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第4章

原因食品 事件数 (%) 患者数 (%) 食肉 鶏肉 482 うち 生食 鶏刺し,鶏たたき等 306 (16.2) 食品の77 4 鶏肉の 64 (3.1) 牛肉の 98% (0.1) 43 その他* 不明** (1.5) 696 (3.7) 7 (0.2) 281 (1.5) 2,343 (78.


4. 加熱食肉製品 ( 乾燥食肉製品 非加熱食肉製品及び特定加熱食肉製品以外の食肉製品をいう 以下同じ ) のうち 容器包装に入れた後加熱殺菌したものは 次の規格に適合するものでなければならない a 大腸菌群陰性でなければならない b クロストリジウム属菌が 検体 1gにつき 1,000 以下でなけ

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別添 食品健康影響評価のためのリスクプロファイル ~ 鶏肉等における Campylobacter jejuni/coli ~ 食品安全委員会 2018 年 5 月

生活衛生営業 HACCP ガイダンス ( 食肉販売業用 ) 導入手引書 本ガイダンスでは まず メニュー調査表 と 調理工程表 によりそれぞれの施設の 危害要因分析 を行い 次にこの手引書の 衛生管理点検表 を HACCP の考え方を取り入れた 衛生管理計画 とし それを用いて モニタリング 記録の

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(案)

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Microsoft PowerPoint - 食中毒って何?

目について以下の結果を得た 各社の加熱製品の自主基準は 衛生規範 と同じ一般生菌数 /g 以下 大腸菌 黄色ブドウ球菌はともに陰性 未加熱製品等の一般生菌数は /g 以下であった また 大腸菌群は大手スーパーの加熱製品については陰性 刺身などの未加熱製品については

HACCP 自主点検リスト ( 一般食品 ) 別添 1-2 手順番号 1 HACCP チームの編成 項目 評価 ( ) HACCP チームは編成できましたか ( 従業員が少数の場合 チームは必ずしも複数名である必要はありません また 外部の人材を活用することもできます ) HACCP チームには製品

表 2 衛生研究所 保健所別菌株検出数 ( 医療機関を含む ) 内訳 衛生研究所保健所試験検査課県中支所会津支所郡山市いわき市 総計 喫食者 接触者 従事者食品 3 3 拭きとり総計 遺伝子型別解析遺伝子型別解析は, デンカ生研の病

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サルモネラ食中毒とは? 症状は? 食後 6~48 時間で おう吐 腹痛 下痢 発熱など 乳幼児や高齢者は 症状が重くなることもある 原因になりやすい食品は? 加熱不足の卵 肉などが原因になりやすい 生の肉に使った包丁で切った調理済みの食品も原因に 害虫やペットが 菌を食品に付けてしまうことも ( 農

平成 30 年東京都食中毒発生状況 ( 速報値 ) 平成 30 年 8 月 31 日現在 8 月末までの都内の食中毒の発生状況が 東京都から公表されました 昨年と比較すると 件数では 30% 増 患者数では 46% 減となっています 最近 10 年間の平均と比較すると 患者数はほぼ同じですが発生件数

生活衛生営業 HACCP ガイダンス ( 旅館業用 ) 導入手引書 旅館業用衛生管理点検表 1 個人衛生管理点検記録個人衛生管理は 従事者の感染症対策を中心に基準条例 8 の従事者に係る衛生管理の項目を始業時点検として次の項目を確認する (1) 従事者は 下痢 嘔吐等の体調不良がないことを確認し 症

参考資料 1 野生鳥獣肉の衛生管理に関するガイドライン 平成 26 年 5 月 鳥獣保護法の改正に伴い 今後 野生鳥獣の捕獲数が増加し 食用としての利活用が増加する見込みであり 食用に供される野生鳥獣肉の安全性の確保を推進していく必要がある 1 1 平成 26 年 5 月 22 日参議院環境委員会附

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(*) ノロウイルス : 冬期に流行する人の感染性胃腸炎の原因ウィルスで 調理従事者がノロウイルスに感染していた場合に その人を介してノロウイルスに汚染された食品を食べたり または汚染されていた二枚貝を 生あるいは十分に加熱調理しないで食べることにより食中毒を起こす ( イ ) サルモネラ * 食中

食肉製品の高度化基準 一般社団法人日本食肉加工協会 平成 10 年 10 月 7 日作成 平成 26 年 6 月 19 日最終変更 1 製造過程の管理の高度化の目標事業者は 食肉製品の製造過程にコーデックスガイドラインに示された7 原則 12 手順に沿ったHACCPを適用して製造過程の管理の高度化を

