社 内 資 料 ムルキナ 点 眼 液 0.1% - 先 発 医 薬 品 との 生 物 学 的 同 等 性 に 関 する 資 料 - 日 東 メディック 株 式 会 社 2007 年 12 月 作 成
社 内 資 料 ムルキナ 点 眼 液 0.1%の 生 物 学 的 同 等 性 について Ⅰ. 要 旨 プラノプロフェン 0.1% 含 有 点 眼 液 ムルキナ 点 眼 液 0.1%について 他 社 市 販 品 (ニフラン 点 眼 液 千 寿 製 薬 株 式 会 社 )を 対 照 製 剤 とし 薬 理 効 果 比 較 試 験 により 両 製 剤 の 生 物 学 的 同 等 性 の 検 討 を 行 った 薬 力 学 的 試 験 の 実 施 は 急 性 結 膜 浮 腫 持 続 性 結 膜 浮 腫 及 び 実 験 的 アレルギー 性 結 膜 炎 の 実 験 的 結 膜 炎 モデル(ラット)を 作 成 し 行 った 急 性 結 膜 浮 腫 モデルは 両 薬 剤 投 与 後 に 起 炎 物 質 を 眼 瞼 結 膜 下 に 注 射 して 浮 腫 を 発 生 させ 一 定 時 間 後 に 眼 瞼 浮 腫 部 位 重 量 を 測 定 し 抗 炎 症 効 果 を 比 較 した 持 続 性 結 膜 浮 腫 モデルも 同 様 に 起 炎 物 質 及 び 両 薬 剤 投 与 一 定 時 間 後 の 浮 腫 部 位 の 重 量 を 測 定 し 抗 炎 症 効 果 を 比 較 した 実 験 的 アレルギー 性 結 膜 炎 モデルは 予 め 受 動 感 作 させた 後 両 薬 剤 を 点 眼 してア レルゲン 物 質 及 びエバンスブルーを 静 脈 内 に 注 射 し 結 膜 の 受 身 アナフィラキシーを 惹 起 させ 30 分 後 に 結 膜 への 色 素 漏 出 量 を 測 定 し 比 較 した 試 験 の 結 果 カラジーナン アラキドン 酸 ホルマリン 及 びカオリンを 起 炎 物 質 とする 急 性 結 膜 浮 腫 において いずれにおいても 両 製 剤 は 明 らかな 炎 症 の 抑 制 作 用 の 薬 効 を 示 し 同 等 の 効 力 であった また ナイスタチン 及 びマスタードを 起 炎 物 質 とする 持 続 性 結 膜 浮 腫 においても 両 製 剤 は 明 らかな 薬 効 を 示 し 同 等 の 効 力 も 認 めた 特 にマスタード 浮 腫 において 臨 床 適 用 と 同 様 の 起 炎 後 の 点 眼 で 両 製 剤 の 経 日 的 な 炎 症 作 用 も 同 等 であった 更 に 受 身 アナフィラキシーを 応 用 した 実 験 的 アレルギー 性 結 膜 炎 においても 両 薬 剤 は 同 等 な 炎 症 による 色 素 漏 出 の 抑 制 を 示 した かつ 無 感 作 無 点 眼 のも のとも 比 較 し 試 験 の 妥 当 性 をも 確 認 した 以 上 より 臨 床 に 近 い 急 性 結 膜 炎 慢 性 結 膜 炎 及 びアレルギー 性 結 膜 炎 の 実 験 的 結 膜 炎 モデルにお いて 更 に 各 種 起 炎 剤 による 炎 症 モデルにおいて 試 験 薬 (ムルキナ 点 眼 液 0.1%)と 対 照 薬 (ニフラ ン 点 眼 液 )は 同 等 の 薬 効 を 示 したことから 眼 科 の 臨 床 においても 両 製 剤 は 同 等 の 有 効 性 で 互 換 的 に 使 用 できるものと 考 えられた Ⅱ. 薬 理 学 的 試 験 1. 急 性 結 膜 浮 腫 に 対 する 作 用 試 験 薬 及 び 対 照 薬 をそれぞれの 群 に,Control としての 生 理 食 塩 水 液 及 び Placebo としての 主 薬 を 除 いた 製 剤 原 料 の 溶 液 をそれぞれの 群 に 5mL を 両 眼 へ 点 眼 し その 15 分 後 に 起 炎 物 質 としてカラ ジーナン,アラキドン 酸,ホルマリン,カオリンをそれぞれ 0.05mL ずつ 上 眼 瞼 結 膜 下 に 注 射 して 浮 腫 を 発 生 させた 一 定 時 間 後 に 頚 椎 脱 臼 により 屠 殺 し 浮 腫 部 位 を 切 り 離 し 眼 瞼 結 膜 浮 腫 部 域 重 量 を 測 定 した
