カードを利用しなくても収益は確定していると解すべきである したがって カードの発行時及びチャージ時に収益計上すべきであり 収益との個別対応により原価の見積計上は認められる なお 手数料は利用額に応じて支払うこととされているため 未利用分の収益については確定したと解すべきではない 線部分 4 点線部分各 2 点 -1-

問 2 (30 点 ) 1 テレビ CM 費用の処理 ( 仕訳 2 点 理由 8 点 ) 借方貸方項目金額項目金額建設仮勘定 5,000,000 円現金預金 8,000,000 円前払金 3,000,000 円 ( 法的な理由 考え方 ) 当期の平成 28 年 6 月 10 日において小切手で支払ったテレビ CM 費用の合計額 8,000,000 円は 翌期の平成 28 年 7 月 20 日から 2ヶ月間放映されることから 広告効果は翌期以降に限定され 当期において費用性を有しないと考えられる 2 法人税法上 CMの制作に直接要した費用の額 5,000,000 円 ( タレントの出演料 3,000,000 円及び CM 制作費用 2,000,000 円の合計額 ) は 減価償却資産 ( 器具及び備品 : 法定耐用年数 2 年 ) に該当する 2が 事業供用日は放映時であると解されることから 当期末において事業の用に供されていないと考え 減価償却資産以外の資産として取り扱う 2こととなる なお 当該資産は 事業の用に供した翌期において少額減価償却資産 ( 使用可能期間が1 年未満 ( 放映期間 2ヶ月 )) として 損金の額に算入されることとなる 一方 テレビ局に支払われる広告料 3,000,000 円は 前払金として資産計上 2することとなる 2 見本品の製作費用の処理 ( 仕訳 1~2 行目 1 点 3 行目 1 点 理由 8 点 ) 借 方 貸 方 項 目 金額 項 目 金額 現 金 預 金 1,000,000 円 見 本 品 4,000,000 円 繰 延 資 産 3,000,000 円 繰延資産償却費 50,000 円 繰 延 資 産 50,000 円 ( 法的な理由 考え方 ) 見本品として製作した費用 4,000,000 円は 販売特約店において見本品として展示することで新製品の販売促 進に繋がる広告効果が発生 1 し 法定耐用年数が 10 年である 1 ことから その支出の効果は支出日以後 1 年以上 に及ぶと考えられる 2 したがって 当該製作費用 4,000,000 円から譲渡価額として収受した 1,000,000 円を控除 した金額 3,000,000 円は 広告宣伝用資産の贈与費用として繰延資産に該当する 2 と考えられる なお 繰延資産の償却については 償却費として損金経理した金額のうち償却限度額に達するまでの金額が当 期の損金の額に算入される 2ことから 償却限度額に相当する金額の償却処理を行う 償却限度額 償却期間 10 年 7 10 =7 年 >5 年 5 年償却限度額 3,000,000 円 1 月 =50,000 円 12 月 5 年 -2-

保険料の処理 ( 仕訳 2 点 理由 8 点 ) 借方貸方 項目金額項目金額保険料 200,000 円現金預金 200,000 円 ( 法的な理由 考え方 ) 損害保険契約に係る保険料は 当該契約を締結しただけでは 債務確定しているとはいえず 保険期間の経過 に従って債務確定する 2 ため 契約日の属する事業年度において保険料の全額を損金の額に算入することはできない したがって 当期に支払った保険料 (200,000 円 ) のうち 当期に対応する部分 (1,200,000 円 11 日 365 日 = 36,164 円 ) が保険料として損金の額に算入され 残額 (163,836 円 ) は前払費用として取扱う 2 こととなる 一方 本問の場合は保険期間が 1 年以下であり 支払日から 1 年以内に提供を受ける役務に係るものに該当する ため 支払額を継続して支払日の属する事業年度の損金の額に算入している場合 2 には 短期前払費用として 支払額 (200,000 円 ) が保険料として当期の損金の額に算入される 2-3-

