図 タックスヘイブン対策税制による合算所得の計算 図 タックスヘイブン対策税制による合算所得の計算 本邦法令又は 現地法令により 本邦法令又は 適用対象金額 現地法令により 本邦法令に基づくの計算 7 図2 年の欠損の金額および当該年度の税額による 持分に応じた 金額の計算 適用対象 図3 原則 図



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# 05 マエストロの解説 マエストロの解説 複雑になりすぎた 法人税をもう 一度勉強しよう グループ関連企業に対する過大な支払利息を 計上することによる租税回避を防止する措置と して これまでの移転価格税制及び過少資本税 制に加え 平成 24 年度改正で 過大支払利子 税制が設けられた 主要先進国

外国法人課税とAOAの適用開始④

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

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1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

【問】適格現物分配に係る会計処理と税務処理の相違

IFRS基礎講座 IAS第12号 法人所得税

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実務特集1. 寄附修正 Ⅰ はじめに グループ法人税制 100% グループ内の法人間での譲渡損益の繰り延べ 100% グループ内の法人間の寄附 ( 以上 2010 年 11 月号 ) 100% グループ内の法人間の寄附 ( 寄附修正 ) 支配関係 完全支配関係の判定 100% グループ内の法人のステ

損金経理と積立金経理の違い ( 圧縮超過額がない場合の基本構造 ) 例 A 社は 50の国庫補助金を得て 100で機械を取得した なお A 社の経常利益は 100 である * 仕訳の違い ( 単位 : 百万円 ) 損金経理積立金経理 補助金受贈と機械取得時の仕訳 ( 両者とも同じ ) 現金預金 50

収益事業開始届出 ( 法人税法第 150 条第 1 項 第 2 項 第 3 項 ) 1 収益事業の概要を記載した書類 2 収益事業開始の日又は国内源泉所得のうち収益事業から生ずるものを有することとなった時における収益事業についての貸借対照表 3 定款 寄附行為 規則若しくは規約又はこれらに準ずるもの

企業会計の利益 法人税法上の所得金額 売上原価販売費一般管理費営業外費用特別損失 売上 営業外収益特別利益 損金の額原価費用損失の額 益金の額 ( 収益の額 ) 当期純利益所得の金額 2 益金の額に算入すべき金額とは何か益金の額に算入すべき金額とは 法人税法の規定や他の法令で 益金の額に算入する 又

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

平成23年度税制改正の主要項目

CONTENTS 第 1 章法人税における純資産の部の取扱い Q1-1 法人税における純資産の部の区分... 2 Q1-2 純資産の部の区分 ( 法人税と会計の違い )... 4 Q1-3 別表調整... 7 Q1-4 資本金等の額についての政令の規定 Q1-5 利益積立金額についての政

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

第 298 回企業会計基準委員会 資料番号 日付 審議事項 (2)-4 DT 年 10 月 23 日 プロジェクト 項目 税効果会計 今後の検討の進め方 本資料の目的 1. 本資料は 繰延税金資産の回収可能性に関わるグループ 2 の検討状況を踏まえ 今 後の検討の進め方につ

法人による完全支配関係下の寄附金 1.100% グループ内の法人間の寄附 ( 法法 372) 現行税制上では 寄附金は支出法人では損金計上限度額を超える部分が損金不算入 受領法人では益金算入です 平成 22 年度税制改正により 100% グループ内での支出法人では寄附金全額を損金不算入とし 受領法人

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

新設 ( 大法人により発行済株式等の全部を保有される場合の適用対象金額の計算 ) 66 の 6-10 の 2 措置法令第 39 条の 15 第 1 項第 1 号の規定により特定外国子会社等の適用対象金額につき本邦法令の規定の例に準じて計算するに当たり 特定外国子会社等の発行済株式等の全部を直接又は間

【表紙】

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法人税 faq

に相当する金額を反映して分割対価が低くなっているはずですが 分割法人において移転する資産及び負債の譲渡損益は計上されませんので 分割法人において この退職給付債務に相当する金額を損金の額とする余地はないこととなります (2) 分割承継法人適格分割によって退職給付債務を移転する場合には 分割法人の負債

