MA2011-9 船舶事故調査報告書 平成 23 年 9 月 30 日 運輸安全委員会
( 東京事案 ) 1 旅客船龍宮城乗組員死亡 2 プレジャーボートかいきょう丸プレジャーボートこくら丸衝突 3 遊漁船しぶさき10 号沈没 4 遊漁船はなぶさ釣り客負傷 5 モーターボートKaiser 衝突 ( 係船杭 ) 6 漁船若栄丸小型兼用船福寿丸衝突 7 遊漁船一福丸モーターボート可奈丸衝突 ( 地方事務所事案 ) 函館事務所 8 漁船第 85 永寶丸プレジャーボート幸福丸衝突 9 漁船睦丸プレジャーボート悠悠 Ⅱ 衝突 10 漁船第 8 昌喜丸漁船第八栄光丸衝突 11 漁船第一広漁丸乗組員負傷 12 漁船第二十八大光丸乗組員死亡 横浜事務所 13 砂利採取運搬船第五順徳丸油タンカー第一豊顕丸衝突 14 水上オートバイGTX4-TEC SC-L 水上オートバイ4TEC-L 衝突 15 水上オートバイリュー号同乗者死亡 16 ミニボート ( 船名なし ) 操縦者死亡 17 旅客船オーシャンループ沈没 18 砂利運搬船兼貨物船第六十五天神丸油タンカー第十二富士丸乗組員負傷 19 漁船幸雄丸乗揚 20 漁業調査船若鷹丸乗船者負傷 21 貨物船 STAR HANSA 衝突 ( 岸壁 ) 22 油タンカー第二十八龍洋丸漁船乾正丸衝突 23 漁船第二十一稲荷丸乗組員死亡 24 水上オートバイトミオカ1200XL-L 水上オートバイボビー衝突 25 ケミカルタンカー第二英明丸乗揚 神戸事務所 26 モーターボートアプト衝突 ( 定置網 ) 27 モーターボート富士丸ゴムボート ( 船名なし ) 衝突 28 引船第七よし丸はしけ M 503モーターボートTAKUO 衝突 29 漁船松保丸乗組員死亡
30 モーターボートEBISUMARU 乗組員行方不明 31 砂利運搬船明盛丸乗組員死亡 32 漁船第五天女丸乗組員死亡広島事務所 33 引船山陽台船植田 1001 乗組員死亡 34 旅客船ニュービサン衝突 ( 桟橋 ) 35 貨物船 GUO SHUN 漁船雲霧丸衝突 36 ケミカルタンカー第二英明丸乗組員死亡 37 旅客フェリー第八きりくし衝突 ( 桟橋 ) 38 貨物船第八明神丸衝突 ( 岸壁 ) 39 漁船海福丸乗揚門司事務所 40 貨物船 SITC DALIAN 油送船第十八宮丸衝突 41 セメント運搬船第二神陽丸漁船早吸丸衝突 42 漁船富士丸漁船幸進丸衝突 43 旅客フェリー第十六櫻島丸旅客負傷 44 漁船宮地丸モーターボート豊丸衝突 45 砂利石材運搬船晃昇丸作業船こうしょう転覆 46 漁船信豊丸衝突 ( 防波堤 ) 47 遊漁船寿丸プレジャーモーターボート清流衝突 48 プレジャーモーターボートWingⅡ 衝突 ( 防波堤 ) 49 水上オートバイブラックパール衝突 ( 消波ブロック ) 50 砂利石材等運搬船第七運栄丸乗組員死亡 51 漁船第三十二幸心丸乗揚 52 油送船 NIPPON 漁船第二十七豊徳丸衝突長崎事務所 53 漁船第一長運丸乗揚 54 漁船第八十八大吉丸乗揚 55 漁船昌丸モーターボート松栄丸衝突那覇事務所 56 旅客船くいぬぱな火災
本報告書の調査は 本件船舶事故に関し 運輸安全委員会設置法に基づき 運輸安全委員会により 船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し 事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり 事故の責任を問うために行われたものではない 運輸安全委員会 委員長 後藤昇弘
参考 本報告書本文中に用いる分析の結果を表す用語の取扱いについて 本報告書の本文中 3 分析 に用いる分析の結果を表す用語は 次のとおりとする 1 断定できる場合 認められる 2 断定できないが ほぼ間違いない場合 推定される 3 可能性が高い場合 考えられる 4 可能性がある場合 可能性が考えられる 可能性があると考えられる
