< F2D8E7793B188C482CC8D4C8FEA E A778169>

Similar documents
国語科学習指導案様式(案)

<4D F736F F D208FAC5F8E5A5F355F88C08C7C8D E7397A789C288A48FAC2E646F6378>

25math3

<4D F736F F D AAE90AC94C5817A E7793B188C481698D5D E7397A791E58A A778D5A814094F68FE3816A2E646F63>

Microsoft Word - ④「図形の拡大と縮小」指導案

Microsoft Word - 数学指導案(郡市教科部会)

2 図形の定義や性質を見いだすための算数的活動を取り入れる 2 枚の長方形, 長方形と三角形,2 枚の三角形を重ねて四角形を作る活動を取り入れ, 向かい合う辺の平行関係に着目させたり, 長さに着目させたりしながら, 四角形を定義できるようにする コンパスや分度器, ものさし等を使って, 四角形の構成

Microsoft Word - 中学校数学(福島).doc

PowerPoint プレゼンテーション

第4学年算数科学習指導案

第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

【大竹市】玖波小学校 算数「垂直・平行と四角形」(4年)HP

< F2D30365F8EF68BC68CA48B E6A7464>

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

○数学科 2年 連立方程式

第 5 学年算数科指導案 中野区立新井小学校平成 28 年 9 月 7 日 ( 水 ) 第 5 校時第 5 学年 2 組 37 名授業者古矢岳史 平成 28 年 9 月 5 日 ( 月 ) 第 4 校時第 5 学年 1 組 38 名授業者梶田智美 研究主題 思考力 判断力 表現力の育成 ~ 算数科

(Microsoft Word - 201\214\366\212J\216\366\213\3061\224N\211\271.docx)

(2) -2,4,1 3 y=-x-2 をかいた ( 人 ) 4 (1) y=2x-9,y=2x,y=3x+3 (2) y=x+11 (3) 指導観校内の研究テーマが 考える力を引き出す授業のあり方 ということで, 数学科では考える力とは何かを分析し,11 項目に整理した 1 帰納的に考える力 2

第 4 学年算数科指導案 平成 28 年 11 月 2 日 ( 水 ) 第 5 校時場所 4 年 2 組男子 22 名女子 10 名指導者垣見遥 ともなって変わる量 思考力 判断力 表現力の育成 ~ 児童の考えを引きだす算数的活動の工夫 ~ 1 単元名 ともなって変わる量 2 単元の目標 ともなって

第○学年○組 ○○科学習指導案

Microsoft Word - 社会科

file:///D:/Dreamweaber/学状Web/H24_WebReport/sho_san/index.htm

能を習得したり活用したりすることの必要性について確認する グラフをかく力やグラフを読み取る力を身に付けさせるとともに, 一次関数を学ぶことに対する意欲を高めたい 小単元全体を通して主体的に学ぶ意欲を高め, 自分の考えを説明したいという気持ちにさせた上で, 目的や方法等を明確にした意図のあるペアやグル

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

ÿþ

1, 単元名 いろいろな四角形を調べよう 2, 単元の目標 1) 平面上の2 直線の垂直 平行の意味や作図の仕方を理解する 2) 台形 平行四辺形 ひし形の意味や性質を理解し それを用いて作図や構成ができる 3) 四角形の対角線の交わり方を理解する 3, 評価規準 関心 意欲 態度 身の回りから 垂

問 題

5. 単元指導目標単元の目標 ( 子どもに事前に知らせる ) 三角形を辺や角に目をつけて分類整理して それぞれの性質を見つけよう 二等辺三角形や正三角形のかき方やつくり方を知ろう 二等辺三角形や正三角形の角を比べよう 子どもに事前に知らせる どうまとめるのか 何を ( どこを ) どうするのか (

二等辺三角形の性質 (2) 次の図の の大きさを求めなさい () = P=Q P=R Q 68 R P (2) (3) 五角形 は正五角形 = F 50 F (4) = = (5) === = 80 2 二等辺三角形の頂角の外角を 底角を y で表すとき y を の式で表しなさい y 2-5-2