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

自己株式とみなし配当 1. 自己株式取得の法務自己株式は 会計上は資本取引として認識し 純資産の部から取得価額を控除する形式で表示します ( 自己株式会計基準 7) 一方税務上では 発行法人の貸借対照表と自社株式の取引価額次第で みなし配当課税と所得税の源泉徴収が必要な場合があります 自己株式の取得

. 減価償却の仕組みを理解する 60 定率法 定額法など減価償却の方法を理解しましょう. 有価証券の整理をする 68 有価証券一覧表に 購入売却のつど その取引内容を記載していくと 決算業務の際に便利です. 受取配当金を集計する 78 有価証券の整理後 受取配当金と源泉所得税を集計し 申告書作成の準

作成する申告書 還付請求書等の様式名と作成の順序 ( 単体申告分 ) 申告及び還付請求を行うに当たり作成することとなる順に その様式を示しています 災害損失の繰戻しによる法人税 額の還付 ( 法人税法 805) 仮決算の中間申告による所得税 額の還付 ( 法人税法 ) 1 災害損失特別勘

Microsoft Word - メルマガQ&A(23.8.1問2)利益剰余金の資本組入(父確認中)

iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

二法人税法施行規則第六十一条の三第一号ロ及びハ並びに第二号ロ及びハ並びに第六十一条の五第一号ハ及びヘ並びに第二号ハ及びヘに掲げる勘定科目内訳明細書ホ別表に掲げる明細書 ( 当該明細書に記載されている事項又は記載すべき事項の内訳に係る部分に限る ) 四省令第五条第二項の規定により同項に規定する添付書面

e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

日本基準でいう 法人税等 に相当するものです 繰延税金負債 将来加算一時差異に関連して将来の期に課される税額をいいます 繰延税金資産 将来減算一時差異 税務上の欠損金の繰越し 税額控除の繰越し に関連して将来の期に 回収されることとなる税額をいいます 一時差異 ある資産または負債の財政状態計算書上の

「図解 外形標準課税」(仮称)基本構想

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2. 中小企業のための主な優遇制度 注 : 各項目に付記している番号は 関連する参考資料です 番号に対応する資料名などは 5~6 ページに掲載していますのでご参照ください [1] 中小法人等 に適用される主な優遇制度 紙面の都合により ここでは制度の種類と それに関連する参考資料の番号を紹介していま

II. 課税標準の確定申告と納付 ( 地 税法第 103 条の23) 1. 申告期限 各事業年度の終了 が属する の末 から4ヶ 以内 ( 連結法 は5ヶ 以内 ) に納税地管轄の地 治 団体の に申告 納付しなければなりません 法 地 所得税の申告納付期限は下記のとおり 部変更されました 区分 従

取引に係る資産が国外関連取引に係る資産と同 法人及び国外関連者がともに業として金銭の 等であり かつ 比較対象取引に係る貸借時 貸付け又は出資を行っていない場合において 期 貸借期間 貸借期間中の資産の維持費用等 その法人が国外関連者との間で行う金銭の貸付 の負担関係 転貸の可否等貸借の条件が国外関

 

試験研究費 9,, 7,, Check7 14,, 14,, Check8 7,, 2,, 14,, 6,, 6,, 税務弘報

外国税額控除 この取り扱いは 平成 21 年度税制改正の 海外子会社の配当の益金不算入制度 ( 法法 23 条の 2) により廃止されました 原則として 平成 21 年 4 月 1 日以降に開始する親会社の事業年度から適用されます ( 附則 6) ただし 租税負担率 25% 以下の軽課税国に所在する

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

改正 ( 事業年度の中途において中小企業者等に該当しなくなった場合等の適用 ) 42 の 6-1 法人が各事業年度の中途において措置法第 42 条の6 第 1 項に規定する中小企業者等 ( 以下 中小企業者等 という ) に該当しないこととなった場合においても その該当しないこととなった日前に取得又

新規文書1

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

労働基準法が改正されます

上場株式等の配当等に対する課税

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平成 22 年 4 月 1 日現在の法令等に準拠 UP!Consulting Up Newsletter 無対価での会社分割 バックナンバーは 当事務所のホームページで参照できます 1

