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老 舗 和 菓 子 店 にみる 企 業 者 活 動 と 事 業 承 継 弘 前 市 甘 栄 堂 の 事 例 11H3054 佐 々 木 唯 はじめに 本 研 究 では 後 継 者 視 点 から 事 業 承 継 を 捉 え 直 そうとする 問 題 意 識 のもと 弘 前 市 の 老 舗 和 菓 子 店 へのインタビュー 調 査 を 行 った 企 業 者 活 動 の 先 行 研 究 では 先 代 経 営 者 が 行 う 活 動 について 主 に 論 じられている 経 営 者 となる 前 の 後 継 者 が 行 う 活 動 については 必 ずしも 十 分 に 論 じられていないため インタビュー 調 査 の 内 容 をもとに 先 代 によって 開 発 されたアップルパイの 販 売 を 軸 にして 年 代 段 階 別 に 当 時 の 弘 前 市 の 菓 子 業 界 の 状 態 や 先 代 家 業 に 対 する 思 いを 明 らかにした 後 継 者 の 経 営 に 対 する 考 え 方 経 験 等 を 織 り 交 ぜ 事 業 承 継 時 の 後 継 者 の 思 いや 事 業 承 継 を 契 機 に 経 営 革 新 を 行 った 事 例 を 提 示 したい 後 継 者 がどのタイミングで 経 営 理 念 を 理 解 し 後 を 継 ごうという 意 欲 を 持 った のか 老 舗 和 菓 子 店 が 事 業 承 継 を 円 滑 に 行 うことが 可 能 であったのは どのような 後 継 者 活 動 がなされていたからなのか そして 後 継 者 活 動 を 促 す 要 因 は 何 であるのか これら を 論 じることで 明 らかにし 事 業 承 継 問 題 における 後 継 者 活 動 の 研 究 の 必 要 性 を 説 きたい 第 1 章 先 行 研 究 の 整 理 と 事 例 概 要 先 行 研 究 から 中 小 企 業 の 事 業 承 継 の 現 状 ( 経 営 者 の 高 齢 化 後 継 者 難 事 業 承 継 に 消 極 的 )と 老 舗 企 業 の 現 状 を 確 認 し 事 業 承 継 を 円 滑 に 行 うための 条 件 と 老 舗 企 業 に 見 られる 特 徴 を 整 理 した 本 研 究 において 事 業 承 継 の 定 義 を 現 経 営 者 が 後 継 者 に 経 営 と 資 産 を 引 き 継 ぐこと とし 意 義 を 企 業 の 経 営 資 源 を 有 効 活 用 させ 新 事 業 を 起 こす 契 機 とした また 老 舗 企 業 の 定 義 を 創 業 100 年 以 上 で 今 もなお 繁 盛 している 企 業 とした 老 舗 企 業 は 長 期 的 なイノベーションを 繰 り 返 し 時 代 の 変 化 に 合 わせた 革 新 を 繰 り 返 して 生 き 残 り 事 業 承 継 を 何 度 も 乗 り 越 えてきた 企 業 といえる そのため 中 小 企 業 が 事 業 承 継 をどのように 乗 り 越 えるか 解 決 するために 老 舗 の 事 業 承 継 に 注 目 する 必 要 があると 考 えた 中 小 企 業 が 廃 業 する 理 由 として 最 も 多 いのは 子 供 に 引 き 継 ぐ 意 欲 が 無 いことであるが 事 業 承 継 の 先 行 研 究 には 後 継 者 視 点 のものが 極 めて 少 ない 事 業 承 継 には 必 要 不 可 欠 な 存 在 である 後 継 者 の 視 点 から 承 継 前 承 継 後 の 活 動 思 いを 明 らかにし 事 業 承 継 の 研 究 老 舗 企 業 の 研 究 に 貢 献 しようと 思 う 本 研 究 における 企 業 者 活 動 を 経 営 1

