物流効率化に向けた コンテナラウンドユース導入の 可能性検討

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産業構造が変化し 情報のグローバル化や新興国の技術進歩 国際物流ネットワークの充実により 国際分業化が進行し 輸出入にかかる物流網の重要性が増している しかしながら 滋賀県のような内陸部では 港頭地区などと比較して輸出入にかかるリードタイムが長く 輸送コストが高くなるため 荷主企業の経営負担を大きく


1 日本再興戦略 2016 改革 2020 隊列走行の実現 隊列走行活用事業モデルの明確化ニーズの明確化 ( 実施場所 事業性等 ) 技術開発 実証 制度 事業環境検討プロジェクト工程表技高齢者等の移動手段の確保 ( ラストワンマイル自動走行 ) 事業モデルの明確化 ( 実施主体 場所 事業性等 )

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目次 1. 大阪港の概要 1 大阪港の概要 大阪港の位置 大阪港の取扱貨物量 外貿コンテナ貨物の取扱状況 大阪港の再編計画 2. 対象事業の概要 5 整備目的 事業の主な経緯 整備対象施設の概要 事後評価に至る経緯 3. 費用対効果分析 7 便益項目の抽出 需要の推計 便益計測 荷主の輸送コストの削

作業時間の短縮等による拘束時間の削減 鳥取県 1. 実施者の概要 発着荷主企業 : 荷主組合 A 社酪農家で組織した専門農協 乳製品の製造販売等を実施 実運送事業者 A 社 B 社 C 社 D 社実運送事業者 A 社 : 鳥取県が本社 荷主組合 A の製品輸送を担当実運送事業者 B 社 : 鳥取県が

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道路を賢く使う取組 IT を活用した 賢い物流管理 について ETC2.0 で物流効率化 WIM で過積載の取締強化 深刻なドライバー不足が進行 30~39 歳 22% 30 歳未満 9% 40~49 歳 32% 50 歳以上 37% 物流効率化 トラックドライバーの 約 4 割が 50 歳以上 一

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資料 6 物流効率化に向けた コンテナラウンドユース導入の 可能性検討 平成 30 年 3 月 9 日

1. トラックドライバー不足の現状 トラックドライバーの供給量は 2015 年から 2025 年までに 2 割減少し 50 歳以上のトラックドライバーの割合については今後増加していく 需要量と供給量を比較すると 2020 年度までに需要量に対して 1 割のドライバーの供給量が不足と予測されている 東北 7 県のトラック運送事業者からも 今後トラックドライバー不足により長距離輸送において支障を来すなどの意見があり 労働力の確保と輸送の効率化は喫緊の課題である 2015 年 65 歳以上 60~64 歳 55~59 歳 50~54 歳 45~49 歳 40~44 歳 35~39 歳 30~34 歳 25~29 歳 20~24 歳 2% 2% 7% 10% 合計人数 :357,897 人 14% 15% 16% 16% 18% 50 歳以上 47% 0% ( 人 ) 0 20,000 40,000 60,000 80,000 2025 年 65 歳以上 60~64 歳 55~59 歳 50~54 歳 45~49 歳 40~44 歳 35~39 歳 30~34 歳 25~29 歳 20~24 歳 1% 2% 2 割減 5% 9% 10% 11% 合計人数 :287,396 人 19% 18% 25% 0% ( 人 ) 0 20,000 40,000 60,000 80,000 50 歳以上 64% 図トラックドライバー ( 大型自動車 ) 供給量の将来予測 (2015 年 2025 年 ) 表トラックドライバー数の需給状況 2010 年度 2020 年度 2030 年度 需要量 993,765 人 1,030,413 人 958,443 人 供給量 964,647 人 924,202 人 872,497 人 過不足 -29,118 人 (2.9%) -106,211 人 (10.3%) -85,946 人 (9.0%) 資料 : 平成 25 年度本部委員会報告書 ( 公益社団法人鉄道貨物協会 ) 東北 7 県のトラック事業者からの意見 (H28d 聞き取り ) ベテラン世代が退職してしまうため 今後 日帰り困難な 300km を超える長距離輸送において支障を来す ハローワークや求人誌などに求人情報を載せても問い合わせがほとんど無い状況 1