ワコープラネット/標準テンプレート

Invincible

(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

会社税務のてびき目次 平成 28 年度 法人税関係税制改正のポイント 1 1 法人税は何にかかるか? 3 2 収益は どの時点で計上するか? 8 3 配当金を受け取ったときは? 15 4 売上原価を求める方法 19 5 売却した有価証券の損益を求める 24 コラム 1 社長が会社にお金を貸していたら

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第28期貸借対照表

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

粉飾決算と過年度損益修正 1. 概要 経営上の諸般の事情により やむを得ず粉飾して架空売上や架空在庫を計上する場合があります 前期以前の 過年度の決算が間違っていた場合は 会計上は当期の期首で修正できます ただし 過年度の損失を当期に損金算入すれば その事業年度に損金計上すべきであり 過年度の損失は

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

経営 V iewpoint 相 談自己株式の取得に係る会計と税務について 宮澤正彦相談部東京相談室 自己株式の取得については 平成 18 年に資産の取得から資本の控除項目へと会計基準が変更されました この改正に伴い 税法も取扱いが変更されました 自己株式の取得についての手続きや留意

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対応別表一覧表

海運関係事項

間の初日以後 3 年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間 6 高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例事業者 ( 免税事業者を除く ) が簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に国内における高額特定資産の課税仕入れ又は高額特定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り ( 以下 高

49 年 12 月 31 日までの間 源泉徴収される配当等の額に係るの額に対して 2.1% の税率により復興 特別が源泉徴収されます b. 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 分割型分割及び株式分配並びに組織変更による場合を除く 以下本 1において同じ

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PowerPoint プレゼンテーション

投資主が受け取る配当等の額については 原則どおり配当等の額を受け取る際に20%( 所得税 )( 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までは復興特別所得税とあわせて20.42%) の税率により源泉徴収された後 総合課税の対象となります ( ロ ) 出資等減少分配に係る税

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

税調第20回総会 資料2-1

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法人税制改正詳解 CONTENTS はしがき 第 1 章平成 23 年 12 月改正 第 1 節 法人税率の引下げ 2 1 改正の趣旨及び内容 2 2 税率引下げの必要性 5 3 実効税率の計算への改正の影響 7 4 適用関係 8 5 実効税率と復興特別法人税との関係 8 6 法

2019 年度版 2019 年度版 CPE カリキュラム一覧表 4. 税務 学習成果 税務に関連する理論及び諸規定を適用する 大分類 40 総論 必須 税務 小分類 ( 研修コード ) 01 租税法概論 ( 4001 ) 租税法入門 税法総論 1. 租税の意義 種類とその役割 2. 租税法の法体系及

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第一法基通改正7

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2. 減損損失の計上過程 [1] 資産のグルーピング 減損会計は 企業が投資をした固定資産 ( 有形固定資産のほか のれん等の無形固定資産なども含む ) を適用対象としますが 通常 固定資産は他の固定資産と相互に関連して収益やキャッシュ フロー ( 以下 CF) を生み出すものと考えられます こうし

税が課税される所得を生み出す事業活動に使われているか否かを基準に損金算入規制を設けていると考えられます 株式などの出資の取得のために資金を使った場合, 株式から生じる配当やキャピタルゲインは資本参加免税により非課税となります このケースでは, オランダでの課税所得を生じないことが想定されるため, 出

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KPMG Insight Vol.2_税務01

40 総論 01 租税法概 租税制度総論 必須 税務 論 1. 公認会計士と税務業務 ( 4001 ) 2. 税理士制度 3. 税務官庁の組織 4. 不服申立て 税務訴訟 5. 税務調査と否認の処理 6. 処罰法 7. その他 02 税制の動 向 ( 4002 ) 税制改正一般改正税法の研究 将来税

租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) 第十条の二 第四十二条の五 第六十八条の十 租税特別措置法 ( 昭和三十二年法律第二十六号 ) ( 高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除 ) 第十条の二青色申告書を提出する個人が 平成三十年四月一日 ( 第二号及

