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図. 血算 5 項目データ値別の施設数 a)wbc 白血球数白血球数 d)ht ヘマトクリット値ヘマトクリット値 40 40 n : _ x : 5. SD : 0.7 CV : 3.4 ex : 4(4) 0 9 5 4 0 9 0 n : _ x : 37.38 SD : 0.75 CV :.0 ex : () 6 3 3 5 3 4 4 6 5 4 4.5 5.0 5.5 6.0 34.0 36.0 38.0 40.0 b)rbc e)plt 赤血球数赤血球数 血小板数血小板数 4 7 6 9 9 n : _ x : 3.76 SD : 0.05 CV :.3 ex : () 3 7 9 3 3 n : _ x : 95.4 SD :.6 CV : 3.9 ex : () 5 6 3 6 6 5 6 3 3 5 3.60 3.80 4.00 40 60 80 300 30 340 360 c)hb ヘモグロビン濃度ヘモグロビン濃度 3 3 5 44.8.0..4.6.8 3.0 3. 5 5 44 n : _ x :.47 SD : 0.3 CV :.0 ex : () ±3SDで 回切断後の統計値 WBC RBC Hb Ht PLT N 07 09 09 0 0 Ave 5. 3.76.47 37.38 95.4 SD 0.7 0.05 0.3 0.76.6 CV 3.36%.35%.03%.0% 3.93% Min 4.6 3.6. 35.4 65 Max 5.4 3.9.8 39.6 38 Mean-SD 4.77 3.66. 35.88 7.3 Mean+SD 5.45 3.86.7 38.88 38.5 Mean-3SD 4.60 3.6.09 35.3 60.7 Mean+3SD 5.6 3.9.85 39.63 330. - 77 -

図.-. 血算 5 項目装置別施設数 白血球数 _ 装置別白血球数 6 34 0 4 3 34 n : 87 n : 5 装置 : シスメックス装置 : B. コールター装置 : 堀場 ±3SDで 回切断後 シスメックス 堀場 B. コールタシーメンスその他 n 84 7 5 8 3 平均 5.3 4.93 5. 4.96 5.07 SD 0.6 0.5 0. 0.8 0.7 CV % 3.0 3.0. 3.6 3.4 min 4.6 4.7 5. 4.6 4.9 max 5.4 5. 5.4 5. 5.3 n : 7 装置 : シーメンス n : 9 装置 : その他 n : 3 4.5 5.0 5.5 6.0 赤血球数 _ 装置別赤血球数 4 7 0 9 4 5 6 4 4 n : 87 n : 7 4 装置 : シスメックス装置 : 堀場装置 : B. コールター ±3SDで 回切断後 シスメックス 堀場 B. コールタシーメンスその他 n 87 5 5 9 3 平均 3.760 3.708 3.758 3.788 3.797 SD 0.05 0.07 0.05 0.05 0.07 CV %..9...0 min 3.65 3.6 3.7 3.67 3.73 max 3.86 3.83 3.85 3.84 3.90 4 n : 5 4 装置 : シーメンス n : 9 装置 : その他 n : 3 3.60 3.80 4.00 ヘモグロビン濃度 _ 装置別ヘモグロビン濃度 8 3 38 3 38 n : 87 n : 7 装置 : シスメックス装置 : 堀場装置 : B. コールター ±3SDで 回切断後 シスメックス 堀場 B. コールタシーメンスその他 n 86 6 5 9 3 平均.47.57.30.48.47 SD 0. 0. 0.7 0.0 0. CV % 0.8.6.4 0.8.6 min..3..3. max.7.8.6.6.7 5 n : 5 5 装置 : シーメンス n : 9 装置 : その他 n : 3.8.0..4.6.8 3.0 3. - 78 -

図.- 血算 5 項目装置別施設数 ヘマトクリット値 _ 装置別ヘマトクリット値 3 9 4 34 5 8 8 3 3 9 n : 87 3 n : 7 3 装置 : シスメックス装置 : 堀場装置 : B. コールター ±3SDで 回切断後 シスメックス 堀場 B. コールタシーメンスその他 n 87 7 5 8 3 平均 37.36 36.00 38.06 38.49 37.7 SD 0.59 0.3 0.43 0.67 0.46 CV %.6 0.9..7. min 36. 35.4 37.7 37.3 36.8 max 39. 36.4 38.9 39.6 37.9 n : 5 装置 : シーメンス n : 9 装置 : その他 n : 3 34.0 36.0 38.0 40.0 血小板数 _ 装置別血小板数 4 5 9 4 5 0 9 3 0 n : 87 n : 7 装置 : シスメックス装置 : 堀場装置 : B. コールター ±3SDで 回切断後 シスメックス 堀場 B. コールタシーメンスその他 n 86 7 5 9 3 平均 95.4 30.4 80.6 99.8 89.7 SD 0.96.59 8.38 7.9 5.5 CV % 3.7 4. 3.0.4 5.4 min 65 85 67 87 7 max 30 38 9 3 309 n : 5 装置 : シーメンス n : 9 装置 : その他 n : 3 40 60 80 300 30 340 360-79 -

