2016 年 11 月 11 日 4.6. 複数単位のオークション (Multunt Aucton) 今まで非分割財一単位 : 基礎理論 さらに発展させることができる (Advanced) ( 時間切れ.) 複数単位 ( 経セミ第 7 回 ) 分割可能財 : 電力 etc. 複数異質財 : 電波 スポンサードサーチ etc. 1
同じ品物を複数単位売却する ( メロンを一度に複数個競りにかける ) 1 単位ずつ売るケースは sequental aucton と呼ばれるピカソのリトグラフ ビンテージワインなど ここでは一度に売却するケース Smultaneous Aucton を考えよう 実例たくさん : 国債 ( 金融証券 ) 発行市場 : 非分割財を複数単位売却 電力市場 : 分割可能な財 一定供給量を分け合う 2
Multunt Aucton の代表的な ( 標準的な ) 四つのオークション ルール 封印型 : Dscrmnatory Aucton( 差別価格入札 ): 一位価格入札 の拡張形 伝統的な国債発行入札 ( 日本 英国 ドイツ フランス その他 ) Unform Prce Aucton( 一律価格入札 ): 二位価格入札の ある意味での拡張形 ( しかし VCG ではないので要注意 ) アメリカの国債発行入札 3
公開型 : Ascendng Clock Aucton( せり上げクロック入札 ): せり上げの拡張形 電力市場などなど Descendng Clock Aucton ( せりさげクロック入札 ): せりさげの拡張形 花卉オークションは より正確にはこれに該当 4
数値例 単一種財 3000 単位を入札で売却 : Bdder 1: 1 単位 75 円で 1000 単位購入希望 Bdder 2: 1 単位 100 円で 1000 単位購入希望 Bdder 3: 1 単位 95 円で 1000 単位購入希望 Bdder 4: 1 単位 80 円で 1000 単位購入希望 Bdder 5: 1 単位 65 円で 1000 単位購入希望 Bdder 6: 1 単位 90 円で 1000 単位購入希望 上位の Bdders 2, 3, 6 に 1000 単位ずつ売却するのが効率的 : いくらで?? 100 円 95 90 80 75 3000 単位 5
Dscrmnatory aucton( 差別価格入札 ) 本人の言い値で売却 数値例では Bdder 2: 100 円 1000 単位 = 100000 円支払う Bdder 3: 95 円 1000 単位 = 95000 円支払う Bdder 6: 90 円 1000 単位 = 90000 円支払う 計 100000+95000+90000=285000 円の収入 100 95 90 80 75 3000 6
Dscrmnatory aucton ( より厳格な定義としては ) 各入札者に 需要関数 を表明してもらう : たとえば入札者 Nは 一単位目には 110 円 2 単位目には 90 円 3 単位目には 80 円 4 単位目には 79 円,..., 2999 単位目には 2 円, 3000 単位目には 1 円はらってもいい と表明する あるいは需要関数を表明する D :[0, ) {0,...,}: 右下がりの関数 任意の単位価格 p {0, ) に対する需要は D ( p ) 単位です よって 表明された総需要関数は D :[0, ) {0,...,} D( p) D ( p) N 固定数量 S 単位が供給されるとすると : 需給均衡 D( p) S をみたす最低価格 p における需要が購入できるこの時 取引価格は 各単位における Wllngness to Pay とする! P 80 ならば入札者 は 3 単位購入する 1 単位目 110 円 2 単位目 90 円 3 単位目 80 円を支払う 合計 110+90+80=280 円支払う 7
Unform Prce Aucton( 一律価格入札 ) ( 実務ではこれを Dutch aucton と呼ぶ人がいるので要注意 通常 Dutch Aucton はせり下げのこと : 真逆 ) 数値例 最低落札価格 (90 円 ) と最高非落札価格 (80 円 ) の間の任意の一律価格で売却 ここでは ( 理論の慣例として ) 最高非落札価格 80 円とする 二位価格入札 のある意味での拡張 Bdder 2: 80 円 1000 単位 = 80000 円支払う Bdder 3: 80 円 1000 単位 = 80000 円支払う Bdder 6: 80 円 1000 単位 = 80000 円支払う 計 80000+80000+80000=240000 円の収入 (285000 円より安いが ) 100 95 90 80 75 1000 8