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年次別 主な病原体別の食中毒事件数の推移 * 腸管出血性大腸菌を含む

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(3) 食中毒 ( 感染症 ) の症状 セレウス菌食中毒は その臨床症状から嘔吐型と下痢型の二つに分けられます それぞれ の特徴は 表のとおりです 1), 2) 嘔吐型食中毒 下痢型食中毒 発症菌量 10 5 ~10 8 /g 10 5 ~10 8 /g 毒素産生場所 食品 小腸 潜伏期間 0.5~

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図 12 HACCP の導入状況 ( 販売金額規模別 ) < 食品販売金額規模別 > 5,000 万円未満 ,000 万円 ~1 億円未満 億円 ~3 億円未満

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HACCPの概要と一般的衛生管理

1.9.1 管理基準の遵守状況を連続的又は相当の頻度で確認をするためのモニタリングの方法を設定し その文書を作成すること 十分なモニタリング頻度を設定することまた 設定した理由を整理しておくこと モニタリングに関する全ての文書と記録は モニタリングを行う担当者及び責任者による

2018/11/26 水産 ゴマサバ 和歌山県 検出せず 2018/11/27 畜産 PC 国産牛肉 ( ) 埼玉県 検出せず 2018/11/27 畜産 PC 国産牛肉 ( ) 香川県 検出せず 2018/11/27 畜産 PC 国産牛肉 (

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生食用鮮魚介類等の加工時における殺菌料等の使用について 平成 25 年 3 月食品安全部 1. 経緯食品への添加物の使用については 食品衛生法第 11 条第 1 項に基づく 食品 添加物等の規格基準 ( 昭和 34 年厚生省告示第 370 号 以下 規格基準 という ) の第 2 添加物の部において

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ファクトシート 作成日 : 平成 23 年 11 月 24 日 エルシニア症 (Yersiniosis) 1 エルシニア症とは エルシニア症は Yersinia 属菌の中で一般的に食中毒菌として知られる Yersinia enterocolitica と仮性結核菌として知られる Yersinia p

平成 27 年 3 月 4 日農林水産省消費 安全局 平成 27 年度食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス モニタリング年次計画 1. 基本的な考え方食品安全行政にリスクアナリシスが導入され 科学に基づいた行政の推進が必要となっています このため 農林水産省は 食品の安全性

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衛生管理マニュアル 記載例

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衛生管理マニュアル 記載例

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(4) 薬剤耐性菌の特性解析に関する研究薬剤耐性菌の特性解析に関する知見を収集するため 以下の研究を実施する 1 家畜への抗菌性物質の使用と耐性菌の出現に明確な関連性がない家畜集団における薬剤耐性菌の出現又はこれが維持されるメカニズムについての研究 2 食品中における薬剤耐性菌の生残性や増殖性等の生

1 施設設備の衛生管理 1-1 食品取扱室の清掃及び保守点検 < 認証基準 > 床 内壁 天井 窓 照明器具 換気扇 手洗い設備及び排水溝の清掃手順 保守点検方法が定められていること 床及び排水溝の清掃は1 日に1 回以上 その他の清掃はそれぞれ清掃の頻度の記載があること 保守点検頻度の記載があるこ

規格基準食品衛生法に基づき 食品や添加物等について一定の安全レベルを確保するために定められた規格や基準で 規格基準に合わない食品等は製造 使用 販売等が禁止されています 寄生虫他の動物に寄生し栄養分をとり生活する生物であり 食中毒の原因となるものではアニサキスやクドア セプテンプンクタータなどがあり

第 4 章 管理体制の整備 HACCP の 7 つの原則 1 危害分析 : 危害の原因の明確化 2 重要管理点の決定 : CCP の判定と決定 3 管理基準の設定 : CCP を管理するための管理基準の設定 4 モニタリング方法の設定 : 適切に管理されているかの確認方法 5 修正処置の設定 : 問

1 2

第 3 条第 2 項 農薬の登録を保留することができる場合に該当するかどうかの基準 ( 水産動植物被害に係る基準及び水質汚濁に係る基準を除く ) を設定 変更しようとするとき ( 外国製造農薬に係る登録について準用 ) 肥料取締法 ( 食品安全基本法第 24 条第 1 項第 3 号 ) 条 項 食品

滋賀県のHACCP推進の取組み

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背景 消費者の食品の安全性に対する関心 要求は 平成 7 年の腸管出血性大腸菌 O157による食中毒事件を機に一気に高まり 消費者は 安心して食べられる安全な食品 を強く求めています このような消費者の要望に応えるため 食品業界では食品の安全性の確保のため世界的に有効な衛生管理手法として認められてい