環 境 の 変 化 をいち 早 く 洞 察 し 個 性 的 資 質 動 機 から 意 思 決 定 する 活 動 と 定 義 する こ れは 企 業 の 経 営 者 が 行 う 活 動 である これまで 注 目 されてこなかった 後 継 者 が 行 う 活 動 について 経 営 者 が 行 う 企 業 者 活 動 に 対 応 して 後 継 者 活 動 と 名 付 ける それを 後 継 者 (となる 可 能 性 のある 人 物 )が 企 業 の 経 営 環 境 を 洞 察 し 個 性 的 資 質 動 機 から 意 思 決 定 を 下 し 自 ら 経 営 に 携 わろうとする 活 動 と 定 義 し 後 継 者 視 点 から 分 析 する 弘 前 市 は 菓 子 パン 小 売 業 の 市 場 が 拡 大 傾 向 にあり 弘 前 市 内 の 小 売 業 発 展 の 可 能 性 が 見 出 せる 現 弘 前 市 長 である 葛 西 憲 之 が 菓 子 関 連 のイベントを 企 画 して 菓 子 業 界 を 助 成 し 菓 子 製 造 販 売 店 と 菓 子 販 売 店 の 親 睦 と 技 術 の 向 上 を 目 的 とした 弘 前 菓 子 組 合 が 長 く 存 在 していることから 弘 前 市 の 菓 子 店 に 注 目 することにした 本 研 究 における 甘 栄 堂 に 関 する 記 述 は 主 にヒアリング 調 査 に 依 拠 する 2014 年 11 月 28 日 と 同 年 12 月 11 日 に 甘 栄 堂 店 内 において 同 店 主 菊 池 浩 氏 に 対 して 著 者 がヒアリングを 実 施 した また ヒアリング 調 査 に 先 行 して 菊 池 浩 氏 へのアンケート 調 査 を 実 施 している 青 森 県 弘 前 市 代 官 町 の 甘 栄 堂 は 1882 年 の 創 業 以 来 弘 前 の 特 産 品 であるりんごを 使 用 したお 菓 子 を 中 心 に 販 売 している 老 舗 和 菓 子 店 である 2014 年 現 在 弘 前 菓 子 組 合 には 創 業 100 年 以 上 の 老 舗 が 数 軒 と 80 年 前 後 の 菓 子 店 が 多 く 加 入 していることから 1882 年 に 創 業 した 甘 栄 堂 は 弘 前 の 菓 子 店 の 中 でも 比 較 的 歴 史 が 長 い 菓 子 店 であることがわかる 初 代 菊 池 熊 五 郎 2 代 熊 七 3 代 清 治 4 代 浩 で 経 営 を 続 けている 現 店 主 である 4 代 目 菊 池 浩 は 1951 年 6 月 18 日 に 生 まれ 東 奥 義 塾 高 校 千 葉 商 科 大 学 を 経 て 現 在 に 至 って いる 学 生 時 代 は バスの 洗 車 やガードマン 等 のアルバイトをしていた 浩 は 次 男 であり 当 初 は 兄 が 家 業 の 後 を 継 いでいたが 浩 の 大 学 卒 業 直 前 に 兄 から 代 わってほしいと 言 われ 急 遽 浩 が 甘 栄 堂 を 継 ぐことになった 浩 は 大 学 4 年 の 夏 には 内 定 をもらっていたが 兄 の 頼 みもあり 家 業 を 継 ぐことにした アルバイトでの 接 客 の 経 験 もあったため 経 営 者 となることに 特 に 抵 抗 はなかったという 第 2 章 戦 後 の 日 本 と 弘 前 小 売 業 と 菓 子 業 界 1950-1960 年 代 日 本 の 小 売 業 界 において 大 都 市 にある 少 数 で 大 規 模 な 百 貨 店 が 約 1 割 市 街 地 にある 多 数 の 零 細 小 売 店 が 約 9 割 の 売 上 を 占 めていた 地 域 の 消 費 者 の 要 求 す るものを 用 立 てるという 傾 向 にあった 生 産 者 がその 商 品 の 価 値 を 判 断 し 価 格 を 付 け 小 売 業 者 が 商 品 を 消 費 者 に 引 き 渡 すだけで 生 産 者 優 位 の 時 代 であった 高 度 成 長 期 には チェーン オペレーション セルフサービス 廉 価 で 広 範 な 品 揃 えという 3 つの 特 徴 を 持 つスーパーマーケット( 以 下 スーパーと 略 す)やメーカー 系 列 小 売 店 が 急 成 長 した 菓 子 業 界 では 1947 年 から 数 年 は 統 制 のため 砂 糖 などの 製 菓 原 料 が 欠 乏 していた こ の 時 期 菓 子 業 界 は 停 滞 していたため 人 々が 甘 いものに 飢 えていた 時 代 であったことが うかがえる 1955 年 頃 を 境 に 好 転 し 砂 糖 を 始 め 多 くの 物 資 が 出 回 り 出 す 砂 糖 がたく 2