2. 輸送効率化を目指した輸送手段別の取り組み トラックドライバー不足への対応のためには輸送の効率化が必要とされており 陸上 海上 鉄道それぞれの分野で輸送効率化に向けた取り組みが行われている 東北国際物流戦略チームでは 近年他地域でも取り組まれているコンテナラウンドユース ( 以後 CRU) について 東北地域への導入の可能性について検討することとした 輸送手段分類取組内容 隊列走行 トラックを隊列走行することにより 車両の省エネ化と渋滞の低減を実現 トラック隊列走行 の商業化に向けた 経済産業省と国土交通省 国内トラックメーカーによる高速道路での実証実験が行われた ダブル連結トラック 1 台で通常の大型トラック 2 台分の輸送が可能な全長 25m の ダブル連結トラック の導入を目指し 国土交通省と福山通運による実証実験が行われた 陸上輸送 中継輸送実験 一つの行程を複数人で分担して短時間で勤務することにより 若年層や女性をはじめとした新規就労者を確保することを目的とした 中継輸送 の導入を目指し 国土交通省が実施の手引きを作成するなど 検討が進められている 宅配業 再配達を削減するため 各所に再配達受け取り専用ロッカーが整備されている 道路網整備 全国で道路網の整備が進められている中で 特に東日本大震災からの早期復興に向けた三陸沿岸道路など 東北地域においては高規格道路の整備促進が図られている 新規航路開設 ( 東北管内 ) 釜石港の外貿定期コンテナ航路 ( 中国 韓国航路 ) の開設 平成 29 年 11 月 17 日に第一便寄港 宮古 - 室蘭フェリー航路の開設 平成 30 年 6 月 22 日に開設予定 海上輸送 コンテナヤードの整備 計画 ( 東北管内 ) 仙台塩釜港 八戸港 酒田港におけるコンテナヤードの拡張 整備が進められている モーダルシフト 国土交通省では海上輸送へのモーダルシフトで CO2 を大幅削減した荷主 20 社と物流事業者 17 社 合計 37 社を表彰する等 モーダルシフトの更なる推進を目指している コンテナラウンドユース (CRU) 輸入に用いた後の空コンテナを港に戻さず輸出者へ空コンテナを直接輸送することで 空コンテナ輸送及び CO2 排出量の削減を目指す仕組みで 各地域で取組が進められている 鉄道輸送 モーダルシフト 国土交通省では CO2 排出量の削減や中長距離における大量 定時輸送等を目指し トラック輸送から鉄道輸送に切り替えるモーダルシフト推進のために様々な取り組みを行っている 2

空コンテナ 3. コンテナラウンドユース (CRU) の取り組み CRU とは 輸入に用いた後の空コンテナを港に戻さずに輸出に転用し 空コンテナの輸送距離を削減する取組みである 他地域における CRU の取組みは港の混雑を避けることを目的として実施されている事例があるが トラックドライバー不足への対応や CO2 排出削減にも効果的である CRU の輸送方式としては主に 輸入者が荷を取り出し空になったコンテナを 1 直接輸出者へ回送するオンシャーシ方式と 2 内陸部に設置したコンテナ置場 (ICD) を経由する 2 種類がある CRUの導入例 ( オンシャーシ方式 ICD 方式 ) ( 通常輸送 ) 港 実入りコンテナ空コンテナ空コンテナ実入りコンテナ 輸入者 輸出者 関係主体別のメリット デメリット 主体メリットデメリット 荷主 CO2 等環境負荷の軽減 輸送コストの削減 空コンテナの確保 ( 輸出荷主 ) コンテナフリータイムの有効活用 管理コストの増加 運営上の調整事項の増加 コンテナグレードの差異によるリスク 港 港 ( オンシャーシ方式 ) (ICD 方式 ) 空コンテナの輸送距離を削減 実入りコンテナ 実入りコンテナ 実入りコンテナ ICD ( インランドコンテナデポ ) 実入りコンテナ オンシャーシ方式による CRU 空コンテナ 空コンテナ 輸入者 輸出者 輸入者 輸出者 フォワーダー 輸送事業者 ICD CO2 等環境負荷の軽減 荷主に対する営業の材料として活用 CO2 等環境負荷の軽減 トラックの実車率及び回転率向上 ドライバー不足への対応 荷主に対する営業の材料として活用 新しい事業機会の創出 CO2 等環境負荷の軽減 管理コストの増加 顧客流出の可能性 輸出入コンテナ 1 個当たりの売り上げ減少 顧客流失の可能性 管理コストの増加 CRU 実施のための初期投資リスク 資料 : コンテナラウンドユース推進の手引き ( 日本ロジスティクスシステム協会 ) 3