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名称未設定


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2 食中毒ってなんですか? 飲食物を摂取することによって起きる 急性の胃腸障害を主症状とする健康障害のこと 大部分の食中毒事例は ある種の微生物により発生 ただし 原因 ( 病因物質 ) によっては 主症状が胃腸障害以外のものもある 昔は 食あたり とも呼ばれていた

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サルモネラ食中毒の症状 鶏のサルモネラ事例 1) サルモネラ食中毒とは 2) 年代のサルモネラ件数増 3) 鶏のサルモネラ汚染 4) 年以降のサルモネラ対策 症状 下痢 腹痛 嘔吐などの急性胃腸炎 重症の場合には粘血便もある 潜伏期間 時間 比較的短い 発症菌量 約 個 喫食者の状態に左右される サ

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2. トイレの後には必ず手洗いをしましょう! 調査から 15.4% の方がトイレの後に手を洗わないことがあるという結果が得られました ( 小便後又は大便後に手を洗うのどちらかを選択しなかった方 どちらも選択しなかった方 トイレで手を洗わないを選択した方 の合計 ) Q10 特にこれからの季節に流行す

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平成 30 年更新時 目次 1. 作業区分 1-1) 作業の切替え ( 共通基準 1-4-1) 1-2) 調理従事者 2 2. 食品などの衛生的な取扱い 2-1) 食品添加物の使用 ( 共通基準 3-2) 2-2) 油脂の衛生管理 2 2-3) 加熱調理食品の冷却 3 2-4) 弁当の調整 4 2-

食の安全と安心フォーラム第15回 ノロウイルス食中毒の現状 対策 課題 2018/7/25 食の安全と安心フォーラム第15回 食の微生物汚染 リスク低減のポイントを議論する ノロウイルスによる食中毒の 現状 対策 課題 日時 2018年7月25日 水 今日の内容 ノロウイルス食中毒の現状 カキによる

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目 次 頁 1 対象の微生物 食品の組み合わせについて... 3 (1) 対象病原体 形態等 分類 自然界での分布 増殖及び抑制条件 薬剤感受性... 5 (2) 対象食品 公衆衛生上に影響を及ぼす重要な特性...

近年患者数が多く公衆衛生上の重要性が増しているノロウイルスについて ヒトへの 感染経路における食品 ( カキを中心とした二枚貝とその他の食品別 ) の寄与率やヒトの 症状の有無による食品への汚染の程度を明らかにする研を実施する 2 調査事業 (1) 食品用器具 容器包装に用いられる化学物質のリスク評

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平成 28 年度感染症危機管理研修会資料 2016/10/13 平成 28 年度危機管理研修会 疫学調査の基本ステップ 国立感染症研究所 実地疫学専門家養成コース (FETP) 1 実地疫学調査の目的 1. 集団発生の原因究明 2. 集団発生のコントロール 3. 将来の集団発生の予防 2 1

Transcription:

カンピロバクター食中毒防御について 国立医薬品食品衛生研究所食品衛生管理部山本茂貴 ( 人 ) 食中毒患者数の推移 18,000 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 サルモネラブドウ球菌 O157 等その他の大腸菌腸炎ビブリオカンピロバクター SRSV 4,000 2,000 0 平成元年 2 年 3 年 4 年 5 年 6 年 7 年 8 年 9 年 10 年 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 食中毒統計 ( 平成元年 ~15 年 )

( 件 ) 食中毒発生件数の推移 900 800 700 600 500 400 サルモネラブドウ球菌 O157 等その他の大腸菌腸炎ビブリオカンピロバクター SRSV 300 200 100 0 平成元年 2 年 3 年 4 年 5 年 6 年 7 年 8 年 9 年 10 年 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 食中毒統計 ( 平成元年 ~15 年 )