貸借対照表 (2019 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 千円 ) 科目 金額 科目 金額 ( 資産の部 ) ( 負債の部 ) 流動資産 3,784,729 流動負債 244,841 現金及び預金 3,621,845 リース債務 94,106 前払費用 156,652 未払金 18,745

経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

完全子会社同士の無対価合併 1. 会社法の規制 100% 子会社同士が合併する場合は 兄弟合併とも言われます 実務上は新設合併はマイナーで 法律上の許認可の関係で一方が存続する吸収合併が一般的です また 同一企業グループ内での組織再編成の場合は 無対価合併が一般的です 簡易合併に該当する場合は 存続

はじめに 会社の経営には 様々な判断が必要です そのなかには 税金に関連することも多いでしょう 間違った判断をしてしまった結果 受けられるはずの特例が受けられなかった 本来より多額の税金を支払うことになってしまった という事態になり 場合によっては 会社の経営に大きな影響を及ぼすこともあります また

( ロ ) 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る出資等減少分配 ( 所得税法第 24 条に定めるものをいいます 以下 本 ( ロ ) 出資等減少分配に係る税務 において同じです ) のうち本投資法人の税務上の資本金等の額に相当する金額を超える金額がある場合には みなし配当 ( 計

株式等の譲渡(特定口座の譲渡損失と配当所得等の損益通算及び翌年以後への繰越し)編

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

利益積立金額第 10 章税法上の資本の部 第 2 節利益積立金額 利益積立金額とは 法人の所得の金額のうち留保されているものをいう ( 法 21 十八 ) この利益積立金額は 法人の所得として課税済みの金額であり それが株主等に配当等された場合には二重課税の調整を要し また 特定同族会社の留保金課税

上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 平成 26 年 1 月 1 日 ~ 平成 49 年 12 月 31 日 平成 50 年 1 月 1 日 ~ % (

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( 注 3) その他の少額上場株式等の非課税口座制度の詳細については 証券会社等の金融商品取引業者等にお問い合わせ下さ い b. 利益を超える金銭の分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 平成 27 年 4 月 1 日以後開始事業年度に係る利益を超える金銭の分配につ

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平成22年度税制改正に係る法人税質疑応答事例(グループ法人税制その他の資本に関係する取引等に係る税制関係)(情報)


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05 マエストロの解説 マエストロの解説 複雑になりすぎた 法人税をもう 一度勉強しよう 海外に有する子会社が特定外国子会社等に該 当し かつ 適用除外基準を満たしていない場 合には その子会社の所得は親会社たる日本法 人の所得とみなして課税されることとなるつ まり 親会社の所得に合算して 日本で課税さ 税務における第一人者 税務マエストロ による税実務講座 れることとなるこの場合 合算される所得 今週のマエストロ テーマ タックス ヘイ ブン対策税制 合算所得金額の計算① 52 品川克己 日本公認会計士協会租税 調査会専門委員 国際租 税専門部会 税理士法人プライスウォーターハウスクーパ ース マネージング ディレクター 略歴 89年より大蔵省主税局に勤務90年7月より同国 際租税課にて国際課税関係の政策立案 立法及 び租税条約交渉等に従事96年ハーバード ロー スクールにて客員研究員として日米租税条約につ いて研究97年より00年までOECD租税委員会 に主任行政官として出向 在フランス し OECD 移転価格ガイドライン 及び OECDモデル条約 の改定 及び関連会議の運営に従事0年9月財 務省を辞職し現職 次回のテーマ 53 り 必ずしも日本の法令に基づいて表示されて いるわけではないこうした外国の法人の所得 金額を 日本での課税にあたり どのように計 算するのかが次のテーマである 概 要 タックスヘイブン対策税制による合算所得 は 特定外国子会社等の課税所得を基礎とし て 適用対象金額 課税 対象金額 の順に計算される 措法 66 の 6 ① 図 参照 この は 原則的には 特定 外国子会社等の各事業年度の決算に基づく所得 の金額であり 一般的には 会計上の税引前利 益を意味するところであるが これを①法人税 法および租税特別措置法における所得計算に準 じた方法で計算する方法又は②現地法令により 計算された課税所得にいくつかの調整を加える 方法で計算し 最終的に我が国の法令により計 算した課税所得金額に近いものとなる 措法 66 の 6 ②二 経営戦略に応える 企業再編成税制 税理士 朝長英樹 経営戦略のつとして組織再編成税制を活 用できる方法を 同税制等の創設を主導し た筆者が事例形式で解説する 取り上げて欲しいテーマを編集部にお寄せください ta@lotus2.co.jp 34 は 外国法人たる特定外国子会社等の所得であ 次に 適用対象金額 は に前 平成 2 年度改正以前は 特定外国子会社等の合算対象 となる所得の計算にあたって支払の控除が設けられて いたことに伴い 未処分所得の金額 という概念が設けら れていたが 外国子会社からの等の益金不算入の創設 に伴って支払を控除することができなくなったことか ら 未処分所得 および 留保 という用語をはずし 現在は 適用対象金額 課税対象金 額 という概念により制度が構成されている