第二問 ( 問 1) 区 分 総 1 額 計算欄 当期利益又は当期欠損の額 1 154,209,000 円 損金経理をした法人税及び地方法 2 8,000,000 人税 ( 附帯税を除く ) 2 損金経理をした道府県民税 ( 利子 2 2,450,000 650,000+1,800,000=2,450,000 割額を除く ) 及び市町村民税 3 損金経理をした道府県民税利子割額 加 4 損金経理をした納税充当金 5 2 28,000,000 損金経理をした附帯税 ( 利子税を 除く ) 加算金 延滞金 ( 延納分 6 を除く ) 及び過怠税 減価償却の償却超過額 39,362,501 機械装置 1 償却限度額 機械装置に関する資料が (3,000,000+2,500,000) 0.500 7 12 D5 頁及び D8 頁に重複してお =1,604,166 算 り 取得価額及び耐用年数の 2 償却超過額 ( 注 ) 相違から下記の別解などが想 (700,000+2,500,000)-1=1,595,8341 定されます ( 注 ) 3,000,000 0.400 7 12 =700,000 7 別解 1 1,916,667 建物附属設備 ( 資本的支出 ) 別解 2 2,354,167 1 償却限度額 別解 3 2,675,000 40,000,000 0.067 10 12 =2,233,333 2 償却超過額 40,000,000-1=37,766,6673 + =39,362,501-4-

役員給与の損金不算入額 3 270,000 900,000 (100%-70%)=270,000 8 交際費等の損金不算入額 9 加 貸倒引当金繰入超過額 ( 一括評価 ) 10 3 440,000 繰入限度額 (38,500,000+124,000,000 当期に申立てが行われてい +150,000,000-5,000,000) 8 1,000 る場合には次の金額となりま =2,460,000 す 別解 520,000 繰入超過額 2,900,000- =440,000 貸倒引当金繰入超過額 ( 個別評価 ) 3 4,800,000 繰入限度額 0 別解 200,000( 切捨て ) 繰入超過額 (7,700,000-2,900,000)-0 =4,800,000 算 K 社株式評価損損金不算入額 3 3,000,000 32,000,000-29,000,000=3,000,000 先物利益計上もれ 2 3,200,000 (A 社株式 ) 50,000,000 (800 株 -800 株 10%)-45,000,000 800 株 = 0 調整なし 2 小計 11 89,522,501 減価償却超過額の当期認容額 減 12 算 -5-

納税充当金から支出した事業税等 2 5,000,000 24,080,000-19,080,000=5,000,000 の金額 13 受取配当等の益金不算入額 2 1,125,326 受取配当等の額 1 完全子法人株式等 900,000 総資産の簿価について 貸 2 関連法人株式等 157,500 1 倒引当金が控除表示かの明示 3 非支配目的株式等 480,000 がないことから 貸方表示の 控除負債利子 ( 原則法 ) 14 可能性もあります したがって 総資産の簿価に加算しない解答も別解として考えられます 別解 1,125,240 1 支払利子総額 3,260,100+132,450=3,392,5501 2 株式等の簿価 12,600,000+12,600,000=25,200,000 3 総資産の簿価 減 1,504,336,000+1,520,791,000 +1,600,000+7,700,000=3,034,427,000 4 控除額 1 2 3 =28,174 益金不算入額 900,000+(157,500-28,174) +480,000 20%=1,125,326 外国子会社から受ける剰余金の配 当等の益金不算入額 15 算 受贈益の益金不算入額 16 適格現物分配に係る益金不算入額 17 法人税等の中間納付額及び過誤納 に係る還付金額 18 所得税額等及び欠損金の繰戻しに よる還付金額等 19 仮払税金認定損 3 13,450,000 8,000,000+650,000+1,800,000+3,000,000 20 =13,450,000-6-