食肉製品製造 ( 食鳥肉製品製造 ) 農場処理場カット工場 1. 感染源 ( 動物 ) 2. 感染源 ( 飼料 ) 3. 鶏の汚染状況 4. 疾病 輸送 1. 搬入鶏汚染 2. 脱羽 3. 湯漬け 4. 中抜き 5. 冷却 6. 疾病排除 1. ケージ 2. 糞便の体表汚染 卸し 1. 器具機材の汚染 2. 汚染の拡大 流通 1. 保存温度 時間 2. 生残 増殖性 販売店 ( 小売店 ) 量販店 ( パックセンター ) 1. 保存温度 時間 2. 汚染の拡大 1. 加熱処理 2. 生鳥肉との区別 ( 二次汚染防止 ) 飲食店家庭 1. 加熱調理 2. 器具 3. 二次汚染 食鳥肉 加工品の製造から消費までの過程におけるカンピロバクター危害要因とその制御 CD-ROM 化 農場における鶏 ( 盲腸内容 ) のカンピロバクター保菌状況 農場検査検体 カンピロバクター (cfu/g) ー 10 2 10 3 10 4 10 5 10 6 10 7 10 8 10 9 陽性 (%) S 10 - - - - - - 5 5-10 (100) T 10 10 - - - - - - - - 0 ( 0) O 15 - - - - 2 2 5 6-15 (100) 5 5 - - - - - - - - 0 ( 0) A 10 - - - - - 1 4 5-10 (100) B 33 15 - - - - 3 9 6-18 ( 55) C 20 3 - - - 3 4 10 - - 17 ( 85) D 17 11 1 2 - - 2 1 - - 6 ( 35) F 8 7 - - 1 - - - - - 1 ( 14) 細菌性食中毒の予防に関する研究

養鶏ファーム 餌切り 生体受入れ CCP ( 生体検査 ) 生体輸送用容器の洗浄 懸鳥 放血 ネックカッター 湯漬け 58~63 30~90 秒 脱羽 MCP ( 脱羽後検査 ) シャックル掛換え 頭 足除去 ヘッドキラーフットカッター 脱羽工程 選別 製品の保管 CCP 水切り冷却 ( 予備 本冷却 ) CCP MCP 内外洗浄 内臓除去 ( 食用区分 ) 内臓摘出 MCP 懸鳥 食鳥検査法適用 2~5 30~40 分 内臓処理 ( 内臓検査 ) ベントカッターオープナーエビスレーター 中抜き工程 解体 包装 販売店 消費者 モモ ムネ 手羽 ササミ肉採取 真空包装急速冷凍 発送 食品衛生法適用 注 ;CCP: 重要管理ポイント MCP: 微生物汚染管理ポイント 食鳥処理 ( 中抜き処理法 ) 工程と重要管理点 検体の腸管破損状況 2 岩手大学品川邦汎先生

中抜き後の汚染と体 岩手大学品川邦汎先生 処理工程別のカンピロバクター汚染 MPN (cfu/100 cm 2 ) 検体 <24 24~99 100~999 1000< 合計 脱羽と体 中抜きと体 冷却後と体 45 7 14 11 77 (58.4) (9.1) (18.2) (14.3) 38 5 19 15 77 (49.4) (6.5) (24.7) (19.5) 48 7 19 3 77 (62.3) (9.1) (24.7) (3.9) 製品 11 7 9 6 33 (33.3) (21.2) (27.3) (18.2) ( ) 内はパーセント

食肉処理 ( カット ) 工程のカンピロバクター汚染分布 (cfu/cm 2 ) 検体名採材時間検出限界以下 0.99 10 0 10 1 10 2 10 3 >10 3 計 まな板 手袋 5 分後 7 12 1 20 60 分後 6 2 3 3 14 100 分後 1 2 1 4 120 分後 1 3 6 10 180 分後 2 2 210 分後 1 1 2 5 分後 6 5 5 4 20 60 分後 4 4 1 3 1 1 14 100 分後 3 1 4 120 分後 2 5 3 10 180 分後 1 1 2 210 分後 2 2 もも肉 5 分後 24 11 10 4 2 51 60 分後 18 5 7 1 5 36 100 分後 3 3 2 2 10 120 分後 2 6 12 4 1 25 180 分後 5 5 210 分後 4 1 5 * 但馬食肉 新潟食肉 兵庫検査センター 淡路食肉を併せた結果 A 内臓摘出時における汚染と非汚染と体で冷却工程後のカンピロバクター汚染 カンピロバクター汚染 (cfu/cm 2 ) の検体数 検査部位と体検出せず 40~10 2 10 2 ~10 3 10 3 ~10 4 10 4 < 計 背部 胸部 汚染 1 3 8 5 3 20 非汚染 4 2 10 4 20 汚染 10 9 1 20 非汚染 9 10 1 20 B カンピロバクター汚染 (cfu/cm 2 ) の検体数 検査部位と体検出せず 0.12~0.9 1~ 10 10 1 ~10 2 10 2 ~10 3 10 3 ~10 4 10 4 < 計 背部 胸部 汚染 1 3 6 1 3 1 15 非汚染 2 4 5 4 15 汚染 6 6 3 15 非汚染 8 7 15

