トピックス Ⅱ. 各論 1 2 3 4 5 6 7 慢性腎臓病とプロトンポンプ阻害薬 要旨 プロトンポンプ阻害薬 (proton pump inhibitor:) は, さまざまな上部消化管疾患の治療成績の大幅な向上に寄与した薬剤であり, 現在, 臨床現場で広く使用されている. ただ近年, プロトンポンプ阻害薬と腎機能低下の関連が報告されており, 本稿では, それらについて概説する. プロトンポンプ阻害薬は, 稀に急性間質性腎炎を起こす可能性があることが報告されている. また, 大規模な観察研究において, 腎機能低下との関連の可能性も指摘されている. ただし, そのリスクがプロトンポンプ阻害薬の有するベネフィットを上回るものかどうかは定かではなく, 漫然と使用している場合には, 必要性を見直す必要があると考えられる. 後藤俊介 日内会誌 107:872~877,2018 Key words プロトンポンプ阻害薬, 急性間質性腎炎, 急性腎障害, 慢性腎臓病 はじめにプロトンポンプ阻害薬 (proton pump inhibitor:) は, 消化性潰瘍や胃食道逆流症 (gastroesophageal reflux disease:gerd) の治療において広く使用されている薬である. 木下らの総 1) 説によると, もともとこれらの病気に対してさまざまな酸分泌抑制薬が用いられていたが, 1980 年代に登場したH2 受容体拮抗薬により, 治療成績は大幅に向上した. しかし, 日中の酸分泌抑制力の低下, 長期服用における耐性発現 効果減弱, せん妄や認知機能低下の発現, 腎機能低下例での減量の必要性といった問題点も有していた.1991 年から本邦でも使用できるようになったは強力な酸分泌抑制作用を有 し, 肝代謝のため腎機能低下例にも用いやすく, 効果減弱といったことも克服しており, 効果発現がやや遅いことを除けばH2 受容体拮抗薬の有するいくつかの問題点を大幅に改善した薬剤であった. その優れた特性からさまざまな上部消化管疾患の治療に用いられ,GERDや低用量アスピリン及び非ステロイド性抗炎症薬 (non-steroidal anti-inflammatory drugs: NSAIDs) による潰瘍の再発予防において長期投与もされるようになった. このように,はさまざまな上部消化管疾患の治療効果を劇的に改善させた薬剤ではあるが, 長期投与例が増加するにつれ, 合併症についても指摘されるようになり, その1 つとして腎機能に対する影響も指摘されている. 神戸大学大学院医学研究科腎臓内科 / 腎 血液浄化センター Medication Control in Nephrology Field: Remarkable Points. Topics:II. Detailed exposition;6. Chronic kidney disease and proton pump inhibitor. Shunsuke Goto:Division of Nephrology and Kidney Center, Kobe University Graduate School of Medicine, Japan. 872 日本内科学会雑誌 107 巻 5 号
特集 腎疾患領域における薬剤管理今注目されるポイント 表 1 による急性間質性腎炎の症例集積研究 ( 文献 3 4 より ) Geevasinga N ら 3) Simpson IJ ら 4) 症例数 18 15 国オーストラリアニュージーランド 投与から発症までの期間平均 11 週 (3~24 週 ) 10 日 ~18 カ月 性別男 8, 女 10 男 8, 女 7 年齢中央値 74 歳 (49~89 歳 ) 中央値 75 歳 (55~86 歳 ) 腎機能の推移 症状 検査データ その他 治療前 egfr:37±10 治療前平均 Cr:0.94 mg/dl 腎機能悪化時 egfr:10±5 腎機能悪化時平均 Cr:4.43 mg/dl 中止 6 か月後の egfr の改善 中止後平均 Cr:1.57 mg/dl 治療前 80% 以上 :15 例中 9 例 (60%) ( 中止後 3~18 カ月 ) 治療前 50% 以上 :15 例中 12 例 (80%) 倦怠感や悪心 :39% 体重減少 :22% 等尿中好酸球陽性 :61% 貧血 :89% CRP 上昇 :78% 発熱 悪寒 :27% 症状なし :73% CRP 上昇 :80%( 平均 8.1 mg/dl) 血沈上昇 :73%( 平均 85 mm/h) 1 例は誤って再投与し, 再度腎機能悪化. 