2 単元の構想 本単元の目標 関心 意欲 態度 平均を用いることのよさに気付き, 進んで身近な事柄の考察や表現に用いようとする 見方や考え方 平均の考えを用いて, 身近な事柄について考えたり, 表現の仕方を考えたりすることができる 技能 平均を求めたり, 平均から全体を求めたりできる また, それを

<4D F736F F D DC492F18F6F82C582B A A778F4B8E7793B188C A778D5A90948A7789C8816A202E646F6378>

< F2D A793F18CB388EA8E9F95FB92F68EAE2E6A7464>

平成23年度東京都教育研究員  地区発表公開授業

数学科学習指導案 指導者ステップコース隠地純子 平野未紗 ジャンプコース中村徳寿 1 日時平成 27 年 1 月 20 日 ( 火 )5 校時 2 学年第 1 学年ステップコース 12 人 ジャンプコース 19 人 3 単元名空間図形 立体の表面積と体積 4 単元について (1) 単元観中学校学習指

< F2D332093F18E9F95FB92F68EAE2E6A7464>

Math-quarium 練習問題 + 図形の性質 線分 は の二等分線であるから :=:=:=: よって = = = 線分 は の外角の二等分線であるから :=:=:=: よって :=: したがって == 以上から =+=+= 右の図において, 点 は の外心である α,βを求めよ α β 70

< F2D F8C8E FA90948A7789C88A778F4B8E7793B1>

(2) 児童観実践校の対象児童は, 算数の学習に意欲的に取り組む児童が多く, 与えられた課題に対して一生懸命考えることができる 特に, 作業的, 体験的な活動には熱心に取り組む かけ算やわり算などの計算や筆算の仕方はよく理解しているが, 自力解決の場面においては, 解決の過程を絵や図, 言葉を使って

<4D F736F F D A E497E182C694BD94E497E181762E646F6378>

けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

7 命題の仮定 三角形の合同条件 図形の性質を記号で表すこと 41

学年第 3 学年 2 単元名 ( 科目 ) いろいろな関数の導関数 ( 数学 Ⅲ) 3 単元の目標 三角関数 対数関数 指数関数の導関数を求めることができる 第 次導関数の意味を理解し 求めることができる 放物線 楕円 双曲線などの曲線の方程式を微分することができる 4 単元の学習計画 三角関数 対

第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

<4D F736F F D A778F4B8E7793B188C A77816A899C967B2E646F63>

(3) 指導観本時は 連立方程式の文章題を扱う最初の時間である 方程式の文章題は 個数と代金に関する問題 速さ 時間 道のりに関する問題 割合に関する問題 を扱う これらを解くときには図や表 線分図などを書くことが有効であることを生徒達は昨年度一次方程式の時にも経験している 一元一次方程式を利用する

第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

第6学年2組 算数科 学習指導案

(Microsoft Word - \217\254_\216Z_5_\216O\214\264\216s\227\247\216O\214\264\217\254.doc)

s_052小4算数「面積のはかり方と表し方」北総

Microsoft Word - 201hyouka-tangen-1.doc

1 付けたい力 方法や理由等を言葉や数 式を用いて説明する力 第 5 学年算数科学習指導案 啓林館版 2 単元名 面積 3 単元目標 三角形や四角形の面積の求め方を考え 説明することができる 三角形や四角形の面積の公式を理解し 面積を求めることができる 三角形の高さと面積などの関係を調べ 比例してい

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

(1) 具体的な場面を通して正の数と負の数について理解し, その四則計算 (1) 正の数と負の数について具体的な場面での活動を通して理解し, その ができるようにするとともに, 正の数と負の数を用いて表現し考察する 四則計算ができるようにする ことができるようにする ア 正の数と負の数の必要性と意味

るかどうか, そして, その予想した事柄を ~は, になる という形で表現できるかどうかをみるものである 正答率は, 48.1% であり, 発展的に考え, 予想した事柄を ~は, になる という形で表現することに課題がある (3) 学習指導に当たって 事柄を予想することを大切にする数や図形について成

Microsoft Word - 全国調査分析(H30算数)

