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二次関数 1 二次関数とは ともなって変化する 2 つの数 ( 変数 ) x, y があります x y つの変数 x, y が, 表のように変化するとき y は x の二次関数 といいます また,2 つの変数を式に表すと, 2 y x となりま

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まえがき 材料力学の教科書を見ると 2ページ目から 微分 積分 行列の式などがずらっと並んでいます もう それを見るだけで拒絶反応を起こしてしまう方もおられるのではないでしょうか? 確かに 三次元で評価しようとするとそのような計算が必要になるかもしれませんが 一次元 二次元なら 簡単な式にまとめられ

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2 図微小要素の流体の流入出 方向の断面の流体の流入出の収支断面 Ⅰ から微小要素に流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅰ は 以下のように定式化できる Q 断面 Ⅰ 流量 密度 流速 断面 Ⅰ の面積 微小要素の断面 Ⅰ から だけ移動した断面 Ⅱ を流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅱ は以下のように

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点におけるひずみの定義 ( その1)-(ε, ε,γ ) の定義ひずみは 構造物の中で変化しているのが一般的である このために 応力と同様に 構造物内の任意の点で定義できるようにした方がよい また 応力と同様に 一つの点に注目しても ひずみは向きによって値が異なる これらを勘案し あ

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Transcription:

不静定力学 Ⅱ 骨組の崩壊荷重の計算 不静定力学 Ⅱ では, 最後の問題となりますが, 骨組の崩壊荷重の計算法について学びます 1

参考書 松本慎也著 よくわかる構造力学の基本, 秀和システム このスライドの説明には, 主にこの参考書の説明を引用しています 2

崩壊荷重 構造物に作用する荷重が徐々に増大すると, 構造物内に発生する応力は増加し, やがて, 構造物は荷重に耐えられなくなる そのときの荷重を崩壊荷重あるいは終局荷重という 荷重 (b) (c) 終局状態 (a) 弾性状態 塑性状態 変形 建物の設計では, 地震などによって損傷を受けないということが重要ですが, 数百年に一度おこるような巨大地震に対しては, 損傷を完全に回避することは困難なことです したがって, このような巨大地震に対しては, 人命保護のために, 損傷は受けても潰れない ( 崩壊しない ) ことを保証する必要があります 巨大地震で建物の崩壊を防ぐには, どの程度の地震荷重 ( 水平力 ) によって, 建物が崩壊するのかを求めておく必要があります このように建物が崩壊する荷重を 崩壊荷重 または 終局荷重 と呼びます ( なお, 終局荷重は, 建物が抵抗力を無くした時点での荷重です ) 図には, 骨組に作用する水平荷重が徐々に大きくなっていった時の建物の変形と作用する荷重との関係を図とグラフで示してあります (a) の弾性状態では, 建物に損傷がなく, 荷重が無くなると元の状態に戻ります しかし,(b) の塑性状態では, 建物にひびが入り, 損傷を受けます しかし, まだ崩壊には至らず, 人命は保護されます ( ただし, 補修は大変です ) (c) の終局状態では, 柱または梁が崩壊し, 建物が崩れます 人命にも被害を及ぼします この授業の目的は,(c) の状態の荷重 ( 崩壊荷重 ) を求めることにあります 3

材料特性のモデル化 応力 σ 応力 σ 降伏応力 σ y モデル化 ひずみ ε ひずみ ε 実際の応力 - ひずみ関係 ( 複雑 ) 完全弾塑性モデル ( 単純 ) まず, このような骨組の崩壊荷重を求めるためには, いくつかの仮定が必要です 一つは, 材料の応力とひずみの関係を右の図のようにモデル化します このような応力 -ひずみ関係のモデルを, 完全弾塑性モデルと呼びます この完全弾塑性モデルでは, ある応力に達するとひずみが一定になります すなわち, 同じ応力でどんどん変形が進むということです このひずみが一定になる時の応力を 降伏応力 と呼びます ここでは, 完全弾塑性という言葉と, 降伏応力 σy という言葉を憶えてください 4

完全弾塑性モデルの部材断面内における応力分布 このような完全弾塑性モデルを仮定すると, 曲げモーメントが加わる部材の断面の応力状態は図に示すように変化して行きます まず, 応力が降伏応力に至るまでは,(a), (b) のように応力の傾きは直線になります 断面の端が, 降伏応力に達すると, それ以上応力は高くならないため,(c) のように, 断面の端から徐々に応力一定の領域が進展していきます この状態が弾塑性状態です そして, 最終的に (d) のように, 断面の全領域が降伏し, 曲げに対する抵抗力が0になります これが断面の崩壊です この状態を全塑性状態と呼びます 崩壊荷重を求めるためには, この全塑性状態の曲げモーメントを求める必要があります この全塑性状態の曲げモーメントを 全塑性モーメント と呼びます 5

全塑性モーメント y σ y D B x C σ y T j D j = 2 BD C = T = σ y 2 部材断面 全塑性状態 全塑性モーメント 塑性断面係数 2 M p = C j = T j = BD σ D BD y = σ y = Zpσ y 2 2 4 BD Z p = 4 2 全塑性モーメントMpは, 力の釣合からσyと断面寸法を用いて, ここに示す式で表されます ここで,Zpは, 塑性断面係数 と呼ばれ,σyは, 全塑性モーメントを塑性断面係数で割ることによって得られます 全塑性モーメントMpと塑性断面係数 Zpという言葉を憶えてください また,ZpがBD^2/4となることも憶えてください 6

