精度管理調査の目的

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1 * 第 33 回静岡県臨床検査精度管理調査 血液部門形態検査 JA 静岡厚生連遠州病院 市川佐知子

2 * 症例 27 検査データ 20 歳女性 ~ 入院 7 病日の検査結果 ~ Sysmex XN-3000 血算 WBC( 10 2 /μl) 97 RBC( 10 4 /μl) 388 Hgb(g/dl) 11.4 Hct(%) 33.0 MCV(fL) 85.1 MCH(pg) 29.4 MCHC(g/dl) 34.5 PLT( 10 4 /μl) 23.1 機器による白血球分類 Neutro(%) 14.4 Lympho(%) 79.5 Mono(%) 4.2 Eosino(%) 0.4 Baso(%) 1.5 機器メッセージ Lympocytosis: リンパ球増加 Abn Lympho?: 異常リンパ球? Atypical Lympho?: 異型リンパ球? 生化学 TP(g/dl) 6.7 Alb(g/dl) 3.5 AST(U/L) 73 ALT(U/L) 160 LDH(U/L) 454 ALP(U/L) 405 T-Bil(mg/dl) 0.37 BUN(mg/dl) 7.2 Cre(mg/dl) 0.50 CRP(mg/dl) 0.21 スキャッタグラム

3 * スキャッタグラムの比較 正常 症例 27 CLL Sysmex XN-3000

4 * 症例 27 その他の検査データ 末梢血標本 血液像目視 Stab(%) Seg(%) Lymph(%) Mono(%) Eosino(%) Baso(%) Aty-lymph(%) ( 血液像コメント ) 核影 (+) 核影が多数みられたため アルブミン添加標本を作製してリンパ球数の確認をした

5 * 試料 27 血液塗抹標本の細胞 異型リンパ球 単球 スマッジセル リンパ球 リンパ球

6 臨床経過 * 症例 27 臨床経過と血清学検査 H 咽頭痛 血清学検査 発熱 開業医にて急性咽頭炎と診断 の発熱 頭痛にて再受診 WBC2700/μl と低値であったため 当院紹介となる 当院受診 頸部リンパ節腫脹あり 圧痛認める 伝染性単核球症の疑いにて 入院 ウイルス抗体価 入院当日 入院 7 病日 EBV 抗 EA IgG 0.2(-) 1.0(+) 抗 VCA IgM 0.2(-) 3.2(+) 抗 VCA IgG 0.8(+-) 4.1(+) 抗 EBNA IgG 0.2(-) 0.2(-)

7 * 試料 27 の疾患名と調査の目的 * 症例 27 診断 ) EBウイルス感染による伝染性単核球症目的 ) 1 異型リンパ球を指摘できる ( 正常リンパ球 単球との区別ができる ) 2 標本の核影がわかる 3 標本作製の工夫の知識がある 4 検査データや標本から ウイルス感染を指摘できる

8 1 異型リンパ球の検出 * 評価項目と結果 60 ( 評価内容は 報告書 P98~99 を参照 ) 標本の核影 標本作製の工夫 ウイルス感染の指摘 % 20% 40% 60% 80% 100% ( グラフ上の数字は施設数 )

9 (%) * 異型リンパ球の施設間差 リンパ球異型リンパ球単球施設番号順

10 * 異形リンパ球とリンパ球の検出状況 ( 施設数 ) 14 異型リンパ球リンパ球リンパ球合計 37.3% 48.5% 85.8% (%) 異型リンパ球 リンパ球

11 施設数 * 病床数別の異形リンパ球の検出状況 青施設数橙検出率の低い施設数 平均 (%) 未満 20~99 100~ ~ ~ ~ ~ 病床数

12 * 伝染性単核球症 (infectious mononucleosis) * 思春期から若年青年層に好発し EB ウイルスの初感染によって発症する * 経口経路により 口腔咽頭の上皮から宿主内に入る * 乳幼児期に初感染を受けた場合 不顕性感染であることが多い * 細胞膜に EB ウイルスに対する特異的受容体 (CD21) が存在するため B 細胞は EB ウイルスの感染を受ける *CD8+T 細胞 ( 異型リンパ球 ) が反応性に増加し ウイルス感染 B リンパ球の増殖を抑制する作用があると考えられている