図 タックスヘイブン対策税制による合算所得の計算 図 タックスヘイブン対策税制による合算所得の計算 本邦法令又は 現地法令により 本邦法令又は 適用対象金額 現地法令により 本邦法令に基づくの計算 7 図2 年の欠損の金額および当該年度の税額による 持分に応じた 金額の計算 適用対象 図3 原則 図2 受取の除外 本邦法令に基づくの計算 図3 受取 他の子会社 特定外国子会社等 法人税法 措置法により 25 以上 6ヶ月以上 の計算上減算 を構成 他の子 調整を加えた金額となる 措法 66 の 6 ②二 法人税法 措置法により 最後に 課税対象金額 は 適用対象金額の うち 直接および間接に所有する当該特定外国 子会社等の株式等に対応する金額である 措法 66の6① つまり持分に対応する金額となる 2 課税対象金額 の計算 は 特定外国子会社等の各事業 措令39の5①四 25 日本 6ヶ月 商 関 シンガポ 商流 購 措令39の5①四 年度の決算に基づく所得の金額について 原則 措令39の5③④ 措令39の5③④ として 法人税法および租税特別措置法におけ 製 イン る所得計算で計算した金額に 特定 のを加えた金額であり 課税 所得金額に近似する金額となるなお 特定 ii 当該事業年度において納付する法人所得税の 外国子会社等の各事業年度の決算に基づく所得 の金額 とは 特に定義されていない 額を加算 iii 当該事業年度において還付を受ける法人所得 この金額の計算にあたっては 原則的方法と 税の額を減算 して本邦法令に基づき計算する方法 措令 39 iv 他の特定外国子会社等からの受取を減算 の 5 ① および例外的方法として 本店所在 ① 適用される本邦法令 地国の法令 現地法令 に基づき計算する方法 上記 i にいう 本邦法令 に基づく計算と 措令 39 の 5 ② が選択適用として認められて は 基本的に内国法人の各事業年度の所得計算 いる と同様に行われるなお この計算時に適用さ 本邦法令 原則的計算方法 れない法人税法の規定は次のとおり を 本邦法令 つまり日本の法 第 23 条 受取金の益金不算入 人税法および租税特別措置法に準拠して計算す 第 23 条の 2 外国子会社から受ける等の る場合は 次の順序で行うこととなる 措令 統括会社の概念図 39 図 の 5 ① 図 2 参照 i 本邦法令の規定の例に準じて計算した場合に 益金不算入 第 25統括会社の概念図 条の 2 受贈益の益金不算入 図 株式 第 26 条第 項から第 5 項 還付金等の益金不 算出される所得の金額又は欠損の金額を計算 算入 工場財務 管理等 中国側企業体 加工 組立業務 子会社等 会 工場所有 賃貸 工場財務 管理等 35 工員手配 福利厚生 庶務 資産