さん 入 っている 等 甘 い 菓 子 であれば 何 でも 売 れる 時 代 であった この 頃 から 西 洋 菓 子 の 輸 入 が 行 われるようになり バターやチーズ 等 の 乳 製 品 も 出 回 り 始 め 和 菓 子 に 西 洋 菓 子 の 素 材 を 取 り 入 れるようになり 和 洋 折 衷 の 時 代 となった 1960 年 代 後 半 以 降 日 本 の 小 売 業 界 には ショッピングセンター 専 門 店 チェーン コ ンビニエンスストア( 以 下 コンビニと 略 す)などの 新 しい 業 態 が 次 々と 参 入 した 以 前 は 黙 っていても 売 れた 定 番 商 品 が いくら 価 格 を 下 げても 売 れ 残 るという 現 象 が 生 じ 総 合 スーパーの 不 振 が 生 じた これより 売 り 手 市 場 の 時 代 から 買 い 手 市 場 の 時 代 へ 転 換 し たことがうかがえる コンビニエンスストアは 必 要 なものを 必 要 な 分 だけ 必 要 なと きに 買 える という 利 便 性 が 若 者 の 一 人 暮 らしの 生 活 時 間 生 活 スタイルと 合 致 した 菓 子 業 界 では 国 民 生 活 の 向 上 と 共 に 街 に 品 物 があふれ お 金 があれば 手 に 入 れられる 時 代 になった 美 味 しさの 基 準 が 一 転 し 甘 くないものが 美 味 しいという 認 識 が 多 くなっ た この 転 換 期 から 菓 子 業 界 では 人 手 不 足 人 件 費 の 高 騰 の 問 題 が 生 じ 機 械 を 導 入 せ ざるを 得 なくなった 今 度 は 大 量 生 産 が 可 能 となったために 大 量 に 出 来 上 がる 製 品 を どのような 方 法 で 保 存 し 日 持 ちさせるかという 問 題 が 生 じた 添 加 物 の 使 用 や 冷 蔵 庫 冷 凍 庫 の 設 置 が 余 儀 なくされ 品 質 管 理 衛 生 面 等 にも 真 剣 に 取 り 組 むようになったので ある 顧 客 の 嗜 好 は 量 から 品 質 へ と 変 化 し 甘 く 作 れば 売 れる 時 代 は 終 焉 を 迎 えた 終 戦 当 時 弘 前 は 戦 争 が 終 わったとはいえ 暗 い 雰 囲 気 に 包 まれていた 電 灯 のつかな い 夜 の 町 はぶっそうであったことや 人 々の 心 に 明 るさを 取 り 戻 すためにも 1946 年 末 ま でに 明 るい 弘 前 を 目 指 して 多 くの 街 灯 が 灯 ることとなった 闇 市 風 景 も 見 受 けられ た 1976 年 の 弘 前 市 街 地 の 様 子 として 下 土 手 町 商 店 街 は 集 客 力 に 富 み あらゆる 地 域 か らの 顧 客 が 流 入 していたが その 他 商 店 街 は 閑 散 としていた 1966 年 から 1976 年 の 弘 前 市 における 菓 子 パン 小 売 業 では 商 店 数 はやや 増 加 傾 向 に あり 年 間 商 品 販 売 額 は 3 倍 以 上 も 伸 びているため 菓 子 パン 小 売 業 の 市 場 が 広 がりつ つあったことを 示 していると 言 えるのではないか 第 3 章 甘 栄 堂 の 事 例 1945 年 頃 に 先 代 が 初 めて 甘 栄 堂 でアップルパイを 販 売 したという 本 研 究 では 先 代 に 対 する 後 継 者 の 思 いに 注 目 するため このアップルパイを 軸 に 分 析 する 甘 栄 堂 では ア ップルパイを 作 るにあたり りんごの 種 類 と 食 感 を 重 視 している 他 のりんごのお 菓 子 は ふじ 等 の 様 々なりんごを 使 って 作 成 しているが アップルパイに 使 用 するりんごは 程 よく 酸 味 のある 紅 玉 のみを 使 用 する そのため 紅 玉 の 収 穫 が 始 まる 10 月 初 頭 ~ 中 旬 に 仕 入 れ 始 め アップルパイ 用 に 加 工 している 食 感 に 関 しては パイ 生 地 を 作 る 際 に バターの 固 さと それに 合 わせる 小 麦 粉 のモチ( 生 地 )を 重 ねる 工 程 に 気 を 使 っている 気 温 が 高 いとバターが 柔 らかくなってしまい 小 麦 粉 のモチとの 重 なり 具 合 がうまくいかず パイ 3