Unform Prce Aucton( 一律価格入札 ) (Dscrmnatory 同様 より厳格な定義としては ) 各入札者に需要関数を表明してもらう : たとえば入札者 Nは 一単位目には 110 円 2 単位目には 90 円 3 単位目には 80 円 4 単位目には 79 円,..., 2999 単位目には 2 円, 3000 単位目には 1 円はらってもいい と表明する あるいは需要関数を表明する D :[0, ) {0,...,}: 右下がりの関数 単位価格 p {0, ) に対する需要は D ( p ) 単位です 表明された総需要関数は D :[0, ) {0,...,} D( p) D ( p) N 固定数量 S 単位が供給されるとすると : をみたす最低価格 p における需要が購入できる 需給均衡 D( p) S ( 以上までは Dscrmnatory Aucton と同じ ) 取引価格は一律 p 円とする! P 80ならば入札者 は 3 単位を3 80 240円で購入 9
Dscrmnatory と Unform Prce: どっちがいい? どっちもどっち : 理論的にも実証的にもなんともいえない 理論 : Bach and Zender (93) 実証 : Archbald and Malvey (1998), Hotacsu and McAdams (2010) Dscrmnatory Aucton の問題点 : Prce Dscount ( 安く指値しようとするその結果低価格 非効率も ) Unform Prce Aucton の問題点 : Demand Reducton ( 少なめに需要表明しようとするその結果低価格 非効率も ) 10
Ascendng Clock Aucton( せりあげクロック式入札 ) 公開型競り人 ( オークショ二ア ) が単位価格をせりあげる入札者は競り人の公示価格にたいして需要を表明する総需要が供給をうわまわれば さらにせりあげる総需要と供給が一致すると せり上げ終了終了時の単位価格 ( 一律価格 ) ですべての単位を取引する たとえば入札者 Nは 1 円まで 3000 単位 2 円まで 2999 単位,, 79 円まで 4 単位 80 円まで 3 単位 90 円まで 2 単位 110 円まで 1 単位 それを超えると需要ゼロ という戦略をとる一律価格が 80 円ならば この入札者は 3 単位を一律 80 円 合計 240 円支払う せりあげクロック式 ( 公開型 ) は 一律価格入札 ( 封印型 ) と同じゲームになる ( せり上げ入札と二位価格入札との類似に対応 ) Demand Reducton という問題を抱えている 11
Descendng Clock Aucton( せりさげクロック式 ) 公開型競り人 ( オークショ二ア ) が単位価格をせりさげる入札者は競り人の公示価格にたいして需要を表明する需要を追加表明した時点での価格で取引成立総需要が供給をしたまわれば さらにせりさげる総需要と供給が一致すると せりさげ終了たとえば入札者 Nは 110 円を超える価格ならば需要ゼロ 110 円にて 1 単位需要表明 90 円にて追加一単位 (2 単位目 ) 80 円にて追加一単位 (3 単位目 ) 79 円にて追加一単位 (4 単位目 ),, 2 円にて追加 1 単位 (2999 単位目 ) 1 円にて追加 1 単位 (3000 単位目 ) という戦略をとるせりあげ終了時の価格が 80 円ならば この入札者は一単位目を 110 円 2 単位目を 90 円 3 単位目を 80 円 合計 3 単位を 合計 110+90+80=280 円支払う せりさげクロック式 ( 公開型 ) は 差別価格入札 ( 封印型 ) と同じゲーム ( せりさげ入札と 1 位価格入札との類似に対応 ) 12
Prce Dscount という問題を抱えているこの 4 つの標準的なオークション ルールでは優位戦略は存在しない効率的配分が達成される保証はない では Multunt Aucton における VCG メカニズムはどのような方式になるか? VCG であれば Incentve Compatble n domnant strategy であり効率的配分が達成される Vckrey (Multunt) Aucton! 13
Vckrey Aucton K 2 unts が供給 Multunt Allocaton Problem: 定式化 1 K 各入札者のタイプ : (,..., ) k とは : Bdder s ' valuaton for k 1 2 K 0 配分 : 1 a a ( a,..., an) A a K N { 0,..., K} とは : Number of bdder ' s purchases th addtonal purchase 各入札者 の利得 : a v ( a, ) k k 1 14
Vckrey Aucton ( g, x) の定義 g は効率的配分ルール : 財評価の高い順に割り当てる 任意の N, 任意の j N, 任意の について a, where g( ) a ( a ) N. a j 1 j 15