35 貨物船 GUO SHUN 漁船雲霧丸衝突
船舶事故調査報告書 平成 23 年 8 月 25 日 運輸安全委員会 ( 海事専門部会 ) 議決 委 員 横山鐵男 ( 部会長 ) 委 員 山本哲也 委 員 石川敏行 事故種類衝突発生日時平成 23 年 1 月 3 日 06 時 24 分ごろかみのせきいわい発生場所山口県上関町祝島南西方沖上関町所在のホウジロ灯台から真方位 273 5.0 海里付近 ( 概位北緯 33 44.3 東経 131 55.0 ) 事故調査の経過平成 23 年 1 月 5 日 本事故の調査を担当する主管調査官 ( 広島事務所 ) ほか1 人の地方事故調査官を指名した 原因関係者から意見聴取を行った 事実情報グオシュン船種船名 総トン数 A 貨物船 GUO SHUN( ベリーズ籍 ) 1,998トン船舶番号 船舶所有者等 9376672(IMO 番号 ) HONGKONG GUOSHUN SHIPPING CO.,LTD L B D 船質 87.80m 13.80m 7.45m 鋼機関 出力 進水等ディーゼル機関 1,471kW 不詳くもきり B 漁船雲霧丸 4.89トン YG3-29653( 漁船登録番号 ) 個人所有 10.45m(Lr) 2.36m 1.02m 木ディーゼル機関 77kW 昭和 43 年 11 月 5 日乗組員等に関する情報 A 航海士 A( 中華人民共和国籍 ) 男性 50 歳締約国資格受有者認定証一等航海士 ( 総トン数 500~3,000 トン級 ベリーズ発給 ) 死傷者等 損傷 事故の経過 交付年月日 2006 年 9 月 26 日 B 船長 B 男性 72 歳一級小型船舶操縦士 特殊小型船舶操縦士 特定 なし 免許登録日昭和 50 年 4 月 14 日 免許証交付日平成 21 年 6 月 23 日 ( 平成 26 年 8 月 19 日まで有効 ) A 右舷中央部外板に擦過傷 B 船首のカンヌキ及び巻き揚げローラー等が折損 A 船は 船長 Aほか10 人が乗り組み 鋼板約 3,046t を積載し 航海士 Aが 船橋当直に就き 航海灯を表示し 伊予灘祝島南西沖の伊予灘航路第 3 号灯浮標 ( 以下 灯浮標については 伊予灘航路 を省略する ) と第 2 号灯浮標の間の推薦航路の進行方向の右側を針路約 282 ( 真方位 以下同じ ) 及び速力約 9.5ノット (kn)( 対地速力 以下同じ ) で自動操舵により航行した 航海士 Aは B 船と接近していることに気付かず 同じ針路及び速力で西進中 第 2 号灯浮標付近においてA 船の右舷中央部とB 船の右舷船首部とが - 1 -
衝突した A 船は 航海士 Aが衝突に気付かずに航行を続け 山口県徳山下松港沖に おいて巡視船により発見されて停船を命じられた B 船は 船長 B が 1 人で乗り組み 山口県周 しゅうなん すくも 南市粭大島漁港を出港し て祝島西方のふぐはえ縄漁の漁場に到着後 平成 23 年 1 月 3 日 05 時 30 分ごろ 針路約 113 及び速力約 2.0kn で自動操舵により航行しながら 投縄を開始した 船長 Bは 投縄を始めるに当たり 船首マストに白色全周灯 両舷灯及び 船尾灯を表示するとともに 船尾マストの黄色回転灯及び作業灯を点灯し 正月でもあり通航船舶はほとんどいないと思い 操舵室右舷後方で船尾方に 向いて座り 目視やレーダーによる見張りを行わずに東南東進しながら釣針 に餌のいわしを付けて投縄することに専念した 船長 Bは A 船と接近していることに気付かず 同じ針路及び速力で投縄 中 平成 23 年 1 月 3 日 06 時 24 分ごろ A 船と衝突した 船長 Bは 06 時 37 分ごろ海上保安庁に118 番通報した 気象 海象 気象 : 天気晴れ 風向北西 風速 2.0m/s 気温 -0.5 海象 : 海上平穏 潮汐上げ潮の中央期 潮流北北西流約 0.5kn 日出時刻 :07 時 16 分ごろ その他の事項 船舶自動識別装置 (AIS) の情報記録によるA 