生 地 の 層 ができにくいのだという そのため 気 温 が 12~13 を 保 てる 季 節 が 望 ましく 紅 玉 の 仕 入 れが 行 われる 10 月 からの 約 5 ヶ 月 間 の 期 間 限 定 販 売 となっている 先 行 研 究 から 事 業 承 継 を 円 滑 に 行 うための 条 件 と 老 舗 企 業 に 見 られる 特 徴 を 整 理 する と 以 下 のようになる < 事 業 承 継 を 円 滑 に 行 うための 条 件 > (ア) 経 営 者 とコミュニケーションが 取 れている (イ) 後 継 者 の 意 欲 を 高 める 努 力 維 持 する 努 力 をしている (ウ) 後 継 者 が 創 業 者 経 営 者 の 生 き 方 から 自 社 の 価 値 観 を 理 解 している (エ) 後 継 者 を 計 画 的 に 育 成 している < 老 舗 企 業 に 見 られる 特 徴 > (オ) 身 の 丈 に 合 った 経 営 をする (カ) 取 引 先 や 顧 客 を 大 事 にする (キ) 新 たな 顧 客 を 取 り 込 むために 新 商 品 新 サービスの 開 発 販 売 をする これらに 即 して 甘 栄 堂 の 事 例 を 分 析 すると (ア)(イ)(ウ)(オ)(カ)(キ)を 満 たしているが (エ) は 必 ずしも 満 たしているとは 言 えないという 結 果 が 得 られた もともと 浩 の 兄 が 最 初 の 後 継 者 であった 兄 は 時 々 家 業 を 手 伝 っていたが 浩 が 主 に 手 伝 っていたという 情 報 から 計 画 的 な 後 継 者 の 育 成 を 行 っていたかは 明 らかにできない 浩 は 自 分 から 進 んで 手 伝 いを するようになり 家 業 を 継 ぐ 意 思 はまだ 無 かったものの 知 らずのうちに 家 業 を 継 ぐ 準 備 が 行 われていた 以 上 から 言 えることは 後 継 者 視 点 から 事 業 承 継 を 分 析 した 場 合 においても 先 代 経 営 者 とコミュニケーションが 取 れている 自 社 の 価 値 観 を 理 解 しているという 条 件 は 一 致 し ていた また 家 業 を 継 ごうとする 後 継 者 の 意 欲 を 生 み 出 すには 先 代 家 業 への 評 価 や 思 いが 影 響 すると 言 える 先 代 が 意 識 的 に 後 継 者 の 意 欲 を 高 めようとしなくても 先 代 の 家 業 に 勤 しむ 姿 を 見 て 継 いでもいいと 思 う 場 合 もあることが 示 された 一 方 で 必 ずし も 一 致 していると 言 えない 条 件 は 後 継 者 を 計 画 的 に 育 成 していることであった 甘 栄 堂 の 事 例 では 承 継 前 における 家 業 の 手 伝 いが 育 成 期 間 となっていた 承 継 後 も 先 代 の 手 が 離 れるまで 時 間 があったことから 事 業 の 承 継 前 後 に 関 係 なく 育 成 し 経 営 も 徐 々に 任 せ ていく 方 法 をとっているのではないかと 考 えられる 老 舗 企 業 の 特 徴 は 甘 栄 堂 にも 現 れ ていた これより 身 の 丈 経 営 顧 客 第 一 主 義 新 商 品 の 開 発 は 弘 前 市 の 他 の 老 舗 にお いても 共 通 して 見 られる 可 能 性 が 高 いのではないか 本 研 究 では 経 営 者 が 行 う 企 業 者 活 動 に 対 応 して 後 継 者 が 行 う 後 継 者 活 動 と 名 づけ それを 後 継 者 (となる 可 能 性 のある 人 物 )が 企 業 の 経 営 環 境 を 洞 察 し 個 性 的 資 質 動 機 から 意 思 決 定 を 下 し 自 ら 経 営 に 携 わろうとする 活 動 と 定 義 した 本 研 究 の 事 例 から 円 滑 な 事 業 承 継 を 行 うために 必 要 な 後 継 者 活 動 とは 何 であるのか 検 討 してみ 4