任意の入札者 Nについて支払ルール x はどのように特定化するか まず 入札者 以外の入札者の ( n 1) K 個の財評価 { } k j k { 1,..., K}, j N\{ } を大きい値から順番にならべよ! (, ) (, ) (, ) 1 2 ( n 1) K for every h {1,...,( n 1) K}, there exsts ( j, k) N \{ } {1,..., K} such that h k (, ). j 16
x K k K a 1 支払いルールを k ( ) (, ), where a g ( ) と特定する入札者 以外の評価のうち a 個を足したもの! K a 1番目からK 番目までの計 うしろの a 個は入札者 に取られてしまう よって K k K a 1 k (, ) は 入札者 が加わったことによって他の人が被る損失分 Vckrey Aucton は VCG メカニズムである!! 17
例で考えよう : K 5 n 5 1 単位目 2 単位目 3 単位目 4 単位目 入札者 1 100 51 11 9 入札者 2 120 102 73 10 入札者 3 60 45 35 20 入札者 4 70 12 0 0 入札者 5 80 75 74 55 入札者 1が払う額は入札者 2が払う額は入札者 3が払う額は入札者 4が払う額は入札者 5が払う額は 74 円 74+70=144 円 0 円 0 円 73+70=143 円 18
Vckrey Multunt Aucton は実際には ( ほとんど ) 使われていない Why? 支払い金額がどのように決まるか入札者がわかりづらい (?) Ausubel Mechansm オースベルによって提案された Vckrey Aucton の公開型ヴァージョン 19
( 再び ) 例で考えよう : K 5 n 5 1 単位目 2 単位目 3 単位目 4 単位目 入札者 1 100 51 11 9 入札者 2 120 102 73 10 入札者 3 60 45 35 20 入札者 4 70 12 0 0 入札者 5 80 75 74 55 セリ人がゼロ円から ( 一円ずつ ) せりあげ ( 需要は正直表明 ) 価格が 69 円までせりあがる 入札者 1は1 単位 : 自分以外の需要は 7 単位 入札者 2は 3 単位 : 自分以外の需要は 5 単位 入札者 3は0 単位 : 自分以外の需要は 8 単位 入札者 4は 1 単位 : 自分以外の需要は 7 単位 入札者 5は 3 単位 : 自分以外の需要は 5 単位 自分以外の需要は供給量 5 以上 : 自分以外に財を配分したら一単位も残らない 20
価格が 70 円までせりあがる入札者 1は1 単位 : 自分以外の需要は 6 単位入札者 2は 3 単位 : 自分以外の需要は 4 単位入札者 3は0 単位 : 自分以外の需要は 7 単位入札者 4は0 単位 : 自分以外の需要は 7 単位入札者 5は 3 単位 : 自分以外の需要は4 単位入札者 2 および入札者 5 については自分以外の需要は供給量 5 未満 (4): 自分以外に財を配分しても1 単位のこるよって 入札者 2 と 5 は この時点で各々 1 単位の購入が確定する価格は確定時の価格 70 円! 価格が 73 円までせりあがる 入札者 1は1 単位 : 自分以外の需要は 5 単位 入札者 2は 2 単位 : 自分以外の需要は 4 単位 入札者 3は0 単位 : 自分以外の需要は 6 単位 入札者 4は0 単位 : 自分以外の需要は 6 単位 入札者 5は 3 単位 : 自分以外の需要は 3 単位 入札者 5 は 2 単位目の購入が確定 : 価格は 73 円! 21
価格が 74 円までせりあがる 入札者 1は1 単位 : 自分以外の需要は 4 単位 入札者 2は 2 単位 : 自分以外の需要は 3 単位 入札者 3は0 単位 : 自分以外の需要は 5 単位 入札者 4は0 単位 : 自分以外の需要は 5 単位 入札者 5は 2 単位 : 自分以外の需要は 3 単位 入札者 1,2は各々 1 単位目 2 単位目の購入が確定 : 価格は 74 円! この段階で 入札者 1 は 1 単位 入札者 2 は 2 単位 入札者 5 は 2 単位 合計 5 単位すべてっ売却確定 Ausubel Mechansm ならばせり上げの途中で成約価格が購入単位ごとに確定する手順がわかるので紺頼はないはず ( ) 22
宿題 14: (1)Multunt Aucton を考える K 0, 1 n 2 3 n 0 for all N とする 各入札者は一単位のみを必要としている この時 VCG メカニズムは一律価格入札と一致することを証明せよ (2) 一律価格入札を 10 K n 2において考察する 各入札者 {1, 2} h 11 h for all h {1,...,10} について とする ふたりが正直戦略に従う時の取引価格 ( 単位価格 ) をもとめよ 相手が正直戦略に従う場合 利得を最大にする戦略がどのようなものになるかを説明し 最大化利得を示せ 23