第 33 条第 5 項 資産の評価損の損金不算入等 例 第 37 条第 2 項 寄附金の損金不算入 第 6 条の 4 交際費等の損金不算入 第 38 条 法人税等の損金不算入 第 65 条の 7 から第 65 条の 9 まで 特定の資産 第 39 条 第 2 次納税義務に係る納付税額の損 船舶 の買替えの場合の課税の特例 第 66 条の 4 第 3 項 国外関連者に対する寄付 金不算入 第 40 条 法人税額から控除する所得税額の 金の損金不算入 第 67 条の 2 第 67 条の 3 組合事業に係る 損金算入 第 4 条 法人税額から控除する外国税額の 損失がある場合の課税の特例 ② 適用要件の取扱いおよび添付書類 損金不算入 第 55 条第 3 項 延滞税等の損金不算入 これらの規定の適用にあたっては 申告要件 第 57 条 欠損金の繰越し 又は 事前の届出を要する制度となっている場 第 58 条 災害損失金の繰越し 合が多い内国法人ではなく 外国の法人であ 第 59 条 債務免除等があつた場合の欠損金 る特定外国子会社等に対して どのようにして これらの要件を適用するかという点について の損金算入 第 6 条の 2 第 6 項 有価証券の譲渡益又は 譲渡損の益金又は損金算入 第 6 条の 連結納税の開始に伴う資産の 時価評価損益 第 6 条の 2 連結納税の加入に伴う資産の 時価評価損益 第 6 条の 3 分割等前事業年度等における 連結法人間取引損益の調整 第 62 条の 5 第 3 項から第 6 項 現物分配によ る資産の譲渡 第 62 条の 7 特定資産に係る譲渡等損失額の 損金不算入 適格現物出資に係る部分 は 概ね以下のように取り扱われる 措通 66 の 6 0 青色申告書を提出する法人であることを要件 として適用することとされている規定につい ては 特定外国子会社等がその要件を満たす ものとして適用する 減価償却費 評価損 圧縮記帳 引当金の繰 入額 準備金の積立額等の損金算入又は長期 割賦販売等に該当する資産の販売等に係る延 払基準による収益および費用の計上等確定し た決算における経理を要件として適用するこ ととされている規定については 特定外国子 また 本邦法令に含まれる租税特別措置法の 会社等がその決算において行った経理のほ 規定は次のとおりであるが 特に第 6 条の 4 お か タックスヘイブン対策税制の合算課税の よび第 66 条の 4 第 3 項に注意する必要がある 適用にあたって修正した損益計算書等におい 第 43 条 特定設備等の特別償却 て行った経理をもって要件を満たすものとし 第 45 条の 2 医療用機器等の特別償却 て取り扱う 第 52 条の 2 特別償却不足額がある場合の償 却限度額の計算の特例 タックスヘイブン対策税制の適用にあたり採 用したたな卸資産の評価方法 減価償却資産 第 57 条の 5 保険会社等の異常危険準備金 の償却方法 有価証券の 単位あたりの帳簿 第 57 条の 6 原子力保険又は地震保険に係る 価額の算出方法等は 内国法人が最初に提出 異常危険準備金 する確定申告書に添付する特定外国子会社等 第 57 条の 8 特別修繕準備金 に係る損益計算書等に付記し 特段の事情が 第 57 条の 0 中小企業等の貸倒引当金の特 ない限り継続適用する 36