13 伝染性単核球症の診断基準 1. 臨床像 * 伝染性単核球症 発熱 全身リンパ節腫脹 扁桃および咽頭炎 (monocytic angina) 肝脾腫 肝機能障害 2. 血液像 リンパ球増加と異型リンパ球の著しい増加 a) リンパ球 + 単球 50% 以上 (60% 以上ならさらに可能性が高い ) b) 異型リンパ球 10% 以上 (20% 以上ならさらに可能性が高い ) 3. 血清反応 異好抗体試験の陽性化ポール バンネル反応陽性 ( 陰性の場合 4.EBV 特異抗体も実施 ) 4.EBV 特異抗体の検出 VCA の IgM 抗体 抗 EA-DR-IgG 抗体の陽性化 その後に EBNA 抗体価の持続的上昇を確認する ( ビジュアル臨床血液形態学 )

14 * リンパ球 * リンパ球の分類基準 細胞の分類, 鑑別にあたって 標本全体を弱拡大で観察しその標本における細胞の分化 成熟の概要を理解した上で行う 直径 9~16μm で 細胞質は比較的広いものから狭いものまである 色調は淡青色から青色を呈する なお アズール顆粒を認める場合がある 核は類円形で 核クロマチンは集塊を形成しクロマチン構造が明らかでない 日本検査血液学会ホームページ, 標準化委員会 血球形態標準化小委員会 (

15 * 異型リンパ球の分類基準 細胞の分類, 鑑別にあたって 標本全体を弱拡大で観察しその標本における細胞の分化 成熟の概要を理解した上で行う * 異型リンパ球 ( 反応性リンパ球 ) 直径 16μm( 赤血球直径のおおよそ 2 倍程度 ) 以上で細胞質は比較的広い 色調はリンパ球に比較し好塩基性 ( 青色 ) が強い なお アズール顆粒 空胞を認める場合がある 核は類円形 時に変形を呈する 核クロマチンは濃縮しているがリンパ球に近いものからパラクロマチンの認められるものまである 核小体が認められるものもある 判定が困難な場合はリンパ球との相違点を記載する 日本検査血液学会ホームページ, 標準化委員会 血球形態標準化小委員会 (

16 * リンパ球 日本検査血液学会ホームページ, 標準化委員会 血球形態標準化小委員会 (

17 * 異型リンパ球 日本検査血液学会ホームページ, 標準化委員会 血球形態標準化小委員会 (

18 * 異型リンパ球 日本検査血液学会ホームページ標準化委員会 血球形態標準化小委員会 ( 細胞は大きく 細胞質の好塩基性はやや弱いが 核クロマチン粗剛で異型リンパ球と判定 大型細胞で明瞭な核小体がみられ細胞質の塩基性は弱いが異型リンパ球と判定 細胞質の塩基性はやや薄いが赤血球の直径の 2 倍以上 細胞質の好塩基性はやや弱いが異型リンパ球と判定

19 * リンパ球の質的異常 細胞の分類, 鑑別にあたって 標本全体を弱拡大で観察しその標本における細胞の分化 成熟の概要を理解した上で行う * 異常リンパ球 ( 腫瘍性リンパ球 ) 腫瘍性の形態変化をおこしたリンパ球 大型化 核形不整明瞭な核小体 細胞質の突起 空胞などの形態所見などがみられ単一 ( 同じような細胞が腫瘍性に増加する ) 様式をとることが多い 単一な細胞の増加 ( 核クロマチン粗剛を認める ) 深い切れ込みがあり 核型不整