2 例は増量時に発症. 慢性腎臓病患者では, 腎機能の低下に伴い, 虚血性心疾患等の心血管合併症が増加するため, 低用量アスピリンを使用することが健常者に比べて多く, そのため, 潰瘍の予防のために酸分泌抑制薬をすることも多いと思われる. 前述のように,H2 受容体拮抗薬は腎機能低下例では用いにくいため, 必然的にが用いられることになる. 本稿では,と腎機能との関連を中心に解説する. 1.と間質性腎炎 が急性間質性腎炎を起こすことを述べた症例報告が1992 年に発表された 2). その後, さまざまな論文でと急性間質性腎炎との関連が報告されるようになった. そのなかで,18 例及び15 例の症例集積研究が報告されており 3,4), それぞれの特徴を表 1 にまとめた. 開始から急性間質性腎炎発症までの期間は10 日から最長 18カ月であった. ほとんどの症例で の中止により腎機能は改善したが, 完全回復には至っていないものが多かった. 症状として は, 尿毒症と思われる悪心 倦怠感や急性のアレルギー反応と思われる発熱 悪寒があるが, 症状がないものもある. 検査データとしては, CRP(C-reactive protein) 上昇を約 80% に認め, 平均 8.1 mg/dlまで上昇していた. により急性間質性腎炎が起こる頻度については, ニュージーランドからの論文では, 対象となった地域のの処方数から, 頻度は10 万人年あたり8 例 (95% 信頼区間 2.6~18.7) と 5,6) 推測している. また, 後に紹介する観察研究でも10 万人年あたり11.98 例,32 例となっており, 稀と思われる. ただし, 米国のMayo Clinic 7) からの報告では,1993~2011 年に腎生検で診断された薬剤性の急性間質性腎炎 95 例の原因の内訳では,1 位が抗生物質 (49%),2 位が (14%), 3 位がNSAIDs(11%) であり, 副作用の 1 つとして頭に入れておく必要があると思われる. 2.と腎機能低下の大規模臨床研究近年, さまざまな大規模のデータベースを用 日本内科学会雑誌 107 巻 5 号 873
トピックス Ⅱ. 各論 1 2 3 4 5 6 7 表 2 による腎機能低下について検討した症例対照研究 筆者年国症例対照要因オッズ比 Leonard 8) 2012 イギリス Klepser 9) 2013 米国 Blank 5) 1 2014 ニュージーランド Arora 10) 2016 米国 Peng 11) 2 2016 台湾 Hung 12) 2017 台湾 急性間質性腎炎 (N=68) 急性腎障害 (N=27,982) 急性腎障害 (N=854) を現在使用 (N=242) 慢性腎臓病 (N=19,311) 末期腎不全 (N=3,808) 慢性腎臓病 (N=16,704) 急性間質性腎炎なし (N=3,347) 急性腎障害なし (N=1,323,850) 急性腎障害なし (N=3,289) を過去に使用 (N=204) 慢性腎臓病なし (N=57,151) 末期腎不全なし (N=3,808) 慢性腎臓病なし (N=16,704) 3.20(0.80~12.79) 急性間質性腎炎 1.05(0.97~1.14) 1.72(1.27~2.32) 5.16(2.21~12.05) 1.10(1.05~1.16) 1.88(1.71~2.06) 1.42(1.35~1.49) 1 使用者または使用歴のあるものが対象. 急性間質性腎炎を発症した 1 例に対し生年月日, 年齢をマッチさせた 10 例を選び, この研究の対象集団としている. 2 腎臓病のある患者が対象. 症例対照研究は症例と対照での要因の差があるかを検討する研究. 例えば, 一番上の研究では, 急性間質性腎炎を発症した患者 ( 症例 ) としていない患者 ( 対照 ) において, の服用のオッズ比を調べると 3.20(0.80~12.79) で, 急性間質性腎炎を発症した患者の方が の服用が多い傾向にはあるが, 統計学的に有意とはいえないということになる. : プロトンポンプ阻害薬 い,と腎機能との関連を検討した研究が報告されている. 