また 法人税法第 33 条の資産の評価損の損 図2 本邦法令に基づくの計算 持分に応じた 金額の計算 図3 受取の除外 原則 金不算入等および第 42 条から第 53 条までの圧 他の子会社 法人税法 措置法により 縮記帳および各種引当金の規定に準じて計算し 25 以上 6ヶ月以上 た場合並びに租税特別措置法の規定に準じて計 算した場合に 特定外国子会社等の各事業年度 において損金の額に算入されることとなる金額 があるときは その金額の損金算入に関する明 特定外国子会社等 の計算上減算 日 商 を構成 細書を合算課税に係る内国法人の各事業年度の 関 シンガポ 確定申告書に添付しなければならない添付が 商流 購 ない場合には 特定外国子会社等の所得 つま 措令39の5①四 等は 合算課税を受けることにより実質的に日 り合算課税の対象となる金額 の計算にあたり 本の法人税が課せられることになり それは特 措令39の5③④ 損金算入できな い こ と に な る 措 令 39 の 5 定外国子会社等が内国法人と同様の位置づけに ⑦ な お 明 細 書 は 具 体 的 に は 別 表 9 おかれることを意味するそこで 内国法人に 4 別表 から 2 別表 2 別表 2 対する取り扱いと整合させることが この取り 2 別表 3 から別表 3 3 別表 3 5 扱いの趣旨と考えられる 別表 4 3 および別表 6 から別表 6 5 に準 この取扱いの対象となる子会社は次の 2 つの じた書式が用いられることとなるが 当然その 要件を満たした子会社に限定されるが これは ものでも問題ない 措規 22 の 法人税法第 23 条の 2 外国子会社から受ける配 ③ 移転価格税制との関係 当等の益金不算入 における外国子会社の範囲 特定外国子会社等と内国法人との間で行われ と基本的には同様のものとなっている 図 3 参 た取引について移転価格税制 措法 66 の 4 の 照 適用がある場合 つまり内国法人の所得が増加 発行済株式等のうちに特定外国子会社等が保 する場合には その取引が独立企業間価格で行 有しているその株式等の数もしくは金額の占 われたものとみなして特定外国子会社の基準所 める割合または発行済株式等のうちの議決権 得金額を計算することとなるこれは 移転価 のある株式等の数若しくは金額のうちに特定 格税制とタックスヘイブン対策税制の 2 重適用 外国子会社等が保有しているその株式等の数 による二重課税を排除するためであり 理論 もしくは金額の占める割合のいずれかが 25% 上 取引の相手方である特定外国子会社等の所 図 統括会社の概念図 得が減少することとなる 措令 39 の 5 ①一括 以上であること 等の額の支払い義務が確定する日 みな 弧書き 製 イン 株式 しである場合にはその発生日の前日 以 加工 組立業務 前 6 ヶ月以上 6 ヶ月以内の新設法人の場合 子会社等 ④ 他の子会社から受けるの除外 工場所有 賃貸 特定外国子会社等のの計算にあ 工場財務 管理等 には 設立の日以後確定日までの期間 25% たり 特定外国子会社等が 一定の要件を満た す子会社から受けるを控除することができ 完成品 工員手配 以上の保有が継続していること 福利厚生 庶務 中国側企業体 なお 特定目的会社 租税特別措置法第 67 資 工 場 香港法人 る 措令 39 の 5 ①四 これは 平成 2 年度 組 合 条の 4 投資法人 租税特別措置法第 67 条の 改正により 外国子会社からの等の益金不 5 特定目的信託に係る受託法人 租税特別 算入 が導入されたことに伴い設けられた措置 措置法第 68 条の 3 の 2 特定投資信託に係る 特定外国子会社等 加工賃 賃貸料 完成品 である合算課税の対象となる特定外国子会社 図2 平成3年度改正における法人税法上の処理 受託法人 租税特別措置法第 68 条の 3 の 3 は 法人税法上の貸借対照表 負債 500 減資等 300 資本等の金額の減少額 旧法令9⑨ 300 37 株

除かれている 孫会社に該当 が 上記③の要件を見たさな また こうしたを控除する場合には こ い法人であり たとえば持分が 25% 未満 同 の金額の計算に関する明細書を確定申告書に添 時に 特定外国子会社等 に該当する場合に 付する必要があり 添付されていないことにつ は 2 段階の特定外国子会社等で 2 度の合算課 いてやむを得ない事情があると税務署長が認め 税を受けることも考えられるこうした二重課 る場合には 別途提出することにより認められ 税を排除するため ③の措置の対象とならない ることとなる 措令 39 の 5 ⑧ 特定外国子会社等からの等についての二重 ④ 控除対象等の調整 課税排除については 別途の措置が設けられて 特定外国子会社等に等を行うその子会社 いるところである 措令 39 の 5 ⑧ 記事に関連するお問い合わせ先 記事に関するお問い合わせは週刊 T Amaster 編集部にお寄せください執筆者に質問内容を お伝えいたします TEL 03-528-0020 FAX 03-528-0030 e-mail ta@lotus2.co.jp なお 内容によっては回答いたしかねる場合がありますので あらかじめご了承ください 38