20 * 異型リンパ球と異常リンパ球 リンパ球 異型リンパ球 ( 反応性 ) 異常リンパ球 ( 腫瘍性 )

21 単球 * 単球とリンパ球の鑑別 細胞の大きさ 核形 クロマチン構造 細胞質の色 細胞質の空胞の有無 顆粒の大きさ 顆粒の数 リンパ球

22 *Gumprecht の核影 (smudge cell basket cell) * 細胞と核が壊れ 核が丸く広がったもの * 標本作成時に人工的にできたもの * 核影が多数認められる主な疾患 慢性リンパ性白血病 成人 T 細胞性白血病 伝染性単核球症 異型リンパ球 の異型リンパ球細胞質の好塩基性はやや弱いが 同一標本上での細胞の分化 成熟の概要より異型リンパ球と判定

23 * 観察部位の工夫 薄い最適厚い 通常観察している部位より やや厚い部位をみる核影がやや少なくなる細胞が萎縮気味になるので 大きさの鑑別には注意

24 * 塗抹標本作製の工夫 * スピナ - 標本 ( 専用の機器が必要 ) * アルブミン添加標本作製 22% のアルブミン試薬を加えて標本を作製細胞全体が萎縮傾向になるので 注意が必要 * 圧挫伸展標本の作製通常の伸展標本より血液量を多くして作製

25 * 塗抹標本作製の工夫 圧挫伸展標本血液量 5~10μL 圧挫伸展標本通常の血液量 1~4μL ではなく 多めの量で作成

26 全体集計 N=67 施設 * 再カウントとの結果比較 再カウント N=14 人 % 20% 40% 60% 80% 100% 骨髄球 桿状核球 分葉核球 リンパ球 異型リンパ球 単球 好酸球 好塩基球 その他の細胞

27 血算 WBC( 10 2 /μl) 27 RBC( 10 4 /μl) 315 Hgb(g/dl) 9.2 Hct(%) 30.0 MCV(fL) 95.2 MCH(pg) 29.2 MCHC(g/dl) 30.7 PLT( 10 4 /μl) 3.4 Reti( ) 42 機器による白血球分類 Neutro(%) 34.6 Lympho(%) 28.8 Mono(%) 22.0 Eosino(%) 13.6 Baso(%) 1.0 機器メッセージ Neutropenia: 好中球減少 Lymphopenia: リンパ球減少 Blasts?: 芽球 Thrombocytopenia: 血小板減少 * 症例 28 検査データ 77 歳男性 Sysmex XN-3000 凝固 * PT ( 秒 ) 15.1 (%) 66 (INR) 1.24 APTT( 秒 ) 34 ( 対照コントロール秒 ) 27 フイフ リノーケ ン (mg/dl) 503 FDP(μg/ml) N T D-Dimer(μg/ml) N T 生化学 * TP (g/dl) 7.1 ALB (g/dl) 3.9 AST(U/L) 14 ALT (U/L) 13 LDH (U/L) 202 ALP(U/L) 284 T-Bil (mg/dl) 0.68 BUN(mg/dl) 29.4 Cre(mg/dl) 1.55 CRP(mg/dl) 2.98 スキャッタグラム

28 * スキャッタグラムの比較 正常 症例 28 Sysmex XN-3000

29 末梢血血液像 * 症例 28 末梢血血液像 血液像目視法 M-blast Stab(%) Seg(%) Lymph(%) Mono(%) Eosino(%) Baso(%) ( 血液像コメント ) 好中球脱顆粒巨大血小板アウエル小体 (+)