文献検索の結果, 大規模データベースを用いた11 論文を見つけることができた 5,6,8~16). このうち最も古い論文が2012 年で, 7 つの論文が2016 年及び2017 年に発表されたものであり,と腎機能との関連について最近注目されていることがわかる. この11の論文は全て観察研究で, 残念ながら介入研究はない. これらの論文を大きく症例対照研究とコホート研究に分けて解説する. 1) 症例対照研究 と腎機能との関連を検討したもののうち, 症例対照研究についてまとめたものを表 2 に示す. 症例対照研究は2 つの要因の関連を調べるにあたって, 症例と対照を選び, その群間で要因に差があるかどうかを調べる研究である. 今回の場合であれば, 多くの研究で腎臓病 ( 急性間質性腎炎, 急性腎障害, 慢性腎臓病, 末期腎不全等 ) を起こした症例に対し, 対照とし てそれらの腎臓病を起こしていない症例を選び,の使用の差について検討している. 結果 8) としては,Leonardらの報告では有意差はついていないが, 残りの研究では, 腎臓病のない患者に比べて, 使用のオッズ比が高いという結果になっている. この症例対照研究については, 研究にかかる費用や労力が比較的少なくて済むため, 関連を検討するために初期に行う研究としては適していると思われるが, いくつか問題点もある. 例えば, 症例対照研究は 内服の有無で2 群に分け, 腎臓病の発生割合を比較しているわけではないため, 実際にの使用によって腎臓病のリスクがどの程度高まるかは計算できない. 他にもさまざまな問題点はあるが, このような問題点のいくつかを解決するためには, コホート研究で検討する必要がある. 2) コホート研究 と腎機能との関連を検討したもののう 874 日本内科学会雑誌 107 巻 5 号
特集 腎疾患領域における薬剤管理今注目されるポイント 表 3 による腎機能低下について検討したコホート研究 筆者年国症例数 Antoniou 6) 2015 カナダ Lazarus 13) 1 2016 米国 Lazarus 13) 1 2016 米国 Xie 14) 2016 米国 Lee 15) 2 2016 米国 :290,592 非使用者 :290,592 急性腎障害 :358 H2RA:1,053 非使用者 :9,734 慢性腎臓病 :332 H2RA:956 非使用者 :9,204 :16,900 H2RA:6,640 非使用者 :225,221 :173,321 H2RA:20,270 :3,725 非使用者 :10,528 Klatte 16) 2017 スウェーデン :105,305 H2RA:9,578 コントロール群 非使用者 非使用者 非使用者 H2RA 非使用者 ハザード比 2.52(2.27~2.79) 急性間質性腎炎 : 3.00(1.47~6.14) 群での発生率 (1,000 人年あたり ) 13.49 急性間質性腎炎 :0.32 1.64(1.22~2.21) 1.50(1.14~1.96)? 14.2 1.58(1.05~2.40) 1.39(1.01~1.91) 1.31(1.22~1.42) 1.17(1.12~1.23)? 20.1 1.30(1.13~1.48) 1.29(1.19~1.40) 1.28(1.23~1.34) 末期腎不全 : 1.96(1.21~3.18) 1.02(0.91~1.13) 1.30(1.00~1.69) 末期腎不全 : 2.40(0.76~7.58) 36.8 末期腎不全 :0.41? 3.60 末期腎不全 :0.35 1 AtherosclerosisRiskinCommunitiesstudy( 上 ) と GeisingerHealthSystem( 下 ) と 2 つのコホート研究が 1 つの論文に記載されている. 2 集中治療室に入室した患者が対象. そのため,1,000 人あたりの発症率は報告されていないが, 群では 3,725 例中 747 例 (20%) で急性腎障害を発症. : プロトンポンプ阻害薬,H2RA:H2 受容体拮抗薬 ち, コホート研究についてまとめたものを表 3 に示す. コホート研究では, 疾患を発症する可能性のあるものを対象に, ある因子の有無等で群分けして疾患の発症割合を比較することで, ある因子と疾患との関連を調べることができる. 今回の場合であれば, 使用者とそうでないもの ( 非使用者やH2 受容体拮抗薬使用者 ) を比較し, さまざまな腎臓病の発症割合を比較している. 結果としては, 多くの研究において, を使用している場合の方がそうでない場合に比べ, 腎臓病を発生するハザード比が高いと いう結果となった.Leeらの集中治療室に入室し 15) た患者を対象とした研究では有意な差はでなかったが, 集中治療室に入室した患者に対象を限定しており, また急性腎障害についても入室後 7 日以内での急性腎障害の発症となっている. それに加え,とH2 受容体拮抗薬の群分けも入院前内服で群分けされており, 他の研究とは結果が異なった可能性が考えられる. コホート研究は, 症例対照研究と比べて費用や労力がかかるが,による腎臓病発症のリスクを計算することはできる. ただし,を処方 日本内科学会雑誌 107 巻 5 号 875