譲渡損益調整勘定繰入額 3 250,000,000 400,000,000-150,000,000=250,000,000 時価ヘッジに伴う損金算入額 2 3,000,000 減 算 小計 21 272,575,326 仮計 22 28,843,825 関連者等に係る支払利子等の損金不算 入額 23 超過利子額の損金算入額 24 仮計 25 28,843,825 寄附金の損金不算入額 1 250,542,774 その他 2,000,0001 26 完全支配関係 250,000,0001 ( -1,457,226)+ =250,542,774 法人税額から控除される所得税額 2 313,958 183,780+32,162+98,016=313,958 29 税額控除の対象となる外国法人税の額 30 合計 33 222,012,907 参考 {(100,000,000 12 12 2.5 1,000 )+( 28,843,825+2,000,000+250,000,000) 2.5 100 } 1 4 =1,457,226-7-

契約者配当の益金算入額 34 非適格合併又は残余財産の全部分配等 による移転資産等の譲渡利益額又は譲 36 渡損失額 差引計 37 222,012,907 欠損金又は災害損失金等の当期控除額 38 総計 39 222,012,907 新鉱床探鉱費又は海外新鉱床探鉱費の 特別控除額残余財産の確定の日の属する事業年度に係る事業税の損金算入額 40 46 所得金額又は欠損金額 47 222,012,907 ( 問 2 ) C 社の当期末における土地の帳簿価額 5 400,000,000 円 -8-

合格ラインの読み 今年の本試験は 理論 計算のボリュームは共に少なく 個々の解答の判断において 比較的時間を要する問題でした 理論については 解釈問題のみの出題となり 判断が容易ではない問題が出題されました 別段規定に関する問いの出題はありませんでした 計算については 昨年と同様の出題形式となりました 個々の内容は平易な項目が多く出題されていましたが 資料の読み取りが困難な箇所も見受けられました 以下 各問の合格ラインについて簡単に触れることにします 第一問 本年度の理論は 2 問構成で実務執行上の取扱いを中心に問う難易度の高い問題になります 個々の解答量は少ないものの 題意を読み取り解答骨子を探るのに時間を要する問題でした 問 1は チャージ式プリペイドカードを発行した法人におけるチャージ代金及び加盟店から徴収する手数料に係る益金の額及び損金の額の帰属時期について それぞれの意義を示した上で 相談者の質問事項を糸口に解答させる問題になります チャージ代金 手数料ともに収益の権利確定の観点から結論を導き出すことがポイントとなります 問 2は 決算期直前に支払った各種費用についての税務上の取扱いを問う問題になります の広告宣伝のために支出した金額のうち 1 テレビ CM 費用 については 仕訳及び法的な理由 考え方を正答することは困難である一方 2 見本品の製作費用 については 繰延資産に該当するという判断 分析は解答可能であると思われます また の事業用資産の損害保険契約に係る保険料については 総額又は支出額のいずれで認識すべきか? 期間対応又は一時損金化のいずれで認識すべきか? を複合的に判断させる難易度の高い問題のため 法的な理由 考え方については 部分点をいかに獲得できたかがポイントとなります 第二問 本年度の計算は 当期分の課税所得金額 ( 別表四 ) を求める問題が中心でした また 個別問題として完全支配関係がある子会社へ土地を譲渡した場合の当該子会社における帳簿価額を求めさせる内容も含まれていました なお コメントについては 特段指示が入っていなかったため 積極的な解答をする必要はなかったものと思われます 解答してほしい項目としては 租税公課 譲渡損益調整資産 受取配当等 所得税額控除 貸倒引当金 冷暖房設備 C 社における土地の帳簿価額の計算が挙げられます 総じて基本的な項目を正確に解答できたかが合否の分かれ目になると思われますが その他の項目として 役員給与 デリバティブ取引については 解答できれば有利になると思われます なお デリバティブ取引については繰延ヘッジによる処理も考えられますが 出題の意図を鑑みて時価ヘッジによる処理を模範解答としております また 貸倒引当金 A 社株式 寄附金の処理については 計算欄のスペースを考慮し 計算過程を簡略化しております ボーダーラインは理論 20 点 計算 36 点 合計 56 点前後になると思われ 合格確実ラインは理論 25 点 計算 41 点 合計 66 点前後になると思われます -9-

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