鶏肉製品別のカンピロバクター汚染 検体名 手羽先胸肉モモ肉 検体数 カンピロバクター汚染菌数 (cfu/100g) 別検体数 (%) <10 10 1-10 2 10 2-10 3 10 3 46 18(39.1) 2(4.3) 4(8.7) 22(47.8) 44 14(31.8) 4(9.1) 7(15.9) 19(43.2) 45 17(37.8) 9(20.0) 5(11.1) 14(31.1) 計 135 49(36.5) 15(11.1) 16(11.9) 55(40.0) 国産と輸入鶏肉のカンピロバクターの汚染 カンピロバクター菌数 (cfu/100g) 検体 ( 検体数 ) ( ) 1) 1.5 10 1 ~10 2 10 2 ~10 3 10 3 ~5.5 10 3 >5.5 10 3 国産鶏肉 (50) 2 8 19 18 3 輸入鶏肉 (100) 84 14 2 0 0 1) MPN 法 :3 管法 ( MPN 検出最少菌数 1.5 10 1 cfu/100g )

食中毒事例および散発事例の Lior 血清型 Lior 型別 全国集団事例 1999~2001 年事例数 全国散発 1996~2001 年菌株数 LIO 1 3 162 LIO 2 5 164 LIO 4 10 421 LIO 5 3 44 LIO 6 1 57 LIO 7 21 255 LIO 9 3 43 LIO 10 1 34 LIO 11 5 93 LIO 15 0 6 LIO 17 0 37 LIO 18 2 15 LIO 19 0 30 LIO 22 0 1 LIO 26 2 42 LIO 27 5 105 LIO 28 6 70 LIO 30 0 20 LIO 33 0 18 LIO 36 4 109 LIO 39 0 4 LIO 49 1 31 LIO 50 3 79 LIO 53 0 10 LIO 54 2 6 LIO 60 3 18 TCK 1 7 107 TCK 12 8 132 TCK 13 9 64 TCK 26 7 80 他 1 2 種類以上 20 172 UT 50 1186 計 182* 3615 細菌性食中毒の予防に関する研究 食中毒及び散発事例の Penner 血清型 Penner 血清型 発生割合 (%) 全国集団推定全国散発推定 A 1.4 1.9 B 12.2 18.7 C 3.0 3.7 D 10.2 11.0 E 1.4 1.5 F 1.1 2.0 G 2.6 3.5 I 0.2 0.2 J 4.6 3.1 K 4.2 1.8 L 3.8 2.8 N 2.1 0.8 O 11.8 9.4 P 2.1 2.0 R 3.0 3.4 S 0.2 0.2 U 2.3 2.5 V 0.0 0.0 Y 3.9 3.0 Z 0.0 0.3 Z2-7 3.3 2.9 複数 4.2 3.6 UT 22.5 21.9 計 100.0 100.0

食鳥肉のカンピロバクター (C. jejuni) 制御に関するこれまでの研究概要 1) 市販鶏肉 ( もも肉 むね肉 手羽肉 ) のC. jejuni 汚染は60-75% であり その汚染菌数は 10 1 10 3 cfu/100gであった また 国産鶏肉は 輸入鶏肉に比べ汚染率が高かった 2) 食鳥生産農場では感染率の高い農場と低い農場が存在する 食鳥処理場では 内臓中抜き工程で腸管破損により汚染が増大し 部分肉解体処理 ( 製品 ) 工程で汚染の拡大が見られる 3) 食鳥および食鳥肉から分離されるC. jejuni 血清型では 食中毒由来株と一致するものや異なる型のものが認められた 4) 食鳥肉によるC. jejuni 食中毒制御法としては (1) 農場での感染予防対策を行う (2) 食鳥処理場において腸管破損を減少させる (3) と鳥冷却水への消毒 殺菌剤の添加 (4) 部分肉加工で一定時間ごとに器具 機材を消毒 または取り換える データの不足 1) 家庭やレストランでの消費段階 加熱不足 2 次汚染による他の食品汚染 2) 定量的確率論的リスクアセスメントのためには 食中毒事例で原因食品からの菌分離データと感染後の発症確率 ( アタックレート 100% 75% 50% 等 )

参考文献 1) 厚生労働科学研究費補助金 ( 食品安全確保事業 ) 食品製造の高度衛生管理に関する研究 ( 平成 15 年度総括研究報告書 ) ; 主任研究者品川邦汎 2) 厚生労働科学研究費補助金 ( 食品の安心 安全確保推進研究事業 ) 細菌性食中毒の予防に関する研究 ( 平成 17 年度総括 分担研究報告書 ) ; 主任研究者高鳥浩介 3) 食中毒統計 ( 平成元年 ~15 年 ) ; 厚生省 厚生労働省