4-1. コンテナラウンドユースの先進事例 CRUの取組については 下図のとおり既に多くの取組が行われている 先進事例として 下図赤枠で囲んだ4 者に対しヒアリング調査を行い 整理した 1 日本通運 ( コンテナマッチングセンター ) 運送事業者 2ケービーエスクボタ 荷主の物流子会社 ( 部門 ) 3 太田国際貨物ターミナル 第 3セクター 4 埼玉県コンテナラウンドユース推進協議会 行政 濃飛倉庫運輸 (H27.8~) 日本フレートライナー (H27.8~) 太田国際貨物ターミナル (H11.5~) 埼玉県コンテナラウンドユース推進協議会 (H26.11~) 日本高速輸送 (H27.8~) タツミトランスポート (H27.8~) クボタ ( ケービーエスクボタ )(H27.10~) JUKI(H5~) 大竹運送 (H19.10~) 宇都宮国際貨物ターミナル (H8~) 佐野インランドポート (H29.11~) ケービーエスクボタ (H20~) 吉田運送 (H25 以前 ~) 本田技研工業 (H26~) 八潮運輸 (H27.8~) 日本通運 ( コンテナマッチングセンター )(H26. 秋 ~) 阪神インランドコンテナデポ (H24.10~H28.9 ) 滋賀みなくち (ICD)(H28.10~) 横浜ゴム図 CRUに取組む主体の分布 ( 地図上の位置は各主体の拠点または利用しているICDを示す 赤枠の主体は調査を行った対象事例を示す ) 4

4-2. 日本通運 ( コンテナマッチングセンター ) の取り組み 顧客へのサービスとして H26 年に本社内にコンテナマッチングセンターを立ち上げ 顧客要望に基づきマッチング可能性のある他の顧客の紹介や 船社との交渉 その他段取りを実施 マッチングには日本通運の顧客情報に 他団体他事業者等のデータを加えて運用 サービスを開始した H26 年から H29 年までに 1,500 件の CRU が成立 東北の輸出業者に対し 首都圏から鉄道を利用して内貨でコンテナ輸送により空コンテナを調達する事例あり 取組内容 概要 特徴規模 マッチング率成功要因行政等の支援利害関係者等との調整不調事例備考 顧客へのサービスとして H26 年に日本通運がマッチングセンターを立ち上げ 顧客要望に基づき マッチング可能性のある他の顧客の紹介や船社との交渉 その他段取りを実施 京浜港等の大規模港湾の背後圏を中心にサービスを提供 東京 名古屋 大阪 神戸 福岡の他 富山でも成立事例あり サービスを開始した H26 年から H29 年までに 1,500 件 (3,300TEU) が成立 日本通運の顧客情報に 他団体他事業者等のデータを加えて運用したマッチング 埼玉県コンテナラウンドユース推進協議会等が取組を紹介 コンテナマッチングセンターが利害関係者間の調整を実施 削減された輸送コストは 輸入者 輸出者 運送業者 3 者でシェアが基本 輸出入者をマッチングできた後であっても 海上運賃の変動で荷主が船会社を変える事により マッチングが不成立となる例がある コンテナマッチングセンターでは輸出入者のマッチングや段取りを行うが 実際に CRU を実施するのは輸出入者自身であるため CRU が軌道に乗るかどうかは輸出入者の努力によるところが大きい 従事者数 マッチング業務従事者 2 名 図コンテナマッチングセンターが目指す姿 5