代表的な断面形に対する塑性断面係数 長方形以外の断面の塑性断面係数は, この表のように求められています 7

崩壊機構の形成 荷重 荷重が増大すると 崩壊荷重 塑性ヒンジ 崩壊荷重を求めるためには, もう一つ仮定が必要です それは, どの部分 ( 断面 ) が壊れるかと, どのような形で構造全体が崩壊するかがわかっているという仮定です 例えば, 図のような問題では, 部材端部と荷重点が壊れることを仮定しています そして, 断面が崩壊する部分を図に示すようなヒンジで表します そして, 全体崩壊が生じる時のヒンジの位置を仮定します 8

様々な崩壊機構 たとえば, 図に示すような門形ラーメンでは, 様々な崩壊形 ( 崩壊機構 ) が考えられます このような崩壊形の中から, どのような崩壊形で崩壊に至るかを仮定する必要があります なお, 演習問題では, 崩壊形 ( 崩壊機構 ) は, 与えられています 実際は, いくつかの崩壊形に対して, 崩壊荷重を計算し, その最も小さいものを崩壊荷重とします 9

崩壊荷重の計算法 1. 骨組の崩壊機構を仮定する 2. 外力のなす仕事を計算する外力のなす仕事 = P 3. 内力のなす仕事を計算する内力のなす仕事 = M 4. 仮想仕事の原理より崩壊荷重を求める外力のなす仕事 = 内力のなす仕事 P= M それでは, 以上の基礎知識を元に, 崩壊荷重の求め方について説明します まず, 骨組の崩壊機構を仮定します 次に, その仮定された崩壊機構の変位をなどの変数とし, 外力のなす仕事量を計算します 外力のなす仕事量は, 外力 ( 外力の作用している点の外力方向の変位 ) によって計算できます これをすべての外力に対して計算し, 総和をとったものが外力の仕事量です 次に, 仮定された崩壊機構の各部材の内力のなす仕事量を計算します 各部材の内力の仕事量は, 各部材両端断面の回転角とその部材の全塑性モーメントを掛けることによって計算されます そして, 最後に外力のなす仕事量と内力のなす仕事量が等しいという仮想仕事の原理を用いて, 崩壊荷重 Pを求めます この時, 各部材の回転角 は, 節点の変位 を用いて表すことができるため, 仮定した仮想変位 は, この式から消去されます したがって, 崩壊荷重 Pは, 全塑性モーメントを長さで割った形で表されます 10

例題 2L P B 2M p M p 2M p C D L A 3L 次に, 具体的な例題で崩壊荷重の求め方を説明します この例題では, 柱の全塑性モーメントが, 梁の場合の 2 倍になっていることに注意してください 11

Step1 崩壊機構の仮定 P u B 2 2 C L 2L D A 3L まず, 崩壊機構を図のように仮定します この場合, 梁の両端 B, Cと固定端側の柱脚 Aにヒンジを仮定しています なお,D 点は, ピン支持であるため, ここでは仕事は発生しません 次に崩壊機構のどこかの節点の変位をと置き, どこかの部材の回転角をと置きます この場合は,B 点の荷重方向の変位をと置き, 柱 ABの傾きをと置いています 次に, 機構のヒンジの回転角をすべてで表します この場合は,B 点とC 点の変位が等しいことから, 柱 DCの傾きは2になります また, 柱 BAと梁 BCは,B 点にヒンジができなければ直角のはずですから,B 点の梁の回転角はになります また,C 点がヒンジでなければ,DCとCBは直角のはずですから,C 点の梁の回転角は 2になります 12

Step2 外力のなす仕事の計算 P u B 2 2 C L 2L D A P = P u ただし, 2L 次に, 外力の仕事量を計算します 外力の仕事量は, 外力 ( 外力が作用する節点の外力方向の変位 ) となります この場合は,Pu となります また,は, 近似的に,AB 要素の長さ となりますから,2Lで表されます 13

Step3 内力のなす仕事の計算 P u B 2 2 C L 2L D A M = 2M + M + M 2 ヒンジA p p p ヒンジB ヒンジC 次に内力のなした仕事量を計算します 内力の仕事量は, ヒンジを発生させるためのエネルギーに費やされますから, それぞれのヒンジについて仕事量を計算すればOKです まず, ヒンジAができるためには, 柱の全塑性モーメント2Mpの内力が必要です したがって, ヒンジAができた時の仕事量は,2Mp となります 次に, ヒンジBができるためには, 梁の全塑性モーメントMpの内力が必要ですから, 仕事量はMp です ヒンジCができるためには, 梁の全塑性モーメントが必要ですから, 仕事量はMp です ここで, 柱にヒンジがある場合は, 柱の全塑性モーメントを, 梁にヒンジがある場合は, 梁の全塑性モーメントを用いることに注意してください 14

Step4 仮想仕事の原理より崩壊荷重を求める P u B 2 2 C L 2L D A P = M P = 2M + M + M 2 u p p p P 2L = 5M u 5M Pu = 2L p p 最後に, 外力の仕事量と内力の仕事量が等しいとする仮想仕事の原理を用いて, 崩壊荷重 Puを求めます この時, 荷重は曲げモーメントを長さに割ったものになることを頭に入れておいて下さい この式によれば,Mp の値が計算されれば, 崩壊荷重が求まります 15

断面寸法と降伏応力が与えられれば, 崩壊荷重が計算できる P u 5M = 2L p D M p = BD 4 2 σ y B 部材断面 P u = 5 BD 2L 4 2 σ y 全塑性モーメントMpは, 断面形状と降伏応力が与えられれば計算できます 長方形断面の場合, 塑性断面係数は,BD^2/4でしたから, 崩壊荷重はここに示す式で計算できます 16