トピックス Ⅱ. 各論 1 2 3 4 5 6 7 するかどうかについては個々の医師に委ねられ ており, それが腎臓病発症に関連があれば交絡 因子となり得る. そのような交絡因子も測定し ていれば調整可能であり, 実際にさまざまな交 絡因子の調整後も は腎臓病発症と有意な関 連があるとされているが, 調整されていないも のの影響は否定できない. 3. と腎機能低下の機序について が腎機能低下をなぜ引き起こすかについ ては, いくつかの機序が考えられているが, 現 時点で確定的な見解はない. 例えば, 急性間質 性腎炎は完全に回復しないことがあり, また, 急性腎障害は慢性腎臓病のリスクといわれてい るため, 急性間質性腎炎を起こすことが慢性腎 臓病のリスクにもなっている可能性がある. ま た, 軽度の間質性腎炎が気づかれずに起きてい る可能性もある. それ以外に が低マグネシウ ム血症を起こす可能性や腸内細菌叢の変化を来 たす可能性,asymmetric dimethylarginine (ADMA) という血管内皮機能に関わる因子を上 昇させる可能性等が考えられ, それが腎機能低 下につながるかもしれないとも考えられてい る. また近年, により膠原線維性大腸炎 (collagenous colitis) による慢性下痢を起こすこ とが指摘されており, 下痢による脱水が腎機能 低下のリスクになる可能性もある. 4. と腎機能低下との関連についてどう考えるべきか さて, と腎機能低下との関連について述べ たが, これに対してどのように対応すべきであ ろうか. 現時点ではさまざまな意見があり, 恐 らく統一的な見解はないと思われる. そのた め, 筆者の個人的な意見となるが, まず, 頻度 は少ないものの, では急性間質性腎炎を起こ す可能性があり, また, 腎臓病は特に軽度であ れば症状がないことが多いため, 定期的な腎機 能の測定は必要と考える. ただ,GERD での長期 投与等 の使用についてはしっかりとしたエ ビデンスがあり, また, 腎臓病とのエビデンス については全て観察研究からの報告で因果関係 について確定的な見解はない. さらに, リスク もそれほど高くないため, 現時点では適切に使 用されている を中止すべきというものでは ないと考えられる. これらの観察研究を統合し たメタアナリシス 17~19) も報告され, と腎機 能低下との関連が示されているが, メタアナリ シスはさまざまな研究を統合することで統計学 的なパワーを上げることができる, 異なる結果 の出ている論文を統合し 1 つの結論を導くこと ができるといったメリットはあるが, コホート 研究の箇所で挙げた限界を克服できたわけでは ない. また, 慢性腎臓病患者への投与について も, 研究報告数は少ないものの, 腎臓病患者を 対象とした場合にリスクが大幅に上がるという わけでもないため 10), 控えるべきとまではいえ ないと思われる. ただ, は高い安全性のた め, 漫然と投与されている場合もあり, 必要性 を考慮して投与すべきと考えられる. おわりに と腎機能低下との関連について概説し た. により, さまざまな上部消化管疾患の治 療成績が向上したのは事実であるため, そのベ ネフィットを上回るほどの腎機能低下のリスク は現時点では定かではないと思われる. ただ, 漫然と が投与されていることがあるため, 現 在投与されている薬の必要性について改めて検 討することが大切であると思われる. 著者の COI(conflicts of interest) 開示 : 本論文発表内容に関連して特に申告なし 876 日本内科学会雑誌 107 巻 5 号
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