4-3. ケービーエスクボタの取り組み 自社の約 1 万本の輸出に利用する空コンテナを調達するため H20 年から内陸部にある自社工場内での CRU を開始し H25 年からは複数の輸入企業と ICD を活用した CRU を実施 空コンを搬入したトラックに 必ず輸出用の実入りコンテナを運搬してもらうことで協力者を拡大 現在 年間の輸出コンテナ 1 万本のうち 8 割にあたる 8,000 本を CRU により調達 取組内容 概要 特徴規模 マッチング率成功要因行政等の支援利害関係者等との調整不調事例備考 H20 年から自社で扱う 600 本の輸入コンテナをすべて輸出コンテナとしてラウンドユースする取組を開始 H25 年からケービーエスクボタの親会社の輸出をベースカーゴとして複数の輸入企業を活用した CRU を実施 関東では 3 拠点 ( 真岡 ICD 坂東 ICD つくば ICD) で 関西では 1 拠点 ( 伏見 ICD) で CRU を実施 関東では 31 者 関西では 17 者の輸入者等が CRU 参加 関東における H28 年の CRU の実績は 年間輸出コンテナ数 1 万本のうち 8 割にあたる 8,000 本 ベースとなるケービーエスクボタの親会社の輸出コンテナが多数存在すること 空コン搬入トラックを必ず輸出に利用し 協力者を拡大したこと 当初は ICD を利用しないオンシャーシによる 1 対 1 の CRU を実施しており コンテナマッチング率が 3 割程度にとどまったが 現在の ICD を活用した CRU に切り替えた結果 マッチング率は 80% 程度に達した CRU 開始当初 茨城県がケービーエスクボタ 及び輸出荷主としての親会社にマッチング相手を紹介 ケービーエスクボタが専任の担当者を置いて調整を実施 ICD に持ち込まれた空コンテナが 破損している等の理由により輸出に転用できないことがある ICD を活用した CRU では コンテナの洗浄や簡単な補修が行える設備を ICD に置いているが コンテナの状況によっては搬入された空コンテナを輸出に転用できない場合がある ICD のスペック コンテナ蔵置場面積 3,180m2 使用機械 45t リーチスタッカー 1 基フォークリフト複数台 管理事務所みなと運送つくば支店内 1 棟 ( 管理棟 ) 従事人員 ケービーエスクボタ社員 4 名 みなと運送社員 1 名 ( オペレータ ) 業務内容 倉庫荷役 コンテナ荷役 ( バン デバン ) バンプール業務 ( コンテナシフト 蔵置 チェック メンテナンス ) 6