(1)カラジーナン 浮 腫 に 対 する 作 用 各 群 の Control 群 に 対 する 平 均 抑 制 率 は 試 験 薬 投 与 群 が 29.7% 対 照 薬 投 与 群 が 35.3%であっ た 分 散 分 析 の 結 果, 製 剤 投 与 群 と Control 群 及 び Placebo 投 与 群 との 間 に 有 意 差 が 認 められ さ fig.カラジーナン 浮 腫 における 眼 瞼 結 膜 重 量 平 均 値 ± 標 準 偏 差 (mg) 53.12±6.55 48.84±6.18 75.53±14.26 72.10±2.47 control に 対 する 平 均 抑 制 率 (%) 29.7 35.3 ー ー (2)アラキドン 酸 浮 腫 に 対 する 作 用 各 群 の Control 群 に 対 する 平 均 抑 制 率 は 試 験 薬 投 与 群 が 34.6% 対 照 薬 投 与 群 が 30.6%であった 分 散 分 析 の 結 果 製 剤 投 与 群 と Control 群 及 び Placebo 投 与 群 との 間 に 有 意 差 が 認 められ さらに 製 剤 投 与 群 間 では 有 意 差 は 認 められなかった fig.アラキドンサン 浮 腫 における 眼 瞼 結 膜 量 平 均 値 ± 標 準 偏 差 (mg) 81.58±15.16 86.63±21.61 124.8±12.38 119.8±20.28 control に 対 する 平 均 抑 制 率 (%) 34.6 30.6 ー ー (3)ホルマリン 浮 腫 に 対 する 作 用 各 群 の Control 群 に 対 する 平 均 抑 制 率 は 試 験 薬 投 与 群 が 25.6% 対 照 薬 投 与 群 が 32.0%であっ た 分 散 分 析 の 結 果, 製 剤 投 与 群 と Control 群 及 び Placebo 投 与 群 との 間 に 有 意 差 が 認 められ さ fig.ホルマリン 浮 腫 における 眼 瞼 結 膜 重 量 平 均 値 ± 標 準 偏 差 (mg) 48.44±7.84 44.26±6.3 65.12±13.65 71.38±10.13 control に 対 する 平 均 抑 制 率 (%) 25.6 32 ー ー (4)カオリン 浮 腫 に 対 する 作 用 各 群 の Control 群 に 対 する 平 均 抑 制 率 は 試 験 薬 投 与 群 が 19.8% 対 照 薬 投 与 群 が 23.5%であっ た 分 散 分 析 の 結 果 製 剤 投 与 群 と Control 群 及 び Placebo 投 与 群 との 間 に 有 意 差 が 認 められ さ fig.カオリン 浮 腫 における 眼 瞼 結 膜 重 量 平 均 値 ± 標 準 偏 差 (mg) 86.43±12.20 82.47±14.88 107.75±11.95 108.73±15.44 control に 対 する 平 均 抑 制 率 (%) 19.8 23.5 ー ー
2. 持 続 性 結 膜 浮 腫 に 対 する 作 用 (1)ナイスタチン 浮 腫 に 対 する 作 用 試 験 薬 及 び 対 照 薬 をそれぞれの 群 に Control としての 生 理 食 塩 水 液 及 び Placebo としての 主 薬 を 除 いた 製 剤 原 料 の 溶 液 をそれぞれの 群 に 5mL を 両 眼 へ 点 眼 し その 15 分 後 に 起 炎 物 質 として ナイスタチン 懸 濁 液 を 0.05mL ずつ 上 眼 瞼 結 膜 下 に 注 射 して 浮 腫 を 発 生 させた 一 定 時 間 後 に 頚 椎 脱 臼 により 屠 殺 し 浮 腫 部 位 を 切 り 離 し 眼 瞼 結 膜 浮 腫 部 域 重 量 を 測 定 し, 各 群 間 の 有 意 差 検 定 は 分 散 分 析 により 行 った 各 群 の Control 群 に 対 する 平 均 抑 制 率 は 試 験 薬 投 与 群 が 37.0% 対 照 薬 投 与 群 が 33.1%であっ た 分 散 分 析 の 結 果 製 剤 投 与 群 と Control 群 及 び Placebo 投 与 群 との 間 に 有 意 差 が 認 められ さ fig.ナイスタチン 浮 腫 における 眼 瞼 結 膜 重 量 平 均 値 ± 標 準 偏 差 (mg) 75.91±13.18 80.55±17.31 120.4±27.17 125.0±11.35 control に 対 する 平 均 抑 制 率 (%) 37 33.1 ー ー (2)マスタード 浮 腫 に 対 する 作 用 試 験 薬 及 び 対 照 薬 をそれぞれの 群 に Control としての 生 理 食 塩 水 液 及 び Placebo としての 主 薬 を 除 いた 製 剤 原 料 の 溶 液 をそれぞれの 群 に 起 炎 物 質 としてマスタード 懸 濁 液 0.05mL を 眼 瞼 結 膜 下 に 注 射 し 約 15 時 間 後 より 1.5 時 間 毎 に 