算数科学習指導案 1 日時平成 24 年 10 月 25 日 ( 木 ) 5 校時 2 学年第 6 学年 8 名 3 単元名比例と反比例 ( 啓林館 ) 4 単元について 本単元は 三原市立和木小学校 指導者荒木美花 本単元のねらいは, 伴って変わる 2 つの数量の中から比例関係や反比例関係にあるも

算数科学習指導案 1 単元名三角形と四角形 授業者小澤勇司 2 単元について児童は第 1 学年で, 箱や積み木の面を写し取ったり, 数え棒を使って形を作ったりするなどの活動を通して, 図形の構成要素である辺や頂点 角についての素地的な経験をしている ここでは, 児童が日常使っている さんかく や し

平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

第 6 学年算数科学習指導案 日時平成 25 年 月 日 ( ) 校時対象第 6 学年 組 名学校名 立 小学校授業者 1 単元名 速さ ( 学校図書 6 年上 ) 2 単元の目標速さについて理解し 求めることができるようにする 3 単元の評価規準 単元の評価規準 ア算数への関心 意欲 態度 速さを

算数科学習指導案 指導者伊達詩恵 1 日時平成 24 年 5 月 21 日 ( 月 ) 5 校時 2 学年第 6 学年 1 組 22 名 3 場所 6 年 1 組教室 4 単元名文字と式 5 単元について 単元観 本単元は, 数量の関係を表す式についての理解を深め, 式に表したり, 式を読み取ったり

全都道府県 公立高校入試 数学 単元別

Microsoft Word - 学習指導案(公民的分野 ②).doc

S10M.indd

Taro-1803 平行線と線分の比

関数を活用することで現実世界の課題を解決できるということを通して, 生徒に関数の有用性を実感させたい そのために, 陸上競技トラックの問題 を用いて, 現実世界の課題から関数関係を見いだし, 表 式 グラフなどを用いて数学的に処理し, 現実世界の課題を解決する ことで, 関数を用いた問題解決の理解を

指導案 5年 算数

○学部 ○○科 学習指導案

中2テスト06

Microsoft Word - 円の面積指導案_H24.2.9

Microsoft Word - 小学校第6学年国語科「鳥獣戯画を読む」

本時の展開

京都発11.indd

教科に関する調査の各問題の分析結果と課題 (3) 中学校数学 B

<4D F736F F D208FE993EC8BE65F8E5A909489C88A778F4B8E7793B188C E816A2E646F63>

第 3 学年算数科学習指導案 江戸川区立清新第一小学校しっかり ( 標準 ) コース 3 年授業者齋藤睦美 1. 単元名考える力をのばそう 間の数に目をつけて 2. 単元の目標問題を解決することを通して, 本数と間の数のきまりを見つけることの大切さや関数的な見方のよさに気付く 3. 単元の評価規準ア

「埼玉発世界行き」高校生留学奨学金交付要綱

1 単元名 分数 ( 全 10 時間 ) 教材名 分数をくわしく調べよう ( 東京書籍 4 年下 ) 第 4 学年算数科学習指導案平成 26 年 11 月 26 日 ( 水 ) 5 校時 4 年 1 組 ( 男子 13 名 女子 10 名計 23 名 ) 指導者上田稚子 ( 学習指導要領 ) A 数

<4D F736F F D20979D89C88A778F4B8E7793B188C48F4390B394C581698C4696EC F838E69816A2E646F63>

第 2 学年 5 組理科学習指導案 日時平成 26 年 12 月 12 日 ( 金 ) 場所城北中学校授業者酒井佑太 1 単元名電気の世界 2 単元について (1) 教材観今日の私たちの日常生活において 電気製品はなくてはならないものであり 電気についての基礎的な知識は必要不可欠である しかし 実際

中学校第 3 学年数学科学習指導案 日 時 平成 25 年 月 日 ( ) 第 校時 対 象 第 3 学年 学校名 立 中学校 1 単元名 式の計算第 1 章式の計算 2 単元の目標文字を用いた簡単な多項式について 式の展開や因数分解ができるようにするとともに 目的に応じて式を変形したりその意味を読