B 血液像フォトサーベイ 選択肢 回答施設数回答率 (%) 設問. 血小板 0 0.0. 大型血小板 7 86.6 3. 巨大血小板 3.4 4. 血小板凝集 0 0.0 5. 微小巨核球 0 0.0 設問. リンパ球 8 98.8. 顆粒リンパ球. 3. 単球 0 0.0 4. 腫瘍性リンパ球 0 0.0 5. 赤芽球 0 0.0 大型血小板 : 赤血球の約 /~ 同等大 ( 約 4~8μm 未満 ) 巨大血小板 : 赤血球より大なる場合 (8μm 以上 ) 写真の血小板は赤血球と同等大であるので 大型血小板を正答とする リンパ球 : 直径 9~6μm で 細胞質は比較的広いものから狭いものまである 色調は淡青色から青色を呈する 核は類円形で 核クロマチンは集塊を形成しクロマチン構造が明らかでない 設問 3 3. リンパ球 0 0.0. 顆粒リンパ球 0 0.0 3. 単球 8 00.0 4. 腫瘍性リンパ球 0 0.0 5. 赤芽球 0 0.0 単球 : 直径 5~0μm 細胞質の色調は 灰青色 ( スリガラス状と形容される ) を呈する 細胞質には 微細なアズール顆粒と空胞を認めることがある 核形は 通常馬蹄形 腎形であるが ~3 分葉を示す場合もある 核クロマチンは粗いレース編み状で 太い結節が随所に見られる 設問 4. リンパ球 0 0.0. 顆粒リンパ球 8 00.0 3. 単球 0 0.0 4. 腫瘍性リンパ球 0 0.0 5. 赤芽球 0 0.0 リンパ球は時にアズール顆粒を認めるものがある 健常人の末梢血リンパ球の約 0~ 5% にみられ 細胞起源は NK 細胞性 :T 細胞性 : である 設問 5 4. リンパ球 0 0.0. 形質細胞 0 0.0 3. 好塩基性赤芽球 0 0.0 4. 多染性赤芽球 79 96.3 5. 正染性赤芽球 3 3.7 多染性赤芽球 : 核は円形で わずかに偏在し クロマチンは粗く濃い 細胞質は塩基性色素と酸性色素が混じりあい 多染性の色調を呈する 青みが強い細胞から わずかに青みが残っている細胞まで範囲が広く 骨髄赤芽球の大部分を占める - 80 -

B 血液像フォトサーベイ 選択肢 回答施設数回答率 (%) 設問 6 3. リンパ球 0 0.0. 形質細胞 0 0.0 3. 好塩基性赤芽球 8 98.8 4. 多染性赤芽球. 5. 正染性赤芽球 0 0.0 好塩基性赤芽球 : 直径 6~8μm で細胞質は青 ~ 濃青色 核クロマチンは粗大顆粒状で核小体は認めない 設問 7. リンパ球 0 0.0. 形質細胞 8 00.0 3. 好塩基性赤芽球 0 0.0 4. 多染性赤芽球 0 0.0 5. 正染性赤芽球 0 0.0 形質細胞 : 直径 ~0μm で細胞質は濃青染して顆粒を欠く 核は偏在し 通常は核周明庭を有する 設問 8. 前赤芽球 69 84.. 好塩基性赤芽球 0 0.0 3. 異型リンパ球.4 4. 腫瘍性リンパ球 0 0.0 5. 骨髄芽球 3.4 前赤芽球と骨髄芽球の鑑別 : 前赤芽球は直径 0~5μm 骨髄芽球と比較して核クロマチンは顆粒状で繊細 核小体は骨髄芽球では明るく抜けているのに対して 濃青紫色に染まる 骨髄芽球の細胞質は淡青色に対して 好塩基性が強い 設問 9 3. 単球 0 0.0. 巨核球. 3. マクロファージ 76 9.7 4. 造骨細胞. 5. 泡沫細胞 4 4.9 マクロファージ : 細胞径 0~60μm とさまざまである 核は円形ないし卵円形で クロマチンがばらばらでスポンジ様を呈し 明るく見える 青い核小体を ~ 個見ることがある 細胞質は広く 淡い青色で 長い突起を出したりして辺縁が不整で しばしば境界がはっきりしないのが特徴である 貪食した細胞やその遺残物を含むものもある 泡沫細胞 : マクロファージが過剰な脂質を貪食した結果 細胞質が石鹸の泡のように見える 設問 0. 骨髄芽球 0 0.0. 前骨髄球 8 98.8 3. 骨髄球 0 0.0 4. 前単球. 5. マクロファージ 0 0.0 前骨髄球 : 直径 5~5μm と好中球系で最も大きく 細胞質は好塩基性で暗紫褐色のアズール顆粒を認め 核は偏在し核網は粗大構造を示す 核小体を有するが不明瞭 前単球 :6~8μm 核は類円形で核形不整 クロマチンはやや繊細網状 核小体は単芽球ほど明瞭ではない 細胞質は淡塩基性 微細アズール顆粒が豊富 重構造が見られる - 8 -