1 日 5 回 それぞれ 5mL ずつ 両 眼 へ 点 眼 し, 臨 床 適 用 と 類 似 の 炎 症 後 に 点 眼 を 行 った 眼 瞼 結 膜 浮 腫 重 量 の 測 定 は, 起 炎 1 日 後,3 日 後 及 び 6 日 後 の 3 回 行 い 比 較 検 定 は 分 散 分 析 により 行 った 各 群 の 起 炎 1 日 後 の Control 群 に 対 する 平 均 抑 制 率 は 試 験 薬 投 与 群 が 27.6% 対 照 薬 投 与 群 が 32.5% 3 日 後 の 平 均 抑 制 率 はそれぞれ 41.7% 48.0% 6 日 後 の 平 均 抑 制 率 はそれぞれ 63.7% 57.3%であった. 分 散 分 析 の 結 果 いずれの 起 炎 後 日 数 でもの 製 剤 投 与 群 と Control 群 及 び Placebo 投 与 群 との 間 に 有 意 差 が 認 められ さまた Control 群 と Placebo 投 与 群 の 間 には いずれの 起 炎 後 日 数 おいても 差 は 認 められず 主 薬 を 除 い た 製 剤 原 料 に 薬 効 がないことを 認 めた 以 上 のことから 点 眼 日 数 が 多 くなれば 浮 腫 炎 症 はいず れの 製 剤 でも 強 く 抑 制 されるものの 経 時 的 な 製 剤 間 の 薬 効 の 差 は 認 められなかった 100 Fig.マスタード 浮 腫 に 対 する 作 用 平 均 抑 制 率 (%) 80 60 40 20 0 0 1 2 3 4 5 6 7 起 炎 後 日 数 (day) 試 験 薬 対 照 薬
3. 実 験 的 アレルギー 性 結 膜 炎 に 対 する 作 用 受 身 アナフィラキシーを 眼 瞼 結 膜 に 応 用 し 実 験 的 アレルギー 性 結 膜 炎 モデルを 作 成 し 抗 炎 症 作 用 を 比 較 した まず 卵 白 アルブミンと 不 活 性 化 百 日 咳 菌 懸 濁 液 を 用 いレアギン 様 抗 血 清 を 作 成 し 血 清 を 生 理 食 塩 水 で 希 釈 して 両 眼 瞼 結 膜 下 に 0.05mL ずつを 注 射 して 受 動 感 作 した 72 時 間 後 に 試 験 薬 対 象 薬 生 理 食 塩 水 及 び Placebo として 主 薬 を 除 いた 製 剤 原 料 の 溶 液 を 5mL を 両 眼 へ 点 眼 し た その 15 分 後 にエバンスブルーと 卵 白 アルブミンの 混 合 溶 液 1mL を 尾 静 脈 内 に 注 射 し 結 膜 の 受 身 アナフィラキシーを 惹 起 させ 30 分 後 に 結 膜 への 色 素 漏 出 部 位 を 切 り 出 し 色 素 を 抽 出 して 色 素 量 を 算 出 した なお 参 考 として 無 感 作 無 点 眼 の 無 処 置 についてもエバンスブルーと 卵 白 アル ブミンの 混 合 溶 液 を 静 注 し 以 下 同 様 に 操 作 し 各 群 との 比 較 を 行 い, 受 身 アナフィラキシー 惹 起 の 確 認 をも 試 みた 各 群 の Control 群 に 対 する 平 均 抑 制 率 は 試 験 薬 が 32.1% 対 照 薬 が 28.5%であった 分 散 分 析 の 結 果 製 剤 投 与 群 と Control 群 及 び Placebo 投 与 群 との 間 に 有 意 差 が 認 められ さらに 製 剤 投 与 群 間 では 有 意 差 は 認 められなかった また,Control 群 と Placebo 投 与 群 の 間 には 有 意 差 は 認 められず 主 薬 を 除 いた 製 剤 原 料 に 薬 効 がないことを 認 めた 無 処 置 群 のエバンスブルーの 漏 出 量 は 他 の 群 よ り 低 値 を 示 し 分 散 分 析 の 結 果 からも Control 群 及 び Placebo 投 与 群 とは 大 きな 有 意 差 が 認 められ 今 回 の 試 験 における 受 身 アナフィラキシーの 惹 起 が 確 認 された fig. 実 験 的 アレルギー 性 結 膜 炎 におけるエバンスルーの 漏 出 量 平 均 値 ± 標 準 偏 差 (μg) 57.64±15.78 60.67±17.96 84.86±23.20 86.41±9.5 control に 対 する 平 均 抑 制 率 (%) 32.1 28.5 ー ー 以 上 薬 理 学 的 試 験 の 試 験 結 果 から ムルキナ 点 眼 液 0.1%はニフラン 点 眼 液 0.1%と 生 物 学 的 に 同 等 であると 判 断 する