4-4. 太田国際貨物ターミナルの取り組み 群馬県太田市周辺に立地する企業の国際物流を効率化するため 太田市等が中心となって H11 年に 太田国際貨物ターミナル (OICT) を設立 H12 年に本社ターミナルを開業 H25 年にはバンプールとして海上コンテナターミナルを近傍に整備 OICT が船社指定のバンプールを提供し フォワーダーがそれぞれコンテナマッチングを行っている 取組内容 概要 特徴 規模 マッチング率 成功要因 行政等の支援 利害関係者等との調整 不調事例 太田市等が中心となって H11 年に 太田国際貨物ターミナル (OICT) を設立 H12 年に保税倉庫とその関連施設を建設 船社指定のバンプールとして提供し 返却された輸入空コンテナを輸出コンテナに利用 OICT 自身は CRU サービスは行っておらずフォワーダーが OICT のバンプールを利用して CRU を行っている H28 年度の輸出コンテナ取扱量は約 2.4 万 TEU で うち約 33% が OICT に返却された空コンを利用 特定荷主が積極的に行った CRU は うち 100~200 個程 / 年 利用船社の誘致 契約船社拡大と 船社バンプールの PR による空コンテナの確保 太田市による本社ターミナル等の整備 国 県 市の補助による海上コンテナターミナルの整備 基本的にフォワーダー等が関係者の調整等を行って CRU を実施 1 対 1 の CRU が月間 600~700TEU 2 年半継続して行われていたが 一方の荷主が船社を変更したため 打ち切られた 顧客である輸出者の輸送コスト削減の要望を受けて OICT がマッチングした CRU が実施されたが ドレージ費用は安くなったもののデポにおける費用負担 ( 保管 コンテナチェック 積卸等 ) が増加したため 長続きしなかった 荷主は定期的に輸送コストの比較等を行い 船社を変更する場合がある 特に 1 対 1のCRUの場合 片方のマッチングの条件が合わなくなれば CRUが継続できなくなる 備考 輸出入者がCRUに取り組む目的の一つに 輸送コストの削減があるため CRUを実現するには一定の輸送コストの削減が求められる 海上コンテナターミナルのスペック 整備面積 37,627m2( 海上コンテナターミナル ) 使用機械コンテナ荷役機械 3 基 事務所 従事人員 会社全体 管理事務所 1 棟 守衛所及び現場事務所 1 棟 社員 18 名 パート 10 名程度 関連事業者を入れると 200 名 業務内容 倉庫荷役 コンテナ荷役 ( バン デバン ) バンプール業務 ( コンテナシフト 蔵置 チェック メンテナンス ) 海上コンテナ輸送 ( 陸上輸送 ) 保税 通関機能 7

4-5. 埼玉県コンテナラウンドユース推進協議会の取り組み 京浜港の混雑により 埼玉県内の立地企業や運送事業者の物流効率が悪化したことによる輸送時間ロスなどへの対応策として CRU を推進するべく 埼玉県が中心となって多社異業種からなる埼玉県コンテナラウンドユース推進協議会を H26 年に発足 埼玉県は 県内で行われている CRU の実態把握のため 社会実験における実績報告の収集や お試しデポの公募等を実施し 構成員が行う CRU の取組を後押し 取組内容 概要 特徴 規模 マッチング率 成功要因 京浜港の混雑により物流効率が悪化したことによる輸送時間ロスなどへの対応策として CRU を推進するべく H26 年に埼玉県が協議会を発足 協議会は荷主 陸運事業者 船会社 保険会社 金融機関等の多社異業種により構成 県内で行われている CRU の実態把握のため 社会実験における実績報告の収集や お試しデポの公募等を実施 協議会構成員は H29 年 12 月時点で 81 団体 H26 年度 ~28 年度の 3 か年にかけ行われた社会実験で把握された CRU 件数は約 3.2 千件 報告件数は年々増加 様々な立場の企業が情報を共有 交換する場を提供 利害関係者等との調整 利害関係者の調整は それぞれの取組を行う当事者間で実施 図ラウンドのパターン ( 資料 : 埼玉県コンテナラウンドユース推進の取組 第 6 回 SCRU 埼玉県報告資料 ) 8