B 血液像フォトサーベイ 選択肢 回答施設数回答率 (%) 設問 5. 異型リンパ球 9.0. 分葉核球. 3. 桿状核球 3 3.7 4. 後骨髄球. 5. 単球 68 8.9 矢印の細胞は 核形は典型的な馬蹄形 腎形ではないが 細胞質は灰青色を呈し 微細なアズール顆粒が比較的均一に分布し空胞を認めることから 単球であると考える 異型リンパ球の細胞質は好塩基性で アズール顆粒を認める場合はあるが 顆粒の量も数えられる程度で不均一に分布する 設問 5. 分葉核球.. 桿状核球 0 0.0 3. 後骨髄球 0 0.0 4. 中毒性顆粒 3 3.7 5. 好塩基球 78 95. 好塩基球 : 直径 0~3μm で 細胞質には大型の好塩基性顆粒を多数含んでいる 核形は輪郭不鮮明なことが多い 顆粒は水溶性であるため ギムザ染色では空胞になっていることが多い 中毒性顆粒 : 化膿性細菌感染症などの炎症が強い場合 好中球の需要が増大すると 細胞分裂回数を減らして早期に末梢血に出てきた好中球の一次顆粒は融合し 大小不同の顆粒としてアズール色素に濃く紫紅色に染まる 設問 3 3. リンパ球 0 0.0. 異型リンパ球 0 0.0 3. 腫瘍性リンパ球 80 97.6 4. 骨髄芽球. 5. 前赤芽球. 矢印の細胞は異型リンパ球の判定基準 胞体の大型化 ( 細胞径 6μm 以上 ) 細胞質の好塩基性 3 核網の粗剛化 を満たしているが 著名な核の形態異常 ( 切れ込み 不整形 ) を認める為 腫瘍性リンパ球 ( 異常リンパ球 ) とする 設問 4 4. 単球 0 0.0. 巨核球 0 0.0 3. マクロファージ 0 0.0 4. 血球貪食マクロファージ 8 00.0 5. 腫瘍性リンパ球 0 0.0 血球貪食マクロファージ : マクロファージが貪食した細胞が細胞質に含まれていものをいう 矢印の細胞では赤血球や赤芽球 血小板と思われる細胞が貪食されている 設問 5 4. 前骨髄球.4. 骨髄球 0 0.0 3. 前単球 0 0.0 4. ファゴット細胞 80 97.6 5. 幼若好酸球 0 0.0 ファゴット細胞 : アウエル小体は白血病芽球にみられることのある紫赤色の針状構造物である 通常 ~ 個みるが 時に細胞質内に多数を占めることがあり このような細胞をファゴット細胞と呼び FAB 分類 M3 に特徴的にみられる所見となる - 8 -

B 血液像フォトサーベイ 選択肢 回答施設数回答率 (%) 設問 6. 骨髄芽球 5 6.. 前骨髄球 65 79.3 3. 単球 3 3.7 4. 前単球 7 8.5 5. 腫瘍性リンパ球.4 設問 7 5. 再生不良性貧血.. 肝硬変 0 0.0 3. 播種性血管内凝固症候群. 4.Banti 症候群 0 0.0 5. 特発性血小板減少性紫斑病 80 97.6 設問 8 3. 再生不良性貧血.4. 肝硬変. 3. 血球貪食症候群 76 9.7 4. 巨赤芽球性貧血.4 5. 播種性血管内凝固症候群. 矢印の細胞は 写真内の他の細胞と同じ種類の細胞であると考える 細胞径約 5μm クロマチンは繊細網状で核小体を 個認め 核の中央がくびれている 細胞質はやや淡い青色で アズール顆粒は小さく目立たない 参考データより t(5;7) の染色体異常を認めることから 急性前骨髄性白血病 (FAB;M3 variant form) が考えられ 前骨髄球が最も考えられる 前単球との鑑別は比較的困難であるが 核の中央がくびれていること アズール顆粒が目立たないこと 細胞質の二重構造がみられないことから 鑑別は可能である 参考データより 播種性血管内凝固症候群を否定できる所見はないが 末梢血では血小板減少と PAIgG 高値が認められ ピロリ菌除菌後に血小板が増加していることから 特発性血小板減少性紫斑病が最も考えられる 骨髄巨核球の増加は 末梢血での血小板破壊亢進に対する反応と考えられる 再生不良性貧血では汎血球減少症を呈するはずである また 骨髄巨核球が増加していることからも除外できる 汎血球減少症 (WBC の減少は軽度であるが ) と肝機能障害を呈しており 骨髄では写真 4 に示す血球貪食マクロファージや写真 3 に示す腫瘍性リンパ球を.8% 認め 可溶性 IL- レセプター高値を伴っているので 悪性リンパ腫に伴う血球貪食症候群 (LAHS;Lymphoma associated hemophagocytic syndrome) が最も疑われる 再生不良性貧血は骨髄有核細胞減少を認めない事から否定され 巨赤芽球性貧血は赤血球が MCV90fL と大球性を呈していないことから否定される 肝硬変 播種性血管内凝固症候群を否定できる所見はないが 骨髄像より原因疾患は血球貪食症候群であり 播種性血管内凝固症候群 肝障害が合併していると考える - 83 -

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