30 * 症例 28 骨髄像 POX

31 * 症例 28 骨髄検査結果 骨髄像 NCC /μl Meg.K 31/μl Cellularity Mild hyper M/E 8.7 Proerythro 0.0 % Baso-Erythro 0.0 % Poly-Erythro 8.8 % Ortho-Erythro 0.4 % Myeloblast 11.2 % Promyelo 10.8 % Myelo 24.8 % Metamyelo 7.2 % Stab 5.2 % Seg 28.8 % 骨髄像 Im.Eosino 0.8 % Eosino 0.8 % Im.Baso 0.0 % Baso 0.4 % Mono 0.8 % Lympho 0.0 % Plasma 0.0 % Reticulum 0.0 % Auer body (+) 骨髄像コメント Meg.K Erythroid Myeloid 核融解像 無顆粒好中球 巨大顆粒球 骨髄染色体結果 47XY+8 (15) 診断 MDS RAEB-2 46XY(5)

32 * 今回の試料と調査の目的 * 症例 28 診断 ) 骨髄異形成症候群 (MDS RAEB-2) 目的 ) 1 芽球様細胞を指摘できる 2 白血球の形態異常を指摘できる 低分葉好中球 ( 偽ペルゲル核異常 ) 脱顆粒好中球 3 血小板の形態異常を指摘できる 巨大血小板 4 検査データや標本から MDS を指摘 できる

33 1 芽球様細胞の有無 * 評価項目と結果 ( 評価内容は 報告書 P98~99 を参照 ) 58 2 白血球系細胞の形態異常の記載 血小板系の形態異常の記載 MDS の示唆 % 20% 40% 60% 80% 100% ( グラフ上の数字は施設数 )

34 (%) 10.0 * 芽球様細胞の施設間差 骨髄芽球または その他の細胞 1( 芽球様細胞 ) 施設番号順

35 施設数 * 病床数別の芽球様細胞の検出状況 青施設数橙検出率の低い施設数 平均 (%) 未満 20~99 100~ ~ ~ ~ ~ 病床数

36 * 芽球様細胞の検出状況 ( 過去との比較 ) H28 年度 H24 年度 H23 年度 診断名 MDS RAEB-2 MDS MDS 血球減少 3 系統 3 系統 3 系統 形態異常の有無 (+) (+) (+) 参加施設数 芽球様細胞検出施設 検出率 平均芽球様細胞 (%) 3.4 約 2.5 約 1.0

37 *MDS の診断基準 ( 要点 ) * 慢性貧血を主とするが ときに出血傾向 発熱を認める * 末梢血で 1 系統以上の持続的な血球減少 ( 成人で Hb;10.0g/dl 未満 好中球 ;1,800/μl 未満 血小板数 10 万 /μl 未満 ) * 骨髄は一般に正ないし過形成 ( まれに低形成のこともある ) * 血球減少の原因となる他の疾患を認めない A. 必須基準 1) 末梢血と骨髄の芽球比率が 20% 未満である (FAB 分類では 30% 未満 ) 2) 血球減少や異形成の原因となる他の疾患が除外できる 3) 急性骨髄性白血病に典型的にみられるような骨髄染色体異常を認めない B. 決定的診断 1) 血球異形成所見 2) 骨髄染色体分析にて MDS が推測されるような染色体異常を認める C. 補助基準 1) MDS で認められる遺伝子異常が証明できる 2) 網羅的ゲノム解析でゲノム異常が証明できる 3) フローサイトメトリーで異常な形質を有する骨髄系細胞が証明できる 注 1. 疑診例は経過を観察して 約半年後をめどに再検査を行う 注 2.MDS と診断できるが 放射線治療や抗腫瘍薬治療歴がある場合は 治療関連 MDS を考える 第 14 回静岡血液フォーラム 骨髄異形成症候群 (MDS) の形態的特徴から診断まで