4-6.CRU の先進事例の整理 CRU の先進事例における取組の目的としては 運送事業者による顧客へのサービス 荷主企業による空コンテナ調達 立地企業の物流の効率化等が挙げられる CRU の取組については 荷主自ら実施 運送事業者が営業品目として実施 運送事業者への場所の提供 行政によるお見合いの機会の提供など様々な立場による取り組み方がある 日本通運 ( コンテナマッチンク センター ) ケービーエスクボタ 太田国際貨物ターミナル (OICT) 埼玉県コンテナラウンドユース推進協議会 取組の目的 顧客 ( 荷主 ) へのサービス提供のため 自社の輸出に利用するコンテナを経済的に調達するため 群馬県太田市周辺に立地する企業の国際物流の効率化のため 京浜港の混雑による 埼玉県内立地企業や運送事業者の輸送時間のロスなどへの対応のため 特徴 CRU 成功のポイント 不調事例 顧客要望に基づき マッチング可能性のある他の顧客の紹 H25 年から親会社の輸出をベー介及び船社との交渉 その他スカーゴとしてラウンドユースす段取りを実施 る取組を開始 削減された輸送コストは 基本関東では3 拠点 関西では1 拠点的に輸入者 輸出者 運送業でCRUを実施 者の3 者でシェアしている ケービーエスクボタが専任の担 CRUにおいてドライバーが空当者を置いて調整を実施 荷とならない運用を行っている 日本通運の顧客情報に 他団体他事業者等のデータを加えてマッチングを実施 コンテナマッチングセンターが関係者間の調整を実施 輸出入者をマッチングできた後にも 海上運賃の変動で荷主が船会社を変えることによりマッチングが不成立となる例がある ベースとなる会社の輸出コンテナが多数存在 空コン搬入トラックを必ず輸出に利用し 協力者を拡大 首都圏にあり 周辺に輸入企業 ( 空コンテナ ) が多数存在 ICD に持ち込まれた空コンテナが破損している等の理由により 輸出に転用できないことがある OICT がサービスの一つとして船社デポのバンプールを提供し フォワーダーがそれぞれマッチングを行っている 契約船社を拡大 船社バンプールの PR による空コンテナを確保 1:1 の CRU が行われていたが 一方の荷主が船社を変更したため打ち切られた事例がある ドレージ費用が安くなったものの デポにおける荷主の費用負担が増加し 長続きしなかった例がある 協議会は 荷主 陸運事業者 船会社 保険会社 金融機関等の異業種他社により構成される 様々な立場の企業が情報を共有 交換する場を提供 利害関係者の調整は それぞれの取組を行う当事者間で実施 CRU の社会実験の実績報告の収集や お試しデポの公募等を実施 - 9

5. 東北地域における CRU 導入効果の見込まれる地域 H25 年コンテナ流動調査より 東北地域におけるコンテナ貨物の輸出入量が多い地域として 3 地区 ( 北上 福島 米沢 郡山 ) が挙げられる 更に 3 地区の中で東北港湾利用が最も多く 輸出入バランスが取れ 釜石港および大船渡港まで約 2 時間で行くことができる岩手県内陸部の北上地区が CRU 導入効果の見込まれる地域として考えられる 今回は モデルケースとして岩手県北上地区について CRU 導入の検討を行った 市町村別生産 消費輸出入コンテナ (FCL) の本数 地区別の東北港湾利用コンテナ本数 (FCL 本数 / 月 ) 地区 地区内の生産 消費コンテナ貨物 ( 本 ) 貿易企業の立地状況 内東北域内港湾を利用した貨物 輸出輸入輸出輸入総計 北上地区 331 829 131 490 621 福島 米沢地区 498 2,655 13 539 552 郡山地区 247 2,324 11 383 394 資料 : 平成 25 年度全国輸出入コンテナ貨物流動調査より コンテナ (FCL) の生産量 消費量の本数をもとに作成 地区別の集計範囲 ICD の位置 : 港から約 2 時間輸出者 :ICD から約 30 分輸入者 :ICD から約 2 時間 資料 : 平成 25 年度全国輸出入コンテナ貨物流動調査より FCL の本数をもとに作成 北上地区福島 米沢地区郡山地区 10