テレビ講座追加資料1105

Taro-kariya.jtd

3 学校教育におけるJSLカリキュラム(中学校編)(数学科)4.授業事例 事例10 2年 図形と合同「円周角の定理」

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

算数科学習指導案 広島市立 小学校教諭 1 日時平成 21 年 2 月 日 ( ) 2 学年 5 年 組 3 単元数量関係 割合とグラフ 4 単元について 本単元では, 百分率について理解し, それを用いることができるようにするとともに, 目的に応じて資料を分類整理し, それを円グラフや帯グラフを用

学年 :2 年単元名 :2. たし算のひっ算 -たし算のしかたを考えよう 1. 単元目標 :( 全 10 時間 ) 2 位数の加法の筆算の仕方について理解し 確実にできるようにするとともに それを用いる能力を伸ばし 加法についての理解を深める 考 表 動作化や図にかいて演算決定しようとする 既習事項

4 単元と指導の構想 (1) 単元と児童 1 単元について児童は, 第 1 学年の かたち (1) の学習において, さんかく しかく まる という言葉を使って形の特徴を調べている 第 2 学年の 三角形と四角形 の学習において, 三角形や四角形は辺と頂点で構成されていることを学んでいる 更に 長方

Microsoft PowerPoint - syogaku [互換モード]

主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう 学年 小学校 2 年生 教科 ( 授業内容 ) 国語 ( 主語と述語 ) 情報提供者 品川区立台場小学校 学習活動の分類 B. 学習指導要領に例示されてはいないが 学習指導要領に示される各教科 等の内容を指導する中で実施するもの 教材タイプ ビジ

★数学学習指導案最終(知的障害)

[] ,,, P.,,[3,4],[5,6], 3,,,[7] [7], 1,,,,,[8],, 1 acm bcm, AB = a + b,, AP : P B = b : a AP = x

研修中間報告書

<4D F736F F D A778D5A95DB8C9291CC88E789C881408E7793B188C42E646F63>

数学科学習指導案 1 次方程式 ( 中学校第 1 学年 ) 神奈川県立総合教育センター < 中学校 高等学校 > 数学 理科授業づくりガイドブック 平成 22 年 3 月 問題つくりを題材として取り上げ 身近な生活の中にある数量関係を見いだし それを基に文章題を作らせる指導によって 自ら具体的な事象

平成 26 年度 高知県学力定着状況調査結果の概要 速報版 平成 27 年 2 月 高知県教育委員会

<4D F736F F D E8CA791E589EF89A198488FAC8E7793B188C42E646F63>

Microsoft PowerPoint - 中学校学習評価.pptx

3 単元の目標 (1) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象に進んでかかわり それらを科学的に探究するとともに 事象を日常生活とのかかわりでみようとする 自然事象への関心 意欲 態度 (2) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象の中に問題を見いだし 目的意識をもって観察

2 児童観復習プリントから 乗法の交換法則 4 7=7 乗法の結合法則 = 加減混合の式や乗除混合の式の計算はできていると考えられる しかし 分配法則 6 10=6 9+ や 7 8=7 9 はできない児童が数名いて 定着していないことが分かる また 計算の仕方は理解してい

理科学習指導案指導者海田町立海田西中学校教諭石川幸宏 1 日時平成 30 年 2 月 21 日 ( 水 ) 第 4 校時 2 学年第 1 学年 2 組 ( 男子 19 名女子 18 名 37 名 ) 3 場所海田西中学校第 2 理科室 4 単元名身のまわりの現象 ~ 力の世界 ~ 5 単元について

Transcription:

中学校数学科 ( 平成 25 年度 ) 11 第 1 学年数学科学習指導案 ( 習熟度別少人数学級 ) 本時の主張 本時は,2 地点間の最短経路について, その仕組みを見いだし, 根拠を明らかにして作図の方法を説明する授業である 生徒には次の実態がある 対称な図形に関する基礎的な知識は身に付いている 条件を自ら設定し作図することに苦手さがある生徒が複数いる このような生徒の実態をふまえ, 次のような手だてを講じる 手だて 1 特殊な場合で最短経路を予想させ, 条件変更すると経路はどう変わるかを問う 手だて 2 具体的な操作活動を通して, 最短経路となる 2 地点間の特徴に気付かせる 手だて 3 方眼紙で見いだした図形の特徴を基に, 白紙に作図する方法を説明させる この手だてにより, 生徒は図の特徴を基に作図して作図方法を説明することで, 論理的に考察し表現する力を身に付けることができる 1 単元名平面図形 ( 小単元 : 基本的な作図とその活用 ) 2 単元の目標 作図が完成した状況から, どうやって作図したらよいか根拠を明らかにすることに関心をもち, その方法を考えたり, 問題の解決に生かしたりしようとしている 関心 意欲 態度 基本的な作図の方法や作図した結果が正しいことを, 図形の対称や移動の見方から説明することができる 見方や考え方 角の二等分線, 線分の垂直二等分線, 垂線などの基本的な作図ができる 技能 図形を移動したり, 移動した図形をかいたりする方法を理解している 知識 理解 3 単元の指導計画 (7 時間目 /8 時間 ) 時学習のねらい ( ) と主な活動内容 ( ) 関考技知 評 価 評価規準 1 線分と直線と半直線の違いや角の様々な分 線分, 直線, 半直線の違いを 類を知る 理解している 半直線の図を提示し, 何と名付けたらよ いかを述べる 2 ひし形の特徴を調べることを通して, 垂直 点と直線の距離, 直線と直線 と平行, 点と直線の距離, 直線と直線の距 の距離について理解している 離について理解する ひし形の特徴を書き出す 3 合同な多角形をかくための条件を作図を通 合同な三角形が決まる条件を して理解する 予想して, 作図で調べること 測定した辺や角を記録する ができる 合同な四角形をかく条件から三角形が決 定する条件を予想する 4 2 つの円が交わった図を根拠に, 垂直二等 2 つの円が交わった時にでき -1-

分線, 角の二等分線の作図の方法を説明で る線分や角の特徴を説明でき きる る 作図された図を基に, どうやって作図し 完成した図の特徴を分析し, たらよいか検討する 作図方法を説明できる 5 垂線について, 完成図を基に, その作図方 完成した図の特徴を分析し, 法を説明することができる 作図方法を説明できる 作図された図を基に, どうやって作図したらよいか検討する 6 基本的な作図を使って,60 45 75 など 60,45,75 の作図方法 を作図し, その方法を説明できる を説明できる 様々な作図の方法を交流する 7 2 地点間の最短経路 最短経路となる場所の見付け について, 最短経路 方を根拠を挙げて説明し, 作 となる図の特徴を分 図できる 析し, その理由を説明する 川の対岸にある2 地点のどこに橋を架けたらよいか交流 検討する B 8 折れ線の最短経路に 最短経路となる場所の見付け A ついて, 最短経路と 方を根拠を挙げて説明し, 作 なる図の特徴を分析 図できる し, 作図の方法を説明する 折れ線が最短になる図の特徴を調べる 4 本時の計画 (1) 本時のねらい 2 地点間の最短経路について, 最短経路となる図を分析したり, 小集団で作図方法を交流したりする活動を通して,2 地点間の最短経路を作図する方法を説明できる (2) 本時の構想本時では,2 地点間の最短経路について, その仕組みを見いだし, 根拠を明らかにして作図し, 作図方法を説明する 2 地点間の最短経路の仕組み は, 対称な図形の性質や線分の移動などを根拠として説明することができる このことは, 学習指導要領第 1 学年の図形領域の目標 (1) 観察, 操作や実験などの活動を通して, 見通しをもって作図したり図形の関係について調べたりして平面図形についての理解を深めるとともに, 論理的に考察し表現する能力を培う と関連する 論理的に考察し表現する能力を培うために, 事象に対して 理由を明らかにしよう という問題意識をもたせたい しかし, 単に図を与えて 最短経路となる理由を説明しなさい と働き掛けても, 生徒に 理由を明らかにしよう という問題意識は醸成されない そこで, 最短経路となる図の特徴を分析させて見いだした特徴を基に, 作図の方法を交流する活動を組織する 標準学力検査 NRT の図形領域では, 合同な三角形をかく条件を選択する問題の通過率が低かった 一方で, 点対称な図形の対応の中心を求める問題の通過率は高い この結果から, 対称な図形に関する基礎的な知識は身に付いているが, 条件を自ら設定し作図することに苦手さがある生徒が多いことが分かる -2-