38 *MDS WHO 分類 2008 年第 4 版 疾患末梢血所見骨髄所見 RCUD (RA,RN,RT) RARS RCMD RAEB-1 RAEB-2 MDS-U MDS with isolated del (5q) 1 系統または 2 系統の血球減少 (3 系統の血球減少の場合は MDS-U に分類する ) 芽球 1% 未満 *,Auer 小体 (-) 貧血あり芽球 (-),Auer 小体 (-) 1 系統以上に血球減少芽球 1% 未満 *,Auer 小体 (-) 単球 /l 未満 1 系統以上に血球減少芽球 5% 未満 **,Auer 小体 (-) 単球 /l 未満 1 系統以上に血球減少芽球 5~19%,Auer 小体 (±)*** 単球 /l 未満 血球減少芽球 1% 以下 *,Auer 小体 (-) 貧血あり血小板数は通常正常または増加芽球 1% 未満,Auer 小体 (-) 1 系統で 10% 以上の異形成 (+) RA( 赤芽球系 )RN( 顆粒球系 ),RT( 巨核球系 ) 芽球 5% 未満,Auer 小体 (-), 環状鉄芽球 15% 未満 環状鉄芽球 15% 以上, 赤芽球系の異形成のみ芽球 5% 未満,Auer 小体 (-) 2 系統以上で 10% 以上の異形成 (+) 芽球 5% 未満,Auer 小体 (-) 環状鉄芽球 15% 未満または 15% 以上 1~3 系統に異形成 (+) 芽球 5~9%**,Auer 小体 (-) 1~3 系統に異形成 (+) 芽球 10~19%,Auer 小体 (±)*** AML と診断される染色体異常を認めない 1~3 系統にて,1 系統の異形成は 10% 未満 MSD が推定される染色体異常がある 芽球 5% 未満,Auer 小体 (-) 低分葉核をもつ巨核球が正常数または増加芽球 5% 未満,Auer 小体 (-) 染色体は del(5q) の単独異常 * 末梢血に 1% の芽球を認める RCUD と RCMD は MDS-U に分類する. ** 芽球が骨髄で 5% 未満でも, 末梢血で 2~4% の場合は RAEB-1 に分類する. ***Auer 小体が見られる場合は芽球が末梢血で 5% 未満, 骨髄で 10% 未満でも RAEB-2 に分類する.

39 * 骨髄異形成症候群 (MDS) の形態異常 * カテゴリー A;MDSに特異性が高い好中球 ; 低分葉 (pseudo Pelger) 脱顆粒 ( 無顆粒 低顆粒 ) 巨核球 ; 微小巨核球 (micromegakaryocytes) 赤芽球 ; 環状赤芽球 (ring sideroblasts) * カテゴリー B; カテゴリー A 以外で 特異性はカテゴリー Aには劣るが 10% 以上の頻度で認められる場合は MDSが示唆される 好中球 ; 過分葉核好中球 ( 末梢血でもみられる所見のみ抜粋 ) その他の末梢血の異形成 ; アウエル小体 巨大血小板 骨髄異形成症候群診療の参照ガイド平成 25 年度改訂版

40 * 骨髄異形成症候群 (MDS) の形態異常 低分葉成熟好中球 ( ペルゲル核異常 ) 脱顆粒好中球 過分葉核好中球 アウエル小体 巨大血小板

41 * 再カウントとの結果比較 全体集計 N= 再カウント N=14 人 5.5 0% 20% 40% 60% 80% 100% 骨髄芽球 前骨髄球 骨髄球 後骨髄球 桿状核球 分葉核球 リンパ球 異型リンパ球 単球 好酸球 好塩基球 赤芽球 その他の細胞

42 *H28 年度試料 総合評価 試料 試料 % 20% 40% 60% 80% 100% A B C D E

43 *H28 年度形態検査まとめ * 形態検査の精度管理として 個人の精度管理仕事量や気分に左右されない 内部精度管理施設の担当者全員の目を合わせる 外部精度管理標準化に基づいて 他施設とも合うように * 臨床支援コメントの重要性 必要な内容を適切に説明できる 日頃のコミュニケーションも大切 血液検査担当者としての やりがい となる

44 * 日本検査血液学会血球形態標準化小委員会

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