6. 岩手県内陸部に立地する荷主等による CRU に対するニーズ 岩手県内陸部の貨物流動及び CRU に対するニーズを把握するために 岩手県内陸部の輸出入コンテナ貨物を扱う荷主企業の中から調査に協力頂けた企業へヒアリングした 関係者へ CRU に対するニーズについて聞き取りしたところ CRU の導入に前向きな担当者がいた一方で CRU を知らない担当者も存在した 岩手県内港湾を利用している船社は CRU を推進しており CRU の取組に協力できるとの意見が得られた マッチング相手がいれば CRU に取組みたいとの前向きな荷主企業が存在したことから 意見交換会等の荷主同士が出会う機会の提供が効果的であると考えられる A 社 ( 主に製品の輸入 ) B 社 ( 製品の輸出 ) C 社 ( 製品の輸入 ) 企業 D 社 ( 製品の輸出 輸入 ) E 社 ( 主に製品の輸出 ) F 社 ( 主に製品の輸出 ) G 社 ( 主に製品の輸出 ) 船社 ( 岩手県港湾を利用 ) CRU の取組状況 ニーズ すでに自社内の CRU を導入した また 他社との CRU についても導入を検討している 荷主意見交換会のような場は まず出会う 知る機会として有意義である 年度末 年末 年始はトラックドライバー不足が顕著になる ラウンドユースを行うことで 陸送会社の負担を減らしたい コンテナをいかに集めることができるかが重要である また 船社の協力も必要となる 他地域では主に輸送コストの削減を目的に 他社との CRU を実施している 東北地域においても マッチングする輸出企業があればぜひ取組みたい トラックドライバー不足により 将来的に物が運べなくなることを危惧しており CRU はトラックドライバー不足への対応策として有効である 主に輸送コストの削減を目的に 自社内の CRU を本年度から開始した CRU の実施により トラックドライバーの効率的な配置にも貢献していると自負している 物流は基本的にフォワーダーに任せている状態である CRU 自体 今回のヒアリングで初めて知った 貨物量が少ないため CRU の導入はマッチングの面で難しいだろう トラックドライバー不足の影響は出始めているため 対応策として CRU の導入は有効である 実現には至らなかったが 他社との CRU を過去に検討した CRU を推進しており 顧客から CRU について問い合わせがあると 是非行って下さい と伝えている 東北地域に指定デポを 5 箇所所有しており 荷物があればデポ指定可能である 荷主の立場からすると選択肢が増えるため 是非ほかの船社も CRU に取り組むと良い 船社指定デポ : 港頭地区のバンプールと同様に コンテナの返却 ピックアップ場所として運用できる施設 11

7. 岩手県内陸部の輸出入コンテナの貨物流動 ヒアリングを行った企業の貨物流動から 大船渡港を利用した場合 輸出入コンテナの種類及び利用船社が一致する組合せが 1 パターン見られたが より多くの組合せを探すことが必要である 現状 岩手県内港湾以外の秋田港や仙台塩釜港 新潟港 京浜港などの他県港湾から陸送されているコンテナ貨物が存在しており CRU の取組にあたっては より多くの荷主や船社に CRU へ参加して頂くことにより取組効果が発揮されるものと考えられる ヒアリング調査で把握した北上地区の荷主企業における利用港湾と貨物の取扱量 ( 本 / 年 ) 12

8. 岩手県コンテナ物流関係者による意見交換会 これまでの調査結果を踏まえ 平成 30 年 2 月 5 日に岩手県奥州市において CRU の取組の推進を目的としたコンテナ物流関係者による意見交換会を開催 CRU 取組の必要性を認識すると共に 導入には受益者負担も含めた幅広い制度設計が必要であることを確認 関係者で課題を認識 共有し 今後も検討を進めることとした < 出席者からの主な意見 > CRU 取組の必要性について トラックドライバーは近い将来さらに少なくなると予想されている 一方 東北港湾 におけるコンテナ取扱量は増加している このままではコンテナが扱えなくなる危機感を持っている その対策の一つとして CRU に着目し検討している 場所やお金の問題はあるが ICD に参画するつもりでこれまで取り組んできた 周りの変化が早いので 対応にスピード感が必要 CRU に取り組むことでトラックの拘束時間の中で倉庫から釜石港のコンテナヤードまで 1 日 2 往復が可能となる 日帰りできると取っつきやすく 女性ドライバーも活用し易くなる 空コンの回送という余分な費用が掛かると価格競争面で負けてしまう 県内で CRU を実施できれば競争力が増す 検討課題等について 現在 仙台港にコンテナが流れているのは釜石港 大船渡港に空コンテナがないからである 国道 4 号線をどの程度コンテナが通っているのかと思い見ていると 岩手県で宇都宮や東京ナンバーの空のトレーラーが通っている マッチングできるかどうかは船社の協力等も必要である 制度設計では 港湾の利用促進や荷主支援などの目的の整理 対象港湾をどうするかなど 検討が必要である CRU 実施によるメリットが大きいのは荷主だと思う 県内事業者 関係自治体が課題を認識 共有し 議論する場が必要 出席者 岩手県県土整備部港湾課 釜石市 大船渡市 奥州市 陸運事業者 港運事業者 東北地方整備局港湾空港部 東北地方整備局釜石港湾事務所 13