このような生徒に, ねらいを達成させ, 論理的に考察し表現する力を身に付けさせるために, 次の手だてを講じる 手だて 1 特殊な場合で最短ルートを予想させ, 条件変更するとルートはどう変わるかを問う 最初に, 問題場面を提示する 次に, 川までの経路が 問題場面 1 等しい2 地点間のどこに橋を架けるとよいか, 図に書き A 研究所の川を込ませる 図は方眼紙に書いたものを提示する 多くの隔てて反対側にB 生徒は,2 地点間の中点に橋を書き込むだろう 予想を研究所がある A 研究所から B 研究発表させた後で, 予想を図形シュミレーションソフト所まで最短のルー (GC) で検証する AとBの中点に橋を架けるとよいこトになるように川とを確定する に垂直に橋を架け次に, 中点に橋を架けるとよいと考えた生徒に, 一方たい 川までの距離はA 研究所,B 研究所も同じとします の点の位置を変更した図を提示する ここで, 橋を架ける場所は変えたほうがよいか, 今よりも左に架けた方がよいか, 右に架けた方がよいか を問う 予想させてから, 図形シュミレーションソフト (GC) で検証する 中点に橋を架けても最短経路にならないことに気付いた生徒は, 最短経路になる橋の位置はどうやって決まるのだろう と問題意識が醸成される ここで, 学習課題 最短経路になる橋の場所はどうやったら見付けられるのだろうか を設定する 問題意識が醸成された生徒に, 最短経路になる図を複数提示し, 図の共通点を挙げさせる 生徒は 橋までの線分が平行であること に気付く 問題場面 2 A 研究所の川を隔てて反対側に B 研究所がある A 研究所から C 研究所まで最短のルートになるように川に垂直に橋を架けたい 川までの距離は C 研究所の方が近いとします 手だて 2 具体的な操作活動を通して, 最短ルートとなる 2 地点間の特徴に気付かせる 最短経路になる図と最短経路にならない図をカードにして配布する そして, 平行であるときに最短になる理由をカードを使って調べるように指示する 生徒は, カードを折ったり切ったりすることを通して, 橋がないと仮定すると, 最短経路の場合は 2 本の線分が 1 本になること, 最短にならない場合は, 折れ線になることに気付く 手だて 3 方眼紙で見いだした図形の特徴を基に, 白紙に作図する方法を説明させる 2 本の線分が平行になるように作図することに気付いた生徒に, 白紙を提示する そして, 紙を折ったり切ったりせずに 作図するように指示する 中には, 三角定規で平行線を引こうとする生徒もいると考えられるが, なかなか川に垂直になるように書けない どうやったら簡単に橋を架ける場所をみつけられるか, 作図の方法を説明させる ここで, 方眼紙の図を分析して, 川幅がないと仮定して直線になることを見いだした生徒は, 川幅の分, 点の位置を上にした場所に仮に点をつくって, 点 A から直線を引けばいいことに気付くことが期待できる -3-

(3) 本時の展開 学習活動教師の働き掛けと予想される生徒の反応 評価 留意点 1. 最短経路になる図の 問題提示 パワーポイントで図示し 特徴を見い A 研究所の川を隔てて反対側にB 研究所があ て提示する だす活動 る A 研究所から B 研究所まで最短のルートに (15) なるように川に垂直に橋を架けたい 川までの距離はA 研究所,B 研究所も同じとします T1: ワークシートに橋を架ける場所を書き込んで 方眼紙に2 点を書き込んみましょう だシートを配付する T2: どこに書き入れたか, 聞いてみます C1:2つの点の真ん中に橋を書き込む C2:Aから垂直に線をおろした場所に橋を架ける 拡大したシートを黒板に貼り, 書き込む T3: 本当に中点が最短になるのか, 確かめてみます 画面を見てください C3: 中点のときに最短ルートになりそうだ 画面に下図を提示する T4:B 地点からC 地点に研究所が移ったとします 最短ルートになるように橋を架けます 橋の位置は今の位置と変えなくてもよいか, 左にずらしたほうがよいか, 右にずらしたほうがよいでしょうか 予想して挙手します ア変えなくてもよいイ右にずらしたほうがよいウ左にずらしたほうがよい T5: 確かめてみます 画面の数値をよく見ていてください C4: 左にずらしたほうがよさそうだ 画面に下図を提示する T6: 念のため川岸からD 地点に研究所が移ったとします 橋の位置は左にずれますか, 右にずれますか C5: 右にずれると思います T7: 確かめてみましょう C6: 確かに右にずれそうです T8: 右にずれた所に橋が架かりますね 2. 最短経路 学習課題 に図を分析最短ルートになる橋の場所はどうやって見付する活動けたらよいのだろうか (15) T9: 最短ルートになる図にはどんな特徴があるの ワークシートを配付する -4-