船の運航状況は 付表 1 のとおりであった ( 付表 1 AISの情報記録参照 ) A 船は 船橋当直を00 時 ~04 時が二等航海士 04 時 ~08 時が一等 航海士及び08 時 ~12 時が船長の4 時間交替の3 直制としていた 航海士 Aは 事故発生海域を航行した経験があり 事故当時 レーダー 1 台を作動させていた B 船は ふぐはえ縄漁に従事しており 底はえ縄と称する漁具は 長さ約 じょう 1,000mの1 縄に約 8m 間隔で釣針を120 個取り付け 全部で17 縄を投縄する予定であったが 5 縄目を投縄中にA 船と衝突した 船長 Bは 救命胴衣を着用していた 分析 乗組員等の関与船体 機関等の関与気象 海象の関与判明した事項の解析 ありなしなし A 船は 祝島南西方沖を西進中 航海士 Aが 適切な見張りを行っていなかったことから 前路を左方に横切って接近するB 船に気付かず 同じ針路及び速力で航行し B 船と衝突したものと考えられる B 船は 祝島南西方沖においてはえ縄を投入しながら東南東進中 船長 Bが 正月でもあり通航船舶はほとんどいないと思い込み 操舵室右舷後方で船尾方に向いて座り 釣針に餌を付けて投縄することに意識を集中し 適切な見張りを行っていなかったことから 同じ針路及び速力で航行し A 船と衝突したものと考えられる 航海士 Aは B 船と衝突したことに気付かなかっ - 2 -
原因 たことから 適切な見張りを行っていなかったものと考えられるが 具体的な見張りの状況を明らかにすることはできなかった A 船のAISの情報によれば A 船は 針路約 282 で航行中 06 時 20 分ごろから船首方位及び対地針路が左に振れ始め 06 時 23 分 57 秒には船首方位が269 及び対地針路が272. 2 となり その後は 船首方位及び対地針路が右に振れ 06 時 32 分 29 秒には船首方位が28 1 となってほぼ元の船首方位に戻っているが その間に船首方位が左に変化した理由については 航海士 Aから十分な情報が得られなかったことから 明らかにすることはできなかった 本事故は 夜間 祝島南西方沖において A 船が西進中 B 船がはえ縄を投入しながら東南東進中 両船が適切な見張りを行っていなかったため 両船が衝突したことにより発生したものと考えられる - 3 -
付表 1 AIS の情報記録 時刻 船位 船首方位 対地針路 対地速力 ( 時 - 分 - 秒 ) 北緯 ( 度 - 分 - 秒 ) 東経 ( 度 - 分 - 秒 ) ( ) ( ) (kn) 06:15:07 33-43-58.5 131-56-49.5 281 282.6 9.7 06:18:07 33-44-04.7 131-56-11.5 281 281 9.8 06:19:07 33-44-07.2 131-56-00.1 282 285.8 9.8 06:20:18 33-44-09.8 131-55-46.8 275 279.9 9.7 06:21:07 33-44-11.0 131-55-37.2 278 279 9.8 06:22:07 33-44-13.0 131-55-25.7 279 283.3 9.8 06:23:16 33-44-14.8 131-55-12.3 272 276.8 9.7 06:23:57 33-44-15.3 131-55-04.6 269 272.2 9.6 06:24:16 33-44-15.4 131-55-00.7 270 271.9 9.7 06:25:09 33-44-15.9 131-54-50.6 269 272.2 9.6 06:28:09 33-44-19.9 131-54-15.8 275 278.6 9.7 06:30:08 33-44-22.7 131-53-52.5 276 279.7 10.0 06:32:29 33-44-25.9 131-53-24.4 281 279.5 10.1-4 -