9. コンテナラウンドユースの成立条件と北上地区の現状及び課題 既往調査 や先進事例調査から想定される成立条件と 北上地区に立地する荷主企業への調査をもとに CRU に取り組むにあたっての現状及び課題を整理した コンテナラウンドユース推進の手引き ( 日本ロジスティックス協会 ) 成立条件内容北上地区における CRU 取組上の現状及び課題 1 船社の一致 輸出入者が利用する船社が一致している必要がある 北上地区に立地する荷主企業 11 社へ調査を行った結果 利用船社は 9 社 (MOL NYK K-Line ハハ クロイト KMTC SITC OOCL CK ライン 興亜 ) であった そのうち 輸入企業と輸出企業が一致しているのは 1 例であった 2 コンテナ種類の一致 輸出入者が利用するコンテナの長さや高さが一致している必要がある 北上地区に立地する荷主企業へ利用コンテナに関する調査を行った結果 輸出入とも 9 割以上が 40ft コンテナ利用であり コンテナ長さについては一致する例が多かった 高さについては確認できていない 3 コンテナ状態の合致 輸入コンテナ利用後のコンテナの状態が輸出する貨物の特性に合致する必要がある 現状では 輸出入荷主の貨物の特性や求めるコンテナの状態が確認できていないことから 荷主に情報を求めることが必要である なお 状態の良いコンテナを求める荷主には洗浄や補修を行うことで 荷主の求める状態に合致出来る場合がある 4 スケジュールの合致 空コンテナの欠品や長期滞留をさせないために 輸出入のスケジュールを合わせる必要がある 現状では 荷主の輸出入スケジュールが確認できていないことから 荷主に情報を求めることが必要である 輸出入スケジュールがピンポイントで合致する場合はオンシャーシでの CRU が可能であるが ある程度のスケジュール調整が必要である場合は ICD の活用等によりバッファ期間を確保する必要がある 14

10. コンテナラウンドユースの取組に向けて <CRU 取組上の課題に対する考察 > 荷主が使用するコンテナの種類 コンテナ状態および輸出入スケジュールが確認出来ていないことから 情報収集を行うための荷主の意見交換の場を持つことがスタートである 船社が一致する例が少ないという課題に対しては 荷主の意見交換の場を活用して同一船社を利用する者を結びつけることや 利用船社のすり合わせにより解決を図ることが必要である CRU の成立条件がある程度整った段階で 採算性の検討をするなど 最適と考えられる形態 取組パターンを選択することとなる <CRU の形態 取組パターン案 > 1 荷主同士によるオンシャーシ方式を活用した CRU の取組み 1 対 1 の荷主 ( フォワーダー ) により 特定の施設等を用いることなく取り組むことが可能な形態である 2ICD 設置 ( 既存 ICD 活用を含む ) による CRU の取組み ICD を活用した多数の荷主同士 (N 対 N) による形態である コンテナ全体に対する高い CRU 成立率が期待で きるものの 新規に設置する場合は投資が必要となる 荷主 フォワーダー 行政等による ICD 設置体制の 構築が必要となる 3 ベースとなる輸出企業 ( フォワーダー ) が中心となった CRU の取組み 多くの輸出コンテナを必要とする企業が空コンテナを集める際に考えられる形態である (1 対 N) ベースとなる輸出企業 ( フォワーダー ) が主体となり実施する 今後 トラックドライバー不足による物流を取り巻く環境は更に厳しくなるものと予想されるため コンテナラウンドユースの取組みが有効であるが 覚悟を持って取り組むプレーヤーが不可欠である 15