でしょうか 調べてみましょう 3 つの図を比べて, 気付いたことや分かることを挙げなさい アイウ C7: 橋までの2 本の線が平行になっている ペアで相談させる C8:B が上に1マスずれると, 左に橋が動いて, 発言を板書する 下にずれると右に動く T10: 橋までの線分が平行であるときに, 最短経路になりそうです どうして平行になると最 紙を折ったり切ったりし短になるのでしょうか 最短経路になる図とて調べてもよいことを伝最短経路にならない図を使って説明してみまえる しょう C9: 図を折ることで確かめる 紙を折って2 本の線分をつなげてみると, 最短になるときは1 本の線になるけど, 最短にならない場合は折れ線になっている C10: 線分を平行移動する 図のように2 本の線分をくっつけると,1 本の線分になるので最短になる ペアで意見交換するように指示する C9 C10 の順序で指名して発表させる どちらの方法がわかりやすかったかを聞く T11: 理由を発表してもらいます 白紙に図を書いたワーク 3. 見いだし T12: 調べた特徴を基 シートを配布する た特徴を基 に, 根拠を明らか に作図する にして橋を架ける 個人で作業させた後, 近 活動 (10) 場所を図に書き入 くの人と相談させる れなさい C11: 川幅の分がないと仮定して点をと 川幅がないと仮定した考 る え方を取り上げる C12: 適当に点をとる 2 点間の距離は線分が最 C11 と C12 が交流 短であること, 平行四辺 すると以下のよう 形の性質など根拠を確認 な教え合いがある して, 板書する C11: 適当に点をとっても一直線になるかどうか -5-

わからない だから川幅の分がないとして考えて点をとると最短になるよ C12: どうして川幅がないとするといいの C11: だって結局橋までの長さが同じになるよね C12: そうか 4. 最短経路 まとめ になる橋の 最短ルートとなる橋の場所の見付け方を根拠 最短経路となる橋の場所 見付け方を を明らかにして説明しなさい の見付け方を根拠を挙げ 説明する活 て説明できたか 動 (10) C13:2 点間の距離が最短になるのは, 直接線分 ( ワークシート / 数学的な見方や で結んだ時です だから, 点 Bの場所を川幅 考え方 ) の分だけ上にずらして, 点 Aと結びます その線分と川岸の交わった所から橋を架けます そうすると, 平行四辺形ができるので, 長さは変えずに最短経路をつくることができます C14: 最初に, 川幅の分, 点 Bを上にあげたところに点を取ります そして点 Aとその新しく作った点を結びます 川岸とその線が交わったところから垂直に橋を架けます (4) 本時の評価 評価規準 最短ルートとなる橋の場所の見付け方を根拠を挙げて説明できたか ( ワークシート / 数学的な見方 考え方 ) 評価 十分に満足できる 状況 (A): 根拠を明らかにして作図方法を説明している < 記述例 > 2 点間の距離が最短になるのは, 直接線分で結んだ時です だから, 点 B の場所を川幅の分だけ上にずらして, 点 A と結びます その線分と川岸の交わった所から橋を架けます そうすると, 平行四辺形ができるので, 長さは変えずに最短ルートをつくることができます おおむね満足できる 状況 (B): 根拠の説明は不十分だが, 作図方法は説明している < 記述例 > 2 つの点の間が最短になるのは, 直接線分で結んだ時です だから, 川幅の分, 点 B を上にあげたところに点を取ります そして, 点 A とその新しく作った点を結びます 川岸とその線が交わったところから垂直に橋を架けます -6-