る 浩 は 急 遽 後 を 継 ぐことになり 抵 抗 なく 受 け 継 ぐことができたのは 学 生 時 代 に 家 業 の 手 伝 いを 経 験 したことで 家 業 がどのようなものであるかを 少 しでも 理 解 していたから ではないかと 考 えられる この 手 伝 い が 甘 栄 堂 における 浩 の 後 継 者 活 動 である 甘 栄 堂 の 事 例 では 創 業 以 来 の 技 術 や 商 品 顧 客 の 信 用 は 事 業 の 承 継 時 に 完 全 に 移 譲 できるものではないと 考 えられる 浩 は 先 代 の 味 に 近 づけようと 努 力 していながらも 先 代 のお 菓 子 作 りの 早 さを 評 価 していることから まだ 技 術 面 で 追 いついてはいないと 感 じ ていることがわかる 手 伝 いをしていた 当 時 も 先 代 と 同 じ 味 を 出 すのは 難 しく 慣 れが 必 要 であると 感 じていたことから 後 を 継 いだ 当 初 からまったくの 同 じ 味 の 商 品 を 販 売 し ていたとは 言 い 切 れない よって 先 代 と 同 じ 技 術 を 習 得 し 完 全 に 同 じ 味 の 商 品 を 販 売 できて 初 めて 事 業 承 継 が 完 了 したと 言 えるのではないか 手 伝 いは 円 滑 な 事 業 承 継 を 行 う 1 つの 後 継 者 活 動 である 手 伝 いのみをしていれば 必 ず しも 円 滑 に 事 業 を 承 継 できるというわけではない 浩 の 兄 も 手 伝 いの 経 験 はあったが 後 を 継 いで 数 年 のうちに ほかの 職 業 に 就 いてしまった ここから 永 続 発 展 させるために 重 要 なのは 自 分 よりも 先 代 家 業 を 大 事 に 思 うこと と 家 業 が 自 分 に 向 いていると 自 覚 すること ではないだろうか 自 分 の 興 味 のあった 業 界 から 内 定 をもらっていた 浩 が 内 定 を 辞 退 してまで 家 業 を 継 いだのは 1882 年 から 続 く 家 業 を 終 わらせたくないという 先 代 の 強 い 思 いを 汲 み 浩 自 身 も 同 じように 思 っていたからではないだろうか そして 手 伝 いの 経 験 を 通 じて 家 業 を 知 り アルバイト 経 験 を 通 じて 接 客 に 向 いていると 自 覚 し たことが 家 業 を 継 ぐ 決 め 手 となったと 推 察 される さいごに 事 業 承 継 を 円 滑 に 行 うための 条 件 と 老 舗 企 業 に 見 られる 特 徴 に 即 して 甘 栄 堂 の 事 例 を 分 析 した 後 継 者 を 計 画 的 に 育 成 しているという 条 件 のみ 必 ずしも 満 たしてい るとは 言 えないという 結 果 が 得 られた 重 要 なポイントだと 考 えられたのは 自 分 よりも 先 代 家 業 を 大 事 に 思 うこと 家 業 が 自 分 に 向 いていると 自 覚 すること であった 先 代 経 営 者 のみが 積 極 的 に 後 継 者 を 育 成 しようと 努 力 するのではなく 後 継 者 自 身 も 先 代 経 営 者 家 業 と 自 分 を 照 らし 合 わせて みることが 大 事 である 本 研 究 では 弘 前 市 の 老 舗 和 菓 子 店 の 1 つの 事 例 を 提 示 し 分 析 と 考 察 をしただけであ る 弘 前 市 における 他 の 老 舗 について 必 ずしも 当 てはまるとは 言 い 切 れないため 一 般 化 するのは 難 しい 経 営 史 的 に 考 察 したため 経 営 面 のみに 注 目 したが 資 産 面 からの 研 究 も 必 要 である 今 後 の 課 題 として 後 継 者 視 点 からの 更 なる 事 例 ( 経 営 面 資 産 面 )が 必 要 である 5